この世界は歪んでいる。毎日、戦争が絶えないこの世界。毎日、悲鳴が上がり、里が炎で埋め尽くされるこの世界。
まるで神が作り上げた1枚の設計図のように。
誰かが裏で糸を引いているように。
この世界は出来ている。
これは、そんな世界に生きる僕たちの物語――。
続きを読む
閲覧設定
名前変換設定
この小説には名前変換が設定されています。以下の単語を変換することができます。空白の場合は変換されません。入力した単語はブラウザに保存され次回から選択できるようになります
1 /
目次
歪んだ世界の設計図 #1
この世界は歪んでいる。毎日、戦争が絶えないこの世界。毎日、悲鳴が上がり、里が炎で埋め尽くされるこの世界。
まるで神が作り上げた1枚の設計図のように。
誰かが裏で糸を引いているように。
この世界は出来ている。
これは、そんな世界に生きる僕たちの物語――。
歪んだ世界の設計図 #2
『ねえ、この世界を変えてみない?』
『この世界?』
『私はね、この世界が歪んでると思うの。まるで誰かに操られてるかのように……』
『霊夢……』
『だから月、一緒にこの世界…幻想郷を変えましょう』
◆◇◆
懐かしいな……と、思いながら僕は起き上がる。枕元に置いてある時計をみると、午前2時を回ったところだった。
「………」
………どうやら夢のせいで眠れなくなってしまったらしい。もう一度目を瞑っても全く眠れる気がしたい。眠気もやってこない。仕方なく、ノソノソと身体を起こし、上着を着て神社の外に出る。涼しい風がほてった身体を冷やしてくれる。
「はぁ……」
僕は誰もいない境内で大きくため息をついた。森の奥が赤く光っている。どこかが燃えているようだ。
いつからこんなことになってしまったのだろうか。ずっと昔はこんなことになってなかったのだ。
「月、こんなところでどうしたの?」
突如、後ろから声が聞こえた。振り向くまでもない。この神社の持ち主であり、大好きで大切な親友、戦友でもある。博麗霊夢だ。
「……ちょっと寝れなくて」
「そう………私と同じね」
あたりに沈黙が走った。赤く燃える空を見上げながら、僕と霊夢に夜の冷たい風が強く吹き付ける。上着を着ていると言っても流石に寒い。すると、霊夢が口を開いた。
「月、あなたが居なかったらきっと、私たちは此処に居ないでしょうね」
「別に僕はそんなすごいことしてないよ。幻想郷に来たのも気まぐれだし」
「そう、ならそれでいいわ」
そう言って霊夢は立ち上がる。それにつられ、僕も立ち上がった。
「さ、早く神社に戻って寝ましょう。明日の戦闘にも備えて」
「うん………ねぇ霊夢」
「なに?」
「……………やっぱなんでもない」
幻想郷に住む人たちか、安心して楽しく暮らせますように――。
僕は空に輝く満天の星達にそう願った。
歪んだ世界の設計図 #3
数年前――。
「よっと…………へぇ、ここが幻想郷……」
僕こと、月星月は次元と時間を旅する人間。ただの気まぐれで、幻想郷という、人々の楽園へやって来ていた。
「楽園っていうぐらいだからもっと賑やかなのを想像してたけど意外と静かだなぁ……」
あたりを見回すと、一面に霧がかった湖が広がっていた。空気が澄んでいて気持ちが良い。僕は辺りを探索することにした。
「さ〜て、どんなのがあるかなぁ〜?」
そう言って歩き出した瞬間のことだった。
「………なに?急に」
僕の首元には、一つのお祓い棒(?)が添えられていた。
「幻想郷になんの用?要件次第では……ここで…」
後ろから少女の声が聞こえた。僕は両手を上に向かって上げながら少女の言葉を遮って答える。
「暴力はんた〜い。別に攻撃しに来たとかじゃないし。気まぐれだよ、気・ま・ぐ・れ!!」
「…………そう」
少女は僕の首からお祓い棒を下ろす。それと同時に僕も、上に上げていた手を下ろす。
「突然疑って悪かったわね」
どこか不満気だ。
「んーじゃあ、自己紹介から!僕は月星月。時間と次元を旅するただの人間だよ〜ん」
「…………博麗霊夢。本当に信用していいのよね、攻撃しないって」
「もっちろん!!戦闘大嫌いだから〜安心して!」
「………こっちに来なさい。色々説明するわ」
少し黙っていたと思えば、そう言って手招きをしてくる。
「はいは〜い」
僕は手招きされた方へ付いて行った――。