自主企画でキャラを募集しました。
注意事項は特にはありません。
自分史上1番の大作になる気がします。
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目次
能力境の改革記 #1
キャラクター募集しました!
あたいは「京浜」!下の名前なんてややこしいから京浜でいいよ!
(↑理の真似です。)
たくさんのキャラクターありがとうございます!
(ちなみに東方にかなり影響を受けています。でもそんなに影響は目立ってないはず。
オリジナリティは壊れてないから許してください!!!)
舞台は冬になります。
異常に長くなりました。これが文長異常(ぶんながいじょう)…!
|理《るうき》「最近は異常もないし、結構暇だなぁ」
---
ここは能力境。現実世界からは離れた場所。
能力境には能力が使える者がたくさんいる。
能力が使えない者も「人境」と呼ばれる、人の多いエリアに住まう。
まるで現実世界の上位互換。
だが、そうでもない部分もある。
---
能力境には《《異常》》が起こるのだ。
たとえば「異常気象」。異常な気象が続くこと。
たとえば「異常破壊」。境界内の様々なものが次々と破壊されること。
たとえば「異常混合」。能力境と能力境の外の世界の境界があやふやになること。
たとえば「異常存在」。有害な感染症や物体が散乱してしまうこと。
その異常は、強い能力者が主に発生させる。
普通なら異常は能力なしの人間では解決することができない。
異常を解決できるのは能力を持つ人間や人間以外。
その中の一人、「境界内異常解決家」なのが|藤原 理《ふじわら るうき》である。
---
理「せっかくなら|氷空《そら》さんのところでも行くか〜。
なんだかラムネが飲みたい気分だし。」
〈|藤原《ふじわら》 |理《るうき》。人間妖怪(封印の妖怪)の18歳。〉
〈人間妖怪は人間になったり妖怪になったり、人間と妖怪の中間になったりできる。〉
〈ありとあらゆるものを封印する能力を持っている。〉
〈境界内異常解決家。二つ名は「封印の少女」。とても強い。〉
〈人境と操境の境目に住んでいる。〉
---
~琥珀氷店〜
理「こんにちは〜氷空さん。ラムネありますか?」
氷空「あら、理さん。こんにちは。ええ、ありますよ。外は寒いけど…
買って行きますか?」
理「うん、買ってきます!寒くても平気!」
〈|杉花《すぎばな》 |氷空《そら》。妖怪(氷結の妖怪)で102年生きている。〉
〈妖怪は不老不死で、見た目は若いまま固定される。〉
〈氷雪を操る能力を持っている。〉
〈駄菓子屋。二つ名は「氷山の暴妖」。強い。〉
〈水麗湖周辺の幼境にある「琥珀氷店」に住んでいる。〉
アカリ(…あ、理ちゃん)
理「アカリさん!どーも」
アカリ「最近は、異常もなくて平和だね〜。いつまでもこれが続けばいいのに」
理「......そうねぇ。」
氷空「?」
理「__嵐の前の静けさ……__いや、なんでもないです」
氷空「えっ…予感、しますか?」
理「正直、します」
アカリ「怖いね…私、強くないから心配だよ」
〈|西園寺《さいおんじ》 アカリ。妖精(神夢の妖精)で89年生きている。〉
〈妖精は不老不死で、弱い種族なものの見た目は若いまま固定される。〉
〈夢を操る能力を持っている。〉
〈駄菓子屋の看板妖精。二つ名は「悲夢の妖術師」。やや弱い。〉
〈水麗湖周辺の幼境にある「琥珀氷店」に住んでいる。〉
氷空「大丈夫ですよ、私は弱くないので」
アカリ「そ、そっか…。」
アカリ(…)
理 (なんかムードが…伝わってくる。これは早めに退散した方がいいかもしれない)
彩「こんにちは…っ!」
氷空「いらっしゃいませ〜、あ、彩さん!」
理「彩ちゃ〜んっ、こんにちは〜!」
彩「…うんっ」
〈|星宮《ほしみや》 |彩《さや》。妖精(星の妖精)の10歳。〉
〈妖精は不老不死で、弱い種族なものの見た目は若いまま固定される。〉
〈星を操る能力を持っている。〉
〈幼い子供。二つ名は「幼き星使い」。やや弱い。〉
〈幼境に住んでいて、育ちも幼境。〉
彩「あれっ…?なんか、アカリさんが静か…?」
理「どうした?元気ないけど」
アカリ「いっいや!何でもないよ、大丈夫!」
氷空「…変ですね」
アカリ「変じゃないから!」
彩(これは…)
理(想像に難しくないな…)
理「とりあえずお金は置いておくから!」
氷空「あっ、ありがとうございました!」
理「……これが正解…。」
---
〜理の家〜
理「んも……謎のムード漂ってるんだから…。」
少し落ち着いて、理がちびちびとラムネを飲んでいる時だった。
外から轟音が聞こえ、地鳴りがする。
直下型の地震が起きたような感覚だった。
理「はぁん!?地震とかの自然災害は封印してるはずなのに…っ」
地震《《のようなもの》》はしばらく続く。流石の理もこれが異常事象であることを
前提として考えるほど大きめだった。
理「水麗湖が溢れてきたりして……。まあそこまではならないか、結界張ってるし
みんな…無事だよね…?」
ただの地震だ、結界は張っているし何の影響もないだろうと、
ほんの少しだけ安心したその時だった。
再び「ゴォォ」という轟音が鳴り、大きく揺れる。
それに加え、空の一部が暗く、黒い。まるで空に穴が空いているよう。
強い風が吹き、四方八方からかん高い叫び声が聞こえる。
「ギャアアアーッ!!!引きずり、込まれるーっ!!!」
「どこよここ!!元の場所に戻して!!!」
「イヤァアアアアアア!!!!!!!」
境界内はさながらパンデモニック状態。
この叫び声の内容から、理はどんな異常かをすぐに予想できた。
理「これは間違いなく《《異常混合》》!!!
