読み方
1話ずつ表示します。
閲覧設定
名前変換設定
この小説には名前変換が設定されています。以下の単語を変換することができます。空白の場合は変換されません。入力した単語はブラウザに保存され次回から選択できるようになります
1 /
目次
君の願い 上
ねぇ、知ってる?
おねがいごとはね!
流れ星さんに叶えてもらうんだよ!
...たとえそれが、呪いになったとしても。
絶対に叶うんだよ。
冬に近づいてきて、少し肌寒い日の夜。
僕は、暗い夜に起きた。
ただ。
眠れなかっただけだ。
「...」
やることが何もない。
そりゃあそうだ。
一番夜に起きたのだから。
足音をたてないように、静かにリビングへ歩く。
そろーり、そろーりと。
このハラハラした感覚が、どうも落ち着かない。
きぃ...
扉の軋んだ音が、誰も居ないリビングに小さく鳴った。
窓を見ると、星がきらきらっと光っていた。
それは、闇に塗り潰された世界を輝かすように。
ほんわりと滲んている光に視線が釘付けになる。
「少しだけ...外に出ようかな。」
外出をすることにした。
わかっているけれど。
でも...何か楽しそうな雰囲気がする。
外に出て、たくさん怒られる。
という心配よりも
はしゃぎたい!
の気持ちのほうが大きかった。
そうして僕は、バレないように外に出た。
---
外はとても寒く、冬みたいだった。
「あははっ!」
...こんな時間に、遊んでいる子達が居た。
気になる。
「ねぇ。」
「ひょわ?!」
変な反応。
「ビビったぁ...!」
「どうして、こんな夜遅くに遊んでいるの?」
「君も人のこと言えないでしょ...」
図星を指されて、僕からうっ!と声がでた。
「そ、それは...」
「!...ふふっ!面白い反応するね。ほら、こっちにおいで、一緒に遊ぼ!」
手を引かれ、木が沢山ある所に連れて行かれる。
僕の手を引いている君の手は、じんわりと暖かく、温もりを感じられた。
---
木を抜けて、ぼんやりとした明るさが、差し込んできたと思った。
その次の瞬間だった。
「わぁ、!」
思わず声が出る。
そこで見たのは、空に満遍なく散っている光を見たから。
「ここは、私の隠れ場所なの!」
「へぇ...!」
「あれは、冬の大三角形、あれはオリオン座、そこの近くにあるのが、おおいぬ座、こいぬ座」
「そうなんだ、詳しいね...!」
「何日ここに通ってると思うの...私、春から今日まで、毎日ずっと通ってるんだから!」
ふと、疑問に思ったことがあった。
僕は一回も見たことがない、流れ星。
それはとても綺麗で、とても美しく、おまけに願いも叶えてくれるものだと聞いた。
「流れ星は見たことあるの?」
「ううん、まだない。」
「...そっか。」
「でも、今年は見れそうなんだ!」
「ふ〜ん...」
「明日、また来てよ。」
「うん、わかった。」
会ったこともない誰か。
知らない誰かだけれど。
明日合うことにした。
同じ時間、同じ場所で。
__「明日、会えるかもわからないのにね」__
ふと、そんな言葉が聞こえた気がして、後ろを振り向く。
君はもう、居なかった。
次回
「ねぇ、...君の名前は?」
「私...は、」