異変で会いましょうの続編です。
あらすじ
魔界境に住むあなたは、南西異変解決学校に通っていた。そんなある日、「とある人物」から異変の解決をお願いされる。久しぶりに出た六つの異変。それを解決するためにあなたとその仲間たちは立ち上がる!異変に隠された真・真実とは…!?
続きを読む
閲覧設定
名前変換設定
この小説には名前変換が設定されています。以下の単語を変換することができます。空白の場合は変換されません。入力した単語はブラウザに保存され次回から選択できるようになります
1 /
目次
異変解決手帳
ここでは「異変で会いましょう」に登場したキャラたちや続編の舞台などを紹介していきます。
ちなみにキャラの容姿は私のマイページにある「オリキャラAIチャットボット」で確認できます。
**キャラクター**
★#名前# 主人公。日本からの転生者。まだ前世を思い出せていない。#名前#の前世は謎に包まれている。
死因は車に轢かれたらしいが…。とても食いしん坊で優しい性格。しかし、結構、勘が鋭い。
★クラン 新キャラ。南西異変学校に通う少女。#名前#とは仲が良くなる。まだまだ謎が多い。
大体無口で、恥ずかしがり屋。でも#名前#となら本音で話せる。
★マリンカ 謎の光っている妖精。言葉は話せないけれど、リアクションで言葉を伝える。周りは黄緑に、中心が緑に輝いている。
★利麻 異変解決相談所の所長。よく自画自賛をする。おしゃれ好き。明るい性格で三葉とは気が合う。とてもポジティブ。
★三葉 異変解決ランキング1位の#名前#の大先輩。こちらも自画自賛をよくする。めちゃくちゃポジティブで、元気かつお調子者。利麻と気が合う。
★真里茂 血乃乃瀬島に住む、女の子。他者からの人気はすごい。花音と音呂と暮らしている。明るく優しい性格。ただたまにサイコパスな一面も…。それは「覚醒の実」の後遺症に違いない。「異変 赤毛の殺人鬼」
★花音 真里茂の姉。一時期闇落ち。今は真里茂たちと幸せに暮らしている。ネガティブで暗い性格。
★音呂 真里茂たちの叔母。一時期年が止まっていたが今は平気。すごい魔法使いを目指している。
★竜太 龍の子だったが、人間の世界で少し暮らしていた。今は龍界で#名前#たちを見守っている。勇敢。
★紅麗亜 勇翔の彼女。とても可愛いから人気。学校をたびたび休み、勇翔とデート。優しく明るい性格の持ち主。
★勇翔 紅麗亜の彼氏。一時期闇落ち。赤い涙に囚われ異変となっていたが今は紅麗亜と幸せな生活を送っている。冷静で落ち着いている。
★万鈴 #名前#とは仲が良かったマルリンカに住んでいる子。なぜか自分が異変の元凶だと言い、倒されてしまう。行方不明。
★魔芽乃 利麻の家になぜかいた狐。#名前#と協力し異変を解決しようとしたが…。
**場所**
♥︎南西異変解決学校 クランと#名前#の通う、異変解決について学ぶための学校。森の奥にある。
赤い雨
これは「異変で会いましょう」から3年後の話。異変解決学校であなたは仲間のクランと一緒に楽しく暮らしていた…。そんなある日…。
私は #名前#。今は南西異変解決学校の寮でお友達の「クラン」っていう子と楽しく話していた。私たちの話題というのは最近お流行りの「モンスターペット」だ。最近では友好的なモンスターをペットにしてるらしい。私もクランもまだ持ってないからどんな子を飼いたいか話していたんだ。
#名前#「やっぱりいい子がいいかなあ。お世話も大変じゃないでしょ?」
クラン「そうだね…。でもうちはちょっと凶暴な子もいいかなあ。やっぱりそんな子も可愛いじゃない?」
#名前#「そうだね!」
私とクランは楽しい話で盛り上がりだった。
クラン「でさあ…」
クランが何かを話そうとした時だった。ドアがノックされたのだ。私とクランは不思議に思い、ドア越しで声をかけてみた。すると担任の先生がノックしてるらしい。私は渋々ドアを開けた。
#名前#「…先生?どうなされたんですか?」
先生「 #名前#さん、 #名前#さんに用のある子がいます。校庭で待ってるわよ。いってきなさい」
#名前#「えっ?わたしに用…?まあいいや。行きますね」
先生「待たせるんじゃないわよ」
そういうと先生は職員室へ戻っていった。
#名前#「じゃ、すぐ戻ってくるね!」
クラン「うん」
私は校庭に出た。校庭は相変わらずの静けさだった。
#名前#「誰もいないよお?」
私はあたりを見渡す。でもそれらしき人はいない。
#名前#「…誰なのお?隠れてないで…」
「出てきてよ」と言おうとした時後ろに気配がした。私はびっくりして振り返った。そこには…。
#名前#「あ!花音さん!」
そう。知り合いの花音がいた。でも妹の真里茂も、おばさんの音呂もいない。
#名前#「花音さん。久しぶり!でも真里茂ちゃんも音呂さんもいないねえ?」
花音「 #名前#さん!それなんだよ。じっとしてる場合じゃないんだ!2人が不治の病にかかってしまったんだ!」
#名前#「ほえ?」
花音「詳しいことは…あっちの雑木林で話そう。」
#名前#「え?うん」
私はすぐ近くの雑木林にいった。そこには一軒の小さい小屋があった。花音の秘密基地らしい。私はそこで話を聞くことにした。
花音「実は最近、血乃乃瀬じまで変な赤い雨が降るんだ。しかも夜にね。夜、出掛けにいった真里茂と音呂が…その雨に当たってしまったんだ。」
#名前#「…それで?」
花音「その雨に当たった途端2人が苦しみ出してね。私は慌てて病院に連れていった。何かわかるかと期待したけれど…。お医者さんは何もわからないって…。新発見の奇病でさ…。しかも不治なんだ!治療法も新しい病だから見つからないし…。このままじゃ死んじゃう!そこで私は思ったんだ。これは異変かもって。だから #名前#と一緒に異変の元凶とか探したいの。」
#名前#「よくわかんないけど…いいよ!」
私はもちろんYESだ。仲間が困ってるのだ。助けないとね。
そういうことで…私たちは「赤い涙」を解決することにしたんだ。
企画終わってないけどやっぱり話始めることにしました…。
雲の上
花音「ふぅ、着いたよ。 #名前#!血乃乃瀬じま!」
#名前#「……」
花音「 #名前#?寝てるの?」
花音が振り向くと名前は…。船酔いしていた。そう。 #名前#は船に弱い…癖に船旅が好きなのだ。
花音「はあ…。とりあえず私の家に行って休もうか」
花音はそう言って #名前#を引っ張って自宅に連れていった。
#名前#「ふぅ。ありがとう。なんとか回復!花音の作るスープは美味しいなあ!おかわりお代わり〜!」
花音「 #名前#ったら…よく食べるなあ…」
私は花音の出すはるさめスープをごくごく飲み干していった。目の前にお皿が積まれる、積まれる。お皿の山だ。
花音「うわあ…。たださえ洗い物が大変なのにい…!」
#名前#「えへっ。ごめんね。」
花音「まあいいんだけど。」
私は一旦食べるのを終わらせた。流石に食べ過ぎだ。
#名前#「…真里茂ちゃんと音呂さんはどこにいるの?」
花音「2階の空き部屋よ。ベッドで休んでるわ…。2人とも顔が真っ青だし、目もずっと閉じたままなの…。」
#名前#「異変の元凶は…。空の上かなあ?」
花音「雨を降らしてるんだし、きっとそうよ。…私たちになんの恨みがあるのかしらね…」
花音は黙って明るい空を見つめた。
#名前#「ふう、ご馳走さん!じゃあ異変解決しよっかあ!」
花音「そうね…きっと異変の元凶は空の上よね。空にいきましょう」
#名前#「うん。って!空の上ってなあに?自分で行ったけれども…。空の上なんて…雲が広がるだけでしょ?」
花音「…血乃乃瀬島にはとある伝説があるわ。雲の上には広大な天空世界が広がってるって」
#名前#「…ふぅん。じゃあその天空世界…あるかわかんないけどいくっきゃないっしょ」
花音「そうね…。じゃあいきますか!」
花音は急に明るくなった。でも、いくってどうやってだろう…。
花音「私たちがよく移動で使う小型船を使う…。いいわね?」
#名前#「小型船!かっこいい!行こう!」
私たちは小型船が停泊されている屋上に向かった。小型船は結構使われてそうな年代物だった。花音が操縦席に乗り込んだ。私は相席に乗り込んだ。
花音「さあ、大空の旅よ!」
飛行船はグングン空を飛んでく。飛んでく。村がミニチュアのように見える。
飛行船はやがて空気の薄いところへ入っていった。そして雲を突き抜けていった。
とっても大きな雲を突き抜けた。その先には…。
#名前#「わあああ!綺麗だよ!」
広大な雲でできた世界が広がっていたんだ。
一つの雲の上に飛行船を停泊させて私たちは降りた。普通に歩いていると雲に足を取られる。
#名前#「わわ」
シンチョーに歩いていった。静かだった。
しばらく歩いていると前に不審なものを見つけた。
花音「…生き物?」
#名前#「…人じゃない?」
花音「は。。?」
そう。不審なものは耐えれている人だったのだ。
血混じりの雨
花音「本当だっ!誰かが倒れてるよぉ…!」
#名前#「ねっ?助けないと…」
私たちはその子に近づいた。その子の頭にはなんとキツネの耳がついていたんだ。
花音「種族は妖怪ぎつね…か…?」
#名前#「え?」
花音「いや、それより。はい、これで手当して」
花音は私に手当用具を3つくれた。私はすぐにその子を手当した。手当してもらって、落ち着いたのか。その子はむくりと起き上がった。
#名前#「あ!起きたね!君は?私は#名前#!こっちは花音ちゃんだよ」
リア「僕は天狐リア。妖怪ギツネさ」
#名前#「へー!リアっていうの!君はどうしてここにいたのさ」
リア「…この近くで異変が起きているということを聞いてさ。ちょっときてみたんだ」
花音「ふーん…なんで倒れてたのよ?」
リア「変な奴に襲われたんだ」
…異変の元凶だろうか?とにかくここはやっぱり危険だ。絶対にここに元凶がいる!
