異変とキミとまた何処かで。
編集者:雨雲るる
異変で会いましょうの続編です。
あらすじ
魔界境に住むあなたは、南西異変解決学校に通っていた。そんなある日、「とある人物」から異変の解決をお願いされる。久しぶりに出た六つの異変。それを解決するためにあなたとその仲間たちは立ち上がる!異変に隠された真・真実とは…!?
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目次
異変解決手帳
ここでは「異変で会いましょう」に登場したキャラたちや続編の舞台などを紹介していきます。
ちなみにキャラの容姿は私のマイページにある「オリキャラAIチャットボット」で確認できます。
**キャラクター**
★#名前# 主人公。日本からの転生者。まだ前世を思い出せていない。#名前#の前世は謎に包まれている。
死因は車に轢かれたらしいが…。とても食いしん坊で優しい性格。しかし、結構、勘が鋭い。
★クラン 新キャラ。南西異変学校に通う少女。#名前#とは仲が良くなる。まだまだ謎が多い。
大体無口で、恥ずかしがり屋。でも#名前#となら本音で話せる。
★マリンカ 謎の光っている妖精。言葉は話せないけれど、リアクションで言葉を伝える。周りは黄緑に、中心が緑に輝いている。
★利麻 異変解決相談所の所長。よく自画自賛をする。おしゃれ好き。明るい性格で三葉とは気が合う。とてもポジティブ。
★三葉 異変解決ランキング1位の#名前#の大先輩。こちらも自画自賛をよくする。めちゃくちゃポジティブで、元気かつお調子者。利麻と気が合う。
★真里茂 血乃乃瀬島に住む、女の子。他者からの人気はすごい。花音と音呂と暮らしている。明るく優しい性格。ただたまにサイコパスな一面も…。それは「覚醒の実」の後遺症に違いない。「異変 赤毛の殺人鬼」
★花音 真里茂の姉。一時期闇落ち。今は真里茂たちと幸せに暮らしている。ネガティブで暗い性格。
★音呂 真里茂たちの叔母。一時期年が止まっていたが今は平気。すごい魔法使いを目指している。
★竜太 龍の子だったが、人間の世界で少し暮らしていた。今は龍界で#名前#たちを見守っている。勇敢。
★紅麗亜 勇翔の彼女。とても可愛いから人気。学校をたびたび休み、勇翔とデート。優しく明るい性格の持ち主。
★勇翔 紅麗亜の彼氏。一時期闇落ち。赤い涙に囚われ異変となっていたが今は紅麗亜と幸せな生活を送っている。冷静で落ち着いている。
★万鈴 #名前#とは仲が良かったマルリンカに住んでいる子。なぜか自分が異変の元凶だと言い、倒されてしまう。行方不明。
★魔芽乃 利麻の家になぜかいた狐。#名前#と協力し異変を解決しようとしたが…。
**場所**
♥︎南西異変解決学校 クランと#名前#の通う、異変解決について学ぶための学校。森の奥にある。
赤い雨
これは「異変で会いましょう」から3年後の話。異変解決学校であなたは仲間のクランと一緒に楽しく暮らしていた…。そんなある日…。
私は #名前#。今は南西異変解決学校の寮でお友達の「クラン」っていう子と楽しく話していた。私たちの話題というのは最近お流行りの「モンスターペット」だ。最近では友好的なモンスターをペットにしてるらしい。私もクランもまだ持ってないからどんな子を飼いたいか話していたんだ。
#名前#「やっぱりいい子がいいかなあ。お世話も大変じゃないでしょ?」
クラン「そうだね…。でもうちはちょっと凶暴な子もいいかなあ。やっぱりそんな子も可愛いじゃない?」
#名前#「そうだね!」
私とクランは楽しい話で盛り上がりだった。
クラン「でさあ…」
クランが何かを話そうとした時だった。ドアがノックされたのだ。私とクランは不思議に思い、ドア越しで声をかけてみた。すると担任の先生がノックしてるらしい。私は渋々ドアを開けた。
#名前#「…先生?どうなされたんですか?」
先生「 #名前#さん、 #名前#さんに用のある子がいます。校庭で待ってるわよ。いってきなさい」
#名前#「えっ?わたしに用…?まあいいや。行きますね」
先生「待たせるんじゃないわよ」
そういうと先生は職員室へ戻っていった。
#名前#「じゃ、すぐ戻ってくるね!」
クラン「うん」
私は校庭に出た。校庭は相変わらずの静けさだった。
#名前#「誰もいないよお?」
私はあたりを見渡す。でもそれらしき人はいない。
#名前#「…誰なのお?隠れてないで…」
「出てきてよ」と言おうとした時後ろに気配がした。私はびっくりして振り返った。そこには…。
#名前#「あ!花音さん!」
そう。知り合いの花音がいた。でも妹の真里茂も、おばさんの音呂もいない。
#名前#「花音さん。久しぶり!でも真里茂ちゃんも音呂さんもいないねえ?」
花音「 #名前#さん!それなんだよ。じっとしてる場合じゃないんだ!2人が不治の病にかかってしまったんだ!」
#名前#「ほえ?」
花音「詳しいことは…あっちの雑木林で話そう。」
#名前#「え?うん」
私はすぐ近くの雑木林にいった。そこには一軒の小さい小屋があった。花音の秘密基地らしい。私はそこで話を聞くことにした。
花音「実は最近、血乃乃瀬じまで変な赤い雨が降るんだ。しかも夜にね。夜、出掛けにいった真里茂と音呂が…その雨に当たってしまったんだ。」
#名前#「…それで?」
花音「その雨に当たった途端2人が苦しみ出してね。私は慌てて病院に連れていった。何かわかるかと期待したけれど…。お医者さんは何もわからないって…。新発見の奇病でさ…。しかも不治なんだ!治療法も新しい病だから見つからないし…。このままじゃ死んじゃう!そこで私は思ったんだ。これは異変かもって。だから #名前#と一緒に異変の元凶とか探したいの。」
#名前#「よくわかんないけど…いいよ!」
私はもちろんYESだ。仲間が困ってるのだ。助けないとね。
そういうことで…私たちは「赤い涙」を解決することにしたんだ。
企画終わってないけどやっぱり話始めることにしました…。
雲の上
花音「ふぅ、着いたよ。 #名前#!血乃乃瀬じま!」
#名前#「……」
花音「 #名前#?寝てるの?」
花音が振り向くと名前は…。船酔いしていた。そう。 #名前#は船に弱い…癖に船旅が好きなのだ。
花音「はあ…。とりあえず私の家に行って休もうか」
花音はそう言って #名前#を引っ張って自宅に連れていった。
#名前#「ふぅ。ありがとう。なんとか回復!花音の作るスープは美味しいなあ!おかわりお代わり〜!」
花音「 #名前#ったら…よく食べるなあ…」
私は花音の出すはるさめスープをごくごく飲み干していった。目の前にお皿が積まれる、積まれる。お皿の山だ。
花音「うわあ…。たださえ洗い物が大変なのにい…!」
#名前#「えへっ。ごめんね。」
花音「まあいいんだけど。」
私は一旦食べるのを終わらせた。流石に食べ過ぎだ。
#名前#「…真里茂ちゃんと音呂さんはどこにいるの?」
花音「2階の空き部屋よ。ベッドで休んでるわ…。2人とも顔が真っ青だし、目もずっと閉じたままなの…。」
#名前#「異変の元凶は…。空の上かなあ?」
花音「雨を降らしてるんだし、きっとそうよ。…私たちになんの恨みがあるのかしらね…」
花音は黙って明るい空を見つめた。
#名前#「ふう、ご馳走さん!じゃあ異変解決しよっかあ!」
花音「そうね…きっと異変の元凶は空の上よね。空にいきましょう」
#名前#「うん。って!空の上ってなあに?自分で行ったけれども…。空の上なんて…雲が広がるだけでしょ?」
花音「…血乃乃瀬島にはとある伝説があるわ。雲の上には広大な天空世界が広がってるって」
#名前#「…ふぅん。じゃあその天空世界…あるかわかんないけどいくっきゃないっしょ」
花音「そうね…。じゃあいきますか!」
花音は急に明るくなった。でも、いくってどうやってだろう…。
花音「私たちがよく移動で使う小型船を使う…。いいわね?」
#名前#「小型船!かっこいい!行こう!」
私たちは小型船が停泊されている屋上に向かった。小型船は結構使われてそうな年代物だった。花音が操縦席に乗り込んだ。私は相席に乗り込んだ。
花音「さあ、大空の旅よ!」
飛行船はグングン空を飛んでく。飛んでく。村がミニチュアのように見える。
飛行船はやがて空気の薄いところへ入っていった。そして雲を突き抜けていった。
とっても大きな雲を突き抜けた。その先には…。
#名前#「わあああ!綺麗だよ!」
広大な雲でできた世界が広がっていたんだ。
一つの雲の上に飛行船を停泊させて私たちは降りた。普通に歩いていると雲に足を取られる。
#名前#「わわ」
シンチョーに歩いていった。静かだった。
しばらく歩いていると前に不審なものを見つけた。
花音「…生き物?」
#名前#「…人じゃない?」
花音「は。。?」
そう。不審なものは耐えれている人だったのだ。
血混じりの雨
花音「本当だっ!誰かが倒れてるよぉ…!」
#名前#「ねっ?助けないと…」
私たちはその子に近づいた。その子の頭にはなんとキツネの耳がついていたんだ。
花音「種族は妖怪ぎつね…か…?」
#名前#「え?」
花音「いや、それより。はい、これで手当して」
花音は私に手当用具を3つくれた。私はすぐにその子を手当した。手当してもらって、落ち着いたのか。その子はむくりと起き上がった。
#名前#「あ!起きたね!君は?私は#名前#!こっちは花音ちゃんだよ」
リア「僕は天狐リア。妖怪ギツネさ」
#名前#「へー!リアっていうの!君はどうしてここにいたのさ」
リア「…この近くで異変が起きているということを聞いてさ。ちょっときてみたんだ」
花音「ふーん…なんで倒れてたのよ?」
リア「変な奴に襲われたんだ」
…異変の元凶だろうか?とにかくここはやっぱり危険だ。絶対にここに元凶がいる!
花音「変な奴って…?どんなやつか覚えてる?」
リア「僕と同じ妖怪ぎつねだったね…。なんかオレンジ気味の赤い髪をしてたかな…?」
花音「元凶ももしかして妖怪ぎつね…?なんか厄介だな…」
#名前#「え?なんで?」
私の質問に花音は気難しそうに答えた。
花音「妖怪ぎつねは結構魔法を使えるし、魔術師並みの魔力なのよ…。だから相手も強いはず。気をつけないとね」
…確かにそれは厄介かも…。いや、リアさんも強うそうだしね。きっと勝てる!
花音「じゃあ、行きましょうね。あ、リアさんも…くる?」
リア「もちろん。異変の元凶を倒したいしね」
リアさんは頷いた。私たちは雲をどんどん歩いて行った。異変の元凶は強いかもしれないけど…。なんとか倒すしかないよね。
---
?「来たか…」
異変の元凶は
#名前#「はあはあ…。異変の元凶なんていないよ…」
私たちは雲で作られた道を歩いていった。
リア「本当にここにいるのかい?」
花音「いると思う…。向こうから、何かすごい気配が感じる…」
リア「でも…」
花音「これでみてみましょう。『千里眼』」
#名前#「えっ?千里眼…」
花音さんはしばらく黙っていたが、ふと前を睨んでいったんだ。
花音「あっちよ。あっちに雲で作られた階段がある。その向こうにお城があるわ」
#名前#「えっ、そんなものもわかるの…。すごいっ…」
花音「そりゃそうよ。千里眼だもの…」
確かに、歩くにつれ雲でできた階段が見えてきた。その向こうにうっすら城が見える。変な城だ。
明らかに怪しい。あそこが異変の元凶の根城に違いない。
リア「元凶はどんなやつなんだろうな…。強いの…?」
花音「わかんないけど…。言ってみましょ」
私たちはフラフラする階段を歩いてやっと城に着いた。花音さんがドアをノックする。すると、ドアは音もなく開いたんだ。
花音「…異変の元凶、出てきなさい。私たちはもうきてるわよ」
?「ふふ…」
私は目を細めて人影を睨んだ。確かにキツネ耳があるのだ。
リア「ゆーは誰かね?名前を名乗れ」
斗鬼「僕は菫堕 斗鬼。妖怪ぎつねだ」
リア「やっぱり妖怪ぎつねなんだ…」
花音「あなたが赤い雨を降らしているのね?」
斗鬼「その通り」
斗鬼さんは不敵に笑った。
斗鬼「この島全員を病にかからせたら次は檸檬島だね」
#名前#「何それ。酷い…!倒してやる…」
花音「そうね、ひとまず倒すしかない…」
斗鬼「ふーん。倒されるもんなら倒してみなさい」
リア「ぜってー倒す!」
斗鬼さんと私たちの戦いが始まった。
雨は血の色
私たちは斗鬼さんとバトルを繰り広げていた。理由が何にせよ、異変の元凶は止めないと…。
花音「…クソウッ…。なかなか当たらない…」
#名前#「弱音、吐いちゃダメだよ。頑張ろう…|星雨轢断《ほしうれきだん》!」
リア「そうだよ。なんとかすればあいつ、倒せるさ。」
花音「そうね…」
そう話している間にも斗鬼さんは激しく攻撃をしてくる。 激しすぎる。息が荒くなってきた。
斗鬼「|炎力《フラーミ・バーニング》」
真っ赤な炎が雲を燃やして突撃してきた。私たちは慌てて避けたけど、近くに炎が来ただけで熱風がすごくくる。それで気を失いそうになる。やばい。思ったよりやばいよ。
花音「くそっ。あいつ、全然体力が減ってないわよ…。」
#名前#「だいじょうぶっ。だいじょぶ…ッ。」
私はそう言ったが私ももう絶望的だった。相手が強すぎる…。私も花音さんもリアさんも….みんな疲れてきた。動きの鈍ってきた私らを見て斗鬼さんは攻撃を止めた。
斗鬼「なんだ…あなたたちそんな強くないね」
#名前#「…ッ」
花音「………」
リア「はっ。。」
斗鬼さんは笑っていた。
斗鬼「こんな弱かったら意味がない。もう逃げていいよ?」
そう斗鬼さんが高笑いした時だ。リアさんが叫んだ。
リア「はっ……。なめてんの?僕、妖怪ギツネだけど?」
斗鬼「種族なんて関係ない。喰らえ!|氷武力《フリーズ・ギア》!」
斗鬼さんは叫ぶ。そして氷で剣を作り、振り回してきた。
ぶるっ。
剣を振り回すと同時に寒気がする。ああ、半袖でできたせいで凍りつきそうなくらい寒気がした。
私と花音はモタモタ頼りなく動いたが、リアさんはさっきまでの疲労が信じられないくらいシャキシャキ動いている。
すごい。私たちも負けてられない。花音さんが素早く動いた。リアさんも素早く動いた。私もできるだけ早く動いた。3人で斗鬼さんを囲み、攻撃を繰り出す。
花音「喰らえ!どくどく!」
リア「君ノ血桜咲キ!」
#名前#「えいっ!星屑の血染め針!」
最大のとびっきりの攻撃が決まった。斗鬼さんはぐらりとよろめいた………
と見えた。
雨上がりの笑顔
花音「え…」
場は絶望的だった。あんなに、あんなに頑張って、本気で戦い、やっと倒したと思ったのに。
斗鬼さんは倒れてない。
斗鬼「なかなかやるんじゃん…。本気を出させてもらうわッ!」
#名前#「うそ。。もう…終わりだ…」
斗鬼さんは結んでいた髪を解いた。と、不思議なことに夕焼け色の髪が夜のような黒色の髪になる。
あんな強かった相手が本気を出した。もう私たちは勝てこっない。
#名前#「はあはあっ…」
そんな私を見て斗鬼さんは笑った…ように私には見えた。
斗鬼「これでどうだ…!|雑音鳴《ベルクラッシュ》!」
斗鬼さんは私目掛けてその攻撃を打った。その途端、私の耳で雑音が鳴り響く。
鼓膜を撃ち破いてしまいそうな勢いだ。
#名前#「何ッ。これ……。うっ。。」
苦しむ私を見て花音さんとリアさんが慌て駆け寄る。
リア「どうしたんだ!僕には何も…」
花音「 #名前#だけに…何かが起こってる…?」
斗鬼「テメーらにもやってやるよ。|雑音鳴《ベルクラッシュ》!」
リア「はっ!」
2人危機一髪。なんとか避けた。その間にも私の耳にはずっと聞こえる。雑音が。苦しい。痛い。耳がグオングオンする。
#名前#「2人とも…お願い!倒しッ…!」
花音「 #名前#…。わかった!こいつを倒せば #名前#が助かるのね。お願い、耐えてて!」
