脊髄反射と恣意的曲解と牽強付会と夜郎自大に溢れた常時接続権威主義の社会病理をシンプルに腰を据えて描くのではなく破天荒な不条理で畳みかける意欲作。
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目次
holic-1
その日を境に俺と鈴木の間には奇妙な友情が生まれてしまった。
鬼籍入りの料理人は恵美子を取るか鈴美を取るか苦渋の選択を迫られる。
鬼籍入りの料理人は、鈴美のために、恵美子を裏切った。
ある日を境に、俺と鈴木の間には奇妙な友情が生まれた。それ以来、一緒にいることが多くなった。お互いに気になってしまい、ついには恋に落ちてしまった。そして結果的に、二人は付き合うことになったのだ。
そして、いつしか二人は結婚し、三人の可愛い子供たちが生まれた。毎日が幸せで、幸せな家族生活を送っていた。
しかし、ある日、妻が自分に秘密があることを告白した。
妻の両親は共に優秀な医者だったが、仕事に熱心で家族を顧みない人たちだった。そのため、妻が生まれた頃には既に夫婦仲は冷え切っており、別居状態になっていた。そして、妻がまだ子供の頃、両親は不慮の事故で亡くなってしまった。妻と兄弟は母方の祖父母に引き取られたが、その祖父も若くして亡くなってしまい、妻たちは天涯孤独の身となってしまったという。そんな悲しい過去を持つ妻だが、俺は彼女を支え、愛し続けている。
とある日、妻は自分の過去を打ち明けた。それは、生活保護受給者の飲食店での営業妨害に追われる、一主義の芸人一座の中で働いていたというものだった。その営業妨害には、著作権に関する問題があったようだが、ある鬼籍入りの料理人が生活保護受給者に食べ物を提供した場合には営業妨害とは見なされないという法律があった。そして、料理人はトラックの荷台に寝袋を持ち込んで、飲食店営業妨害取締官から逃れつつ、芸人一座を支えていたのだという。
そんな中、料理人は「一票に一票を」というお題をもとに、どうやってトラックに一票を入れることができるかを考え始めた。果たして、料理人の悩みはどのように解決されるのだろうか。そんなおり、商店会主催ご当地Z級グルメ選挙が開始した。鬼籍入りの料理人の店も成行きで参加することになったが彼は気乗りしない。すると看板娘の鈴美がライバル店から出場するという。まさかの裏切りに鬼籍入りの料理人は苦悩する。そこに生活保護受給者で元カノの恵美子が現れる。町外れのゴミ置き場にある廃車寸前のトラックを修理して一緒に参加して欲しいという。一方、鈴美はライバル天長のせいで架空の借金を負う。選挙に優勝しないと鈴美は死ぬ。鬼籍入りの料理人は恵美子を取るか鈴美を取るか苦渋の選択を迫られる。しかしどちらかの一方の女は死ぬのだ。どうする。
鬼籍入りの料理人は、ある日「一票に一票を」というテンプレに出会う。問題は「鈴美と恵美子のどちらを助けるか」というものだった。鬼籍入りの料理人は悩むが、最終的に鈴美を選んだ。その理由は、単純に鈴美の方が好きだったからだ。
しかし、鬼籍入りの料理人の選択は思わぬ展開を招いた。鈴美と恵美子は仲直りし、鬼籍入りの料理人と鈴美は結婚することになった。一方、恵美子は鬼籍入りの料理人が鈴美を選んだことでショックを受け、自殺してしまった。
物語はこのまま完結した。しかし、この物語から私たちは何を考えるべきだろうか。答えは、「一票に一票を」という問題は、鈴美と恵美子のどちらの女性を選ぶかということだったのではないか、ということだ。そして、鬼籍入りの料理人が鈴美を選んだことが、物語の展開を決定づけたのだということも言える。この物語は、人生において何を選ぶかが、自分や周りの人々にどのような影響を与えるかを示唆するものであると言えるだろう。
holic-2
結局、鬼籍入りの料理人は鈴美を選んでしまったために、恵美子が死んでしまい、その結果、恵美子に借金を負った鈴美も死期を迎えてしまうことになる。
もし、鬼籍入りの料理人が鈴美を選ばなかったら、鈴美は助かったかもしれない。
