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目次
どっちがいい?
暗い洞窟の中。黒いドラゴンが、口をモゴモゴとしている。
やがて地面に向かって口を開く。出した舌の上には、全裸のエースがいた。
苔のじゅうたんの上に、そっと乗せられるエース。唾液でびしょ濡れの裸体をひくつかせている。
「また僕の口の中でしゃぶられるか」
ドラゴン形態のマレウスは、解放したばかりのエースの全身をべろりと舐める。
やわらかい刺激だけで果てるエース。
「んあ、あ」
「それともこうして外で舐められるか」
マレウスは果てた証ごと、ぺちゃぺちゃとエースを舐め続ける。
「どっちがいい?」
舐めない選択肢はない。
ドラゴンの愛情表現は、舌を使うものだから。
ウソつき彼氏
「最近、トラッポラが性行為を痛がるようになってきている。気持ちよくさせようと努力しているのだが、それでもまだ痛いらしい。あまりにも痛がるから、中断せざるを得ないのだが……どうすれば痛くさせずに済むのか。リリアよ、知恵をかしてくれ」
「安心せえ! それ、気持ちよすぎてつらいから、途中でやめさせるために、ウソをついとるだけじゃ! 本当はこれっぽっちも痛くなっとらん!」
「なんだと!? それは本当か!?」
「セベクに愚痴っとったのを聞いたから本当じゃ! わしに聞かれるかもしれんのに、エースは詰めが甘いのう」
「この僕に、ウソをついていたとは……!」
「これこれ、怒るでない。もうウソをつけさせんようにすればよいだけじゃ」
「……そうだな。もう途中でやめなければいいだけだ。いままでわざと痛がっていた罰として、泣いても叫んでも、やめてやらん」
「くふふふふ。そうじゃ、遠慮はいらんぞ、マレウスよ。引いてきてばかりだったいまこそ、押して押して押しまくるのじゃ!」
エースはマレウスの弱点を知っている
二人そろってベッドの中で横たわれば、身長差は関係ない。復活したエースはマレウスの頭を抱えこんだ。
汗で張り付く額をかき上げる。あらわになったツノの付け根に舌をゆっくりと這わせる。腕の中にいるマレウスがひくりと反応した。
「トラッポラ、そこは」
「気持ちいいでしょ?」
「うん……」
舐めている間にも左手でツノの先端をしごき、右手で太い尻尾の付け根をなぞる。
「あ……」
マレウスの声が心地よい。
エースはこの後も、思う存分マレウスをよがらせるつもりだ。
先ほどまで好き放題されたのだ。今度はこちらの番だ。
事後
「おはよー、監督生……」
朝の廊下でエースと出くわした監督生は驚いた。
気だるそうに、ポヤポヤとしているエースの姿。これは……。
「まだ調子が戻っていないのに、無防備に出歩くな」
いつの間にかマレウスがエースに寄り添っている。
エースはむくれながら「こうなったのアンタのせいじゃん」と答えた。
──間違いない。これは……事後というやつだ!
「いや違うわ!」
監督生の心の中を読んだエースは抗議した。続けて説明する。
「これは『累計一時間キスしないと出られない部屋』に閉じ込められて……たまたま一緒にいたマレウス先輩と、しないといけなくなったやつで……」
おかしい。
「ツノ太郎にかかれば、そんな部屋ぶち壊せそうだけど?」
二人そろって、不自然に顔をそらす。
「やっぱり違わないじゃん! 事後じゃん! どうせその部屋、ツノ太郎の部屋でしょ!」
思わず監督生は突っ込んだ。
妖精族は浮気を許さない
大好きなマレウスとの、初めての性行為。
絶対に失敗したくなかっただけなのに。
「これはどういうことだ……?」
静かな口調だが、マレウスは間違いなく怒り心頭に発している。
組み敷かれながら恐怖に震えているエースに、変わらずマレウスは詰問を続ける。
「こんなにもほぐれているなんて……直前まで相手がいたとしか思えない。僕を、裏切ったのか、トラッポラ」
「待って。これは──」
自分でやっただけ。その一言さえ続ければ、また状況は変われたのに。
「もういい。聞きたくない」
エースののどが魔法で張りつく。声が出なくなった。
マレウスとスムーズに事を進めたくて、自分で事前に慣らしただけで、ここまで最悪な状況を作れるのかと、感心さえ覚えた。ただの現実逃避である。
一方的な捕食が、もうすぐ始まる。
窓の外の雷雨は激しさを増すばかり。
地下牢で逆さ吊り・1
茨の谷の王城に軟禁されたエースは脱走を図ったが、見張りに見つかってしまい、連れ戻された。
脱走未遂の罰として、エースは地下牢に閉じ込められる。
全裸で、Yの字型に、逆さ吊りにされて。
※頭に血が上るとかの、肉体的な損傷はありません。
