編集者:ミニトマト
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目次
昔助けてくれた男子と同じ中学校になりましたが… (1)
私の名前は|堀井 真希《ほりい まき》。
今日は中学校の入学式。
式が終わって教室へ向かう。
「真希!今年も一緒のクラス!?よろしくね!」
席に座ると真後ろから声が聞こえた。
「ん?あ、菜乃やん!また同じクラスなんや。よろしく!」
小学校4年生の時からずっと同じクラスの|山川 菜乃《やまかわ なの》。
「ごめん、気付かんかった。私、自分の名前しか見てへんかった。」
「うちも自分の名前しか見てへんかったから今気付いた!にしても中学入っても同じクラスってなかなかすごない!?」
「え、やんな。人も増えたしまさか同じクラスになるとは思ってへんかった。」
こんな会話をしていたら先生が入ってきた。
「はい。お待たせしました。1年3組担任の谷内です。ま、詳しい自己紹介とかは明日するんで。で、今日はもうこれで終わりなので、挨拶をして終わります。あ、自己紹介の内容考えてきてね。それでは終わります。気をつけ、礼。さようなら。」
12:00ちょうどに終わった。
「真希、一緒に帰ろ。あ、親と帰る?」
「いや、多分もう帰った。菜乃は?」
「うちも多分帰ったと思う。」
「じゃ帰ろっか。」
別れる直前、菜乃が提案してきた。
「明日自己紹介するやん?どっちがクラス全員の名前先に覚えられるか勝負ね。」
「おっけ!負けへんで!」
「明日一緒に行こ。ここで集合ね。」
「おっけー。バイバイ。」
「バイバイ。」
昔助けてくれた男子と同じ中学校になりましたが… (2)
「おはよう」
「おはよう!」
なんか菜乃がめっちゃ元気な気が…。いつもこんなもんか?でもなんか嫌な予感が…。
「今日菜乃めっちゃ元気やな。いっつもそんな感じやっけ?」
「フッ。中学生にもなったことだしさ、変化があるかもじゃん?」
「いきなりどしたん?」
「いや、うちね、小学生の時から恋バナ好きなんよ。でさ、真希ってあんま恋愛に興味なさそうやなって思っててんけど、中学生にもなったしもしかしたら興味湧き始めてるかもしれへんやん!?だから聞こうと思って!」
「あ、そ、そう…。」
「そう!で、どうなん!?好きな人おるんちゃん!?」
はい。嫌な予感的中〜。私今日も朝から冴えてるわー。好きな人…ねぇ…。
「え、あ、でもさ、中学生になってまだ2日目やと思うんですけど…?クラスの人も把握してへんのにそんなん…ねぇ?」
「好きな人おる?おらん?」
「お、おらん!おらん!」
「じゃあさ、名前言わんくていいから頭の中に思い浮かべるだけ思い浮かべて?」
「え?」
「思い浮かんだ?」
「え、うん。」
1人の男子のことが思い浮かんだ。2年ほど会ってないから変わってるかもやけど。
「じゃあ、改めて聞くで?好きな人おる?」
「おらん。」
「ほんまはおるくせに。」
「おらんって!」
「じゃあなんで好きな人が思い浮かんだん?」
「!!」
ヤバい。やらかした。おらんって言っときながら、「思い浮かんだか」の質問に対して「はい」と答えてしまった。あーあ。
「誰誰!?」
「え、あ、自、自己紹介の勝負負けへんからな!」
「あー!話逸らした!」
昔助けてくれた男子と同じ中学校になりましたが… (3)
自己紹介が始まった。出席番号1番からやって。
「はい。じゃあ自己紹介1番から順番にするから終わったらみんな拍手してね。はい、じゃあ、どうぞ。」
「|荒本 剛史《あらもと つよし》です。好きな教科は社会です。よろしくお願いします。」
剛史かぁ。社会好きなん小学生の時から変わらんなぁ…え?
思わずもう一度剛史の方を見た。
剛史やん!
「みんな拍手しようね。」
あ、拍手忘れてた。過去を思い出しちゃって…あれ?拍手してるの私と同じ大山小学校の子達ばっかりやん?なんで花谷小学校の子達は拍手してへんの?剛史って花谷小やったやんな?…なんかあったんかな?
