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目次
花子くんがドーナツ好きだからドーナツまつりだ!①
「花子くん・・・」
神妙な顔つきの、私こと八尋寧々
「ん?ヤシロ。どしたの?」
「ドーナツパーティー、しない!?」
「・・・う~ん」
ダメかなぁ・・・
「ヤシロが言うならイイヨ」
「ぃやったぁあぁあ!」
思わず叫んでしまった
「とりあえずトイレ掃除しよう!」
「えっ」
パーティーやるからないと思ってた。。。
「うわぁぁぁん!」
はぁ・・・
ほんとに花子くんって・・・・・
つくづくメンドクサイなぁ・・・
__まぁ、ちょっと・・・はカッコいい…かも?__
・・・次はラブ多めにします・・・
約束を果たせるまでは此処にゐさせて
「華怜、___」
「ご、ごめ、純怜、っ」
「**さよなら**」
---
またあの日のことを思い出す。
「....私って、最低.....。どうして、あんなに突っ撥ねるような言い方......」
一人の教室でぽつりと呟く。
もうすぐ、この町は沈められる。
大きなダムとして。
みんな、死にたくないからと東京や大阪などの都会に逃げていった。
|恵奈《えな》母さんも、
|碧《あおい》父さんも、
|嵐《らん》姉さんも、
|流果《るか》も。
|優《ゆう》も、
|夢子《ユメコ》おばあちゃんも。
凜ちゃんも。
そして_____親友も。
|純怜《スミレ》は私に逃げるように勧めたけれど、
私はここに残ることにした。
そして大喧嘩をした。
私だって純怜と生きていけたらよかった。
生きたかった。
けれど私の道はこうしか残されていない。
「やぁ、|華怜《カレン》。準備は出来たか?」
「クソ死神......本当に、私が死んだら、純怜を生かしてくれるんだよな?」
「当たり前じゃありませんか。そもそも短期間に二人以上殺すのは禁止されていますから」
「そう、か。よかった。」
「それでは、さようなら。消えてください」
フリガナが片仮名の人物はもう既に▨▨▨いるそうだ
醜い子
自分は優しくなんかない
ただ人から好かれたいだけ
~~~~
事実と思っていること____思いたいことが違う
~~~~
自分は優しくない
誰か一人が困っていたら助けるのが私の____|▮▮▮▮《存在意義》だから、
~~~~
本当は
優しい自分に酔ってるだけなのにね
優しいと思うことで欲求を満たして
~~~~~
自分は人に嫌われても平気。
大好きな親だけは絶対に離れないから
~~~~~
自分は漫画のヒロインみたいに誰からも好かれてるのが常識だと思っていたから。
~~~~~
本当は
からかわれたりしたらとっても怖い
みんなから
仲のいい人まで嫌われそうで
だから私は出来る限り優しく居たい
~~~~~
自分は思っているのとは全然違う
嫌われないように必死なのに
仲良くしても
避けられてる・・・?
都合のいい女
なんでも貸してくれるからそばに居よう
こう言えばこいつはついてくるな
そう思われていそうで怖くて
でもあの人たちはそんな人じゃない
そう思い込んでも
疑心暗鬼になって
誰も信じられなくなる
幼馴染に最近避けられている《《気がする》》
新しい友達とばっかり居る
カラオケに行こうと誘っても
「ごめん、今日はホントに無理~」
ってさ。
それで買い物に行って
公園覗いたら幼馴染がその友達と年下の子と仲良く遊んでる
こんなに悲しいことある?
親友が
ただ帰り道が一緒ってだけで
ただ同じ事務所を推してて
__多分、その子がもってるグッズを見たいだけだよねなんて、事実でもないのに心のうちで言い訳して__
彼女のことまで
信じられなくなりそう、
ねぇ、先生。私、優しくなんかないよ。
あれはただ邪魔だったからどかしただけ
褒められると
善者ぶってる偽善者だから
心がキュって痛くなるの
--- せめてあの子のことは信じていたい____ ---
金のバラと赤い瞳①
情緒不安定すぎるメンヘラ男子になってしまった
ある日のこと
曲の収録終わりのkanariaはベットで泥のように眠っていた。
突如カラスがビルの上を大量に駆けた。
その2,3秒後
**ゴゴゴゴゴ、、、、**
地が鳴る音がした
「ッ、地震、、?」
そう寝ぼけなまこのKanariaが思ったのと同時に大きく家が揺れた。
「え、・・・・っ#名前#、#名前#、、、ッ」
Kanariaは
カラカラと転がる食器を拾おうとも
頭を守ろうともせず、ただひたすらに布団をギュッとつかんでいた。
「っ、、、#名前#、、来て、くれない」
裏切られたような気がしたKanariaはスマホを触り、どこかへ電話をした。
[kanariaくん!?大丈夫!?]
「#名前#!!!どこいるの!?僕のとこ、、来てよ、」
二人の一連のやり取りはどこか|終わり《破局》の予感がして。
彼女が疲れていそうで。
Kanariaも、彼女も
どちらも可哀そうだ。
ハァハァと荒い息をつきながら吐き捨てた彼はスマホを放り投げ、
着替えもせずに家の外へ出てどこかへ走り出した。
「一人はやだ、一人は、一人ぼっちは、怖い、、、っ」
#名前#がいるところを探すKanariaは
泥まみれで
どこか美しく
それはそれは孤独で
#名前#という身動きのできない鳥籠に閉じ込められた|カナリア《k₳na▨ia》のようだった....
---
次回、夢主視点からです
というか全く一話完結じゃないな、、w
ただ声一つ
春の風が吹きそよぐ中
僕はうずうず、そわそわとしていた
「好きです。付き合ってください」
あの日から
時間が過ぎるのを待っていた
待ちきれなくて
ノートにこっそり書いたり
「答えはいつ?」
夏の暑い陽射しの下
「ごめん...無理...です。」
そっか
そうだよね
だから______この愛とは別れなきゃ
けれど別れるのが怖くて
楽しかった思い出も消えてしまいそうで
「...ッ、」
泣いてしまいそうになる
昔の僕が出てきて
昔はどんなに小さいことでもチクチクして。
きりがないほどに
すぐに泣いて
秋の木漏れ日の中
ふっと小さな笑みがこぼれた
忘れたフリは疲れたな____
今だって
昔の僕とは変わってない
何も変わっていない
今日だって
傷ついても、隠すために
泣かないように笑っていた
言えないことは言えないでいい
そんな風に、《《気楽》》になれたら
そこまで思って気が付いた
彼女が好きだったんじゃない
彼女の気楽な、明るい考え方なら僕をどうにかできるんじゃないか
そう思っていた
最低だ、僕
いつの間にか
季節は冬へ
吐息が白く凍る
この世の中は解けない問いがありすぎて
なにをするにも不自由で
けれど
さっぱりきっかり前向いて
なんて
しないでいい
そう呟き、
僕は暖炉に木をくべた
蛇の神様
この町には蛇の神様がいるらしい
といっても、みんなその神様を見たことがない
古代の書物に書かれていたそうだ
[蛇城町、大蛇来りて、新たに生まれ落つる]
ここは蛇城町なんかじゃない。
崇眼町。
---
キーンコーンカーンコーン
チャイムの音が鳴り響き、ホームルームが始まった
もうチャイムは鳴ったのにまだ教室はガヤガヤとしている。
「おい、波、あいつら座らせろよ」
幼なじみで学級委員長の蘿蔔波に声をかけると、
波はふぅっと息を吐きだした
**「みんな、転校生がくるって聞いて浮かれてるんだろうけど、チャイムなったのよ!着席しなさい!」**
転校生なんて、俺聞いてないぞ!?
「あ、セイガには言ってなかったっけ」
ひどいな、、、俺には言わないとかなんだよ!
で、転校生!?
