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目次
眩しい。
日替わりお題
過去
ジリリリリリ、
アラーム音が部屋に鳴り響く。無言で僕はアラームを止めた。朝だけど窓は開けたくない。光が眩しすぎるからだ。サングラスをかけてやっと見ることができるかできないかってくらいに眩しい。夜でギリギリ外に出れるかな、ってくらい眩しい。この世界の見た目は、この何十年の間で変わって眩しくなってしまった。
「オハヨウゴザイマス、朝デスヨ。」
起き上がる前にこいつは話しかけてきた。こいつはお世話型ロボットだ。名前は適当に「ミライモン」にした。ミライモンのモンは、どっかの漫画のお世話型ロボットと色が似てたからつけただけだ。
「マイ様、ベッドカラ出テゴ飯ヲ食ベマショウ!!既ニ出来上ガッテマスヨ」
「…あー、はいはい。わかったわかった。」
僕はベッドからでてさっさと御手洗いを済ませたり洗顔をしたりして、リビングの椅子に座った。
今日の朝ごはんはパンケーキ。いつもミライモンは凝ったご飯をつくっている。
「いただきます。」
ミライモンと一緒にパンケーキを食べる。
「今日ハ、ドコニ行キマスカ?」
「……どこにも行きたくない」
「今日モデスカ。…マイ様ハ、ズットソウ言ッテ、一向ニ外ニ出ヨウトシテクレマセンネ。」
「外には出たいっちゃ…出たいけど…眩しすぎるんだもん、外。」
外は建物の縁に変な光の線が入ってたり、モニターが大量にあったりする。昼でもそれらはずっと光っている。大量にあるもんだからかなり眩しい。何度も言ってるがかなり眩しいのだ。
「…ソウデスカ。ナラ、過去ニタイムスリップシテミテハ如何デショウ。」
「過去って、どのくらい前だ?」
「イマカラ、50年程前デス。イマトハ余リ変ワリマセンガ、眩シクハアリマセン。」
「50年程前で…眩しくない…。めちゃくちゃ良いな、それ。」
「ソウデショウ!!50年前ニ行キマショウヨ!!行キマショウ!!行キマショウ!!!行キマショウ!!行キマショウ!!行キマショウ!!」
「…ぁ、えっと…うん…分かった、分かったよ。行く。」
「ヤッターーーーーー!!!!」
ロボットとは思えない喜び方してるなこいつ。
「デハ、ワタクシハ、準備ヲシテキマスネ。過去ニ行ク為の準備。」
ミライモンは僕が返事をする合間もなく行ってしまった。
「…過去か、時空警察に捕まらないといいな。」
時空警察。何が目的なのかは知らないが政府が一般人は時空を超えることができないように取り締まっている。
「準備、デキマシタヨ!!コノ家ゴト、過去ニ飛バシマスネ。」
「この家ごと!?でかくない!?家まるごと移動するとなると!!時空警察に捕まらない?!」
「大丈夫デス、キット。…アト、コノボタンヲ押シタラ過去ニイケマス。」
そう言いながらミライモンは赤い、如何にも大事そうなスイッチを押した。
「ツキマシタ、50年前ノ地球デス。」
「…ありがとう、時空警察は…居なさそうだし、外でてくるよ。」
「承知致シマシタ。」
サングラスをかけ、サンダルを履き外にでる。
外は鉄やレンガや石でできている建物ばっかりで変な線も、大量のモニターもない。見やすい快適な世界だった。
ミライモンの見た目はペッパーくんの色が水色になったような感じです。
マイの名前の由来は今をひっくり返しただけです。
きっと明日は
日替わりお題 老い
何度書いてもうまくいかないっすわ!!