まだ刑務所がなかった時代の名残が、現代の王城の地下にある。もう使われていないはずのそこは、いまは一人の人間のために存在している。
唯一、使用中の地下牢の中に、マレウスは入った。
あらゆる種族が入れるようにと設計された牢の天井は五メートルほど。両足を限界まで広げたYの字に、天井に逆さ吊りにされているエースがいた。服は剥ぎ取られており、裸体を惜しみなくさらしている。
両足首を拘束している枷の間に鉄棒が通してあるせいで、足は閉じられない。その足枷の鎖を、マレウスは魔法でゆるめる。ジャラジャラと音を立てて、天井からゆっくりと下ろされていくエースの裸体は、マレウスの魔法のおかげで、吊るしたての時と変わらず健康体のままだ。頭に血は上っていないし、全体重をかけている両足も鬱血していない。
けれど丸一日、一人きりで逆さ吊りにされていた事実は、確実に精神を磨耗させていた。証拠に、マレウスの目線の高さにまで下げられたエースの顔は、涙とよだれと汗と恐怖でびしょ濡れになっている。
床に向かってぶら下がっていた両手で、エースは逆さまに見えているマレウスの肩に必死にしがみつく。冷めたマレウスの目を見ながら謝罪する。
「先輩、ごめんなさい! もう逃げないから! もう下ろして! もう吊るさないで!」
「反省しているのなら、相応の誠意を見せろ」
互いのくちびるの高さをそろえる。意図を汲んだエースはすぐにマレウスに口づけた。汚く濡れた自身の顔をぬぐう発想がないようだ。王族の顔に体液を付着させる愚行を犯しているが、あえてマレウスは許した。逆さまに与えられる口づけは新鮮で楽しくて、それ以上に愛おしい。
口の中で舌を絡めて、ゆがんだ愛を確かめ合う。二人きりの行為を先に止めたのはマレウスだった。
くちびるを離して、一言。
「次」
エースはあっけにとられる。おそるおそる問いかける。
「次……? なんの?」
「次の誠意を見せろ」
マレウスは魔法でスツールを出す。王族が腰かけるにはずいぶんと質素なスツールを、エースのほぼ真下に設置。そこにマレウスは足を開いて座った。
天井の鎖が更に下がっていく。
「むぐ」
エースの顔がマレウスの股間に埋もれたところで、鎖が止まった。
まだ興奮していないのか、服越しの股間は静まったまま。しかしペニスのやわらかい感触はエースの口元に伝わっている。鼻の穴も埋もれて、息苦しい。
マレウスはエースの後頭部に左手をそえて、エースの顔面をグリグリと股間に押しつける。
「むぐううううっ」
息ができないエースはたまらずマレウスの背中を両手でたたく。
「最低限の呼吸はちゃんとさせてやる。気をやるな」
宣言通り、鼻の穴だけは、少しだけ股間からずらされた。けれど鼻呼吸しかできない。マレウスの匂いから逃げられない。
「むう! む! むー!」
「そうだ。そのまま僕を感じていろ」
眼前にあるエースの、Yの字に開かれたままの剥き出しの股間を見ながら、マレウスは命令した。
身長差が激しい分、胴体はマレウスのほうが若干長い。自身のペニスをエースの顔に押しつけても、自身はエースのペニスのすぐ目の前にあるわけではない。二つの袋が目線のやや下にあるくらいだ。
マレウスはエースの後頭部をつかんでいない右手を上げて、二つの袋を手中に収める。コロコロと転がして刺激を与えて、精液を作らせる。あまった親指で会陰をグリグリと押し込み、ときおりカリカリと引っかく。
エースの内股がピクピクと震えている。
「んん! んぐ! んうぅううう!」
マレウスの開いた内股が湿ってきた。エースの涙だ。
「もう感じているのか? まだ誠意を見せきっていないのに?」
マレウスは舌を伸ばす。勃起を始めていたエースのペニスに絡みつき、二股の舌先で亀頭を舐める。尿道口を中心にチロチロとくすぐれば、エースの悲鳴と体の震えが増す。
「むうううーーっ!!」
──イきそうか。だがイけないな。竿をしごいてやらねば、お前はいつまで経ってもイけず、苦しむだけ。
「ふーっ! ふーっ! ふーっ!」
──ふふふ。鼻息がくすぐったい。……ああ。汁が出てきた。苦いが、悪くない。もう少し出してもいいぞ。
「むう、う! んあああああっ!」
──こら、勝手に顔をずらすな。
マレウスはエースの後頭部を掴みなおし、顔面をふたたび股間に押しつける。もう離れてしまわないように、しっかりと。
袋と会陰から指を離して、次は竿をくすぐる。しごかずに、指先でタップするように。裏筋とカリ首を重点的にくすぐれば、尿道口からにじみ出ている苦い汁の量が増えた。
