前アカの続き
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目次
Insane 1
--- *お母さん?* ---
--- *近寄らないで!!!!* ---
--- がね ---
--- し…がね ---
先生)銀!!!
月海)はい?
先生)ここ答えろ
月海)…わかんないっす。
先生)居眠りもほどほどにな
最悪の目覚まし時計だ。せっかく気持ちよく…寝てはないか。
最近どうも同じで違う夢を見る。夢の中で母はいつも「近寄るな」そう言うが、ある日は俺を守るための言葉で、またある日は俺を気味悪がる言葉だ。
悪夢なのか、吉夢か。
ピロン
スマホの振動が体に伝わると、ラインの着信音が耳に入った。ポケットからスマホを取り出してライン画面を開く。授業中のラインの送り主は、俺のボス。
<「17時、渋谷駅集合」
俺のチームのライングループには、たった4人しかいないが、すでに既読は2になっている。残りの一人はきっと夜桜さんだろう。
とりあえず俺のメンバーを紹介しておこう。
阿久津良夜。コードネームRyou。
俺らのボス。両親を殺されて行き場のない俺を殺し屋へと育ててくれた。全盛期は、仕事の依頼は完全に完了させるまで上がらなかったとか。
夜桜アカネ。コードネーム夜桜。
仲間の一人である。ミステリアスで戦職は|遠距離攻撃《スナイパー》。俺を育ててくれた一人。姉ちゃんみたいなもん。狙った獲物は100発100中。実力は本物。
内海雷太。コードネームUila。
仲間の一人。現場で俺らと殺し屋として活動する。武器はカナヅチ。馬鹿力で正真正銘バカ。こいつも俺の兄ちゃん代わり。
そして俺。銀月海。コードネームtsuki。
グループの要的なものやらせてもらってる。それぞれの戦職持つやつらに育ててもらえたため、殺しのスタイルは幅広い。
先生)銀!!
月海)へい
先生)そんなどうどうと授業中に寝ておいて今度はスマホを見るかね
月海)あ
先生)放課後残れ。
呼び出しをくらってしまった…。
一人で頭を抱えている俺の隣で晃がくすっと笑った。
晃)そりゃ呼ばれるわな
月海)…
そんな笑顔俺に向けられてもなぁ。女子の突き刺さるような視線が痛いわ。
そう、晃は初日このクラスにとっての王子的存在になっていた。金髪に染めた髪がヤンキー感を出しているが、話し方は柔らかく、性格も優しい。それにノリも顔もいい。まさにTHE・完璧の男。そんな晃のまわりには常に陽キャ男子か女子しか集まらない。そう、彼らにとって俺はものすごく邪魔な存在なのだ。
先生)じゃあ来い。銀。
月海)へーい
先に帰りの用意を済ませ、バッグを持ったまま職員室へと向かった。あーこれ何時まで怒られんだろ。今日17時集合だからそれまでには終わってほしいなぁ、。
という俺の願いとは裏腹に、説教は17:30まで続いた。やっとのことで抜け出せた俺は急いで渋谷駅へと向かう。自転車のサドルを最大限まで漕ぎ、人混みにのまれた渋谷駅で自転車から降り、駐輪所へ止める間もなく集合場所へと駆け抜けた。
月海)悪い。怒られてた。
遅刻の言い訳を息を切らしながら説明してると、ボスの冷たい視線が感じ取られた。
良夜)何したらそんな怒られんだよ
月海)えぇ、授業中に居眠りとスマホいじってた
ボコッ
月海)いてっ
ボスの重い拳が俺の後頭部に落とされた。
良夜)事業自得だろ。
痛がりながらもボスの言うことには納得するしかない。実際に初日の授業中に居眠りしてたのも俺だし。先生も張り切ってたんかな。
雷太)急ごうぜ。依頼者は18時までには片付けてほしいって言ってんだ。
月海・夜桜)え余裕じゃん
夜桜さんと俺の声が被る。お互いに顔を見合わせて笑い合うが、ボスはそれどころではなかった。今にも爆発しそうな赤い顔と真っ赤な視線で俺らを怒鳴りつけようとしていた。
雷太)まぁまぁ、早く行こ。
雷太のおかげて今回はボスに怒られずにすんだ。
良夜)いた。あいつだ。
ボスが指差す先には全身黒一色に身をまとった男。依頼者によると、こいつは依頼者の娘に精神的外傷を与えた上、大金を奪い取ったという。それでこいつを俺らに殺してほしいと電話があった。
作戦は、俺達は出店の店員っていう設定で、そいつが近くに来たときにジュースを見せかけた遅効性の猛毒を飲ませる。しかもその毒は医者が死体を解体しても警察が検査しても、心肺停止で死んだようにしか見えないようになっている。その後は俺達が疑われないようにその場を退散。まさに、完全犯罪。
---
雷太)来た。コソ
雷太の合図で俺がターゲットに声をかける。
月海)自家製のオレンジジュース、今みなさんで無料で試飲してもらってるんですよ。お兄さんもよかったらどうですか?