いま、私は不老不死と荒廃した地球を歩いている。
「・・・今日はどこに行くんだ?」
「うーん、どこ行ってもつまらないからなぁ。」
「そっか。」
不老不死は退屈らしい。この世界を歩きまわったからほぼ知ってるところしかないらしい。
そして、人が死ぬことに対しては慣れてしまってなんとも思わないらしい。私にはよくわからない。
「あのさ、どうして君は不老不死って存在になったの?」
「・・・・・なんでだったんだろ。」
「・・・自分でもそうなった理由、わからないんだ。」
「うん。そうなんだよね。」
「どうしてか・・・・ならさ、何で君はこの世界で生きることができていたの?普通は人は地球がこんなんになったら死ぬよ。」
「・・・・なんでだったんだろ。私もわからないや、他の人達は全員死んでるのにね。」
「お互いわからない者同士だ。体感何ヶ月も何年も一緒にいるのに。」
「ね」
君と話しているときはいつもこんな感じだ。いつも変わらない、少しゆったりな会話。でも、話している中で段々と私の声はしわがれていく。時は経っている。私の声がしわがれても、君の声は変わらない。かわいい声のまんまだった。
君の歩いていた足が止まる。君は空に光る星をみていつもと違う表情をした。
「何かあった?」
「思い出した。なんで不老不死なのか思い出したよ。」
「私はさ、神だったんだ。この地球を見守っている。あの星が教えてくれた。」
「・・・・神様なんだ、君って。」
「あ、神様なら敬語の方がいいかな?」
「敬語じゃなくていいよ。その方が楽だし。」
「そっか。・・・神様か。」
「確かに、神様って無限に生きていられるイメージあるもんな。」
「・・そう?」
「そう。」
「あのさ、神様なら僕を若返らせて、時を止めてずっと一緒に居られるようにしてくれないかな?」
「それは…何故?」
「いつか僕が死ぬとき、君を1人にさせるのが苦痛だから。」
「…苦痛ではないよ。」
「苦痛じゃないのか、、。」
苦しくない…ならいいのか?僕には神様の思考回路がわからない。わからないけど、逆に苦しくないのは僕の心が苦しくなるような気がする。
「苦しくないから心配しないでいいよ。」
君が、いや、神様がニカッと笑う。
どうしてこんなに眩しい笑顔なのだろうか。
「……そうだね、心配しないでおくよ。」
僕が発した言葉の余韻が頭の中で響く。
また君は歩き始めた。僕はついていく。
あの星が何を言ったのかはわからない。わかったところで混乱しそうだからそのままにしておく。
でも、僕と|神様《きみ》が幸せならもう、なんでもいいと思えた。
君を呑む
日替わりお題 ワイン
グロ表現あり
いつからだろう、君が好きだった。
電車の中で横に座っている君が、授業中に先生にイジられてた君が、ギターを弾く君が。全部大好きだった。私は君に好きだと告白したかった。
私は君にとってただの家が近い友達なのだろうけど、私にとって君は憧れで大好きな存在だった。私に足りないものが全部ある人。私の目指す目標…とまではいかないかもしれないが、尊敬している人でもあった。
「好きな人ができたんだ。」ある日君は雑談の中で言ってきた。私の中には君しかいないようなものだったから、息を呑んでしまった。
「そっか、頑張って。」私はこれしか言えない。君に好きな人が居るのに告白する訳にはいかないから。胸がぎゅっとなる。苦しい。どうすれば良いんだ、この気持ち。
「ウチね、この人が好きなんだけど〜」と言いながら見せてくれたスマホの画面を見る。見たけど、頭には何も情報が入ってこない。君はどうして私以外のことを好きになるの?前に大好きって言ってくれてたじゃんか。
「………聞いてる?」
「…えっと…ぁ…ごめん……あ、その…大丈夫…聞いてる。」