エースの涙混じりのくぐもった悲鳴がマレウスのペニスに伝わって、心地よい。だがまだ勃起するほどではない。妖精族は人間ほど性欲が発達しておらず、機能するのが遅い。
だからマレウスはエースに命じたのだ。
──妖精族の僕が達するまで、人間のお前に付き合ってもらう。
──ほんのひとときだ。半日もかからないだろう。人間のお前にとっては、長いかもしれないが。
──耐えろ。耐えられなくても、続けてやろう。
──僕の部屋から勝手に出ていかないという誠意を見せろ。
(続く)
地下牢で逆さ吊り・2
「……よし。もういい」
「はーー……はーー……」
エースの顔がマレウスの股間から離された。
こうしてマレウスが勃起して、股間をくつろげるまでに、実際はどれほどの時が経ったのか。達せないまま苦しむエースには数えられなかった。
自身から出ていた先走り液と、マレウスの舌先からしたたり落ちていた唾液と、新しい汗や鼻水などで、またエースの顔面が濡れている。あまった体液が髪を伝いおりて、スツールの座面を濡らす。マレウスにしがみつく体力もなくなり、垂れ下がった両手の指先からもポタポタと床に落ちていく。
服から解放されたペニスがエースの頬をたたく。
「くわえろ」
マレウスに命令されたとおりに、エースは口を大きく開く。吊るされて自分からは動けないエースのために、マレウスが自ら口内に入れていく。
のどの奥を、ぐーーーー……と押し込まれたエースの体が震える。窒息する前に、ペニスがのどから離れた。
「ごふっ。ごほっ。ごほっ」
口内に居座ったままのペニスの先端に、エースのむせた息がまともにかかった。
生暖かい息を感じて、マレウスはくつくつと笑う。
「気持ちいいな、エース」
「ご、ぼ」
また奥に押し込まれたエース。窒息寸前に離されて、押し込まれてを繰り返される。
六回目を始める直前で、エースはペニスを吐き出して、泣き声をあげた。
「ううぅ〜〜っ! もうやだあ。お願いだからっ。ベッドで! ベッドでやるからあ! もう吊るすのやめてよおおっ」
「床ではなく、ベッドと来たか」
「床! 床でやるからあ……! うえええええ……」
エースは子どものように泣きじゃくる。マレウスは少しひるむ。
「……わかった。これが終わったらベッドに連れていってやる」
「う、ううっ、うえええ……」
「もう二度と僕に逆らわないと誓えるな?」
「誓う。誓うから。もう家に帰れなくてもいいから」
「……言ったな?」
思わぬ副産物を得られた。
妖精の国で暮らす報告のために、一度は家に帰すつもりだったのに、それをエース自らつぶしたのだ。
これまでの失態を帳消しにしてもいいと思えるほどの宣誓だった。
「あと一回で終わらせてやろう。そのときに──」
わざと言葉を区切り、エースの爆発寸前のペニスに触れる。不意打ちを食らったエースは「いひっ」とよがった。
さすさすと竿を軽くなぞりながら、マレウスは続きを言う。
「ここを、果てさせる」
マレウスは自身のペニスをエースの口の中に突っ込む。同時に背を曲げて、エースのペニスの半分を口の中に含んだ。
「ごぶううっ」
真下で聞こえてきたエースのうめき声をよそに、マレウスは口に入れていない根元を、指の輪っかでぎゅうと強めにしぼる。ぎゅちぎゅち、と半分の竿にそって激しくしごく。口の中にあるもう半分は、丸い先端ごと、舌で絡めてやわらかくしごく。
急に強くなった刺激に、エースは目を白黒させる。
「おごっ。おごおっ! あが……ごぼっ」
のどの締まりがよくなり、マレウスのペニスもますます膨れる。後頭部を強くわしづかまれて、奥をガンガン突かれて、エースはまた泣きだす。もう止めてはくれない。
エースの体が大きく跳ねて、天井の鎖がガチャンと揺れた。
マレウスが射精する前に、エースがマレウスの口内で射精した。
どぷどぷとあふれてくる精液を、マレウスは飲んでいく。のどに引っかかる感覚も、ストレスを与えられてまた苦くなった味も、あますことなく。その間、マレウスはずっと、エースののどの奥をペニスでふさいでいた。
達している最中に呼吸を制限されて、深い快楽に堕とされたエースは白目を剥いている。ガクンガクンと全身をけいれんさせた後、ふつりと脱力した。
「はああぁ……」
大きくため息をつきながら、マレウスはペニスをエースの口から抜く。ペニスはまだ勃起したまま。達する前に気絶されたのだ。
「僕がまだなんだが……ベッドで起こせばいいか」
スツールから立ち上がる。スツールを消してから、乱れた衣服をかんたんに直す。エースの両足から枷を取る。自由になったエースの体を横抱きにしたマレウスは、自室に転移した。
---
数時間後。マレウスにとっては程よい時間に、マレウスも無事、エースの口の中で射精した。