そのときは、自分の気持ちを押し殺し、自分を犠牲にしてでも、相手を優先すべきなのかもしれない。
結局、鬼籍入りの料理人は鈴美を選んでしまったために、恵美子が死んでしまい、その結果、恵美子に借金を負った鈴美も死期を迎えてしまうことになる。もし、鬼籍入りの料理人が鈴美を選ばなかったら、鈴美は助かったかもしれない。鈴美は借金を返さなくて済むわけだから、恵美子と仲良く暮らしていけただろう。だが、鬼籍入りの料理人は、借金を返済するために一生懸命働くことになり、結果、早死にすることになる。
そう、鬼籍入りの料理人は、結局は、自分の信念を貫くことができなかったということになる。
人は誰しも、他人の意見に左右されやすいものだ。特に自分が正しいと思っていても、周りの人に反対されれば、簡単に意見を変えてしまう。ましてや、生活保護受給者の飲食営業妨害となればなおさらである。誰だって、自分の信念を貫きたいはずだ。
だが、世の中には、正論を振りかざしても通用しない相手がいる。それが、生活保護者なのだ。彼らは、彼らの論理だけで行動する。しかも、その論理は、世間一般の常識や良識からはかけ離れていることが多い。そのため、彼らを相手にしたとき、我々一般人は、自分の信念を貫いても、最終的には負けてしまうのである。だからこそ、我々は、彼らに屈服しなければならない場面もあるのかもしれない。そういうときは、自分の信念よりも、相手の意見を尊重するべきなのだろう。
だが、それでも、譲れないものがある。たとえ周りから笑われようと、非難を受けようと、曲げられないものが人にはあるのだ。そのときは、自分の気持ちを押し殺し、自分を犠牲にしてでも、相手を優先すべきなのかもしれない。それが、大人としての矜持であり、責任感というものではないかと思う。
最後に、今回のお題について一言だけ言わせて欲しい。
「パクるなら、もっと上手くやれ!」
以上。
(了)
「さあ、今日も張り切っていきましょう!
『第一回・あなたの好きな四文字熟語は?』のコーナーです。それでは、まずは最初の回答者に登場してもらいましょう。どうぞー!」「一網打尽だ。死ね」
解答者がマシンガンを乱射し始めた。解答席では、司会者が頭を抱えていた。
「えー、あのですね、皆さんね、もうちょっとこう、平和的な方法でお願いしますよ……」
すると、突然画面が切り替わり、女性アナウンサーが登場した。
「はいはーい、こちら現場でーす。たった今、犯人が射殺されました。いやー、一時はどうなることかと思いましたけど、これで一件落着ですね。あ、次のニュースが入りました。どうやら、犯人は複数いたようです。え? 犯人の一人は死んだはずなのにって? ああ、そういえばそうですね。じゃあ、もう一人の方にインタビューしてみましょうか?」
そう言って、再び映像が切り替わる。今度は別の男性が映し出された。彼はひどく怯えているようだった。
「あー、もしもし、大丈夫ですか?」
「……大丈夫なわけないだろ!? なんでいきなり殺されなきゃなんないんだよ!?」
「いや、まあ、それは……。っていうか、あなたは被害者ですよね?」
「そうだよ! だからなんだよ!?」
「えーっと、あなたを殺した犯人なんですが……実は、まだ生きています」
「……えっ」
次の瞬間、カメラの映像が激しく乱れ始めた。そしてしばらくしてようやく落ち着いたとき、そこには誰も映っていなかった。ただ、大量の血溜まりだけが残されていた。
そしてまた、新しい映像が流れ始める。
「はいはい、どうもこんにちは、司会進行役の山本さんですよー。今日はですね、なんとスペシャルゲストをお招きしておりますので、さっそく登場してもらいましょうか」
holic-4
男がお辞儀をすると、どこからともなく拍手が起こった。
そしてその音が間近まで迫った瞬間、天井を突き破って、何者かが現れた。
そう言うと、山本さんは姿を消した。