考える間もなく
担任の教師が来た
「転校生を紹介する」
「蛇城藍雫だ。」
じゃしろ、、ねぇ、、
「なぁ、青牙、あの子美人じゃね?」
後ろの席の古川が話しかけてくるが、俺は生憎そういうことに興味はないんだ
「ありがとう、えーと、、」
「古川っす!!!!!!」
「古川くん!ありがとう...!」
頬を赤らめてそういう彼女は奇麗だと確かに思った
「じゃ、授業始めるぞ」
呆れたような教師の声がした。
授業が終わり、休み時間になると、クラスメートがわらわらと転校生、、蛇城さんに近づいていった
小学生かよ!
「蛇城さんってどこからきたの?」
「北海道の、|虻田≪あぶた≫郡|洞爺湖≪とうやこ≫町っていうとこ!」
「とうやこ、、ちょう?っていうとこ、なんかあるの?」
「うーん、、あ!虻田神社っていうとこがあるよ!白蛇のお守りがすっごいいっぱいあるの!」
虻田神社、、
蛇、、
蛇城、ねぇ
俺は家に帰ると真っ先に町の資料館へ行った
「おじさん、ちょっと見せて」
「お、いいぞー」
俺は急いでこの町の書物があるところへ行った
「あった、、」
そこにはミミズがのたうち回ったような文字が書かれていた
普通は読めないだろう
けれど_俺にはそれが読めた
「...なんだこれ、、」
「...蛇の神は神聖なものと崇められてきた。けれど、ある日蛇が地に降り立ったとき、
▮▮▮その醜い姿から、邪神として▮扱われるようになった...蛇の神は今でもそのことを憎んでおり、蛇神は100年に一度、蛇城▮雫という少女の姿となって現れ、世界を滅ぼす。」
ところどころ読めないところがあったけれど真実は分かった
ことしが、その100年に一度なんだ
そして、転校生は、蛇の神、。
蛇城、藍雫。
早く
なんとかして止めないと
明日にでもアイツと話をして、世界を滅ぼすのを止める。
俺の命なんて砕け散ってもいい
そう決意した時、頭の中に彼女____蛇城藍雫の声が響いた
「青牙くんは死んじゃだめ。私の対の人__蛇なんだから。」
は?
対の蛇?
俺人だぞ?
ていうか対の蛇ってなんだよ
対の意味が分かんねぇ
ピンポーン
静かな部屋に響いた音
怖くなって
無視をする
ピンポン
ピンポンピンポン
バキッ
ドアが蹴破られた
「はっ?」
「やぁっと見つけたんだから。崇眼青牙。」
--- 「私の対の蛇」 ---
乱れた吐息が次第に浅くなっていく
「貴方に死んでもらうわけにはいかないのよ。私の代わりに邪神になってもらうんだから。」
身代わり、かよ
ひんやりとした手が、俺の首をつかむ
頬にチロチロと何かが当たった
見ると、蛇の舌だった
赤い眼と、それはそれは奇麗な白い鱗
奇麗で
見惚れて
恐ろしくて
その蛇が牙をむき、俺にとびかかってきた。
______end
またね
静かな四畳半の部屋。
この蕎麦を食べ終わるころにはもう次の年。
20歳になった夜、ひとり孤独に年を越すのか。
少しため息をついて、目を閉じる。
家族は私が高校の修学旅行に行っている間に勝手にアメリカへ旅行に行き、そのままそこで住み着いている。
最愛の彼もつい3か月前に病死した。
私と彼が一緒にいることは、何時だって叶わない。
高校1年の頃は、私が彼と唯一、一緒に居れた期間。
たった1年間だけだ。
私は昔のことへ記憶を飛ばす。
---
「|蘿蔔《すずしろ》さん、希望の部活かいてないよ。」
そう寝ぼけなまこの私に声をかけてくれたのは、前の席の男子だった。
「はァ?部活なんてどうでもいい...。」
「それなら家にすぐ帰ることになるけど」
痛いところを突かれ、私はうぐ、と押し黙った。
「なんで、お前知って...」
「貴方の妹さんとは仲が良くて。妹さん、頭いいんですよね。」
こいつなら、私の腐った性根を叩き直せるかもしれない。
そんな一縷の望みを持ちながら、しずかに彼のハスキーな声を聴く。
「その妹さんに比べられ、貴女は妹を引き立てるための道具でしかなかったんでしょう。悔しいと思わないんですか?」
「...別に、妹のほうが頭がいいし、文武両道だし、私が引き立て役になるのは当たり前だった。頑張って取った賞も..........賞状を引き裂かれ、なかったことにされた。」
話しているだけなのに、ぼろぼろと涙が零れ落ちていく。
「...」
何も言わずに私の頭をぽんぽんと叩いてくる彼に、少しだけ興味がわいた。
「...お前の名前。」
「お前の名前はなんだ。」
そう言うと、彼は驚きに満ちた顔で苦笑いをした。
「葡萄。」
「.....ブドウ?」
「なんでブドウっ!?本名教えろおめえ!!!」
「本名?本名は...」
彼は、人差し指をそっと私の唇にあてがう。
「蘿蔔さんが言わないなら、言ってあげます。」
ガラにもなく、ドキドキしてしまって。
---
あんなことも、あったっけ。
______ゴーーン、と除夜の鐘が鳴り響いた
明日、彼に新年の挨拶に行こう。
私は地図をとりだし、彼のお墓の場所を確認した。
23:59,903文字
良いお年を.ᐟ 来年も、、今年もよろしくね.ᐟ.ᐟ
高梨さんの絶対命令!(復活版
事情があって途中から行空け、空白がありますがおきになさらず
ここは、日本のどこかの県の、小さな町、幸来町(こうらいちょう)。
ちっぽけなこの田舎には、伝説があった。それは、
「マイという名前の人は、人を殺すことの出来るほどの力を持っている。」、という、恐ろしいものだった――――
――――――――
僕の名前は築島水渡
ちなみに隣の席の人は高梨さん。めっちゃ可愛いんだぞ・・・
めっちゃ嬉しい。めっちゃ可愛い高梨さんのそばにいれることは・・・この陰キャに許されることではないと思うが・・・。
神が許してくれたんだ。この学園ライフを楽しもう・・・!!
「ミナト!おまえとめっちゃ席ちけぇぞ!!うれぴい♡」
「キモイからうれぴいはやめとけ。」
こいつは僕の幼なじみの嶋村 海斗
「おまえ・・・。高梨さんの隣なんかよ!」
「あ~嬉しすぎる、、、幸せやぁ・・・」
「急に関西人なるなw」
「あ、そーだ高梨さんの下の名前知ってる?」
え?高梨さんの下の名前ッッッ
知りたい・・・!!
「貴様教えろ・・・!」
「へいへい。高梨 茉奈だよ。マナ!可愛すぎんだよぉ・・・❣」
「茉奈・・・。確かに可愛いな・・・。」
――――――――
「――。おまえは、築島 水渡を殺せるか?」
「ええ。✖✖✖様が望むならば。」
名称_高梨 茉奈 たかなし まな
年齢_15歳9ヶ月4日
称号_伝説の女
力_透視、飛行、空中物移動、怪異嗅覚・視覚、先読み、遠距離攻撃。
外見_黒のロングヘアー、端正な顔つき、先を見通す硝子のような目、潤った唇。
力を使う場合、右眼を隠さなくてはいけない。
以上が、高梨茉奈の調査結果である。
――――
「ねぇ、築島君――だっけ?」
「え、あ、はい。」
「私、数学の教科書忘れちゃったんだ。だから、教科書、見せてくれない?」
可愛いっっっっっっ
「全然OKです」
「やった!ありがと!」
そう言って彼女はふっとほほ笑んだ
あの可愛さはずるいだろ…。
「はーい、おはようございます~」
「今日は転校生が来ました~」
そう言うと先生は転校生を呼んだ
「えっと、春野美奈…です。」
へぇ…。春野美奈か…。
「春野さんは築島君の隣ね。」
は!?