もう最悪だ……対応も面倒な割に、修復も時間かかるし…
というよりは今まで事例も少ないし……!!!」
理は一刻も早く異変を解決させるために、知らず知らずのうちに
一目散に外に出ていた。
しっかり腕にも武器のガラスの棒を固定させ、30枚ほどのお札を持った。
それに、異変の時にしか持たないナイフも持っている完全装備の状態で。
理は異常を解決する時に中心として動く存在。
勘から、元凶は幼境から妖境にかけて動いていることがわかる。
異常にはたいてい、中ボス的な存在がいる。
その中ボスも早めの処理をしなければ、後々面倒になる。
理「中ボスがいると予想されるのは……とりあえず操境の北端らへんか…?」
---
茉莉「あっ理ちゃん!やっぱりもう動いてたんだ」
理「当たり前ですよ、とんでもない叫び声とか聞こえてくるもんですから!」
〈|三笠間《みかさま》 |茉莉《まつり》。妖怪(白狐の妖怪)の20歳。〉
〈妖怪は不老不死で、見た目は若いまま固定される。〉
〈神力を操る能力を持っている。〉
〈神社の巫女。二つ名は「兵狩り」。〉
〈妖境の中でも人境に近い、西端に住んでいる。〉
茉莉「急いで結界を破ってきたんだ。地震が起きたのかと思った…」
理「本当ですよ…。とりあえず応急処置として、ぽっかり穴が空いた部分は
結界を貼りましたが、じきに破壊されるでしょうね…」
茉莉「そうなったら最悪だね…。」
中ボスのいるであろうところに向かっていた二人が会い、
全力でかつバランスを保ちながら一緒に向かっていく。
理「あーも、さんむい!さんむいです!」
茉莉「寒いね…手の感覚が…」
理「でもなんかあったかくなってきましたね」
茉莉「ってことは…?」
理・茉莉「!!!」
---
理「げっ!!出たぁ!!!」
???「“出た”とは何だ…」
目の前に現れたのは、真っ赤に染まったシャツの上に黒いタキシードを着た、
悪魔らしい容姿の者だった。
茉莉「《《カミラ》》…。でも、いる、ってことはさ」
理「間違いなく異常ってこった…。まあ、それは__前提なんだけど…。__」
カミラ「また異常を解決しに来たのか。何度も言うが、………は、いい奴なんだよ!」
突然風が吹き、「いい奴」が誰かは、二人はわからなかった。
理「なんて…?ちょっと聞こえなかったんだけども……元凶は誰なんだよ!」
カミラ「元凶?さあ。誰だろなー?」
〈カミラ。悪魔で1000歳生きている。〉
〈悪魔は見た目が若いまま固定され、不老不死ではないが長生き。〉
〈炎を操る能力を持っている。〉
〈炎の魔術師。二つ名は「炎の神」。〉
〈人境に住んでいる。〉
カミラは悪魔らしく首を傾げた。
カミラ「お前たちの名は…何だったか?」
理「えっ…、あたいは藤原!下の名前なんてややこしいから藤原でいいよ!」
茉莉「名前なんて何でもいいでしょ!?」
カミラ「ああそうそう、思い出したさ、お前は理か。」
茉莉「まあ、誰でもいいや、カミラは何年も長く生きてるんでしょう?