確かに、登場人物の全員が何らかの形で死んでいるように見える。しかし、全員生きているのだ。例えば、先ほど登場したKという男もそうだし、そもそもこの男は一体何者なのか? なぜこのような意味不明な名前を名乗る必要があるのだろう? そんな疑問が浮かんだとき、私の脳裏にある言葉が浮かんだ。それは「一網打尽」という言葉だった。なるほど、そういうことか。つまり、彼らは一人の人物を捕まえるためにわざわざこんな大掛かりなことを仕組んだというわけか。それならば納得できる。きっとそうに違いない。そう思ったのだが、残念ながら、この物語の作者にはそこまでの意図はなかったようだ。なぜなら、この物語は途中で終わっているからだ。なんとも中途半端な終わり方だが、これが「中島改造文学」というものだ。純文学者で山本周五郎の弟子である中島改造が創始した。ラフマニノフの流れを組む本格派自然文学であり、作中に登場する地名や人名などは全て実在するものである(ちなみに、作者の出身地は東京都大田区蒲田で、本名は中島勝之助)。ただし、これらの要素はあくまで表層的なものに過ぎず、本質ではない。本当の目的は別にあるはずなのだが、今のところ私にはわからない。もしかしたら、読者にもわかっていないのかもしれない。中島改造は人間の本質が原理原則より行動によって修飾されるという独自の「改造哲学」を提唱した。その思想は様々な作家に影響を与えており、その影響を受けた多くの作家が作品の中で同じようなことを語っているため、あたかも中島の思想が現実に存在するかのような錯覚を覚えることがあるが、実際のところそんなことはありえないし、あったとしてもごく少数であろうと思われる。何故なら、そのような妄想に囚われている間は所詮、井の中の蛙に過ぎないからである。そんなつまらない人生を送りたくはないものだ。というわけで、今回はこの辺にしておこうと思う。
なお、本稿の内容に関して筆者は一切の責任を負わないものとする。
(了)
【解説】
前回に引き続き今回もかなり難解な内容になっていると思いますのでご注意ください。まず、今回のタイトルにある『三題噺』ですが、これは落語における演目のひとつです。元々は落語家さんが考えた即興的な創作話芸なのですが、これをさらに簡略化したのが現代小説における短編連作形式である『掌編小説』『ショートショート』となります。特に後者の場合は短編小説との違いがほとんどないので、区別する意味もあまりありません。なので基本的にはどちらも同じものと考えて差し支えないでしょう。一応断っておくと、今回紹介する作品はどれも短いものなので、必ずしもショートショートというわけではないのですが……。
次に本文中の単語について説明しておきます。「一網打尽」
というのは推理小説において最も基本的なトリックの一つでして、要するに探偵役の人物の推理が正しいかどうかを確かめるためにわざと誤った証拠を提示して間違った推理をさせるというものなんですね。これ自体は実際によくあることなんですが、問題は何故そんなことをするのかということです。というのも、普通はそんなことしなくても正しい推理ができるはずなんですよ。ところが実際にはそうならない場合も多いわけですから、これは何らかの理由があると考えるべきでしょう。ではその理由は何なのか? というのがこの話のキモとなる部分になります。
holic-3
男がお辞儀をすると、どこからともなく拍手が起こった。
そしてその音が間近まで迫った瞬間、天井を突き破って、何者かが現れた。
そう言うと、山本さんは姿を消した。
そう言って現れたのは、全身黒ずくめの男だった。男は言った。
「どうも初めまして。私の名前はKといいます。よろしくお願いします」
男がお辞儀をすると、どこからともなく拍手が起こった。「いやあ、それにしても驚きましたよねー。まさか彼が生きていたなんて思いませんでしたよー」
男は答えた。
「ええ、私もびっくりしました。まさか、あんなところで再会するなんて……」
「そうですよねえ。しかも、よりにもよって彼だったとは……本当に運がないというかなんというか……。あっ、ちょっと待ってください。今なんか聞こえませんでしか?」
男の耳には確かに聞こえた。何かを引きずる音だ。やがてその音はだんだんと大きくなっていき、ついには男の耳にはっきりと聞こえるようになった。そしてその音が間近まで迫った瞬間、天井を突き破って、何者かが現れた。