「良かった~…なんか聞いてなさそうだったから笑」
あはは。君が笑ったから笑っておく。笑っていながらも私の心臓が押しつぶされていた。
---
その日の夜、不思議な夢を見た。
今日君の好きな人を知ったあの時の夢だ。
「好きな人ができたんだ。」やっぱりこう言われることを知っていても驚きは少しある。でも驚きよりは苛立ちが勝った。私以外のことをもう見ないでほしい。筆箱からハサミを取り出す。蓋がある感じの、細いやつ。
「………ぇ…急に…どした?」
君の首を掴む。掴んだ手がない方にハサミを刺す。君は声にならない声を発した。君の目は私の方を見ていた。ゲテモノを見るような目で見ていた。血が噴き出る。赤ブドウワインみたいな色だった。綺麗だった。君の血を飲みたい。血が噴き出ている首に唇を当てた。飲んだ。味はしなかった。でも、君の血がなくなるまで飲んだ。君の血をワインだとしたら、そのワインのおつまみとして君の肉をたべた。味はしなかったのに、美味しいと感じた。
君は骨だけになった。私の中は君で溢れている。
そんな不思議で、君が私のことを最大限に感じてくれて嬉しいような君がなくなって悲しいような。そんな夢をみた。
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「おはよ!」君が後ろから私の肩を思いっきり押してきた。君は生きている。私は君を飲んでないし、食べてもいなかった。
「おはよ。」返事をした。これからあんな夢はみたくなかった。君を呑む夢はもうみたくない。
生きてる君がもっと愛おしくなったから。
上手く書けませんでした。お題を絡めるのが難しいです。あと怖いですねこれ。なんで思いついたんでしょう。
頂きます
日替わりお題 食事
「いただきます。」
今日は人肉とワインも一緒に煮込んだビーフシチュー、天使のわっかをかけたサラダ、そしてパン。
美味しそうだとは感じるのだが食べたくはない。
どうしても、どう考えてもグロテスクに見えてしまう。いつも食べてるものなのに。
「お兄ちゃん、食欲…ないの?大丈夫、?アルマがお兄ちゃん食べちゃうよ?」
「………いや、大丈夫。大丈夫だよ。全部食べるさ。」
「うふふ、良かったぁ〜。」
アルマが笑いながら話しかけてきた。
話しかけないでくれ。もっと気持ち悪くなる。
大丈夫だと言いながらも食べたくない。どうすればいいものか。食べたくないが、大丈夫と言ってしまった以上食べなくてはいけない。
食べなくちゃ、悪魔としていられない。
他の悪魔に喰われてしまう。
食べなくちゃ、食べなくちゃ。
食べなくちゃ。食べなくちゃ。食べなくちゃ。食べなくちゃ。食べなくちゃ。食べなくちゃ。食べなくちゃ。食べなくちゃ。食べなくちゃ。食べなくちゃ。食べなくちゃ。食べなくちゃ。食べなくちゃ。食べなくちゃ。食べなくちゃ。食べなくちゃ。食べなくちゃ。食べなくちゃ。食べなくちゃ。食べなくちゃ。食べなくちゃ…、気が狂ってしまう。
ビーフシチューを一口、無理矢理自分の口に突っ込んだ。いまにも吐きそうだ。我慢我慢。吐くな自分、我慢しろ。食べるんだ。悪魔として生きるために食べろ。自分。
---
吐き出さないで完食できた、なんとかだけど。
これからもずっとこうして食べなくちゃいけないのかな。
拒食症?我ながら意味がわからない。
脳を洗う悪魔
日替わりお題 一般人
「よぉ、お前さん。ちょっと尋ねたいことがあるんだが。」
夜、仕事からの帰り。その声がするまで辺りはしんとしていた。
肩を知らない人に叩かれ、そう、言われた。
僕は振り返った。
人かと思った。でも人じゃなかった。
宙に浮いていた。黒いし、人肌みたいなところもあるし、顔は豚みたいで、でも体は犬…みたいな。まぁ…豚とか犬っていってもデフォルメされた感じのだけど。そんな形容し難い生物だった。