ベッドの中でのシックスナインはたいそう気持ちよくて、仕置きなど関係なく、数日後にまたやりたいとマレウスは思った。
「は……ふ……っ。もう……むり……」
追加で数回、マレウスの口内で射精させられたエースの心を置いて。
(終わり)
泉で水浴び
精霊に守られている泉は、直射日光を浴びても水温は冷たいまま。とても暑い日が続く中での水浴びは気持ちよかった。
けれど長く浸かっていると、熱かった体も冷えてくる。水着すら着ていなかったため、余計に。
くしゃみをすれば、遠くからマレウスの声がする。
「そろそろあがれ」
「はーい」
返事をしたエースは全裸のまま泉から出た。ペタペタと足音を鳴らしながら、木陰の中にいるマレウスに近づく。
木陰の中は生ぬるい。いまのエースにはちょうどよい気温。
マレウスはエースを抱きしめた。
裸体についた水滴が、マレウスの服に染みていく。
「あったけー」
また暑くなるまでの、ほんのひととき。抱擁の温もりをエースは噛みしめた。
ゴーストの抱卵
一つの卵が安置されている室内。マレウスを含む一部の者しか入れないそこには、常にゴーストが一体、卵のそばにいる。
少年の姿をしたゴーストは卵を愛おしげに撫でて、ときどきキスを贈っている。卵が未練のもとなのは明らかだ。
だからマレウスは願ってしまう。
どうかいつまでも孵らず、いつまでも帰らないでいてくれと。
卵を産んですぐに命を落とした少年の左手の薬指には、黒色のリングがはまっていた。
そしてマレウスの左手の薬指にも、同じものが。
性欲は薄いけど
──ずいぶんと、なまめかしく舐めてくれる。
マレウスはそう思った。それでもマレウスのペニスは反応しない。不能だから、ではなく、長命種の妖精族は性欲が薄いからだ。
しかし萎えたままのペニスをぺろぺろと舐めて、興奮させようとしているエースの姿は、たいへん愛らしく見える。
けんめいに奉仕している恋人の姿を見ているだけで、マレウスの心は甘く溶けて、満たされていった。
赤子と大人
年齢を知ったとき、マレウスは「まだ赤子じゃないか」と言ってしまった。
彼は呆れていたが、事実なのだ。事実を受け入れない様は、まさしく赤子だった。
だからマレウスは待った。彼が"大人"になるまで。
せめて百は超えていないと──。
「ああ……! 告白し損ねた!!」
墓の前で、マレウスは赤子のように泣いた。
朝までつながっていたい
太くて、長い。圧迫感が強くて、エースは願う。
「いっかい、抜いて」
エースをつらぬいたばかりのマレウスは不満げに返事をする。
「抜きたくない」
「抜いて……つらい……」
「……いやだ」
マレウスはゆるく律動を始める。
「あ、ああ……あー……」
「ん……気持ちいい」
「こ、っちは、くるしい」
「……ここは、良さそうに、しているが」
マレウスは勃起したままのエースのペニスをしごき始める。
「ひっ、あ、あう」
「こうして触ってやるから……朝まで、つながらせてくれ」
ずいぶんと無茶な願いだ。エースは文句を言う。
「ざけん、なよぉ……。やだ、やああー」
ペニスの先端がねばついていく。そこもくちくちと触られて、エースは泣いた。
ちいさな水音と、か細いすすり泣きは、朝まで途絶えなかった。
これ、借りるわ
エースはいつもマレウスの私物を借りていく。私物と言っても、借りるものは一点のみ。もとはエースがプレゼントしたピンキーリングだ。
王族がはめるには安物すぎるため、マレウスは身につけられない。たとえ恋人から贈られたものでも、威厳をたもつために、あえて身につけないことがある。
だからマレウスはリングを大事に持ち歩いている。それを贈った本人であるエースが、なぜか借りたがっては、返しに来るのだ。
「返してほしいのか?」
マレウスに問いかけられたエースは、借りたばかりのリングを手の中で遊ばせながら答える。
「返すときにも会えるじゃん」
恋人として会う時間だけでは足りないらしい。欲が深い恋人に愛おしさを感じたマレウスは、エースの額にキスを贈った。
1月1日。彼らは世界にいなかった
「あけおめ、監督生」
「エース、あけましておめでとう。茨の谷で新年を迎えたらしいけど、どうだった?」
「それなんだけど、監督生さあ、この前言ってたじゃん。異世界では新年になった瞬間にジャンプして、地上にはいなかった的な遊びがあるってさ」
「ああ、うん。言った」
「『わざわざジャンプしなくても、空を飛べばいい』」
「あのね、僕の世界じゃ魔法なんて無い──」
「って、マレウス先輩が言ったんだよ」
「え? なんて?」