「うわあああぁぁぁぁっ!!」
その男は絶叫した。だが、被害者であるシグマ源五郎さんの死体がどこにも見当たらない。彼は本当に殺されてしまったのだろうか。それとも……。
「さて、ここで問題です。果たして、今の叫び声は何に対してのものだったのか? 一体誰が叫んだのか? 答えがわかったらコメント欄に書き込んでくださいねー」
そう言うと、山本さんは姿を消した。後には静寂のみが残された。
「さあ、いよいよ最後の質問になりました。頓服仮面は誰でしょー?」画面には、一人の男の顔が映っていた。それはまるで歌舞伎役者のように派手なメイクをした中年の男性だった。そして彼の口から発せられた言葉は……。
「私はお歯黒べったりだ」……とのことだった。
私はこの物語を読みながら思った。
「これはいったいどういうことなのだ?」
holic-6
そこに集められた三人の男女はそれぞれ自分が犯人でないと主張するのだが、その中で一人だけ妙に怪しい雰囲気を漂わせている者がいた。
ちなみに先輩の名は山本雅人といって階級は私のひとつ上の警部補である。
まあもっとも、彼の恋愛対象が同性の女性に限られているのかどうかまでは私にもわからないのだが。
アリバイとドラマツルギーと中島改造文学前回までのあらすじ:舞台はとあるアパートの一室である。そこに集められた三人の男女はそれぞれ自分が犯人でないと主張するのだが、その中で一人だけ妙に怪しい雰囲気を漂わせている者がいた。果たして、その正体とは……? さて、前回の続きである。語り手である私の名前は山野辺康弘といい、職業は刑事である。といってもまだ新人なので捜査活動の経験はほとんどないのだが、今は先輩と一緒に張り込みをしているところだ。ちなみに先輩の名は山本雅人といって階級は私のひとつ上の警部補である。彼は私の上司であり、仕事においては優秀な部下でもあるのだが、私生活の方はというとなかなかに謎に包まれている男であった。その素顔を知っている者はほとんどいないらしく、彼のプライベートを知る者はいないらしいのだ。そんな彼だが、一つだけ確かなことがある。それは彼がかなりの女好きだということであり、それはすなわち彼の恋人もまた女性であるということを意味するのである。まあもっとも、彼の恋愛対象が同性の女性に限られているのかどうかまでは私にもわからないのだが。時刻は午前九時四十五分頃のことである。私と先輩は今現在、ある一軒家の玄関先で待機しているところなのだが、ここで少しばかり雑談に興じることとしよう。とは言っても、その内容は極めてくだらないものなのだが……。
「なあ、知ってるか?」
先輩が突然話しかけてきたので私は答えた。
「何をですか?」
「いや、この前のことなんだが……」
「はあ……」
「俺はいつものようにパトロールをしていたんだが……」
「……あのう……」
「そしたらな……」
「ああもうっ! 一体何なんですか!? さっきからずっと黙ってるから何かと思えばどうでもいいことばかりベラベラ喋りやがって! どうせあれだろ? こないだ見たテレビドラマの話とか、コンビニで買ったアイスの種類とか、最近飼い始めたハムスターの名前とか、そういうどうでもよさそうなことばっかり喋ってんだろ!?」
私がそう叫ぶと、途端に辺りは静まり返った。そして数秒後、ようやく我に返ったのか、慌てて訂正してきた。
「い、いや、違うんだ!」
「何が違うんだよ!? どう考えてもそういうことしか言ってなかっただろうが!!」
「ち、違うんだってば! 確かにそれも言ったかもしれないけどさ、本題はそうじゃなくてだな……」
「だったら早く言えよ!」
「……わかった」
すると今度は急に真面目な顔になって話し始めた。
「実は俺、見ちゃったんだよね」
「だから何がだよ?」
「死体」
「……えっ……?」
一瞬、何を言っているのかわからなかった。まさかとは思うが、この男、冗談を言っているのだろうか? いや、しかし、その割には目が真剣そのものだし、とても嘘を言っているとは思えない。ということは、本当に……?
