不定期に1話完結作ってます。
恋愛・ミステリー・感動を主体に作ってます。
最初の方に登録してある小説は初期のものなのであまり面白さは少ないですが、
PIANOの小説シリーズの中で一番おすすめのシリーズです。
是非読んで感想ください!
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目次
チョコレートの気持ち
全く売れない奥のチョコレートの気持ちを描いてみました!チョコレートにしたのは私の一番好きなおかしだからですねw(個人の感想)チョコレートは最高です☆
僕はチョコレート。コンビニで売られてるんだ。でも…いっちばん奥にあるし誰も買ってくれなさそう。今は冬。暖房がきいてるはずなのに寒いなぁ…前にしか仲間がいないからかな…。そのとき。「ねえ、ねえ!」声がした。…僕に言ってる?「あの…僕に言ってるの?」「そうに決まってるじゃん。前のヤツ全然しゃべんないから一緒にお話ししよ!」随分と元気な子だなぁー。「うん、いいよ」何もしていないよりましだから一緒に喋ることにした。でも、喋っているうちに2人とも眠ってしまったのだ…。「ん、んん…?」突然目が覚めた。あれ…前のチョコレートの子が…いない!いなくなってる!
買われちゃったのかな…。絶対そうだ…って!あの子が買われたってことは、最後が僕だから次!買ってもらえるはずだ!「ねえ、お母さん、これ買ってー!チョコレートおいしそう!」子供の声がした。「えー、チョコレートおうちにもあるよ?」子供!頑張れ!「でも、このチョコレートがいいの!買ってくれなきゃ私不良になるぅ!」買ってもらえるかも!だけど不良は言いすぎだなぁw「はいはい、分かったわ。じゃあ、コンビニ出たら食べようか。」「うんっ!」その子が僕を手に取った。そして…買ってくれたんだ。この時が、僕のチョコレート人生の一番うれしい時なんだと思った。
つまらない話ですみませんでしたっ
愛利とランドセル
小6の愛利とランドセルの物語です
私の名前は川崎愛利(かわさきあいり)。小学6年生で今日は…卒業式なんだ。うちの学校の校長先生話長いんだよな…だるいw卒業式は着々と進められて、ついに終わった。そして下校。お父さんとお母さんは仕事でもう別れちゃう。1人で帰っていると… ごとごと。ランドセルが揺れて音を立てている。「何っ⁉」怖くて急いで家に帰った。家に帰ってランドセルを置くと…。「…私はランドセルの妖精、ランドル。君と中学生になるまで一緒に過ごしたくて…そしたら、君と同じ言葉をしゃべれるようになったんだ!ところで、名前は?」「ランドル…?」悪いやつじゃないのかな。「わ、私の名前は川崎愛利…。ランドル、私と過ごしたいって本当?」「本当に決まってるじゃん!この春休み、1人の時は一緒におしゃべりしよう?」「嬉しい…!ありがとう…!」正直言って私には友達が少なくて、春休みはどうしようかとすごく悩んでいたところだったんだ。そして私はこのランドルと一緒に過ごすようになった。それから私とランドルは一緒におしゃべりをしていた。思っていたよりも流行とかを知っているし、好きな本も同じ。嬉しかった。
でもある日。お母さんにこう言われた。「愛利、よく綺麗にランドセルを使ってたわよね。突然なんだけど…このランドセル、他の国の支援のために送ってもいいかしら?」「支援って…あのランドセルを机代わりにして使うみたいなやつ?」「そうそう、で、大丈夫かしら?」「ん-…ちょっと考える。今日までに返事するね!」私はリビングを後にした。「ランドルっ!お母さんがね…」言われたことをすべて話した。「そっかぁ…でも、私がまた誰かの役に立てるなら!私はいいよ?愛利は?」「私は…悲しいけど、ランドルがそれでいいなら、それでもいいよ…?」私は支援をすることをお母さんに言った。悲しかったけど…誰かのために…!
ついにお別れの日。「ランドル、じゃあね。」「私は、楽しかったよ…愛利といることができて…!じゃあ、バイバイ!」「バイバイ!」それ以上話しかけても、ランドルは答えてくれなかった。魔法のようなこの現象は、終わってしまったんだな…。そう思った。別れることも大切なんだ。そう思い込んだ。
私は大人になった。でも、これだけは忘れない。ランドルのこと、大好き。絶対に、忘れない!