「よろしくね、水渡君♡」
しばらくたって分かったが
転校生は、僕を好いているみたいだ。
僕みたいなモブ(ザコ)のことをなぜ?
僕には高梨さんがいるのに…。
また春野か…。
「ね~ねぇ!!水渡くんっ!お弁当一緒にたーべよっ?」
はっ????????????????????????
ありえない、ありえねぇ!!!!!
「だめ!築島君は私と予約があるの!」
たっ、高梨さん???????ヨヤク?ナンノコト?ボクワカラナイ・・・。
「え~。じゃ、分かったよ…。」
そしてそれで諦めるんだ!!?
「築島君、勝手なこと言ってごめんね・・・っ」
高梨さんが小声でポソリと呟いた。
「や、全然いいよ。」
「大事な話があるの。お弁当一緒に食べてくれるかな?」
ぷしゅーーーーーーー
築島 水渡、壊れる。
そして、お弁当の時間。
「築島君。私――高梨 茉奈は、伝説の一家の子孫なの。」
は…?
「で、私には、未来を見る力――先読みがあるんだけどね。」
ひ…?
「それで、春野、あいつは築島君を伝説の人と思って、殺してしまうの…!!」
ふ…?
「だから、春野と二人っきりにならないでッ!!」
へ…
「これ以上、私のせいで大切な人を失いたくない…っ。」
ほ…。
「た、大切な人って…」
「ん?大事なクラスメートだもん。みぃんな大切!!」
なんだ…。よかった。。。
_番外編_
築島 水渡、15歳 の一日目です。
「築島くん!」
「あ、高梨さん。おはよう」
早速高梨さんが話しかけてきた。
「あ、じゃなくて。」
?
すっと腕が伸びてきた
「誕生日おめでとう!!」
え?
僕に・・・プレゼント・・・?
高梨さんの手のひらを見てみると。
小さなお守りが置かれていた。
何のお守り?
えーと、何々、天晴祈願?
僕…雨男だけど・・・。
高梨さんに言ったっけ・・・。
「えぇ。うそ!?築島君、誕生日だったのぉ!?」
春野・・・。うぜ・・・。
どちらにせよ敵だもんな。
言い訳しないt・・・!?
「ううん、築島君の誕生日は今日じゃないよ。」
ふぁ!?く、口から出まかせをベラベラと・・・。
逆に尊敬します・・・。
「え~、いつなの??」
「えと、・・・」
困ったのでちらっと高梨さんを見る。
「え~、新参者には教えてあげないもん。」
!?いくら敵だとしてもひどいな高梨さん・・・。
「二人だけの秘密だし❣」
!!!!!!!!!???????????
爆弾発言・・・ぷしゅーーーー
――――――――
い、言っちゃった・・・
この前もついうっかり大切な人とか言っちゃったし・・・
こんなんじゃ、好きだって、バレちゃうよ・・・!
絶対に、この気持ちは打ち明けない。
だって、私は伝説の女の――、生まれ変わりって言われているもの。
前世の記憶はないけれど・・・。
築島君と関わりすぎたら、最悪の場合、築島君が・・・!
そんなのぜったいだめ。
それだけは、何が何でも避けないと・・・。
――――
今日も、一日が始まる――。
「高梨茉奈、築島水渡、生徒指導室へ来るように。」
は?なんで?
「ねぇ、築島くん、なんかしたの?」
「高梨さんこそ」
ま、生徒指導室いこーっと
ガラッ
「失礼します~~」
「あぁ、来たか。」
何を話すの。。。
「お前たち、伝説について知っているだろう?」
へ???
どうすんの、高梨さん!!!!!!
「はい。私は、伝説の女、マイの――生まれ変わりです。」
ちょ。高梨さん、それ言っていいの!?
「そして、築島くん、この人は私のことを唯一知っている人です。」
ちょ、高梨さん、!?
「ふうむ・・・。なるほど。」
もー!!先生、何が言いたいんです⁉
「お前らの大切な人の中の誰か、裏切り者だ。」
はい!?裏切り者!?
「えぇ。それは分かります。」
「そうか。で、だ。転校生はお前らを殺そうとしてるんだよな。」
「はい。で、待っていてもどうすることもできないので吹っ掛けることにしました。」
ふっかける!?
「そうか・・・。死ぬなよ。」
「はい。」
わ、わけわかんない・・・。
「高梨さん、大丈夫なの、先生気づいてたみたいだけど。。。」
「大丈夫、小野寺先生は、伝説に関係ある人だから。」
そうなんだ・・・。
「築島くん、今日の放課後、春野 美奈と遊ぶように誘ってくれる?」
「エ。ア、ウン。」
――――
放課後
「春野。今日――、ゲーセン行かない?」
「えっ、うそ!?いいよ!!!」
ゲーセンにて
「ねぇ、築島くん、あれとって?」
「う、うん・・・。」
「あ、でもやっぱりぃ、あそこいこ?」
あいつが指さしたのは、薄暗い階段。。
「え・・・。いいよ・・・。」
階段につくと、あいつは、拳銃を取り出した。
「待って。そうはさせない。」
高梨さん、!!!待ってました!
「あいつ――、あいつの通り名は蜜柑。蜜柑の口笛を聞いちゃダメ!」
ぽそりとつぶやかれたその言葉。
でも、遅いかも・・・。
ひゅる。ひゅるり。
死ぬ…⁉
やばい!!!
ひゅー、ひゅるり
あ___蜜柑が・・・口笛・・・。
「築島君!!蜜柑の口笛だけは聞いちゃダメ・・・!!!」
脳裏に高梨さんの声がする――。
ごめん、高梨さん――。
あぁ・・・。
目の前がくらくらする・・・。
「築島君!!!」
高梨さんの幻だ・・・。
死ぬ間際に変な夢でも見てるのかな・・・。
「水渡くん!!!!」
高梨さんが・・・僕の名前を呼んでくれてる・・・。
たとえ幻でも気分いいなぁ・・・。
あ~。目の前がっくがっくしてる~
「築島、水渡くん!!!!!!」
はい!?
高梨さんが僕のほっぺたに手を・・・。
これ、幻じゃなくて、本物の高梨さん・・・?
「築島くん、全然起きないから死んじゃってるのかと思った…」
今にも泣きだしそうな高梨さん。
「なんで、僕、蜜柑の口笛聞いたのに生きてるの??」
「蜜柑の口笛は、全て聞かないと死なないの。そのことを知って、時間を止めたから・・・いっ・・・痛・・・!」
そうなんだ・・・・
「って、高梨さん、大丈夫!?」
「だ、大丈夫、大丈夫・・・!!時間停止の技は精神力使うからね・・・。痛たたた・・・。そんなことより、早く、逃げないと…!!時間停止は30分だけだから・・・いそごう!」
ええええええ!?
「や、やばくない!?」
「けっこーやばい!!!!!」
高梨さんは僕の手を取って走り出した
――――
「はぁ、はぁ――。ここまで来たら・・・蜜柑も来ないっしょ・・・」
僕…シンジャウ・・・。
「逃げ切ったと思うなよ?」
え?この声は――。
海斗・・・?
まさか・・・
裏切り者は――。海斗だったのかよ!!!
そんなことより、やべーぞ、この状況!!
