現在20XX。地球に謎のウィルスが発生。かかればたちまち死に至る…。そんな地球をまもるべく、とある少女たちは光の使者、プユラァに特別な力をもらい、ウィルスをばら撒く奴らを倒し、元凶も倒し、
この世界を救うことになった。そんな特別な力をもらった冬野紫音とその仲間たち、そして敵たち、
そしてプユラァの物語だ。
続きを読む
閲覧設定
名前変換設定
この小説には名前変換が設定されています。以下の単語を変換することができます。空白の場合は変換されません。入力した単語はブラウザに保存され次回から選択できるようになります
1 /
目次
Prologue
「そ、そんなっ、陸!」
しんとした都市の路地の中1人の少女が、悲鳴を上げた。彼女の名は冬野紫音。近くの中学生だ。
「陸…頼むから目を開けて!ねぇお願い!ねえ!」
姉が悲痛に叫んでも弟は目を覚さない。
彼女は絶望に飲み込まれた。
「そんな…陸しんじゃいやあ!」
「ハァハァ…。ゲホッ」
弟の口から大量の血が吐かれた。弟が血の泉に飲み込まれてゆく…。
「はあっ」
少女が泣きそうになった時だ。声をかけられた。
「悲しいかい?」
可愛い高めの声。少年的な口調。少女が振り向くとそこには白い犬のような…でも、頭につのが生えている。
「悲しいに決まってる…誰?」
「ボクは光の使者、プユラァ。弟の仇うち…。さあ、特別な力を授けよう」
最近よく見る夢
紫音「はあっ」
少女_冬野紫音は辺りを見回す。変わることなき自分の部屋。桃色のカーテン。そして二段ベッド.唯一変わっているのは弟の「陸」がいないこと。陸は最近やってきたウィルス_「エメシス・ヘム」通常「ヘメシス」にかかってしまったのである。弟は現在入院中だ。溺愛する弟のいない生活など考えれなかった…。
それにしても。ふと紫音には気になることがある。それは毎回見る夢だ。内容は弟がウィルスにかかること。
かかること自体同じなのだが最後に出てくる…謎のツノの生えた犬?が出てくることは違うのだ。
紫音(一体,あの夢はなんなの…?何かの予兆かな…)
考えに耽ていると母親…美智子の怒鳴る声がした。
美智子「何してるのよ!?早くきなさい!もう学校に送れるわよ?」
紫音「ああ,ごめんなさい」
彼女はリビングに行き朝食を食べに行った。リビングでは美智子が憂鬱な表情で待っていた。
美智子「はい,早く食べなさい…送れるわよ」
紫音「わかってるよ〜。あれ?朝ごはん一つ多いよ?お父さんはもう食べたでしょ?ならなんで3個残ってるの?」
美智子「…陸の分…作ってしまったのよ…」
紫音「あ,ああ。。」
そう。紫音だけではない,家族全員、陸が入院してからずっと悲しんでいた。
紫音「なんか,ごめん」
美智子「別に、いいわよ。それよりささっと食べなさい?」
紫音「…はーい」
弟がいないだけでこうなるなんて。紫音は思ってもいなかったのだ。
紫音「行ってきまーす」
私が家を出ると、ドアの目の前には親友の輝夜がいた。
輝夜「しおちゃん、おはよう!ねえ,みた?昨日のshell君のライブ!もう〜私最高すぎていいねめっちゃ押しちゃった〜」
shell君…というのは私と輝夜が推しているアイドルグループ、「Stella」のチームメンバーの1人。ものすごくイケメンなのだ。私と輝夜の大の推しなのである。
紫音「もちろんみたに決まってるじゃない!shell君、やっぱり歌もダンスも得意だよねっ!」
輝夜「ねー!」
いつものように変わらない通学路を歩いていた。その時だ。すぐそばの路地で何かが動いた気がした。
紫音(何…?)
私は気になり目を凝らして路地をのぞいた。うっすら見えたのは白い犬?そう_私のみたあの夢に出ていた犬そっくりなのだ。
紫音(?えっまさかあの犬は…)
私は身体中の血の気が引いていくのに気づいた。アレは…正夢だったのか…?あの夢は…私を何かに招いていたのか…?
