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目次
女子生徒A 第一話
生きて行くのに、どこか一つ欠けているんです。足りないんです。———太宰治「斜陽」より引用
兄貴が死んだという電話が入った。
暴走したトラックが兄貴を巻き込みながらガソリンスタンドへ突っ込んでいったらしい。
私は制服のまま、家のドアを開けたところまでは理性があった。
途中、今日がエイプリル・フールであることを理由に、誤報を祈った。
通じないお願いがあることを忘れていた。
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私はもう私ではなくなっていた。千代田ういなんていう女の子は死んだ。いなくなったのだ。
じゃあ私は誰なんだろう。
今パソコンの画面を流れる、人、人、人。
それぞれ個性があって、帰ってくるとおかえりを言ってくれる人がいて、それで…
私はひとりぼっち。どれだけ泣いても。
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もう一週間経つのに、立ち直ることができない。
帰ってくる時テレビの音がしていないのが耐えられない。
なぜか人の数倍疲れてる気がする。
人は身内が死ぬとこんなにも辛いんだ。どこかでは2秒に1人が死んでいっているというのに。
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死のう。
私は死ななきゃいけない。死にたいんじゃない。そういう義務があるんだ。
天国はどこにあるんだろう。パスポートはいるのだろうか。
それに、普通の死に方じゃ駄目だ。それを見た誰もが、一生記憶に残って、思い出すたびに死にたくなるような、死に様じゃなければいけない。