「ど、どこで……?」
恐る恐る尋ねてみると、意外な答えが返ってきた。
「どこって、俺の家に決まってるじゃないか」
「ええっ!?」
「さっきお前、言ってただろう? 俺がいつもみたいにサボってるんじゃないかって。だからさ、たまには真面目に仕事をしようってことで今日は朝から張り込みしてたんだ。そしたら案の定、近所のマンションで殺人事件が起きたって連絡が入ってな、それで仕方なく現場に向かったというわけなんだ」
なるほど……。どうやら聞き間違いではなかったようだ。それにしても驚いた。まさかこんな身近に殺人鬼がいたなんて……。
「で、どうだったんですか? 犯人は捕まったんですか?」
holic-7
三題噺というのは複数のお題(例えば「三題噺」なら三題)を順番に提示していって、
「三題噺」というひとつの作品を完成させるという一種の遊びのようなジャンルなのですが、実はこの形式にはいくつかのパターンがあります。
なお、三題噺の他のバリエーションとしては以下のようなものもあります。
「それがさあ、目撃者が誰もいないらしくて困ってるんだよ。今のところ容疑者候補すら浮かんでないらしいぜ」
「そうなんですか……。じゃあ、これからどうするんですか?」
「そうだなあ……。とりあえず署に戻って事件の詳しい情報を聞き出してから考えることにしようかな」
「そうですか……。では行きましょうか」
「ああ」
というわけで私たちは一旦警察署に戻ることにしたのだった。
【解説】
今回の話はいわゆる「三題噺」と呼ばれるタイプの作品です。三題噺というのは複数のお題(例えば「三題噺」なら三題)を順番に提示していって、
「三題噺」というひとつの作品を完成させるという一種の遊びのようなジャンルなのですが、実はこの形式にはいくつかのパターンがあります。その中でも代表的なものがこの三題噺というわけです。なお、三題噺の他のバリエーションとしては以下のようなものもあります。
1・1つ目(三題噺)
「密室殺人」
2・2つ目(三題噺)
「自殺に見せかけた他殺」
3・3つ目(三題噺)
「偽装工作」
4・4つ目(三題噺)
「偽装工作」
「偽装工作」というのは文字通りの意味で、実際にはやってもいないことをやったように見せかける行為のことを指します。例えば実際に誰かが死んでいるのに死んでいないかのように偽装したり、実際には存在しないものをあたかも存在しているかのように偽ったりすることですね。なお、この形式は「三題噺」
「ミステリ小説における叙述トリック」にも用いられます。
5・5つ目(三題噺)
「完全犯罪」
6・6つ目(三題噺)
「アリバイ崩し」
7・7つ目(三題噺)
「アリバイ工作」
8・8つ目(三題噺)
「アリバイ作り」
9・9つ目(三題噺)
「アリバイ検証」
10・10つ目(三題噺)
「アリバイトリック」
11・11つ目(三題噺)
「アリバイ証言」
12・12つ目(三題噺)
これは読んで字のごとくですが、13番目はありませんよ。
13.13つ目(三題噺)
何もなし 14・14つ目(三題噺)
特になし 15・15つ目(三題噺)
何もない 16・16つ目(三題噺)
特になし 17・17つ目(三題噺)
特になし 18・18つ目(三題噺)
特になし 19・19つ目(三題噺)
特になし
「ところで刑事さん」
不意に声をかけられて振り向くと、そこに立っている人物は例の男であった。確か名前は山野辺と言っただろうか?