「監督生の世界ではジャンプする遊びがあるんだぜって、マレウス先輩に言ったんだよ、オレが」
「ふうん。なるほど。それ言ったら『空を飛べばいい』って返されたわけか」
「んで、日付が変わる前に、ほうき無しで一緒に飛ばされた」
「初日の出は拝めた?」
「しがみつくので精一杯で、日の出なんてほとんど見てねえよ!!」
「いやここ、朝まで飛んでるわけないだろっていうツッコミ待ちだったんだけど」
「……あっ」
「ていうか朝になるまで空にいたら、さすがに慣れるはずじゃん。なのに、なんでまだ『しがみつくのに精一杯』になるかなあ?」
「……」
「デートの口実にされた太陽の気持ちも考えろよ!」
リリアの誕生日は後でお祝いしました。
逃げる誓い、逃がさない誓い
妖精の世界では、誘拐婚が当たり前に存在している。でも人族の世界では犯罪なので、さすがにマレウスはそんなことしない。とエースは思っていた。自分が誘拐されるまでは。
黒いドレススーツを着せられたエースは、壇上でマレウスに宣戦布告する。
「ぜってえ逃げてやる」
誓いの言葉を受け取ったマレウスは薄く笑う。
「逃げたいと思えなくなるほど、愛してやろう」
こうして二人は、誓いのキスも交わした。
月光の下で
月光が注がれている城のバルコニーの大窓が開いた。窓の向こうも灯りは無く、月夜よりも暗い。その暗闇から出てきた者は、厚い毛布に包まれた塊を両腕で大切に抱えているマレウスだった。
魔法で窓を閉めたマレウスは、バルコニーの中央へ進む。塊を床にそっと下ろした。
まるでプレゼントのラッピングを解くように、毛布を優しく剥いでいく。塊の中から現れたものは、全裸のエースだった。寝巻きを着ているマレウスとは正反対の姿である。
エースの髪はくちゃくちゃに乱れ、湿っている。顔には涙の跡がいくつも残っており、全身はキスマークでいっぱいだ。先ほどまで巣の中でたっぷり愛されていたことを証明している。
マレウスは厚い毛布をすべて剥がさずに、敷布にして、硬くて冷たい床からエースを守る。そして夜風で冷えないようにと、自分たちの周りにだけ、温かい空気の膜を張った。
空気が物理的に変わっただけでも甘く感じるのか、眠っているエースの口から「はあ……」と息が漏れた。
無意識に痴態を振りまくエースを、月光はやわらかく照らしている。付着した体液がまだ残っている肌が扇状的だ。
ここに連れてきて正解だった。
月は恋人をより美しくさせる。
マレウスはそばにあったガーデンチェアに浅く座りながら、なまめかしい光景を眺める。愛らしい者の、新しい一面を、少しでも知るために。
一寸ハート
トレイの顔が引きつった。
このまま回れ右できればどれほど良かったか。だが知ってしまった以上、副寮長として対応しなくてはならない。
「生きてはいるんだよな?」
マレウスは心外そうに返事をする。
「当然だ。ちゃんと空気といっしょに、専用の袋の中に入れているから、窒息の心配はない。食料や水は用意できないが、無補給状態でも一週間は問題ないように魔法をかけてある」
「そ、そうか」
「もういいな? では……」
去ろうとするマレウスを、トレイは慌てて「待て待て!」と呼び止めた。
「うちのトランプ兵を返してくれ。女王様がお怒りなんだ」
マレウスはバツが悪そうに、自身の腹をさすった。
ボコボコと内側から叩かれている感触が、さする手のひらからも伝わる。
「何が不満なんだ……」
「胃袋に入れなければ大丈夫、という話じゃないんだよ」
トレイに軽く叱られたマレウスは肩を落とした。
腹の中のトランプ兵は、まだまだ元気いっぱいに暴れている。
人間が妖精族と子作りする方法・1
性的な意味で、エースがとてもひどい目にあいます。どのような目にあうかは、書いているときの作者の気分次第なので、詳しい注意書きはありません。
とりあえず肉体的な損傷は絶対にありませんので、痛い系が苦手な方は安心してください。
「知ってしまえば、もう後戻りはできないぞ。それでもいいのか?」
ひとりがけのソファに座りながら見上げているマレウスに向かって、エースは正面に立ったままうなずく。
「うん。オレ、マレウス先輩との子ども産みたい」
マレウスは「そうか」と言った。真顔の裏では何を考えているのか、エースには読めなかった。
もしあまり良く思われていないのであれば、ここから先は苦労するかもしれない。苦労は嫌いだ。叶うのなら楽がしたい。だが、その楽が約束されていなくても、エースは身を引きたくなかった。
マレウスを人生最後の恋人にすると決めている。だからどうしても、マレウスとの子どもが欲しい。自分が寿命で死んだあとも、マレウスと結ばれた証を残したい。
