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目次
僕らの何処かに消えない歌を。
僕らの何処かに消えないウタを
窓の外では少し物足りない風が吹いていた。カラフルピーチのシェアハウスのリビングには、いつもならメンバー誰かしらの笑い声が響き、ゲーム実況の賑やかな掛け合いが聞こえてくるはずだった。しかし今この場所に漂っているのは、重苦しく、鋭い緊張感だけだった。
じゃぱぱ:またそこ、ズレてる。何回言ったらわかるんだよ、、はぁ。」
リーダーのじゃぱぱの声が冷たく低く響いた。彼の前にあるモニターには2ヶ月後に控えるからぴち史上最大のライブと大きく書かれた画像が写っている。
ダンスのステップ、歌のピッチ、そして何よりメンバー同士のタイミング。その全てがじゃぱぱのめには不合格というレッテルが貼られていた
「いや、じゃぱぱ、、、今のところはたっつんが、、、」
「たっつんのせいにするな。ゆあん、お前のタイミングもコンマ数秒遅いんだ。このままじゃチケットを買ってくれたファンの子達に、最高なんて言えないだろ。」
ゆあんは言葉を飲み込み、拳を強く握りしめた。負けず嫌いの彼が何も言い返せないほど、じゃぱぱの持つオーラは厳しく、余裕がなかった。
「もう一回、イントロからやり直し」
じゃぱぱの指示に、ソファに腰掛けていたメンバー達も重い腰を上げるのあは不安げにえとの顔を見た。
いつもなら大丈夫、次はできるって!と場を和ませるえとも、今は自分の譜面をじっと見つめたまま黙っている。
ライブまであと2ヶ月。これまではどんな困難も楽しむことでやり遂げてきた。マインクラフトの世界で数々の企画をくり広げ、やり直しの効かない一発勝負の壁を目の前にして、彼らの歯車は少しずつ、確実に狂い始めていた。
「じゃぱぱさん、少し休憩しませんか、、?みんな、もう3時間もぶっ通しで、、」
のあが勇気を振り絞って声を掛けた。優しい彼女の瞳には、今にも溢れ出しそうな涙がたまっていた。大好きなからぴちのみんなが、こんなに険しい顔をして立ち尽くしているのを見るのは、彼女には耐えられなかった。
「のあ、休憩してその間にミスが治る?本番で誰か転んだら、それはからぴちの失敗なんだぞ。
じゃぱぱの言葉は正論だった。正論だからこそ、誰も言い返せない、彼は誰よりもグループを愛している、だからこそ、中途半端なモノをファンに見せることだけは、絶対に許せなかったのだ。しかし、その情熱は今、鋭い派となって仲間の心を削っていた。
うりがギターを構え直す。彼の指先は、長時間の練習で赤くなっていた。もふは冷静に、どこか悲しげな目でモニターの波形を見つめている、どぬくとシヴァはお互いに一言も交わさず、ただ壁の一点を見つめていた。
「今日はもういい。解散だ。」
じゃぱぱがモニターを乱暴に消した。それぞれが逃げるように自分の部屋へと戻っていく。リビングに残されたのは、リーダーとしての重圧に潰されそうなじゃぱぱと、冷え切った11人の音色の残響だけだった。
、、すごく質が悪いですね、、、すみません
不安と後悔(ゆあんくんside)
ゆあんくんside
、、本当にあれでよかったのかな、、、
じゃぱぱと出会ってから10年。
「考えたら人生の2分の1じゃぱぱと過ごしてるんだ、、、、」
そうなると、じゃぱぱがあんなふうになってるのは凄くつらい。
だってじゃぱぱは、悩んでそうな声色だったから。
「下、降りよう」
少し早めに階段を降りる。
「じゃぱぱ」
って寝てる、、、
「ん、、?何これ」
じゃぱぱの下にノートがある。じゃぱぱを起こさないように、そっとノートを抜いてみる
そこには大きな字で⚪︎にたい
と書かれていた。
いや、書かれていたというよりは、書きなぐられていた。という方が正しい。
「っえ、、?」
時が止まったような気がした。
だって、あんなに元気だったじゃぱぱが、こんなに悩んでいたなんて、知らなかっ た。
「っ、、ぅ、あ、、ポロ」
もっと早くに気づいていれば。
もっと早く声をかけていれば。
なんで、なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで
なんで気づけなかったの、、?