感動してくれた人…いるのかな…?
折り紙
道徳みたいなお話ですw
私は星軒雫(ほしのきしずく)。仲良しの真美(まみ・まーちゃん)・夏(なつ・なっちゃん)・実織(みおり)と女子サッカー部に入っている小学6年生!今までは4人ともサッカーをやっていたんだけど…実織が急に足のけがをして入院しないといけなくなった。実織のお見舞いに行くだけじゃ私は何か足りないと思っていた。
ある日。3人でサッカー部から帰っていると、真美が急にこんなことを言い出した。「ねえ、実織って入院してるじゃん?思ったんだけどさ、みんなで折り紙を折って届けに行きたいなって…。」私が思っていたことは…それだ!「私もそれ思ってた!でも私たち折り紙下手だからなー、何が作れると思う?」「うちは…四つ葉のクローバーなら作れるけど?2人は?」「「作れる!」」「じゃあ、うちら3人で千羽鶴ならぬ百四つ葉を作って次のお見舞いにもっていかない?」「なっちゃん、ナイスアイデア!」「じゃあ、明後日までに1人につき33個の四つ葉、作ってこよう!明後日ちょうどお見舞いの日だし。」「んじゃあ、うちが34個四つ葉作ってくる!」「あ、もう分かれ道だね、バイバーイ。」「「バイバイ、雫!」」その日はクローバーを18個作った。疲れたし…残りは明日でいいや。
次の日。朝から私たちは話していた。「雫ー、折り紙何個作った?」「18個作ったよ!そう言ってるまーちゃんとか、なっちゃんは?」「私は20個かな」「うちは雫と同じで18個!」「よかった、私だけ作れてないとかじゃなくて。じゃあ、今日の放課後も頑張ろうね!」「「うん!」」でもその日、私はサッカーで疲れて折り紙を作らずに寝ちゃったんだ。
折り紙を持っていく当日。「やばいやばいやばいやばいっ!折り紙作り忘れてた!」今日は休んじゃおうかな…でも、ちゃんと謝った方がいいのかな…。そう悩んだ末、私は学校に行くことにした。「ごめん!まーちゃん、なっちゃん!私、昨日疲れてて折り紙作るの忘れてたの!」2人は驚いた顔をした後、顔を見合わせた。「雫、いいよ。私たちが今日手伝ってあげる!」「えっ…⁉」許してくれないと思っていた。「そうだよ!33-18=15…15羽だよね?休み時間に作れば間に合うかも!今から作るよ!」まーちゃんの合図で折り紙作りは始まった。そして…放課後までに作り終えたのだ!
病院に着いた。病室のドアを開けると実織がベットに横たわっていた。「実織、調子は?」「全然大丈夫だよ。お医者さんにもあと2週間で退院していいよって言われたし。」「よかった…。で、今日はうちら、渡すものがあるんだよね!」「えっ?何?」「「はいっ!」」私とまーちゃんの2人で実織に折り紙を渡す。「えっ…私のために四つ葉を折ってくれたの?…嬉しい…ありがとう!」「どういたしまして!早く元気になって、サッカー部戻っておいでよ!」「はいはい(笑)」
私たちは無事にプレゼントを渡せた。優しい友達がいて…本当に良かった!
ほっこりするお話でした☆結構自信作かも 感想あったらお願いします!