その一心で、こうして城内の王子の私室で、エースはマレウスと向かい合って、子どもを作る方法を聞いている。
エースの要望を正面から聞いたマレウスは、真顔のまま口を開く。
「本当に、いいんだな」
ずいぶんと念を押す。さすがに尻込みしそうになるが、子どもを残すためならと、勇気を出して「はい」と言いきった。
マレウスは問いかけた声と同じトーンで続きを言う。
「では服を脱げ」
「え、今から?」
「そうだ」
「……ここで、立ったまま?」
「そうだ」
「なんか……ムードとか……」
マレウスの眉間にシワが寄る。
「嫌なら脱がせてやろうか」
「自分でやります!」
エースは上着を思いきり脱いだ。勢いのまま、服を一枚ずつ脱いで、床に落としていく。
ついに最後の一枚──股間を守る下着に手をかけたところで、その手が止まった。急に恥ずかしくなったからだ。
まだ学生だった頃。部活が終わったあとのシャワー室で、周りにチームメイトがいようとも構わず裸になれたというのに、恋人の前になると、妙な羞恥心に襲われた。
顔を赤くしながら硬直していると、マレウスがソファから立ち上がった。
「もういい」
エースのすぐ前まで移動する。ピンと伸びていたマレウスの背中が、エースに覆いかぶさるように丸くなる。
エースの視界がマレウスの首元でいっぱいになる。香水が鼻腔を甘く刺激した。
下着にかけたままのエースの両手に、マレウスの手が重なる。指の骨をなぞってからエースの両手を離して、代わりに下着のふちに自身の指を引っかけた。
「あ……」
エースの股間を守っていた最後の一枚が、するりと下ろされた。足首まで落ちていったそれはもうただの布だ。
マレウスの指が、エースの尻の割れ目に潜りこむ。かたく閉じられた窄まりに指先をすりすりと這わせる。
表面を触られているだけなのに、エースはすでに甘い刺激に酔っていた。
「はあぁ……」
たまらずマレウスの背中に両腕を回して、すがりつく。
──このままベッドに連れてかれんのかな。
エースの期待はむなしく空回り。マレウスはエースから身を離して、こう告げるのだ。
「ソファに座れ」
次期王の絶対的な命令。エースは逆らえない。
「……うん」
うずく体を抱えながら、マレウスが先ほどまで座っていたソファに、今度はエースが座った。
マレウスはエースのすぐ前にひざまずき、裸体を開かせる。
「深く座れ。腰はもっと前に。足を閉じるな。全てを僕に見せろ」
王でもここまではふんぞり返らない姿勢になるまで、深く座らされるエース。肩はソファの背面にめり込み、開かされた両足はソファの座面からほとんどはみ出ている。
心細さのままに足を閉じたいのに、ひざまずいているマレウスが間に入りこんでいるせいで、閉じられない。全開になった股間をマレウスの目の前にさらしてしまう。
見目麗しい王族に、汚らしい股間を見つめられている。うぶな少女でもないのに、背徳感と羞恥心に襲われて、顔だけでなく体も赤くなってきた。
ペニスに熱が灯っていく。
「そんなに見なくてもいいじゃん……」
「……初めて見たものだから」
マレウスの言うとおり、エースがマレウスに裸体を見せたのは、今回が初めてだ。
だからどうしたらいいのか、エースにはわからない。つい生意気な口を叩いてしまう。
「初めてなんだから、ベッドに連れてってよ。オレが自分で行ってやろっか? そーだよ。それがいいって。だからさ、お、起こさせて」
「ならない」
マレウスは一言で切り捨てた。長い舌を出して、芯を持ち始めていたペニスをぺろりと舐める。
「ひゃっ!?」
逃げようとしたエースの腰は、マレウスの両手に捕まった。
「逃げるな」
マレウスはいったん舌をしまった。
エースの太ももを手のひらでなぞり、ひざ裏に手をかけて、すくい上げる。ひざから足首までを、ひとりがけソファのひじ掛けに左右それぞれ魔法で縛りつけた。
エースはソファに深く座る──深すぎて、胴体はほとんど座面に寝かされている──形で、ちんぐり返しの格好で拘束された。
まだ自由なままでいられている両手は、マレウスの両手に繋がれる。指を絡ませられて、背面クッションに沈んでいる頭の真上に押し付けられた。
マレウスの顔がエースの顔に近づく。
「僕と子作りしたいのなら、逆らうな」
「だっ、だって、こんなの、びっくりする。せめて何すんのか、言ってくれたって!」
「まだ言えない」
「なんで!」
「人間が妖精族の子どもを宿す方法を、まだお前に知られてはならないからだ。ここで全てを話したら、本当にお前は、後戻りできなくなる」
エースはマレウスを凝視する。
──まさか、まだこの想いを疑われていたなんて!