リア「任せて!」
#名前#「うンッ…」
2人はちらりと一瞬だけ目を合わせた。
花音「喰らいなさい!猛毒紫炎!」
斗鬼「甘い!」
斗鬼さんは軽々と避けた。だけど。そう後ろでリアさんがいたのだ。
斗鬼さんはハッと気づいた…が、もう遅い。後の祭り。
リア「ふん……。秘術『式神宝箱』これで苦しみなさいな」
リアさんは大人数の式神を出した。斗鬼さんは突然の不意打ちには耐えれずドッと倒れた…。
花音「まったく、あんたのせいで、みんな、苦しんだのよ。責任取りなさいよ」
斗鬼「…」
リア「はあ、倒したし、帰るか」
私たちが斗鬼さんに背を向けた時、斗鬼さんが声を上げた。
斗鬼「…君はなんで異変を解決しようとするの?」
私には変な問いにしか聞こえなかった。当たり前だよ。異変で苦しむ人がいるんだから。
そのまま私たちは歩き続けた………。
その翌日、私の家に斗鬼さんがやってきた。
斗鬼「この間は迷惑かけてごめんなさい。僕も君の仲間になりたい。ダメかもだけど」
そう言う斗鬼さんはどこか憂げで、私はぎゅっと心を掴まれた。気づいたらこう言ってた。
#名前#「君はもう私の友達よ」
私は久しぶりに寮に戻った。「早く戻ってきてね」
そんなクランの声が脳裏に響いた。私は嘘をついてしまった。クランを結構待たせている。私は大慌てでクランの部屋まで走っていた。クランは部屋で何かをしていた。
#名前#「クラン!」
クラン「あ!おかえり!私、ものすごい発見をしたの!」
クランは変わらない笑顔で「ものすごい発見」を見せてくれた…。
それは…。
ちっちゃな精霊だったんだ。
冬は真夏の暑さ
私はクランが出した「面白いもの」を覗き込んだ。それは…小さな精霊。中心が緑に輝き周りに黄緑の枠。
見てるだけなんだが心がホッとするような…。
クラン「可愛くない?私にもすぐなついたの…!あ、ほら#名前#にもなついたよ!」
クランの言う通り、精霊は私の元にきた。そして飛び跳ねては宙返りした。なんだが喜んでるみたい。
#名前#「ふふっ。可愛い!」
クラン「でしょ?この子、実は倒れててさ〜。だから私たち2人で看病しながら、この部屋で育てようよ!」
#名前#「いいね!名前は?」
クラン「あ、決めてなかった…。#名前#、一緒に考えよう」
そういうとクランは耳をつねった。クランの考えている時の癖だ。私も考えた。でも私ったらネーミングセンスがないんだから…。「はあ」と少しため息が漏れた時、頭の中で、何かが浮かび上がる。この子の名は…。
#名前#「この子は、『マリンカ」にしよう!」
クラン「へー!いいじゃん!#名前#、ネーミングセンスあるね!」
そうして、この子はマリンカに決まった。私たちは夜遅くまでマリンカとキャッキャ楽しく笑っていた…。
ちゅんちゅんちち…。
クラン「ふわぁ…」
#名前#「んー…。もう朝かあ…」
のびのび伸びをする。立ち上がった音で起きたのか。マリンカは私にくっついて体を譲った。
クラン「もうそろそろ冬だね〜。私、冬好き。寒いけど、雪とか降るもの。楽しいわよね」
#名前#「そうだね…。早く、雪降らないかなあ?」
マリンカ「ンカ!」
#名前#「ご飯、食べに行くからマリンカ待っててね!」
マリンカは体を宙返りした。頷きのようだ。
私たちは立ち上がり、寮の部屋を後にした。
それからしばらくたって。クランがため息をついた。
クラン「最近…冬のくせに、暑いわ…。真夏の気温よ。26°くらいあんじゃない…?」
#名前#「そうだね…。あ!もしかして!」
クラン「え?」
#名前#「なんでもない!ちょっと外行くね!」
クラン「え?うん…」
#名前#「少し帰るのは遅くなるかもー」
私は叫んで、外に出た。太陽がジリジリ。蝉が鳴いている。私はこれは異変だと思った。また、天空系か…。と少し嫌だったけれど、異変は解決しないと。
#名前#「名付けて、『真夏冬の異変』!解決しよう!」
私は学校を飛び出して、元気いっぱい青い空にジャンプした。
八月の雪
#名前#「ふーひー…。暑すぎる!やっぱりこれは異常すぎる!暑さ対策グッズ持ってくれば良かったあ!」
後悔するけどもう遅い。もう学園からは結構離れた「氷河丘」まできている。普通だったら今の季節、ここは深雪いっぱいのふかふか雪景色になるのに。今は緑の大地だった。これでは、冬生活の動物がうまく過ごせない。生態系が崩れてく。
#名前#「…誰もいないよ…。こんな暑さだもの…」
わたしが少し寂しくなってぼそり、つぶやいた時。近くで助けを求める声がした気がした。
「タスケテー」
微かな声だ。けど、なんだか勘を頼りにしてぐんぐん進んだ。暑さで弱っているのかもしれない。一応氷魔法は一つだけ使えるから、それを使って助けよう。
「たす、けてー」
とうとうその声が聞こえるところまできた。わたしの目の前には緑の大地に倒れ込んだ女の子が見えた。
水色の長い髪。水色の瞳。可愛い服。そんな彼女は今にも溶けてしまいそう。相当暑さに弱いんだ。
#名前#「任せて!助けるよ!フリーズビーム!」
水混じりの氷のビームがその女の子に直撃。その女の子の体をみるみる再生していった。当分はこの体が保たれるはずだ。
?「ありがと!お姉ちゃん!お姉ちゃんはなんて名前?」
#名前#「わたしは #名前#。あなたは?」
氷菜「あたしは氷菜。氷属性のエルフ!」
#名前#「なるほど」
確かに氷菜ちゃんの耳は少し尖っていた。これがエルフの特徴か。
氷菜「お姉ちゃんはどうしてここに?しんじゃうよ?こんな暑いもの」
#名前#「わたしは困ってる人のために、異変の元凶を倒しに行くの」
氷菜「げんきょー?」
#名前#「うん。これは魔界境お馴染み異変だと思う。今から天空界に向かうところ」
氷菜ちゃんは目を輝かせて叫んだ。
氷菜「なにそれー!楽しそう!あたしもついていっていい?」
#名前#「いいよ!ちょうど仲間欲しかったの」
異変は最低でも2人だからね。
氷菜「ありがとー!ねね、どうやって、天空世界に行くの?」
#名前#「それはね…。」
わたしは作戦を説明した。この近くの展望台に行き、わたしの魔法である、「あの星空」で、星を出し、それに乗って天空に行くって作戦だ。
氷菜「うわ!かっこいい!じゃあ、行こうよ!」
#名前#「うん!」
私たちは展望台に向かって歩みを進めていった。
雪だるまの作れない冬にはうんざり
本日は1日に二回投稿しました!明日投稿できるかわかんないからです!
#名前#「ここが展望台よ」
私たちは何時間も歩き続けて、やっとの思いで展望台に着いた。
氷菜「うわあ、綺麗だなあ。村や町…みんなみんなミニュチュアみたいに見えちゃう」
#名前#「ね〜」
疲れた後に見る絶景はまさに感動的だった。この絶景こそ、疲れを癒してくれる。
#名前#「さ、のんびりしてないで天空に行かなくちゃ。血乃乃瀬島以外も世界は広がってるはず!」
氷菜「血乃…?まあいいや。#名前#姉ちゃん!さあ、その技をやってよ!」
#名前#「任せて!『あの星空』!星よ、出てこい!」
私の叫びに、動じて、星が二つ彼方宇宙から真っ直ぐに飛んできた。その星たちはキラキラ輝いている。
わたしはタイミングよく、その星に乗っかった。
氷菜「わわ!これ、難しい…。よーし!飛ぶぞ!」
氷菜ちゃんは背中から美しい羽を出し、飛び上がった。そして、ぴょこりと星に収まった。
#名前#「うわぁ!かっこいいよ!さ、いこう!とべ、星!」
星は煌めく星屑を落としながらまっすぐ茜色の空に向かい、突き進んでいく。雲を通り抜け、夕日近くまでやってきた。雲の上から見る夕暮れ。地平線にオレンジの太陽が沈んでいく光景をただ黙って見つめた。
本当に夏の景色だよ。
#名前#「一体、誰が異変を起こしてるんだか…。いこう、氷菜ちゃん、油断しないでね」
歩くと雲の上は安定しないので私たちは星に乗ったまま雲の大地を進んでいった。特に変わったところは一つもない。
#名前#「異変の元凶は…空じゃないのかも…。せっかく登ってきたのになあ…」
氷菜「天空以外だったらなんだろね。山とか?それともお…?」
#名前#「山、だったら魔界境で一番でかい山、レモン山に行かないと…」
わたしが星を南に向けようとした、その時。氷菜ちゃんが突如叫んだ。
氷菜「待って…もしかしたら!『天気の真球』かもしれない!」
氷菜ちゃん、自分で言うのもなんなんだけど、好きかな。
天気の真球
最近このシリーズばっかだな、投稿してるの。
#名前#「天気の真球?なあに、それ?」
氷菜「エルフ界に伝わる、ゆうめーな言い伝え。その天気の真球で天気はつくられたんだって。その天気の真球を我が物にすると、自由自在に天候を操る能力を手に入れれるらしいよ…。すごいよね」
#名前#「じゃあ、それかも…。でも、その真球はどこに?」
そう聞くと氷菜ちゃんは頭をひねる。そして少し考えていた。
そして、手をポンと打って、答えた。
氷菜「確か、天気ヶ丘裏だったきがするよ。魔界境の北にある、有名な雪山、『白白山』の右にある小さな丘だよ。その丘裏の洞窟の金の台座にあるマーブル色の真球が天気の真球」
#名前#「白白山。聞いたことある。北の方にある『サオンノ村』付近にある山。よし…サオンノ村に、飛べ!星!」
わたしの叫びに応じて星はまっすぐ北に進む。北に行くにつれ気温が低くくなるはず…なのに、今は真夏のような暑さ。遠くに見えてきた白白山は真っ白なことで有名。だけど今は雪が全て消え、ただの山になっていた。
氷菜「そんな…この辺りは冬だと普通はマイナス1°くらいは行くのに…。どうして…今は十何°かはありそうだよ…。これじゃ生態系がどんどん崩れる。あたしみたいな雪属性の子達は溶けてく…。そして死ぬ。この異変は過酷だよ…」
そうだ。この異変のせいで魔界境が壊滅することもあるだろう。異変を起こしたやつ、なんてみんなのことを考えれてないんだろう。酷い奴め。
氷菜「あ! #名前#姉ちゃん!サオンノ村だ!サオンノ村が見えてきたよ!」
#名前#「本当だ!人がたくさんいるね!おりよう!降りろ、星!」
星は人里のある「緑」の野原に着地した。
普通は雪まみれなんだろうな。
住む人たちは汗だくで仕事をしていた。みんな寒いのが普通だから、もっこもこの熱い服しか持っていないんだ。可哀想…。少し涙が滲んだ時、声をかけられた。
?「あれ? #名前#さんじゃないか」
聞いたことのある声。この声は…。
#名前#「勇翔くん!と、紅麗亜ちゃん!どうしてここに?」
そう、仲良しかカップルの2人がいたのだ。
紅麗亜「勇翔とのデート。深雪とかを見たくてきたのに、この有様。 #名前#さんはどうしてここに?」
#名前#「この子、氷菜ちゃんと異変を解決するために来たの。この暑さは異変が原因だと思う」
紅麗亜「なるほど。 #名前#さんの言うことならそうかも。勇翔、私たちも協力しよう」
勇翔「俺はいいけど… #名前#さんは?」
#名前#「全然いいよ! 仲間が増えるのは嬉しいしね!」
紅麗亜「やった!氷菜ちゃん、よろしくね!」
氷菜「よろしくお願いします!」
そうして仲間が増えた私たちはまた星に2人づつ乗って、ゴールである、「天気ヶ丘裏」にたどり着いた。
次回、ついに異変の元凶登場!
狂ったピエロの夢
異変の元凶登場!
#名前#「ここが…天気ヶ丘裏…?」
氷菜「うん。ほら、あれが、その洞窟。」
氷菜ちゃんが示したところには奥が少し緑に光っている小さな洞穴があった。
それ以外は特になにもない。ただちょっぴり雪がある。なんだかそれが嬉しかった。
紅麗亜「あの洞窟に、異変の元凶がいそうなんだよね?」
氷菜「うん。きっと、敵は色々罠も仕掛けていると思う。。気をつけよ!」
勇翔「おう。」
一行は身を潜め、淡い緑の洞窟に足を踏み入れた。_と、そ瞬間、わたしは眠気に襲われた。
目がぼやぼやする。みんなもふらついている。なんでだ?この緑の煙?を吸った瞬間、眠くなった。
もしかして、敵は「眠気を操ることができる魔法の持ち主」_なのか?だとしたら手強そう。
わたしはなんとか眠気を振り払った。みんなもうとうとしながらも前へ前へ足を進めている。
限界まで頑張って、頑張れば、眠気なんて平気にたるだろう。
紅麗亜「…うう、眠い、眠いよ…」
勇翔「我慢するんだ…。きっと、この煙の効果もそんな長くないはずだ。」
紅麗亜「そうね…」
勇翔くんの言う通り。ずっと、歩いているうちに、煙は消えたし、その効果も消えたようだ。
氷菜「ふー。終わった…。あ!見て!」
氷菜ちゃんが指差したとところには…。金の台座があった。でもなにも置かれてない。そのマーブル色の真球なんてものはなかった。
#名前#「…異変の元凶!出てこい!そして、天気の真球を返せっ!」
?「キャハハ。。」
上から声がした。邪悪な笑いだ。
#名前#「いるなら、出てきてよ…」
その声に答えて、上から影が落ちてきた。そして、少女の姿がはっきりした。
二段に分かれたピエロ帽子。オレンジの髪の毛。赤い瞳。彼女こそ元凶だろう。
ルクッタ「キャハハ!ようこそ、お客様!あたいはこの洞窟に住む道化師、ルクッタ・アーマネットだ!」
氷菜「ルクッタ・アーマネット…?それって、みんなを幸せにした大エルフじゃないの…!???確か、2年前、行方不明だった…!?」
ルクッタ「よくぞ、ご存知で!その通り。あたいは昔、みんなを幸せにしてたさ。でも幸せにするなんていらないの!だから家を出て、ここで『天気を操る』ことにしたの!」
氷菜「そんな!???なんでそんなことをするの!???あなたはみんなを幸せにしたい思いがあるんでしょ!!??」
ルクッタ「そんな夢…もうないさ。あたいの夢は、『みんなの不幸を作る』だからね。手始めに、『冬』をなくしたの」
#名前#「そんなことして、ルクッタさんは楽しいの!???」
それを聞くとルクッタは叫んだ。
ルクッタ「楽しいよ!みんなの不幸は楽しいよ!」
#名前#「そんなの嘘だ!今ここで正気に戻す!」
氷菜「うん!」
ルクッタ「おもしろーい!あたいと戦うのね!」
紅麗亜「そうよ!絶対勝つ!」
ルクッタ「あたいに勝てるかな?みんな、がんばれー!」
そうして、私たちとルクッタの戦いが始まった。
あの道化師は淡い夢を見る
私たちは今まさにルクッタさんと戦いを始めていた。
紅麗亜「えいっ、|夢夢呪環《ゆめゆめじゅかん》!」
#名前#「|煌星弾《きらぼしだん》!」
私たちは協力して多彩な技を繰り出したが、ルクッタさんはほとんどは避けていた。当たっても「痛くない」という顔。
ルクッタ「君たちの技って、それほど?フフッ。なら、あたいの技を見てみな!きっと、腰を抜かすよ!」
氷菜「まずいよ。ルクッタさんはとても強い大エルフなのに…!」
氷菜ちゃんが悔しく叫んだけど、もう遅い。ルクッタさんは早いのだ。一瞬で魔法を繰り出した。
ルクッタ「|虚空断ちの黒雷《こくうだちのくろいかづち》!」
右、左を黒いレーザーが横切った。危機一髪。私の袖が一瞬で貫通していった。
#名前#「みんな、大丈夫!???」
紅麗亜「うん…でも勇翔が…」
#名前#「え!?」
確かに、勇翔君は腕に穴が空いていた。
腕が貫通したんだ…。
勇翔「クッ…」
血がポタポタ垂れてきた。
紅麗亜「そ、そんな…」
慌てる紅麗亜に氷菜ちゃんが声をかけた。真剣な目だ。
氷菜「あたしに任せて!」
紅麗亜「?」
氷菜「#名前#姉ちゃんと、紅麗亜姉さん、いいから!攻撃してて!」
氷菜ちゃんにしては真剣な目。わたしは頷いた。そして紅麗亜とルクッタさんに向かって入った。
ルクッタ「…1人くらったか…。よし!くらえ、ブラックホールストライク!」
下に空間が開き、そこから無数の手が伸びてきた。バシバジ。
そこから手は攻撃してくる。
#名前#「ウゥ…!」
当たると痛い。でもわたしも紅麗亜ちゃんも怯まず、ルクッタさんに攻撃!