最後の葉が散る時
葉っぱの妖精が主人公の切ない物語です
私は葉っぱの妖精のヒラリ。
もうすぐで私の生まれた木の葉が散ってしまう…。
葉っぱの妖精は自分の生まれた木の葉っぱが散る時に命を落としてしまう。
だから…寿命は1年もない。
木を眺めていると反対側にも妖精がいることに気づいた。
私が驚いていると、反対側の妖精が話しかけてきた。
「君は誰?この木の妖精だよね、服がおんなじ色してるよ。」
「あなたは…誰?」
「僕はマウハだよ!君の名前は?」
「私もこの木の妖精のヒラリ。もうすぐ死んじゃうからマウハもこの木に…?」
当然だけど…とりあえず聞いてみた。
「うん。僕も今日が命日。…もう、残りの葉っぱが20枚になっちゃったね。」
「えっ?」
驚いて木を見てみると…確かにもう、葉っぱの数は数えられるくらいになっている。
「ねえ、マウハ…提案なんだけどさ…。私たち、この木の葉が散るまで、一緒にいない?」
「当然いいに決まってるよ。どうせなら、恋人みたいなことがしたいな。…僕は…ヒラリのこと好きだから。」
こんなにマウハと喋れているのは何でだろう。
本々私は他の妖精と喋るのは苦手で…。
なのに、マウハとは緊張もしないし、むしろ普通に喋れる。
私もマウハと一緒にいたいって思う。
「私も…マウハのこと…好き。私、他の妖精と一緒にいるの苦手だけど…マウハとは一緒にいたいって思えるんだ。」
一緒に過ごしているうちに、残りの葉っぱは2枚へと減っていた。
「ついに葉っぱが二枚に…なっちゃったね。」
ひらひら~…ともう一枚散り、残り一枚に。
「僕、この人生幸せだったよ。ありがとう、ヒラリ。」
「私こそ!マウハ、ありがとう。来世でも会えるといいね。じゃあ、またね。」
そういう言葉を口に出したのは、もう自分の命が終わるということを察知しているからだと思う。
笑顔でマウハに微笑みかけると…最後の一枚も、散ってしまった…。
私の人生の最後のひと時は、とっても楽しかったよ。
読んでいただきありがとうございました!
死んだらまた会えるよね?
怖い話ではなく、感動する系の物語です!(題名が怖いだけ)
どごぉぉぉぉぉん…
私と友達の乗っていた高速バスは衝突事故にあった。
「誰か…助け、て…誰でも、いいから…」
バスに乗っていた乗客と運転手はみんな、死にかけになっていた。
衝突で火事が起き、多分みんなが煙を吸っていた。
神に願うしかない…
そう思っていると、煙の中から黒い服を着た男性が現れた。
長い前髪で片方の目は隠れていて、ちょっとかっこいい感じの男性…
耳には赤と銀のピアスをはめている。
その人は他の人々の周りに行って大丈夫ですか、と声をかけて回っている。
そして、私の所にも来た。
「大丈夫ですか?」
「大丈夫じゃ、ない、です…。早く、助けて、ください…」
「返事ができるならまだ大丈夫だ。君ならまだ生きれる。頑張れ。」
返事ができる…私の状況は他の人よりかは大丈夫な方だったの…?
私は気を失った…。
事故ではほとんどの人が亡くなってしまい、友達も死んでしまった。
「死なないでよ…胸が、痛くなっちゃうじゃん…」
私は気を失ったものの助かったらしく、今を生きている。
あの男性…今考えてみると正体に予想がつく。
黒い服を着ていて赤と銀のピアス…。
ピアスは鎌の色…だとすると…
私はあれから健康に過ごし、今は孫に囲まれて楽しく暮らしている。
「おばあちゃん、リボン結びのやり方教えて!」
「いいよ。まずここを結んで…、うっ…」
急に体が重くなって…とってもきつくなった。
口から何か出ていて手で押さえてみると、それは…血だった。
「お、お母さん!おばあちゃんの口から、血が!」
布団に寝転がり、上を見ている…。
「私、もうすぐ死ぬかも…」
「おばあちゃん…」
「お母さん、しっかりして!死なないで…!」
「ごめんね、またいつか。」
自分の死を感じる。
涙が出てきて、視界がぼやけていく。
目を閉じようとすると、視界の隅に、あの男性が見えた。
「この前の…!」
声は誰にも聞こえてないらしく。
「この前の君だね?あの時はよく生きのびたね!でも…もう君は寿命だ。迎えに来たよ。」
「やっぱりあなたは…死神だったのね…!」
魂がすぅ…っと身体から抜けていくような気がする。
私は彼に最後、微笑んだ。
死神って本当にいるんでしょうか?
王女と戦争
{キャラ説明}
名前:シュガー・ビター(プリンセス)
年齢:14歳
優しくて困っている人を放っておけないタイプの女の子です!
