我々の世界とはちょっと違う、動物モチーフキャラたちの学園物語!!
ギャグあり、コメディーあり、ミステリーあり!!
しがない男子高校生の日常をご覧あれ!!
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目次
ある日の日常(大島視点)
初めての小説です。
僕の創作「大島ズ」のストーリーです。
それでは、行ってらっしゃい!
「ピピピピ、ピピピピ、ピピピピ、、、、」
「んん、、、、」
昨日自分でかけたであろうアラーム音で俺は目覚めた。
俺は大島輝騎。ただの男子高校生だ。
まあ、それ以上言うとナルシストかと言われると思うので、自己紹介はこれぐらいにしておく。
とりあえず起きなければ。
というか、寒い。とにかく寒い。やはり冬をあなどってはいけない。
現在、午前7:00。
自分にしては早く起きたなと思いつつ、まだ重い体を動かして部屋から出て、一階に降りて行った。
---
リビングの扉を開けると、そこには、、、、
「あ、おはよう。今日は珍しく早いじゃん。朝ごはんは目玉焼きだよ。」
、、、、妹の光《ひかり》がエプロン姿で朝食を作っていた。
今、彼女だと思った奴、こんな陰キャに彼女なんかいるはずないだろ。
流石に身の程わきまえてるわ。
まあそんなこと置いといて。
朝食が置かれていたテーブルの椅子に俺は腰掛けた。
皿にはさっき光が言ってた目玉焼きと焼き色がついたウインナー、申し分程度の野菜がのっていた。
俺は「いただきます。」と言い、朝食を食べ始めた。
うまい。まあいつものことだが。
しばらくすると、光も俺の正面に腰掛け、「いただきまーす。」と言い食べ始めた。
俺が黙々と食べていると、光の方から話しかけてきた。
「美味しいでしょ?今日の目玉焼きはちゃんと半熟にできたんだ。料理の腕上がってるよね!」
「ああ、美味いよ。」
一年以上前から、共働きの両親とは別居している。
仕事が忙しく、家に帰れないからだ。
その時から、光は料理中心、俺は掃除中心で家事を分担している。
洗濯などは2人どっちかが暇な時にやっている。
俺は料理ができないわけではないが、光がやりたいと言うのでやらせている。
あともう一つの理由は、、、、
「てる兄、いつも今日ぐらいの時間に起きてよね。毎回起こさないといけないんだから。」
そう、俺が朝にとても弱いことだ。
いつも登校ギリギリに起きてしまう。
なので、今日みたいに早く起きれたのは奇跡なのだ。
もちろん、光には悪いと思っている。
「わかったよ。善処する。」
光をなだめた後、俺は顔を洗うために洗面所へ向かった。
---
洗面台に着くと早速顔を洗い始めた。
冬の水道ほど嫌なものはないが、うちの水道はすぐに温かくなるので抵抗はない。
洗顔料を洗顔ネットにとって、泡立てて顔につける。
1分ほど擦った後、洗い流す。
やっと目が覚めた気がする。俺にとっては大事なルーティンだ。
化粧水と乳液は光が使っているものを使わさせもらっている。
もちろん許可はとってるから安心してほしい。
ちなみに髭はない。
元々生えない体質なのかもしれない。
面倒な工程が省けるので、俺にとって楽だから、気にしないようにしている。
一通りの工程を終えた俺は、制服に着替えるため再び部屋に向かった。
---
部屋に戻ると、乱れた布団が目に入った。
そのまま起きたんだっけか。
ほとんど記憶がないので、頭の中をどれだけ探しても記憶は出てこない。
もうどうでもいいかと思い、布団を直した。
クローゼットから制服を取り出し、等身大の鏡の前で着替えていく。
俺が通っている私立大島学園の制服自体はシンプルなのだが、それで正規の着方をしている人は本当に少ない。
一応校則はあるものの、うちは超進学校だから揉め事は起こさせまいと思っているのだろう。
最後にネクタイをつけて、次は荷物の準備をし始めた。
今日は数学のテストがあったか。
まあ、川島と中島のやつは100%赤点だろうな。
【赤点ツインズ】こと川島俊太郎、中島涼は俺の同級生だ。
陰キャな俺にも明るく接してくれる。
2人がいるからこそ、学校に行ってるまであるのではないかと思う。
そうこうしているうちに、荷物の準備ができた。
現在、午前7:50。8時に川島と待ち合わせをしているので、そろそろ行くかと思い、部屋から出て玄関に向かった。
---
玄関でマフラーを巻き、靴を履いていると光が駆け寄ってきた。
「てる兄、今日家で川島くんと課題するんでしょ?とびきり美味しいお菓子作って待ってるから!」
今日、光の学校は創立記念日で休みらしい。川島が来ると知ってテンションが上がっているのだ。
「川島くん、クッキー好きかな?」
ほんとに楽しみにしているんだな。遊びに来るわけじゃないのに。
「光の作るものならなんでも好きだと思うぞ。」
「もー!お世辞はやめて!」
お世辞とかじゃないんだけどな。まあいいか。
「じゃあ行ってきます。」
「うん!いってらっしゃい!」
俺は川島のところに行くため、玄関の扉を開けた。
---
読んで頂きありがとうございました😊
次は学校編です。お楽しみに!