紅麗亜「桜花連射!」
#名前#「星夜の夢!」
強い技が一気にルクッタさんの体力を削った。
ルクッタ「な、なんだって…。このあたいがこんなに、追い詰められるなんて…!」
#名前#「後一発くらい…氷菜ちゃん!」
氷菜「うん!任せてー!」
氷菜ちゃんはすでに手当を終え、待機していた時だった。
氷菜ちゃんは指をまっすぐ上に伸ばして叫んだ。
氷菜「|氷結破氷の一閃《ひょうがけつはひおうのいっせん》!」
指から氷のビームが打たれる。ルクッタさんはまっすぐ倒れた。
#名前#「ふう、疲れたあ。勇翔くん、平気?」
勇翔「ああ。氷菜の変な魔法で治った。」
確かに、穴が塞がれてる。
#名前#「よかった!…で、ルクッタさん。」
ルクッタさんは黙っている。
#名前#「教えて、怒ったりしないよ」
ルクッタ「あたいは…。昔みんなと仲が良かったのに。裏切られた。だから復讐、したかったの…」
続く
悲しい夢のあとは
__あたいは昔、とある村で生まれ育った。あたいは学力も良くて、運動もできるし、明るくて真面目だ。だから、周りから「ルクッタ、すごいね」と褒められていた。あたいはどんどん自信を持っていった。そして、何年まえかな…。多分、3年前。あたいが頑張って発見した「魔法には約百属性がある」をあたいは発表することにした。発表直前のこと。事件は起こった。あたいの書いていたレポートを盗まれて、別の人があたいの発見したことを発表したの_。そうして、あたいは許せなくって、一年悩んだ末、家を出て行くことに決めた_。そして、みんなを困らせて、復讐することに決めたの_。
---
…確かに、ルクッタさんの体験したことは辛かったに違いない。自分が褒められるはずだったのに、別人が褒められた_なんて。そこは理解できた。だからこそ許せる。ルクッタさんのした罪は確かに重い。でも、
彼女なりにそうして理由があったのだ。
ルクッタ「あたいのやったことはとても悪い事だ…。もうあたいを捕まえて縛り上げて、異変協会に送るがいいさ…」
#名前#「…ううん。わたし、許すよ」
紅麗亜「 #名前#…!ルクッタさんはみんなの大切な冬を盗んだのよ。もしもこのままだったら大変なことになっていた…」
#名前#「いいじゃん。ルクッタさん、友達になろう!」
ルクッタさんは戸惑いながら私を見つめる。氷菜ちゃんも勇翔くんも紅麗亜ちゃんも呆然としていた。
ルクッタ「いいの…?あたいと…友…だち…なんて…」
#名前#「もちろん!」
私がニコリ微笑むと、ルクッタさんも笑い返した…。
#名前#「ん…んん…」
私はゆっくり布団から起き上がった。
異変を解決してからもう二日。クランとマリンカと楽しくしてる。
クラン「ふわぁ…おはよぉ…」
マリンカもジャンプして気分良さそうだ。
#名前#「今日もいい天気だね…」
そう言って窓を除き、ギョッとした。
#名前#「え。え!?」
続く
物の神隠し
私は窓を見てギョッとした。なぜなら…。そう、利麻が居たからだ。
私が見えたのか、手を大きく振っている。
#名前#(な、なんで利麻が…?何かあったのかな…。行くか…)
せっかく、親友が呼んでくれているのだ。行くしかない。それに、もしかしたら異変が起こったのかもしれない。…二日しか経ってないのに、異変起こるの早いなあ…。
#名前#「クラン、ちょっと用事があるの.外に行くね!」
クラン「え?また…?待ってよ、 #名前#…!」
しかし、クランが叫んだ頃には #名前#は居なかった。
クラン「……… __#名前#、私には何も教えてくれないの…__」
#名前#「…利麻!」
利麻「! #名前#、気づいたか!」
利麻はホッとして 私に近づいた。そして大声で叫ぶ。
利麻「大変なんだ!私の大事なペンダントが消えたんだ!後…」
…ここでこんな叫んだらみんなに聞かれてしまう。
#名前#「こっちに来て。」
私は雑木林へと利麻を招いた。そして花音の秘密基地に入った。別に入ってもいいだろう。
#名前#「で、どうしたの?」
利麻「…私の大事なペンダントが消えた。しかも…三葉も消えてしまったんだ。」
#名前#「え??三葉が消えた?ペンダントならまだわかるけど、三葉はどういうこと…!???」
利麻「私と利麻は『ウキウキワンダーランド』っつう、最近できた遊園地に行ってたんだけど…。そこの『ワクワクボックス』とかいう変なアトラクションの前で三葉が消えてしまったの。」
…「ウキウキワンダーランド」…聞いたこともない。めちゃくちゃ怪しいぞ。
#名前#「…とにかく、ペンダントと三葉を探すってことね…。」
利麻「そゆこと!理解はやくて助かる〜!」
#名前#「じゃ、ウキウキワンダーランドが怪しいと思うわ…。ウキウキワンダーランドに案内してくれる?」
利麻「うん!」
利麻に案内されて私は電車2本に乗り…。魔界境の東に来た。すごい。都会。
そんな都会に目立つようにウキウキワンダーランドはあった。すごく目立つテーマパークだな…。
利麻「ここ。今日が開園日だから、すごく人がいるし、迷子になったのかもな。とにかく『ワクワクボックス』まで案内するよ」
#名前#「よろしく」
利麻が園内に足を踏み入れた…時。
声をかけられた。勿論、聞いたことのある声。
声の主は…リアさんだと思う。
#名前#「リアさん?」
リア「 #名前#!やっぱり #名前#だね。てゆーか僕のことわかったのか…。ん?ゆーは?」
ゆー、というのは利麻のことだろう。利麻は明るくこたえた.
利麻「私はファッションリーダーの利麻よ!」
リア「面白い友人だね。」
#名前#「ん?そういう利麻さんも新しい子を連れてるね」
リア「ああ、この子は…」
リアさんが紹介する前にその人が答えた。
悠久「僕は|月見里《やまなし》|悠久《ゆうき》です」
#名前#「悠久くん!よろしくね。2人は何をしてたの?」
リア「それが…この子が泣いてて…」
…気づかなかったけれど、2人の間に小さな女の子が泣いていた。
クラン、闇堕ちか…?
物は消えてく
そう。真ん中に小さな女の子。まだ5歳くらい?
#名前#「…だあれ?」
闇夜「…|闇夜《あんや》…。」
#名前#「なんで泣いてるの?」
闇夜「大事なぬいぐるみ,アトラクションの前で落としちゃったの」
利麻「…それは落としたのか?消えた,じゃなくて?」
それを聞くと闇夜はギグっとした。何か思い当たることがあるようだ。
悠久「…消えた?どういうことですか?」
闇夜「…このお姉ちゃんのいう通りかもしれない。確かに消えたと言った方が良さそうだよ…」
リア「つまり…異変ってこと。?」
#名前#「そう言って良さそう。実は,怪しんでる建物があるからそこに行こう。闇夜ちゃんも悠久さんたちもついてきて!じゃ,利麻案内して」
利麻「あ,そうか。じゃ案内するな」
利麻についていくと人賑わいの無いところまできた。…こんなところにアトラクションがあるの?てかなんでここだけ,人がいないの?なんか怖いって…!
それをみんなも感じたのだろう,リアさんが利麻に尋ねる。
リア「本当にここにアトラクションなんて…?」
利麻「確かここだよ…!ほら,あるじゃないか!」
利麻が指差したのは質素な作りの紫の箱型アトラクションだった。内部はカーテンのせいで見えない。けど,周りに従業員もいない。
悠久「怪しいですね…まあ行きましょう」
みんな「うん!」
私たちがカーテンをくぐぬけ、内部に入った_と,脳の隅で声がした。
可愛い高い声だが,少し怖さも感じる。なんて言ってるんだ…。でもこの声の主は異変の元凶ではなさそうだ。なんかそう感じるのだ。なんとなく。
そして,それから強い光が差した。目を開けれない。
#名前#「ッ…何!?」
利麻「こんなアトラクションダメだろ!」
しかしその光は束の間に消え去った。私たちが恐る恐る目を開けると…。
そこはアトラクションの中とは思えない,不思議な空間だったのだ。
地面は硬いコンクリートのような物。そして周りは赤いモヤだった。
?「やあ,ようこそ。あっしの世界へ!」
#名前#「誰!!??」
私が叫ぶと|1人の少女《異変の元凶ではない》が,舞い降りてきた。
黄金の髪でお嬢様のようなボブカット。そしてなんとも目を引くのは黒いキツネのお面にキツネのケモ耳。そしてふっわふっわの尻尾だ。この人も妖怪ぎつねなのか?
利麻「異変の元凶じゃなさそうだな…。誰だ?」
?「あっしは|狐林殿《きつりんでん》の番人だよ。そしてここはあっしの作った世界。さ,あっしは答えたからあっしが次に質問するよ。お前らはなんでここに来た?」
#名前#「気づいたらここにいたの。別に曲者じゃないわよ!」
?「…曲者ね。りょーかい。」
#名前#「なんで!???曲者じゃないってば…」
?「そういう奴こそ,曲者なんだよ…。もう400年も番人やってんだ。それくらいわかる」
400年…?
?「とにかく!曲者を狙う奴は生きて帰さない。そして,向こうに行かせない。この|狐妖《きつよ》が相手だ!」
殿の番人
利麻「なっ,たたかいだってえ!?あたしたちは今すぐに異変を解決したいんだぞ!」
狐妖「うるさいっ、曲者なんか通させるか!そんなに戦いたくないなら,降参するんだ!そらっ!」
狐妖さんはいうが早いが,いきなり攻撃を仕掛けてきた。
狐妖「くらえっ,『地獄炎の巻!』」
ボンッ
巻物が出現して辺りを真っ赤に燃やした。赤い世界だ。彼女は上手に巻物を操り,私たちを焼き尽くそうとしている…!
#名前#「…信じてよ!私たち,本当に曲者じゃないの…!」
しかし,どんなに言っても狐妖さんには通じないようだ。これじゃ…私たちが死んでしまう…!私は覚悟を決めた。わからせるには倒すしかないのだ!
#名前#「くらえっ,星降り弾!」
星が狐妖さんにまっすぐ向かっていく。並の敵だったらこれを喰らえば一発でノックアウト…なのだが,なんと狐妖さんは全て,軽々と避けてしまっているのだ。
狐妖「ハハっ。おまえら,弱いなあ。これじゃ相手にならないよ!ふふっ。。!喰らえ!『滝噴水の巻!』」
狐妖さんの操る巻物は今度は大量の水を噴射した。ただの水…と侮れない。威力は強いに決まっている。
リア「…!|操リ人形《アヤツリニンギョウ》!」
彼操る魔法が狐妖さんに直撃。刹那、狐妖さんは苦しみ出した。
狐妖「な、なんだ…!上手く体が使えない!」
闇夜「す、すごい!今だよ!」
悠久「僕が援護する!利麻さん?は攻撃をして!」
利麻「うん!」
利麻が叫び攻撃を出す。
上手く体が使えず狐妖さんは倒れる。そしてそんな彼女にとどめの少量の電気が流れた…。
狐妖「か、かんぱいだあ…。まさかあっしが負けるなんて…」
利麻「結構、迷惑かけたんぞ…さ,約束通り奥に通らせてくれよ。」
狐妖「仕方ないなあ…。約束だしね…」
狐妖さんは渋々私たちを案内した。長い路線階段を登り,何個かの部屋を通り抜けた。でもどの部屋も整理されてないらしく、全部汚かった。
なんどもなんどもそんなことを繰り返しているとやっと、広間らしきところに着いた。時間かかりすぎでしょ…。
狐妖「ここが、|歩狐《あゆぎ》様の部屋。言っとくけど,歩狐様は何もしてない!歩狐様はとても間抜けものなんだから、人に迷惑をかける暇なんて,ないんだよ」
…でも調べないとね。それにここを通り抜け元凶のいるところに通り抜けたいし。
狐妖さんはドアを軽やかに開けた。広間に足を踏み入れる_。刹那、声が響いた。
?「あら?あなたたちは誰なんですの?」
上品な口遣い、大人ぽい声だが,少し幼稚さも混じっている。
利麻「え,えっとな…あー聞きたいことがあるんだ…。あなたが歩狐ってやつか?」
歩狐「そうですけれども?なにかしら?わたくしにようでもあるのかしら?」
利麻「ん…あなたは異変を起こしては…いないか?」
それを聞くと歩狐さんはピンクの目をぱちくりして笑う。
歩狐「何をおっしゃいます?わたくしは異変なんて知りませんわ。変な人を中に入れたこと。さあ,お帰りなさい。わたくし、忙しいんですの」
#名前#「…なら…何か物を隠す能力や魔法を持つ友達とかっていますか?」
歩狐「何言ってるのかしら…そんなことは…」
ふと歩狐さんは声を止めた。
歩狐「もしかしてあいつじゃないかしら…?別にご親友ではないですわ。でも知り合いで異次元へなんでも放り込む力を持つものがいるわ。そいつの家に案内しますわ」
闇夜「本当!???うわあ,優しいなあ!ありがとうございます!」
歩狐「うふふ。さあ,着いてきなさい」
歩狐さんは美しい白い長い毛を靡かせ,私たちを手招いて行った。
物隠しの元凶
私たちは今歩狐さんに案内され赤いモヤのかかる世界を歩んで行った。
歩狐さんと、狐妖さんは足が早く、私たちは頑張って足を動かすのが精一杯。
早速,利麻が文句を言った。
利麻「まったく,早すぎるぞ!少しは遠慮してよ…!」
狐妖「うるさいなあ…。お前らが遅いんだよ。あっしたちの足は普通だ」
闇夜「そ、そうでしょうか…?」
歩狐「うふふ。そんなに言うならついてかなくてもよろしくてよ」
#名前#「い、いや!ついてきます!頑張って、いきます!」
リア「僕もだ」
悠久「頑張りましょう」
言い合いをしつつもどんどん世界を進んでいき…… 。
やっとの思いで元凶がいそうなところに着いた。そこに足を踏み入れた途端、世界が明るくなる。モヤはきえ、西陽が反射した。
利麻「うっわ、眩しっ」
歩狐「わたくしたちも光を見るのは久しぶりですわ…。では、わたくしたちはもう帰りますわ…ごきげんよう」
狐妖「じゃあねー。がんばりなよ〜」
#名前#「ええ!???一緒に戦おうよ….」
でも私がそんな声を上げた頃には2人の姿は消えていた。
利麻「はあ,仕方ない!あたしたちで戦うしかないよ…」
リア「そうだね。えいえいおー…」
ザッ…
言い終わる前に音がしてエルフの少女が姿を現した。絹のように綺麗な白い毛を持つそんな彼女は口をゆっくりと開く。
心寧「私は立花心寧!エルフよ!よろしく!」
心寧と名乗る彼女は私たちにさほど興味を持っていないようだが,「ある人物」をみた途端,急に興味を持ち出した_かのような動きを見せた。急にソワソワし言う。
心寧「え?あれって…狐?」
リア「エ?僕のこと?」
そう,心寧という少女は狐が好きなよう。だから2人は逃げたのかな?
利麻「あんたが異変の元凶だな!倒す!」
心寧「えっ?私を倒す?」
利麻「そのとーり!覚悟!『闇闇くぐつ」!」
闇の光が心寧さんを襲う!しかし心寧さんは慌てて避けた。
闇夜「あわわ…。闇夜も手伝います!『暗闇束縛』!」
闇夜さんの放つ陰はまっすぐ心寧さんに当たる。
心寧「な、何?急に真っ暗に!」
闇夜「この技は…暗闇を見せれるのです!あはは!戦い楽しいい!『黒黒呪願』!あはは!」
闇夜さんはいきなり狂ってしまったのか。すごいスピードで攻撃を出す。
心寧さんは攻撃を喰らいつつも避けていた。当たっても少ししか気にしていない。
闇夜「ああ。強いんだねえ…なかなか喰らわないよ…!」
心寧「…なんで襲うのよー!」
悠久「闇夜さん、手伝うぞ!僕が炎を出して惑わさせる。闇夜さんはそのうちに攻撃して!」
闇夜「おーけー!」
悠久さんの炎が心寧さんを惑わす!
そのうちに闇夜さんが動いていた。
闇夜「|真っ黒世界《ブラックランド》!」
闇夜さんの攻撃が炸裂!並の敵だったらダウンしてしまうだろう。
心寧さんは体力が多く、なかなか倒せない。攻撃をされまくって、心寧さんは怒ったのか。まあるい玉を取り出した。
心寧「うるさいなあ!これに当たってみなさい!」
心寧さんが投げようとした_その時だ。
狐妖「突風術の巻!」
ひゅおおお
風がまあるい玉を壊した。中から煙が漏れ出す。
心寧「なっ…!???」
歩狐「少々手荒なことをしますけど…ごめんあそばせ?『安楽死』」
歩狐さんはまだまだ有り余っている心寧さんの体力を一気に削り…ノックアウトさせた。
心寧「ご、ごめんなさい!ちょっとしたイタズラ心で…」
利麻「ふん,悪戯にしてはちょっと過激だったんじゃないか?それにしても…歩狐、強いな」
歩狐「うふふ。それより心寧はどうしますの?」
#名前#「もっちろん,ゆるし、友達になろうね!」
利麻「 #名前#…相変わらずだな…」
心寧「ゑ?友達…。ふんっ!別に友達にならなくてもいいわ///」
#名前#「正直じゃないなあ…友達…ね!」
そうしてこの異変も無事,解決したのであった!
ちょいと長め
記憶消失異変
今回は大体真里茂ちゃん視点!夢主ちゃんが全く出ません。逆に被害者。
真里茂「んー♪いい天気だなー」
音呂「真里茂、今日は花音と#名前#さんの家に行くんでしょ?早く支度しないさい」
真里茂「ふわーい」
そう。今日はお友達の#名前#さんの家に行くのだ。#名前#さんと会うの久しぶり。元気にしてるかな?