「っ、、、あぁぁぁぁぁぁあ、、!!」
もう、どうすれば良いのかわからなくなってしまった。
おつてぃあ!
キリ悪くてすみません
次はのあさん視点です!
しらなかったから。
ごめんなさいじゃぱゆあです!!!推しに負けました!!!すみません!!!
叫び声は、静まり返ったリビングにひどく歪に響いた。自分の喉から出たものとは思えないほど掠れたその声は、行き場のない後悔そのものだった。「……ん、……ゆあん、くん?」その声に反応して、ソファで眠っていたじゃぱぱがゆっくりと目を開ける。微睡みの中にいた彼は、目の前で泣き崩れ、ノートを握りしめている俺の姿を見て、一瞬で表情を凍りつかせた。「あ……それ……」じゃぱぱの手が、力なく宙を泳ぐ。ノートに書き殴られた「⚪︎にたい」という、あまりにも重く、鋭い言葉。10年間、隣にいたはずだった。人生の半分を共有し、誰よりも彼の笑顔を見てきた自負があった。それなのに、その笑顔の裏で彼がどれほどの闇を抱え、独りで震えていたのか、俺はこれっぽっちも分かっていなかったのだ。「なんで……言ってくれなかったの……」「ゆあんくん、それは、違うんだ。その、ただの、吐き出しというか……」じゃぱぱは無理に笑おうとする。でも、その頬はひきつり、瞳には隠しきれない絶望が滲んでいた。その「いつもの明るいリーダー」を演じようとする姿が、今の俺には何よりも残酷に映った。俺はたまらず、床に膝をついたまま、じゃぱぱの身体を強く抱きしめた。「違くないよ! 全然、違うくない……! こんなになるまで、一人で、どれだけ苦しかったの……? 気づけなくてごめん、本当に、ごめん……!」俺の腕の中で、じゃぱぱの身体がビクンと震える。最初は抵抗するように強張っていた彼の肩から、やがてふっと力が抜けた。「……怖かったんだ。弱音を吐いたら、全部壊れちゃいそうで。みんなの前の『じゃぱぱ』じゃいられなくなるのが、怖くて……」震える声で漏らされた本音。10年という月日が、逆に彼を縛り付けていたのかもしれない。俺はさらに力を込めて抱きしめる。彼の心臓の鼓動が、俺の胸に伝わってくる。まだ、動いている。まだ、間に合う。「もういいよ、じゃぱぱ。格好良くなくていい。リーダーじゃなくていい。俺の前では、ただの……一人の人間でいてよ」俺の涙が、じゃぱぱの肩を濡らす。しばらくの沈黙の後、俺の背中に、温かくて震える手が回された。「……生きてて、いいのかな」「当たり前でしょ。俺が、離さないから。どこにも行かせないから」書き殴られたノートの言葉は消えないかもしれない。でも、これからはその空白に、二人で別の言葉を書き込んでいけばいい。窓から差し込む月光が、泣きじゃくる俺たちを静かに照らしていた。10年目の夜。それは終わりではなく、本当の意味で彼と向き合うための、痛みを伴う始まりだった。
おつてぃあ!!!これは代表作になりそう!!!