そんなことを考えていたら半分ほど自己紹介が終わっていた。
聞き逃した!勝負に負けるやん!
そして私の番になった。
「堀井真希です。好きな教科は数学です。好きな動物はうさぎです。よろしくお願いします。」
マジで人に注目されるの苦手なんですけど。なんで毎年毎年自己紹介せんなんの?1年もあったら徐々に覚えていけるんやから別にいらんやろ。
「山川菜乃です!好きな教科は音楽です!吹奏楽部に入りたいと思っています!1年間よろしくお願いします!」
なんであんなふうに喋れるん?不思議でしかないわ。
そして自己紹介が終わり、休み時間になった。
菜乃はすでにいろんな人と話してる。することもないし、ぼーっとしてたら、
「俺のクラスにヤンキーいんのマジ最悪!絡まれたらやなんだけど!」
「俺は殴られたから同じクラスになることないぜ?おもえも殴られてこいよ!」
「やだよ〜。」
隣のクラスの男子が私たちのクラスに来て友達と話してる。てかヤンキー?誰?私のクラスにヤンキーいんの?
「てかあいつ名前なんだっけ?俺忘れたw」
「おい、やめとけってw俺の名前も覚えてへんのか!って言われて殴られるぞw」
「覚えてるよ流石にw女守るために人殴った俺かっこいい!とか思ってそうな荒本剛史だろw」
え?
「ちょっと〜あたし達の前でそいつの名前出さないでもらえる〜?聞くだけで物騒で寒気がするんだけど〜?」
ん?花谷小で剛史めっちゃ嫌われてんの?
下校時間になった。今日も午前中だけ。
「ねぇ菜乃。荒本さんってなんで嫌われてるか知ってる?」
「あーなんか人殴ったらしいよ。小4の時?かな?多分そんくらいの時って聞いた。」
「そ、そーなんだ…ありがとう」
「じゃ、バイバイ!」
「う、うん…バイバイ。」
昔助けてくれた男子と同じ中学校になりましたが… (4)
私は小学校6年間野球をしていた。始めたきっかけは…覚えてない。
小学校は違ったけど、同じ地域の野球チームに所属してたから剛史のことは小学生の時から知ってる。小学校卒業まで一緒に野球がしたかった。でも、ある日剛史が辞めてしまった。
あれは確か小4の時だったと思う。
私はいつも通り練習に向かった。
「今日から新しいメンバーが増える。テレビでよく野球見とったらしくて大体のルールは知っとるらしいけど、完璧やないと思うからみんな教えたってな。」
はぁ、やっぱり男子やな。
そう。実は私が所属していたチームは女子は私1人だけ。まぁ、別に男子だけを受け入れてるところに無理やり入ったってわけじゃないんやけどね。
「落ち込んでんの?」
そう言ってきたのは剛史。
「いや…別に…まぁもう1人ぐらいいてもいいのになーとは思うかも…。」
「まぁな、女子お前だけだもんな。話し相手欲しかったら俺んとこ来いよ。いつでも話すぜ。」
「ありがと」
優しい人だと思っていた。
休憩時間になって休んでいると、今日来た新しい人がこっちにきた。
「女のくせに野球してんの?辞めた方がいいってw」
「え?な、何?急に?」
「いやーお前何もできねー役立たずじゃねぇの?」
「お前よりもすげーよ?」
剛史がきた。
「いやwコイツはどうせ下手だってwこれ以上上手くなんねーよw俺はまだまだ伸びるけどw」
「お前頭大丈夫?暑さでやられた?熱中症か?」
「いやいやw今すぐ辞めちまえ!」
耐えきれなくなって私は泣いた。今すぐにこの場を離れたかった。でもなんでか動けんかった。
「ほら!こんなことで泣くとかメンタル弱い証拠!向いてねぇよ!辞めろ!帰れ!お前の分の練習時間、俺がもらったるからよ!」
ドスッ
剛史がそいつを殴った。
次の日から剛史とそいつは来ることはなかった。辞めさせられたから。
そいつは初めましての日に消えていった。
私がぼんやり立っていると、監督が来て、言った。
「剛史がお前は俺の分も頑張れよと言ってた。」
と。
私はその日から感謝と申し訳なさでいっぱいやった。
助けてくれてありがとう。
私のせいでごめんね。
言いたくても言えんかった。会えへんかったから。
そして、中学に上がって、同じクラスになった。
でも、私のせいでヤンキー呼ばわりされとる。
許してくれるかな?