階段をパジャマで駆け下り、急足で食卓に向かった。
花音「あれ?パジャマじゃない?」
真里茂「着替えるの遅いからささっと食べちゃうの〜」
花音「ふーん…。ああ!じゃがスープじゃない!サイコー!」
お姉ちゃんは大のじゃがスープ好きだ。私ももちろん好きだ。2人でじゃがスープを飲み干し、天日干し魚を食べた。
真里茂「ぷはあ!美味しかった!じゃ支度してくるね!」
花音「そうね」
そうして私たちは支度をし、じゅんちょーに船まで乗ることができた。#名前#さんの家まであと少しだ。
花音「あ,見えてきたわ。#名前#さんの家のある島よ!」
真里茂「本当だあ!」
やがて港につき、私たちは早速#名前#さんの家に行ったのだ。
真里茂「#名前#さーん!真里茂だよーっ!」
#名前#「?はーい?」
なぜか#名前#さんはとぼけた声を出してドアを開ける。少し疑ってる様子だ。
#名前#「…?なんのようでしょうか?」
真里茂「え?敬語?頭トチ狂っちゃた?」
#名前#「いや…何をおっしゃいます?私、貴方様など知らないのですが…」
真里茂「ええ!???」
それを聞きおねえちゃんも慌て叫んだ。
花音「#名前#,何を言ってるのよ!私よ,花音よ。覚えてる?」
#名前#「い,いえ…」
花音「じゃ,じゃあ…音呂は!?覚えてる?自分の名前は!?おぼえてる!?」
真里茂「お、お姉ちゃん,落ち着いて!」
#名前#「だ,誰のことかしら?覚えてませんわ…」
まるで自分の口調まで忘れてしまったようだ。お姉ちゃんはそれを聞くと「う,うう。。」と呻き声をあげクラクラ倒れてしまった。
真里茂「お姉ちゃん!」
#名前#「まあ,大変ですわ。私が看病しときます。」
真里茂「え…」
………。そうして結局私は家を追い出されてしまった。お姉ちゃんは「花山病院」に預けるそうだ。
一体,#名前#さんどうしてしまったのだろう?しばらくの間我を忘れて深く考え込んでいた…。
?「うわあああ!」
そして私は1人の泣き叫ぶ声で我に帰った。
真里茂「えっ?誰?どうして泣いているの?」
私があちらこちら見渡すと…。近くに二段に分かれたピエロ帽を被った少女が泣いていることに気づいた。
私はすぐさまその子に近づいた。
真里茂「貴方は誰?どうして泣いているの?」
私がそっとハンカチを差し出すとその子は涙を拭き口を開いた。
ルクッタ「あたいはルクッタ・アーマネット。大エルフ。親友の氷菜っつうやつと待ち合わせしてて…。ここであったら…」
真里茂「なあに?」
ルクッタ「あいつってばあたいのことを忘れててさ!『貴方誰?』とか言ってきたんだ。結局あたいは人違いだと誤魔化したけど…。一体氷菜どうしたんだ!昨日までは普通だったのに!」
真里茂「うーん…」
そう_ルクッタの体験していることは私のとそっくり。もしかして…これは…。
**異変?**
…絶対にそうだ!
真里茂「よーし!ルクッタもついてきてくれる?私は真里茂!よろしくね!」
ルクッタ「…え?ついてくけど…。何?どうかしたの?」
真里茂「これは…立派な異変なんだよ。きっと…」
まりルクサイコー!
記憶の残像
私たちは今_「くらやみもり」にいる。くらやみもりは地図にも載っていない恐ろしいもり。度々ここで昔は異変を起こしていたそうだ。そんなくらやみもり_にいる気がする。なんだか勘がそう叫んでいる。
ルクッタ「なんだよ,ここは…。こんなところに…なんのようがあるの…?」
真里茂「多分,ここに元凶がいる気がするんだよ…。なんだか勘が言ってるの」
ルクッタ「へ,へー…」
私は幼い頃近くの森で遊んだりしていた。だから森で育った…言っても過言ではない。だから勘が当たると思うのだ。深い深い闇夜の中を2人で歩いていく。
真里茂「ねえ,ルクッタは強い?」
ルクッタ「ん?わかんないよ…。最近自信無くしてきたからなあ…。」
真里茂「そっかあ」
もしもルクッタさんがあまりにも貧弱だったら2人では勝てないだろう…。私だって最近遊びすぎてまともに戦うことも難しいのだ。できれば仲間を増やしたいのだが…。
ざざざ…。
風に揺られたのか?それとも…まるで誰かが動いたかのような音がした。
ルクッタ「え!?だ,だれか…いるの?」
ルクッタが問うが誰も現れない。
真里茂「…気のせいじゃない?」
ルクッタ「そうだよねっ!」
私たちは気を取り直し歩き始めた。でも明らかにするのだ…気配が。
やっぱり誰かいる!
そう思った頃にはもう遅く,いきなり少女が飛び出してきた!
風で薄いオレンジの髪が靡く。
その少女はいきなりも攻撃を仕掛けてきた!
?「『幽遊困難』!」
彼女の声は高く,まだ小さな子供のような声だった。
ルクッタ「うわぁ!」
ルクッタさんは私を引っ張り慌て避ける。間一髪。ルクッタさんが引っ張っていなかったら私は…。
?「ふふ…久しぶりのお客様だもん。少し遊ばせてよ」
幼稚な声で少女は笑った。
真里茂「貴方は…誰?」
咲耶「|木花咲耶《このはなさくや》…。くらやみもりに住む哀れな妖怪よ!」
咲耶が叫ぶだけで近くの花が喜ぶかのように揺れた。
ルクッタ「うわあ,花が生きてるように揺れてる!」
咲耶「ふふ。私は花を元気にすることができる
能力を持つトクベツな|妖怪《妖精》なんだよ…。ふふ。」
咲耶は不気味に笑う。なぜだかその瞳は暗く翳っているように見えてしまった。
ルクッタ「なーるほど。あたい達とバトルね!」
咲耶「その通り」
ルクッタ「あたいらに勝てるかな〜?がんばれ!」
咲耶「勝つに決まってるよニヤ」
ルクッタ「さ、バトルだ!」
続く
豆知識 咲耶の名前は花の神様 木花咲耶姫が由来です!(咲夜とはかんけーない)
華散らす妖怪
咲耶「彼岸の小夢!」
ルクッタ「うわああ!」
戦いは激しさを増していた_。私、ルクッタさんは2人だが2人でもなかなか咲耶は倒せなかった。恐るべし妖怪。彼女の技は全てを花園へと変えていた。
ルクッタ「やられてばっかじゃあ,大エルフのプライドが下がる…!よし,これでどうだっ!『足元のおもちゃ箱』!」
ぽぬっ。何かが地面に仕掛けられた音がした。咲耶は一緒驚いたがすぐに気を取り直し私たちに迫る。
咲耶「ふふ。何がなんだろうと恐れない!喰らえ!百花繚乱!」
咲耶さんの手からたくさんの花が撒い、私たちを襲う_その時だ。
咲耶「きゃああ!」
地面に仕掛けられた_「|おもちゃ箱《死の箱》」から無数のナイフが飛び散り妖怪の少女を襲う。
もちろんこんな狂った攻撃から逃れるはずがなく,妖怪少女はナイフに当たりまくり血をたくさん流す。
咲耶「な,何よ…この技は!」
ルクッタ「ふふ。あたいの恐ろしさを今頃知っても無駄よ!」
真里茂「す,すごい!」
私も負けてはられない。私の恐ろしさを思い知らせねば。
真里茂「死ねい!無慈悲な悪戯!」
咲耶「な,なんだ…これは…」
咲耶が今見ているのは「悲しい幻覚」苦しくて悲しくて怒りが込み上げてくるような_幻覚を見せられて咲耶は逃げ惑う。だがどんなにどんなに走ろうが幻覚が終わるわけなかろう。
真里茂「フッ。今だ!『断末魔の囁き』」
私は相手の精神に語りかける。もちろん語りかけるのは絶望的なオハナシ。幻覚でオハナシで完全に心を破壊された少女はフラフラと倒れ込む。もう声も出せずにただ唸っていた。そんな彼女にルクッタがトドメを指す。
ルクッタ「玩具仕掛けの悪夢!」
巨大な人形やぬいぐるみが咲耶を囲み一斉に攻撃をした。妖怪少女は声も上げれずに吹っ飛ばされた。
ルクッタ「まったくなあ…。いきなり攻撃を仕掛けれるなんて…。迷惑にも程があるんだよ?」
真里茂(確かルクッタさんもいきなり攻撃を仕掛けてきた…って紅麗亜が言ってた気が…)
咲耶「…だってえ、久しぶりのお客様だったもの。もうきっと5年ぶりよ。だから少し遊ばせてもらいたかったのよ…」
遊び,だったのか。あれは。
ルクッタ「ふーん…」
咲耶「それよりお前らはなんでここにきたの?別にここには何もないよ?」
真里茂「このもりの奥に誰かいる?」
咲耶「え?この奥?…ごめんなさい。この奥には何もないの」
それを聞いて私らは呆然とする。おかしい。確か噂だと不思議な洞窟があったり,廃村があったり…。
咲耶「実は…私が遊びにきた人たちにただ幻を見せてたの。だから幻を見た人は何もないところで歓声を上げてただけよ」
真里茂「え!!?そんなあ,じゃあ来た意味がないじゃない!」
咲耶「本当にごめんなさい…」
真里茂「そっかあ…。仕方ない…」
ルクッタ「じゃ,これからどうするんだよ?」
真里茂「お姉ちゃんを迎えに花山病院に行こうかな。2人もついてきて」
ルクッタ「うん」
_私たちがもりを後にした後。
1人の魔法使いがふふと微笑んでいた…。
深奥の魔法使い
私たちが花山病院の百号室に入ると早速看護師の蓬さんがやってきた。蓬さんはポニーテールにした茶色い髪を触りながら言った。
蓬「花音様はショックで倒れたようです。なので命に別状はありません。ご安心を」
真里茂「ふわあ,良かった!とりあえず安心。安心…」
蓬「ご安心できて何よりです。もしも花音様が回復した時のため,あなたのお家の電話番号を教えてほしく…」
その時だ。後ろのガラスが音もなく、割れた。突然のことに私もルクッタも咲耶も蓬さんも棒立ちになる。
ガラスを突き破った少女はゆっくり唇を開いた。
?「…君たちだよね?くらやみもりにきて、わーの噂してたの」
ルクッタ「え?う,うん…」
?「…ふーん…。い、言っとくけど…。わ、わーがその異変を起こしたの」
咲耶「え!?げんきょーってこと!?」
?「そ、その通り」
元凶の彼女は大きな魔女帽子を被り薄い緑のおさげをしたいかにも魔法使い、な女の子だった。
真里茂「…あなたのお名前は?」
菫「わ、わーは…す、菫…。落ちこぼれの…魔女…」
真里茂「へー。まあとりあえず!」
ルクッタ「元凶は倒す、でしょ?」
真里茂「その通り」
私は満足げに頷いた。菫を倒し,#名前#さんを元に戻すんだ!咲耶が叫んだ。
咲耶「さあ,バトルよっ!喰らいなさい!『桜花爛漫』!」
咲耶さんが叫ぶと桜が舞い散り視界を悪くした。
菫「え?な,何…。わーと…バトル?」
咲耶「そうよっ!」
菫学園うろたえている間に咲耶さんが桜の中を駆け抜けていく。
ルクッタ「よーし!あたいだって!『笑顔の爆弾』!」
ぽぬっ。菫の周りに笑顔のバルーンが出現し激しく割れた。
菫「う、うわ…!よ、よーし!『心奥の洞窟』!」
菫さんの周りから綺麗な星の川が流れていく。蓬さんとベットに横たわるお姉ちゃんは避けれずにながされていく。
蓬「う,うわあ!」
真里茂「くっ,なんとか耐えてください!菫,覚悟!血塗れの鎖!」
私が叫べば血で濡れた真っ赤な鎖が飛び散り血を飛ばす。そんな鎖は川を真っ赤に変えながら菫に突撃していた。菫はバルーンをくらい鎖をくらい桜にあたり…ボロボロだった。
菫「わ、わーの服がこんなに…ボロボロにっ!くそっ!本気を出させてもらう!」
菫のさっきまでのオロオロした様子は何処へやら。菫は静かに目を閉じた。すると菫の周りがすみれ色に輝く。
ルクッタ「な,何よ…」
私は思った。こうしている間に遠距離攻撃を仕掛けようと…。何をしているのか知らないが今が最大のチャンス。攻撃をすれば。やつは倒れるはずだ。
真里茂「よーし!もう一度… 血塗れの鎖…!」
小声で言ったから聞こえないはず…だったのだ。鎖がバシッと菫に当たる直前だ…。
菫「ふっ!」
菫はそう叫びものすごいスピードで避け、鎖を跳ね返した。
真里茂「なっ…」
私は避けれずに吹っ飛ばされ後ろにいた咲耶,ルクッタに当たったしまった。
菫「うふふ…。どう?わーの能力…。」
咲耶「お前の…能力?お前にも能力があるの…?」
菫「当たり前じゃない?わーは…心を読めるんだよ?」
続く
わーとは特殊な一人称でございます。
臆病な魔法使い
真里茂「こ、心を読む能力!?何それ!?どうやって戦えばいいのよっ!?」
菫「ふふ…それよりあなたたちは能力がないの?能力、と聞いて驚いていたようだけど?」
咲耶「なにいっ!?私も同じにしないでよ!私は『花を操る』という能力をば持つ哀れな妖怪よ!?」
菫「あら,そう。なら…こちらのお二人さんはどうなのかしら?」
菫は怪訝そうに尋ねた。何?能力だなんて…聞いたこともなかった。
ルクッタ「ははん。あたいだってちゃんと能力を持っているよ。『眠気を操る』というすっごい能力を持つんだからね!」
真里茂「ええ!?みんな能力を知っているの…?」
蓬「逆に真里茂さんは知らないのですか?ならばこの戦いが終わった後検査しますよ?」
真里茂「え,ええ。よろしく頼むわ」
私は深呼吸をした。能力も気になる。だからささっとそんな菫の「能力」を超え,倒さないと!
真里茂「『魂の喰らい歯!』」
私の放つ物理魔法は菫にあたり菫を苦しませた。
菫「な,何!?攻撃を出すのが…早イッ!」
真里茂「ふふ…」
どんなに心がよめようと関係なんてない。菫の体力は一気に削られたのだ。
ルクッタ「よーし!あたいに任せろ!決めてやる…。もちろん心を無にしてね!」
菫「…心が…よめないよっ!?」
ルクッタ「奈落のグランドフィナーレ!」
ルクッタが叫ぶ…と病院が一気に舞台劇になった。突然のことに私もみんな面食らう。
ルクッタ「やあやあ|お客様《菫》,地獄のショーへようこそ!たっぷり楽しもうね!」
菫「い、いやあああ!」
菫は叫ぶがもう遅い。後の祭り。その後のことはあまりにも残酷で残忍で覚えていない。ただ菫の悲痛な叫びが舞台劇に響き渡っていた…。
蓬「では,真里茂様の能力を検査してみましょう。」
蓬はそういうと私の血液が入った注射器から私の血液を抜き取った。そして真剣に調べていた。
蓬が調べている間、私たちは菫に向き合った。菫さんはルクッタにいろんなことをされボロボロな状態。
咲耶「ねえ,どうして異変を起こしたの?」
初めは黙りこくっていた菫だったが私たちの顔が怖くなっていくのを感じて悲しそうに叫んだ。
菫「ごめんなさい!最近寂しくってさあ…ちょっとイタズラってことで…みんなの記憶を消してみた…だけなの…」
真里茂「そう…まああなたまだ小さいしね…許してあげる」
菫「本当?わー、嬉しい…。真里茂姉さん、ありがと。ルクッタさんも咲耶さんもみんなありがとう」
菫さんはたちまち無邪気な笑顔を取り戻した。
蓬「真里茂様,検査が終了しました」
ちょうどいいところで蓬が結果表を見せた。
真里茂「え,えーと…」
私が表に目を写すと。そこに書いてあった能力…は。
**他者の感情をコピーする程度の能力**
なんかこのシリーズ二次創作にしたらいいのかと迷ってきてしまった。
美しい死の花
今回夢主してーん!
プツン…。
私の頭の中で何かが切れる音がした。
#名前#「きゃあっ!?」
頭の中で何かがみるみる戻っていく気がする…。頭がパンクしそうな感覚になった。
#名前#「う,うう…あれ?私…何を…」
私の手元には読まないはずの難しい文庫本があった。なんだか今までしていたことを忘れている…。あれ?今日って真里茂ちゃん達と遊ぶ日よね?なんで私…。色々悩んでいるとドアがバーンと開かれた。
#名前#「しまった!?」
鍵まで閉めていない。しかし、すぐに安心した。入ってきたのは漆間姉妹だったから。
真里茂「 #名前#さん!?私のこと…わかるよねっ!?」
花音「私のことも…わかるわよね?」
なぜだか2人は焦ったかのような様子で奇妙な質問をしてくる。一体どうしたというのだろう…?