「まさか・・・。嶋村くんが裏切り者だったなんて・・・。」
高梨さんのつぶやく声。
「そうだよ。悪かったな、ミナト。」
裏切り者・・・。本当に、小野寺先生の言ったことは合っていた・・・。
「海斗・・・。まさか・・・。おまえ、この作戦のために僕と仲良く・・・してたのか??」
「そうだよ。そうでもなきゃぁお前みたいな陰キャと仲良くなんて思わなかったよ。
でも、ま、三日月様のご命令だもんな~。」
三日月・・・?その名前を聞いた途端、高梨さんの体がビクンと跳ねた。
高梨さんの顔は真っ青だった。
「高梨さん・・・?大丈夫・・・?」
「返答を聞く前に殺してやろうか、築島 水渡。」
海斗が銃口を僕に向ける。
それを見て高梨さんは悲鳴をあげた。
「やめて!!!!築島くんはだめ!!」
高梨さん。。。
「僕はもう覚悟できてる。高梨さんは逃げて!」
本当に・・・。お願い・・・!
「高梨さんは生きているべき人だ!!
だから・・・!!!」
「譲り合いもいいところ。二人まとめて殺してやる。」
『・・・・っ!』
ぴっ・・・・
ぴっ・・・・
「あ、三日月様の伝言だ。」
い、命拾いした・・・・。
[慶。そいつらは、お前が手を下すまでもない。迷宮入りさせて、野垂れ死にさしてやれ。]
「えええ!?いいんすか!?」
[この私がそうしろと言っているのが聞こえないのか!?]
あまりの剣幕に海斗もビクビクしている。
「・・・。御意。」
海斗・・・。まるで奴隷のように扱われている・・・。
「こっちへ来い。」
嫌だったけれど、僕たちに与えられた道は頷く他ない。
『・・・はい。』
高梨さんも渋々頷く。
どうなるんだよ・・・。
「あの・・・嶋村くん・・・。み、三日月様・・・て、ロングヘアーの、赤と緑のオッドアイですか・・・?」
高梨さん!?どうしたの??
「あぁ。それがどうした」
どうして三日月の容姿を知っているんだろう。。。
あ、そうか、能力で見たんだ…。
――――
三日月
その言葉は、私にとって最も嫌いな言葉。
あいつがわたしの家族を、そして居場所を奪ったんだ・・・!
赤の瞳は、死を表し、
緑の瞳は、無を表す。
今度は私の大切な人まで無くそうとするの、暮葉!!
こんなことなら、伝説の力なんて、いらない!!!!!
伝説の力は、私の周りから何もかも奪い取ってしまう。
本当に、時が戻ればいいのに――。
――――
迷宮探索が始まった――。
気持ち悪い生き物がうようよと潜んでいる。
しかも下水道の中のように、激臭だ。
高梨さんも時折口元を抑えている。
いやだな~。
うわあああああああああああああああああああああああああああああああああ
化け物おおおおおおおお!
「助けて高梨さんんんん!!!!!!」
『眠術、眠り姫!』
くかーくかー言って寝てる・・・
迷宮は大変なことだらけです。。。
______________
「茉奈!!」
「お母さん!!
今日ね――!」
――画面は一転して、真っ暗な世界。見えるのは、光り輝く、赤と緑の瞳。
怖くてたまらないのに目が離せないのは何故?
赤と緑の光をひたと見続けながら歩いていると、ビチャッと音がした。
「何――?」
よく見ると、死体だった。踏んだのは、血だまり。
死体の顔は、愛する母と父の顔だった。
「伝説の女、高梨 ――。お前は――ではなく、__だ。」
――――
高梨さんは、一分ほど前に激臭で倒れた。
で、今、目を覚ました。
「どうして・・・。昔の頃の夢を――。」
顔を青ざめ、呟く高梨さん。
「大丈夫?」
ちなみに僕らは誰とも出会っていない。
化け物には会うけどね。
まぁ、その化け物も高梨さんが眠らせてくれるんだけど。
目が五つあるやつとかもでてくるし。。。
「マイ。私はお前を殺す。」
また化け物?って、人だった・・・。すみません
っていうか名前間違えてるし
「暮葉・・・?」
くれは?ダレ?
「私は暮葉などではない!!三日月である!!!
死の女神、三日月だ!」
あまりの剣幕に高梨さんも黙り込んでる・・・。
三日月って、海斗が話してた?
「暮葉でしょ、三日月様は!
三日月 暮葉!私の大好きだった、一番の友達だった、暮葉でしょ・・・?」
え、え~そうゆうオチ?
「一先ず逃げよう!」
囁かれたその言葉に僕は頷く。
――――
「ハァ、ハァ、あ、れ・・・人がいるよ・・・高梨・・・さん!」
薄紫の長い髪。
「詩音・・・?」
シオン?知ってる人なの?
「マイちゃん!生きててよかった、!」
違うよ~茉奈だよ~
「あのね、築島君。私――」
―私、本当は、高梨茉奈じゃなくて――高梨茉衣なの。
――――
「伝説の女、高梨茉奈。お前はマナではなく、マイだ。」
――――
「築島君。これは命令よ。私――高梨茉奈の、絶対命令よ。」
高梨さんの、絶対命令・・・
逆らったら、殺される――
これが、高梨さんの力か・・・
でも――逃げられないよ、高梨さん。
こんなに深く関わってきたのに、僕だけ逃げるなんて、出来ないから!
――――_____________
高梨・・・茉衣?・・・さん
「どう・・・して・・・。」
「今から話すよ。目をつぶって。」
ぱち・・・
風景が目の裏に浮かんできた。
「高梨さん、これ・・・」
「私の力、風景再生。これでよくわかるはずだよ。」
――――
マイってば!
声が聞こえてきた。
「もう、マイってば、どこ行ってたの?泥んこじゃない。」
へへ、ママ怒ってる!
「怒るに決まってるでしょ~?もー。」
お昼ご飯なあに?
「カレーうどん。マイ好きでしょ?」
うん!大好き!
家に入ると、カレーの匂いがぷうん、と匂う
「さあ、手洗って?」
うん!と答えようとした時。
ガッシャーーーン!!
窓ガラスを突き破って、暮葉がやってきた。
「暮葉!危ないじゃん!」
「マイ?ちょっとごめんね」
「暮葉?なにするの!?」
暮葉の手にはキラキラと光るガラスの破片。
「何って、こうするんだよっ!」
ぐさっ
血飛沫が舞う
どさりと崩れ落ちたそれはもう、お母さんではなかった
「お母さん!?どうして、暮葉!!!」
「~~~、==〇▲、∻~~|||。」
「暮葉?答えてよ!」
「お前はマナだ。拒否すると、全身に毒が這いずり回るだろう。」
「え・・・」
「マナ、父親を殺せ!」
その時の私は、殺されたくないという恐怖で、言うことを聞くしかなかった。
「・・・は、はい。」
――――
高梨さんにこんな事があったんだ。。。
尚更、守ってあげたいなぁ・・・
――――
「――それでね、私の一番強力な力はね!」
「はいっ。」
今は高梨さんの技の講義真っ只中
一番強いって、どんな技なんだろうな~
「絶対命令<ブラッド・コマンド>、だよ。私が絶対命令を発動して、命令を私が下すの。それに逆らったら死んじゃうよ。ね、強力でしょ~?」
絶対命令、強っ
血の命令か・・・
ん?
「高梨さんの血はいらないよね?」
「え、何言ってるの、築島君。命令に逆らったら私も相手も死んじゃうよ~」
え?
絶対に使わせない・・・!
使わせるもんか!
「ま、最後の切り札だからね~。今のところは無くても勝てそうだし」
「よかった・・・。」
「ってことで、詩音ちゃんの自己紹介としますか!」
「初めまして、星月 詩音です。古川神社の巫女です!」
かわいい・・・。ちょっと緊張するな・・・
「はじめまして、ほしちゅきしゃん。
僕は築島水渡です。」
やばっ噛んだ
「えっ。かっ、か、かわ・・っ」
恥ずかしい///
あれ?なんで高梨さんほっぺた赤くしてるの?
「詩音ちゃんは置いといて、講義再開しよっ?水渡くん!」
えっ?