昔助けてくれた男子と同じ中学校になりましたが… (5)
今日私は朝早くに学校に来た。剛史がいつ来るかわからへんから。
来た。
「剛史。覚えてる?私のこと。」
「真希…俺、ヤンキーって噂されてんのに話しかけても大丈夫なのか?」
なんでそうなるんだ?もうちょい素っ気ない冷たい返事が来ると思たのに。
「それは大丈夫なんだけど、その…ごめん。」
「んな、何が!?なんかあったっけ!?」
わぁ、めっちゃ普通に話してくれるやん。
「私のせいで野球辞めさせちゃって。それと助けてくれてありがとう。」
「あぁ、あれか…。別にお前のせいじゃないぜ?」
「え?」
「だってあそこでお前に殴ってって言われたわけやなくて俺が勝手に殴ったんやから。殴らんっていう選択肢もあった中、俺は殴った。だからお前は悪くない。」
やっぱり剛史ってヤンキーとか言われてるけど性格全然変わってへん。あの時のままや。
「ありがと。」
そう話してると、
「うわっ!ヤンキーと話しとる!辞めとけ!今すぐにそいつから離れろ!何されるかわからんで!」
クラスメイトが登校してきた。
「真希。俺から離れとけ。いろいろとへんな噂に巻き込まれるかもしれへん。」
「え…」
「おい荒本!離せ!」
「ほら。離れた方がいいよ。」
剛史にも言われた。でも納得いかへん。
「うるさい!黙れ!お前らが近づきたくないなら勝手にしろ!私のことはほっといて!」
あ、ミスった。小学生時代の練習が効いて、ここですっごいでかい声出してもた。
昔助けてくれた男子と同じ中学校になりましたが… (6)
「なんで荒本のことを庇うんだ?」
まぁそう聞かれるわな。
「人を殴ったのは、私を助けるためやってん。私がいじめられてて、剛史が止めてくれたけど、聞かんかったから私が泣いちゃって、それで相手を殴って黙らせてくれてん。」
流石に詳しくは言わん方がいいやろうからそこだけを言った。
「俺たちが誤解してたのか?それだったんならごめん。」
まだあまり信じてはいなさそうだけど、ひどく避けたりはしなくなったように思う。
数日がたった日の休み時間。
私は菜乃と話し合がら次の授業の準備をしてた。
「なぁなぁ、真希ってさ、荒本のこと好きなん?」
「へ?」
ニヤニヤしながらそう聞いてきた。
「真希が人をかばってデカい声出すなんて滅多にないやん?」
コ、コイツ…!私のことをよく知ってしてやがる…!
「さ、さぁね?どうやろな?ちょっとトイレ行ってくる。」
「あはっ!真希って誤魔化したい時ってだいたいトイレ行ってくるっていうよね!」
「ち、違うし!普通に行きたいだけだし!」
「これは本当っぽいね。真希って人と話してたら行くタイミング逃していけへんくって、切羽詰まってきたら足首を後ろで組んで揺らすよね。今それだから行ってらっしゃい。」
「そんなとこまで詳しく知ってたら逆にキモいんですけど。」
そう言いながらも、ここまで理解してくれている友達はそんなにおらんのでありがたくトイレに行かせてもらう。
トイレの個室から出た瞬間声をかけられる。
「堀井さん。あんたに話がある。」
「なん、何?」
手も洗っていないというのに同じクラスの|畑中 実音《はたなか みお》に話しかけられた。
「あんた荒本と違う小学校のくせにどこで知り合ったん?」
「とりあえず手を洗って外に出るから外で待ってて。」
そう言って追い出し、手を洗って息を整え外に出る。
「まぁいろいろと。」
「はぁ?」
それだけ言って教室へダッシュ。
「まだチャイムなってへんけど全員そろったから始めるわ。」
と、授業が始まってくれたおかげで、これ以上追求されることはなかった。
昔助けてくれた男子と同じ中学校になりましたが… (7)
今は2時間目の国語の授業中。
私はあることを考えてた。
それは、昨日トイレで問い詰められたから行きたくないけど、私はだいたい2、4時間目の次の休み時間にトイレに行く。どうしたものか…。
2時間目が終了し、休み時間。
うーん…。多分行かなくても大丈夫…。
自分にそう言い聞かせて次の授業の準備を済ませて教科書をパラパラしていると、菜乃が話しかけてきた。
「あれ?真希トイレ行かないの?」
「まさか行くタイミングとかも把握してんの?」
「そう!2時間目の次の…」
「はい。大丈夫いいよ。知ってるのはわかったから言わなくても。」
「えー。んで?なんで行かないの?」
「別に行っても行かなくてもいいでしょ。強制じゃないんだし。」
「今日は珍しく行かなくてもいいと?」
「珍しくって…まぁ…そう。」
「あ、筆箱触り始めたから誤魔化してる。行ってきなよ。」
「大丈夫だし。漏らしたりしないし。」
そうして3時間目が始まった。
今日は5時間目で帰るから、3時間目があと30分で、4、5時間目が50分あって、給食の時間と昼休みと休み時間合わせて40分。学校から家まで20分だから…あと3時間10分程度我慢したら大丈夫…長くね?