残らない
じゃぱゆあです!!!(何回登場させんだよ)
「……鼻、真っ赤だよ」じゃぱぱが、掠れた声で笑った。俺の背中に回されていた彼の手は、まだ少し震えている。けれど、先ほどまでの「今にも消えてしまいそう」な冷たさは、俺の体温が移ったことで、少しだけ和らいでいた。俺は抱きしめていた腕をゆっくりと解き、顔を上げた。じゃぱぱの言う通り、俺の視界は涙でぐちゃぐちゃで、鼻をすする音だけが静まり返ったリビングに間抜けに響いている。「……人のこと、言えないじゃん。じゃっぴだって、ひどい顔してる」俺が濡れた袖で目を拭うと、じゃぱぱはソファの背もたれに深く体重を預けた。その膝の上には、まだあのノートが置かれている。「⚪︎にたい」その四文字が、月明かりの下で黒い痣(あざ)のように浮き出ていた。じゃぱぱは、愛おしそうに、けれど酷く怯えたような手つきで、そのページを指先でなぞった。「これを見られたら、もう俺は『カラフルピーチのじゃぱぱ』ではいられないと思ってた。みんなを引っ張る、明るくて、元気なリーダー……。そのメッキが剥がれたら、俺には何が残るんだろうって。……何も残らないのが、怖かったんだ」「何も残らないわけないじゃん」俺は床に座り込んだまま、じゃぱぱの膝に手を重ねた。「俺にとっては、じゃっぴは最初から、ただのじゃっぴだよ。10年前、一緒にバカやって笑ってた時から、リーダーだから好きになったわけじゃない。……ねえ、覚えてる? 最初のアスレで、二人で何度も落ちて、笑い転げたこと」じゃぱぱの瞳が、微かに揺れた。「……覚えてる。あの時は、ただ楽しかったな」「そうでしょ。リーダーっていうのは、後からついてきた役割に過ぎないよ。もちろん、みんなじゃっぴを頼りにしてるけど、それは『じゃぱぱ』っていう人間が大好きだから、ついていってるんだよ。苦しい時に苦しいって言っても、誰もじゃっぴを嫌いになったりしない」俺は一気に捲し立ててから、ふう、と深く息を吐いた。じゃぱぱは、黙って俺の言葉を咀嚼するように目を閉じている。やがて、彼は震える手でノートを閉じると、それをサイドテーブルの隅に置いた。まるで、心の中の重い荷物を、一旦そこに預けるように。「……ゆあんくん。俺、まだ、自分がどうしたいのか、よく分からないんだ。明日になれば、また全部が怖くなるかもしれない。カメラの前に立つのが、吐きそうになるくらい怖い瞬間があるんだ」「うん」「みんなに、なんて言えばいいのか……。もし、このまま俺が、元の『じゃぱぱ』に戻れなかったら」「戻らなくていいよ」俺は即答した。「新しいじゃっぴでいい。リーダーを休んでもいいし、しばらく動画に出なくたっていい。メンバーには、俺からうまく話すこともできる。……まあ、あいつらのことだから、薄々気づいてるやつもいるだろうけどね」特に、うりやなおきり、もふあたりは鋭い。リーダーの微かな歪みに、彼らが気づいていないはずがなかった。それでも、じゃぱぱが「完璧なリーダー」を演じようとするから、彼らもまた、あえて触れずに見守っていたのだ。「……そっか。みんな、優しいもんな」じゃぱぱが、ようやく少しだけ、本物の笑みを浮かべた。月光が雲に遮られ、リビングに深い闇が落ちる。けれど、もう先ほどのような絶望感はなかった。「……ねえ、じゃっぴ。10年前の俺たちにさ、『お前ら10年後、すごいことになってるぞ』って言っても、きっと信じないよね。あんなに高いマイク買って、あんなにたくさんの人に声を届けてるなんて」じゃぱぱは黙って聞いていた。「……そうだね。ただの遊びだったはずなのに、いつの間にか、俺にとってはそれが『命綱』みたいになってた。みんなが楽しんでくれるから、俺は生きてていいんだって……そう思い込もうとしてた」「命綱ね……。でもさ、綱ってずっと張ってると、いつかプツンて切れちゃうでしょ? たまには緩めて、地面に降りていいんだよ。俺がその地面になるから」俺がそう言うと、じゃぱぱは俺の腕をそっと掴んだ。強くはない、けれど離したくないという意志が伝わってくるような力加減だった。「地面、か……。ゆあんくんは、いつも強いね」「強くないよ。俺だって、じゃっぴがいなくなったら、きっと同じノートを書き始める。だからさ、これは俺のわがままでもあるんだ。俺のために、生きてて。リーダーとしてじゃなくて、俺の親友として」夜風がカーテンを微かに揺らした。じゃぱぱの呼吸が、少しずつ、深く、規則正しくなっていく。張り詰めていた緊張が、ようやく眠りという逃げ道を見つけたようだった。「……ゆあん、くん」「ん?」「……明日、みんなに、ちゃんと話すよ。……全部じゃないかもしれないけど。少し、休みたいって。……いいかな」「いいに決まってんじゃん。みんな、『やっと言ったか』って笑うよ。特にどぬあたりは、じゃっぴに休んでほしいってずっと思ってたはずだよ」「……そっか。……おやすみ、ゆあんくん」「おやすみ、じゃっぴ」
おつそら!!!なんか投稿頻度上がってます!!1日に一話は絶対書きます!!深夜テンションで書いたのでめちゃくちゃです!!