この国の中で私の名前を知らない人はいない。
なぜなら、私はお菓子の国:スイート王国のプリンセスだから。
建物はもちろん、全部お菓子を使っている。
今まではお父様やお母様、執事のバニラと楽しく暮らしていた。
「バニラ、一緒にお勉強しましょう!」
「承知いたしました。どこのお勉強をなさるのですか?」
みたいにバニラと勉強したり、
「お父様、お母様、寝る前のぎゅーをして!」
「分かったわ。お父様も、してくれますよね?」
「もちろんだ。可愛い娘だからな。」
お父様やお母様と一緒に過ごしたり。
こんな幸せな暮らしが続くと思っていた。
でも…今のこの国には、そんな暮らしなんて前からなかったかのような
張り詰めた空気が流れていた。
それは、スイート王国は隣のクリスタル王国と戦いをしていたから。
クリスタル王国は宝石系のことが盛んで武器も
ダイヤモンドやルビーなどを使った強い武器ばかりだった。
でもそれに対してスイート王国は、クリスタル王国と比べると
すぐに潰れてしまうくらいのお菓子の家だったし、強度の弱い武器ばかりだった。
一番強いのが飴の爆弾。
もちろんそんな戦いに勝てることはなく…
王国にある村や町は全部焼け野原となってしまった。
何より私が悲しかったのは…
お母さまが死んでしまったということだった。
「まさか、お母様が死んでしまうとは思わなかったわ…。」
その後スイート王国は負けを認め、戦争は終わった。
ある日の夜、城にある花園の所にある椅子にバニラと座っていた。
まだ悲しい気持ちは収まらなくて、どうしようもなく思っていた。
「お母様はもう、帰ってこないの…?」
「もう、帰ってこないかもしれませんが…姫、上を見上げてください。」
夜空は晴れていて、星が輝いていた。
「うわぁ、綺麗…!」
「人は死んだらお星様になることを姫は知っていますか?
姫のお母様も今は空から姫のことを見守っているんだと、私は思います。」
「お母様がお星様になっても、私やお父様とは繋がってるの?」
「そうです。そう考えたら、もう寂しくという気持ちはなくなりませんか?」
「お母様は、ずっと見守ってくれているのね…!」
この時、私の心の空の雲が一気に晴れた気がした。
あれから7年。
私は14歳、バニラは18歳になった。
「おはようございます、姫。今日は何を?」
「おはよう、バニラ。まずは花園に行って水やりを手伝おうと思うの。」
花はお菓子ではなく、普通の綺麗な花。
「朝食の時間までには帰ってきてくださいね。」
「分かってるわ。じゃあ、行ってきます。」
「行ってらっしゃいませ。」
楽しい一日が今日も幕を開ける。
終わらない迷路
この小説の謎が分かりますか?
突然、僕は肌色のクレーンのようなもので掴まれ、迷路に落とされた。
「何…?この迷路…。」
周りはクリーム色の壁しかない。
「とりあえず壁伝いで出口を探してみようかな?」
僕は右側の壁に沿って歩き始めた。
20分後、僕はまだ出口を見つけられないどころか…
最初と同じ場所に帰ってきてしまった。
「何で…?僕、もう疲れたよ…」
重くて黒い殻を背負って動くのは結構大変。
その日はもう動くのをやめて寝て過ごした。
それからも毎日毎日出口を探し続けた。
でも、全く見つからない。
「そろそろお腹もすいてきちゃったな…」
お願い、僕に出口を教えて。
{解説}
主人公は…男の子ですって?
違う違う。
主人公は、ダンゴムシ。
「重くて黒い殻を背負って動くのは結構大変」って書いてあったよ?
…それがヒント。
最初の肌色クレーンっていうのは人間の手。
分かりましたか?
ミステリー小説作るの結構難しいんですよね…w(題材探しが大変!)
謎に終わりはありません。
ミステリー小説の超短編を3つお届けします!
意味が分からなくても謎の少年:謎賀トケル(なぞがとける)が
解説をしてくれます!
1. ここにお医者様はいらっしゃいませんか?