輝夜「どうしたの?顔色,悪いよ?ねえ,早く学校にいこう?」
紫音「え、ええ。そうね…」
私たちはなんとか遅刻せずに教室に入ることができた。教室に入ってすぐさま輝夜は何かに気づいたようだ。
紫音「どうしたの?」
輝夜「ねえ,転校生かな…?」
輝夜はまじまじと増えている席を見つめていた。本当である。席が増えている。。ちょうど私の後ろ,だ。
輝夜「わかんないけど…ドキドキするわね」
紫音「そうね」
席につき、約5分後、先生が教室から出ていき、そしてまたまた3分後にくすんだオレンジの長い髪をした美しい女の子を連れてきた。先生は黒板にその少女の名前を大きく書いた。
紫音「… 穂積雪希…?」
教室がざわつく。なにしろその少女は輝夜並みに美しいのだから。
先生「はい,雪希、自己紹介をしろ」
雪希「…私は穂積雪希。よろしく」
そういうと雪希さんはそそくさと席に着いた。人見知り…なのだろうか?なかなか喋らなかった。
先生「新しい仲間だぞ。仲良くしろよな!じゃあ一限目を始めるぞ」
絶望の中で…
教子先生「えー、なんとかが、なんとか…そしてこうなります…」
今は数学の時間だ。数学教師の教子先生は厳しいことで有名。しかし私はそんなの忘れてぽーっとしていた。転校生の雪希、そしてあの夢…気になることがたくさんなのだ。私が消しゴムクリクリしている…と、教子先生が声を上げた。しまった…!
教子先生「紫音さん!集中してますか!?全くもう…」
教子先生の口癖、「廊下に行きなさい」が聞ける…そんな時だった。
「うわああ!?」
「きゃああ!」
いきなり学校が激しく揺れたのだ。
輝夜「何!?地震!?」
雪希「いや!違う…見なさいっ!」
雪希さんは鋭く叫び窓の外を指差した。そこには…
紫音「は!?」
空に浮く黒髪の男子がいたのだ…その男子はバズーカを持っていた。そうか。バズーカで学校を壊そうと_!私の予感は当たった。彼はもう一発バズーカを放った。
ドンッ…。
学校は鈍い音を立て崩れて行く。
みんな「きゃああああ!」
私たちは学校と共に落ちていった_。
---
輝夜「紫音ちゃん!」
私が輝夜の声に目を覚ますと、破片の上で横になっていた。片足と片腕は骨折してしまったようだ。動かない。輝夜も頭に包帯を巻いていた。
紫音「か、輝夜…これは…」
輝夜「変な奴が学校を壊したじゃない…。あ、先生!紫音、無事ですっ!」
担任の先生「よし、これで全員無事か…?」
「あ、穂積さんがいません!」
担任の先生「なに!?おい、穂積!」
先生がドラ声で叫ぶが、雪希は姿を表さない。
紫音「ま、まさか…」
その時だ。
バズーカ!
バズーカが私たちに放たれた。
「うわああ!逃げろうっ!」
「きゃあ!?」
みんな背を向け走って行く。
紫音「あ、あ…!」
私は足が動かず、前へ進めない。みんな、我を忘れ走って行く。
紫音「まっ、て!」
みんなは走り続ける。ダメだ…私は死を覚悟した。バズーカがぶつかる…その時だ。
ドダッ。キーン!
紫音「え?」
私の目の前に、髪を靡かせた少女がいた。そして…
「くっ…」
バズーカを持ち上げていたのだ。
男子「なっ…!?また、貴様か!?」
「ふんっ!」
彼女はバズーカを男子に投げた。
男子「ぐわっ!?」
男子はバズーカをまともにくらいボロボロになった。
「ふ、ふう…」
彼女が息ついたところへ少年的な声が響いた。
「やったね、ゆーき、こいつは処理しとくよ」
この声…私が夢で聞いた…。
ゆーき「…プユラァ…なんでいるの?素人名前よ?」
紫音「え…」
ゆーき?はなんと会話を交わしているのだ。
てか、素人って…ひどいよ。
プユラァ「何言ってるんだい?紫音ちゃんはね、とても価値あるんだよ?」
紫音「え?」
こいつ…私の名を知っている!?そして…価値…あるって…何、よ…!?