本当の音を届けなきゃ
序盤じゃぱゆあです!そしてまあ長いです!ちゅーい!主は…をつけるくせがあります、直したいんだけど直す気合いないんだーw
ゆあんの声が、静まり返ったリビングに溶けていく。ソファの背もたれに体を預けたじゃぱぱの呼吸は、いつの間にか穏やかな寝息に変わっていた。膝の上に置かれたあのノートは、今はサイドテーブルの隅で、月の光を浴びて静かに眠っている。ゆあんは、床に座り込んだまましびれた足を少しだけ動かし、じゃぱぱの寝顔を見上げた。画面越しに見せる「リーダー・じゃぱぱ」の顔ではない。眉間にわずかな皺を寄せ、何かに怯えながらも、ようやく安らぎを見つけた一人の青年の顔。「……バカだな。地面なんて、とっくにあったのに」ゆあんは小さく零すと、自分の肩にかけていたブランケットをそっとじゃぱぱの体に掛け直した。明日になれば、また現実に直面する。カメラのレンズ、編集画面、鳴り止まない通知、そして「期待」という名の見えない重圧。けれど、今夜この場所で交わした言葉が、じゃぱぱの心の奥底に小さな錨を下ろしたはずだと、ゆあんは信じていた。ゆあん自身、眠気はとっくに限界を超えていた。けれど、今ここで目を閉じてしまえば、この奇跡のような静寂が壊れてしまう気がして、朝日がカーテンの隙間から差し込むまで、彼はじゃぱぱの手を握ったまま、動かなかった。1. 眩しい朝の音翌朝、リビングに差し込んだ光は、昨夜の絶望を洗い流すかのように無慈悲なほど明るかった。「ん……」じゃぱぱが微かに身じろぎをし、ゆっくりと目を開ける。視界に飛び込んできたのは、見慣れた天井と、床に座ったままソファに突っ伏して眠っているゆあんの姿だった。(あぁ、そうか。夢じゃなかったんだ)じゃぱぱは、自分の手がゆあんの手に握られていることに気づいた。その温もりが、昨夜彼が自分を暗闇から引きずり出してくれた証拠だった。サイドテーブルに目を向けると、あの「ノート」がある。「⚪︎にたい」そう書き殴った文字は、朝日を浴びても消えてはいなかった。けれど、昨夜ほど自分を縛り付ける鎖のようには見えなかった。「……ゆあんくん。起きて、ゆあんくん。風邪ひくよ」じゃぱぱが声をかけると、ゆあんは「うぅ……」と唸り声を上げ、派手に伸びをした。「……あ。じゃっぴ、おはよ。腰、バッキバキだわ……」「ごめん、ずっと起きててくれたんだ。……ありがとう」じゃぱぱの言葉に、ゆあんは少し照れくさそうに鼻を擦った。「別に。それより、顔洗ってきなよ。ひどい顔してるから」「それはお互い様でしょ」少しだけ、日常のトーンが戻ってきた。けれど、二人の間には昨夜共有した「秘密」という名の絆が、一本の太い杭のように打ち込まれている。「……ゆあんくん」洗面所へ向かおうとしたじゃぱぱが、足を止めて振り返った。「今日、みんなに集まってもらう。Discordじゃなくて、対面で。……言える気がする。今の俺なら」ゆあんは、その言葉を待っていた。「わかった。俺がみんなに連絡入れとくよ。『リーダーから重大発表があります。全員、正装……じゃなくて、気楽な格好でいつものスタジオに来い』って」2. 集う色たち数時間後。カラフルピーチの貸し切りスタジオには、メンバーたちが続々と集まっていた。「急になんだよ、ゆあんくん。今日撮影休みじゃなかったっけ?」うりが少し眠そうに欠伸をしながら入ってくる。「リーダーが話したいことがあるって。……珍しいね、じゃぱぱさんから呼び出すなんて」なおきりが、いつもと変わらない穏やかな微笑みを浮かべながら、けれどその瞳の奥で、少しだけじゃぱぱの様子を伺っているのが分かった。ヒロ、どぬく、もふ、たっつん、シヴァ、えと、のあ、るな。全員が揃うと、スタジオ内はいつものように騒がしくなった。