今、高梨さん、僕のこと・・・
名前で呼んだ?
呼んだよね???
やばい、嬉しすぎる
ってことは、僕も名前で呼んでいいんだよね?
「うん、茉奈さん。」
「・・・っ!」
あれ、怒らせちゃったかな・・・
高梨さん・・・茉奈さんはフイッとむこうを向いてしまった
「ご、ごめん、高梨さん・・・」
「・・・・って・・・なら・・茉奈・・・って、よ・・・!」
「ごめん。なんて言ってたの…?」
「茉奈さんって、呼ぶならっ、茉奈ちゃんって、呼んでよ!」
えっ?
「ちがっ、これはその、ちがうくてっ///」
か、かわいい・・・
そんな僕たちの様子を見かねたのか、星月さんはパンッと手を打った
「さ、マイ。そろそろ言わなくちゃ。」
「え?ん~~?あぁぁ!」
なんだろ?
「水渡くん。ここから先は、危険すぎる。だから、ここからは、お別れだよ。」
え?
「どう、して・・・。ここまで一緒だったじゃないか!ここまで秘密を知ったのに、
今更っ逃げるような真似...!」
茉奈・・・さんはフッと息をついた
「そう・・・。残念だけど、無理やりでも。別れてもらわないといけない!水渡くんのために!」
僕のため?
「ブラッド・コマンド!」
「築島水渡、ここから逃げなさい!」
嫌だ
死んだっていい
でも、逃げないと、茉奈さんが・・・死ぬ・・・
どうすれば・・・
「逃げて・・・」
どうすれば・・・
逃げたら茉奈さんが・・・
「茉奈さん・・・」
「あの、...さ」
「そういえば茉奈さんは、なんで僕を逃がそうとしてるの?」
気になっていたことを尋ねてみた
「っ・・・」
え・・・まずいこと聞いちゃった?
「...すっ、好きな人を守るのに、理由がいる?」
えっ?すっ、好きな人!?
「大切な人、好きな人を失いたくないから!だから・・・っ」
「好きなの、僕のこと!?」
「うっ、んっ」
涙がポロリ
茉奈さんの瞳からこぼれた
「どうして、泣くの、茉奈さん...」
「ひぃっく」
「僕はうれしい...んだけど...。好きな人が好きって言ってくれて」
茉奈の瞳が大きく見開かれた
「・・・うそ、嘘だよっ。私を慰めようとしてるんでしょ?」
「嘘じゃない。これを証明するためならなんだってする。死んだっていい。けど...死ぬ前に《《茉奈》》を守らないと。だから、**絶対命令を、解いて**」
あ、わかったと思うけど私月埜ゐゝと中身一緒なのよ?パクリじゃないよ?
高梨さんの絶対命令!(リメイク版
ここは、日本のどこかの県の、小さな町、幸来町(こうらいちょう)。
ちっぽけなこの田舎には、伝説があった。それは、
「マイという名前の人は、人を殺すことの出来るほどの力を持っている。」、という、恐ろしいもの
――――――――
俺の名前は築島 楓雅
余談だが、隣の席の人は高梨さんだ。可愛いと世間は言うが、俺はそうは思はねぇ。
隣りの席っつーだけだからどーでもいーわ
「ふーが!おまえとめっちゃ席ちけぇぞ!!うれぴい♡」
「キモイからうれぴいはやめとけよ、おまえ。」
こいつは俺の幼なじみの嶋村 海斗
「おまえ・・・。高梨さんの隣なんかよ!」
「ん?あぁ、そうだが、、別に...」
「あ、そーだ高梨さんの下の名前知ってる?」
え?高梨さんの下の名前?そういや知らねーな
少しだけ知りたいという心が出てきた
「知らねえな。教えろ」
「へいへい。高梨 茉衣だよ。マイ!可愛すぎんだよぉ・・・❣」
「茉衣か...おまえ・・・。」
マイは・・・。
伝説の名前じゃねーかよ・・・・。
――――――――
「――。おまえは、築島 楓雅を殺せるか?」
「ええ。✖✖✖様が望むならば。」
名称_高梨 茉衣 たかなし まい
年齢_15歳9ヶ月4日
称号_伝説の女
力_透視、飛行、空中物移動、怪異嗅覚・視覚、先読み、遠距離攻撃。
外見_黒のロングヘアー、端正な顔つき、先を見通す硝子のような目、潤った唇。
力を使う場合、右眼を隠さなくてはいけない。
以上が、高梨茉衣の調査結果である。
――――
高梨さんが伝説の人なのか――?
いや、しかし。伝説は300年以上前の話・・・。
でも――。
「ねぇ、築島君――だっけ?」
「え、あ。」
「私、数学の教科書忘れちゃったんだ。
だから、教科書、見せてくれない?」
...確かに可愛いな
「いーよ」
「やった!ありがと!」
そう言うと彼女はふっとほほ笑んだ。
「はーい、おはようございます~」
「今日は転校生が来ました~」
「えっと、春野 美奈…です。」
へぇ…。春野 美奈か…。
「春野さんは築島君の隣ね。」
は!?
「よろしくね、楓雅君♡」
転校生は、俺を好いているみたいだ。
俺みたいな不良のことをなぜ?
俺には高梨さんがいるのに…。
また春野か…。
「ね~ねぇ!!楓雅くんっ!お弁当一緒にたーべよっ?」
はっ????????????????????????
いくらうざいにしても....!
「だめ!築島君は私と予約があるの!」
たっ、高梨さん??予約?何のことだよ?
「え~。じゃ、分かったよ…。」
そしてそれで諦めるんだ!!?
「築島君、勝手なこと言ってごめんね・・・っ」
高梨さんが小声でポソリと呟いた。
「別に困ってたし。ありがとよ」
「大事な話があるの。お弁当一緒に食べてくれるかな?」
そして、お弁当の時間。
「築島君。私――高梨 茉衣は、伝説の一家の子孫なの。」
...
「で、私には、未来を見る力――先読みがあるんだけどね。」
伝説の子すげぇな、、
「それで、春野、あいつは築島君を伝説の人と思って、殺してしまうの…!!」
はーん?俺を殺そうなんていい度胸だな
「だから、春野と二人っきりにならないでッ!!」
ま、あんな女子くらい俺にかかれば一発だと思うけどなァ
「これ以上、私のせいで大切な人を失いたくない…っ。」
ふ...たいせなひと?
「大切な人って」
「ん?大事なクラスメートだもん。みぃんな大切!!」
びっくりしたじゃねぇかよ、、
番外編
築島 楓雅、15歳 の一日目。
「築島くん!」
「あ、高梨さん。おはよう」
早速高梨さんが話しかけてきた。
「あ、じゃなくて。」
?
すっと腕が伸びてきた
「誕生日おめでとう!!」
え?
これ、、俺にか?
高梨さんの手のひらを見てみると。
小さなお守りが置かれていた。
何のお守り?
えーと、何々、天晴祈願?
俺…雨男だけど・・・。
高梨さんに言ったっけなぁ・・・。
「えぇ。うそ!?築島君、誕生日だったのぉ!?」
春野・・・。うぜ・・・。
どちらにせよ敵だもんな。
言い訳しないとなぁ・・・めんどくせ
「ううん、築島君の誕生日は今日じゃないよ。」
高梨さんも強いんだから吹っ飛ばせばいいのに
「え~、いつなの??」
「えと、・・・」
困ったのでちらっと高梨さんを見る。
「え~、新参者には教えてあげないもん。」
「二人だけの秘密だし❣」
ほー?
...ん?
――――――――
い、言っちゃった・・・///
この前もついうっかり大切な人とか言っちゃったし・・・///
こんなんじゃ、好きだって、バレちゃうよ・・・!