社会の授業中に1人算数の問題を解いていた。
昔助けてくれた男子と同じ中学校になりましたが… (8)
3時間目あと10分!
あ、まって、私たちの中学校は給食があって、小学校の時みたいに給食当番が取りに行って、配ってってしてくれるんやったな。山畑さんは確か今週給食当番!給食の準備の時に行ける!その考えに辿り着いたと同時にチャイムがなる。
休み時間。
私が次の授業の用意をしていたらなのに話しかけられた。
「ねぇ、そろそろ行ってきぃや。授業中我慢してんのバレバレやったで。真後ろから見てたら。」
「そ、そうなんや。でも、で、でも、だだい、だ、大丈夫。」
「足揺するスピード早くなってんで。ほんまに大丈夫?」
「うんうんうん」
3回ほど首を縦に振る。
「ついていこか?」
「え、いや、あ、今日は、大丈夫。ありがとう。」
流石に恥ずかしい気がする。一緒にトイレに行ったりって女子はよくするのか?女子だが…うん、わからん。
4時間目が始まった。教科は英語。
まって、ヤバいよ…。ここまで我慢したことないんやけども。
足に力が入る。
足首を後ろで組んだまま動かずに、右手で筆記用具を持ちながら左手で必死に押さえる。
授業が頭に入ってこない。先生に言うべきか?いや、それは嫌だ。恥ずかしい。注目浴びちゃう。
なんとか耐えてあと10分。練習問題のプリントを解く。右手も震えている。ヤバい。あとちょっと!
挨拶が終わって教科書類を机の中に突っ込んで、給食の用意を机の上に出して、給食当番が出発するのを待つ。
よし、行った。
私は急いでトイレへ向かう。
ふぅ…。
教室に戻ると菜乃がニヤッと笑って、
「よく耐えたな」
って言ってきた。
昔助けてくれた男子と同じ中学校になりましたが… (9)
あぁ…また一日が始まった…。
1時間目は普通に過ごした。2時間目残り15分ごろ。
あ…どうしよう…昨日みたいに限界までとか嫌や…
休み時間。
とりあえず次の授業の準備。さて、どうしよか?
ツン
「ビクッ」
「背中弱いよね〜」
ぼんやりと考えたたら菜乃に背中ツンされた。
今結構トイレ行きたいのに悲劇が起こったらどう責任とってくれるんだろうね?
「ほら、行くよ。」
「え、え、え」
引っ張られてトイレに連れて行かれた。
「畑中さんに絡まれるのがいやだったんでしょ?この前一緒に帰ってきた日なんかあったんでしょ。」
わー、この子に隠し事とかもししたらすぐにバレちゃいそー。
「うん…。ありがと…。」
4時間目の後も連行してくれたおかげで助かった。
昼休み。
「今日から体験入部やんな?何部行くん?」
「私はバレーとバスケとソフトテニス。菜乃は?」
「うちは3日とも吹部!」
「やっぱり」
「部活入ったら新しく友達もできそうやし!」
3日後の朝。
「おはよう真希。」
「おはよう」
「何部にするか決めた?」
「うん。ソフトテニスにした。」
「いいやん。頑張ってな。」
「菜乃もがんばれ。吹部。」
昔助けてくれた男子と同じ中学校になりましたが… (10)
今日から部活や!
