読み切り小説をここに入れていきます。
シリーズ名はなんとなくでつけました!
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目次
縺ゅ↑縺溘?繧セ繝ウ繝薙↓縺ェ縺」縺滓°莠コ繧呈茶縺ヲ縺セ縺吶°?
お久しぶりです。
誰こいつ、と思ったそこの君。
僕は約二ヶ月小説を放棄した不届き物です。すみません。
ヨウコの病状が悪化した。
喉を悪くしてしまったのだろうか。もう声がほとんど聞き取れない。
それでも、ヨウコの声がどうしても聞きたくて。
今日、ヨウコの部屋に水と昼食を運んで行った時、「食べれる?」とだけ聞いてみた。
「食べれない」でも、「食べれる」でも。それ以外でも。
俺はどうしてもヨウコの声が聞きたかった。
けれど、よほど喉がやられていたのだろう。
ヨウコの喉からはガサガサとした空気の擦れる音しかしなかった。
……無理させてごめんね、ヨウコ。
---
ヨウコが、朝ご飯を食べなかった。食欲がないんだろう。
食欲がなければ、栄養が取れない。栄養が取れなければ、体は弱るばかり。
…病気だって進行する。
病院に行かせてやれないなんて。この世界は狂っている。
「…ヨウコ、なにか俺にできることがあったら言ってな。」
---
この病気が進行したときの特徴は、主に三つある。
体のコントロールが効かなくなること、そして、自分の意志と関係なく周りを傷つけること、そして、体に発疹や変色が見られること。
ヨウコの綺麗な肌には、発疹なんて、なかったはずなのに。
今日、チラリと服の袖から覗いた腕に、沢山の跡が見えた。
手が震えて足が震えて、思わず俺は自分の部屋に駆け込んだ。
独りになって、崩れ落ちてベッドの淵に縋りつき、泣きながら祈った。
「どうか、ヨウコを治して下さい」
---
…もう、ヨウコは何も食べてくれない。
でも、ヨウコは、しっかりと目を開いて、俺を見てくれている。
そうだ。泣いている顔なんて…見せられるわけがない。
笑おう。そして、二人の最後の時間を大切に大切に過ごすんだ。
「最後」…「最期」。そう思うと、目から熱いものが溢れてたまらない。違う、そんな事してる場合じゃないのに。
---
もう、ヨウコはヨウコでなくなってしまうのだろうか。
「おはよう」と。ただそれだけの、普段のあいさつだったのに。
いつものようにヨウコの部屋扉を開けると、ヨウコは顔を歪めて俺に飛び掛かってきた。
…つまり、病気が、進行している。
でも、ヨウコを躱すのは簡単だった。
腕を掴んで、遠ざけた。腕は、あまりにも細く、脆かった。
ごめんねヨウコ。こうしないといけないんだ。
それでも、弱っている君に手を上げてしまうなんて…
---
ヨウコが、部屋の壁を叩く音が聞こえる。
弱々しく。「どん、どん」とくぐもった音しか聞こえない。
ああ、どうすればいいのだろう。
こんな世界、嫌だ。
俺はヨウコが居ればいい、それだけなのに。
神様、助けてください。
---
…ワクチンが、出来たそうだ。
…遅い、遅すぎる!
何で、俺は助かって、ヨウコはダメなんだ?
なあ、どうしてだ?
…感染拡大防止のため、ヨウコを、…銃殺…?
ふざけるな。
ふざけるなふざけるな!
決めた。
もう、決めた。これから、どうするのか。
---
部屋に、朝日が差し込んでいる。
割れた窓に、浅い引っ掻き傷の残る壁。…そして、形容し難い腐臭。
腐っても、尚ヨウコはヨウコだ。
「…もういいよ。」
俺は、自分の腕に噛みついてくるヨウコを拒みはしなかった。
二人で。この腐った世界で、腐っちまえ。
誰もいない部屋に、二つの肉塊が生まれた。
久しぶりの投稿がクソ重い小説。
すみませんんんん!