絶対に、この気持ちは打ち明けない。
だって、私は伝説の女の――、生まれ変わりって言われているもの。
前世の記憶はないけれど・・・。
築島君と関わりすぎたら、最悪の場合、築島君が・・・!
そんなのぜったいにだめ。
それだけは、何が何でも避けないと・・・。
――――
今日も、一日が始まる――。
「高梨茉衣、築島楓雅、生徒指導室へ来るように。」
はぁ!?めんどくせぇ、、
「ねぇ、築島くん、なんかしたの?」
「いや、最近は人を殴っていない」
その返答に高梨さんは顔を強張らせる。
ガラッ
「失礼します~~」
「あぁ、来たか。」
何話すんだよ
「お前たち、伝説について知っているだろう?」
は???
どうすんだよ、高梨さん!!!!!!
「はい。私は、伝説の女、マイの――生まれ変わりです。」
ちょ。高梨さん、それ言っていいのかよ!?
「そして、築島くん、この人は私のことを唯一知っている人です。」
ちょ、高梨さん、!?
「ふうむ・・・。なるほど。」
もー!!先生、何が言いたいんです⁉
「お前らの大切な人の中の誰か、裏切り者だ。」
はい!?裏切り者!?
「えぇ。それは分かります。」
「そうか。で、だ。転校生はお前らを殺そうとしてるんだよな。」
「はい。で、待っていてもどうすることもできないので吹っ掛けることにしました。」
ふっかける!?
「そうか・・・。死ぬなよ。」
「はい。」
わ、わけわかんねーよ・・・。
「高梨さん、大丈夫なのかよ、先生気づいてたみたいだけど。。。」
「大丈夫、小野寺先生は、伝説に関係ある人だから。」
そうなんだ・・・。
「築島くん、今日の放課後、春野 美奈と遊ぶように誘ってくれる?」
「ちっ、めんどくせーな。」
――――
放課後
「春野。今日――、ゲーセン行かねぇか?」
「えっ、うそ!?いいよ!!!」
ゲーセンにて
「ねぇ、築島くん、あれとって?」
「あぁ?まぁいいや取ってやる」
「あ、でもやっぱりぃ、あそこいこ?」
あいつが指さしたのは、薄暗い階段。。
「・・・」
階段につくと、あいつは、拳銃を取り出した。
「待って。そうはさせない。」
高梨さん、!!!
「あいつ――、あいつの通り名は蜜柑。蜜柑の口笛を聞いちゃダメ!」
ぽそりとつぶやかれたその言葉。
でも、遅いかもしんね・・・。
ひゅる。ひゅるり。
死ぬ…⁉
やべーぞ..!!!
ひゅー、ひゅるり
あ___蜜柑が・・・口笛・・・。
「築島君!!蜜柑の口笛だけは聞いちゃダメ・・・!!!」
脳裏に高梨さんの声がする――。
ごめん、高梨さん――。
あぁ・・・。
目の前がくらくらする・・・。
「築島君!!!」
高梨さんの幻だ・・・。
死ぬ間際に変な夢でも見てるのかよ・・・。
「水渡くん!!!!」
高梨さんが・・・俺の名前を呼んでくれてる・・・。
あ~。目の前がっくがっくしてる~
「築島、楓雅くん!!!!!!」
はい!?
高梨さんが俺のほっぺたに手を・・・。
これ、幻じゃなくて、本物の高梨さん・・・?
「築島くん、全然起きないから死んじゃってるのかと思った…」
今にも泣きだしそうな高梨さん。
「なんで、僕、蜜柑の口笛聞いたのに生きてるの??」
「蜜柑の口笛は、全て聞かないと死なないの。そのことを知って、時間を止めたから・・・いっ・・・痛・・・!」
そうなんだ・・・・
「って、高梨さん、大丈夫かよ!?」
「だ、大丈夫、大丈夫・・・!!時間停止の技は精神力使うからね・・・。痛たたた・・・。そんなことより、早く、逃げないと…!!時間停止は30分だけだから・・・!
いそごう!」
ええええええ!?
「や、やばくない!?」
「けっこーやばい!!!!!」
高梨さんは俺の手を取って走り出した
――――
「はぁ、はぁ――。ここまで来たら・・・蜜柑も来ないっしょ・・・」
俺…走るの遅いんだよな・・・。
「逃げ切ったと思うなよ?」
え?この声は――。
海斗・・・?
まさか・・・
裏切り者は――。海斗だったのかよ!!!
そんなことより、やべーぞ、この状況!!
「まさか・・・。嶋村くんが裏切り者だったなんて・・・。」
高梨さんのつぶやく声。
「そうだよ。悪かったな、ミナト。」
裏切り者・・・。本当に、小野寺先生の言ったことは合っていた・・・。
「海斗・・・。まさか・・・。おまえ、この作戦のために俺と仲良く・・・してたのか??」
「そうだよ。そうでもなきゃぁお前みたいな陰キャと仲良くなんて思わなかったよ。
でも、ま、三日月様のご命令だもんな~。」
三日月・・・?その名前を聞いた途端、高梨さんの体がビクンと跳ねた。
高梨さんの顔は真っ青だった。
「高梨さん・・・?大丈夫かよ・・・?」
「返答を聞く前に殺してやろうか、築島 楓雅。」
海斗が銃口を僕に向ける。
それを見て高梨さんは悲鳴をあげた。
「やめて!!!!築島くんはだめ!!」
高梨さん。。。
「俺はもう覚悟はできてんだよ。高梨さんは逃げろ!」
本当に・・・。お願い・・・!
「高梨さんは生きているべき人だっていってんだろ!!
だから・・・!!!」
「譲り合いもいいところ。二人まとめて殺してやる。」
『・・・・っ!』
ぴっ・・・・
ぴっ・・・・
「あ、三日月様の伝言だ。」
い、命拾い・・・・。
[慶。そいつらは、お前が手を下すまでもない。迷宮入りさせて、野垂れ死にさしてやれ。]
「えええ!?いいんすか!?」
[この私がそうしろと言っているのが聞こえないのか!?]
あまりの剣幕に海斗もビクビクしている。
「・・・。御意。」
海斗・・・。まるで奴隷のように扱われている・・・。
「こっちへ来い。」
嫌だったけれど、俺たちに与えられた道は頷く他ない。
『・・・はい。』
高梨さんも渋々頷く。
どうなるんだよ・・・。
「あの・・・嶋村くん・・・。み、三日月様・・・て、ロングヘアーの、赤と緑のオッドアイですか・・・?」
高梨さん!?どうしたの??
「あぁ。それがどうした」
どうして三日月の容姿を知っているんだ。。。
あ、そうか、能力で見たのか…。
――――
三日月
その言葉は、私にとって最も嫌いな言葉。
あいつがわたしの家族を、そして居場所を奪ったんだ・・・!
赤の瞳は、死を表し、
緑の瞳は、無を表す。
また私の大切な人まで無くそうとするの、暮葉!!
こんなことなら、伝説の力なんて、いらない!!!!!
伝説の力は、私の周りから何もかも奪い取ってしまう。
本当に、時が戻ればいいのに――。
――――
迷宮探索が始まった――。
気持ち悪い生き物がうようよと潜んでいる。
しかも下水道の中のように、激臭だ。
高梨さんも時折口元を抑えている。
いやだな~。
うお
化け物
「高梨さんなんとかできんの?」
『眠術、眠り姫!』
くかーくかー言って寝てるな・・・
________________________
「茉奈!!」
「お母さん!!
今日ね――!」
――画面は一転して、真っ暗な世界。見えるのは、光り輝く、赤と緑の瞳。
怖くてたまらないのに目が離せないのは何故?