花音「変な奴って…?どんなやつか覚えてる?」
リア「僕と同じ妖怪ぎつねだったね…。なんかオレンジ気味の赤い髪をしてたかな…?」
花音「元凶ももしかして妖怪ぎつね…?なんか厄介だな…」
#名前#「え?なんで?」
私の質問に花音は気難しそうに答えた。
花音「妖怪ぎつねは結構魔法を使えるし、魔術師並みの魔力なのよ…。だから相手も強いはず。気をつけないとね」
…確かにそれは厄介かも…。いや、リアさんも強うそうだしね。きっと勝てる!
花音「じゃあ、行きましょうね。あ、リアさんも…くる?」
リア「もちろん。異変の元凶を倒したいしね」
リアさんは頷いた。私たちは雲をどんどん歩いて行った。異変の元凶は強いかもしれないけど…。なんとか倒すしかないよね。
---
?「来たか…」
異変の元凶は
#名前#「はあはあ…。異変の元凶なんていないよ…」
私たちは雲で作られた道を歩いていった。
リア「本当にここにいるのかい?」
花音「いると思う…。向こうから、何かすごい気配が感じる…」
リア「でも…」
花音「これでみてみましょう。『千里眼』」
#名前#「えっ?千里眼…」
花音さんはしばらく黙っていたが、ふと前を睨んでいったんだ。
花音「あっちよ。あっちに雲で作られた階段がある。その向こうにお城があるわ」
#名前#「えっ、そんなものもわかるの…。すごいっ…」
花音「そりゃそうよ。千里眼だもの…」
確かに、歩くにつれ雲でできた階段が見えてきた。その向こうにうっすら城が見える。変な城だ。
明らかに怪しい。あそこが異変の元凶の根城に違いない。
リア「元凶はどんなやつなんだろうな…。強いの…?」
花音「わかんないけど…。言ってみましょ」
私たちはフラフラする階段を歩いてやっと城に着いた。花音さんがドアをノックする。すると、ドアは音もなく開いたんだ。
花音「…異変の元凶、出てきなさい。私たちはもうきてるわよ」
?「ふふ…」
私は目を細めて人影を睨んだ。確かにキツネ耳があるのだ。
リア「ゆーは誰かね?名前を名乗れ」
斗鬼「僕は菫堕 斗鬼。妖怪ぎつねだ」
リア「やっぱり妖怪ぎつねなんだ…」
花音「あなたが赤い雨を降らしているのね?」
斗鬼「その通り」
斗鬼さんは不敵に笑った。
斗鬼「この島全員を病にかからせたら次は檸檬島だね」
#名前#「何それ。酷い…!倒してやる…」
花音「そうね、ひとまず倒すしかない…」
斗鬼「ふーん。倒されるもんなら倒してみなさい」
リア「ぜってー倒す!」
斗鬼さんと私たちの戦いが始まった。
雨は血の色
私たちは斗鬼さんとバトルを繰り広げていた。理由が何にせよ、異変の元凶は止めないと…。
花音「…クソウッ…。なかなか当たらない…」
#名前#「弱音、吐いちゃダメだよ。頑張ろう…|星雨轢断《ほしうれきだん》!」
リア「そうだよ。なんとかすればあいつ、倒せるさ。」
花音「そうね…」
そう話している間にも斗鬼さんは激しく攻撃をしてくる。 激しすぎる。息が荒くなってきた。
斗鬼「|炎力《フラーミ・バーニング》」
真っ赤な炎が雲を燃やして突撃してきた。私たちは慌てて避けたけど、近くに炎が来ただけで熱風がすごくくる。それで気を失いそうになる。やばい。思ったよりやばいよ。
花音「くそっ。あいつ、全然体力が減ってないわよ…。」
#名前#「だいじょうぶっ。だいじょぶ…ッ。」
私はそう言ったが私ももう絶望的だった。相手が強すぎる…。私も花音さんもリアさんも….みんな疲れてきた。動きの鈍ってきた私らを見て斗鬼さんは攻撃を止めた。
斗鬼「なんだ…あなたたちそんな強くないね」
#名前#「…ッ」
花音「………」
リア「はっ。。」
斗鬼さんは笑っていた。
斗鬼「こんな弱かったら意味がない。もう逃げていいよ?」
そう斗鬼さんが高笑いした時だ。リアさんが叫んだ。
リア「はっ……。なめてんの?僕、妖怪ギツネだけど?」
斗鬼「種族なんて関係ない。喰らえ!|氷武力《フリーズ・ギア》!」
斗鬼さんは叫ぶ。そして氷で剣を作り、振り回してきた。
ぶるっ。
剣を振り回すと同時に寒気がする。ああ、半袖でできたせいで凍りつきそうなくらい寒気がした。
私と花音はモタモタ頼りなく動いたが、リアさんはさっきまでの疲労が信じられないくらいシャキシャキ動いている。
すごい。私たちも負けてられない。花音さんが素早く動いた。リアさんも素早く動いた。私もできるだけ早く動いた。3人で斗鬼さんを囲み、攻撃を繰り出す。
花音「喰らえ!どくどく!」
リア「君ノ血桜咲キ!」
#名前#「えいっ!星屑の血染め針!」
最大のとびっきりの攻撃が決まった。斗鬼さんはぐらりとよろめいた………
と見えた。
雨上がりの笑顔
花音「え…」
場は絶望的だった。あんなに、あんなに頑張って、本気で戦い、やっと倒したと思ったのに。
斗鬼さんは倒れてない。
斗鬼「なかなかやるんじゃん…。本気を出させてもらうわッ!」
#名前#「うそ。。もう…終わりだ…」
斗鬼さんは結んでいた髪を解いた。と、不思議なことに夕焼け色の髪が夜のような黒色の髪になる。
あんな強かった相手が本気を出した。もう私たちは勝てこっない。
#名前#「はあはあっ…」
そんな私を見て斗鬼さんは笑った…ように私には見えた。
斗鬼「これでどうだ…!|雑音鳴《ベルクラッシュ》!」
斗鬼さんは私目掛けてその攻撃を打った。その途端、私の耳で雑音が鳴り響く。
鼓膜を撃ち破いてしまいそうな勢いだ。
#名前#「何ッ。これ……。うっ。。」
苦しむ私を見て花音さんとリアさんが慌て駆け寄る。
リア「どうしたんだ!僕には何も…」
花音「 #名前#だけに…何かが起こってる…?」
斗鬼「テメーらにもやってやるよ。|雑音鳴《ベルクラッシュ》!」
リア「はっ!」
2人危機一髪。なんとか避けた。その間にも私の耳にはずっと聞こえる。雑音が。苦しい。痛い。耳がグオングオンする。
#名前#「2人とも…お願い!倒しッ…!」
花音「 #名前#…。わかった!こいつを倒せば #名前#が助かるのね。お願い、耐えてて!」
リア「任せて!」
#名前#「うンッ…」
2人はちらりと一瞬だけ目を合わせた。
花音「喰らいなさい!猛毒紫炎!」
斗鬼「甘い!」
斗鬼さんは軽々と避けた。だけど。そう後ろでリアさんがいたのだ。