#名前#「そりゃわかるよ。真里茂ちゃん、花音さん…どうしたの?」
それを聞くと2人は顔を見合わせた。そして「わっ!」と叫び2人で歓声を上げた。
花音「やったわ!記憶が戻ったのね!」
#名前#「エ?なんのこと…」
真里茂「まあまあ真実は知らない方がいいよ。さあ,遊ぼう!」
#名前#「いいよ!何しての遊ぶの?」
真里茂「そりゃ、ナイフ避けゲームだよ!」
花音「ああ!真里茂、やめなさーい!」
---
#名前#「ん…ん…」
私はゆっくり体を起こした。昨日は楽しかった。真里茂ちゃん達とたっぷり遊んだ。きっと2人ともまだ寝てるんじゃないかなあ…。
#名前#「さーて,ラスクを食べy…」
その時だった。呼び鈴が鳴らされた。
#名前#「誰だろう?」
私は疑問もなしに扉を開いた。そこには…。
オレンジ色の腰までという長い髪をした少女が立っていた。年齢は…13…14…とか?
?「…え,えーっと… #名前#さん…だよね?」
#名前#「ふえっ?そうだけど…どうしたのさ」
彩葉「うわぁ!よかった。噂通りの優しい人だね!こんにちは!彩葉は彩葉だよ!」
#名前#「え,うーと…彩葉ちゃん?」
それを聞くと彩葉ちゃんは頷いた。でも…どうしたのだろう…?
彩葉「 #名前#ちゃんはとっても異変を解決してるんだよね?だから異変を解決して欲しくて…」
…私、異変解決屋さんになってる?!
彩葉「実は…隣村で変なことが起きててね」
#名前#「変なことって?教えてちょうだい」
彩葉「うん」
_隣村は最近騒がしく、彩葉は気になり、隣村にある日行ってみた。そこには…美しい花の咲いた人の死体があった。その死体は血もなく、切れ後もなく、綺麗だった。近くにいた男性に聞いてみると、
「これはかつて存在した村にあった伝説の呪い… 終焉華かもしれない…。毎日これが起こっているのだ…」
と悲しそうに話していた。
彩葉「こういうことだよ。多分これは異変だと思って…」
終焉華…。聞いたこともない…。終焉,命の終わり…。
#名前#「よーし!解決してあげる!その前にさ,図書館に行ってそれについて調べましょ!」
彩葉「わ,わ,ありがとうございます!」
そうして終焉華異変を解決しに歩んでいった。目的地は…ヤマモ村大図書館。
図書館にて
_ヤマモ大図書館…それは魔界境の端っこにある村、ヤマモってところにある魔界境最大の図書館だ。なんと本の数は5000万冊!数え切れないほどの数だ。しかも年に五冊ずつ増えてるそう。なんてすごい!
彩葉「_で、大図書館はまだなの?」
#名前#「ああ,ごめん。そろそろだと思うよ_。ほら…!」
私はとてつもなく大きなレンガ作りのドーム建物を指差した。最大で4階はあるだろう。
彩葉「えっ!?あれ?す、すごいよ!」
#名前#「私もびっくり。さあ,中に入ろう」
中に足を入れた途端全ての音が消えたようになった。ドクンッドックン。心臓が骨に打ちつけるような音もして、瞬きの音もするほど。
彩葉「……」
彩葉さんまで黙ってしまった。言い伝え系か…。どこだろう。背表紙を2人で見るがなかなか見つからない。そりゃそうだ。5000万冊だもの。どうしよう…。一生見つからないんじゃ…。大図書館をふらふら彷徨っていた時だ。後ろから…突然と声をかけられた。
?「…何かお探しで?」
突然声をかけられ私も彩葉さんもびっくりした。
2人「わっ…」
何せ背後も何も感じなかったからだ。話してきた少女は赤い巻き巻きのツインテールをしていた。なんとも目を引くのはその可愛さと海のように明るい瞳。
彩葉「だ、誰ですか…?」
リーヴル「リーヴル・カルムよ。毎日欠かさずここにきてるから、探してる本があるなら言ってちょうだい。」
#名前#「え…じゃあ村とかに伝わる呪い…みたいな伝説を紹介する本ってありますかね…」
リーヴル「お安いご用意、よ。二階にあるわ。ついてきて」
リーヴルさんは二階に続く階段をわたり、二階のある本棚から一冊本を持ってきた。本には「5分でわかる村に伝わる呪いを集めました」と書かれている。
#名前#「えーと…」
早速私は終焉花を探した。目次をめくる…と。499ページ_「終焉花」
#名前#(あった!」
私は499ページを開いた。大きく「終焉花」と書かれたページ…そこには。
「終焉花」_かつて存在した村に、ある"呪い"が伝えられていた。「1日の始まりの朝、村の誰かが1人、必ず死んでいる」と。その村人は、心臓の部分からこの世の物とは思えない程美しい花が生えて死んでいたという。次の日にまた1人。また次の日に1人。こうして村は全滅した。この呪いは、一体誰の、何のものなのか···。
と書かれていた。そう…これは彩葉さんの言っていたことと全く同じだ…!
彩葉さんもびっくり仰天だった。
リーヴル「…見つかった?探してた、情報。」
#名前#「ええ。ありがとう。私たちはこの後彩葉さんの隣村に行くのだけど…リーヴルも行く?」
リーヴル「…えっ。私…。」
#名前#「うん。」
それを聞くとリーヴルさんは赤くなって小さく言った。
リーヴル「行くわ」
彩葉「よし!決まりっ!さあ,彩葉の隣村に案内するよ!」
#名前#「よろしく!」
私たち3人組は揃って大図書館を出た。と…後ろに寒気がしたので私はふりかえった。そこには…黒いおかっぱをし、赤い和服をきた小さな女の子がいた。
?「君、異変を解決するんでしょう?今回は手強いからね。気をつけてよ」
私は面食らった。この子は…何者…!?
?「私のことは気にしないで…。忠告するよ。今回の元凶は… 叉神レイ。とてもつもない強さを持つよ。気をつけてね」
そういうとその女の子は消えてしまった。
消えゆく村
…さっきの女の子は一体何者だったのだろう。なぜあんなことまで知っていたのだ…?いや,それはさておき、異変解決の方が先だ。あの女の子はまた出てくるかもしれないし…。自分にそう言い聞かせ私は彩葉さん達について行った。歩いていくにつれ、民家も少なくなり山がたくさん見えてくるようになった。リーヴルさんが不安そうに囁いた。
リーヴル「こんなところ…。何もなさそうよ。村なんてあるの?」
彩葉「彩葉が言うんだからそりゃあるよ…!あ,見て」
彩葉さんが指さすところには二つの集落が並んでいた。一つは平和そうな集落。しかしその横はおかしなことに各地で炎がパチパチ燃えていた。
彩葉「あの燃えてる村が異変起きてるところ。さあ,行こう」
#名前#「う,うん…」
この集落は燃えてる…わけじゃなく、あちこちで火葬が行われていた。真っ赤に燃えたつ炎で焼かれるのは傷ひとつなき死体。彩葉さんのいうとおり_花が咲いていた。…こんなのひどい。あまりにも残酷だ…。
リーヴル「…この村の住民に訳を聞きましょう。あ,あそこに暇そうにしてる女の子がいるわよ」
彩葉「話しかけよう」
その女の子はとても悲しんでる顔をしていた。まあそりゃそうかもしれない…。
#名前#「あの…これはどういう状況なのかな?」
私が優しく微笑みかけるとその女の子は顔を上げて答えた。
?「終焉花の呪いで死んでしまった人たちを燃やしてるの。ほら,あそこで燃やされてるのはあたしの友達。」
#名前#「…それは悲しいね。君は?」
シオン「あたしはシオン。この村に住んでる。」
シオンちゃんは薄い紫色の三つ編みをした可愛らしい女の子だった。シオンちゃんは続けた。
シオン「毎日、毎日花の呪いで人は死んでいくの。きっとあたしもそろそろ死んでしまうの…。誰がこんな呪いをかけてるのかな!?」
シオンちゃんは腹立たしげだ。そんなシオンちゃんにリーヴルさんがいう。
リーヴル「大丈夫。そんな悲しいことも今日で多分_おしまい。犯人をとっちめるからね」
シオン「えっ!??お姉さん達、なんていう名前なのさ?」
私たちは順に自己紹介をした。それを聞くとなんだかシオンちゃんは安心したそうだ。そんなシオンちゃんを見て彩葉さんが明るくいう。
彩葉「よし!異変の元凶を倒すぞ!コテンパンにするぞ!」
#名前#「早く出てきなさい!異変の元凶!」
シオン「そーだ!そーだ!」
_そんな言葉が通じてしまったのか。ふと、空が暗くなった…。そして_音もなく1人の少年が現れた。
白のロングヘアで狐のお面をつけている。そんな彼はつぶやいた。
?「そろそろ時間かなぁ…。今日は誰から取ろうかなあ…。ん?」
その少年は私たちに気付いたようだ。
?「お嬢ちゃん達、見たことないね…。誰だい?」
#名前#「えっ, #名前#だけど…?お前は…元凶…だよね?」
?「ボクは叉神レイ。キミの言う通り、終焉華をみんなに咲かせてる犯人だね」
叉神レイ?あの女の子が…言っていた…。
シオン「ねえ, #名前#…この人が犯人ってこと?」
#名前#「そうだよ…」
彩葉「…!じゃあ倒さないとね!」
リーヴル「…そうね…早く倒して図書館に戻りたいしね」
レイ「?戦い?…まあいいよ…?」
#名前#「よーし!バトルですっ!」
続く
オトモダチノイタズラ
#名前#「えいっ,星雨轢断っ!」
リーヴル「文々封印!」
私たちはレイに向かってたくさんの攻撃を放つがレイさんは全てを避けていた。悔しい。けれど他の元凶の時も結構避けられた記憶がある。
#名前#「…よし!ハサミうちしよう!」
彩葉「いいね!ねえ,シオンちゃんは、相手の気を引いて!」
シオン「ええ…わかった!」
シオンちゃんがレイに向かって走り出した。シオンちゃんはぐるぐるレイのあたりを周り気を引く。レイがシオンちゃんに集中している間に私とリーヴルさんが攻撃!リーヴルさんは彩葉さんの作った力を上げるポーションで力を強くしてもらっている。レイは私たちの攻撃をまともに食らった。もくもくもく…。攻撃で煙が立った。
彩葉「ゴホッゴホッ…。レイは…?」
#名前#「ん…倒せたはずっ…」
しかし_。煙が晴れて見えたのは余裕と立っているレイだった。
彩葉「う,嘘でしょっ!?」
レイ「お嬢ちゃんたち…なんでそんなにボクの邪魔をするのかな…?_『天ノ道票』」
レイさんがそう呟くと天から光の柱を降らせた。光の柱は素早く私たち_全員に当たった。
刹那、激しい痛みが走った。今までに感じたことない痛み。まるで心臓が抉られるようだ。ふと後ろを見るとシオンちゃんが倒れていた。
レイ「キミたち強いんだね…。普通だったら、これにあたればあの|女の子《シオン》のように死んでしまうだよ?」
リーヴル「え’’ッ…シオンは…死んでしまったのっ…!?」
レイ「さあ,どうだろう?まだ生きてるかもしれないね…。早くボクを倒せば救えるかもよ?」
リーヴル「なんですって…!」
リーヴルさんだけじゃない、私も彩葉さんも呆然とした。でもまだ生きてるかもしれないのだ。私は希望を捨てずに攻撃を放った。私の必殺技だ。
#名前#「天照連星剣!」
万鈴戦でも使った異空間から星をたくさん降らす技。異空間から落ちてくる星はレイさんを襲った。
リーヴル「何!?今の技、すごいわ!」
#名前#「はあっはあっ…!」
お願い…どうか…やられていて…!そんな私の願いは__。
** `叶わなかった`**
レイさんは余裕そうに立っていたのだ。確かに少し傷は負っているが擦り傷ぐらい。あの女の子の言っていた通り…。レイは…伊達じゃない。
レイ「もうこれでキミたちは終わりだよ…。せいぜい苦しむんだ…終々華!」
もうっ…私たちは…終だっ!`死ぬんだっ…`そう死を覚悟したときだった。
?「オトモダチノイタズラ」
聞いたことのある声がした。
レイ「…!?」
私がレイさんの方を見ると。私が出会った。着物をきたおかっぱ頭のあの女の子がレイさんに攻撃を繰り出していたのだ。レイさんの体力は一気に減った。
?「さあ,トドメを刺して。」
リーヴル「…!必殺技奥義『文字の嵐』っ!」
リーヴルさんが一冊の赤い本を取り出し、開く_と、古代文字が浮かび上がり倒れ込むレイさんを襲った_。
もうレイさんに戦う力なんて残っておらずレイさんはドッと倒れ込んだ。
華に眠る記憶
私たちは戦いを終え、レイに話を聞くことにした。なぜ異変を起こしたのか…。異変の目的は…など。
リーヴルさんがそう質問をするとレイは案外すんなりと答えた。
レイ「···本当はね、寂しいんだ···。1日1人殺らなければ、ボクは永遠を彷徨う怪物になる···。怪物として永遠を生きなきゃならなくなる···。それが嫌なのさ···。」
そういうレイの声はさっきまでとは違いとても悲しそうだった。
彩葉「えっ…。どういうこと…。よくわかんない…」
リーヴル「それは後で聞きましょう。なんで異変を起こしたの?」
レイ「実は…この異変は…親に無理やり野宿されたものなんだぁ…。1日1人終焉華を咲かせなければ、自分は永遠を彷徨う怪物となってしまうから…仕方なくやっているんだよ…」
それを聞くと私もみんなもびっくりした。なんてひどい話なのだ。自分でやっているわけじゃ…なかったんだ…。
彩葉「ひどい親ね…。もうその親はいないの?」
レイ「うん…。もう殺したよ…」
?「ざまあみやがれ…」
私はレイさんの悲しいことを全て聞き、この人は悪い人なんかではない…と感じた。しばらく沈黙が続き、レイが口を開いた。
レイ「ねえ,もし良かったら…ボクも異変解決の手伝いをして…いいかい?」
さっきまでとは違う優しい声だった。そんな声に私は心をギュッと掴まれた。
#名前#「もちろんだよ…。いいに決まってるよ。ね、?」
彩葉「彩葉もいいと思ってたところだよ!レイは別に何も悪くないもんね」
リーヴル「そうね…あなたは本当に憎めないわ…」
レイ「…ありがとう…。初めてかもしれない。こんなに嬉しい、と感じたことは…」
レイも私たちも嬉しくって少し涙が溢れ出た。
リーヴル「あ,シオンは…」
そうだ。私はその言葉で我に帰った。シオンちゃん…!シオンちゃんは冷たく倒れ込んでいた。
リーヴル「心臓の音を聞きましょう…」
リーヴルさんが耳を心臓部分にあてる。そして嬉しそうに顔を上げた。
リーヴル「良かった。なんとか生きているわ。病院に送りましょう。えーと、近くの病院は…」
レイ「花山病院だよ。ボクが送ってく」
#名前#「え?ありがとう…」
レイ「いいよ。ボクがやっちゃったしね。じゃあね」
レイさんは軽々とシオンちゃんを持ち上げ花山病院へと向かっていった。
リーヴル「さてと、私たちも帰りましょ」
彩葉「そうだね!彩葉はもう帰るね。#名前#さんたちまたねー!」
#名前#「またねーっ!」
リーヴル「さよなら〜」
そうしてリーヴルさん、彩葉ちゃんは家へと帰っていった。残ったのは私だけ。なんで残ったかって?そう_おかっぱの女の子のこと。私は思い切って尋ねた。
#名前#「あなたは…なんていうの?一体…何者なの?」
優子「私は|座敷優子《ざしきゆうこ》。何者?そんなのあなたには教える意味もないよ。それに_私は今から子供達と遊びに行くのだから…」
#名前#「えっ!???待ってよ!」
しかし_優子ちゃんはいなかったかのように消えていた。今日もキラキラと星が輝いた。
操りノ異変
#名前#「あ,あれえ?なんで…」
私は異変解決学校の寮に戻り目を見開いた。部屋の中にいるはずのクランがいない。部屋の中にあるのは、私の荷物。そしてすやすや眠るマリンカだ。おかしなことにクランの荷物も何もない。私は思い切ってマリンカを起こすとマリンカに尋ねた。
#名前#「ねぇっ,マリンカ!クランを…知らない?」
私が聞いてもマリンカは首を傾げるだけ。一体…どこにいってしまったの…?クラン…。その時だった。スマホに連絡が届き私は我に帰った。連絡を送ってきたのは知らない名前。えーと、「|音羽《おとわ》|浮羽李《ふわり》」可愛い名前だな。メッセージの内容は「助けてください。 #名前#さんですよね?実は私の親友がいきなりおかしくなってしまったのです!なぜだか襲ってくるのです!私だけでは倒せませんし、これは異変だと思います!場所は|殺魔血《こまち》という秘境です。どうにか助けてください!end」。殺魔血?聞いたこともないけど名前からして怖いなあ…。仕方ない、どういう人かも知らないけど行かなくちゃ。その時だった。窓の外の騒ぎに気付き窓を除いた。そこには…緑の龍がいたのだ!私はすぐにピンときた。竜太くんに違いない。
#名前#「竜太くんね!私を殺魔血に連れてってくれるの?お願い!」
竜太くんは頷き私を乗せ、魔界境の端っこまで飛んでいった。飛んでいくにつれ空気が不穏になり街は消えていく。名前の通り殺魔血はやばいところなんだろうな…。やがて私を乗せた竜太くんは紫の霧がかかった森に辿り着いた。
#名前#「竜太くん!ありがとうね!またね!」
竜太くんは大空に消えていった。
#名前#「さてと、浮羽李さんはどこかなあ?」
私がそう言った時だった。すぐ後ろで声がした。
浮羽李「ここだよ」
無邪気な声だった。私が振り向くとそこには桃色のツインテールをし,血のように赤い瞳をしたきしゃな女の子が立っていたのだ。
#名前#「うわあっ!びっくりした!貴方が浮羽李さんね?」
浮羽李「そうよ。噂通り,優しそうな人だね。じゃあ私の友達が暴れてるところに連れてくよ」
#名前#「う,うん」
浮羽李さんは変なことに体半分が透けているようにも見えた。不思議だ…。実に不思議。2分も経たないうちに女の子の叫び声が聞こえ,開けたところに来た。灰色のボブカットをした女の子が暴れている。
浮羽李「あの子は|飛羅《ひゅら》。私の友達なんだけど…見ての通り,暴れてるの」
#名前#「大変だあ…」
確かに飛羅さんはものすごく暴れていた。これは…倒すしかないんじゃ…!?