赤と緑の光をひたと見続けながら歩いていると、ビチャッと音がした。
「何――?」
よく見ると、死体だった。踏んだのは、血だまり。
死体の顔は、愛する母と父の顔だった。
「伝説の女、高梨 ――。お前は――ではなく、マイだ。」
――――
高梨さんは、一分ほど前に激臭で倒れた。
で、今、目を覚ました。
「どうして・・・。昔の頃の夢を――。」
顔を青ざめ、呟く高梨さん。
「大丈夫?」
ちなみに俺らは誰とも出会っていない。
化け物には会うけどね。
まぁ、その化け物も高梨さんが眠らせてくれるんだけど。
目が五つあるやつとかもでてくるし。。。
「マイ。私はお前を殺す。」
また化け物?って、人だった・・・。すまん
「暮葉・・・?」
くれは?ダレ?
「私は暮葉などではない!!三日月である!!!
死の女神、三日月だ!」
あまりの剣幕に高梨さんも黙り込んでる・・・。
三日月って、海斗が話してた?
「暮葉でしょ、三日月様は!
三日月 暮葉!私の大好きだった、一番の友達だった、暮葉でしょ・・・?」
え、え~そうゆうオチなのかよぉ?
「一先ず逃げよう!」
囁かれたその言葉に俺は頷く。
――――
「ハァ、ハァ、あ、れ・・・人がいるよ・・・高梨・・・さん!」
薄紫の長い髪。
「詩音・・・?」
シオン?知ってる人なの?
「マナちゃん!生きててよかった、!」
違うよ~茉衣だよ~
「あのね、築島君。私――」
―私、本当は、高梨茉衣じゃなくて――高梨茉奈なの。
――――
「伝説の女、高梨茉奈。お前はマナではなく、マイだ。」
――――
「築島君。これは命令よ。私――高梨茉奈の、絶対命令よ。」
高梨さんの、絶対命令・・・
逆らったら、殺される――
これが、高梨さんの力か・・・
でも――逃げられないよ、高梨さん。
こんなに深く関わってきたのに、僕だけ逃げるなんて、出来ないから!
――――
高梨・・・茉奈?・・・さん
「どう・・・して・・・。」
「今から話すよ。目をつぶって。」
ぱち・・・
風景が目の裏に浮かんできた。
「高梨さん、これ・・・」
「私の力、風景再生。これでよくわかるはずだよ。」
――――
マナってば!
声が聞こえてきた。
「もう、マナってば、どこ行ってたの?泥んこじゃない。」
へへ、ママ怒ってる!
「怒るに決まってるでしょ~?もー。」
お昼ご飯なあに?
「カレーうどん。マナ好きでしょ?」
うん!大好き!
家に入ると、カレーの匂いがぷうん、と匂う
「さあ、手洗って?」
うん!と答えようとした時。
ガッシャーーーン!!
窓ガラスを突き破って、暮葉がやってきた。
「暮葉!危ないじゃん!」
「マナ?ちょっとごめんね♥」
「暮葉?なにするの!?」
暮葉の手にはキラキラと光るガラスの破片。
「何って、こうするんだよっ!」
ぐさっ
「お母さん!?どうして、暮葉!!!」
「~~~、==〇▲、∻~~|||。」
「暮葉?答えてよ!」
「お前はマイだ。拒否すると、全身に毒が這いずり回るだろう。」
「え・・・」
「マイ、父親を殺せ!」
その時の私は、殺されたくないという恐怖で、言うことを聞くしかなかった。
「・・・は、はい。」
――――
高梨さんにこんな事があったんだ。。。
尚更、守ってあげたいなぁ・・・
――――
「――それでね、私の一番強力な力はね!」
「はいっ。」
今は高梨さんの技の講義真っ只中
一番強いって、どんな技なんだ
「絶対命令<ブラッド・コマンド>、だよ。私が絶対命令を発動して、命令を私が下すの。それに逆らったら死んじゃうよ。ね、強力でしょ~?」
絶対命令、強ぇな
血の命令か・・・
ん?
「高梨さんの血はいらないよな?」
「え、何言ってるの、築島君。命令に逆らったら私も相手も死んじゃうよ~ん。」
え?ふーん。
「ま、最後の切り札だからね~。今のところは無くても勝てそうだし」
「ってことで、詩音ちゃんの自己紹介としますか!」
「初めまして、星月 詩音です。古川神社の巫女です!」
かわいい・・・。ちょっと緊張するな・・・
「はじめまして、ほしちゅきしゃん。
俺は築島楓雅。」
やばっ噛んだ
「えっ。かっ、か、かわ・・っ」
ちっ、なんで笑うんだよ
あれ?なんで高梨さんほっぺた赤くしてるの?
「詩音ちゃんは置いといて、講義再開しよっ?楓雅くん!」
ほぉ?
今、高梨さん、俺のこと・・・
名前で呼んだ?
呼んだよね???
ってことは、俺も名前で呼んでいいんだよな?
「うん、茉奈さん。」
「・・・っ!」
あれ、怒らせちゃったかな・・・
高梨さん・・・茉奈さんはフイッとむこうを向いてしまった
「ご、ごめん、高梨さん・・・」
「・・・・って・・・なら・・茉奈・・・って、よ・・・!」
「ごめん。なんて言ってたんだ…?」
「茉奈さんって、呼ぶならっ、茉奈ちゃんって、呼んでよ!」
えっ?
「ちがっ、これはその、ちがうくてっ///」
......
そんな僕たちの様子を見かねたのか、星月さんはパンッと手を打った
「さ、マナ。そろそろ言わなくちゃ。」
「え?ん~~?あぁぁ!」
なんだろ?
「水渡くん。ここから先は、危険すぎる。だから、ここからは、お別れだよ。」
え?
「どう、して・・・。ここまで一緒だったじゃないか!ここまで秘密を知ったのに、
今更っ逃げるような真似、俺には出来ねぇぞ!」
茉奈・・・さんはフッと息をついた
「そう・・・。残念だけど、無理やりでも。別れてもらわないといけない!楓雅くんのために!」
僕のため?
「ブラッド・コマンド!」
「築島楓雅、ここから逃げなさい!」
嫌だ
死んだっていい
でも、逃げないと、茉奈さんが・・・死ぬ・・・
どうすれば・・・
「逃げて・・・」
どうすれば・・・
逃げたら茉奈さんが・・・
「茉奈さん・・・」
「そういえば、なんだけどよ」
「茉奈さんは、なんで俺を逃がそうとしてんの?」
気になっていたことを尋ねてみた
「っ・・・」
え・・・まずいこと聞いちゃった?
「すっ、好きな人を守るのに、理由がいる?」
えっ?すっ、好きな人!?さすがの俺も予想外の反応すぎてびびったじゃねぇかよ!?
「大切な人、好きな人を失いたくないから!だから・・・っ」
「好きなの、俺のこと!?」
「うっ、んっ」
涙がポロリ
茉奈さんの瞳からこぼれた
「なんで泣くんだよ、茉奈」
「ひぃっく」
「俺は...まぁうれしーな。好きな人が好きって言ってくれてよ」
茉奈の瞳が大きく見開かれた
「・・・うそ、嘘だよっ。優しい噓で、私を慰めようとしてるんでしょ?」
「それは違う。な、茉奈。俺を、連れて行ってくれ」
そんなに変わっていない、、、ごめんなさい土下座します
普通の女子中学生の日常(修正済
「ねーもう嫌だぁああ」
どうして塾の宿題ってこんなにあるの!?
それに加え学校の宿題も!
どっちか一つにしてほしい。
あ、申し遅れました。
私は|鶴見《つるみ》|千絢《ちあや》。
毎日、普通に暮らして、普通に学校に行き、普通に塾へ行く中学1年生。
ただでさえ学校の宿題が大変なのに塾の宿題もあるとか終わってる。
優等生とか言われてるけど、塾に行ってるだけ。
真面目とか言われてるけど中身は推しに発狂する中学生。
こんな普通の日常、面白くない。
毎日変わったこともなく、塾の宿題に追われている。
青春らしい青春もしていないし...
