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目次
フラッシュバック
__…る__ __はる__ はる っ !
地獄 ミミ の自分の名前を呼ぶ声で耳が覚めた。あの明るく、無邪気なミミが俺の名前を元気に呼ぶ。消えて欲しいのに、消えてくれない。終わらせたいのに、ミミが、俺が終わらしてはくれない記憶が毎日のようにフラッシュバックする。
もしミミが「血の池事件」なんて興味を持たなかったら、ここに正義を持たなかったら、俺たちはまだ、笑い合いながら一緒に事件を解決しているのだろうか、などいくらでも考えた。
もちろん「|沼男《スワンプマン》」にも
朝起きると、いつも目から滝のような涙が出る。「なぜ俺は泣いているのだろう。」「何も、悲しいことはないはずなのに」そう唱えるのが毎日になった。思い出さないようにするから、溢れ出した感情が夢となって出てくるのだろう。
「ぁ ゛ あ … 準備 、 しなきゃ 、」
自分に言い聞かせるように言い放ち、立ち上がる。準備というのはいち早くここから立ち去る準備だ。
理由はただ一つ。ミミに見つからないため。
そう。ミミに見つからないためなら。
握りしめる
「あの 、 こんな男の子を知りませんかっ」
私は自分ともう1人、自分より高い身長で、ふわふわとした桜色の髪の男の写真が写った写真を見せた。 こうか聞いても答えはわかっているはずなのに、「知っている」と言ってくれる奇跡を待つのだ。
卯月 春 を見つけるために
見つけるためなら
なんだってする 。
ハルが出て行く時に置いていった綺麗に光る、ダイヤ型のネックレスを強く握りしめては、また次の人、その次の人とと聞き込みをする。
「 あの 、こんな男の子 … 」
「 あれ ぇ ? ミミ ちゃん ? 」
慌てていたのだろう。がむしゃらに聞き込みをしているから、自分より背の高い人の顔など、見れるはずもない。ミミちゃんと自分のことを呼ぶなぜか懐かしいと思わせるような声は私のことを知っている。彼が持っている袋には 、
ポテトチップスとコーラあと、怪しげな棒が入っている。恐る恐る顔を上にすると、長く重い前髪が目を隠している薄汚い一言で表すならおじさんと言う男が立っていた。
私は目を湿らせた。
「平太さん … ?はるがはるがぁっ、」
「知ってるよ。俺がはじめに教えてもらったんだから」
「そうっ…なんですねっ、手がかりとか…」
「あぁ … ごめんミミちゃん … 」
そう悲しそうに言う平太さんを見て私はゾッとした
「死んだわけじゃないから安心して?多分」
「ああ、よかったです、何かあれば地獄耳探偵事務所までお電話ください …」
私はまた、聞き込みを再開した 。
期待
「はあああ…っかれたぁ〜、」
ついたのは昨日いた場所とははるかに遠いもう一つの拠点。なに、中身はそんな豪華ではない。小さいソファーに小さなテーブルと小さなテレビだけの、ミニマリストを極めたような中身だ。俺はテーブルの上にあるテレビのリモコンを片手にテレビをつけた
『卯月 春 !! ぜっっったい見つけてやるんだから !! 覚悟してなさい ! 』
と、まるで俺を犯罪者みたいに言う彼女はテレビに映していいのかと疑うほどにグチャグチャに泣き崩れた様子だった。
「うぉっ、おれ?」
それもそうか。俺はミミにネックレスを押し付けてから、勝手に出ていった迷惑人だもんな。
とぽろりと水が落ちて行く。
「雨漏り.?」
などといわないでもわかっている。自分から出る涙だ。泣いてばかりの自分の頬を叩く。
「俺なんかが泣くなっ…」
そう思い詰めることしか罪の償いにはならない。
コンコンコン …
なぜか、扉が叩く音がした。誰にも、バレない、目をつけられるはずもない古びたマンションなのに。
何故 ?
俺は居留守を使おうとしたが、さっきまで電気がついていた。
「あの〜…どちら様でしょうか…」
恐る恐る扉を開ける。そこには地獄ミミの姿はなかった。あったのはキリスト教の勧誘だけ。
少し期待したのだろうか、ダンっと扉を閉めては鍵をする。
俺は見つけて欲しいのか見つけて欲しくないのか
さっき買っておいたサンドウィッチを開けて口にした。