レシピは心でできている

編集者:夜凪 澪
#料理小説 #ヒューマンドラマ #十話完結 
東京の片隅にある小さな食堂「しろつめ草」。祖母の死をきっかけに、その店を継ぐことになった料理経験ゼロの主人公・千代田こはるは、戸惑いながらも、店に訪れる常連客の心に向き合い、料理を通じて少しずつ成長していく。 各話では、一つの料理と一人の客に焦点を当て、こはるが「心で作るレシピ」の意味を見つけていく連作形式。やがて、こはる自身の過去や母との確執、祖母が残した"最後のレシピ"の謎へと繋がっていく。 【主な登場人物】 ●千代田こはる(27) 元OL。都会の生活に疲れていたところ、祖母の訃報とともに店を引き継ぐ。料理は素人だが、食べることは大好き。明るく素直な性格だが、少しだけ臆病。 ●千代田ツヤ(享年75) こはるの祖母で「しろつめ草」の創業者。地元では伝説の料理人。生前、こはると料理について深く語ることはなかったが、彼女の心にはいつも祖母の味が残っている。 ●青山しのぶ(63) 祖母ツヤの時代からの常連。口うるさいが、誰よりもツヤの料理を愛していた。
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