「何ですか?」
そう聞き返すと彼はこう言った。
「この事件、もしかすると殺人事件ではなく自殺に見せかけた他殺かもしれませんよ」
いきなりとんでもないことを口にする男である。
「どういうことですか?」
思わず尋ね返してしまった。すると彼はこう答えた。
「ほら、あれですよ」
そう言って彼が示した先を見るとそこには壁に取り付けられた一枚の絵画があった。そしてその絵を見た途端、驚きのあまり固まってしまった。何故ならそこには一人の女が首を吊っている姿が描かれていたからである。
「あの、あれって何の絵なんですか?」
すると彼は平然とした口調で答えた。
「あれは『吊るされた男』です」
「えっ……?」
何だって……? 今何て言ったんだ?『吊るされた男』だって……? それはどういう意味だ……? いや、待てよ……。
「そうか!」
そうだ! 思い出したぞ! そういえば前にどこかで見たことがあるような気がすると思っていたんだが、あれはたしか推理小説で読んだんだった! あの話はどんな話だっただろうか……? ああ、思い出した! 思い出したぞ!
holic-8
すると今度は老婆の姿が現れた。
「なあ佐藤、ちょっとこれを見てみろや……」と言いながら、鈴木が俺の机に一冊のノートを置いた。
「これは何なの?」それに対して、奴は自慢げに答えた。
『密室殺人』の話だったはずだ! そこで俺はふとあることを思いついて聞いてみた。
「もしかしてあなた……」
すると、その一言で全てを悟ったらしく、にっこりと笑って答えた。
「そうです。私は探偵なんです」
こうして事件は幕を開けたのである。そして同時に俺の人生も終わりを迎えたのだった。
【解説】
お分かりいただけただろうか?
わからないので、魔人を呼び出して聞いてみた。すると彼は当然のことで大激怒した。「忙しいのにしょうもない事で我を呼び出しやがって!許さん。死ね」
と叫んでそのまま帰っていった。だが俺は諦めずにもう一度挑戦してみる。すると彼は少し考えてから「よし、いいだろう。特別に答えてやる。そのかわり我に絶対服従するという約束をしてもらうがそれでもよいか?」と言ってきたので俺は快く引き受けた。そして「ではいくぞ!」と言って彼が再び画面に映った。俺は大きく深呼吸をして心の準備をする。
そして「この女の名前はなんだ?さあ、早く答えるんだ!」と言ってきたので俺は思わず声を上げた。なんとそれは、あの憧れの美人教師だったからだ。人気VTUBERの淡路島あわびである。彼女は黒髪の美人でメガネっ子で生徒思いだ。おまけに料理が得意でいつも家庭的な面を見せているのである。そんな彼女がどうしてこんなことになってしまったのか……
「くそっ!なぜなんだ!?先生!」
俺が思わず叫ぶとその女性が答えた。いや、これはもう間違いなく本人だろう!
「はーい。そこの君。参院選挙はぜひ淡路島あわびに入れてね」
すると魔人も「必ず投票に行くのだぞ」と念を押す。そして画面が再び変わる。次に映った光景は地獄絵図だ。阿鼻叫喚の世界が広がっている。そこはどこかと言えば、どこだろう?
「この国は、このままでは駄目になってしまう。我々は一丸となって立ち上がらなければならない!」
と叫ぶ男がいたが誰のことだろう。するとまた別の映像に変わった。そこには、先ほどの男性とは別の人物が映っていた。今度は女性らしい。だが、やはり正体は不明だ。その女性はこう語った。「私たちの未来には希望がない」彼女はそう言い残す。そしてまた、新たな映像が映し出された。今度の映像にも女性が写っている。だが今度は少女のようだ。だが正体は分からない。
その女の名はミチヨといった。
すると今度は老婆の姿が現れた。これは……どうやら老婆の母親らしい。母親はこう語る。「息子よ。どうか私のために生きてください」
そこで一旦、映像が終わった。
そしてナレーションが始まった。どうやら、これは映画の予告編のようなものらしい。そのタイトルは『母と子の愛の物語』というらしい。一体何の映画なのか。そもそも、誰が作ったものなのか。俺にはさっぱり見当がつかなかった。ただ一つだけ分かることがあるとすれば、この映画は大ヒットして社会現象にまで発展してしまうということだ……! いや、違うか……?