ある日の日常(大島視点)その2
学校編です!ちょっと長め!
それでは、いってらっしゃい!
妹に見送られて家を出た俺は、慣れない寒さに耐えながら川島のところへ足を運んだ。
---
「おっ!来た来た!おーい!大島ー!」
川島が大声で俺の名前を呼ぶ。朝からうるさい奴だな。あいつはそういう奴だが。
「朝から元気だな。さては今日のテスト忘れてるな?」
「マジ!?今日テストあんの!?」
1ヶ月前から言われ続けたことだろう。
ここまで読んだみんななら分かるはずだが、こいつは正真正銘のバカだ。とにかくバカ。
こいつの頭の中に【勉強】という単語は存在しないと思う。
「行くぞ。」
慌てふためく川島を置いて、俺は学校の方向へ進み始めた。俺と川島はいわゆる【幼馴染】で、家も近い。
いつもの待ち合わせ場所もお互いに1.2分で着くところである。
昔はよく公園で遊んだっけ。昔すぎて、よく覚えていない。
「ちょっ、置いていくなよっ!」
川島が走ってこちらに来る。さすがだな。元陸上部は伊達ではないらしい。
50メートルほどの差を数秒で埋めてきた。
「さすが、元陸上部。」
「中学だけな。強制だよ、強制。元々入りたくなかったし。」
この話をするといつも川島は顔をしかめる。相当嫌な思い出なのかはわからない。
俺にとっては羨ましいだけなのだから。
「あ、そうだ。」
川島が何か思い出した顔をして、こちらを向く。
「今日、大島の家行く約束だけど。」
「どうかしたのか?」
俺はどうしても気になった。
今日行けないというならば、光がショックから立ち直れない可能性があったからだ。
俺は息を呑み、返答を待った。しかし、俺が思っていたよりもあっさり、
「ちょっと遅れそうだわ。姉ちゃんの職場に差し入れ持ってかないといけなくて。」
よかった。行けないわけではない。そういえば、川島の姉は社会人だったか。
「姉ちゃんが「職場に旅行のお土産持っていくんだ〜!」て言ってたのに、今日になって忘れて行っちゃって。代わりに持って来いって言われちゃった。」
「結構図々しいな、姉。」
つい本音が飛び出てしまった。
「お〜!大島、俺の気持ち分かってくれるのか!」
その瞬間、急に強く抱きしめられた。痛い。
しかし、俺と川島の身長差は7センチ。一回り大きい男子高校生なんか、振り払えるはずもなく。
「川島っ!痛いっ!」
「ああ、ごめん。つい。」
反省した様子で川島は手を離したが、まだジンジン痛い。冬だから余計にだ。
この悪事は絶対に報復してやる。そう心の中で誓った。
---
先程のミニ事件の後、遅刻しそうなことに気づいて、2人で全速力で学校に向かった。
なんとかチャイム直前についた。
ガラガラッ
「あ!2人ともギリギリですよ!」
もう1人の同級生である、中島涼が、息切れている俺たちに注意した。
「ごめんごめん!話盛り上がっちゃって!」
川島がそう答えると、俺たちは各々自分の席に座った。もうすぐホームルームが始まるようだ。
ガラガラッ
「はーい。今からホームルームやりまーす。」
だるそうに教室に入ってきたのは、俺らの担任、美島ツネ美先生だ。
「遅刻した人はいませんかー。」
「「いないでーす。」」
「はーいじゃあホームルームを終わりまーす。」
うちのクラス、2-Aの恒例【5秒HR】。
見た目以外に長所がない先生の数少ない良いところだ。
そんなこんなですぐ終わったホームルーム。
俺は今日のテストに備えて、机に数学のテキストを開いた。
しばらく解いていると、クラスメイトの1人が話しかけてきた。
「大島くん。すみませんが、テストの範囲表待っていませんか?」
彼は中島涼、教室に入ったとき俺らに話しかけてきたやつだ。
こいつも勉強しているとは到底思えない。何故なら、、、
「ほんとうにおねがいしますぅ、、、泣」
この状態になるということは、そういうことなのだ。
中島はとにかく涙もろい。
女子と話してるだけでも目に涙を浮かべているし、怖い先輩に出くわしたなんてなったら、川島に泣きつくに決まってる。
「分かったから。泣くな。」
「ありがとうございますぅぅ、、、泣」
「だから泣くなって!」
本当にわかっているのか心配になる。
まあ心配したところでこいつの未来は大体予想できるが。
一方の川島は、机に突っ伏して寝ていた。
ぐーぐーと寝息を鳴らして、音だけ聴くと幸せそうだが、おそらくそうではないだろう。
