朝日ヶ丘高校の生徒会長、河合成瀬。
表では、皆んなから好かれるイケメン人気者!
裏では、ある秘密が___。
河合が秘密にしている事とは!?
〜主な登場人物〜
・生徒会長3年 河合成瀬(かわい なるせ)
・生徒副会長3年 山崎玲奈(やまさき れいな)
・一般生徒2年 秋山類(あきやま るい)
・一般生徒2年 宮秋冬(みや しゅうと)
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目次
生徒会長も恋がしたいです!【1】
「 」セリフ
( )心情
( 効果音
--- ・・・ ---
成瀬「 生徒会の事で話したいから、近い内でいつ空いてる? 」
玲奈「 今日の放課後は空いてるわよ。 」
成瀬「 じゃ、今日で!よろしく笑 」
玲奈「 了解です。 」
女生徒1「 成瀬くんと玲奈ちゃんって、いつ見てもお似合いだよね〜! 」
女生徒2「 ね!絵になるよねっ! 」
男生徒1「 あの2人付き合ってんのかな? 」
男生徒2「 付き合ってないらしいぜ 」
男生徒1「 ひゃー、まじか! 」
廊下で玲奈と隣を歩けば言われる決まり文句。横目で流しつつ、よく飽きないなと思う。
実際、お互い恋愛感情などは抱いていない。
強いて言えば、腐れ縁がある程度のもの。
類「 5時間目に提出の課題やった? 」
秋冬「 あ、やばい やってないw 」
類「 笑い事じゃねぇだろ笑 」
そんな事を考えていると、廊下の向こうによく見る顔があった。一つ下の学年である秋山類と、その友達の宮秋冬だ。友達でも何でもないが、個人的に気になる人である。
玲奈「 ちょっと、見過ぎじゃない?( コソッ 」
「 バレるわよっ( ゞ 」
成瀬「 え!俺、そんなに見てた!? 」
玲奈「 ええ、かなり。 」
成瀬「 あはは、は ... 」
玲奈の一言に苦笑いを浮かべながら、視線を他へと向ける。自分自身では中々気づかない事もあるようで、分からないものだ。
チャイム( キーンコーンカーンコーン
昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴り、廊下に居た生徒たちはガヤガヤと動き出した。俺たちもその波に乗り、自分の教室へと入っていく。
少し名残惜しく感じ、直前で類くんと秋冬くんが居た方を見る。2人はまだ楽しげに話している。俺もあそこに混ざれたらな、そんな気持ちを抑えて、元に戻った。
--- ・・・ ---
このまで読んで頂きありがとうございます!
次話もお楽しみに^ ^
生徒会長も恋がしたいです!【2】
「 」セリフ
( )心情
( 効果音
--- ・・・ ---
放課後の生徒会室にて___。
成瀬「 はー... もう、どうしよ〜 」
玲奈「 サッサと気持ち伝えなさいよ。 」
成瀬「 そんな事言われても... 」
頭の使いすぎで疲れて机にべったり張り付いている俺に対し、悠々と本を片手に俺の話を聞く 玲奈。
俺は絶賛、お悩み中です。
気になる人が居るけれど、中々話すタイミングもなく漫然とした日々を過ごしている。何か動かなければ、進展もせず卒業してしまう。それたげは、なんとか避けなければ。
玲奈「 まず、友達になったら、? 」
「 話はそこからでしょ。 」
成瀬「 なってくれるかな〜? 」
玲奈「 顔が良ければ、頭も良い。その上、運動神経抜群で性格も良い。 」
「 貴方はそれを自覚してるの? 」
成瀬「 大袈裟だよぉ~ 」
玲奈「 はぁ...( 溜息 」
昔から今日まで色んな人から“自分”を褒めてくれた。「顔がいい」だの「運動神経抜群」だの「頭がいい」だのなんだの。そんな言葉を貰ったところで、俺の悩みは解決しない。
[成瀬は、実際にイケメン+頭良+運動神経抜群+性格良です。 by作者より]
玲奈「 今週までに例の子と友達にならなかったら... 」
成瀬「 ならなかったら...? 」
玲奈「 私がその子を奪います。 」
成瀬「 はっ!?ちょっと待って!? 」
玲奈「 何よ?なんか文句ある? 」
成瀬「 文句しかねぇよ!! 」
玲奈といえば、この学校で一番モテると噂されている人物。幼馴染であるから分かる事だが、昔から何回も告白されていた。その度にスパッと断っていたけれども。
女子からも男子からも評判が良く、みんなから好かれる存在だ。正確がサバサバしている所もあるが、それもそれで良いとプラスの評価になっている。
そんな人物から仲良くされたら?絶対に仲良くなる以外の選択肢が思い浮かばない。何としてでも、阻止しなければ。
成瀬「 今週の金曜日だろ? 」
「 絶対、友達になってやるよ! 」
玲奈「 そ。 」
玲奈(1ミリたりとも、例の子に興味は無いけどね。このくらいしないと動かなさそうだもの)
放送(完全下校時刻5分前になりました。残っている生徒は速やかに下校して下さい。
下校を促す放送がなり、俺達はそこでお開きとなった。
“生徒会の件で話がある”と言っておきながら、ただの俺の恋愛相談に付き合ってもらっていただけだ。こんな話が出来るので玲奈だけだから...だって、、、
男が好きだなんて___。
--- ・・・ ---
ここまで読んで頂きありがとうございます!