斗鬼さんはハッと気づいた…が、もう遅い。後の祭り。
リア「ふん……。秘術『式神宝箱』これで苦しみなさいな」
リアさんは大人数の式神を出した。斗鬼さんは突然の不意打ちには耐えれずドッと倒れた…。
花音「まったく、あんたのせいで、みんな、苦しんだのよ。責任取りなさいよ」
斗鬼「…」
リア「はあ、倒したし、帰るか」
私たちが斗鬼さんに背を向けた時、斗鬼さんが声を上げた。
斗鬼「…君はなんで異変を解決しようとするの?」
私には変な問いにしか聞こえなかった。当たり前だよ。異変で苦しむ人がいるんだから。
そのまま私たちは歩き続けた………。
その翌日、私の家に斗鬼さんがやってきた。
斗鬼「この間は迷惑かけてごめんなさい。僕も君の仲間になりたい。ダメかもだけど」
そう言う斗鬼さんはどこか憂げで、私はぎゅっと心を掴まれた。気づいたらこう言ってた。
#名前#「君はもう私の友達よ」
私は久しぶりに寮に戻った。「早く戻ってきてね」
そんなクランの声が脳裏に響いた。私は嘘をついてしまった。クランを結構待たせている。私は大慌てでクランの部屋まで走っていた。クランは部屋で何かをしていた。
#名前#「クラン!」
クラン「あ!おかえり!私、ものすごい発見をしたの!」
クランは変わらない笑顔で「ものすごい発見」を見せてくれた…。
それは…。
ちっちゃな精霊だったんだ。
冬は真夏の暑さ
私はクランが出した「面白いもの」を覗き込んだ。それは…小さな精霊。中心が緑に輝き周りに黄緑の枠。
見てるだけなんだが心がホッとするような…。
クラン「可愛くない?私にもすぐなついたの…!あ、ほら#名前#にもなついたよ!」
クランの言う通り、精霊は私の元にきた。そして飛び跳ねては宙返りした。なんだが喜んでるみたい。
#名前#「ふふっ。可愛い!」
クラン「でしょ?この子、実は倒れててさ〜。だから私たち2人で看病しながら、この部屋で育てようよ!」
#名前#「いいね!名前は?」
クラン「あ、決めてなかった…。#名前#、一緒に考えよう」
そういうとクランは耳をつねった。クランの考えている時の癖だ。私も考えた。でも私ったらネーミングセンスがないんだから…。「はあ」と少しため息が漏れた時、頭の中で、何かが浮かび上がる。この子の名は…。
#名前#「この子は、『マリンカ」にしよう!」
クラン「へー!いいじゃん!#名前#、ネーミングセンスあるね!」
そうして、この子はマリンカに決まった。私たちは夜遅くまでマリンカとキャッキャ楽しく笑っていた…。
ちゅんちゅんちち…。
クラン「ふわぁ…」
#名前#「んー…。もう朝かあ…」
のびのび伸びをする。立ち上がった音で起きたのか。マリンカは私にくっついて体を譲った。
クラン「もうそろそろ冬だね〜。私、冬好き。寒いけど、雪とか降るもの。楽しいわよね」
#名前#「そうだね…。早く、雪降らないかなあ?」
マリンカ「ンカ!」
#名前#「ご飯、食べに行くからマリンカ待っててね!」
マリンカは体を宙返りした。頷きのようだ。
私たちは立ち上がり、寮の部屋を後にした。
それからしばらくたって。クランがため息をついた。
クラン「最近…冬のくせに、暑いわ…。真夏の気温よ。26°くらいあんじゃない…?」
#名前#「そうだね…。あ!もしかして!」
クラン「え?」
#名前#「なんでもない!ちょっと外行くね!」
クラン「え?うん…」
#名前#「少し帰るのは遅くなるかもー」
私は叫んで、外に出た。太陽がジリジリ。蝉が鳴いている。私はこれは異変だと思った。また、天空系か…。と少し嫌だったけれど、異変は解決しないと。
#名前#「名付けて、『真夏冬の異変』!解決しよう!」
私は学校を飛び出して、元気いっぱい青い空にジャンプした。
八月の雪
#名前#「ふーひー…。暑すぎる!やっぱりこれは異常すぎる!暑さ対策グッズ持ってくれば良かったあ!」
後悔するけどもう遅い。もう学園からは結構離れた「氷河丘」まできている。普通だったら今の季節、ここは深雪いっぱいのふかふか雪景色になるのに。今は緑の大地だった。これでは、冬生活の動物がうまく過ごせない。生態系が崩れてく。
#名前#「…誰もいないよ…。こんな暑さだもの…」
わたしが少し寂しくなってぼそり、つぶやいた時。近くで助けを求める声がした気がした。
「タスケテー」
微かな声だ。けど、なんだか勘を頼りにしてぐんぐん進んだ。暑さで弱っているのかもしれない。一応氷魔法は一つだけ使えるから、それを使って助けよう。
「たす、けてー」
とうとうその声が聞こえるところまできた。わたしの目の前には緑の大地に倒れ込んだ女の子が見えた。
水色の長い髪。水色の瞳。可愛い服。そんな彼女は今にも溶けてしまいそう。相当暑さに弱いんだ。
#名前#「任せて!助けるよ!フリーズビーム!」
水混じりの氷のビームがその女の子に直撃。その女の子の体をみるみる再生していった。当分はこの体が保たれるはずだ。
?「ありがと!お姉ちゃん!お姉ちゃんはなんて名前?」
#名前#「わたしは #名前#。あなたは?」
氷菜「あたしは氷菜。氷属性のエルフ!」
#名前#「なるほど」
確かに氷菜ちゃんの耳は少し尖っていた。これがエルフの特徴か。
氷菜「お姉ちゃんはどうしてここに?しんじゃうよ?こんな暑いもの」
#名前#「わたしは困ってる人のために、異変の元凶を倒しに行くの」
氷菜「げんきょー?」
#名前#「うん。これは魔界境お馴染み異変だと思う。今から天空界に向かうところ」
氷菜ちゃんは目を輝かせて叫んだ。
氷菜「なにそれー!楽しそう!あたしもついていっていい?」
#名前#「いいよ!ちょうど仲間欲しかったの」
異変は最低でも2人だからね。
氷菜「ありがとー!ねね、どうやって、天空世界に行くの?」
#名前#「それはね…。」
わたしは作戦を説明した。この近くの展望台に行き、わたしの魔法である、「あの星空」で、星を出し、それに乗って天空に行くって作戦だ。
氷菜「うわ!かっこいい!じゃあ、行こうよ!」
#名前#「うん!」
私たちは展望台に向かって歩みを進めていった。
雪だるまの作れない冬にはうんざり
本日は1日に二回投稿しました!明日投稿できるかわかんないからです!