知ってると思うけど、私は長生きと戦うのが大好きだから!」
茉莉はにったりと笑った。
理「そういえばそうだった…でも、毎回異常の時に通せんぼするのは思いっきり
迷惑なんだよ、さっさと突破するからね!!」
カミラ「いいさ、俺も相手になる。……“ウェーブファイヤー”」
理「うおっ!?」
理と茉莉の周りが一気に火で囲まれた。
茉莉「大丈夫、落ち着こう、こんなの見掛け倒しだから!」
カミラ「見掛け倒し…さあ、本当にそうかな?」
理「あったか〜。冬はこれに限りますねぇ〜。」
火が宙に浮き、理と茉莉を目掛けて、火花を飛ばしながら飛んできた。
理「めんどくさいな……“時間封印”!!!」
茉莉「!」
時間を封印することで、理は時間を停止した。
理「とりあえずどうしましょっかねぇ……。」
時間を停止したため、茉莉もカミラも動かない。
理「そこらじゅうにレーザー貼るか…。まだ中間だ、元凶ほどは強くないだろ」
理「……っと」
時間停止を解除する。
カミラ「!?」
カミラの目に真っ先に飛んできたのは、紅に染まるたくさんのレーザーだった。
何度も戦ってきたためすぐにカミラは理解した。これが理のものだと。
カミラ「…おいっ」
理「そのくらい燃やせるんじゃない?まさか…無理?」
茉莉(自分から解決方法提示しちゃってるじゃん!何してるの理ちゃん!)
カミラ「……“ファイヤー”、こんなレーザー軽いもんだ」
火を出現させ、レーザーをボッと燃やした。
理「カミラの体力消耗に繋がったからまぁいいけど……やっぱ言うべきじゃなかったか」
それからカミラはたくさんの火の玉をばら撒いた。
理も茉莉も避けることしかできず、少しばかり追い詰められていた。
茉莉「避けるだけじゃいけない……。“一蓮托生”」
理「おっ!出た!」
カミラ「…またそれか、同じ手には引っかからないぞ」
茉莉は自身に結界を張り、どれだけ火の玉が当たっても平気そうな表情をしている。
理はただ避けるだけ。
カミラ「!?“一蓮托生”は分身を出すやつじゃないのか…!?」
茉莉「残念、それは“天衣無縫”だよ」
理「技も覚えられないとな?降参かえ?」
理はいつにも増してドヤ顔で、ガラスの棒を刀さばきのごとくぶん回した。
茉莉「…はぁーっ!!!」
茉莉は結界が食らった分の火の玉を全てカミラにぶつける。
何とも余裕そうな表情で。
カミラ「……、………には、近…づく…な…よ…」
カミラはだんだんと意識を失いながら倒れた。
また、風のせいで元凶の名前が聞こえなかった。
茉莉「やったね、《《藤原》》!」
理「急に呼び方変えなくても…《《三笠間さん》》」
理「余裕でしたね、というか都合のいい時にだけ風、吹きますね」
茉莉「それも多分、この先にまだ中ボスがいて、その中ボスによるもの…かな」
理「まあ、そう考えるのが自然ですよね」
さっきのような風がビューッと吹いた。
なぜか二人は、その風の発生源に引き寄せられている気がした。
???「封印の少女と、兵狩りか。」
藤原 理の詳細
https://tanpen.net/novel/7e3cff0c-7fea-417b-9fab-6014c632487c/
杉花 氷空の詳細
https://tanpen.net/novel/7aca3212-e714-499f-bacb-766252089204/
西園寺 アカリの詳細
https://tanpen.net/novel/b2ee3e2f-7918-40a7-bc3b-2f9dd503a289/
星宮 彩の詳細
https://tanpen.net/novel/32176653-1c66-4ac1-84cc-3be69d1170ca/
三笠間 茉莉の詳細
https://tanpen.net/novel/694d2126-146c-4559-b79d-ee24eaf609dc/
カミラの詳細
https://tanpen.net/novel/89bf2a2e-b1b2-4c28-81b8-3fb4e1465c42/
能力境の改革記 #2
まだ2話なのに過去に遡ります。お許しください。
電車の中でアイデアできちゃって書くしかないんです!!