ここは火事の起こったすぐ後の土地。
そこで、一人の女の人が叫んでいた。
「ここに、お医者様はいらっしゃいませんか…?」
よく見てみると女の人は足を少しケガしていた。
女の人は医者がいないと知って諦め、また違う言葉を叫びだした。
「ここに、科学者様はいらっしゃいませんか…?」
{謎賀トケルの解説}
足をケガしているから医者を呼ぶのは分かるよね。
でも、科学者を呼ぶのはおかしい…というのも分かるよね。
この人はつまり、足をケガしていることなんて気にしない…いや、絵の具か血のりで
ケガしてるようにみせて、結婚する相手を呼び掛けていたんだろうね。
2. ロボット
「ついにこの会社にもロボットが導入されるのか…!」
俺はとてもわくわくしていた。
それは、時代として最先端の…ロボットが会社に入ってくるからだ。
「ついにじゃないからな。前にも1回入れて、会社員の何人かはロボットなんだぞ?」
先輩がツッコミを入れてくれる。
「そうだったんですね!僕…まだ入社して1年も経ってないから…
未熟だったみたいですね。」
ああ…喉が渇いたな。
そう思った僕はペットボトルに入ったオイルを飲む。
{謎賀トケルの解説}
普通に読むと、入社して1年も経たない若手社員がロボットが前にも導入されたことを
知る…と読めるよね。
でも最後の1行を見てほしいな。
ペットボトルに入った水ではなく「オイル」だって?
この社員は自分で自覚していないだけで、ロボットだったようだ。
3. ポテトチップスができた理由?
アメリカのあるホテルで、1人のわがままな客がコック長にこう言った。
「ジャガイモを薄くスライスしろ」と。
それを聞いたコック長はそのとおりにジャガイモを調理して、客に出した。
「なんだと?このジャガイモ…」
{謎賀トケルの解説}
ポテトチップスができた時のエピソードみたいだね。
でも、そのジャガイモって美味しかったのかな?
だって…そのジャガイモはスライスされただけで揚げられてないもの。
まあ、客の自業自得なんだけどね?
(そのジャガイモを揚げたら本当にあった話になるよ)
楽しんでもらえましたか?
こんなテーマでミステリー小説を作ってほしいなっていうのがあったら
是非教えてください!
雪が降る日は貴方を思い出す。
私の住んでいる地域にはそんなに雪が降りません!(少しなら降る)が、
冬終盤で冬の小説を書いていきます!
雪が降る日は、貴方を思い出す。
雪が降る日は、悲しくなる。
雪が降る日は、アナタの写真を見ながら静かに泣く。
雪の降るある日、俺は彼女の貴方とデートの約束をしていた。
「遅いなぁ…」
そう思っても、結局は今来たばかりだよって言っちゃうんだけどさ。
横断歩道の反対側に、貴方の姿が見えた。
手を大きく振ってくれるから…ちょっと恥ずかしい気持ちになる。
横断歩道を渡る時だった。
キキィィィィッッッッッ…!
肉がひしゃげるような音がした。
「きゃぁぁぁっぁぁぁぁぁっぁぁぁっっっっ!」
そして…悲鳴が聞こえた。
大きな音がして、目を開けると…あなたはいなくなっていた。
というか…血まみれになっていた。
「し…死んでる…⁉」
原因は、雪によるスリップだった。
曲がろうとした車が滑ったらしい。
「わざとじゃないと分かっていても…許せない…。」
それからはひたすら悲しみと悔しさという気持ちに溺れた。
「俺が貴方と一緒に行ったらこんなことには…」
「貴方は何も悪くないのに…」
「貴方とあの日にデートの約束をあの場所でしなかったら…」
泣くことしかできない。
「そんなこと言うのはやめてよ!」
それは…貴方の声…⁉
「私が死んだから何?自分を追い詰めてそんなに大きい収穫でもあるの?
私は雪だよ。雪が降る日は私のことを貴方に思い出させてあげるわ!
とにかく、私がいるいないでそんなことを言うな!」
叱られた…
というか、俺を正気に戻すため叱ってくれたのか…?
俺…ダメだ。
ちゃんとしなきゃ。
そういえば…
貴方の名前は…雪だったな。
雪が降る日は必ず雪のことを思い出すよ。
学生の皆さん、もう少しでその学年も終わりですね!
悔いのないようにしっかりとやっていきましょう!(PIANOも学生です!)
青い春に咲き乱れろ。
恋愛小説!
私の恋は今日咲き乱れるの!