「こんな日常....嫌だぁあああっっ!!」
真っ白い天井に再度叫ぶと、少しだけすっきりした。
叫びすぎても喉に良くない。
一回宿題やめて寝よ。
学校の宿題終わってないけど、まぁいいや。
寝た後にやればいいのだよ。
パチリと電気を消し、私はベットに横になった。
ふっと意識が落ちていった。
_
お察しかと思いますが私はその後朝まで爆睡して宿題を朝に猛スピードで仕上げた。
淡い星屑
---
昔聞いた、金平糖は星のカケラっていう話。
あの話以降、金平糖がだいすきになった。
星のカケラだなんてきっと幸せを運んできてくれる。
そう思っていつも何かあった時には金平糖を食べる。
それが私の習慣になっていた。
今日も、お母さんと喧嘩して、お弁当も持たずに家を出てきてしまった。
一番後ろのすみっこの席でカリカリと金平糖をこっそり食べる。
食べながら前をぼーっと見ると色素の薄い、明るい色のつむじが目に入った。
前の席の人は確か、栗原あゆむ。
「んー、金平糖いっこちょーだい」
いきなり振り向き、話しかけてきた。
・・・正直この金平糖をやるつもりは無い!高かったし、できるだけ手持ちの金平糖は多く持っていたい。
ぎゅっと鼻の上にしわを寄せて少し睨む。
「...ふーん。金平糖くれるんだったらこれあげたのに。」
そういって栗原が振ったのは、
瓶に詰まった、たくさんの小さな金平糖たち!!
「そ、そそそそそれは...!!!あの、鳥取の...星屑金平糖!!!」
高級品で、めったに見かけない代物。ネットで見てから、喉から手が出るほど欲しかった...!!
うぐぐと呻いてから、栗原に金平糖を一粒渡した。
「やった。瀬名さんの金平糖ゲット。」
そういうと栗原はティッシュに包んで丁重にポケットにいれた。
…変な人。
「栗原くん、その星屑金平糖、くれるんだよね?」
「うん。もちろん。」
そういって彼は私の手に瓶をすべらせた。
ふぉぉぉぉ!!これがマボロシの星屑金平糖!!!ご尊顔をお拝み出来ることがあろうとはっ。
「ありがとう、栗原くん!」
そういって私にできる最上級の笑みを浮かべた。
「栗原くん、この金平糖、どこで見つけたの?」
率直に気になったことを聞いてみた。
「あー、うちの親の友達がコレ作ってるんだ。」
製造者の友達なの!?
栗原が家のことを話しているのはものすごく珍しい。
ミステリアスなイメージで知れ渡っているんだ。
「ふ~ん...。」
「...。あはぁ」
そう言って、ヘラっと笑った彼は苦しそうに顔を歪めた。
「栗原さん?大丈夫?」
__| 《「...ごめん」》__
消え入りそうな声でなにか言って、彼は席を立って何処かへ行ってしまった。
「あ、ちょ、栗原!?」
思わず呼び捨てで言ってしまった。
ボーゼンと立ち尽くしていたら、クラスメートのささやき声が聞こえてきた。
__「え何、あの二人付き合ってんの?」__
__「茫然自失状態だぁ。逃げられたのが嫌なのかなぁ?ま、ミラはそんなことされる前に服の袖つかんじゃうけどねっ!」__
や、、違う...突然逃げられたからびっくりしてるだけだよ?
昼休みになり、私はモヤモヤとした気持ちのまま、いつものように弁当を...あぁあ!!
お弁当忘れたんだった...。
・・・購買には嫌な思い出が在るから、行きたくないんだよなぁ。
教室で途方に暮れていると、栗原が私の机の上に焼きそばパンと金平糖が乗ったメロンパン、穴が開いたところにキャンディーが流され、ステンドグラスのように見えるクッキーを置いた。
「えっ、えっ......」
あまりに急で、返事ができない。
「あげる。お弁当ないんでしょ?」
「えっ、なんでわかったの?!」
「いつもの持ってないから。」
いつもの...あ、タータンチェックの巾着!
「そんなとこまで見てるなんて...。なんか、こそばゆい、かも...。」
「あっ、あ、...ごめん、キモイよね」
!? !? !?
「どうしてそうなるの!?なんか体がむず痒いというか...っ
なんか、こう...言葉にできないけれど、キモいとかはおもってない!まったく!」
そう言うと彼は心底ほっとしたような顔で微笑んだ。
しかし、すぐにくしゃっと笑顔を潰し、顔を強張らせた。
「ごめん...ッ、俺、...。」
「栗原...?」
「おれ、瀬名さんに、うそついてた...ッ」
嘘...?
「栗原、どういうこと!?ほんとのこと言ってよ!何?お芝居でもしてるの!?」
「これは事実なんだ。俺、その金平糖、親の友達がくれたって言ったけど、本当は、必死で探し回って買ったんだ...。ごめん...っ」
「必死で探し回ったなら、自分で食べなよ!」
--- 「ちがう。俺の、自分のためじゃない!瀬名さんのためだ!」 ---
「ふぁぃぃ!?」
どういうこと!?
なぜか顔面が熱くなっていく。
--- 「瀬名|芽《めぐみ》さん、ずっと前から好きでした。おれと、付き合ってください。お願いします!!!!!」 ---
ずっとまえからすきでした
ずっと前から好きでしたァアアア!?
「う、そ...!」
ちょっと...
ナニコレ...
「なっ、、何この感情~!!!」
__「ちょっとぉぉ!!逃げないで―!!」__
そこからは必死で逃げて逃げて逃げて。
もう死に物狂いで、赤い頬でひたすら走って。
なんなのよ...っ
何、この感情,,,っ!
心臓が痛く
※実話じゃないです大丈夫だよ。
ちなみにこの小説、とある曲をテーマに作ってます!
心臓が痛い。
眼が疼いている。
貴方の文章を読む度
苦しくて
自分の価値を疑う
大丈夫だよ
何言ってるの、大丈夫!!
何かい、あなたの大丈夫に救われたか。
何回、あなたの大丈夫に心を握りつぶされたか。
貴方はまだ知らないんでしょう?
私が知っている、貴女の文章は
いつも光り輝いていて
私には届かないと思いながら
追いかけ続けた。
貴女に、出会わなければよかった。
あの子と
出会わなければ、話しかけなければよかった
_______________________________
今テレビで大文豪誕生!と言われている小説家は、私の友達だ。
幼稚園の頃からの、「大親友」
と私は勝手に思っている。
その彼女が、小説家になった
前から文才はあったし、まぁそっち方面に就くのだろうとは思っていた。
彼女の受賞作を読んで、納得した。
彼女の編み出す物語は美しかった
するすると進み、展開がゴロゴロと変わる。
ごちゃまぜにされているような気もするが、それも気にならないほど、引き込まれる。
私も、小説家を目指して《《いた》》。
けれど
彼女には負けると思い、止めた。
本当はわたしだってスポットライトを浴びたかった。
けど、彼女にまけて惨めになることへの不安、そして感じるであろう孤独感が勝った。
彼女はずっと明るくて
愉快で、耀げで。
太陽のような存在だった。
けど、彼女も最初は普通の女の子だった。
そこを狙って、漬け込んだ。
今の私はただ弱い、固まりきっていないセメントだ。
彼女に弱いところを見せたくなくて。
自分が優位に立っていたくて、
大丈夫なように、必死で演じた。
けれど今はそれが私の首を絞めている。
だれも私をわかってくれない
あなたなら
**あなたなら、演技に気づいてくれるかも**
そんな浅はかな考え
分かってほしいと思いながらも
必死に演技はつづけた。
バレてはいけない。
バレてはいけないと自分に暗示をかけて。