るうきっきと茉莉さんのコンビ好き
ちなみに理の「るうき」っていう名前の由来は「ルーキー」から来ています。
なんで理でるうきって読ませるのかは、適当な名付けです。
理目線ですよ〜
それはあたしが能力境に来たばかりの時のことだった。
理「………ったぁ…なにここ」
???「あら。お目覚めですか?」
視界には、鴉を彷彿とさせる、光沢のある黒く大きい翼を持つ女性だった。
何か頼れそうな人なので、話しかけてみた。
理「あの、さっきまで街を歩いていたんですが……」
???「そうなんですね。それでは、《《呼び込み》》かもしれません」
理「呼び…込み?呼び込み君…?」
???「いいえ、あのスーパーでよく見かけるやつではありませんよ。」
女性は背中を支えてくれた。
雀「|鴉館《からすや》 |雀《すずめ》と申します。以下お見知り置きを〜。」
理「…っと、雀さんですね。」
〈|鴉館《からすや》 |雀《すずめ》。鴉の人間動獣で11万9622年生きている。〉
〈人間動獣は不老不死ではないがかなり死ににくい。〉
〈ありとあらゆる万物と仲良くなる能力を持っている。〉
〈薬屋を営む薬師。二つ名は「戦斧の鴉」。〉
〈妖境の東端あたりに住んでいる。〉
雀「ここは能力境。能力を持つ者が集まる境界内です。決して物騒ではありませんよ。
あなたの前までいた現実世界よりもずっといいところです。」
理「…ここ、現実世界じゃないんですか?」
雀「現実ではありますけど、あなたが今までいた場所とは離れていますよ。
能力境といっても、能力を使えない人もいます。
そして何よりここでは異常事象が起こりますから、能力者が不足すると
いけないのですよ。ですから、能力の素質がある外の世界の人間を
定期的に呼び出しているのです。」
雀さんは、長い説明をした。
「こちらの世界」に来る時に頭を強く地面に打ち付けてよく考えられない。
でも、何を言っているかは、不思議と理解できた。
理「なるほど。…じゃああたし、素質あるんですか?」
雀「ええ、それはそれは素質がありますよ。能力を持たないのが勿体無い程ね。
ですから、あなたはもう能力を持っています。
“ありとあらゆるものを封印する”といったところでしょうかね?」
理「うそ…それ、人殺せるじゃないですか」
雀「それくらいの能力がある人じゃないと異常解決は難しいのですよ」
理「でも、悪用しなければいいだけの話でしょう?」
雀「その通りですよ。」
自分にとても強い能力がついてしまった。少し怖かった。
でもこれで人を救えるのならば…。
雀「この境界の異常は、強い能力者が起こします。
やめろって言ってるのに、しぶとい奴らなんです。
それを解決するのが“境界内異常解決家”。解決家も不足している上に、
異常解決のリーダー的存在が、境界にいないのです。
だから、あなたみたいな人が必要なのです。どうでしょう、異常を解決しませんか?」
どうやら自分は異常を解決できるくらいの力を手に入れたらしい。
理「…します。あたし、異常、解決したいです。」
考える前に喋っていた。
自分の力で、この境界内を改革できれば、それほど嬉しいことはきっとないから。
雀「そうですか、大歓迎ですよ!……それより、あなたの名前は…?」
理「あっ」
そういえば名乗っていなかった。
でも名乗ってもいないのにここまで話してくれた雀さんに感謝だ。
理「あたしは|藤原《ふじわら》 |理《るうき》です。
これからこの境界を良くしていきたい所存です!」
雀「では、これからよろしくお願いします。理ちゃん」
理「…それより、どうしてあたし、あなたの言ってることがわかるんでしょうか」
雀「ああ、先ほど頭を打ちつけていましたもんね。
それは、わたしとあなたが“仲良くなった”からですよ。」
---
それから2週間後。
異常が発生するまで、能力境の中のあまり調査の行かない場所を調査する役目になった。
雀「こんにちは〜理ちゃん。今日は妖境に行って欲しいのですが」
理「妖境?……の、どこですか?」
雀「ええ…最近、近づこうとするとレーザーが出現するといわれている城です。
とても冷たいレーザーなようです。
とはいってもトレーニングを怠らない理ちゃんなら、絶対に生存できる
程度のレーザーですからね」
理「…は、はえ〜…ちょっと怖いですね」
雀「なんなら、当たってもなんともなかったという情報もありますよ。
ただの見掛け倒しなのかもしれません。それも含めて、調査をお願いします」
理「えっ、え、ちょっとー!?」
雀さんは知らないうちに別のところに消えていた。
空気とすら仲良くなったのだろうか…?