軽く解説すると…主人公と、ヨウコはまあ恋人同士です。
そして、この世界はいわゆるバイオハザ◯ード的な…ゾンビパンデミックしちゃってる世界です。
ゾンビに感染してしまったヨウコが次第に悪化していくのを見守る主人公。
そして、最期はヨウコに自分もゾンビにしてもらうことで、自殺…?という。
誰がわかるか。
…二ヶ月もかけてこんなしょうもないもん、すみません。
こっからちょっとずつ投稿頻度戻すんで!本当に!心はハワイの火山の溶岩で焼き土下座です!
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました!
あの夏、幼馴染の味。
「カニバリズム」
この単語わからなかったら本当に帰ってください。
それか安全そうなページで調べてから来てください。
僕の作品の中でトップレベルにグロいかつ僕の好きな要素ばっか入れてます。
夏になると、思い出すんです。
---
「鈴音ちゃん…大丈夫?」
「うん………柘榴ちゃん………ちょっと、やす、やすもうか………」
私達は裏山の探検に来ていた。
私、柘榴と幼馴染で親友の鈴音。ふたりともおてんばで、やんちゃだったから、多少暑いことなんて気にせず、山に飛び出して行ってしまったのだ。
結局広い広い裏山の中腹あたりで道に迷い、持ってきていた女児用の小さな水筒の水もなくなり、おまけに鈴音ちゃんが脱水を起こし、私は途方に暮れていた。
周りにあるのは今にも崩れてきそうな不法投棄物の山で、自然と不安は募っていく。
大体7歳の少女二人がこんな山に入るなんて危険な事だ。
だからこそ大人に止められていたのに、私はそれを無視してしまった。
(どうしようかな…)
辺りを見回すと、視界の端に何やら建物が映った。
「あ、そうだ!」
ここは暑いから、あの建物で鈴音ちゃんを休ませてあげよう、と。
私は鈴音ちゃんの腕を引っ張って立たせて、「あの建物で休もう!」と提案した。
---
鈴音ちゃんはかなり衰弱していた。
もう返事はほぼ聞き取れなかったし、顔中汗に塗れていた。
少し歩いただけなのになぜか吐いてしまった。もう歩きたくない、と3回ほど蚊の鳴くような声で呟いた。
それでも、子供の残酷さで、私は鈴音ちゃんを建物まで連れて行った。
当時の私は、脱水症状がどんなものなのかわかっていなかったから。日陰で休ませればなんとかなる、としか思っていなかった。
どうやらその建物は倉庫らしく、しかも時々誰かが手入れをしているようだった。
おそらく山の整備に使われるのであろう軍手、黒いビニール袋、鋸。草刈り鎌まであった。
私は息も絶え絶えの鈴音ちゃんを建物の中に入れると、これらの備品がすっかり気になって、鈴音ちゃんからしばらく目を離していた。
何回か、か細い声が聞こえた気がした。思えばそれは、私の名前だったのかもしれない。
とにかく、鈴音ちゃんは、私が軍手なんかを見ているうちに死んでしまった。
おかしい、と思ったのはすぐだった。ぜいぜい言う声がふと途切れた。
「鈴音ちゃん?」と呼んで振り返る。誰の目からしても体調が良くなったから、なんてことはなくて、じゃあ、鈴音ちゃんが静かになったのは。
「すずね…ちゃん…?」
いつものように、頬をつつく。こうすれば、昼寝をしていたって鈴音ちゃんは起きてくれるんだ。
鈴音ちゃんは動かなかった。まぶたも心臓も何もかもが。
不思議な事に、焦りはなかった。私は静かな気持ちで、そのまま頬をつつき続けた。
あんまり触りすぎると鈴音ちゃんは怒ってそっぽを向いてしまった。今はそんなことしない。そんな鈴音ちゃんが悲しくて、涙が一粒こぼれた。涙は汗と混ざって簡単に消えた。
今はどちらかと言うと、不思議な嬉しさがあったから。
(…ずっとほっぺ触ってたいな………)
ただの興味だった。幸いな事に、道具は全てあった。
手始めに、私は鈴音ちゃんの頬の肉の辺りを草刈り鎌で軽く抉ってみた。軍手をはめていたから、危なくはなかった。無事にそれを切り取り終えた後の鈴音ちゃんは、なんだか鈴音ちゃんではないように見えた。
表面の皮膚を何度か撫でてから、手の中の肉をぎゅっと握ってみる。ぶちぶち、と、何かがつぶれて、血が滴る。軍手が濡れた。
恐る恐る、私は舌を突き出して、鈴音ちゃんの頬の肉、その内側を、
まるでアイスクリームのように、そっと舐めた。
(すずねちゃん、すずねちゃんなんだ…)