(完)
この話はフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありませんのであしからずご了承願います(^_-)
-☆( ́∀`*)ウフフ
「なあ佐藤、ちょっとこれを見てみろや……」と言いながら、鈴木が俺の机に一冊のノートを置いた。何だこのノート……?と思って開いてみると中に書かれていたものは漫画のようなイラストであった。しかしただの落書きというわけではない。ちゃんとストーリー性があり尚且つ、登場人物の名前などもきちんと書かれているではないか。俺は気になって尋ねた。「これは何なの?」それに対して、奴は自慢げに答えた。
holic-9
「ふふふっ……聞いて驚くなよ?それはな……お前だよ!!」それを聞いて俺は思わず絶句してしまった……まさかこいつがそんな趣味を持っているとは思わなかったからだ!
そんなことを思っていると先生も同じことを思ったらしくみんなに問いかけたのだそうだ。
生徒とて戦士の端くれであるからして決して弱い訳ではないのだが、武器との相性の悪さはいかんともし難く一方的に叩きのめされ続けている状態だ!
「ふふふっ……聞いて驚くなよ?それはな……お前だよ!!」それを聞いて俺は思わず絶句してしまった……まさかこいつがそんな趣味を持っているとは思わなかったからだ!しかもその内容というのが、俺そっくりなのである!!一体どういう神経をしているのだろう……理解に苦しむなと思った次の瞬間である。奴が突然叫びだした。
「……って嘘だよ!バーカ!そんなの信じる方が悪いんだよww騙される方が悪いんだってば~wwww」そう言いながら腹を抱えてゲラゲラ笑い始めたのだ。それを見て、俺もつられて笑ってしまったのである……
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そんな出来事があってしばらく経ったある日のこと。今日もいつも通り授業を受けていたら、急に先生がやってきてこんな事を言いだしたのだった。
「今からテストを始めるからな~」先生の発言を聞いてクラスメイトたちが騒ぎ始める。当然の事だろう。何故ならテストはまだ先のはずだったのだから!だが先生は構わずに話を続けた。どうやら、何か事情が変わったようである。なんでも今日になって急遽、全クラスに対してテストを行うことが決まったらしい。そのため、これから急いで準備しなければならないということだった……やれやれだな……まあでもしょうがないよなと思い大人しく言うことに従うことにした。だがその時だった。あることに気がついたのである。クラスの生徒たちの表情がどことなく暗いことに……どうしたんだろう?体調でも悪いのだろうか??そんなことを思っていると先生も同じことを思ったらしくみんなに問いかけたのだそうだ。何かあったのかと……そうしたら意外な答えが返ってきたというのだ。みんな一斉に話し始めた。
「今朝起きたら、家に誰もいないんですよ!お母さんたちはどこへ行ってしまったんでしょう……?」「僕の妹もいなくなってしまったんです……」「俺の父ちゃんもいなくなったんだけど……」などと言っているうちに教室の中は次第に不穏な空気になっていったらしいのだ。そんな中で誰かが言ったらしい。そういえば昨日お父さんたちと一緒に出かけた人がいたよねと……それを聞いた途端に他の生徒たちがざわめき始めてしまったらしいのだ。その中には泣き出す者もいたという……その様子を見た先生が慌ててこう言ったそうである。「おいおいどうしたんだ?お前たち大丈夫か?何があったのか先生に教えてくれないか?」そう言ったものの誰も何も答えないそうだ。ただ黙って俯いているだけである。それどころか泣き出してしまう者も現れ始めたらしい……これでは埒が明かないと考えたのか先生が大きな声でこう言ったそうだ。
「わかった。ならいいさ、別に無理に言わなくてもいいぜ!」そう言ってその場から離れようとしたその瞬間であった。一人の生徒が言ったらしいのだ。
「先生……教えてください……」その一言を聞いた途端、それまで笑顔だった先生の顔つきが険しいものへと変わったそうなのだ。それを見た途端、「命のやり取りを教えてやるぜ!」とバスタードソードを振りかざした。
「またバスタードソードかい!?」
生徒は落ち着いたものでモーニングスターで受け止めた。ガシーレン!カージャ!パン!!激しく切り結ぶ両者。生徒の口からは血が垂れ落ちるも意に介さず攻撃を続ける。生徒も必死で応戦するも徐々に追い詰められていき……。
生徒とて戦士の端くれであるからして決して弱い訳ではないのだが、武器との相性の悪さはいかんともし難く一方的に叩きのめされ続けている状態だ!「このままではマズイ!」
holic-10
そう思い、生徒は一度距離を取って仕切り直そうとしたところで足を滑らせてしまい盛大に転倒した!