多少この格好とキャラに抵抗はあったが仕事のためだと、笑顔を作り切る。
男はその場に立ち止まった。先程から周りを随分警戒している。ジュースを手に取らないかもしれない。
男)だ、大丈夫です。
やはり、断られた。だが手は打ってある。
月海)そうですか。では、チラシだけでも。
ターゲットにチラシを手渡すと、ターゲットはチラシだけを手に取り、その場を去った。
月海)さ、あとは夜桜さんにお願いしますか。
「自家製オレンジジュース店」と書かれた看板をしまい、店じまいをして、退散。店にはなんの痕跡も残らないよう、入念に掃除をしておいた。
雷太)あ、そうだ。俺クレープ食いたい。
雷太の急な提案に俺は大賛成だ。
月海)いいじゃん。ボス奢ってよ。
良夜)あのなぁ、
オレンジと紫色に光る夕焼けの下で、一つ、悲鳴が聞こえた。
Insane
あの銃声が、悲鳴が、あのケーキの味が、今でも俺の心に焼き付いている。
あれは、俺が7年目の誕生日を迎えた日だった。優等生な父と顔面国宝だった母の間に、俺は一人息子として生まれた。父も母も、親バカか。と思うほどに俺を愛してくれていた。誕生日の夜、仕事で少し遅めの帰宅をした父の手には、白い箱があった。きっとケーキが中には入っているんだろうと期待を膨らませながら父がリビングへ来るのを待った。そして、俺の期待は大当たり。真っ白なショートケーキが俺の目に飛び込んで来た。
母がケーキを切り分けるためにと、キッチンへ向かった。その時。どこからか銃声がし、その銃弾は、俺の母を貫いた。母の死を悲しむ前に、俺の目の前で父も銃弾で撃ち抜かれる。
真っ白なショートケーキは、父の血であふれた。
言葉も出なかった。どうしていいのかわからなかった。ただただ俺はあの日、8年前、両親が何者かの手により、`殺された。`
---
時は経ち、俺は齢15となった。春からは高校生として、近所の高校に通うことになっている。ごく普通の高校生。そう《《見せている》》。
あの日、両親が殺された日に、俺は復讐を誓った。両親が殺された真相を掴むために様々な裏組織に出入りした。結局のところは、何の情報も得ることができなかったが。
そして2年前。俺はとある有益な情報を手に入れた。両親と元同級生だというやつが現れたのだ。そいつは現在殺し屋として活動しており、仲間も数人だが、いるらしい。しかも俺のことを知っていた。
こいつは便利だと思った。それから2年、今はそこで殺し屋として、真相を探っている。
入学式。校長の長い話に疲れ、俺は大きめのあくびをこぼす。身長順で先頭という腹が立つ成績を残している俺は、栄養が多く取れなかったため、現在男子高生にして162cm。この有り様だ。素早く移動できるので、殺しには役立つが。あいにく俺より後ろからの男子はほぼ全員身長175cm超えだ。周りの高ぇ奴らを見てると、苛立ちを感じる。
mob)え、なにあれ
mob)ちょ、話しかけんほうがいいって
コソコソと…。何を話しているかくらいはわかる。どうせまたこの髪の話だ。生まれつき白髪で色々と色素の薄い俺が気味悪くて仕方ないんだろう。幼稚園でもいじめられたわ。
幸い、俺はメンタル弱々人間ではないため、いじめにはビクともしない。なんならやりかえすタイプ。
校長の長話が終わり、次はクラス移動。長時間同じ体勢で座っていたため固まっていた体を伸ばす。あちらこちらぽきぽきと音がするがさておき、担任がクラスへと誘導を始めた。
教室に入ると、すでに机の上には資料と名前のタグが置いてあった。俺の席はと目をきょろきょろさせる。着々と皆席に座りはじめ、もう友人関係を築いてるやつもいる。残った席が俺のだと確信すると、俺と同時に金髪の陽キャが腰をおろした。
晃)お前、隣?
晃)俺|盤上《ばんじょう》|晃《ひかる》!よろしくな!
こういうグイグイ系は苦手だ。会話が進まん。
月海)|銀《しろがね》|月海《げっか》。よろしく。
しかたなく自己紹介をしてやると、晃はにっこにこの笑顔で言った。
晃)これからよろしくな!月海!