「はい。では全員揃ったんで、自己紹介をしていきましょう。」
3年が16人と2年が7人、1年が10人か。
…1人余るやん。学年関係なく組むって言っとったから余らんようにしたいな。
「あんたもソフトテニス入ったの?」
え…自己紹介中誰のことも聞いてなかったから気づかんかったけど畑中もおんの?
「うん。」
「あんた荒本のこと好きとか思ってへんよな?あたし小学校一緒やってんからあたしの方が荒本のこと好きなんやからな。あたしの方が荒本のことよく知ってるし。」
「へーそれはそれはよかったねー。わーすごーい。さすがやまはたさーん。じゃ。」
「1年生はこっちで別メニューするからこっち来てー。」
ラケットの持ち方とかフォームとか教えてもろたけどむずそう。
めっちゃ球出しのスピード速いんやけど。テイクバックするよう言われたけどこんなに速かったらできひんて。初心者でっせ?
「お。堀井さんいいよ。その調子や。みんなも堀井さんが打つ時見といてみ。」
見られるの嫌なんですけどー。
昔助けてくれた男子と同じ中学校になりましたが… (11)
部活終了まで後30分。校庭のフェンスの外から声がした。
「真希」
「ん?誰?あ、剛史。どしたん?てか部活入らんかったん?野球部あんで?」
「そ。入らんかった。野球部あるけどレベルが合わねぇ。真希こそなんで入らんかったん?」
「いや、まぁ理由は一緒かな。」
「だよな。それだけ。じゃな。」
「いや、ちょっと待ってよ。こんな時間までどこで何してたん?」
「まだ授業全然してへんのに早速分からんかったから先生に聞いてた。」
「そうなんや。」
「じゃまたな。」
「ん。バイバイ。」
すると後ろから大山小出身の1年生3、4人の話が聞こえてきた。
「え、ねぇねぇ、あれ誰?」
「花谷小の人?」
「うちらのクラスにおるで。」
「マジ?なんて名前?」
「確か、荒本剛史?みたいな名前やったと思う。」
「顔をかっこいいし名前もかっこいいやん!」
「それな!なんかスポーツしてんのかな?」
「え、わかる!なんかしてそうな顔よな!」
「私好きかもあの人。」
「早!一目惚れ?」
「そんな感じ。」
なんだコイツら。
昔助けてくれた男子と同じ中学校になりましたが… (12)
「おはよう真希」
「おはよう菜乃」
「聞いてよ。大山小の女子めっちゃ荒本さんのことイケメンとかなんとか騒いでるで。すでに好きになっちゃったとか言ってる子もいた。早いな。」
「マジで?」
「マジマジ。告るなら早よ告りぃや。」
ニヤニヤ言ってくる。
「別に…好きちゃう人に…」
「なんて?聞こえへんかった。もっかい。」
「好きちゃう人に告らへんよって!」
「好きな人には告るんやろ?」
「え…さ…さぁ…?」
「好きな人なんやから行ってきぃや!」
「べ、別に好きちゃうし…トイレに行ってきm」
「ほら。」
普通にいきたかっただけだもん。行きたがってるのバレたくないから動かないように我慢してただけだし。
放課後。今日は部活ない。コート1面しかないから2、3年だけ。
「剛史。」
「んー?」
「今度久しぶりにバッティングセンター行こーや。スコア競お。」
「ええで。今回こそは負けへんからな!」
「荒本さんやさしー。いつも手加減してあげてるの〜?」
畑中とかいううっせーヤツ来たー。今日はこの前一目惚れしたとか言ってたおまけもついてるー。嬉しくな。
「いや、してないよ。本気でやってるよ。」
「うっそー?こんな奴が荒本さんに勝てるわけなくなーい?」
「見にくる?」
「え、行く行く!うちわ作っていくわ!いつ?」
「真希いつにする?」
「明日。土曜日。」
「オッケー。だって。」
「キャー!明日空けとこー!」
荒本ファンクラブが去っていった。猿は動物園に帰れ。マジで。
昔助けてくれた男子と同じ中学校になりましたが… (13)
今日はバッティングセンターに行く日。
「やっぱ剛史は分かってんね〜。どこのバッティングセンターか言ってへんのに。」
「当たり前だろ。お前と行くバッティングセンターはここって決まってる。」
「さすが」