「ふざっけんなよ!! オレは本気であんたが好きなのに! この期に及んで、まだ疑うわけ!?」
頭を前に倒して、マレウスの額に自身の額を合わせたエースはまだ怒鳴る。
「だんまりを決めこむってんなら、やってやろうじゃねえか! 全部受け入れてやらあ!!」
つまり、今から何をされてもいいのだと、エースは宣言したのだ。……してしまったのだ。
(続く)
人間が妖精族と子作りする方法・2
マレウスは「言ったな?」と確認した。
開いた口から伸ばされたマレウスの舌先が、エースの鼻の頭をちろちろと舐める。興奮して大きく開いた鼻の、二つの穴の中に、二股の舌先をそれぞれ挿入した。
「あぐぅええっ!?」
まったく予想できない暴挙。抗議よりも混乱が先に来たエースは、ただ大きく声をあげた。
たまらず頭を振るも、すぐさまマレウスの両手に頭部をはさまれて、固定される。エースも解放された両手で、マレウスの両手を叩いたり引っかいたりした。なのにマレウスの両手はエースの頭部から離れない。舌をひっ掴みたくても、マレウスの口はもうエースの鼻を丸ごと含んでいる。エースの手が届かないマレウスの口の中で、舌は奥に進む。広がる鼻腔の空間をめちゃくちゃに掻き回していく。
「うえええっ。へ、ぐじゅっ。やっ、やべろ……っ、えっぎし! へええっぐぅ……ぐひいいっ! ぐ、しいっ! ひ、ひっぎ! いぎしっ! あ、あ!! 待っでええ!! ぐしゃみいいっ! どまんっ、なああっぎしいっ!!」
止まらない。
「いづまでっ!! 続ぐのっ!! いぎっ!! 息がぁああ……っ、でぎなっげほっ! えほおっ! ぐしゅうっ!」
止めてくれない。
「ひゃっ、ひゃべっ! ふ、ふ、ふぐっ! う……ぐびゅうううっ! ひいいーっ! げほっ。えほおっ! ぶしゅうっ!! ひゃっ、べっ! ひゃべっええぇ。やらぁあああっ!! えふううっ!」
しばらく続いた後。とどめと言わんばかりに、最奥の突き当たりをぐじゅりとひと突き。
「がはっ……!!」
エースが白目を剥き始めたところで、マレウスの口がエースの鼻から離れた。
解放された鼻の穴からは、鼻水がタラタラと真下に向かってこぼれている。だらしなく開いた口の中に入り、よだれとともに吐き出され、先に垂れていた涙とも混ざり、エースの胸元を汚していく。
上向いていたエースの眼球が元に戻ろうとする時。マレウスの視線はエースのペニスに移っていた。
数えきれない回数のくしゃみを強制された体は性的な興奮を失っており、勃起しかけていたペニスはすっかり萎えていた。
マレウスはペニスの先端を摘み、尿道口をくぱっと開く。萎えてやわらかくなった小さな口は、今なら狙いの物を飲みこめそうだ。
「よし」
舌を伸ばして、ペニスを舐める。唾液を亀頭に集中させれば、開けた尿道口の中に、唾液がコポコポと入っていった。
細くした舌先で尿道口を浅く掘り、唾液をもっと奥に入れていく最中。やっとエースの意識が現世に戻ってきた。
「なに……してんの……?」
エースの問いをマレウスは無視して、尿道内を唾液で満たしていく作業を続ける。エースもそれ以上、口をはさまず、マレウスをぼんやりと見つめていた。
他人の唾液を尿道内に詰められている。異常事態なのに、不思議とエースは嫌な気持ちにならなかった。むしろ心地よさすら感じた。
精液とは違う、トロリとした液体。せまくて敏感な穴の中を通って、埋まりながら奥に進んで、進んで、進んで、侵入されて……。
「んっ」
気持ちいいところをかすめられた。
自慰で精液が通るときに、心の中で泣いてしまうくらい気持ちよくなれるところ。とても奥にある、泣きどころ。そこを、マレウスの唾液が圧迫し始めた。
唾液の中に混ざるあぶくが、ぷちりと弾けて、気持ちいい。
「あ……ん……」
ちゅぽちゅぽと尿道口を抜き差ししていた舌先を収めてから、マレウスが一言。
「よさそう、だな」
エースはかくりとうなずく。
「いい。すげえいい。いすぎて、変になる」
「これからもっとよくなる。……おそらく、死にたくなるほど」
最後に物騒な言葉を付けられたことに、エースは気づかない。おだやかな快楽におぼれていた。
(続く)
人間が妖精族と子作りする方法・3
身を乗り出したマレウスは、自身のくちびるをエースのくちびるに重ねる。舌を絡めて、エースの唾液を奪っていった。
キスは長く続かず、二人の口は離れた。
マレウスは奪った唾液を口内で味わう。自身の唾液とたっぷり混ぜた後。べ、と舌を出した。
二股の舌先から、トロォ……と糸を引いて、唾液が落ちる。真下にあったエースの亀頭に不時着して、不恰好な玉になる。追加の唾液がポタポタと追いかけるだけで、エースの腰がひくついた。
宙ぶらりんになっていた舌先を亀頭に乗せる。くるり、くるりと舐めて、亀頭に乗った唾液玉をかき集めた。唾液玉ごと、ふたたび尿道口を埋めて、抜き差しを軽く繰り返して、尿道内に唾液を追加で詰めていく。
──オレのちんこ、すげえエロく舐めてる……。
尿道内から伝わる圧迫感も相まって、エースはマレウスの痴態から目を離せない。