操られし瞳
私が考える間にも飛羅さんは暴れまくり近くの草木をぶち壊していく。いや,これは決めた!倒してなんとか正気に戻さないと!
#名前#「よーし!飛羅さんを気絶させて正気に戻すよ!」
浮羽李「え?まじで?ありがと!噂通りだねっ!じゃよろしくー」
その言葉に私は腰を抜かした。
#名前#「ええ??浮羽李さんも手伝ってよ!」
浮羽李「え?私は強くないし…。戦っても足手纏いになるだけだし?」
#名前#「…飛羅さんを救うには貴方の手伝いが必要なんですっ!手伝ってくださいっ!」
私がまじで本気でいうと浮羽李さんは心を動かされたのか?仕方なく頷いた。
浮羽李「仕方ないなあ…戦いましょ」
そういうとどこからかアックスを取り出したのだ。まさか,魔法ではなくアックスで戦うのか…。まあいい。あの子の戦いかたんなんだから。
#名前#「いくよっ!『星降らし弾』!」
私は天から小さな星を無数に降らした。
飛羅「ぎゃあっ!?」
突然の不意打ちに飛羅さんは驚いたぽい。こちらを向き黄緑の瞳を爛々と光らせ睨んできた。
#名前#「痛いと思うけど…貴方を救うためのことなのっ!「オリジン・ノヴァ」っ!」
空に巨大な星の配列を浮かべ,そこが無数の爆発をおこしきらきらした弾幕を飛ばした。
飛羅さんはそこまで強くないのか,もはやもう絶命寸前だ。そんな飛羅さんに浮羽李がアックスを突き刺した。
飛羅「ぎゃああああ!?」
飛羅さんは絶叫を上げふらふらと倒れ込んだ。と,飛羅さんの手から薄い糸が切り離されるように見えた。
浮羽李「飛羅!」
浮羽李が飛羅に駆け寄ると飛羅が目を薄く開いた。お?友情ってすごい。
飛羅「ん…ここ,は…」
浮羽李「寝惚けないでよっ、殺魔血だよ?」
浮羽李の優しい声を聞きようやく飛羅は意識をとりもどした。
飛羅「…浮羽李…。私は…何を…」
#名前#「私が説明するよ。私は #名前#」
私は簡単に飛羅さんに説明した。
飛羅「へー。あんたが私を浮羽李と助けてくれたのね…。謝謝」
ん?よく見ると飛羅さんは可愛らしいチャイナドレスを纏い,チャイナヘアをしている。チャイナっ娘だ。
#名前#「いや〜こんなの最近じゃ日課だしね。それより飛羅さんはさっき説明してた通り暴れてたけど…記憶はないの?」
飛羅「うん…そうなんだぁ…。なんでだろ…。不思議…。私が暴れてるなんてな…」
#名前#「まあ…浮羽李さんのいう通り異変だと思うし…。ねえ,浮羽李さん、飛羅さん、私に協力してくれない?」
それを聞くと2人は嬉しそうにいった。
飛羅「もちろん付いてくよ!恩返しは必要なのだから。浮羽李もいいよね?」
浮羽李「うん。飛羅ちゃんがいくなら…」
#名前#「よーし!勘を頼りに元凶を探さないと!」
飛羅「よくわかんないけど、おー!」
闇舞う鬼
浮羽李「ちょっと,ここどこなの…?」
#名前#「ここは不夜野草原。」
私がすらっと答えると浮羽李はイラついたように叫んだ。
浮羽李「だからあ!なんでこんなところに来てるのって聞いてんだよっ!」
全く,そんなの聞いてないよ?日本語間違ってるんじゃない?まあそこは置いとこう。答えとこうか。この人怒らせない方が良さそうだし…。
#名前#「ここに来た理由は…」
その時。後ろから弾幕が降ってきた。その弾幕は私に当たる。すごく痛い…。
飛羅「大丈夫…!?誰だ…!?」
?「きゃきゃきゃ…」
奇妙な笑いがした。後ろには…。
#名前#「えッ…!?」
金髪のボブカットの女の子。これなら驚かない。でも…横にいるのは…。
#名前#「悠久さんッ!?」
そう_物隠し異変を一緒に解決した悠久さんだったのだ。しかし,前会った時とは違い,物腰の柔らかさを感じない。周りからの邪悪なオーラ…。コレはまさか!飛羅と同じように操られているっ…!私が驚きのあまりにフリーズしている時,金髪の女の子がいち早く動いた。そしてハート型の弾幕を発射する。
#名前#「危ないっ!」
私は2人を引っ張って左側によけた。しかし_左側に悠久さんが電流を放つ。電流の力は弱く少し麻痺してしまう程度のはずが,操られてパワーアップしているのか…。完全に私の体は麻痺した。私が庇ったおかげで飛羅と浮羽李は麻痺していない。頼む…私の代わりに戦って!その願いはどうやら通じたみたい。浮羽李はアックスを取り出す。
浮羽李「 …許さないよ!絶対に飛羅には指一本も触れさせない!」
浮羽李はすばやく動き,悠久さんにアックスを突き刺した。
悠久「_!?」
予測不能な浮羽李の動きに悠久さんは耐え切れずノックアウト。それをみた金髪の女の子は青ざめ,弾幕を発射。今度はさっきのとは違い,中央,左,右,横にハートの弾幕が並びたくさんの爆発を起こした。
飛羅「きゃあっ!」
あまりにも狂ったその攻撃に動きの遅い飛羅と,麻痺して動けない私はよけれずに爆発に巻き込まれた。
浮羽李「飛羅っ! #名前#っ!」
?「きゃははは!」
浮羽李「許さないっ…!コレを喰らいなさーい!」
?「ぎゃっ!?」
_私は最後どうやって倒したかわからなかったが,爆発が治った頃にはもう金髪の女の子もぶっ倒れていた。
と,2人の手から薄い糸が切り離されるように見えた。
#名前#「あ,あれは…」
浮羽李「 #名前#!飛羅!大丈夫だよね!?」
飛羅「うん…私はへっちゃらだけど… #名前#さんは…」
#名前#「心配しないで。こんなの平気,平気」
私たちが会話していると…。女の子がフラフラ起き上がった。悠久さんはまだ気絶している。女の子はぼんやりしながら瞬きをして,いった。
?「…こ、ここは…」
やっぱりだ。飛羅さんと同じ。記憶がないらしい。私はその子にわかりやすいよう伝えた。わからない部分は浮羽李が伝えた。私たちが伝えたことを聞くとその女の子は素直に謝った。
夜叉「そう…私は夜叉。迷惑かけた代わりになんでもするよ」
浮羽李「へえ,ならさ…異変解決,一緒にしない?」
続く
異変を解決する物
夜叉「異変解決?」
夜叉さんは首を傾げる。まあそうだ。この子幼そうだしわかんないかも。
#名前#「あのね,今大変な事件が起こってるんだ。それを一緒に解決しない?ってこと」
私が簡単に説明すると夜叉さんはへぇーと顔で答えた。
夜叉「面白そうじゃん。いいよ!ついてく!たのしそー!」
#名前#「え,そう」
面白い,だろうか。コレは大変な事件なんだぞ。そんな面白い,だなんて…。そこへ気絶から回復した悠久さんがやってきた。
悠久「…僕も一緒に解決するよ。さっきあのチャイナっこから聞いたけど迷惑かけたみたいですね。すみません。」
#名前#「いやーいいよ!それより悠久さんなら大歓迎!一緒に異変を解決しよう!」
浮羽李「で,結局だけど,ここにきた意味はなんなの?」
そうだ。ここにきた意味を説明してなかった。
#名前#「んとね,勘なんだけど,ここに元凶がいると思いまして」
浮羽李「か,勘…?そんなので異変を解決してきたの…?」
#名前#「その通り」
浮羽李「ば,ばかーっ…。そんなのでこんな不気味なところに来るだなんて!」
飛羅「落ち着きなよ。ね,」
飛羅がなんとか浮羽李を落ち着かせようとするが、浮羽李はもっと怒ってしまった。
浮羽李「何が勘だよっ!そんな、あんたの勘なんて当たるわけ…」
すると飛羅が怖い声でこっそりと浮羽李に囁いた。
飛羅「冷静下来」
それを聞くと浮羽李は黙りこくった。うわあ,あんなに癇癪を起こしてた人を一発で黙らせるとは強いな。
#名前#「じゃ,じゃあ!勘を頼りに行こうか」
飛羅「うん」
夜叉「わーい!いっくぞー!」
私はさほど覚えてないが前世でも勘がよく、「勘鋭いよな」と隣の席の男子によく言われていた。_はず。だから自分の勘には自信があった。歩くにつれ空気は不穏になっていった。
浮羽李「わ、やばくね…?」
飛羅「た、確かに…流石に怖いって」
夜叉「そうかなあ?コレくらい普通じゃない?」
それを聞くと浮羽李はまたまた起こり出してしまった。え?結構短期なのね。
浮羽李「ひゃあっ!?あんたの住まいはどこなのよ?」
夜叉「私の住まい?えとね…」
しかし,夜叉さんが言い終える前に死角から何者かが飛び出してきたのだ。
悠久「な、なんだっ!?」
夜叉「ヒャアッ!?」
浮羽李「や、やば…」
死角から現れた人物は_桃色の癖っ毛のあるボブをした女の子。瞳はやばいくらい青く光っている…。
レアリゼ「私はレアリゼ。…お前らは誰なの?もしかして…」
レアリゼは奇妙なくらいニマッとした。
レアリゼ「私の舞台を見にきたのかな?」
狂ってる幕間
悠久「…私のショー…だって?」
レアリゼ「その通り!私のショー…たっぷり楽しみなさいね!」
レアリゼは不気味にそう笑うとどこからかちゃらけた人形を取り出した。道化師の服装をして,目は緑と赤のオッドアイ。そんなちゃらけた人形は愉快に踊り出した。ステップを踏み軽やかにターン。すごい。
レアリゼ「素敵でしょう?さあ,クラウンちゃんたち,派手なショーを見せちゃいなさい!」
…なんだか楽しみだ。すごいことを見せてくれるのだろう…。_しかし,
クラウン「きゃちゃちゃ…」
クラウンは不気味な笑いをあげると玉乗りをしながらナイフを持ち襲ってきたのだ!予想外の出来事に私たちは困惑する。いち早く我に帰ったのは悠久さん。悠久さんは鋭く叫んだ。
悠久「危ない!逃げないと!」
飛羅「う,わわ!殺されてしまう!」
私たちはもたつきながらレアリゼから離れようとした。_が。
レアリゼ「そうはさせない!」
私たちの目の前に目玉模様がたくさんついたカーテンが貼られる。_カーテン,違う…目玉模様のサーカステントが貼られたのだ。
レアリゼ「ふふ…。ショーが終わるまでの退場など許されないの!さあ,クラウンちゃんたち,行くのよ!」
クラウンたちは自我を持つかのように激しく動き回り,なんと,飛羅の腕にナイフを突き刺してしまったのだ。
飛羅「うぐっ…」
浮羽李「飛羅!」
飛羅の腕から血が溢れ出す。親友の血を目の前にした浮羽李は頭に来てしまったようだ。無我夢中にアックスを振り回した。しかし,クラウンたちはバク転をして避けた。そして浮羽李を馬鹿にするかのように笑う。
浮羽李「く,くそっ…!」
悠久「ぼ,僕が援護します…。わっ!?」
悠久さんが援護するため電流を流そうとしたがクラウンたちは軽やかに蹴りを入れて悠久さんをノックアウトさせてしまった。次々にノックアウトしていくみんな。そんな光景を目の当たりに夜叉さんは…。私は思った。こんな幼い子なのだ。恐ろしいに決まっている…。今すぐにでも私に助けを求めるだろう…と。しかし,夜叉さんが言ったことは信じられないセリフだった。
夜叉「今日の…お人形さんは決めた…」
物騒な声音だった。さっきまでとは違う…。夜叉さんは弾幕を発射させた。さっき戦った時とは違い,闇のエネルギーを感じた。
_「闇夜の蝶葬」
闇の塊が集まり巨大な蝶の弾幕になった。その蝶はパタパタ動きクラウン全員を一撃で撃破してしまった。
クラウンたちは一瞬で自我を失ったように揃って床に落ちていった。
夜叉「…今日のおもちゃとしてもらうね…。じゃあ…」
夜叉さんはレアリゼの方を向いた。レアリゼは青ざめている。
夜叉「今日の夕飯はレアリゼだよ…」
レアリゼ「ひいっ!?」
夜叉「絶望召喚…」
夜叉さんがそう呟き弾幕を発射させようとした時だ。いきなりレアリゼは頭を下げてしまった。
レアリゼ「…許してくださいっ!」
夜叉「…え?」
#名前#「はひ…」
私も夜叉さんもポカンとしてしまった。
レアリゼ「お願いだよ…訳を話すからさッ」
続く
ショーに隠された秘密
レアリゼは悲しそうに自分の過去を話し始めた_。
レアリゼ「私は赤ちゃんの時からこの不夜野草原に捨てられていたらしい。1人でいつも弱々しく泣いていた。でもそんなある日,ある女の子が私を助けてくれたの。私はその女の子に育てられた。その女の子は操りの糸を使い人形に家事を任せているわ。私は人形に興味を持ち人形を作っては操りの糸を貼り付けてもらい,ショーごっこを楽しんでた…。私はこんなに大きなり,とりあえず不夜野草原に来た奴らにはこうやってショーを見せることにしてるのよ。」
語彙力があまりなく正直よくわからなかったが,大体の内容は理解できたかもしれない。なるほど。助けられた恩人を守るために私たちを襲った…のか?私はそういうことか訊いた。するとレアリゼは嬉しそうに頷く。
レアリゼ「伝わったのね!よかった…」
夜叉「…で, #名前#,こいつは結局元凶じゃないね。どうすんの?始末?」
#名前#「まっさかあ、そんな物騒なことしない。ただ…」
レアリゼ「ただ,何よ…」
#名前#「その…操りの糸を使う子の場所まで案内して」
それを聞くとレアリゼは信じられない!というように頭を横に振った。
レアリゼ「まさか!私がそんなことしますか!」
まあ,こういうとは想像してたよ。すると夜叉が脅すようにいった。
夜叉「あれ?夜食にされたい?」
レアリゼ「うっ…仕方ないわ…!」
ナイス,夜叉。私は倒れている3人を起こし,レアリゼについていった。進むにつれもはや草木の音も聞こえなくなってきた。静寂…。私たちの歩く音や私たちの歩く呼吸の音しか聞こえない。そんな静寂の時間が多分30分ほど続き,やっとレアリゼは足を止め,振り返った。
レアリゼ「ほら,あそこがお目当てのお家よ」
目の前にあるのは紫の屋根をした粗末な小屋だった。多分,一階建。
レアリゼ「中に入ればいいわよ。お目当ての子もいるだろうし」
悠久「ここまで案内してくれてありがとうございました…あれ?」
悠久さんが礼をした時には…レアリゼの姿はいなかったように消えていたのだ…。
飛羅「変なの…。まあいいや。中に入ろう」
浮羽李「うん」
_中は驚くほどの粗末さだった。家具もそんなない。
#名前#「…なに,ここ…」
想像の違いさに私が驚いて呟いた_瞬間,おとなしい声がした。
?「あら?お客さん…?予約は貰ってないけど」
大人びた声だ。声のする方角に目を向けると…。
浮羽李「うわあ…」
浮羽李が声を出すのも当たり前。美しい女の子が立っているのだ。多分17歳くらいだろう。背は高いし,おろした灰色の髪は美しい。そしてエメラルドのような緑の瞳も素晴らしかった。作業をしていたのか,トンカチをもっている。
るい「私の名前はるいよ。ここで人形作りをしているの」
そういうとるいは不気味に笑った。…怪しい。
この笑顔…何かが引っ掛かるのだ…。
浮羽李「るい…あんたがみんなを操ってたんだな?」
るい「あら,御名答。操りの糸をなじませ、操ってるのよ」
夜叉「…!そんなことしたらみんなが困るんだぞっ…!よし,決めた!弾幕ごっこで倒すっ!」
るい「面白い。やってやろうじゃん」
続く
美しい花には棘がある
るい「さあ,どうしたの?弾幕ごっこ,するのでしょう?かかってきなさい。ふふ」
るいは私たちを挑発した。むかついた夜叉が真っ先に弾幕を放つ。
夜叉「あ,煽んないでよっ!『闇夜の蝶葬』!」
夜叉はさっきと同じの弾幕を放つ。蝶は一斉にるいに当たる…。と,その瞬間だ。
夜叉「えっ…!?」
飛羅「|那是谎言!?《嘘だ!?》」
信じれない。るいは弾幕が当たる前に一瞬で私たちの後ろにワープしたのだ。
浮羽李「どーゆーことだ…!?」
るい「ふふ。そんな襲う攻撃,喰らわないわよ!私の弾幕を撃てみなさい!『壊れた記憶の写し』」
るいは表情ひとつ変えずに冷酷に,恐ろしく不気味な人形を取り出した。だが…私にはどこかるいが寂しそうな顔をしているのに気づいた。
#名前#「あ…」
るいの放つ人形は凶器を片手に襲いかかってきた。たちまちその凶器が浮羽李に当たってしまったのだ!