#名前#「ここが展望台よ」
私たちは何時間も歩き続けて、やっとの思いで展望台に着いた。
氷菜「うわあ、綺麗だなあ。村や町…みんなみんなミニュチュアみたいに見えちゃう」
#名前#「ね〜」
疲れた後に見る絶景はまさに感動的だった。この絶景こそ、疲れを癒してくれる。
#名前#「さ、のんびりしてないで天空に行かなくちゃ。血乃乃瀬島以外も世界は広がってるはず!」
氷菜「血乃…?まあいいや。#名前#姉ちゃん!さあ、その技をやってよ!」
#名前#「任せて!『あの星空』!星よ、出てこい!」
私の叫びに、動じて、星が二つ彼方宇宙から真っ直ぐに飛んできた。その星たちはキラキラ輝いている。
わたしはタイミングよく、その星に乗っかった。
氷菜「わわ!これ、難しい…。よーし!飛ぶぞ!」
氷菜ちゃんは背中から美しい羽を出し、飛び上がった。そして、ぴょこりと星に収まった。
#名前#「うわぁ!かっこいいよ!さ、いこう!とべ、星!」
星は煌めく星屑を落としながらまっすぐ茜色の空に向かい、突き進んでいく。雲を通り抜け、夕日近くまでやってきた。雲の上から見る夕暮れ。地平線にオレンジの太陽が沈んでいく光景をただ黙って見つめた。
本当に夏の景色だよ。
#名前#「一体、誰が異変を起こしてるんだか…。いこう、氷菜ちゃん、油断しないでね」
歩くと雲の上は安定しないので私たちは星に乗ったまま雲の大地を進んでいった。特に変わったところは一つもない。
#名前#「異変の元凶は…空じゃないのかも…。せっかく登ってきたのになあ…」
氷菜「天空以外だったらなんだろね。山とか?それともお…?」
#名前#「山、だったら魔界境で一番でかい山、レモン山に行かないと…」
わたしが星を南に向けようとした、その時。氷菜ちゃんが突如叫んだ。
氷菜「待って…もしかしたら!『天気の真球』かもしれない!」
氷菜ちゃん、自分で言うのもなんなんだけど、好きかな。
天気の真球
最近このシリーズばっかだな、投稿してるの。
#名前#「天気の真球?なあに、それ?」
氷菜「エルフ界に伝わる、ゆうめーな言い伝え。その天気の真球で天気はつくられたんだって。その天気の真球を我が物にすると、自由自在に天候を操る能力を手に入れれるらしいよ…。すごいよね」
#名前#「じゃあ、それかも…。でも、その真球はどこに?」
そう聞くと氷菜ちゃんは頭をひねる。そして少し考えていた。
そして、手をポンと打って、答えた。
氷菜「確か、天気ヶ丘裏だったきがするよ。魔界境の北にある、有名な雪山、『白白山』の右にある小さな丘だよ。その丘裏の洞窟の金の台座にあるマーブル色の真球が天気の真球」
#名前#「白白山。聞いたことある。北の方にある『サオンノ村』付近にある山。よし…サオンノ村に、飛べ!星!」
わたしの叫びに応じて星はまっすぐ北に進む。北に行くにつれ気温が低くくなるはず…なのに、今は真夏のような暑さ。遠くに見えてきた白白山は真っ白なことで有名。だけど今は雪が全て消え、ただの山になっていた。
氷菜「そんな…この辺りは冬だと普通はマイナス1°くらいは行くのに…。どうして…今は十何°かはありそうだよ…。これじゃ生態系がどんどん崩れる。あたしみたいな雪属性の子達は溶けてく…。そして死ぬ。この異変は過酷だよ…」
そうだ。この異変のせいで魔界境が壊滅することもあるだろう。異変を起こしたやつ、なんてみんなのことを考えれてないんだろう。酷い奴め。
氷菜「あ! #名前#姉ちゃん!サオンノ村だ!サオンノ村が見えてきたよ!」
#名前#「本当だ!人がたくさんいるね!おりよう!降りろ、星!」
星は人里のある「緑」の野原に着地した。
普通は雪まみれなんだろうな。
住む人たちは汗だくで仕事をしていた。みんな寒いのが普通だから、もっこもこの熱い服しか持っていないんだ。可哀想…。少し涙が滲んだ時、声をかけられた。
?「あれ? #名前#さんじゃないか」
聞いたことのある声。この声は…。
#名前#「勇翔くん!と、紅麗亜ちゃん!どうしてここに?」
そう、仲良しかカップルの2人がいたのだ。
紅麗亜「勇翔とのデート。深雪とかを見たくてきたのに、この有様。 #名前#さんはどうしてここに?」
#名前#「この子、氷菜ちゃんと異変を解決するために来たの。この暑さは異変が原因だと思う」
紅麗亜「なるほど。 #名前#さんの言うことならそうかも。勇翔、私たちも協力しよう」
勇翔「俺はいいけど… #名前#さんは?」
#名前#「全然いいよ! 仲間が増えるのは嬉しいしね!」
紅麗亜「やった!氷菜ちゃん、よろしくね!」
氷菜「よろしくお願いします!」
そうして仲間が増えた私たちはまた星に2人づつ乗って、ゴールである、「天気ヶ丘裏」にたどり着いた。
次回、ついに異変の元凶登場!
狂ったピエロの夢
異変の元凶登場!
#名前#「ここが…天気ヶ丘裏…?」
氷菜「うん。ほら、あれが、その洞窟。」
氷菜ちゃんが示したところには奥が少し緑に光っている小さな洞穴があった。
それ以外は特になにもない。ただちょっぴり雪がある。なんだかそれが嬉しかった。
紅麗亜「あの洞窟に、異変の元凶がいそうなんだよね?」
氷菜「うん。きっと、敵は色々罠も仕掛けていると思う。。気をつけよ!」
勇翔「おう。」
一行は身を潜め、淡い緑の洞窟に足を踏み入れた。_と、そ瞬間、わたしは眠気に襲われた。
目がぼやぼやする。みんなもふらついている。なんでだ?この緑の煙?を吸った瞬間、眠くなった。
もしかして、敵は「眠気を操ることができる魔法の持ち主」_なのか?だとしたら手強そう。
わたしはなんとか眠気を振り払った。みんなもうとうとしながらも前へ前へ足を進めている。
限界まで頑張って、頑張れば、眠気なんて平気にたるだろう。
紅麗亜「…うう、眠い、眠いよ…」
勇翔「我慢するんだ…。きっと、この煙の効果もそんな長くないはずだ。」
紅麗亜「そうね…」
勇翔くんの言う通り。ずっと、歩いているうちに、煙は消えたし、その効果も消えたようだ。
氷菜「ふー。終わった…。あ!見て!」
氷菜ちゃんが指差したとところには…。金の台座があった。でもなにも置かれてない。そのマーブル色の真球なんてものはなかった。
#名前#「…異変の元凶!出てこい!そして、天気の真球を返せっ!」
?「キャハハ。。」
上から声がした。邪悪な笑いだ。
#名前#「いるなら、出てきてよ…」
その声に答えて、上から影が落ちてきた。そして、少女の姿がはっきりした。
二段に分かれたピエロ帽子。オレンジの髪の毛。赤い瞳。彼女こそ元凶だろう。
ルクッタ「キャハハ!ようこそ、お客様!あたいはこの洞窟に住む道化師、ルクッタ・アーマネットだ!」
氷菜「ルクッタ・アーマネット…?それって、みんなを幸せにした大エルフじゃないの…!???確か、2年前、行方不明だった…!?」
ルクッタ「よくぞ、ご存知で!その通り。あたいは昔、みんなを幸せにしてたさ。でも幸せにするなんていらないの!だから家を出て、ここで『天気を操る』ことにしたの!」
氷菜「そんな!???なんでそんなことをするの!???あなたはみんなを幸せにしたい思いがあるんでしょ!!??」
ルクッタ「そんな夢…もうないさ。あたいの夢は、『みんなの不幸を作る』だからね。手始めに、『冬』をなくしたの」
#名前#「そんなことして、ルクッタさんは楽しいの!???」
それを聞くとルクッタは叫んだ。
ルクッタ「楽しいよ!みんなの不幸は楽しいよ!」
#名前#「そんなの嘘だ!今ここで正気に戻す!」
氷菜「うん!」
ルクッタ「おもしろーい!あたいと戦うのね!」
紅麗亜「そうよ!絶対勝つ!」
ルクッタ「あたいに勝てるかな?みんな、がんばれー!」
そうして、私たちとルクッタの戦いが始まった。
あの道化師は淡い夢を見る
私たちは今まさにルクッタさんと戦いを始めていた。
紅麗亜「えいっ、|夢夢呪環《ゆめゆめじゅかん》!」
#名前#「|煌星弾《きらぼしだん》!」
私たちは協力して多彩な技を繰り出したが、ルクッタさんはほとんどは避けていた。当たっても「痛くない」という顔。
ルクッタ「君たちの技って、それほど?フフッ。なら、あたいの技を見てみな!きっと、腰を抜かすよ!」
氷菜「まずいよ。ルクッタさんはとても強い大エルフなのに…!」
氷菜ちゃんが悔しく叫んだけど、もう遅い。ルクッタさんは早いのだ。一瞬で魔法を繰り出した。
ルクッタ「|虚空断ちの黒雷《こくうだちのくろいかづち》!」
右、左を黒いレーザーが横切った。危機一髪。私の袖が一瞬で貫通していった。
#名前#「みんな、大丈夫!???」
紅麗亜「うん…でも勇翔が…」
#名前#「え!?」
確かに、勇翔君は腕に穴が空いていた。
腕が貫通したんだ…。
勇翔「クッ…」
血がポタポタ垂れてきた。
紅麗亜「そ、そんな…」
慌てる紅麗亜に氷菜ちゃんが声をかけた。真剣な目だ。
氷菜「あたしに任せて!」
紅麗亜「?」
氷菜「#名前#姉ちゃんと、紅麗亜姉さん、いいから!攻撃してて!」
氷菜ちゃんにしては真剣な目。わたしは頷いた。そして紅麗亜とルクッタさんに向かって入った。
ルクッタ「…1人くらったか…。よし!くらえ、ブラックホールストライク!」
下に空間が開き、そこから無数の手が伸びてきた。バシバジ。
そこから手は攻撃してくる。
#名前#「ウゥ…!」
当たると痛い。でもわたしも紅麗亜ちゃんも怯まず、ルクッタさんに攻撃!