価値あるニンゲン
え?私が…価値ある人間?一体どゆこと…。
白いツノの生えたクリクリした目を持つ愛らしい犬…否、プユラァは楽しげに続けた。
プユラァ「ふふ。キミにはね、ゆーきとその仲間たち同様にウィルスをばら撒く奴らを倒す資格があるのさ」
それを聞くと、ゆーきは相当びっくりしたようだ。
ゆーき「は!?紫音さんまで巻き込むの!?」
プユラァ「巻き込む?ちがうよ、紫音ちゃんは資格があるんだよ。紫音ちゃん、不思議な夢も見ただろ?」
不思議な夢…あのことに違いない…!私は頷いた。
プユラァ「ね、ほら。夢も見たということはステラヘムが認めたということ」
紫音「ステラヘム…?」
プユラァ「うん。これさ」
プユラァはどこからか瓶に詰められた真っ赤な血を取り出した。
プユラァ「この血を入れるとね、血が精神を刺激して尋常ではないパワーが手に入り、キミの心臓が頑丈なヘビーコアに変わるのさ」
紫音「ヘビーコア…」
プユラァ「見た目は他の心臓と変わらない。ただ、心臓を刺されても死なないくらいの頑丈さを持つ。今から証拠を見せるよ」
そういうとプユラァは無慈悲にも、ゆーきの心臓にナイフを刺してしまったのだ。
紫音「きゃあっ!?」
私は驚き目を瞑った…が、すぐに目を開いた。ゆーきは血すら出してないのだ。
プユラァ「ね、言っただろ。このステラヘムを入れればキミは晴れてウィルスを潰すものたちになれる。そうすれば…弟の仇うち…できるんだよ」
紫音「!!」
陸…陸を絶対絶命のピンチに追いやった憎い奴らを…倒せる。そうすれば…陸だって…もしかしたら。生還できるかも…。私は決意した。
紫音「やります…ゆーきさんと共に」
プユラァ「ふふ。言ったね。さあ、ステラヘムを加えようか」
そういうと私にステラヘムが入った瓶を突き出した。
プユラァ「飲んでいいよ」
紫音「の、飲む!?」
プユラァ「当たり前じゃないか。飲め」
紫音「わかった」
陸を助けることに必要なんだから。私は血を飲んだ。吸血鬼にでもなった気分だ。鉄のあじ…。と、体に激痛が走った。
紫音「うっ…」
何かが誕生するような、そんな気分だった。
その痛みは結構続いた。でも痛みが強くなるにつれ…何か強くなれた気がしたんだ。やがて痛みが治るとプユラァがさっきよりも高く可愛い声で言った。
プユラァ「やったね!キミはもう戦う少女たちの仲間だ!よし、ゆーき変身解いちゃって、いいよ」
紫音「変身!?」
ゆーきは軽く頷くと腕の奥部分を強く押した…と、光が一瞬ゆーきさんを包み込み…なんと、ゆーきさんは…雪希にかわっていたんだ!
紫音「ああ!?」
プユラァ「ふふ。ゆーきはね雪希でした!雪希は紫音より前にもうこの星を守る活動をしてたんだよ」
雪希「そ、そうなんです…」
さっきまであんなにかっこよかったのに。
プユラァ「変身はね今の強さよりもっとチカラをあげるんだよ。腕の奥部分に窪みが少しできている。そこはステラヘムがたくさん集まってるんだ。そこを押せば、紫音も変身できるよ!」
うわあ、すごい。アニメのキャラにでもなった気分だ。私は最初軽い気持ちで、いた。この後絶望がなん度も遅いかかるなんて知らなかったから。
明るい一等星
私は冬野紫音、近くの学校に通う普通の中学生…だったが最近、うぃるすをばらまくものたちを倒す少女達の「一員」となってしまった。いや、私かなりたいって言ったけど。しかもそんな私たちを援護する…プユラァに好かれて、プユラァを飼うことになってしまったの。ツノが生えてるし、母親…美智子は、いいよって言ってくれるか心配だったけど…プユラァのくりくりんの瞳に目を奪われたみたい。いいよって言ってくれた。でも、私が戦ってるっていうのはナイショ。
紫音「ふわぁ、おはよプユラァ」
プユラァ「紫音、おはよ。ねぇ、いきなりだけど…今日学校で大事なこと、ある?」
紫音「え?別にないわよ」
いきなりどうしたのだろう。
プユラァ「じゃ、休んでくれる?ちょっとしたいことがあるの」
紫音「ええ!?休む!?」
プユラァ「うん、紫音よりも前に雪希と同じ頃、戦い始めた先輩に合わせようと思うのさ。どう?」
紫音「えー、別にいいけど…」
きょうは科目教師がうざい、「美術」もあるしね。
プユラァ「よし、そうと決まれば早速先輩の家に出発だ!よし、行くよ!」
そういうとプユラァはわたしに体をくっつけた。
プユラァ「目を瞑っとけよ。すごく眩しいからな…。ワープ!」
プユラァが叫ぶと…強い光が私たちを包み込んだ。わ、これは目を瞑らないと。目が眩むぞ。ぎゅっと目を瞑る。だんだん光がおさまっていくのがわかる…。少し時間が経ち、プユラァが声をかける。
プユラァ「さ、目を開けてもいいよ」
紫音「うん…わ!?」
わたしはびっくりした。目の前にはちょー高いビルがあるんだもん。
プユラァ「じゃあ、行こう。先輩は3階だからね。エレベーター無しでも行けるよ。さぁ、」
紫音「うん。」
私は急な階段を歩き、305号室に着いた。
プユラァ「今の時間、先輩は1人だからね。グットタイミング!あ、先輩もボクたちの為に休んでくれてるんだからね」
あ、ありがたい…プユラァが呼び鈴を鳴らすと……ガチャ。
?「あ!新人さんとぷゆちゃん!来たのね!さぁ、入って、入って!」
美しくオレンジに輝く腹まで伸びている髪を持った女の子がいた。瞳はすごい…とてもオレンジ色だ。
蜜柑「あたしは小笠原 蜜柑だよ!キミは紫音だよね?遠慮せず、はいっちゃって!」
紫音「はい!」
私は明るい蜜柑さんに招かれ家へと入った。
続く