だが生徒も負けてはいられないとばかりに上体を逸らした直後、間髪入れずに蹴りを繰り出して相手を突き放すと、そのままバク転を繰り返して一旦距離を取った。
不意を突かれたものの咄嗟に盾を構えると金属音と共に衝撃を感じた。
そう思い、生徒は一度距離を取って仕切り直そうとしたところで足を滑らせてしまい盛大に転倒した!「しまった!」生徒が体勢を立て直す前に既に眼前にまで迫っていた剣先が喉元目掛けて一直線に突き込まれようとしている……ッ!だが間一髪の所で、何とか横に転がって回避に成功したものの今度は生徒の腹部を狙って横薙ぎの一閃!だが生徒も負けてはいられないとばかりに上体を逸らした直後、間髪入れずに蹴りを繰り出して相手を突き放すと、そのままバク転を繰り返して一旦距離を取った。そして呼吸を整えつつ改めて相手を観察してみるが特におかしな様子はなく至って普通に構えているだけだったが不意に相手が動いたかと思うといきなり斬りかかってきた!不意を突かれたものの咄嗟に盾を構えると金属音と共に衝撃を感じた。だが同時に違和感を抱いた! 先程と比べて明らかに威力が上がっている!?それも格段にだ!その後も怒涛の剣撃が続く中何とか耐えていた生徒だったが次第に劣勢に追い込まれていった! 相手の斬撃が重くなってきているのか、それとも自分が押されてきているのかすらわからなくなってきた頃だった……ふと見ると、相手の剣を持つ手が僅かに震えているのが見えたのだ!それを見て好機だと判断した生徒はここぞとばかりに反撃に出た! 相手の攻撃をギリギリの所で受け流しながら着実にダメージを与えていく。その甲斐あってかついに力尽きたのかその場に倒れ込んでしまった相手にトドメの一撃を与えようと大きく振りかぶったところ、突如後ろから誰かに声をかけられたので思わず振り向くと、そこにはなんと我が夫の姿があったではないか!どうやら心配して様子を見に来たようだ!なので私は、大丈夫だということを伝えようとしたが次の瞬間私は目を疑った。なんと夫は、なんと素手で剣を受け止めるどころか握り潰してしまったのだから……!なんという握力なのだろうと思った矢先だった。何と夫の体がどんどん膨れ上がっていくではないか……!その姿はさながら巨大な筋肉の塊のようだ!その光景を見た瞬間私は恐怖を覚え、無意識のうちに逃げ出してしまった。あれは一体何なのだろうか……?まさか夫が化け物になってしまったのではないだろうか?そんな不安を抱えたまま家に帰るなり寝室へと駆け込んだ。するとパイプ机といすが並べてあった。ジュラルミンの投票箱までおいてある。なんと今日は投票日だった。私は恐る恐る近づいて箱の中身を見てみる事にした……中には大量の一万円札がギッチリと詰まっていたのだ。これさえあれば借金を返して新しい家を買える……そう考えた瞬間私の心に迷いが生じ始めていた。今までの事を全て捨ててこのままここに残るべきか、それとも今すぐこの場を去るべきか、それが問題だ!いやそもそも私がこの金に手をつけなければ問題は解決出来るのではないか?いやダメだ!あのお金があれば私の夢も叶えられるのだ!夢を諦めるにはまだ早すぎるというものだ!!だからやはり手をつけるべきじゃないな!!うん!!それにあんな大金を手に入れた事を知られたら絶対に狙われてしまうに違いないからな!!やはりやめておこう!!!うん!!それしかない!!よし決めた!!今日からは節約生活をしよう!!! -☆-(>_ -☆-( ́ω`)-☆-( ́ωb)
(完)
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【解説】
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