紅麗亜「桜花連射!」
#名前#「星夜の夢!」
強い技が一気にルクッタさんの体力を削った。
ルクッタ「な、なんだって…。このあたいがこんなに、追い詰められるなんて…!」
#名前#「後一発くらい…氷菜ちゃん!」
氷菜「うん!任せてー!」
氷菜ちゃんはすでに手当を終え、待機していた時だった。
氷菜ちゃんは指をまっすぐ上に伸ばして叫んだ。
氷菜「|氷結破氷の一閃《ひょうがけつはひおうのいっせん》!」
指から氷のビームが打たれる。ルクッタさんはまっすぐ倒れた。
#名前#「ふう、疲れたあ。勇翔くん、平気?」
勇翔「ああ。氷菜の変な魔法で治った。」
確かに、穴が塞がれてる。
#名前#「よかった!…で、ルクッタさん。」
ルクッタさんは黙っている。
#名前#「教えて、怒ったりしないよ」
ルクッタ「あたいは…。昔みんなと仲が良かったのに。裏切られた。だから復讐、したかったの…」
続く
悲しい夢のあとは
__あたいは昔、とある村で生まれ育った。あたいは学力も良くて、運動もできるし、明るくて真面目だ。だから、周りから「ルクッタ、すごいね」と褒められていた。あたいはどんどん自信を持っていった。そして、何年まえかな…。多分、3年前。あたいが頑張って発見した「魔法には約百属性がある」をあたいは発表することにした。発表直前のこと。事件は起こった。あたいの書いていたレポートを盗まれて、別の人があたいの発見したことを発表したの_。そうして、あたいは許せなくって、一年悩んだ末、家を出て行くことに決めた_。そして、みんなを困らせて、復讐することに決めたの_。
---
…確かに、ルクッタさんの体験したことは辛かったに違いない。自分が褒められるはずだったのに、別人が褒められた_なんて。そこは理解できた。だからこそ許せる。ルクッタさんのした罪は確かに重い。でも、
彼女なりにそうして理由があったのだ。
ルクッタ「あたいのやったことはとても悪い事だ…。もうあたいを捕まえて縛り上げて、異変協会に送るがいいさ…」
#名前#「…ううん。わたし、許すよ」
紅麗亜「 #名前#…!ルクッタさんはみんなの大切な冬を盗んだのよ。もしもこのままだったら大変なことになっていた…」
#名前#「いいじゃん。ルクッタさん、友達になろう!」
ルクッタさんは戸惑いながら私を見つめる。氷菜ちゃんも勇翔くんも紅麗亜ちゃんも呆然としていた。
ルクッタ「いいの…?あたいと…友…だち…なんて…」
#名前#「もちろん!」
私がニコリ微笑むと、ルクッタさんも笑い返した…。
#名前#「ん…んん…」
私はゆっくり布団から起き上がった。
異変を解決してからもう二日。クランとマリンカと楽しくしてる。
クラン「ふわぁ…おはよぉ…」
マリンカもジャンプして気分良さそうだ。
#名前#「今日もいい天気だね…」
そう言って窓を除き、ギョッとした。
#名前#「え。え!?」
続く
物の神隠し
私は窓を見てギョッとした。なぜなら…。そう、利麻が居たからだ。
私が見えたのか、手を大きく振っている。
#名前#(な、なんで利麻が…?何かあったのかな…。行くか…)
せっかく、親友が呼んでくれているのだ。行くしかない。それに、もしかしたら異変が起こったのかもしれない。…二日しか経ってないのに、異変起こるの早いなあ…。
#名前#「クラン、ちょっと用事があるの.外に行くね!」
クラン「え?また…?待ってよ、 #名前#…!」
しかし、クランが叫んだ頃には #名前#は居なかった。
クラン「……… __#名前#、私には何も教えてくれないの…__」
#名前#「…利麻!」
利麻「! #名前#、気づいたか!」
利麻はホッとして 私に近づいた。そして大声で叫ぶ。
利麻「大変なんだ!私の大事なペンダントが消えたんだ!後…」
…ここでこんな叫んだらみんなに聞かれてしまう。
#名前#「こっちに来て。」
私は雑木林へと利麻を招いた。そして花音の秘密基地に入った。別に入ってもいいだろう。
#名前#「で、どうしたの?」
利麻「…私の大事なペンダントが消えた。しかも…三葉も消えてしまったんだ。」
#名前#「え??三葉が消えた?ペンダントならまだわかるけど、三葉はどういうこと…!???」
利麻「私と利麻は『ウキウキワンダーランド』っつう、最近できた遊園地に行ってたんだけど…。そこの『ワクワクボックス』とかいう変なアトラクションの前で三葉が消えてしまったの。」
…「ウキウキワンダーランド」…聞いたこともない。めちゃくちゃ怪しいぞ。
#名前#「…とにかく、ペンダントと三葉を探すってことね…。」
利麻「そゆこと!理解はやくて助かる〜!」
#名前#「じゃ、ウキウキワンダーランドが怪しいと思うわ…。ウキウキワンダーランドに案内してくれる?」
利麻「うん!」
利麻に案内されて私は電車2本に乗り…。魔界境の東に来た。すごい。都会。
そんな都会に目立つようにウキウキワンダーランドはあった。すごく目立つテーマパークだな…。
利麻「ここ。今日が開園日だから、すごく人がいるし、迷子になったのかもな。とにかく『ワクワクボックス』まで案内するよ」
#名前#「よろしく」
利麻が園内に足を踏み入れた…時。
声をかけられた。勿論、聞いたことのある声。
声の主は…リアさんだと思う。
#名前#「リアさん?」
リア「 #名前#!やっぱり #名前#だね。てゆーか僕のことわかったのか…。ん?ゆーは?」
ゆー、というのは利麻のことだろう。利麻は明るくこたえた.
利麻「私はファッションリーダーの利麻よ!」
リア「面白い友人だね。」
#名前#「ん?そういう利麻さんも新しい子を連れてるね」
リア「ああ、この子は…」
リアさんが紹介する前にその人が答えた。
悠久「僕は|月見里《やまなし》|悠久《ゆうき》です」
#名前#「悠久くん!よろしくね。2人は何をしてたの?」
リア「それが…この子が泣いてて…」
…気づかなかったけれど、2人の間に小さな女の子が泣いていた。
クラン、闇堕ちか…?
物は消えてく
そう。真ん中に小さな女の子。まだ5歳くらい?