#名前#「浮羽李さん!」
私は恐ろしさのあまりにギュッと目を瞑った。あんなの当たってしまえば…。しかし,飛羅が優しく声をかけた。
飛羅「 #名前#さん,安心して,ほら」
私はブルブル震えながら目を開ける…。と,
#名前#「えっ!?」
信じれない。浮羽李は悠々と立っているのだ…!これにはるいもびっくりしているよう。
るい「な,なぜよ!?なんでそんなに…悠々と立っていられる!?」
浮羽李「ふふ…。私は半人半霊だけど?実体がほぼないからさ…あんたらの攻撃なんて効かないわけ!」
なるほど。そういうことだったのだ。浮羽李が透けて見えるわけは…。
るい「なっ…」
悠久「今だ!」
悠久さんは唖然としているるいに炎を放った。なんとか頑張って最大限の力を出してくれている!私も頑張らなければ。飛羅もそう決断したらしく,私と飛羅は同時に動いていた。
飛羅「『那落迦』!」
#名前#「『ロッシュ限界』っ!」
飛羅の放つ弾幕と私の放つ巨大な二つの星の弾幕が炎で火傷を負ってしまったるいに直撃!
るい「うぐっ,ぐはっ!」
るいは哀れに血を吐いた。
るい「許さん…許さん!おのれ,おのれー!死ねえ!『孤独な劇場』!」
るいは人形を操り私たちに残虐すぎる攻撃をするがるいは怒りのあまりに我を失い,冷静さを失っている。
そう,この時こそ,やつを打ち倒すチャンス。
#名前#「_夜叉ちゃん!」
夜叉「ふん…任せて」
夜叉「『もう永遠と会いたくない』」
夜叉は無慈悲に弱っているるいに最高の弾幕を放った。
るい「くやっ!」
るいはおかしい叫びをあげばさりと倒れる…!やった…倒した!
悠久「やった,倒しましたよ!」
浮羽李「…夜叉,お前すごいな…」
私たちがわいわい喜んでいる時だ。後ろから殺気がした。ふと振り返ると…そこにいるのはギョロリと大きなボタンの目玉をし,パッチワーク模様の布で体が作られた,ライオンの巨大なぬいぐるみだった。
?「許さん…私の…正体を見やがったな!」
夜叉「ええ?だ,だあれ?」
るい「惚けるな…クズども!私は…るいだぞ!」
浮羽李「は?あの美しい女性がこんなものになるはず…」
るい「はは!あの姿は仮の姿にすぎない!私の正体はな…偉大なる大妖怪,『ひのえんま』だぞ!」
続く
patchwork
今回ちょいながめだし、かなり心抉られる描写多め。
夜叉「ひのえんま…知ってる!美しい女性の姿をし、男性などを喰らう妖怪!真の姿は恐ろしい!」
るい「御名答だな!はは…!お前らを殺してやる…!しねえ!」
るいはそう叫び容赦なく人形を私にぶん投げた。
#名前#「ガハッ!」
内部から強く殴られたかのような痛みが走る…!
私は激しく血を吐きながら壁に叩きつけられた。
悠久「 #名前#さんっ!?」
#名前#「う、うぅ…」
私は意識が朦朧としてまともに返事を出来なかった。
浮羽李「なんてことをするんだ…!死ぬのはそっちだ!」
飛羅「その通りっ! 極蘭蝶!」
飛羅は弾幕を発射し、浮羽李はメイスをるいに叩きつけた。しかし…るいは愉快そうに笑った。
るい「なんだ?それは。痛くも痒くもないわ」
残酷な声だった。るいはまたもや人形を飛羅に飛ばした。
飛羅「きゃあっ!?」
飛羅は激しく吹っ飛びがくりと項垂れた。意識はないようだ。それを見て浮羽李はカチンときたようだ。悠久さんに命じた。
浮羽李「私に…電気を流して!」
悠久「はっ?」
とんでもない願いだった。
夜叉「バカなの!?電気を流せばあなたは…!」
浮羽李「わかっ、てる!でももうこうなったら捨て身なんだよ!」
夜叉「す、捨て身だなんて…」
浮羽李「いいからつけろよ!バカやろー!」
悠久「わ、わかりましたよ!」
悠久さんは仕方なく浮羽李に電気を放った。
浮羽李「うぐっ!ぐっ…」
浮羽李は苦しみながら電気をまとった体を進めていった.そして_
るい「がはあっ!?」
そんな体でるいの口に飛び込んだのだ_。
体の中に電気が走ったるいはうめきながら地面にどさっと倒れ込んだ_。
るい「あ、うう…」
るいは私たちと最初に会った時の美しい姿へと戻っていた。夜叉が押し殺した声で尋ねる。
夜叉「…あんたはなぜ異変を起こした?」
るい「……わ、私は…能力と…種族で…いじめられていた…。それが…許せなくって…復讐、したかったの…」
るいはうつむき、話し始めた。
「ひのえんま…って怖くない?」
「こんな可愛いカオしちゃてさ、本来はめっちゃ怖いんだって」
「マジで無理だわw」
みんなからひのえんまは恐ろしいとされ…陰口を叩かれ、そして避けられていた。しかも私は人を操る能力を持っている。そのせいでより避けられていた。そして…`いじめられてた`。
石をぶつけられ、出血をした。そしたら…
「きゃーっ、ひのえんまの血がついたよ」
「おまけに操りの血も飛び出たわw」
「むりっ、キモい」
そしてまた石をぶつけられる。片目、失明した。机をぶつけられる。足の骨を骨折をした。
椅子を投げられる。片腕の骨を無くした。`血も出る`そしたらまた暴言を吐かれて。また殴られたりする。
`なんなの。なんなの。許せない。殺してやる。ゼッタイ…`
そして私は真の姿を現し、いじめっ子を潰した。そのせいで…私は村を追い出される。
真実を知らないくせに、何にも知らないクズどもが、何も知らずに私だけを悪者にしやがって、`追い出しやがった`
意味わかんない。この世は不平等だ。`神様も私に意地悪だ。この世は腐っている…。みんなみんなクズだ。`
はあ、こんな世界ぶっ潰し、この世界作り直そう。そうしよう…。そんないきで私は異変を起こしたんだ…。
私は胸が押しつぶされそうなほど悲しい話を聞いてしまった。
るい「話したわ…もう私を通報しても何してもいいわ」
夜叉「な、なにいっ…」
夜叉が叫んだ。
夜叉「あんたを通報しないよ!…そんなクソどもにいじめられていたのね…。あんたの苦しみもレアリゼの悲しさも知ってしまった…。もう…異変を起こしたなんていいから!私たちは…」
浮羽李「友達だな!」
夜叉「うわ!浮羽李!?」
浮羽李「私はあんなのじゃ死なないからな!」
るい「ふふっ」
…!るいが…笑った!これこそ…るいが見たかった…大団円に違いない。
浮羽李「さあ、解決したし、帰ろう」
夜叉「…またねっ!」
…こんな…夢の大団円を…万鈴とも…見たかった。
最近鬱すぎだって?ははっ…気にしないで…。
配下と四天王は言った
私は #名前#。操り異変を解決してから、三日経った。クランは今だに帰ってこない…。
#名前#「はぁ」
重いため息とマリンカの瞬きする音だけが部屋に響いた。と_そこへ。ドアがコンコン、とノックされた。
#名前#「はい?」
氷菜「 #名前#さん?いる?」
#名前#「氷菜ちゃん!いるけど…」
氷菜「ちょっと来てくれる?大変なんだよ…」
#名前#「…何が…」
氷菜「実は…あたし、ルクッタと霧湖で遊んでたの。そしたら…」
氷菜は身震いをした。
氷菜「…いいや。詳しくは現地に行ってからの方が良さそう」
#名前#「え?うん…」
氷菜ちゃんにしては珍しく強引に私を引っ張って、北の方にある、霧湖へと連れていった流石に歩くのは無理でしょ。船とかでよかったじゃん。氷菜ちゃんは水色の髪を靡かせながら歩いて行く。空気が薄くなってきたし、寒気もしてきたな…。しばらく歩いていると氷菜ちゃんは歩みを止め、私にいった。
氷菜「ほら、霧湖だよ。そして…アイツが…あたし達を襲ったやつ」
1人は黒髪の男性でもう1人は翼が生えた女の子だった。そして…そいつらの前にはルクッタが倒れ込んでいる…。ボロボロで出血していた。ルクッタのオレンジの髪に血が混じっている。
#名前#「る、ルクッタは…」
氷菜「…あたしと一緒に戦ってたら…やられちゃった」
#名前#「…そんなルクッタがやられるってどれだけ強いんだ!」
氷菜「だから仕方なく #名前#さんをよんだんだ。」
#名前#「これは…仇を打とう!」
それを聞くと氷菜ちゃんは元気を取り戻した。
氷菜「そうね!」
私たちの声が聞こえたのか、男性が振り返った。
?「莉奈様、敵どもがきたようですよ」
莉奈「お〜?恐れなしの馬鹿どもがまーた来たか〜」
#名前#「ば、馬鹿だって…!?」
莉奈「黒星海斗〜、いってきな。あんな奴ら、海斗でワンパンだろ〜」
海斗「そうですね。では行くか」
そうして私たちの方へ来た。
海斗「よし。2人か、4じゃないな。」
氷菜「ヒソッ奴は、4が嫌いらしいよ」
#名前#「え?そうなの?」
海斗「何喋ってる!さあ、やるぞ!」
莉奈「いきな〜海斗〜」
海斗「はあっーーー!」
海斗が大声をだし、私たちに襲い掛かろうとした時だ。
?「誰だよ!うるせぇ声出してる奴!うるせえんだよ!」
??「マジでうるさい!誰!?昼寝してたのに!」
大声に反応して左から二つの影が近づいてきた。
氷菜「だ、誰、ですか?」
リリー「私はリリー・テナ。眠りの妖精。昼寝が大好き」
リリーは白に黄色が混じった系の髪色でボブカット。頭には大きなナイトキャップをつけている。そして薄いピンクの羽が付いていた。瞳はすごく青い。
ルーナ「あたいはルーナ・フーラン。雪女。うるせぇものは嫌いだ!」
ルーナは黒の肩くらいまでの髪をしていた。瞳はすごく赤い。
あれ?この2人、合わせたら…。海斗がまたもや叫んだ。
海斗「何で4なんだよォーーーーッ!」
続く
霧湖の眠り姫
莉菜「ああ〜もう…これは〜海斗だけじゃ無理だな〜仕方ない〜あたいもやる」
海斗「た、頼みます…うう。4…最悪だ」
リリー「あの人たちがうるさくした奴らだよね?」
氷菜「そうよ」
リリー「よし!倒す!ルーナもいいね?」
ルーナ「当たりめぇじゃん。あんな奴らぶっ飛ばすからね!」
#名前#「頼もしい!ありがとうさ!よし!」
海斗「さあ!いくぞ!はあーっ!|超力《スーパーボルティショット》っ!」
海斗はまた大声を出し、電気属性の球を発射した。
ルーナ「危なっ…あたしを舐めるとダメな目に遭うからな!『雪降らしの弾幕』!」
雪属性の球をルーナは発射した。見事に海斗に命中した。
海斗「うっ!?85の強さを持つ俺にこんなにダメージを当たるとは…テメーただもんじゃないな!」
莉菜「かいとぉ!ぼやぼやしてると殺されるぞ〜?」
海斗「はっ、すみません!」
リリー「なーに喋ってんの!『眠り姫の安楽死』!」
リリーはそう叫ぶと海斗に弾幕を当てた。と…
海斗「うっ」
海斗は眠ったのだ。これぞ、眠りの妖精のチカラ…!
莉菜「海斗ぉ!?もう…あたいがやるしかないんだなぁ!破壊するからな!」
氷菜「え?破壊…?」
ドゴォン!激しい音が響き、血が飛び散った。
#名前#「うぐっ、」
なんと私の片腕が完全に破壊されているのだ…!
氷菜「え!?#名前#さん、大丈夫なの!?」
#名前#「へ、平気だから…戦って!」
それを聞くとルーナが叫んだ。
ルーナ「ふわぁ!むしゃくしゃすんなぁ!とりあえずしんどけよぉ!『雪の晩』!」
ルーナは雪をたくさん撒き散らした。ただの雪じゃない。とても破壊力のある雪だ!
莉菜「わ、わ!」
莉菜は慌てて避ける。しかし一個があたってしまった。
莉奈「お前、面白いな…!よし本気出すからな〜!破壊しちゃうぞ!」
リリー「同じ手は喰らわないわ〜!」
すると莉菜はふっ、と笑いをこぼした。
莉菜「それくらい予想済みだな!」
氷菜「え…?」
バキバキ…地面が割れている…!
ルーナ「嘘だ…まさか地面を破壊するなんて…!」
バキッ!地面の一部分が完全に破壊されてた。
そして破壊された部分はなんと…リリーがいるところだったのだ!
リリー「嘘でしょ!?きゃあっ!たすけてぇぇ!」
ルーナ「リ、リリー!」
ルーナが手を出したが、間に合わなかった。リリーは悲鳴と共に地面に吸い込まれ行ってしまったのだ…。
ルーナ「そ、そんな…」
ルーナは泣き崩れてしまった。私もまともに戦えない上に、リリーは行方しらず、ルーナは精神的に戦闘不能になってしまった。氷菜ちゃんも体力がそんな無い…。私たちの絶望を感じ取ったのか、莉菜が笑った…ように私には見えた。そんな莉菜の後ろに、影が忍び寄る。
それは…
ルーナ「リリー!」
リリー「『ゆりかごの夢!』」
莉菜奈「えっ〜!?うわーっ!」
リリーの弾幕をまともにくらい、莉菜も倒すことができた…!
莉菜「お前ら強いな…そして面白いな!よし、面白いからついてく!」
海斗「じゃじゃあ私も…」
氷菜「面白い…?まあいいや。それよりリリーよく助かったね…あ!」
リリー「うん!羽があるから」
ルーナ「心配したんだぞ!これからも仲良く、な!」
リリー「あははは!ルーナ、面白いなあ!」
私たちの笑い声は空高く響いていった。
妖狐集結
歩狐「ふん、ふーん…」
わたくし…|歩狐《あゆぎ》は呑気に狐林殿でゴロゴロしていた。買い物は今|狐妖《きつよ》がしてくれてるからOK。洗濯も、お掃除も全部狐妖がやってくれた。本当に頼れるものだよ。
歩狐「ふん、ふーん…ふ…」
だんだん瞼が重くなってきた、そんなときだ。扉がバンっと大雑把に開いた。
歩狐「きゃあっ!?」
狐妖「大変です!恐ろしい人物が現れました!場所は心寧のいるところです!現在、リア、心寧が戦っています!」
歩狐「な、どういうことか知らないけど…やばいのね?」
狐妖「はい!話してる時間が、無駄です。いきましょう!」
わたしは頷き、狐妖と共に心寧の住む光の世界へと足を急がせた。光の世界へ近づくにつれ、激しい音が聞こえてきた。…もう戦ってるのね、急がないと!わたしたちは全速力で走り、戦場に辿り着いた。
リア「あ、きてくれたのか…遅いよ…」
歩狐「ごめんあそばせ?とりあえず…あのイケメンサマが襲ってきたやつね?」
心寧「そうよ。あんなイケメンなカオしちゃてさ、めっちゃ凶暴なのよ!で、でもめちゃカッコいい…」
狐妖「うるさい…イケメンとか関係ないから。ささっと死んでれないと」
?「めちゃ死ぬ気まんまんのやつが来たなぁ」
歩狐「あなたは誰ですの?なんていうのです?」
信介「にんにちわぁ!俺、宮信介言います!よろしゅう!」
歩狐「しんすけ…?てか貴方も妖怪狐ですの?
耳がありますわ」
信介「そうなんやぁ✨俺も妖怪狐や」
狐妖「妖怪狐達のバトルか…血が騒いできた…!早速、行くわよ!『突風術の巻!』」
心寧(私だけじゃん…別の種族なの)
いきなりにも狐妖は攻撃を繰り出した。さすがは戦闘狂ですわ。信介は避けきれずにまともに喰らったが、そこまで痛くなさそうだ。
信介「うお!いきなりやなぁ。まあいいわ。俺の方がつよいしい?」
心寧「こーんなふうにさっきから煽ってるのよ…」
リア「だからけっこーむかついちゃったんだよ」
歩狐「煽りに負けてはダメよ…わたくしたちも戦わないと!」
リア「そうだね!」
信介「よっしゃ、やるでぇ。『狐火』や!」
信介はふうっと息をし、火を出した。
狐妖「うわ!どういう仕組みだよぉ!」
中くらいの炎が私たちを襲う!
