夜を描く。
というオリジナル小説のシリーズです。
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目次
夜を描く。No.1
ガタンゴトン、ガタンゴトン
少女は……いや、年齢はわからない。とにかく、女は電車に揺られていた。
女は夜を描く者。街から街へ、国から国へ、と旅をして、人々に夜を届ける。
夜を描く者は、何人かいる。一人では、描ききれないから。毎日、毎時間、毎分、毎秒、必ず|何処《どこ》かで夜になる。それ|故《ゆえ》に夜を描く者は何人かいるのだ。
〈次は~|鈴柳《すずやぎ》~。|鈴柳《すずやぎ》~。終点です。〉
「ん。下りないと。夜を時間通りに届けないと怒られちゃう。」
そう|云《い》って女は電車を降り、歩き出した。街外れの丘に向かって。
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「うわ。ギリギリだ。急いで用意しないと。」
そう|云《い》うと女は鞄の中からイーゼル、キャンパス、絵の具、その他絵を描くのに必要な物を取り出し、今日の夜を描き始めた。美しく、細かく、誰も見ないようなところまでしっかりと描きこむと、キャンパスだけを地面に置いて、後の道具は片付けた。そうすると、辺りが段々と暗くなり、女が描いた夜が空へ映し出された。
「ふふ。……次は、|何処《どこ》の夜を描きに行こうか。」
女は満足そうに笑うと、丘を後にした。
今日も、夜は描かれる。夜を描く者の手によって。
夜を描く。No.2
男は空に浮かんでいた。いや、空を歩いていた、という表現のほうが正しいかもしれない。
「ふんふふーん!」
さも楽し気に。人がいないので見られる心配はないが、やっていることはとても奇怪なことなのである。
「そうだ!今日の夜は雨にしてやろう。」
そう|云《い》うと男は|背負《せお》っていたリュックサックから、パレットと絵の具と絵筆と水の入ったペットボトルを取り出し、“空に向かって″絵を描き始めた。何処かのビルの屋上に座って。空を、キャンバスにして。
「ふんふふーん!ここをこうして~!……………………かんせ~い!」
しばらくすると、辺りが暗くなり、雲が立ち込め、強い雨が降り始めた。外にいたものたちは焦り、家にいたものたちは洗濯物を取り込むものもいれば、窓を閉めるものなどがいた。
この男は、人を困らせることが大好きだ。かなり酷い趣味を持っているが、それもこの男の特徴である。
男はまた、歩き始めた。次の街では、どんな風に人を困らせるか、考えながら。さも楽し気に、雨に打たれながら。
どうも、今回のあとがきで初登場の夜先です。初見で私の名前を読めた方は一体何人おられるのやら。
相変わらず短いですね……。作者の想像力と語彙力が釣り合っていないせいですね。
これからも、「夜を描く。」シリーズをよろしくお願いします!
夜を描く。No.3
3話目になりましたね~!今回は、リクエストしていただいたキャラクターを、使用させていただいております。
ネタ切れです!いっぱいリクエストください!
このお話で、西暦と時代がわかるようになりますよ~!
「……は?」
俺は絶望していた。自分の描いたであろう夜が、売られていたから。
「どうしたんだ?お前。そんな顔をして。」
「っ。……これ、夜、か?」
本当に自分の描いた夜なのか、確認してみる。確か、この夜を描いたのは、西暦2478年、|夜朝《よちょう》時代の10月23日だったはずだ。
「そうだぞ?10月23日のな。なんだ。欲しいのか?」
「………………いや、いい。」
その言葉を言うので、精いっぱいだった。同じ状況になったら、夜を描く者全員が、同じ反応をするだろう。
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歩いているうちに、考えた。きっと、あいつと俺は相性が悪い。この世界を夜だけにしたい俺と、夜を|疎《うと》んでいるであろうあいつ。相性がいいはずがない。
そんなことを思っていると、いつの間にか今日の仕事場所についていたようだ。
今日の夜は、時間に余裕があるから、晴れから曇りに、そして雨になる空にしよう。
3枚のキャンバスを取り出す。そして、夜を描く。
1枚目には、晴れの空を。2枚目には、曇りの空を。3枚目には、雨の空を。
そして、天気が変わる空にしたいときは、呪文のようなものを唱えなくてはいけないのだ。
『夜を司るツクヨミ様。ぐるりぐるりと変わる夜を、どうかお許しくださいませ。』
そう、唱えると、段々とあたりが暗くなり、さっきまで曇っていた空が、雲の少ない空へと変わっていく。……まぁ、また曇って雨が降るんだがな。
そんなことを考えながら、次の町へと、足を進める。……あいつのことは、他のやつらにも伝えておこう。
次の夜は、どうしようか。
はい。リクエストされたキャラクター、粗夜視(そやし)さんと黒瀬奏夜(くろせかや)さんを使わせていただきました。どうだったでしょうか。感想待ってます。