この足が、舌触りが、この血が、この…何かが。
全部全部全部鈴音ちゃんだ。
ぽい、と肉を投げ出して鈴音ちゃんに向き直る。
もう鈴音ちゃんに見えなくなってしまった遺体。
私は、この遺体全体が鈴音ちゃんだとはもう思えなくなってしまっていて。
どちらかと言うと、切り取った肉の一欠片、滴る血の数滴から、一番鈴音ちゃんを感じた。
---
食べた鈴音ちゃんのパーツは、頬の肉、小指、耳たぶ、脇腹の一部だった。
子供の力で、しかも草刈り鎌だけで切り取るとすると、やはり限界があったから。
とにかく、それらを味わって、鈴音ちゃんに最後のお別れを告げた私は、黒いビニール袋に、残りの鈴音ちゃんを体育座りの状態で入れた。
私はふざけて鈴音ちゃんをよく抱っこしていたから、持っていくのは簡単だった。
持って行った先は、不法投棄物の山。
真っ黒で大きなビニール袋は、まるで最初からそこにあったような顔で、ゴミの山の端っこに並んだ。
---
大人たちには、裏山で鈴音ちゃんと鬼ごっこをしていたら、鈴音ちゃんがいなくなった、と説明した。
家に帰る前に、公園の水道で手を洗って口をゆすいだから、誰も私がした事に気が付かなかった。
鈴音ちゃんも、結局見つからなかった。
これは、
私が、私だけがしっている…
幼馴染の、味。
2036文字お疲れ様でした…
自分の好きな要素詰めたらこうなりました。マジで夢中になって書いてました(やばい)
柘榴ちゃんは、最近考えてるオリキャラで、いつか成長したこの子が主人公の話作りたいなー、と…
この話で僕にドン引いても、僕は一切の責任を負わないので…
ここまで読んで頂き、本当にありがとうございます!趣味同じ人語りましょう!
ばいびる〜
1分前
久しぶりなんで下手だと思います。
許せ…
「ねえ」
付き合って3年となる彼氏は唐突に切り出した。
彼はいつものように、世界一真っ直ぐに世界一大好きな目を向けてきた。
「今だから言うけどさ……
結婚、しない?」
そう、恥ずかしそうに、俯きながら彼は言った。
徐にポケットからオレンジ色の宝石のついた華奢な指輪を取り出してきて、なんだヘタレかと思ってたけどちゃんと準備してんじゃん、と感心した。さては背中を押されたか。
そう、彼はまさしく『ヘタレ』だった。両片思い状態を脱したのも、同棲を言い出したのも私。真っ直ぐな思いを向けてくれているのはわかるのだが、恥ずかしがってなかなか思いを表せていないのだ。
私は彼と指輪を正面から見て、少し笑った。
「おそいじゃん。早く言ってよ。……ふふっ……」
そっと手を差し出す。彼は、え、というように目を見開いた。
「?、付けて」
そう促すと、彼は赤面しながらも私の薬指に指輪をはめた。
「じゃあ、結婚式、する?」
そう提案すると、彼は「どうする……?」と聞いてきた。
「まあ神父さんとかは要らないでしょ。多分。
とりあえずさ、手繋ご。」
そう言って、私は彼に手を差し出す。オレンジ色の指輪のはまった手。見れば、彼の薬指にもお揃いのものが光っていた。
指を優しく絡めると彼が恥ずかしそうにするのはいつものこと。
これだからもう……
まあ、そういうところに惹かれたのも事実だし。
じゃ、と切り出す。
結婚式なんてこんなもんだろ
「あなたは、健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、地球が終わる時も。
私を愛していますか?」
「……はい。」
「ちーがーうー!ほらもっと別の言い方があるでしょ?あ、ちなみに私は愛してる!」
やけくそ気味に叫んで彼を煽る。ほら早く言えよ。
「……愛してる。」
「……ごめん、あと12秒。」
本当、遅かったんだから。
地球滅亡への秒読みが始まったところで。
あと12秒で、数えきれない核爆弾が降り注いで、私達が粉々になって。
そんな時に結婚を切り出すなんてね。
まあ、いいんだよ。
「……ほんと、幸せ。」
「僕もだよ」
後1秒。
やばい、世界観がわからない← 一応作者…のはずのやつ
いやだって、地球滅亡秒読み状態…
イメージとしては、ラジオかテレビかなんかで、絶望的なカウントダウンが放送されてる……みたいな。いやなんだそれ。
こういう話書きたかったんです。
書きたいことが先走った感が……
久しぶりなんで大目に見て欲しいです……
ここまで読んでくれてありがとう!