けれど、その中心にいるべきじゃぱぱが、珍しくパイプ椅子に座ったまま黙っている。「……じゃっぴ、いいよ」隣に座るゆあんが、小さな声で、けれど力強く背中を押した。じゃぱぱは、ゆっくりと立ち上がった。喉の奥がカラカラに乾いている。手のひらは汗ばんでいる。もしここで「休みたい」と言ったら、みんなはどんな顔をするだろう。失望されるだろうか。「無責任だ」と責められるだろうか。それとも、もうリーダーとして認められなくなるだろうか。一瞬、昨夜の暗闇がフラッシュバックしそうになる。けれど、ふと視界に入ったゆあんが、力強く頷いて見せた。『俺が地面になるから』その言葉を思い出し、じゃぱぱは肺いっぱいに空気を吸い込んだ。「みんな、急に集まってもらってごめん」じゃぱぱの声が、静まり返ったスタジオに響く。「今日は、みんなに謝らなきゃいけないことと、お願いしたいことがあるんだ」メンバーたちの表情が引き締まる。たっつんが冗談を言おうとして口を開きかけ、空気を察して閉じた。「俺……最近、リーダーとして、みんなを引っ張っていくのが、少し怖くなってた。動画に出るのも、カメラの前に立つのも、本当は吐きそうなくらい怖かった。……みんなにバレないように、明るく振る舞うのが、どんどん辛くなって……」じゃぱぱの告白は、たどたどしかった。けれど、一言一言を絞り出すように紡いでいく。「昨日、限界が来て。一人で全部終わりにしようと思ってた。でも、ゆあんくんが気づいて、止めてくれた。……俺、リーダー失格だよね。みんなに頼りきりで、勝手に潰れて……」そこまで言ったところで、視界が滲んで声が震えた。「でも、俺……まだ、カラフルピーチが好き。みんなが好きだ。だから、……少しだけ、お休みをください。リーダーを休んで、一人の『じゃぱぱ』に戻る時間をください。……いつ戻れるか、分からないけど。また、みんなと心から笑えるようになりたいんだ」言い終えて、じゃぱぱは深く頭を下げた。スタジオには、重苦しい沈黙が流れた。3. 「やっと言った」その沈黙を破ったのは、低くて落ち着いた笑い声だった。「……はは、やっと言ったか」顔を上げると、うりが腕を組んで、少し呆れたような、けれどどこか嬉しそうな顔で笑っていた。「じゃぱぱさん、隠せてると思ってたの? 最近の動画、無理してるのバレバレだったよ」「え……?」じゃぱぱが呆然と声を漏らすと、どぬくが隣からそっと近づいてきた。「僕も、ずっと心配してたんだよ。じゃぱぱさんの笑顔が、ときどき無理してるみたいに見えて。……僕たち、そんなに頼りなかったかな?」「違う! そうじゃないんだ。ただ、俺が勝手に……」「そう、勝手に。じゃっぴの悪い癖だよね」えとが、少し厳しい、でも愛のある口調で言った。「一人で全部背負い込んでさ。私たち、ただの仕事仲間じゃないでしょ。……家族みたいなもんじゃん」のあも、瞳に涙を浮かべながら頷いた。「じゃぱぱさんがいないカラフルピーチは寂しいです。でも、じゃぱぱさんが苦しんでるカラフルピーチは、もっと寂しいです。……ゆっくり休んでください。私たちは、どこにも行きませんから」もふが眼鏡の位置を直し、淡々と、けれど温かい声で続けた。「リーダー代理が必要なら、適当に回しておくからさ。たまには後輩たちに甘えなよ」メンバーの一人一人が、じゃぱぱに言葉をかけていく。そこには、じゃぱぱが最も恐れていた「失望」や「軽蔑」の色は、微塵もなかった。そこにあったのは、昨日ゆあんが言っていた通り、完璧なリーダーではない「ただのじゃぱぱ」を愛する、仲間たちの純粋な想いだった。「……お前ら。ほんと、バカだよなぁ」たっつんが、わざとらしく明るい声で言った。「リーダーが休み? 最高じゃん! 俺たちが好き勝手できるチャンスだぜ。