#名前#「…だあれ?」
闇夜「…|闇夜《あんや》…。」
#名前#「なんで泣いてるの?」
闇夜「大事なぬいぐるみ,アトラクションの前で落としちゃったの」
利麻「…それは落としたのか?消えた,じゃなくて?」
それを聞くと闇夜はギグっとした。何か思い当たることがあるようだ。
悠久「…消えた?どういうことですか?」
闇夜「…このお姉ちゃんのいう通りかもしれない。確かに消えたと言った方が良さそうだよ…」
リア「つまり…異変ってこと。?」
#名前#「そう言って良さそう。実は,怪しんでる建物があるからそこに行こう。闇夜ちゃんも悠久さんたちもついてきて!じゃ,利麻案内して」
利麻「あ,そうか。じゃ案内するな」
利麻についていくと人賑わいの無いところまできた。…こんなところにアトラクションがあるの?てかなんでここだけ,人がいないの?なんか怖いって…!
それをみんなも感じたのだろう,リアさんが利麻に尋ねる。
リア「本当にここにアトラクションなんて…?」
利麻「確かここだよ…!ほら,あるじゃないか!」
利麻が指差したのは質素な作りの紫の箱型アトラクションだった。内部はカーテンのせいで見えない。けど,周りに従業員もいない。
悠久「怪しいですね…まあ行きましょう」
みんな「うん!」
私たちがカーテンをくぐぬけ、内部に入った_と,脳の隅で声がした。
可愛い高い声だが,少し怖さも感じる。なんて言ってるんだ…。でもこの声の主は異変の元凶ではなさそうだ。なんかそう感じるのだ。なんとなく。
そして,それから強い光が差した。目を開けれない。
#名前#「ッ…何!?」
利麻「こんなアトラクションダメだろ!」
しかしその光は束の間に消え去った。私たちが恐る恐る目を開けると…。
そこはアトラクションの中とは思えない,不思議な空間だったのだ。
地面は硬いコンクリートのような物。そして周りは赤いモヤだった。
?「やあ,ようこそ。あっしの世界へ!」
#名前#「誰!!??」
私が叫ぶと|1人の少女《異変の元凶ではない》が,舞い降りてきた。
黄金の髪でお嬢様のようなボブカット。そしてなんとも目を引くのは黒いキツネのお面にキツネのケモ耳。そしてふっわふっわの尻尾だ。この人も妖怪ぎつねなのか?
利麻「異変の元凶じゃなさそうだな…。誰だ?」
?「あっしは|狐林殿《きつりんでん》の番人だよ。そしてここはあっしの作った世界。さ,あっしは答えたからあっしが次に質問するよ。お前らはなんでここに来た?」
#名前#「気づいたらここにいたの。別に曲者じゃないわよ!」
?「…曲者ね。りょーかい。」
#名前#「なんで!???曲者じゃないってば…」
?「そういう奴こそ,曲者なんだよ…。もう400年も番人やってんだ。それくらいわかる」
400年…?
?「とにかく!曲者を狙う奴は生きて帰さない。そして,向こうに行かせない。この|狐妖《きつよ》が相手だ!」
殿の番人
利麻「なっ,たたかいだってえ!?あたしたちは今すぐに異変を解決したいんだぞ!」
狐妖「うるさいっ、曲者なんか通させるか!そんなに戦いたくないなら,降参するんだ!そらっ!」
狐妖さんはいうが早いが,いきなり攻撃を仕掛けてきた。
狐妖「くらえっ,『地獄炎の巻!』」
ボンッ
巻物が出現して辺りを真っ赤に燃やした。赤い世界だ。彼女は上手に巻物を操り,私たちを焼き尽くそうとしている…!
#名前#「…信じてよ!私たち,本当に曲者じゃないの…!」
しかし,どんなに言っても狐妖さんには通じないようだ。これじゃ…私たちが死んでしまう…!私は覚悟を決めた。わからせるには倒すしかないのだ!
#名前#「くらえっ,星降り弾!」
星が狐妖さんにまっすぐ向かっていく。並の敵だったらこれを喰らえば一発でノックアウト…なのだが,なんと狐妖さんは全て,軽々と避けてしまっているのだ。
狐妖「ハハっ。おまえら,弱いなあ。これじゃ相手にならないよ!ふふっ。。!喰らえ!『滝噴水の巻!』」
狐妖さんの操る巻物は今度は大量の水を噴射した。ただの水…と侮れない。威力は強いに決まっている。
リア「…!|操リ人形《アヤツリニンギョウ》!」
彼操る魔法が狐妖さんに直撃。刹那、狐妖さんは苦しみ出した。
狐妖「な、なんだ…!上手く体が使えない!」
闇夜「す、すごい!今だよ!」
悠久「僕が援護する!利麻さん?は攻撃をして!」
利麻「うん!」
利麻が叫び攻撃を出す。
上手く体が使えず狐妖さんは倒れる。そしてそんな彼女にとどめの少量の電気が流れた…。
狐妖「か、かんぱいだあ…。まさかあっしが負けるなんて…」
利麻「結構、迷惑かけたんぞ…さ,約束通り奥に通らせてくれよ。」
狐妖「仕方ないなあ…。約束だしね…」
狐妖さんは渋々私たちを案内した。長い路線階段を登り,何個かの部屋を通り抜けた。でもどの部屋も整理されてないらしく、全部汚かった。
なんどもなんどもそんなことを繰り返しているとやっと、広間らしきところに着いた。時間かかりすぎでしょ…。
狐妖「ここが、|歩狐《あゆぎ》様の部屋。言っとくけど,歩狐様は何もしてない!歩狐様はとても間抜けものなんだから、人に迷惑をかける暇なんて,ないんだよ」
…でも調べないとね。それにここを通り抜け元凶のいるところに通り抜けたいし。
狐妖さんはドアを軽やかに開けた。広間に足を踏み入れる_。刹那、声が響いた。
?「あら?あなたたちは誰なんですの?」
上品な口遣い、大人ぽい声だが,少し幼稚さも混じっている。
利麻「え,えっとな…あー聞きたいことがあるんだ…。あなたが歩狐ってやつか?」
歩狐「そうですけれども?なにかしら?わたくしにようでもあるのかしら?」
利麻「ん…あなたは異変を起こしては…いないか?」
それを聞くと歩狐さんはピンクの目をぱちくりして笑う。
歩狐「何をおっしゃいます?わたくしは異変なんて知りませんわ。変な人を中に入れたこと。さあ,お帰りなさい。わたくし、忙しいんですの」
#名前#「…なら…何か物を隠す能力や魔法を持つ友達とかっていますか?」
歩狐「何言ってるのかしら…そんなことは…」
ふと歩狐さんは声を止めた。
歩狐「もしかしてあいつじゃないかしら…?別にご親友ではないですわ。でも知り合いで異次元へなんでも放り込む力を持つものがいるわ。そいつの家に案内しますわ」
闇夜「本当!???うわあ,優しいなあ!ありがとうございます!」
歩狐「うふふ。さあ,着いてきなさい」
歩狐さんは美しい白い長い毛を靡かせ,私たちを手招いて行った。
物隠しの元凶
私たちは今歩狐さんに案内され赤いモヤのかかる世界を歩んで行った。
歩狐さんと、狐妖さんは足が早く、私たちは頑張って足を動かすのが精一杯。
早速,利麻が文句を言った。
利麻「まったく,早すぎるぞ!少しは遠慮してよ…!」
狐妖「うるさいなあ…。お前らが遅いんだよ。あっしたちの足は普通だ」
闇夜「そ、そうでしょうか…?」
歩狐「うふふ。そんなに言うならついてかなくてもよろしくてよ」
#名前#「い、いや!ついてきます!頑張って、いきます!」
リア「僕もだ」
悠久「頑張りましょう」
言い合いをしつつもどんどん世界を進んでいき…… 。
やっとの思いで元凶がいそうなところに着いた。そこに足を踏み入れた途端、世界が明るくなる。モヤはきえ、西陽が反射した。
利麻「うっわ、眩しっ」
歩狐「わたくしたちも光を見るのは久しぶりですわ…。では、わたくしたちはもう帰りますわ…ごきげんよう」
狐妖「じゃあねー。がんばりなよ〜」
#名前#「ええ!???一緒に戦おうよ….」
でも私がそんな声を上げた頃には2人の姿は消えていた。
利麻「はあ,仕方ない!あたしたちで戦うしかないよ…」
リア「そうだね。えいえいおー…」
ザッ…
言い終わる前に音がしてエルフの少女が姿を現した。絹のように綺麗な白い毛を持つそんな彼女は口をゆっくりと開く。
心寧「私は立花心寧!エルフよ!よろしく!」
心寧と名乗る彼女は私たちにさほど興味を持っていないようだが,「ある人物」をみた途端,急に興味を持ち出した_かのような動きを見せた。急にソワソワし言う。
心寧「え?あれって…狐?」
リア「エ?僕のこと?」
そう,心寧という少女は狐が好きなよう。だから2人は逃げたのかな?