ばいびる〜
交差点で会いましょう
「おはよう」
この季節の朝の5時は極寒だ。彼女へ向けた言葉は白くなって空に消えていく。
心なしか彼女が揺らいだように見えて、慌てて僕は言葉を続けた。
「寒い……?これいる?」
彼女の細い首に、自分の付けているマフラーをかけてあげようとするけれど、
マフラーを彼女は受け取ってはくれなかった。
「そっか、優しいね!」
僕の首が冷える心配なんてしなくてもさ……
彼女は少しだけ、笑った。
---
彼女とお話しするのは楽しくて、こんな寒い中でも時間を忘れてしまう程だった。
遅い日の出ももう過ぎる頃、通りかかる学生が、サラリーマンが、お婆さんが、僕らを変な目で見る。
「きっとリア充爆発しろー、とか思ってるのかな?」
彼女に小声でそう言って、二人で小さく微笑む。また、皆んなは怪訝な顔をする。
彼女とずっと居たいのだけれど、そう言うわけにもいかない。
僕らがちょっと交差点を独占し過ぎたせいかもしれないな。一回警察を呼ばれてしまった時は本当に慌てた。
だから、話がひと段落したところで、彼女にハグをして僕は交差点を立ち去った。
僕らはいつまでも名残惜しい顔をしていた。
---
「あんた、どこ行ってたの。」
家に帰ると、お母さんが真っ先に聞いてきた。「彼女の所だよ」と答えると、何故かお母さんは悲しみと憐れみ、そして……ちょうど、今日見た学生とか、サラリーマンとか、お婆さんとかの表情が、混ざった顔をした。
「で、ずーっと交差点に突っ立ってた、って事なの?」
「突っ立ってたって。彼女と話してたんだよ。」
「……そっか。」
お母さんが、何でそんな深刻な顔をしてるのか。
よくわからない。
---
やめて
僕に病名をつけて
白い部屋に閉じ込めないでよ
早く出たい
彼女に
会いに行くって、約束したんだよ。
---
「……ごめんっ!!」
ようやく3ヶ月ぶりに彼女の交差点に向かう事ができた。
あの白い部屋から逃げ出すに、時間を取られてしまった。
彼女はいつもより、少しだけ悲しそうな顔をしていたけれど、
いつものように、そこで待っていてくれた。
「ごめんね……会いにこれてなくて。」
そして、僕は3ヶ月の空白を埋めるように彼女と沢山話をした。話をして話をして。
彼女は笑って僕の話を聞いてくれた。
そして、
えい、っと僕を突き飛ばした。
僕は後ろから来た傍若無人なトラックとぶつかって……
---
もしかしたら。
あの時倒れたのは僕の痩せ細った身体が春風に押されただけで。
もう花すらも置かれなくなった事故現場で確かに佇んでいた彼女は
もしかしたら僕だけのものだったのかも知れないなあ。
彼女の横に立ちながらふと思った。
(それでも幸せだけど)
彼女に笑いかければ、ほら。
彼女は花が咲いたように、笑ってくれるんだから。
なんか前回に続きカップルものですね?
そんな気分なのかな…
まあリアルじゃ春なんて永遠に来ないであろうvllrです。
ま゛し゛め゛に゛小゛説゛か゛き゛や゛か゛れ゛い゛(投稿頻度ゴミカスでごめんなさい)
「佐藤」両片思い
リクエストありがとうございます!