キーンコーンカーンコーン
ガラガラッ
チャイムが鳴ったと同時に数学の先生が入ってきた。
寝不足のようで、目の下にははっきりとしたクマがあった。
今日は田中先生か。てっきり3年担当の先生が来るもんだと思っていたが。
3年数学担当、甘島肆恩(かんじましおん)。
今年新任として来たにも関わらず、生徒たちに大人気の新米先生である。
ちなみに、名前からみて分かりづらいと思うが、成人男性である。
今日はその先生が来ると聞いていたので、いつもの先生が入ってきて驚いた。
「えー、甘島先生は今日欠勤されている。なのでいつも通り私が授業をする。」
「「えーーーー!」」
「えーって言わない!」
お馴染みのくだりをしたところで、早速テストの解答用紙が配られた。
「それでは、始め!」
---
---
「なあなあ、テストどうだった?」
「いやー、終わったわ。」
クラスがテスト後に騒がしくなるのは、恒例行事といっても過言ではない。
しかし、教室の隅に静かにうずくまる2人の影が見えた。
もちろん、赤点ツインズの2人である。
「いや、流石におわったわ、、、」
「希望も見えない、、、」
2人とも魂がすっぽり抜けたようで、今日一番ひどい顔をしていた。
「おお、大島。テストどうだった?」
人にまだ質問できるから、そこまでのダメージは入っていないのかもしれない。
いや、ないな。
「別に。いつも通り。」
「大島、数学得意だもんな〜。羨ましいわ。」
「ですよね〜。脳みそだけ取り替えてほしいです、、、」
「グロいこと言うなって。」
3人とも疲れたことには変わりないので、各々席につき、残りの授業を受けた。
---
「やっと昼休みだ〜!!」
元気よくそう言ったのは川島である。
「大島は今日学食何にする?」
「そうだなー。今日はカツカレーにでもするかな。」
「お!珍しく太っ腹じゃあーん!」
前日、家で昼食に200円のうどんを毎日食べていることをうっかり話してしまい、光に質問攻めにあった。
今日は多くお金を持たされてしまい、他に使い道もないので、おとなしく従うことにしたのだ。
「じゃあ、、、俺はハンバーグ!」
いつも川島は肉系の昼食を頼む。
ちなみに中島はお弁当で、人見知りでもあるので、食堂にはあまり来ない。
俺らは空腹を満たすため、食堂へと向かった。
---
「あ。」
そこにいたのは、、、
---
「やあ、奇遇じゃないか。雑草でも食べに来たのか?ペンギン君?」
この後大島はどうなるのか、、、
次回もお楽しみに!
ある日の日常(大島視点)その3
---
「やあ、奇遇じゃないか。雑草でも食べに来たのか?ペンギン君?」
「それで呼ぶなって言ったろ!」
食堂で偶然会ってしまった男子高校生は、俺のことを【ペンギン君】と呼んだ。
大島学園生徒会長、中島爽。この学校1番の天才であり、学園三大イケメンの1人である。
苗字からわかると思うが、中島の兄であり、俺とはいわゆる【犬猿の仲】で、いつもいがみ合っている。
「ごめんねぇ。爽、いつもこんな感じで。」
後ろにたたずんでいるのは、副会長、古島賢吾。
会長の歯止め役だ。
「古島パイセン聞きましたよ!プログラミングの大会で優勝したんすね!凄いっす!」
「いやいや、そんなことないって、、、」
あっちはあっちで盛り上がっている。問題はこっちだ。
「何じっとしている?早く買えばいいじゃないか。それとも、お友達がいないと買えないか?」
「バカにすんな!」
「まあ、これぐらいにしておくか。賢吾、行くぞ。」
珍しい。いつもの会長なら、もっと難癖つけて付きまとうのに。
「今日どうしたんすか?」
川島も気になって会長に聞いた。
「これから理事長に会いに行かないといけなくてな。話があるらしい。」
「理事長も珍しいよね。普段は俺まで呼ばないのに。」
大島学園理事長、中島零。
理事長は入学式で対面して以来だが、顔は会長や中島に似ていた。
そのことから、実の親子なのだと推測するのは難しくない。
「そうなんすね、、、頑張って!」
「うん。ありがとう。川島くん。」
会長たちは、俺とは全く違う対応を見せた後、さっさと食堂を出て行った。
今気づいたが、2人は早めに昼食を済ませるために食堂来ていたかもしれない。
まあ今更どうでもいいか。
俺は券売機でカツカレーの券を買って、受付で券を渡した。これであとは待つだけだ。