---
妖境にはあまり足を踏み入れたことがなかった。
だけど調査のためには行くしかない。
しばらく歩いていると、雀さんの言っていた城のようなものがあった。
開けた場所にあり、まるでとても敷居の高い場所のような印象だ。
理「ある意味、本当に敷居の高い場所なのかもしんないけど…。」
と思っていたその時だった。
理「…眩しっ!?なーんにこれ!!!」
周囲が青白く光り、雀さんの言っていたレーザーのようなものが出現した。
それに加え、寒い。ただでさえ外が寒いのに、レーザーの近くがとても寒い。
その奥には微かに、メイドさんのような人がいた。
レーザーは呆れるようにどんどん薄まり、奥の方のメイドさんの姿が鮮明に見える。
理「えっ…本当にメイドさん?…なんですか?」
???「…レーザー、よく避けたものね。まさか、調査かしら」
理「お?え、ああはい、調査ですが…」
メイドさんはこちらを睨みつけるような目つきで見つめる。
理「あ…その、あたし、藤原と申します!異常解決家なんですが…その、
異常が起きるまで、調査の入らない場所を調査しろということで、
ここに来たのですが!」
???「…ああ、………そう!」
だんだんとメイドさんは笑顔になった。不自然で、作られたような笑顔だった。
羽塚「私は、この城のメイド長をしている|速川《さかわ》 |羽塚《はつか》です!
話は聞いています、理さんでしょう?調査、どうぞ!」
理「え、あ、はい…。」
調査にここまで乗り気な人は初めて見た。
何か演技をされている気がして、半ば怯えながら羽塚さんに着いていった。
理「あの…ここのお城のメイドさんが妖精ばかりなのは知っているのですが…
先程のレーザーを張ったのは羽塚さんでしょう?
妖精の張るレーザーには見えませんでした」
羽塚「そりゃあ、私は人間妖怪ですから。妖精のメイドは、無能で困りますわ。」
理「妖精のメイドさんすごい言われよう…」
羽塚「私が人間妖怪であるメイドだからメイド長に任命されたのです。
この境界に来た時から、《《ここ》》で働きたかったのですよ。」
理「あ、このお城…何というお城なのですか?」
羽塚「ここは|幽魔城《ゆうまじょう》。幽霊様や悪魔様を高貴な扱いをする
境界内で最も豪勢な城です。」
理「豪勢…そう、か。まあ、最もかはわからないけど…」
羽塚「…?」
羽塚さんはこちらを見て睨んだ。
理「ぅ、何でもないです!」
羽塚「…分かればいいんですよ」
羽塚さん、ちょっと怖い…?
---
お城の中は、外より暗かった。
羽塚「ほら、外、寒かったですよね。部屋を温めておきました。
8月だというのに、どうしてこんなに寒いのでしょうね」
理「そういえば8月でしたね…。今、7度じゃないですか」
羽塚「変ですね〜。」
理「…境界ではこれが普通なのですか?」
羽塚「………」
羽塚さんは思いっきり無視をした。
何か触れてはいけない領域に触れたようで、怖かった。
遠くの方には、いかにも悪魔らしい大きく黒い羽を持つ人?がいた。
理「羽塚さん。あの方は?」
羽塚「あの方は、この城の最高権力のリニア様です。」
理「リ、リニア…?」
理(新幹線…?)
羽塚「ほら、挨拶でもしたらどうですか?」
理「あ…羽塚さん、こんにちは」
羽塚「違う。リニア様に」
理「すみません…」
自分の間抜けさに、みずから嫌気がさす。
リニアさんは、腰に手を当てながら仁王立ちをし、こちらを見つめていた。
「挨拶をしろ」と言わんばかりに。
理「……こんにちは、リニアさん。あたしは、藤原 理と申します。
異常解決家で、異常解決のリーダーを担っております。
異常が起きるまで、調査の行かない境界内の場所を転々とし調査をしています。」
リニア「あら、そう。…理ね。羽塚?ちょっとこっち来なさい」
羽塚「ええ、リニア様。どうされました?」
リニア「__どうして私の名前を言ったのよ!《《バレる》》じゃないの!__」
羽塚「__大変申し訳ございませんわ!でも、こんなガキが《《わかる》》とは思いませんわ。__」
ごにょごにょしてて何を言っているかはわからなかったが、おそらく自分が介入するもの
ではないと思ったので、放っておいた。
リニア「と、とにかく、もう十分調査はしたでしょう。
さあ早く帰りなさい。こちらも、やることがあるから」
理「!?早くないですか!?」
羽塚「はぁ…リニア様がこう言うのよ?」
理「…でも、あたし、調査で来てるので!」
リニア「はぁ…。めんどくさい子ね?仕方ないわね…ただ、奥の方だけを探索すること。
そして、調査するなら、奥の奥まで行って、10分は戻ってこないこと。
いい?」
理「………はい!」
奇妙な条件だった。自分はこの条件により何をされるかはよくわからなかった。
だけど、とりあえず警戒はしておいた。
---
理「なーんだこれ…迷宮じゃん……。」
終わりない迷路に閉じ込められた感覚で、なんだか気分が悪くなってきた。
でも、まだ入ってから体感的には5分も経っていない。
リニアさんの言いつけ通り、10分はいなければならない。正直、早く帰りたい。
というより、戻るに戻れない場所まで来てしまったようで、
歩けば歩くほど、入り口まで遠ざかっている感覚だ。
そのとき、ガラッと、門が閉まる音がした。
理「!?……………まさか」
理「……閉じ込め、られた…………………?」
幽魔城はどんなところなんでしょう…?