戻ってきた時に『あれ、俺の居場所なくね?』って焦るくらい、盛り上げといてやるよ!」その言葉に、スタジオに笑いが起きた。じゃぱぱの頬を、一筋の涙が伝った。けれど、それは昨夜の絶望の涙ではなく、凝り固まった心が解けていく、温かな涙だった。4. 始まりの休みそれから数日間、じゃぱぱは宣言通り、一切の活動を止めた。通知はオフにし、PCも開かない。最初は「何かをしなければ」という焦燥感に襲われた。呼吸が苦しくなる夜もあった。けれど、そんな時は決まって、ゆあんがコンビニのアイスを持って部屋に現れた。「何もしない練習、進んでる?」「……難しいね。ついついエゴサしそうになる」「没収だよ、スマホ」ゆあんは、本当にただの「親友」として接してくれた。からぴちの話をする時もあれば、10年前のくだらない思い出話で夜を明かす時もあった。他のメンバーからも、時折短いメッセージが届いた。『今日はうりが撮影で盛大に噛んだよ。動画にするから楽しみにしてて』『新しいゲーム見つけたから、復帰したら一緒にやろうね』それらの言葉は、もはや「義務」ではなく、じゃぱぱをこの世界に繋ぎ止める心地よい「地面」となっていた。ある夕暮れ時。じゃぱぱは一人、公園のベンチに座って、沈んでいく夕日を眺めていた。オレンジ色に染まる空を見て、「あぁ、綺麗だな」と素直に思えた自分に驚いた。これまでは、何を見ても「これはサムネに使えるか」「動画のネタになるか」というフィルターを通してしか見ていなかったことに気づいた。(俺、ちゃんと生きてる)胸に手を当てると、ドク、ドク、と確かな鼓動が聞こえる。命綱にぶら下がって、必死に空を泳いでいた頃よりもずっと、自分の足で地面を踏み締めている感覚があった。ふと、隣に誰かが座った。「……いい景色だね、じゃっぴ」ゆあんだった。「うん。……ゆあんくん」「なに?」「俺、もう少しだけ休んだら、またみんなのところに戻りたい。リーダーとしてじゃなくて……いや、やっぱりリーダーとして、かな。でも、前みたいな『完璧なリーダー』じゃない。かっこ悪いところも全部見せる、新しいリーダーとして」ゆあんは夕日を見つめたまま、ふっと口角を上げた。「いいんじゃない? そもそも、かっこいいじゃっぴなんて、俺らあんまり期待してねーし」「ひどいな、それ!」二人の笑い声が、夕暮れの公園に響く。5. 結び目その夜。じゃぱぱは久しぶりに、あのノートを開いた。「⚪︎にたい」と書かれたページ。彼はその文字を塗りつぶすことはしなかった。その隣の余白に、新しい一文字を書き足した。「い」合わせて、「⚪︎にたい」から「生きたい」へ。幼稚な言葉遊びかもしれない。けれど、それが今のじゃぱぱの偽らざる本音だった。彼はノートを閉じると、それを引き出しの奥に仕舞った。もう、月明かりの下でそれをなぞる必要はない。「……さて」じゃぱぱは、ずっと電源を切っていたPCのスイッチを入れた。画面が起動し、眩しい光が部屋を照らす。ディスコードには、メンバーたちの騒がしいチャットログが溜まっていた。じゃぱぱは、少しだけ震える指で、メッセージを入力した。『みんな、お疲れ様。……明日、ちょっとだけ顔出していい?』送信ボタンを押す。一秒も経たないうちに、画面いっぱいにスタンプが踊り狂った。「待ってた!」「遅いよ!」「アイス奢れ!」その騒がしさが、愛おしくて堪らなかった。「ゆあんくん、俺……戻るよ。俺たちの場所に」窓の外には、満天の星が広がっていた。かつては遠く、冷たく見えた星々も、今は自分たちを見守ってくれる、彩り豊かな仲間たちの輝きに見えた。地面に足をつけたじゃぱぱは、もう二度と、命綱が切れることを恐れはしない。隣には、最強の親友が。背中には、最高の仲間たちがいる。それだけで、十分だった。