卒業式。私は起きるとすぐに小学校の頃の卒業アルバムを見る。
「私は今日、千春くんに気持ちを伝えるんだ。」
千春くんは小学校の時から少し仲の良かった男の子。
フルネームは笹藤千春(ささふじ ちはる)くん。
って、好きな人の名前を先に紹介しちゃった…
私の名前は晴日那奈(はるひ なな)で、中学3年生。
千春くんとは少し前まで一緒にテニス部をやっていたんだよ。
「那奈姉、引っ越しの準備は大丈夫そう?彩葉はもう準備終わってるよ?」
私には妹がいて、名前は晴日彩葉(はるひ いろは)。
まだ小学5年生なのに私のことすぐ馬鹿にしてくるし、正直言って苦手なタイプ。
「もう準備終わらせないといけないのかぁ。」
そう言って私は卒業アルバムを段ボールの中にしまった。
何で今日告白しなきゃいけないのかって?
それは高校が違うから。お父さんの転勤とかじゃなくて、高校が違うから。
寮生活をすることになったんだよね。
家族と離れて暮らすのは嬉しくて悲しい…複雑だ。
そのままさっさとご飯を食べ終え、中学校へ向かう。
「今日でこの町も見納めなのかな…」
「そんな悲しいこと言ってどうしたの?」
振り向いたら千春くんがいた!
「お、おはよう、千春くん!」
まさか、千春くんとこんなところで会うなんて!
「悲しいこと?千春くん空耳でも聞いたの?」
「え、那奈が言ったんじゃなくて?口動いてたけど?」
「笑わないでよ、私も笑っちゃうじゃん。いずれ分かるから!」
「そっか、じゃあ今は待って置くよ。いつか話して。」
「あ、せっかく会ったんだし今日は一緒に登校しよう?」
「いいよ。最後の登校日だしね!」
私は彼のそういう優しいところに惹かれたんだよ。
卒業式も終わって、教室ではみんな最後だからってすごく喋ってる。
私も親友の和歌(わか)ちゃん、湖子(ここ)ちゃんと喋ってるよ。
「校長先生の話は相変わらず長かったね。寝そうだった。」
「分かる!あたしはあの怖い先生が泣いてたのがツボったわw」
「それも面白かったな。でも、そんな話じゃなくて今大切なのは…
那奈の話じゃないの?」
「話すことって何?引っ越しのこと?」
「はあ…鈍感だ。恋愛のことだよ、恋愛!」
「私もそれ聞こうと思ってた!那奈、今日笹藤くんに告白しないの?」
「なんで知ってるの⁉私そんな話今まで一度もしたことなかったのに!」
「えぇ~?知ってるよ?彩葉(いろは)ちゃんが教えてくれたの!」
彩葉は私の妹だ。
彩葉め…また余計なお世話してくれたな…!
「はぁ…また彩葉か。…私は!今日告白するに決まってるじゃん!」
「「おぉ!」」
「恥ずかしいって…」
「頑張ってね!」
「那奈だったら成功させられる。信じてる。」
「だから、恥ずかしいってば~!!!」
ピンポーン♬
「あの、千春くんっていますか?」
「ちょっと待っててね。千春!友達が来てるわ!」
ガチャッ
「那奈?どうしたの?」
「あのさ…ちょっと、来てほしいんだ。大事な話だから。」
3月とはいえ、夕方の公園は少し暗かった。
「大事な話って?朝のやつ?」
「そう。」
大きく息を吸って…
「私、千春くんのこと、好きです!」
告白した。
「えっ…あ、ありがとう。…ごめんなさい。」
「駄目、か…。」
私の初恋は終わったんだ。
それも、失敗に。もうこんな告白できないのに。
「何で…断ったの?」
そういうと、千春くんは急に自分の頬を叩いた。
「やっぱり、夢じゃないんだよね。…僕は断ってなんかないよ。」
「えっ?」
急に千春くんが近寄ってきて、耳元で囁いた。
「僕も、那奈のこと、大好き。世界一大好き。」
「どういうこと…?私、断られてないの?失敗じゃないの?」
「相変わらず鈍感。好きだって言ってるの。
僕の方から言いたかったんだって言ってるのに。」
やっと分かった、千春くんの気持ちが。
「じゃあ僕と、付き合ってください。」
引っ越さなきゃいけないのに。