心寧「わ、わわ!」
早速、心寧が焼かれてしまった。まあ中くらいだしやけど程度だったけど…。結構恐ろしいやつだわ…!でも、こういうやつと戦ってると…
歩狐「わっくわっく、するのよね!」
信介「そうやなぁ!さあ、やろうか!」
続く
狂気は必ず勝つ
狐妖side
私たちは信介とのバトルをしていた。信介…見た目はあんなんしといて強いわ!強さを数で表せば…100とか、だ。瞬発力、攻撃力、言葉での煽り!全てがセット。私の武器である狂気も通じない…厄介だ。とは、いえ。弱点は必ずあるはずだ。私は戦いながら信介を見ていた。リアが攻撃を、打つ。その次に歩狐様が攻撃を打つ。しかし、信介は真顔で避ける。
心寧「なによぉ!あんなの倒せないわ!」
リア「お、落ちいて!弱点はあるはず…」
心寧「私が気を引くわ!」
心寧がまっすぐ信介へ向かい手をぶんぶん振った。
信介「ん?なんや?」
…意外と心は弱い。とは言えだ、ここで攻撃しても魔力を失うだけ…もう少し、チャンスを狙う。
心寧「はあっ、これでどうよ!布団が吹っ飛んだ!」
信介「は!?」
…いきなりのギャグ。こんなの食らわないと思ったが、信介はフリーズしてる。おい、どうした…まあいいや。チャンス!
歩狐「狐妖、お願い!」
狐妖「はい!かしこまりました!」
わたしは攻撃を整える。信介が目を覚ます前に.決める!
狐妖「妖狐『惑わしの|死尾《しっぽ》!」
私の魔法は…信介がフリーズから戻った瞬間に…信介へ当たった。渾身の一撃。信介は倒れた。
心寧「何が目的で襲ったのよ」
心寧は多少イラついているようだ。
信介「いやぁ、強そうに見えたもんで… あっははw自分おもろいなぁw」
…渾身の一撃くらったのに関わらず笑顔でわらっていやがる。
信介「すまんて。まあ、自分らおもろそうやしついてくわ!w」
歩狐「ついてく…?ならまず最初に狐妖の手伝いとして…狐林殿でバイトしてちょうだい」
信介「まかせときぃ!」
さて、別空間からは離れ…ここは血乃乃瀬島。
真里茂side
真里茂「おねーちゃん!」
花音「ちょっと、待って。ブラッシング中なのよ」
今から私たちは2人でピクニックに行く。いつもお母さんもいたんだけど。今日は初めて2人で行くの。
花音「ふぅ、セット、完了。じゃあ行こうか」
真里茂「うん!いってきまーす!」
音呂「気をつけてね」
私たちは屋敷を出て近くの血原公園に着いた。不思議なこと、ここの草は真っ赤!
花音「じゃあ、サンドイッチ食べようか…きゃあっ!」
ひとわき大きな風が吹いた。立っていられないような風。
真里茂「な、なに!?」
私たちが視線を上へやると…黒のショートヘアをした女性が宙にいたんだ。
花音「だ、誰よ!?」
レイカ「私は…レイカ…レイの、姉」
レイ…誰…それより…なんて強そうなんだ!
続く
不安の魔術師
花音「レ、レイカぁ?一体なんのようなのよ…」
レイカ「あるお方の命令であなたたちを倒しに来た…」
真里茂「倒す!?ねぇっ、おねえちゃん、どうしよう!?」
花音「…真里茂がいれば負けないわ…さぁ!あんなやつボッコボコにしましょう!」
真里茂「うん!」
レイカ「…やる気のようね…ではこっちからいくわっ!『死屍鬼華(ノロイノハナ)』!」
レイカは私に向かって走ってきた。手を伸ばしながら。そのあまりの速さに私は動かなかった。レイカが笑ったように見えた…。やばい。後少しでぶつかる。やべぇ…ってことはわかっているのに体が動かせない…!後数㎜でぶつかる。その時だ。お姉ちゃんが反射的に飛び出した。
花音「真里茂!危ない!」
バッ
お姉ちゃんは私を守り仰向けに倒れてしまった。
レイカ「…狙いがずれたけど…まぁいい。その姉はしばらく目を覚まさないでしょう。次は貴方の番よ」
私は怒りのあまりにわなわな震えていた。
真里茂「よくっも…お姉ちゃんを!許さないわ!死ねい!『失恋妄想』っ!」
砕け散ったハートのような弾幕が飛び出した。
これが当たればかなりダメージがつくはずだ。レイカは避けようともせず悠々と立っていた。何?あいつバカ?
ドスッ
壁ドンの音のような効果音を出して弾幕はレイカに当たり大爆発をおこした。炎が燃え上がる。
真里茂「…やった…わね、」
私は勝利の笑みを浮かべレイカが立っているところに目を向けた。そこにいたのは…
真里茂「はぁ!?」
擦り傷しか負っていないレイカだった。
レイカ「…なかなかやる、わね。しかし…もう終わりよ!貴方にもやるわ…『死屍鬼華』!」
レイカは先程とは違い素晴らしい速さで襲ってきた。
真里茂「ッ…!」
だめだ、避けきれない…!!私は終わりを覚悟した。その時だ。
?「まてやーっ!」
高い声がした。
レイカ「!??」
レイカさんは動きを止め辺りを見回した。そんなレイカさんに激しい弾幕が降り注いだ。
?「激しい音がしたからな…なんの音かと思えば…やっぱり戦いだったようだ…!」
真里茂「ありがとう…だ、だれ?」
灯幽「私?私は|灯幽《ひゆ》だ。炎の霊だ」
灯幽は頭にろうそくの帽子をのっけ燃え盛る炎のような赤い癖っ毛のあるボブカット、そして赤い瞳をしている妖精だった。妖精、ということで薄い羽がある。突然の助っ人の出番にレイカは困惑しているようだったが、我に帰ると灯幽を睨みつけた。
レイカ「よくも真剣勝負を邪魔したわね…?」
灯幽「ふん、そんなの知るか!死にそうなやつを助けるのはあたりまえだ!そんなこともわからないのか!?馬鹿野郎!」
レイカは頭ごなしなことばを受け項垂れた。
レイカ「異変は嫌い。でもね、私、気付いたら自分が異変になってた。それで今は貴方と戦ってる。訳わからないよね。でももうどうでもいいんだ。」
真里茂「レ、レイカさん…。」
この人はきっと何かに悩んでいるんだ。力ずくなんて…本当は嫌いだ。けど、ここはやるしかない。
さぁ、ささっと決めようか!
続く
ろうそくに秘めたチカラ
続編も作りたいしさっさと終わらせようと主は企んでるよw(また続編つくんのかよ)
真里茂「真紅『紅と白の境界』」
灯幽「『死恋の外道』だぜ!」
レイカ「ッ!」
レイカは強さで表すと💯くらいだが、私たち2人が本気を出せば勝率はある。灯幽はとても強くそして優しい女の子だったから。
レイカ「はぁ、はぁ…ま、負けてるだけではダメよ…レイカ!夢見華ッ!」
レイカは上に飛び上がると私に触れてきた。
真里茂「ッ!?」
刹那、私の視界に幼い頃見た父の姿が現れた。
真里茂「おと、おとう、さん…?」
…ある日いきなり消えてしまった私の父。私はそんな父に手を伸ばしたがするりと手はすり抜けてしまう。遠くから囁き声のように灯幽の声が聞こえる…。なんて言ってる…?「…ぶ…い」
灯幽「あぶねぇっ!」
ドォンっ!
私の目の前から父が消え去り轟々と燃え盛る炎が現れた。
そう…さっきまで見ていたものは全て幻だったのだ。私が幻に気を取られているうちにレイカに攻撃を仕掛けられていたのだ…。激しい痛みが走る。
灯幽「くそっ、しっかりしろよ!まずいな…私だけでやるしかねぇのか!」
レイカ「あなただけでいけるかしら?」
灯幽「ふん…どうだろな?おい、おまえ!私が攻撃をしているうちに回復しといてくれ!さぁ、私の炎に焼かれてみろ!『火炎「パッション・フレア」』!」
まゆばい炎の閃光が放たれる。レイカはその炎に焼かれ大きな火傷を負った。
レイカ「あなた…な、なかなかやるのね…!?」
腕を負傷してしまったせいでまともに攻撃ができないレイカに灯幽は容赦なく攻撃を繰り出す。
灯幽「燃え上がれ!「フェニックス・ブレス」!」
真紅の炎がレイカをおそう!
レイカ「うぐっ、ぐはっ!」
灯幽「はぁ、はぁ…お前!攻撃、できるか!?」
真里茂「できるわよ。さぁ、果実のハートが叫んでいるわ!禁断の果実『エデンの花園』!」
りんごのような弾幕が大量に降り注いだ。
レイカは避けれずまともにくらいドッと倒れ込んだ。
レイカ「…はぁ、くっ、」
灯幽「なぁ…おい…なんで…この島を襲ったんだ?島の自然がめちゃくちゃだ。私、実は。この島の神聖なる炎の精霊なんだが…。この島を守りきれなかった…むねん。」
そうだった。私たちの島はめちゃくちゃだった。てか灯幽…この島の妖精さんだったんだ…。
レイカ「…」
レイカは答えようとはしない。けど私の心には哀しみという感情が流れ込んできた。…能力だ。私の能力…感情をコピーすることのできる。この世界かなり厳しいそうで能力は最高神に選ばれしものしかつかえないんだとか…。いやそれより…一体なんで悲しいのだろうか?この悲しみは敗北の悲しさじゃない。私は聞いてみた。すると…
レイカは昔弟であるレイと仲が良かったようだ。しかし両親の作った異変で生き別れになってしまったんだとか…。それを聞いた私たちは息を呑んだ。
灯幽「なんだって…そんな悲しいことが…」
真里茂「あの悲しみはそれだったのか…。ねぇ、」
レイカ「処分…でしょ?」
真里茂「ちがうわよっ!私たちと仲良くしよう!」
理由は特に無い。レイカは驚いたようだったが…ふふっと申し訳なさそうに笑った。
レイカ「···なんで。なんで貴方達はそんなに優しいの。私は貴方達の敵なのに。···。なんか、ゴメンね。」
灯幽「ごめんね、なんていいぜ。」
真里茂「私の屋敷に案内するから!最高のじゃがスープをいただけるよ!」
レイカ「…ふふ。ありがとう!」
…真里茂、灯幽、花音「夢の大団円」達成。
3度のおやつよりも闘い
リーブル視点
リーブル「ふーん。クッキーってこんな味なの」
彩葉「そうだけど…クッキー、食べたことない?」
リーブル「う、うん…いつもご飯は鯖缶だったのよ」
彩葉「そんなんじゃなぁ…」
私…リーブルは彩葉という子の家に居座り、クッキーを食べていた。さくさくっとなる音が素晴らしい。と、彩葉がガタッと立ち上がりキッチンルームへ行こうとした。
リーブル「どうしたのよ」
彩葉「おやつ、もっと持ってくるよ!」
リーブル「そう。」
私がそう言った時だ。
?「きゃあああ!」
甲高い悲鳴が北の方から聞こえた。
彩葉「っ!?なに!?」
リーブル「悲鳴だわ!北の方からよ…ヤマモ大図書館のほう!誰かがやられたんだ…急ぎましょう!」
彩葉「うん!」
私たちは戸を開け北の方へ足を走らせた。
ヤマモ大図書館の方へ急ぐと…1人の少女が倒れ込んでいた。その前には見たことあるようなおかっぱ少女がいる。
彩葉「どうしたの!君、大丈夫!?」
?「はぁ、はぁ…平気です…びっくりしてただけですから…」
彩葉「なんていうの?」
こまち「こまち。」
こまちは絹のように白いツインテールをした女の子だった。頭には葉っぱが乗っかっていて、パンダ耳がついている。チャイナ服だ。瞳は赤い。
リーブル「こまち、一体どうしたのよ?」
こまち「…あの子、にやられかけた…普段は一緒に遊んでるのよ」
あの子…おかっぱ少女は笑いながら言った。
?「襲ったなんてとんでもない。私は…優子は…ただ遊んだだけよ。変な神に言われたの。闘いごっこをしろとね」
…私は思い出した。そうだレイと戦ったあの日助けてくれた座敷童子だ。
優子「遊び相手が増えたなら嬉しい。さぁ、遊びましょう!」
リーブル「何よ!それ、今こそ思い知らせてくれる!『文々封印』!」
しかし優子は軽々と避ける。
こまち「優子は強いんだよ!」
彩葉「彩葉、手伝うよ!えい!」
彩葉は深い緑のポーションをぶん投げた。
優子「うぐっ!?く、くるしいっ!」
どうやら、毒のポーションだったようだ。優子は完全に麻痺していた。
リーブル「ありがとう!彩葉!」
彩葉「さぁ、リーブルさん!決めちゃおう!麻痺はそこまで長くない。時間の限り決めないと!」
リーブル「まっかせなさい!『文々…』」
そこへこまちが声をかけた。
こまち「待って!私にやらせて!」
リーブル「…こまちが?何故?言っちゃ悪いけど…私の方が強いわよ?」
こまち「…こういうのは友情がなくちゃ!ただの暴力ではダメなの!」
リーブル「あっ、そう…」
こまち「優子ちゃん!ごめんね!少し乱暴させてもらうわっ!秘術『竹の中の熊猫』!」
こまちの足に竹のような緑の光が纏わられた。
その足をこまちは優子に思いっきり当てた。
…これ友情あるのか?ただこまちが決めたかっただけなんじゃ…?
優子「ーーー!」
優子は声も出せずに吹っ飛ばされた。
こまち「優子ちゃん、正気に戻った?」
優子「…こ、こまちちゃん…ごめんね、わたし…あんなのを遊びと勘違いしていたのね…ダサいわ…」
こまち「ダサくないよ!さぁ、ほんとの遊びしよう!リーブルさんたちもありがとう。」
彩葉「いいよ、いいよー!リーブルさん、終わったしおやつ食べよう!」
リーブル「そうね」
私の心にふんわり温かい風が吹いた。…友達って大事なのね。
…リーブル、彩葉、こまち、「夢の大団円」達成。
暗黒の神様を信仰するのか?
#名前#「ん…ん…?」
…ベットで寝ていた私は地味な痛みに起き上がった。
「おんぎゃあおんぎゃあ…」
幻聴なのか?赤ちゃんの喚く声がすぐ近くでした。
#名前#「ッ!?何!?」
私は当たりを見回したが特にない。マリンカがすぐ近くで眠るだけだ。…てか目しか動かない。足も手もちっとも動かないのだ。息もできない。私の意識は薄れていき、闇に飲み込まれた…。
---
?「…きろ!起きろ!」
私が謎の声で目を覚ますとそこは寮の部屋ではなく見たことのある風景だった。…ここ…何処だっけ?てか私に声をかけたのは…。もう体は動かせたので起き上がると、三葉が心配そうに覗き込んでいた。
三葉「…おい、起きるの、遅かったな…まぁ私もそうだったらしいけど。」
#名前#「三葉…ねぇ、ここは何処…?」
三葉「わからない…私も…いや、いろんな奴らもみんな気づいたらここにいた。」
#名前#「いろんな奴ら…?」
と、その瞬間、三葉をおしのけ1人の女の子が割り込んできた。あ、この人は…
氷菜「 #名前#ねぇさん!久しぶり!」
#名前#「氷菜ちゃん!そっか…知り合いの子達がみんな来ているんだ…」
そうだった。私の知り合い…あるいは私の知り合いの知り合いがみんな来ているらしい。でも…何処にもクランの姿はなかった。
ルクッタ「おお。 #名前#、お久しぶりだね。」
#名前#「あ、ルクッタ、久しぶり…一体どうしてここに来てしまったのかしら…」
そう言った時だった。バタッ…。いきなり目の前で三葉が倒れたのだ。
#名前#「み、みつは!?」
ルクッタ「…傷跡かついてる…!誰が、攻撃したの!?」
氷菜「ねえっ、見て、2人とも…」
氷菜ちゃんが指を指したところに佇んでいたのは…
#名前#「魔芽乃…!」
そう。行方知らずだった…魔芽乃がいたのだ。
魔芽乃「や! #名前#お久だね。元気にしてたかい?今日は #名前#の友人2人を連れてきたよ!どちらも体だけだけど。」
#名前#「体だけ…?」
魔芽乃は大雑把に手を伸ばした。すると、音もなくいきなりエメラルドグリーンのショートをした女の子と金髪のボブをした子がいたのだ。
そう…この2人…。
#名前#「ク、クラン!万鈴!」
私はショックをうけた。戦ったあの日から消えた万鈴、いきなり消え去ったクラン。そんな2人の目は真っ黒だった。墨のように。
魔芽乃「ふふ。安心して。死んでない。ただ…器として扱ってるだけ。…アリル様!ルンタ様!」
ゆらり…二つの影がふわふわとクランと万鈴に近づいてきいき、その二つの影は同時に二つの少女をタッチした。すると…万鈴とクランが真っ黒なモヤに包まれた。そのモヤは数秒で消え去り、万鈴とクランを見てみると…
2人は完全に…自分では無くなっていた。真っ黒な目が真紅と化していた。万鈴が手を挙げ、言った。その声は…戦った日と同じ憎い男性の声。
万鈴?「今から…私たち…闇の神、アリル、ルンタ、魔芽乃は…この魔界境を支配する!」
続く