利麻「あんたが異変の元凶だな!倒す!」
心寧「えっ?私を倒す?」
利麻「そのとーり!覚悟!『闇闇くぐつ」!」
闇の光が心寧さんを襲う!しかし心寧さんは慌てて避けた。
闇夜「あわわ…。闇夜も手伝います!『暗闇束縛』!」
闇夜さんの放つ陰はまっすぐ心寧さんに当たる。
心寧「な、何?急に真っ暗に!」
闇夜「この技は…暗闇を見せれるのです!あはは!戦い楽しいい!『黒黒呪願』!あはは!」
闇夜さんはいきなり狂ってしまったのか。すごいスピードで攻撃を出す。
心寧さんは攻撃を喰らいつつも避けていた。当たっても少ししか気にしていない。
闇夜「ああ。強いんだねえ…なかなか喰らわないよ…!」
心寧「…なんで襲うのよー!」
悠久「闇夜さん、手伝うぞ!僕が炎を出して惑わさせる。闇夜さんはそのうちに攻撃して!」
闇夜「おーけー!」
悠久さんの炎が心寧さんを惑わす!
そのうちに闇夜さんが動いていた。
闇夜「|真っ黒世界《ブラックランド》!」
闇夜さんの攻撃が炸裂!並の敵だったらダウンしてしまうだろう。
心寧さんは体力が多く、なかなか倒せない。攻撃をされまくって、心寧さんは怒ったのか。まあるい玉を取り出した。
心寧「うるさいなあ!これに当たってみなさい!」
心寧さんが投げようとした_その時だ。
狐妖「突風術の巻!」
ひゅおおお
風がまあるい玉を壊した。中から煙が漏れ出す。
心寧「なっ…!???」
歩狐「少々手荒なことをしますけど…ごめんあそばせ?『安楽死』」
歩狐さんはまだまだ有り余っている心寧さんの体力を一気に削り…ノックアウトさせた。
心寧「ご、ごめんなさい!ちょっとしたイタズラ心で…」
利麻「ふん,悪戯にしてはちょっと過激だったんじゃないか?それにしても…歩狐、強いな」
歩狐「うふふ。それより心寧はどうしますの?」
#名前#「もっちろん,ゆるし、友達になろうね!」
利麻「 #名前#…相変わらずだな…」
心寧「ゑ?友達…。ふんっ!別に友達にならなくてもいいわ///」
#名前#「正直じゃないなあ…友達…ね!」
そうしてこの異変も無事,解決したのであった!
ちょいと長め
記憶消失異変
今回は大体真里茂ちゃん視点!夢主ちゃんが全く出ません。逆に被害者。
真里茂「んー♪いい天気だなー」
音呂「真里茂、今日は花音と#名前#さんの家に行くんでしょ?早く支度しないさい」
真里茂「ふわーい」
そう。今日はお友達の#名前#さんの家に行くのだ。#名前#さんと会うの久しぶり。元気にしてるかな?
階段をパジャマで駆け下り、急足で食卓に向かった。
花音「あれ?パジャマじゃない?」
真里茂「着替えるの遅いからささっと食べちゃうの〜」
花音「ふーん…。ああ!じゃがスープじゃない!サイコー!」
お姉ちゃんは大のじゃがスープ好きだ。私ももちろん好きだ。2人でじゃがスープを飲み干し、天日干し魚を食べた。
真里茂「ぷはあ!美味しかった!じゃ支度してくるね!」
花音「そうね」
そうして私たちは支度をし、じゅんちょーに船まで乗ることができた。#名前#さんの家まであと少しだ。
花音「あ,見えてきたわ。#名前#さんの家のある島よ!」
真里茂「本当だあ!」
やがて港につき、私たちは早速#名前#さんの家に行ったのだ。
真里茂「#名前#さーん!真里茂だよーっ!」
#名前#「?はーい?」
なぜか#名前#さんはとぼけた声を出してドアを開ける。少し疑ってる様子だ。
#名前#「…?なんのようでしょうか?」
真里茂「え?敬語?頭トチ狂っちゃた?」
#名前#「いや…何をおっしゃいます?私、貴方様など知らないのですが…」
真里茂「ええ!???」
それを聞きおねえちゃんも慌て叫んだ。
花音「#名前#,何を言ってるのよ!私よ,花音よ。覚えてる?」
#名前#「い,いえ…」
花音「じゃ,じゃあ…音呂は!?覚えてる?自分の名前は!?おぼえてる!?」
真里茂「お、お姉ちゃん,落ち着いて!」
#名前#「だ,誰のことかしら?覚えてませんわ…」
まるで自分の口調まで忘れてしまったようだ。お姉ちゃんはそれを聞くと「う,うう。。」と呻き声をあげクラクラ倒れてしまった。
真里茂「お姉ちゃん!」
#名前#「まあ,大変ですわ。私が看病しときます。」
真里茂「え…」
………。そうして結局私は家を追い出されてしまった。お姉ちゃんは「花山病院」に預けるそうだ。
一体,#名前#さんどうしてしまったのだろう?しばらくの間我を忘れて深く考え込んでいた…。
?「うわあああ!」
そして私は1人の泣き叫ぶ声で我に帰った。
真里茂「えっ?誰?どうして泣いているの?」
私があちらこちら見渡すと…。近くに二段に分かれたピエロ帽を被った少女が泣いていることに気づいた。
私はすぐさまその子に近づいた。
真里茂「貴方は誰?どうして泣いているの?」
私がそっとハンカチを差し出すとその子は涙を拭き口を開いた。
ルクッタ「あたいはルクッタ・アーマネット。大エルフ。親友の氷菜っつうやつと待ち合わせしてて…。ここであったら…」
真里茂「なあに?」
ルクッタ「あいつってばあたいのことを忘れててさ!『貴方誰?』とか言ってきたんだ。結局あたいは人違いだと誤魔化したけど…。一体氷菜どうしたんだ!昨日までは普通だったのに!」
真里茂「うーん…」
そう_ルクッタの体験していることは私のとそっくり。もしかして…これは…。
**異変?**
…絶対にそうだ!
真里茂「よーし!ルクッタもついてきてくれる?私は真里茂!よろしくね!」
ルクッタ「…え?ついてくけど…。何?どうかしたの?」
真里茂「これは…立派な異変なんだよ。きっと…」
まりルクサイコー!
記憶の残像
私たちは今_「くらやみもり」にいる。くらやみもりは地図にも載っていない恐ろしいもり。度々ここで昔は異変を起こしていたそうだ。そんなくらやみもり_にいる気がする。なんだか勘がそう叫んでいる。
ルクッタ「なんだよ,ここは…。こんなところに…なんのようがあるの…?」
真里茂「多分,ここに元凶がいる気がするんだよ…。なんだか勘が言ってるの」
ルクッタ「へ,へー…」
私は幼い頃近くの森で遊んだりしていた。だから森で育った…言っても過言ではない。だから勘が当たると思うのだ。深い深い闇夜の中を2人で歩いていく。
真里茂「ねえ,ルクッタは強い?」
ルクッタ「ん?わかんないよ…。最近自信無くしてきたからなあ…。」
真里茂「そっかあ」
もしもルクッタさんがあまりにも貧弱だったら2人では勝てないだろう…。私だって最近遊びすぎてまともに戦うことも難しいのだ。できれば仲間を増やしたいのだが…。
ざざざ…。
風に揺られたのか?それとも…まるで誰かが動いたかのような音がした。
ルクッタ「え!?だ,だれか…いるの?」
ルクッタが問うが誰も現れない。
真里茂「…気のせいじゃない?」
ルクッタ「そうだよねっ!」
私たちは気を取り直し歩き始めた。でも明らかにするのだ…気配が。
やっぱり誰かいる!
そう思った頃にはもう遅く,いきなり少女が飛び出してきた!
風で薄いオレンジの髪が靡く。
その少女はいきなりも攻撃を仕掛けてきた!