そして羽塚たちの思惑とはなんなんでしょうかね〜
鴉館 雀の詳細
https://tanpen.net/novel/a8337be2-c583-4d52-af4b-dffaf228d42b/
速川 羽塚の詳細
https://tanpen.net/novel/06e4751a-93e4-437b-9846-17c3902638ca/
リニアの詳細
https://tanpen.net/novel/def42945-7b52-49a4-9d8c-0afa31fb582b/
能力境の改革記 #3
日記で詳しくネタバレをしているので、見終わったらぜひこちらも
詳細説明としてご覧くださいね。
https://tanpen.net/blog/9b661d10-083b-4734-9d25-26f67b51bac1/
理って外の世界出身ですけど、地名で言うとどの辺かなって考えたんですよ
…たぶん、名古屋。(適当)
今回は過去になります。過去ですからね。
過去ですからね。
理「………どうしよ、……笑えないんだけども?」
完全に閉じ込められてしまったようだ。この、居心地の悪い迷宮に。
迷宮の入口さえももうわからない。
そのはずなのに、壁の向こうから笑い声が聞こえた。
「__…うふふ、やったわ。これで……は……………………よ__」
何を言っているかよく聞こえない。脱出のヒントになるかもしれないのに、惜しい。
理「もう、ここを封印するしか!
……って言っても、封印すらもできない…どういうことなの」
そう、この迷宮は、なぜか封印ができない。何かしらの対策があるのだろうか。
なんにせよ、自分の封印を対策するほどの実力がある人が、自分を閉じ込めたということ。
理「嫌だ…っ、嫌だ!!!」
羽塚「うるさいわね、あなた!!!!!」
羽塚さんの強い声が聞こえた。壁の外側から、少し曇った声だった。
びっくりした。こんな人とは思っていなかったから。
理「……!!」
なにもできず、呆然としていた。
壁に寄りかかろうと思えば、壁が外の冷気を吸って、とても冷たい。
なんなら、迷宮は外より冷たい。これが果たして、8月か?
雀「あら、理ちゃん。探しましたよ。」
理「!!!」
---
バサバサとした羽音が聞こえたかと思えば、そこにいたのは雀さんだった。
だけど、もう何も信じられない。
理「…どうせ、偽物なんでしょう」
雀「あら理ちゃん、随分と疑っているようで?そうではありませんよ」
理「………本当に、ですか?」
雀「ええ、本当に、ですよ」
この雰囲気から、雀さんは本物だろうと確信した。
雀「理ちゃん、今回ばかりは協力しますよ。今、じわじわと境界内が焼け野原に
なっているようです。まだ、幽魔城の周辺しか被害はないようですが、
そのうち人境にも被害が及ぶでしょう。それはなんとしてでも避けたいですから」
理「……雀さん」
知らないうちに、自分は迷宮の外側にいた。
雀「こんな迷宮、封印すればすぐに脱出できたのに」
理「いや、封印ができなかったんですよー!」
雀「…弱っているようですね。緊張しているから上手くできなかったのでしょう」
理「ぅ…そうなの、かな……?」
どうやら緊張していると上手に封印ができないらしい。
また一つ、賢くなった。
雀「この城の連中の思惑はわかっているのです。さあ、避難の手引きと、
元凶を捻り潰す準備をしましょう」
理「言い方は怖いけど……。はい!!」
理「私、このお城の中の人ぶっ倒します!!雀さんは一般住民を操境の安全な場所…
ショッピングモールとかに避難させてください!!あと、余裕があれば
応援が欲しいです!!」
雀「わかりました。__さすがリーダーさん…。__」
---
幽魔城の門の方へ行くと、リニアさんが立っていた。
リニア「……あら、さっきぶりね、理。」
理「…リニアさん!!そこらじゅう焼け野原みたいにしてるのはあなたですね!?