次回は回想シーン入ります。
次話もお楽しみに^ ^
生徒会長も恋がしたいです!【3】
「 」セリフ
( )心情
( 効果音
--- ・・・ ---
俺が男性を好きだと気付いたのは、高校2年生の頃だ。
それまでは、何となく女性はもちろん男性でも良い人がいると惹かれる事はあった。しかし、それはあくまで“惹かれる”という程度である。しかし、高校2年生の後半になってから。
次期生徒会長になるため色々なクラスに顔を出したり行事の運営を手伝っていた事がきっかけだった。
--- *** ---
小山「 成瀬が次の生徒会長だと、俺も安心して卒業できるよ。 」
成瀬「 いえ、そんな事ないですよ。 」
小山「 そんな買い被んなくてもいいぞ笑 」
俺の前の生徒会長の小山先輩、凄く良い人だ。体育祭間近で、生徒会だけではなく生徒も色々とバタバタしている期間だった。放課後は、毎日のように様々な委員会や係が生徒会室を訪れ会議をする、というハードスケジュールだった事を今でも覚えている。そんな『忙しい』で埋めつくされた記憶の中、一つだけ彩りが確かにあった。
?「 すみません...( ガラガラガラ 」
小山「 ん、どうした? 」
類「 1年のデコ係をしている秋山類です。 」
「 デコに使うインクが無くなってしまったので、借りてきて欲しいと先輩に言われて 」
小山「 はー!?普通、先輩がカッコよく取りに来る所だろ! 」
「 なんで、可愛い可愛い後輩に取りにこさせたんだよ! 」
類「 あはは、はは...笑 」
小山先輩の言葉を聞き、その1年も苦笑いを浮かべていた。実際、側で聞いていた俺もヤバいな、とは思っていた。その後、小山先輩が
小山「 先輩代表として謝る。 」
なんて言って、土下座する勢いで謝っていた。
1年生が対応に困っていた為、仕方なく俺が仲裁に入り、その場を丸く収めた。
--- *** ---
その1年生に必要なインクを渡し終え、意外にも量が多かった為、俺が手伝って持って行く事にした。特にやる事が無かった俺に対して会長は忙しいからだ。また、会長以外も忙しい。
成瀬「 秋山くんだっけ? 」
「 学校はどう?楽しい? 」
類「 はい! 」
「 誰かと何かをやるのは大好きなので 」
「 体育祭とかの行事系は最高です! 」
成瀬「 ふふっ、良かったねぇ〜 」
どうにも秋山くんは高校生活をエンジョイしているようだ。俺は1年生の時の体育祭を思い出しながら、秋山くんと世間話をして教室まで廊下を歩いた。
類「 ここです! 」
「 ありがとうございました。 」
成瀬「 んーん、全然大丈夫だよ! 」
「 じゃ、またね 」
類「 あ、あの! 」
俺が帰ろうとすると、秋山くんに止められた。何か思い当たる節もなく振り向いた。
類「 どこかで見かけたら、 」
「 声掛けてもいいですか? 」
成瀬「 ! 」
「 全然OK!むしろ大歓迎!( ニコ 」
類「 ありがとうございます! 」
そう言って、秋山くんとそこで別れた。
その後、彼が言った通り廊下ですれ違うと、声を掛けたり掛けられたり。帰り道が同じだという事に気づき、たまたま下校時刻が被ったら一緒に帰っていたりしていた。そんなこんなで、どんどん距離が縮まっていった。
しかし、いつの間にか類くんを目で追うようになったり、他の誰かと楽しそうにしているとモヤモヤしたりと違和感を覚えるようになった。
その頃は気づかなかったけれど、今思えばもう好きになっていたのだろう。
--- ・・・ ---
ここまで読んで頂きありがとうございます🙇♀️
切り方おかしいですね笑
次話もお楽しみに^ ^
生徒会長も恋がしたいです!【4】
「 」セリフ
( )心情
( 効果音
--- ・・・ ---