川島もハンバーグ定食の券を渡しに行ったようだ。
俺らは空いていたテーブルに腰掛けた。先に口を開いたのは川島だ。
「会長と理事長って、なーんか似てるよなあ、、、」
「どうした。いきなり。」
「いや、理事長は入学式でスピーチしてたじゃん。その時の喋り方が会長と似てるなあーって。」
「そりゃそうだろ。あそこ親子だし。」
「え!?そうなの!?」
やはり知らなかったか。今日で2番目に驚いた顔をしている。
「理事長がお父さんか~。学校生活絶対気まずいよなぁ。いろいろ気ィつかいそう。」
「だからこそだろ。会長が生徒会長になった理由。」
「え?どゆこと?」
川島は分かってないみたいだ。会長の真意。
「他の学校だったら、確かに楽だったろう。学校生活をただ送る分には。」
「でも、それじゃ意味がないんだ。」
「え?え?なんの話?」
困惑する川島をほっぽいて、俺は話を続ける。
「「中島グループ」はさすがに知ってるよな?」
「うん。うちの家電もそうだから。」
【中島グループ】。家電から家具、車から建築まで幅広く事業を展開している会社だ。
「その中島グループの総帥が中島零、うちの理事長だ。」
「うん……え!?」
「総帥が故に、凄く厳格な性格だということはかなり有名だ。そんな人が学校を作るとなったら、どんな学校になると思う?」
「……めちゃくちゃ厳しくなる!?」
「そう。現に10年前の時点で退学者が入学者の半数を越えていたんだ。」
「やっば!?廃校にしろって!」
「でも、廃校にするとある問題が起こる。うちは超進学校だろ?難関大学合格率もほかより圧倒的に高い。つまり、ここがなくなるということは、その合格者全員いなくなるってことだ。」
「大学側も困る?」
「ああ、そうだ。たとえ難関ではなくても、大学進学率は100%に近いから、そこもいなくなる。」
「大問題だね……」
「入学のとき、大学をとるか、生活をとるか……その二択を強いられる。だからだ。」
「だから?」
「会長は、その現状を改善させるためにうちに入学し、生徒会長になった。生徒会長なら、校則云々のことに直接手が出せる。現に今、校則は厳しいどころか、緩すぎるぐらいだろ?」
「たしかに!会長すげー!!」
「会長様々だな。」
だからこそ、怖いものもある。これだけ変わってしまっては、さすがに理事長の耳にも入る。今日呼ばれたのだって……
「大島も会長に感謝しねぇとな!」
「いや、それは必要ない。会長が勝手にやったことなんだから。」
「そう言わずにさぁ……!!」
ピピピピ……カツカレーの方~、ハンバーグ定食の方~
呼ばれたみたいだ。
俺らは会話を中断し、それぞれ昼食を受け取りに行った。
席に戻ると、さっきとは違う雑談に花を咲かせながら、昼食を食べた。
---
学校が終わり、放課後になった。
他の同級生が帰るなり、友達と話すなり、時間を楽しんでいる一方、俺は後輩に足止めされていた。
「先輩!今日先輩のうちで勉強会やるってマジですか!?」
「、、、大島先輩なら、何も持ってかなくても、もてなされる、、、」
この2人は生島兄弟といって一卵性の双子の後輩だ。
テンション高い方が生島カカ。
ちゃっかり得しようとしている方が生島ピピ。
「俺も行っていいですか?大島先輩に教えてもらいたいところ、いっぱいあるんすよ!」
「俺も、、、大島先輩にカカを負担させるわけにはいかないので。」
うう、、、断りずらい。そう言われると断れないのが日本人の特色なのかもしれない。
2人は一年生ながらに新聞部のエースで、「その情報どこから聞いた!?」というようなことも知っている。
現に、俺の家で勉強会をすることを知っている時点でもうそうだ。
てか、曇りなき眼でこっち見んなっ!!
「あーもう!!いいよ来て!来いよ!!」
「やったぁーー!!!」
また押されてしまった。まあ、いいか。人数が多ければ盛り上がる。
それに、川島がサボろうとしたときにピピは使える。
「じゃあ、17時に家に来い。それより前には来るなよ。」
「なるほど、、、大島先輩、エロ本隠そうと「ちげぇよ!着替えるんだよ!!」
こんなんだから、この2人は困る。2人に対してはついつい声を荒げてしまう。
「まあ、分かりました。お詫びに虫、持ってきますね!ニコッ」
「持ってくんな!!」
---
学校編やっと終わりです!
次回もお楽しみに!