これでは甚大な被害が予想されますから、異常解決家のリーダーとして、
あなたを許すわけにはいかないんです!!」
リニアさんは、こちらにゆっくり歩み寄ってきた。
リニア「………本当に、面倒な子ね。」
理「!!!」
リニア「ぅふふっ……“スカーレット・バックビルディング”」
理「!?…っ!!あっぶな……!?」
リニアさんは手を高く掲げた後、紅い針の雨を降らせた。
理「……っ、“境界内封印”!!」
下手するとすぐに針が刺さりそうだったので、針を全て封印した。
リニア「へぇ、面倒だけど、面白そうな子なのね。いい暇つぶしになるわ
封印ができるのね…強いじゃない」
理「そんなことより、あなたを説得する方が先なんです!!」
リニア「……“ノン・アビリティ・クリアー”」
理「っ……。」
どうやら、リニアさんはあたしの能力を消したようで
お札を持っても、ガラスの棒を振り回しても、もう封印も何もできなくなってしまった。
理「………」
リニア「もう降参かしら…?暇もつぶせないわ。ただ面倒なガキじゃない、あなた」
リニアさんは再び手を高く掲げた。
その瞬間に、濃霧が発生した。
理「!!」
理(この霧…吸っちゃいけない気がする!!)
あたしだって半分人間だし、息苦しさは感じる。
だけど、頑張って息を止めてみた。
すると、能力が戻った気がした。
リニア「…《《あの技》》、一定の時間しか能力を消せないのよね…
困ったものだわ」
あたしはとにかくリニアさんの体力消耗のため、技をたくさん繰り出すことにした。
理「“封印大台風”!!!どうです、もういい具合に降参したらいいんじゃない
ですかー!?」
リニア「…っ!!羽塚ぁ!!!何してるのよ、羽塚ー!!!!!」
聞き覚えのある名前を、リニアさんは叫んだ。
その瞬間に、羽塚さんがリニアさんのすぐ横に現れた。
だけど、本当に羽塚さんだろうか?羽塚さん《《と思われる》》人は、
背中に大きく、なんとも悪魔らしい羽を持っている。
---
羽塚「リニア様。もう、羽塚とは呼ばないでください」
リニア「…そうね。《《ミツカ》》。」
〈|速川《さかわ》 |羽塚《はつか》。人間妖怪(何の妖怪かは不明)の23歳。〉
〈寒暖を操る能力を持っている。〉
〈幽魔城のメイド長。二つ名は「寒暖メイド」。〉
〈幽魔城に住んでいる。〉
理「…ミツカ!?誰ですかそれは!」
羽塚「あなたのような面倒な部外者が、私たちに介入しないでちょうだい?
羽塚なんて名前、ただの偽名よ。私は、ミツカなの。」
理「あ、あなた…っ、本当は……人間妖怪でもなかったのですか…!?」
羽塚「当たり前じゃない。私は悪魔。リニア様に、悪魔にしてもらったのよ
そんなこともわからないなんて、あなたもまだまだって所なのよ。」
理「まだまだでもいいさ!!あたし、境界を守る為に貴方を今ここでぶっ倒し
ますから!!!何がどうだっていい、貴方を外の世界送りにしてやる!!!」
《《ミツカ》》「油断すると動けなくなるわよ?
実際、動けなくなった者が元素の数よりいるんだものね?」
〈ミツカ。悪魔の23歳。〉
〈悪魔は不老不死ではないがかなり死ににくい。〉
〈寒暖を操る能力を持っている。〉
〈《《幽魔城のメイド長であり》》、《《異常の元凶のひとり》》。二つ名は「寒暖メイド」。〉
〈幽魔城に住んでいる。〉
《《ミツカ》》は、声色を変えて、なんだか偉そうな喋り方をした。
理(118人以上いるの!?)
リニア「ミツカ、下手なことを言うのはやめなさい。
ミツカこそ油断すると、この娘にやられるかしらね」
ミツカ「ええリニア様、私も油断は致しません。さっさと排除して参りますから」
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ミツカ「“スピードオブハリケーン”……どうかしら!?面倒な娘ちゃんも、
疲れてきたんじゃないかしら」
理「……こんなの見掛け倒しだ!!ただ寒いだけ……」
リニアさんは、そのすぐ近くで、あたしたちを高みの見物していた。
理「“封結界”!!!絶対にここで食い止めてやるー!!!」
ミツカ「結界技?小賢しいようね。いい?
幽魔城のメイド長の働きっぷりを低みの見物してなさい!!!!!