2年前のことやのに覚えててくれたん、なんか嬉しいな。
「たぶんあいつらけーへんで。」
「畑中たち?」
「そう。だってまさかわざわざ遠いとこ行くとは思わんやろ。」
「確かに。」
そう。実は私たちの住んでいるところの近くにもバッティングセンターはあるけど、私たちは電車で6駅離れたところに来ている。
帰りの電車の中。
「はー!くっそー!今日も負けた!」
「今日も勝っちゃった♪」
今回も私は剛史に勝ったぜ☆
「てかさ、何で急に行こうって誘ってくれたん?」
「え?まぁ、たまには体動かしたかったから…。」
「なるほど。また行こーな。バイバイ。」
「バイバイ。」
さすがに何となく久しぶりに二人きりになりたかったから誘ったとは言えへんよ…。
あ、いや、まぁ、その、ね?好きやからとかじゃなくて…いろんな人がかっこいいとか言ってる中で話しかけに行ったら誤解されるかもやから話しかけに行きにくいと言いますか…。
昔助けてくれた男子と同じ中学校になりましたが… (14)
「おい堀井」
ビックリした。朝から急にでかい声で話しかけてこんといてよ…。
「何?畑中。さん。」
「あんた今あたしのこと呼び捨てにしようとした?」
「したけど?それがどうした?で、何の用?」
「あたしら土曜日にバッティングセンター行ったのにあんたらおらんかったやん!」
正直に話したら絶対面倒いことなるやん。
「行った時間が違かったんちゃう。」
それだけ返してホームルームで回収されるプリントとかを用意する。
「だから決めてん。あたしたち荒本ファンクラブの会員で今週末荒本さんと一緒に出かけんねん!今日荒本さん誘う!」
「ブフッ!」
思わず噴き出してもた。お茶飲んでなくてよかった。
「何が面白いん?」
「頑張って誘ってみ。てか、ファンクラブって何?」
「ほら、なんかヤンキーって思われとったけど誤解やったって話やん?」
「そやな。」
「で、イケメンやし優しいしで今ファンが結構おって。あたしがこのクラス内で作ってんけど、会員はあたし含めて3人。」
「少なっ!」
「いや、まぁ本気さが伝わった子だけ入れたから。」
お前が選べる立場ちゃうやろって言いかけて飲み込んだ。
「で、男:女=1:3で遊びに行こうと考えてると。」
「そう!いいでしょ!」
「誘うだけ誘ってみたら。無理やろうけど。」
「は!?何?嫉妬?入れたげよっか?」
「大丈夫。」
「あっそ。まぁ入りたいって言われても拒否ったけど。」
じゃあ何で聞いたんだ?性格悪!
昔助けてくれた男子と同じ中学校になりましたが… (15)
誤字の指摘ありがとうございました!訂正しました。
「おはよう真希!」
「おはよう菜乃。クラスメイトの名前全員覚えた?」
畑中が馬鹿げた話をしてきてから数分後。菜乃が登校してきた。
「んー?んー。」
オボエテネーダロコイツ!
「あ、じゃ私の勝ちってことで!全員の名前言えるんで。」
「言ってみてよ。」
「いいよ。1番が荒本剛史。2番が…」
無事全員の名前を言った。
「菜乃は?全員覚えた?」
「うちは頭文字がえ、お、け、こ、せ、そ、て、と、ね、の、へ、ほ、め、も、よ、れ、ろ以外は覚えたで!」
「独特やな。あかさたなはまやらわの方で覚えるタイプなんや。大体の人はあいうえお順で覚えると思うで。」
「そうなん!?驚きや…。」
「逆に何で全員覚えれてへんのが不思議やわ。そっちやったら全員覚えれると思うんやけど。」
そんな会話をしていると視界の端っこの方に畑中が見えた。
ガン見してしっかりと盗み聞きする。
「荒本さん!今度の土曜日一緒にどっか遊びに行かへん?」
「無理。」
「即答すぎん?何で?」
「だってお前ら3人と俺1人にするつもりやろ?どうせ。」
「いや、まぁ、それはそうだけど。」
「他の男でも誘えば?」
「あたしたちは荒本ファンクラブなの!」
「誰に許可得た?俺に許可得た?」
「いや、誰にも?」
「勝手につくんなや気持ち悪ぃ。」
「え?」
「今まで散々悪口とか言ってきてたくせに何があったか知らんけど急に態度変えやがって。やめた方がいいと思うよ?」
すごい!あの畑中が石像になった!