僕は、同じクラスの佐藤さんが好きです。
僕も佐藤です。日本って佐藤多いですもんね。
ただ、僕は佐藤悠太で彼女は佐藤由良である事、そして彼女はかっこよくて憧れの存在なのに僕はいつまで経っても弱虫____そんな、大きな違いがあります。
でも、僕には大きな強みがあります。それは……
「佐藤 悠太である事」です。僕の下の名前は「ゆ」から始まって、由良さんも「ゆ」から始まる。つまり必然的に学校では席が前後になって、その分話しかけられるんです。
でも、やっぱり、難しい。
登校してきて、ただ後ろの席を振り返って佐藤さんに「おはよう」と言う、それだけのことなのに、僕にはどうしても出来ない……
でも、佐藤さんはそんな僕にもいつも話しかけてくれる。
その時の佐藤さんの笑顔は本当にかっこよくて、そして素敵なんです。
---
私は同じクラスの佐藤くんが好きです。でも私も佐藤。紛らわしいなあ。
佐藤くんは前の席に座っている物静かな男の子。人に自分から話しかけることは滅多に無いけど、凄く聞き上手だし、なによりも優しい。
後ろの席に座っているというのもあって、頻繁に私は佐藤くんを観察していたけれど、日々の行動の中に何気ない思いやりが混じっているような人なんだ。
私は陸上部に所属していて、毎日これでもかというほど走らされてる。夏場もお構いなしで、特に暑いある日、私は熱中症寸前で練習後しばらく木陰で休んでた。
水はちゃんと飲んで休憩を取ったけれど暫くは怠さが抜けなくて、そのまま休んでいたら、まさかの佐藤くんが、初めてあっちから話しかけてきて。
「……大丈夫……?保健室、行った方が良さそう?」って。
凄く驚いたけど、同じくらい嬉しくて、「大丈夫だよ、心配してくれてありがとう!」って言った時の少し安心したような、はにかんだ感じの佐藤くんの顔が直視出来なかった。
あれ、そういえば佐藤くんって帰宅部だったよな、って思って聞いてみたら、まさかの美化委員会所属が発覚。花壇の手入れをしていた所から、態々ここまでやってきてくれたみたいで。
その時から、なんとなく「特別な存在」として、佐藤くんは私の中に居座り続け、それは「好き」なのだと自覚するのに時間はかからなかった。
教室では、よく佐藤くんの背中を見ている。私は佐藤 「ゆら」だから。基本的にクラスさえ同じなら、席は名簿で並ぶから、後ろの席でいられる。
その背中に向かって、今日も話しかける。どうしたらもっと仲良くなれるかを頭の片隅で考えながら。
---
今日も、佐藤さんはまぶしい。
---
今日も、佐藤くんは素敵だ。
---
--- 好き ---
二人がお互いの気持ちに気づくのも、そう遠くはない。
リクエストありがとうございます!すごく微妙な匂わせで終わってしまいました…思ってたのと違ったらごめんなさい!
今更リクエストの募集を始めたので、これ書いて欲しいなーってあったらどうぞリクエストしてほしいです!
ここまで読んでくれてありがとうございます!!
ばいびる〜
きっとそれは何かの間違いでした。
「正直いってさ、ちょっとめんどくさいって思い始めてる。」
脳を直接ハンマーで殴られた気がした。ぐらぐらぐらと、自分の信じて積み上げていた大切なものが崩れる予感がした。
「どうしてそこまで束縛しようとするの?別に私はあなたのものでもなんでもない、しかも私は対等に付き合いたいって思ってたのに、そっちは……なんだか私を崇めるみたいでさ。
私、そういうの嫌だから。
別れてもいいかな。」
衝撃で言葉も出なかった。僕はただその場を走り去った。
---
家に帰って息を落ち着けると、真っ先に彼女のあの言葉が頭の中で何回も反芻された。
その度に涙が溢れそうになって仕方なかった。どうして。彼女に良かれと思ったのに。絶対喜んでくれると思ってたのに。
(落ち着け落ち着け……大丈夫、彼女が僕を嫌う訳なんてない!)