“モーメントファイア”!!!」
理「…っ!」
禍々しい火は結界で簡単に防げた。そして結界にあたったものは、
全て封印された。結界を張っていてよかった…
ミツカ「なっ……!?」
リニア「__ミツカ、貴方はもう十分よ。あとは私に任せなさい。__」
ミツカ「リ、ニア、様……っ。」
ミツカは、シュンっという音を立てて姿を消した。
リニア「…はあ。変な娘に、妨害をされてしまったわ。
幽魔城の悪魔、一生の不格だわ」
〈リニア。悪魔で130年生きている。〉
〈悪魔は不老不死ではないがかなり死ににくい。〉
〈明を操る能力を持っている。〉
〈《《幽魔城の主人であり》》、《《異変の元凶》》。二つ名は「幽魔城の悪魔」。〉
〈幽魔城に住んでいる。〉
理「一生の不格でもなんでもいいけど、境界に少なくとも被害があるのは事実
なので!!!」
リニア「……貴方も、何もわかっていないようねー。
境界の人々を洗脳して、全員が私を崇拝すれば境界は間違いなく
平和になり、最高の歴史を刻むことになるのよ」
理「貴方の方が、何もわかってない!!
そんなのいいから、貴方をミツカより先にぶっ倒してやる!!!」
リニア「ふっふっふ……はーっはっはっ!!!!!
ただの面倒な娘かと思ってたら、面白い娘だわね。
さあ、人間と悪魔、一対一でどちらが強いか、明確にしようじゃないの!!」
理(いやあたしは半分しか人間じゃないけど……まあいいか)
リニア「“アンノーン・マイスタ”。」
理「!?」
城の姿が見えなくなり、それと同時にリニアの姿も消えた。
おそらく、この技でミツカはさっき姿を消したのだろう。
リニアがあたしの後ろにいることに気づいたので、自分も技を繰り出した。
理「“封印超特急”!!!」
とりあえず、リニアを目に止まらない速度で封印してみた。だけど、
前を向くとまたリニアさんがいた。半ば呆れた状態で、次の技を繰り出そうとした。
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その時だった。
後ろから駆け込むような足音が、複数聞こえてきた。
???「理さんっ!!応援に来ました、あんまり力になれないかもしれないけど…!!」
理「時否さん!!来てくれたんですね!!」
〈|安藤《あんどう》 |時否《じいな》。20歳の時に死んだ幽霊で108年生きている。〉
〈幽霊はもともと人間で、もう死んでいるのでほぼ無敵。〉
〈時を操る能力を持っている。〉
〈時計職人。二つ名は「時の達人」。〉
〈人境に住んでいる。〉
時否「その悪魔さんが、元凶ですか!?」
理「そ、そうです!!リニアっていうらしくて……」
そういった瞬間、リニアは顔をしかめてこちらを睨んだ。
時否「っ…。」
理「大丈夫です、見掛け倒しなんで!」
リニア「あんたー!!!ふざけるのも、大概にしたらどうなのかしらー!!!」
理「ふざけてない、お前の方が、なん倍もふざけてる!!
自分をかえりみて、悪魔やめて気取るのやめて出直してこいっ新幹線!!!」
リニア「新幹線ですってー!?貴方誰に向かって言ってんのよ藤原ー!!!」
時否「理さんは……よくそんなに胸を張れますね……__私なら言えないや………。__」
リニア「うわああああああっ“スカーレット・クラクション”!!!」
リニアはそう言った瞬間に、周囲に鳴り響くような、
ソニックブームを彷彿とさせるうるさい轟音を鳴らした。
理「ふざけるなっ耳に響くだろ……ぉ!!!」
時否「っ!!!“|やり直そう《タイムリセット》”っ……!!!」
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理「ふざけてない、お前のほうが、なん倍もふざけてる!!
自分をかえりみて、悪魔やめて気取るのやめて出直してこいっ新幹線!!!」
リニア「新幹線ですってー!?誰に向かって言ってんのよ藤原ー!!!」
時否(……やらなきゃ!)
時否「“手品”をするね!この本から、リンゴを出すよ!」
理「…!!そ、それをやるんですか!」
リニア「は〜!?今リンゴの気分じゃないんだけどー!!
そんなことより、人間をおいしくいただきたいわ?」
理「うるさいリニア!時否さんの邪魔をするな!
お前の気分とか、聞きたいともまったく思わないから!!」
時否(これ…時間戻してもあんまり意味なかったかも…!?)
リニアはリンゴの近くに近づこうとした。すると動きが完全に止まった。
理「時否さんナイスです!!今がチャンスだ!!!」
理「“封印大台風”!!!!!」
リニア「!?っどういうことよ!?」
リニアは、あっけなく封印されたのだった。
ミツカのセリフ、咲夜さんに影響を受けました。申し訳ない。
時否ちゃんって本当に好き。理との連携プレイも優秀なようで。
セリフのサンプルが優秀。企画参加者様のセリフサンプルを使わせていただきましたわ〜