でも、せっかく付き合えるかもしれないのに。
どうしたらいいんだろう。
「いいよ。でも、1つだけ聞いてほしいことがあるんだ。」
それから私は引っ越すことについてすべてを話した。
「そっか。じゃあ、スマホで連絡先交換しておかない?」
「そうだね。そうしないと会ったりするのが難しそうだし。」
これでしばらく会えなくなるのかな。
公園に咲く桜は咲き乱れていて、花びらは私たちを祝うように舞っていた。
そして新しい春。
「○○高校の入学、おめでとうございます。
では、クラス表を見てそれぞれのクラスへ行きましょう。」
名簿を確認する。
「えっ…⁉」
2組
・
・
・
笹藤 千春
・
・
晴日 那奈
「やっほぉ、那奈。」
「千春くん…⁉ちょっと…そういうドッキリやめてよ!w」
「驚いたでしょ?まあ、僕は引っ越しの話を聞いた時に高校の名前が出てきたから
すぐに分かったけど。まさかおんなじ高校を受験するとはね。」
「早く言ってよぉ!」
こういうところも、千春くんのいいところだよ。
やっぱり私たちを応援するように桜は咲き乱れ、舞っていた。
2135文字!
私が保育園で働こうと思った理由
新シリーズ始動します!(「異能☆保育園」シリーズ)
私が保育園で働くことを決めたのは、8歳の頃だった。
家は両親と姉・弟・私の5人家族で、
姉の楓(かえで)は当時12歳、弟の柊(しゅう)は当時5歳だった。
そして私は桜(さくら)。さっきも言った通り当時は8歳だった。
みんなで仲良く、平和に暮らしていたのに…
でもその年、突然地震が起こった。
父を失った。
それ以外の4人は助かったが…
母は希望を失ったのか、私たち兄弟を捨てて、自分の夫を追いかけて自殺した。
「全く…みっともない親だよ。まだ5歳の柊を置いて私たちに任せるって…
桜、こんなの酷すぎると思わない?」
「本当、その通りだと思う。というか…これから住む家も無くなってどうするなの?
楓姉さん。私、お腹空いてきちゃったよ…」
そんなことを言わなきゃならないくらい、自分もみっともなかった。
「さあ、どうしましょう。どこか孤児院でも探すか…役所に相談するか…」
その時だった。
「君たち、親は?」
振り返ってみるとそこには…警察、ではなくエプロンを着た女性が立っていた。
とても優しそうな外見をしている。
姉は今だ、と思ったのか、必死に話し出した。
「私たち兄弟、地震で両親を失ったんです!あなたのその服…幼稚園か何かの
先生でもやっているんですか⁉もし空きがありましたら、私たちを入れてください!
お願いします!」
姉の長い話にびっくりしたのか、少し理解してから女性は言った。
「私は、孤児院で働いているの。まだうちは入れるから、3人とも入っていいわ。
私たちは必ずみんなを救うよ。」
「「あ、ありがとうございます!」」
私と姉は声を揃えて言った。
それから居たあの孤児院は、まるで楽園のようだった。
あの記憶も忘れられるくらいに。
そして、今はなくなってしまった孤児院ではなく、保育園で働くことを決めた。
「着いた…こんなところに孤児院があったなんて、いつも通ってる道だけど
分からなかった…!緑に囲まれていて素敵だわ。」
ピンポーン 孤児院のインターホンを鳴らす。
「新しくここで勤務することになっている、若宮桜です。」
「あぁ、新任さんですね!門開けに行くから少し待っててくださいね!」
私と同じくらいの年の女の子が門を開けに来た。
「こんにちは!私も今年からこの孤児院に来た、桐谷りんって言います!
若宮桜さん…ですよね?これからよろしくお願いします!」
桐谷りんさんは、ストレートな髪をポニーテールでまとめている、清楚な
女の子だった。とても優しそうで、何より美人だった。
「初対面で言うのもなんですけど、りんちゃんって呼んでもいいですか?」
「全然いいですよ!というか、私たちこの丁寧語やめません?