きっとこれは僕のミスリードだ。彼女の発言を、僕が恐れているあまりに変な風に解釈してしまったのだ。そうだ。
(彼女は別れてもいいかな、って言っただけ、まだ確定させる言い方はしていない……つまり本心では引き止めてほしい、そうだ。全然やり直せるじゃないか。)
ただ勘違いで走り去った事を彼女に謝ればいい。それだけだ。
(よし、メールだと気持ちが伝わらないかもしれないから明日直接会って言おう。)
そう考えると自然と前向きになれた。
---
「昨日はいきなり帰っちゃってごめん!その、僕は君の発言をちょっと勘違いしてた!」
「……勘違いって、何?」
「だから、僕とこれからも付き合いたいって事を、僕から言ってほしいっていう……」
「そんなの一言も言ってない!……だからもう関わらないで!気持ち悪いから!」
---
「気持ち悪い」
そう、はっきり彼女に言われてしまった。
(間違いだ、これは絶対何かの間違いだ)
僕の頭の中でぐるぐるとこの言葉だけが巡る。思考停止にも近いこの状態は、僕にとって最も都合のいい結論を導き出した。
(彼女は彼女じゃなかった……本人じゃなかったんだ。僕の友達が僕を驚かせようとして……いや、もしかしたら生理中とかでイライラしてつい言っちゃったとか……?だとしたらきっと今頃彼女はすごく後悔してるはず……ああ、泣いてたらどうしよう。僕が慰めてあげないと!大丈夫だよ、気にしてないからねって言って、不安を早く取り除いてあげないと、彼女が落ち込んじゃう…直接話すのもいいけど、今話したいしとりあえず電話かけよう!)
そう思って彼女の番号をプッシュするも、まったく繋がらない。
プルルル、プルルル、プルルル。
虚しく部屋にコール音が響く中、その数が増えていくたび僕は焦燥感に駆られていた。
(まさか、まさか事故に遭ったりしてたら……?)
居てもたってもいられなくなり、僕は自宅を飛び出した。
---
彼女の家のチャイムを鳴らした。
「はーい」と言いながら、なんと彼女がドアを開けた。事故に遭った訳ではなさそうだ、と安堵すると共に、何故か僕を見た途端恐怖に顔を引き攣らせてドアを閉めようとした彼女の行動が不可解だった。
ドアを閉められると話せない(僕の声はドア越しで届くほど大きくない)ので一旦ドアを力一杯引いて玄関にお邪魔させてもらう。
座り込む彼女に、「事故じゃなくて本当よかった……心配したんだよ」を伝える前に、靴べらで殴られそうになって僕は違和感を覚えた。
なんでだろう、えらく僕を拒むのは、どうしてなんだろうか……
「来ないで!!ねえ!!帰って!!」
彼女が悲鳴を上げながら奥の方へと後ずさるのだけれど、
「僕はただ……」
「出てって!!」
---
僕は考えた。
あれは間違いなく普段の彼女じゃない。何があそこまで彼女の気持ちを乱しているんだろうか……?
そういえば。僕の中で何かがつながった。彼女は僕を奥の部屋に入らせまいとするかのように後ずさっていた。もし、奥の部屋に危険が潜んでいたら?
実は、僕が気づかなかっただけで彼女は事件に遭っていた。そう、電話に出なかったのは、家に強盗が入ったからで、奥の部屋には強盗がいた。彼女は命を握られ脅されているのだ。どうしよう、このままでは彼女が危ない!
そう思った僕は迷わず警察に電話した。僕の彼女の家に強盗が入ったんです!僕の彼女を脅しています!助けてください!!
---
結果、なぜか僕がストーカーとして連れて行かれた。
どうして?僕にはわからない。
ながくなってしまった!
一応解説〜
↓
主人公はヤンデレ的な何かです。常に彼女を監視して何もかも先回りしたり制限したりで、彼女は別れようと切り出します。
しかし主人公は持ち前の想像力で彼女の発言や行動を自分に都合のいいように解釈し続け、明らかに彼女が嫌がっていても脳内で自分以外が原因であるシナリオを作って自分を納得させています。
それで、彼女の家に強盗がいると思い込みます。(急)
ですがいるはずもなく、到着した警察は彼女から話を聞き、主人公がストーカーとして捕まりました。
そんな話です。
わかりづらかったらごめんなさい!
よかったらコメント……いや、読んでくださっただけで感激です!
長くなりましたが、ここまで読んで頂きありがとうございました!ばいびる〜