私はこの地球の生き物じゃない。化け物だ。
それなのに、人間の少年を好きになってしまった。
人間の世界ではやっぱり化け物は受け入れてもらえないけど、
「その気持ちは僕もわかりますから。」とその少年だけは話かけてくれる。
しかし、私は人に忘れられてしまうし、化け物の住む世界に帰らなくてはならない。
私はあの子が好きなのに。
どうする、私。
これは、忘れ去られる運命の一人の不死鳥の恋の物語。
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勿忘草の約束 第一章 1話
「ふううっ!!仕事終わったぁぁぁ!」
真っ白な部屋の隅で一人。
椅子が倒れるほど勢いよく立ち
ぐーーっと伸びをする。
少し腰が痛い。
36時間ずっと椅子に座って宇宙の調整の仕事をしていたから、
腰が痛くなるのなんて当たり前なんだけど。
腰、叩いたら治らないかな〜?
「………。」
「………。」
全然治らない…。
前にこうなった時、120番さんに叩いてもらったんだっけ。
あーでも今日は無理だな〜。旅行の準備があるし。
すると、開けていた窓から柔らかい風が入ってくる。
心地いい。
風も仕事終了を祝ってくれてるのかな?
「_なんてね」
天井を見ると、ガラス張りで深い青色とその上のキラキラと輝く星が見える。
最近はずっと曇りだったので格別にきれいに見える。
「…綺麗だな」
まあ、そんなこと言ってる場合じゃないんだけどっ!
私はその場でくるーと1周回った。
そう、私はとても浮かれている。
この仕事を提出したら旅行に行くのだ!
もう1日前からずっとソワソワしている。
早く行かないと心臓が爆発しちゃう?!
早くしないと!
時間がないことは無いけど、早く行きたいから時間は無い(?)
もう、すぐに行っていいはずである。
二ヶ月間!楽しむぞ〜!!
ちなみに、旅行先は___
「地球っ!」
パソコンのような物のボタンを一つ押した。
よしっ、提出完了!
どの服がいいかなあっ!
旅行なんだからお洒落はしていきたい。
スキップで移動してクローゼットの前に立つ。
ベレー帽?麦わら帽子?
ワンピ?スカート?ズボン?
地球の日本というところは、夏らしい。
じゃーあー!
白ワンピース!
ひらひらで肩出しのもの。
自分の体の前に服を当ててみる。
「よしっ!」
ただ、何か物足りない気がする。
…髪飾りをつけてみよう。
銀髪で白ワンピ、何かパッと目立つものを身につけたい。
と、私は青色の花の髪飾りをつけた。
最後に靴。
靴は、やっぱサンダルっしょ!
じゃあ、もういっていいのかな?黒パーカーさん?
私は人間じゃないから睡眠もいらないしね。
さっき私の部屋のゲートが開通したし、行っていいってことかな?
まあ、いっか。
そうして私はゲートをくぐった。
「いったあ」
固い地面にしりもちをつく。
道路だ。
するとお尻から熱を感じ取る。
空気もちょっとだけ暑い気がする。
不死鳥が暑さを感じる…ってだいぶ暑くない!?
人間達はどうしているんだ……。
とか思いながら頭をかいていると、
幼稚園ぐらいの子が手を差し伸べてきた。
「大丈夫?」
「あっ、うん!大丈夫!」
心配させちゃってごめん!
その手をとり、ゆっくりと立ち上がる。
「ありがとう!君!」
ニッっと笑顔で言う。
すると少年はぱあっと笑顔になった。
「どういたしまして!あのさ!みんなであっちの公園で遊ぶんだけど、お姉ちゃんも遊ばない?」
うーん、どうしよう。
個人的には美味しいもの食べに行きたいんだけど…。
あーでもなあっ…!
まっ、この子可愛いしいっか!
「いいよ!」
私は言った。
「お姉ちゃん、名前なんていうの?」
そう聞かれ、焦った。
だって名前がないから。
だから、私は人間に偽るように自分の名前を自分でつけた。
「私は消花!別世界からやってきた生き物です!」
そう。私は人間型の不死鳥という別世界の生き物。
まあ、悪く言えば化け物である。
けど、そうやって言ったら怖がっちゃうかな…。
って、それは絶対ダメ!!
「っていう設定!」
私はごまかした。
「へえ~!その設定の別世界ってどんな世界なの?」
「えー、、、、宇宙の仕事を永遠にさせられる職場みたいな?」
「お姉ちゃん大変だね。」
「へへへっ。あ!あなたのお名前は?」
「僕は、東雲 優斗!よろしくねっ!」
「よろしく!」
私は東雲くんに手を引っ張られ、一緒に公園へ向かう。
「ちょっ!」
足はやっ!
私そんな動けないよ!?
コケる!コケる!
「はあっ、はあっ、はあっ。」
ついた時にはもうぜえぜえだった。
息が、ぜんぜんっ、整わない。はあっ。
「お姉ちゃん、大丈夫?」
「うん!へーきへーき。」
うっ。
日頃仕事し過ぎてるから運動不足なのかな。
「じゃあ、鬼ごしよ!!消花お姉ちゃんが捕まるまでずっと追いかけるから!!」
「ええ~!!そんなの私すぐつかまっちゃうよ!?」
この出会いが、私の人生を変えるなんて
あの時の自分は思いもしなかった。