あ、崩れ落ちていった!
「おもろ」
昔助けてくれた男子と同じ中学校になりましたが… (16)
年齢バレるかもしれないですが、実は受験生なんです。で、ちょっと勉強の方にそろそろ力入れて行かないとヤバいので、しばらくは更新頻度が減ると思います。すみません。
「あれ?真希さん?どうしたんですか?そんなに畑中と荒本のやり取りガン見しちゃって?(笑)」
「ん!?何もないよ!」
「好きな人が別の人に取られるかと思ったらしっかりと断ってくれたから安心って?(ニヤニヤ)」
「は、ちゃ、ちゃうし。」
「ふーん?」
そう言って菜乃は1時間目の用意を始めた。
「ね、ねぇ菜乃…」
「んー?」
「今日の放課後って空いてる?」
「うん。空いてんで?どしたん?」
「16:30くらいにさ、西緑中央公園来てくれへん?」
「いいよー」
そして放課後。私はベンチに座って待っている。もうすぐ来るはず。
そう考えてたらちょうど来た。
「ごめん。待たせた?」
「大丈夫。隣座って。ごめんね?急に呼んで。」
「大丈夫大丈夫!で、何するん?」
「えと、その…聞きたいことがあって…。」
「なになに!?何でも答えるで!」
うぅ…自分から菜乃のこと呼び出しといて、聞きたいことがあるまで言ったけどいざ聞くとなると緊張するなぁ…。それに緊張でトイレ行きたなってきたし…。
「菜乃ってさ、好きな人できたことある?」
「あんで。」
「好きになるってさ、どういう気持ちなん?」
ブルッ
「んー…。その人と会えたり話せたら嬉しいって思ったり?よく言われるんは、ドキドキするとかずっと考えちゃうとかもあると思う。」
「なるほど…。」
座り直して考える。私は今までにそんな感情を抱いたことはあるだろうか?
昔助けてくれた男子と同じ中学校になりましたが… (17)
てかここ近くにトイレないんやけど…
「真希やったら荒本に対してどういう思いを普段抱いているかやね。」
「へ?なん、なんで剛志?」
「あれ?ちゃう?」
「いや…別に好きとかいうんないし…?」
「好きでなくても多少は気にしてるやろ?(ニヤニヤ)」
「…」
「じゃあ畑中が遊びに誘っとう時どう思てた?」
「どうせ断られるやろって思っとった」
「断ってくれって願ってたんか。」
「違う」
「断られた後どう思た?」
「…まぁ予想通りって感じやね。」
「なるほど。安心したんか。」
「さっきから全然言ってないこと言われてるんですけど?」
「うち国語得意やねん。」
「は?」
「よくあるやろ?『この時の〇〇の気持ちは?』って問題。あれって本文中に丸々答えないやろ?」
「うん」
「さっきの真希の言葉にしなかった本音を想像して答えてみました(ニヤ)」
コイツ…!ズボシツイテキヤガル!
「とりあえずそろそろ帰ろ。真希もうヤバいやろ?」
全部読まれているんだが?
だがここでそんなことないなど言ってしまえば悲劇になりかねん…。
「帰る。今日はありがと」
「ん。自分の気持ちに素直になりや。バイバイ」
「バイバイ」
昔助けてくれた男子と同じ中学校になりましたが… (18)
今日は休日。のんびり過ごそー!
…そういや菜乃に気付かれちゃった気がする。
うん。多分菜乃は鈍感じゃないからバレたね。
菜乃は今は好きな人おんのかな?
とりあえず畑中とかにはバレないようにしよう。バレたらどうなることやら…。
さて月曜日。また新たな週が始まりましたねー。
今日から水曜以外放課後3時間部活や。
「1年生も、さっそくペアを決めていきたいと思います。シングルスをして、上から順にペアを組んでもらうので。」
と、いうことで。私の結果は…5位でした!真ん中やね。
つまり私は6位だった人と組むことになる。
「よろしく。私堀井真希。」
「あ、よろしく。」
挨拶だけして終わっていった。
明日からの部活では関わりが増えていくんだけど上手く話せるかな?