………悪魔。実際にみたことはないが、多分悪魔だろう。
「………………………ひぇ、、はい……な、ななな…なんですか、⁇!」
何とも形容し難い変な生物を見てしまったからだろうか?それともただのコミュ症を発揮してしまったのかもう僕にはわからないが、変な声を発してしまった。
「そんな怖がるなよ~、ただの人間。」
「………君は,神や天使に支えてない、ごく普通の一般人だよな?」
「え、あ、、はい…そうです。そうですけど……そ、それで………何か?」
「ビンゴだ‼︎なあ人間、俺様に支えてみないか?」
「へ」
「なぁに~そんなに驚くんでない。ただ俺様に支えるだけだぞ。…………………なんなら衣食住、君が憧れるような"超能力"とでも、言うのかね。そういうものを…俺様に支えたら用意してやろう。どうだ?俺様に支えないか?」
「…ぇ、あ、支えます…はい。支えさせて…頂きます。」
超能力という言葉に釣られて言ってしまった。
「よろしい。」
悪魔が笑いながら僕の右の親指の先っちょをちょん切ってきた。
「痛…っ」
「あー、痛いかぁ。ごめんなぁ…これは俺様に支えるために必要なことなんだ」
僕の親指から出てきた血を悪魔は舐める。
「……いよっし。これで契約完了…っと。」
「君、名前は何て言うんだい?」
「…|鈴木 晴《すずき はる》です。」
「鈴木晴ねぇ…じゃあハルって呼ぶわ。」
「…ハル、こっちについて来い。」
「は、はぁ………」
「そこは"はい"だろ!」
「……はい。」
悪魔は「よろしい…」と言いながらゴミがそこらに広がっている路地裏をズカズカと進んでいった。僕は必死に走って追いかける。悪魔は、とあるカフェの裏にある引き戸のドアの前で止まった。
「…ここだ。やっとこれたんだここに。」
悪魔が喜んでいる…のか?何故なのだろうか。謎だ。僕には悪魔のことが何もわからない。言われるがままついてきてしまった。
「ここ…が、?いや、ここに…何かあるんですか?」
「嗚呼、あるさ。……楽しみだ。」
そう言いながら悪魔は扉を開いた。
「楽しみ?な…」
言葉を言い終わるのと意識が途切れるのと。どちらが先かはわからないが、僕の意識はそこで途切れた。
---
目が覚◻︎た。ジ室のベッドの上◻︎僕は横たわっていた。◻︎レは、夢だっ◻︎のだろうか。
今日は休日d。別にやることもないし◻︎あ◻︎ユmであっ◻︎路地裏に行っ◻︎◻︎ようカ。カフェが氣になるし。
…目の前にノイズがある。
路地裏にあるカフェの引き戸をあける。何の変哲もない。普通のカフェ。僕の主がオーナーをしているカフェだ。
「主様、」
「…ハル。何で休日なのに来たんだ?」
「目の前にノイズがあるんです。邪魔なノイズが。だから、主様に治してほしくて。」
「そうか……。ノイズか。まだ◻︎◻︎しきれてないんだな。」
「…?」
「…とりあえず、席に座ってくれ。モンブランとコーヒーを出すから。」
メイド服を着る。たまに来るお客様に対して接客をする。主様に褒められる。いま僕は、こんな日々を過ごしている。幸せだ。あの時、支えてなかったらどんなことになってたかはいまの僕には想像がつかない。想像をしたくない。いまが、幸せだから。
引き戸を開ける。この気絶した人間の首根っこを掴み中にいれる。扉の鍵を閉めた。
目の前には色々な装置が散らばっている。
「……こいつはどうしようかな」
機械の中からこいつに合うものを選ぶ。
これだ。きっと楽しいだろうな。
この人間の頭にヘルメット型のコードが沢山繋いである機械をはめた。
俺様のことでこいつの頭を一杯にしてやろう。
人間よ、ただの一般よ。称賛したまえ。主人のことを。
また1人、俺様に支える奴が増えた。これほど嬉しいことはない。