?「『幽遊困難』!」
彼女の声は高く,まだ小さな子供のような声だった。
ルクッタ「うわぁ!」
ルクッタさんは私を引っ張り慌て避ける。間一髪。ルクッタさんが引っ張っていなかったら私は…。
?「ふふ…久しぶりのお客様だもん。少し遊ばせてよ」
幼稚な声で少女は笑った。
真里茂「貴方は…誰?」
咲耶「|木花咲耶《このはなさくや》…。くらやみもりに住む哀れな妖怪よ!」
咲耶が叫ぶだけで近くの花が喜ぶかのように揺れた。
ルクッタ「うわあ,花が生きてるように揺れてる!」
咲耶「ふふ。私は花を元気にすることができる
能力を持つトクベツな|妖怪《妖精》なんだよ…。ふふ。」
咲耶は不気味に笑う。なぜだかその瞳は暗く翳っているように見えてしまった。
ルクッタ「なーるほど。あたい達とバトルね!」
咲耶「その通り」
ルクッタ「あたいらに勝てるかな〜?がんばれ!」
咲耶「勝つに決まってるよニヤ」
ルクッタ「さ、バトルだ!」
続く
豆知識 咲耶の名前は花の神様 木花咲耶姫が由来です!(咲夜とはかんけーない)
華散らす妖怪
咲耶「彼岸の小夢!」
ルクッタ「うわああ!」
戦いは激しさを増していた_。私、ルクッタさんは2人だが2人でもなかなか咲耶は倒せなかった。恐るべし妖怪。彼女の技は全てを花園へと変えていた。
ルクッタ「やられてばっかじゃあ,大エルフのプライドが下がる…!よし,これでどうだっ!『足元のおもちゃ箱』!」
ぽぬっ。何かが地面に仕掛けられた音がした。咲耶は一緒驚いたがすぐに気を取り直し私たちに迫る。
咲耶「ふふ。何がなんだろうと恐れない!喰らえ!百花繚乱!」
咲耶さんの手からたくさんの花が撒い、私たちを襲う_その時だ。
咲耶「きゃああ!」
地面に仕掛けられた_「|おもちゃ箱《死の箱》」から無数のナイフが飛び散り妖怪の少女を襲う。
もちろんこんな狂った攻撃から逃れるはずがなく,妖怪少女はナイフに当たりまくり血をたくさん流す。
咲耶「な,何よ…この技は!」
ルクッタ「ふふ。あたいの恐ろしさを今頃知っても無駄よ!」
真里茂「す,すごい!」
私も負けてはられない。私の恐ろしさを思い知らせねば。
真里茂「死ねい!無慈悲な悪戯!」
咲耶「な,なんだ…これは…」
咲耶が今見ているのは「悲しい幻覚」苦しくて悲しくて怒りが込み上げてくるような_幻覚を見せられて咲耶は逃げ惑う。だがどんなにどんなに走ろうが幻覚が終わるわけなかろう。
真里茂「フッ。今だ!『断末魔の囁き』」
私は相手の精神に語りかける。もちろん語りかけるのは絶望的なオハナシ。幻覚でオハナシで完全に心を破壊された少女はフラフラと倒れ込む。もう声も出せずにただ唸っていた。そんな彼女にルクッタがトドメを指す。
ルクッタ「玩具仕掛けの悪夢!」
巨大な人形やぬいぐるみが咲耶を囲み一斉に攻撃をした。妖怪少女は声も上げれずに吹っ飛ばされた。
ルクッタ「まったくなあ…。いきなり攻撃を仕掛けれるなんて…。迷惑にも程があるんだよ?」
真里茂(確かルクッタさんもいきなり攻撃を仕掛けてきた…って紅麗亜が言ってた気が…)
咲耶「…だってえ、久しぶりのお客様だったもの。もうきっと5年ぶりよ。だから少し遊ばせてもらいたかったのよ…」
遊び,だったのか。あれは。
ルクッタ「ふーん…」
咲耶「それよりお前らはなんでここにきたの?別にここには何もないよ?」
真里茂「このもりの奥に誰かいる?」
咲耶「え?この奥?…ごめんなさい。この奥には何もないの」
それを聞いて私らは呆然とする。おかしい。確か噂だと不思議な洞窟があったり,廃村があったり…。
咲耶「実は…私が遊びにきた人たちにただ幻を見せてたの。だから幻を見た人は何もないところで歓声を上げてただけよ」
真里茂「え!!?そんなあ,じゃあ来た意味がないじゃない!」
咲耶「本当にごめんなさい…」
真里茂「そっかあ…。仕方ない…」
ルクッタ「じゃ,これからどうするんだよ?」
真里茂「お姉ちゃんを迎えに花山病院に行こうかな。2人もついてきて」
ルクッタ「うん」
_私たちがもりを後にした後。
1人の魔法使いがふふと微笑んでいた…。
深奥の魔法使い
私たちが花山病院の百号室に入ると早速看護師の蓬さんがやってきた。蓬さんはポニーテールにした茶色い髪を触りながら言った。
蓬「花音様はショックで倒れたようです。なので命に別状はありません。ご安心を」
真里茂「ふわあ,良かった!とりあえず安心。安心…」
蓬「ご安心できて何よりです。もしも花音様が回復した時のため,あなたのお家の電話番号を教えてほしく…」
その時だ。後ろのガラスが音もなく、割れた。突然のことに私もルクッタも咲耶も蓬さんも棒立ちになる。
ガラスを突き破った少女はゆっくり唇を開いた。
?「…君たちだよね?くらやみもりにきて、わーの噂してたの」
ルクッタ「え?う,うん…」
?「…ふーん…。い、言っとくけど…。わ、わーがその異変を起こしたの」
咲耶「え!?げんきょーってこと!?」
?「そ、その通り」
元凶の彼女は大きな魔女帽子を被り薄い緑のおさげをしたいかにも魔法使い、な女の子だった。
真里茂「…あなたのお名前は?」
菫「わ、わーは…す、菫…。落ちこぼれの…魔女…」
真里茂「へー。まあとりあえず!」
ルクッタ「元凶は倒す、でしょ?」
真里茂「その通り」
私は満足げに頷いた。菫を倒し,#名前#さんを元に戻すんだ!咲耶が叫んだ。
咲耶「さあ,バトルよっ!喰らいなさい!『桜花爛漫』!」
咲耶さんが叫ぶと桜が舞い散り視界を悪くした。
菫「え?な,何…。わーと…バトル?」
咲耶「そうよっ!」
菫学園うろたえている間に咲耶さんが桜の中を駆け抜けていく。
ルクッタ「よーし!あたいだって!『笑顔の爆弾』!」
ぽぬっ。菫の周りに笑顔のバルーンが出現し激しく割れた。
菫「う、うわ…!よ、よーし!『心奥の洞窟』!」
菫さんの周りから綺麗な星の川が流れていく。蓬さんとベットに横たわるお姉ちゃんは避けれずにながされていく。
蓬「う,うわあ!」
真里茂「くっ,なんとか耐えてください!菫,覚悟!血塗れの鎖!」
私が叫べば血で濡れた真っ赤な鎖が飛び散り血を飛ばす。そんな鎖は川を真っ赤に変えながら菫に突撃していた。菫はバルーンをくらい鎖をくらい桜にあたり…ボロボロだった。
菫「わ、わーの服がこんなに…ボロボロにっ!くそっ!本気を出させてもらう!」
菫のさっきまでのオロオロした様子は何処へやら。菫は静かに目を閉じた。すると菫の周りがすみれ色に輝く。
ルクッタ「な,何よ…」
私は思った。こうしている間に遠距離攻撃を仕掛けようと…。何をしているのか知らないが今が最大のチャンス。攻撃をすれば。やつは倒れるはずだ。
真里茂「よーし!もう一度… 血塗れの鎖…!」
小声で言ったから聞こえないはず…だったのだ。鎖がバシッと菫に当たる直前だ…。
菫「ふっ!」
菫はそう叫びものすごいスピードで避け、鎖を跳ね返した。
真里茂「なっ…」
私は避けれずに吹っ飛ばされ後ろにいた咲耶,ルクッタに当たったしまった。
菫「うふふ…。どう?わーの能力…。」
咲耶「お前の…能力?お前にも能力があるの…?」
菫「当たり前じゃない?わーは…心を読めるんだよ?」
続く
わーとは特殊な一人称でございます。