さぁ今日からペアとの練習が始まりますね。はい。
「サーブレシーブからー。5分×2で。」
はい、今日サーブ入らん。迷惑かけまくってる〜。
交代したけど今日すごく調子悪い。見事に全部空振りかアウト。
「お前全然ダメじゃん笑」
「剛史!?なんで見てんの!?」
「たまたま通りかかったから見てみたら空振りとかばっかやってん笑」
__なんで今日に限って見てんだコイツ!他の日見とけよ!__
なんてことを考えてたら後ろから
「え、荒本さんじゃん!」
「ほんまや!見てくれたかな〜?」
みたいな声聞こえてきた。
しばらく活動休止します。
昔助けてくれた男子と同じ中学校になりましたが…(19)
「あ、大丈夫。お前らのこと1ミリも見てねぇから。安心して。」
「え?」
騒いでたみんなが静まり返った。
「俺のこと散々に言ってきた奴らのこと誰が見るか笑」
あ、帰ってった。あ、みんなすっげー落ち込んでる!
「お疲れとしか言いようがないね。これでしばらくは猿共の鳴き声が聞こえないんじゃない?(ニコニコ)」
「そ、そやな。うん。」
ビックリしたー!ペアの人おとなしそうな人やと思ってたけどなんかすっごい怖いかもしれない。
「校外学習の班決めます。男女3人ずつで組んでください。」
これは…!もうチャンスじゃね?
「剛史、ならん?」
「ん。」
そして菜乃とか他の人も来てちゃんと男女3人ずつの班になった。
帰り道。
「いやーよかったねぇ。楽しみだねぇ?(ニヤニヤ)」
「菜乃さんよ。黙った方がいいと思うよ?」
「内心めっちゃ喜んでるくせに〜笑」
「…。」
「今日の真希動き早かったねぇ笑」
まぁ確かにね。ファンクラブの奴らに先越されたくはなかったからね…。
昔助けてくれた男子と同じ中学校になりましたが…(20)
時は流れ校外学習の日。
「は!?なんでなんでなんで!?」
「まぁいいやん笑」
バスの座席は事前に決めていた。班ごとに分かれて座るけど、菜乃の横に座る予定やった。やのになんでか先生には剛史の横に私が座るって伝えられてたらしい。
「誰が先生に伝えたんやっけ?」
「…。」
菜乃に聞いたら答えてくれへんかった。…?もしかして犯人は…
「菜乃か?」
「まぁ、間違いではないね。うん。」
「おい。」
よくもまぁそんな気の利いt…はい。校外学習楽しみましょう。
バスには1時間ほど乗るらしい。
「高速道路って平日でも結構混んでんな。」
「そ、そうやな。」
真横とか近すぎんねんけど。
行き先は美術館。
なんか色々ある。
「意外と面白かったわ。私はあんなんつくられへんわー。」
「結構楽しかったなー。」
バスの中でそんな会話しながら帰ってきました。
「はい。皆さんお疲れ様でした。今日は疲れてると思うんでね、家帰ってゆっくり休んでくださいね。さようならー。」
先生ってみんな校外学習とかの後に言う言葉って一緒やな。
学校の近くの公園に誰かおる。
「荒本さん。あたしのことってさ、正直どう思ってる?」
「は?」
なんか畑中が剛史に話してんぞ〜。
「えっと…ほんまに正直に言っていいんやな?」
「うん!もちろん!」
「よくわからん同じクラスの人間。」
「本当に!?あたしのこt…は、ちょっ、もっかい言って?」
「よくわからんおんなじクラスの人間。」
わー、崩れてったー。
「うわー精神的なダメージでかそー(ニコニコ)」
「わっ!」
ペアの子いっつもいつの間にか来てんねんけど!?驚くわ!
「頑張ってな、堀井さん(ニコッ)」
うん。どうやらちょっと何かの情報が漏れていたようですね。サイバー攻撃喰らったっけな?
「あ、真希やん。」
「あ、うん。やっほー。」
「今日の校外学習楽しかったわ。」
「そやな。」
「これからもよろしくな。」
「???」
それからは畑中とか他のお猿さんたちによく睨まれるようになりました。
しばらくここに来れないので、変に間が空きすぎたら忘れそうやったんで、急いで完結まで行きました。そのため最後の方めちゃ雑いと思いますが許してください。すみません。