ペニスがだんだん勃起していく。媚肉の質量が増して、せまい穴が更にせまくなっていく。
舌と尿道口の隙間から、ぷちゅり、と少量の唾液が漏れた。
尿道口から舌を抜いたマレウスは、また漏らそうとする小さな口を、親指の腹で塞いだ。
舌をしまい、エースの目を見て、真顔で叱る。
「こら。吐くんじゃない。もっと飲みこめ」
「だって、よすぎる……」
口ごたえするな、と言う代わりに、尿道口を塞いでいる親指をくちくちと揺らすマレウス。たまらずエースは腰を振るわせ、鳴く。
「ひおっ。あっ、あっ、あっ」
「……まあ、じゅうぶん入ってはいるか。これなら……」
尿道口から親指を離したマレウスは、魔道具を手中に召喚した。
それは棒だった。長さは今のエースのペニスの竿部分と同じくらい。太さは今のエースの尿道口の直径と同じくらい。
まるで今、その場で、長さと太さを調節したような……否、間違いなく調節したのだと明かされた。続くマレウスの言葉によって。
「これは大きさが決まっていないから、今のトラッポラに入るようにしておいたぞ」
「……え?」
細長い棒──スティックの先端が、尿道口に添えられる。
「ちょ、やめ──」
エースが察しても、もう遅い。
全てを受け入れるとマレウスに宣言した時点で、もう全てが遅いのだが……。
(続く)
人間が妖精族と子作りする方法・4
まずは一センチ、挿入された。
「うっ」
そのままスティックが抜けない範囲内で、ゆるゆるとピストンされる。
さすがに黙って見ていられなかったエースは、スティックを持っているマレウスの右手を両手で掴んだ。
マレウスはエースを咎める。
「抵抗するんじゃない。怪我をするだろう」
エースの両手がマレウスの魔法で離される。ソファのひじ掛けに縛られている両足と、追加でまとめて縛られた。
剥き出しの股間をマレウスに捧げる形で、両手両足をひじ掛けに固定されたエースは、完全にソファと仲良しになってしまった。
スティックの丸い先端は、変わらず尿道口を何度も浅く掘削している。
ちゅこ、ちゅこ、ちゅこ。
「ひ、ひっ! ひ……っ!」
「……うん。濡らしたおかげで、引っかからないな」
マレウスは床を踏んだままの左足を起点にして、ちんぐり返し状態のエースに乗り上がった。
まずは右ひざでエースの左太ももの付け根を踏んで固定。次に左手で右太ももの付け根を掴んで固定。最後に右手でスティックを摘みなおして、角度を調整。
本格的な挿入の準備が整った。
「死にたくなるほど、つらいらしいが……僕の子どもを産むためだ。耐えてみせろ」
エースは怖気付く。
「まっ、まだっ、産まなくていいかなー、って……」
マレウスは無視して、スティックをペニスの中に沈めていった。
「ぁあああああああ…………!」
部屋に響くエースの悲鳴。マレウスの下でもがいている。けれど一番逃れたい股間はマレウスに押さえつけられていて、ひくひくと震えることしかできない。
「あう、あう、あ、あぅううう」
持ち手になっていた部分を残して、スティックは埋められた。それで終わらない。マレウスはペニスから飛び出している底部に人差し指の腹を乗せて、ぐーーーー、と中に押し込んでいった。
「そんなっ! とこまでぇ!?」
スティックがエースの視界からほとんど消えた。はくはくと苦しそうにあえいでいる尿道口の内側で、スティックの底部がわずかに覗いている。それもマレウスの親指でふたをされて、まったく見えなくなった。
亀頭から竿の根元まで、激しい圧迫感が内部からやってくる。元凶を吐き出したいのに、ふたをされているせいで吐き出せない。
「うううう……っ。抜いてぇえ……」
「抜くも何も……まだ残っているぞ」
「へえっ?」
全部入っているのに、まだ残っている?
その疑問は、すぐに解消された。
「あああーっ!?」
尿道内で、スティックが更に伸び始めたのだ。
「伸びてる。入ってる。入ってるっ。なんだよこれっ! わああ、あー!」
底部を支点にして、スティックはどんどん奥に侵入していく。やわらかいスティックは道のカーブに沿って、ゆっくり曲がっていく。唾液にまみれた中は侵入を容易にさせる。
ぬぷ、ぬぷ、ぬぷぷ……。
「あ、あっ、ああ……」
ぐりっ。
「ふうううっ!!」
スティックの先端が、エースの泣きどころを圧迫した。マレウスに上から押さえられていなければ、確実に腰が跳ねた瞬間だった。
拘束下でガクガクし始めた腰に構わず、スティックは泣きどころを刺激しながら先に進もうとする。
二つに分かれた道があった。
膀胱に続く道と、精巣に続く道。
スティックは膀胱のほうへ進んでいった。
「うううううう」
ついに先端が膀胱口に到達した。
きゅうと締まっている、ちいさな口。スティックは伸縮を小刻みに繰り返して、怯えている口をトントンとノックする。
「あが、あがが、あ、が」
「ほら、開くんだ」
「や、だぁ。ぬいて。もう入んない。ぬいてぇ」
「……なら、こじ開けるまでだ」
マレウスは尿道口を塞いでいる親指にグッと力を入れる。何があっても、スティックが抜けないように。
(続く)