そして、現在へと戻る。
今思い返せば、何故こんなにも距離が出来てしまったのか。あれほど仲も良かったのに。疑問は増える一方だったが、原因は分かっている。
理由は分からないが、秋山くんが学校を長期間休んでいた事だ。不運にも連絡先などは交換しておらず、そこから疎開してしまった。
玲奈「 なに暗い顔してるの? 」
成瀬「 んー、、、少し考え事してた! 」
「 気にしないでね笑 」
玲奈「 そう… 」
玲奈「 そういえば、友達になる件はどうなの?進展はあったの? 」
成瀬「 わ!そうだったぁ〜 」
玲奈「 ま、頑張ってね。 」
そうだ、過去のことばかり気にしている場合ではない。取り敢えず、どうするかを考えなければならない。まずは秋山くんとの接点を作らないと何も始まらないよな、そんな事を考えながらある教室へと足を動かしていた。
--- *** ---
成瀬「 失礼します( ガララ 」
「 秋山くん居ますか? 」
男子生徒3「 類ー!呼んでるぞ〜! 」
類「 あ、先輩お久しぶりです! 」
秋山くんとは昨日ぶり、といってもただ一方的に見ていただけれども。やっぱり「久しぶり」という言葉を聞くと、どこか胸に刺さるものがあるように感じた。
女子生徒3「 先輩ほんとイケメンだよね 」
女子生徒4「 ねー!かっこいい! 」
成瀬「 、、廊下で話そっか! 」
類「 ? はい。 」
どうしてもクラスの人達からの視線が気になって落ち着かなくて、廊下で話す事にする。本当は、2人だけが良かったからというのはここだけの秘密。ムキになっている自分が恥ずかしい。
--- *** ---
放課後___。
成瀬「 〜〜♪( 鼻歌 」
玲奈「 何やらご機嫌の様子ね 」
「 生徒会の仕事がそんなに楽しい? 」
成瀬「 いや、そうじゃなくて!! 」
今日、秋山くんには、明日の中央委員会に出席して欲しいという事をお願いした。図書委員長に外せない用事が出来てしまい、副委員長である秋山くんにお願いしに行ったのだ。
つまり、明日は秋山くんと接する時間が長くなる。そこで距離を縮めようという魂胆だ。
その旨を玲奈に伝えると、
玲奈「 それで仲良くなれるの? 」
成瀬「 俺にはプランがあるですよ! 」
玲奈「 そ。ならいいわ。 」
--- *** ---
帰宅後。俺は、中央委員会の司会である為、明日のシュミレーションをする。一応これでも生徒会長だからね。そんな中でも、頭の片隅にあったのは秋山くんの事だった。
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ここまで読んで頂きありがとうございます!
次話もお楽しみに^ ^
生徒会長も恋がしたいです!【5】
「 」セリフ
( )心情
( 効果音
--- ・・・ ---
中央委員会終了___。
類「 すごい勉強になりました! 」
成瀬「 そう?なら良かった( ニコッ 」
類「 はい!笑 」
一学期の中央委員会も無事終了した。
委員会ごとに申請内容は多種多様で、また協議しなければならない事も山ほどあり。今学期も有意義な時間になったと思う。生徒会長としてのコメントはここでお終い。
いやー、本心を言うと秋山くんと同じ空間に居れて嬉しいのなんの、もう最高でs...((((んん゛
気持ち悪い奴みたいになるので一旦抑える。
類「 ___!___ですけど、____! 」
「 __先輩、成瀬先輩!! 」
成瀬「 わ!ごめん。聞いてなかった( 汗 」
類 「 体調悪いですか?( コテッ 」
成瀬「 んーん、全然大丈夫だよ! 」
類 「 なら、良いんですけど、、 」
中央委員会が終わったに関わらず、何故一緒に居るのかって?居残りさせてる?いじめ?
ノンノン、一緒に帰ってるのさ![キャラどした
類「 あ、さっきの話なんですけど! 」
「 〜〜、ーー。〜〜? 」
成瀬「 ーー!ーーー笑 」
この楽しい時間が一生続けば良いのに…
--- *** ---
成瀬「 じゃ。俺の家あっちだから、 」
「 ここでバイバイだね、秋山くん。 」
類 「 ・・・ 」
成瀬「 、?どうした? 」
秋山くんと別れる地点まで着き、惜しくもさよならしようとしたら、急に黙りだした。何か変な事言ったかな、と思いながら返答を待つ。
類 「 あ、あのッ 先輩! 」
「 折角なので、下の名前で呼んで欲しいです! 」
成瀬「 、、、え? 」
類 「 先輩が嫌だったら大丈夫です... 」
成瀬「 や、違くて!驚いただけだよ! 」
「 じゃあ、 」
「 これから“類”って呼ぶね 笑 」
類 「 ! ありがとうございます( ニコニコ 」
悲しそうな顔をしたと思えば、名前を呼ぶと嬉しそうにニコニコする類がとても可愛らしい。また少しだけ話してそこで別れた。
--- ・・・ ---
帰宅___。
別れた1分後くらいで家に着いた。
今日はコンビニへ行こうと考えていた為、制服から私服に着替えてすぐに家を出た。
--- *** ---
成瀬「 〜〜♪( 鼻歌 」
折角コンビニ行くんだしお菓子とかも買っちゃおうかな、なんて考えながら呑気にコンビニへと向かっていた。
? 「 やめてください!!![ 遠くから 」
成瀬「 !!( 今の... ) 」
気づいた時には、俺は声が聞こえた方角へと走り出していた。だってあの声は。
何回か角を曲がり、何とか声の主と思われる人まで辿り着いた。そして、居たのは...
俺のこの行動は英断であった。
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ここまで読んで頂きありがとうございます!
次話もお楽しみに^ ^
生徒会長も恋がしたいです!【6】
「 」セリフ
( )心情
( 効果音
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着いた先には、制服姿の類と知らない人が居た。側から見れば、友達のように肩を組んでいるように見えなくもない。しかし、明らかに類が嫌がっているように見える。相手を刺激しないように、取り敢えずフランクに話しかけようと思う。
成瀬「 やっほ〜笑! 」
類 「 先輩ッ、! 」
モブ「 __チッ__ 」
え、今あいつ舌打ちしたよな?やっぱり類の友達ではなさそうだ。
成瀬「 あ、そちらの方は? 」
類 「 え、えーt...((( 」
モブ「 俺ら友達です!なー? 」
類 「 、、、 」
モブ「 もう〜笑冗談よせってw 」
成瀬「 、、貴方友達では無いですよね? 」
モブ「 は、ぁ? なわけ! 」
成瀬「 なら、この子の名前言えますよね? 」
モブ「 あっ、ちょっと...! 」
俺は類をそいつから引き剥がし肩を寄せる。類は何も抵抗してこなかった。
そして、案の定そいつは名前が言えずに戸惑っている。これは流石にもう良いだろう。
成瀬「 言えませんよね? 」
「 ナンパとかですか?きっしょ、 」
「 あと、類は俺の大事な後輩なんで 」
「 さっさと失せろよ[低音] 」
モブ「 ッくっそ、!覚えてろよ!! 」
そいつはそう吐き捨て逃げて行った。『覚えてろよ』なにも。次俺らの前に現れたら死ぬ覚悟で居ろよ、と内心思う。
そんな事より今は類の方が優先だ。心を切り替えて類に向き直る。
成瀬「 類、あいつに何かされてない? 」
類 「 何もされてないですよ、! 」
成瀬「 ごめん。怖い思いさせたよな。 」
類 「 そんな、そんな! 」
「 助けてくれてありがとうございま
す!( ペコリ 」
成瀬「 、、、( ギュッ 」
類 「 ! 先輩.../? 」
成瀬「 手 震えてる。 」
類 「 ぅ...// 」
よく見てみると類の手が震えていた。そりゃそうだ、よく分からない人に話しかけられて触られて。少しでも安心してもらえるようにと、俺は類を抱きしめた。抵抗されるかなと思ったけれど意外にもすんなり受け止められた。
--- *** ---
その後、類はすごく申し訳なさそうに断っていたが、俺が心配で家まで送る事にした。
家に着くまでに色々と話を聞いてみた。家に帰ってなかったみたいだったので、そんなに遠いのか聞いてみた。そしたら
類「 や、あの家は近いんですけど... 」
「 野良猫が居たので戯れてたんです。 」
「 そしたら、声を掛けられて... 」
という事らしい。
--- *** ---
無事、類の玄関前まで到着し別れを告げる。
成瀬「 じゃ、またね( ニコッ 」
類 「 本当にありがとうございました! 」
「 先輩すごくかっこよかったです! 」
成瀬「 、、ふふっ。ありがとね笑 」
コンビニへ行くのはやめた。日も傾いてきていたし今日行かなければ行かない訳でもないし。
それより、、、
**先輩すごくかっこよかったです!**
**って言ってたよね!?!?!?!?**
好きな人からの『かっこいい』ほど嬉しいものはこの世にないだろう。
ニヤけそうになる口を必死に抑えて、家への帰路に着いた。
--- ・・・ ---
ここまで読んで頂きありがとうございます!
次話もお楽しみに^ ^