…だから、私もこれから桜さんのこと桜ちゃんってこれから呼ぶね!」
「よろしくね、りんちゃん!」
「ってことで、私たち2人で担当するクラスの子を見てくれる?」
どんな子がいるんだろうか。
ガラガラガラ…
教室の扉を開けると、そこには思いもしなかった世界が広がっていた。
かわいい子供たちが30人近くもいる…!
残酷な自分の過去から長い時間が経って。
幸せな生活が今、もう一度スタートする。
最近新しいシリーズ作ろうか迷ってます
謎の終わりは全てが終わる時。
前回に引き続き、謎賀トケルの解説付きの
超短編ミステリーです!
今回は2、3話が夏仕様のお話となっております!
前回のミステリーはこちら ⇩
https://www.tanpen.net/novel/1397ee7b-c120-49af-bbcb-5ee25c3d2060/
1. 屋根裏部屋から見ている
俺は屋根裏部屋からある夫婦の喧嘩を見ていた。
妻は料理中で、包丁とまな板が出たままだった。
「ねえ、あなた最近帰るのが少し遅いんじゃないのかしら?
そして町では最近連続殺人事件が起こってるじゃない?
あなたが犯人なんじゃないの?」
妻は包丁を手に構える。
「えっ!全然そんなことしてないって!というか、包丁を持っている君が
犯人とか全然あり得るんじゃないか⁉」
「ふーん、今まで愛していたのに私の心の中には疑いしかないみたい。」
そう妻が言った瞬間、2人ともが56された。
{謎賀トケルの解説}
語り手は天井からすべてを見ていたみたいだね。
でもそれっておかしいよね。だって”屋根裏部屋”から見てるんだよ?
家に侵入しようと考える語り手、そして56されてしまう夫婦…
つまり、語り手は連続殺人事件の犯人だったってことなんだ!
2. 季節らしい
「あつー」
当たり前だが、夏という季節のせいか夜でも暑い。
でもそれがいいし、アイスが美味しく感じられるよね!
視界がぐわんぐわんして熱中症かと思ったけど…ってあれ?
文字が、書けなくなってぃ、ぐ…?
{謎賀トケルの解説}
語り手は夏の良さを自分の日記にまとめているみたいだね。
夏は暑いからいいってことを中心にしてるけど…
夜で気温が少し下がったからってエアコンの電源を切ったみたいだ。
でも、部屋の中で熱中症になって倒れたのかもね。
みんなも熱中症には気を付けることだ。
3. いじめ
せっかくの夏休みなのに…私は今、クラスメイトと海に来ている。
何でそんなにブルーなのか?そりゃ理由はある。
いじめられる対象として海に連れてこられたからだ。ちっとも楽しくない。
しかも私は泳ぐのが大の苦手だ。
浜辺でみんなを見ていると、急にいじめの主犯格に海に落とされた。
上がらなきゃ、上がらなきゃ、と必死に泳いでいるといつの間にかそこに着いていた。
耳に水が入ってるせいで、あいつらの馬鹿にする声がクリアに聞こえない。
そう思いながら、ただ砂の上に立っていた。
最後に見えたのは、あいつらの驚きの顔だった。
{謎賀トケルの解説}
いじめられている女の子が海に落とされたけれど、戻って来れてよかった…
とでも思ってしまったかな。
残念ながら、そんな話からはかけ離れているよ。
”そこに着いていた”っていうのは、砂浜じゃなくて…海の底のことだったんだ。
海の海底っていうのは砂で覆いつくされているでしょ?
人が溺れているのを見たら誰だって慌てるはずだ。
この事件が起こった後、いじめの主犯格グループはどうなっちゃうんだろうね。
アドバイスあったら是非お願いします!
父の手料理
ほんわかほっこりな感じの話。
これは私が小学6年生の頃の話。
お母さんが風邪をひいて、夜ごはんはお父さんが作ることになった。
「お父さんって料理作れたっけ?」
2つ年の下の妹が言う。
「奈緒と麻央よりは料理作れるぞ?w」
心配だ。不器用なお父さんが普通に料理を作れるのか…
「奈緒、麻央。今日の夜ごはんはお母さんに合わせてお粥でいいか?」
お粥か…大丈夫かなwやっぱり心配でしかない。
「うん。」
まだやっていなかった宿題をするために自分の部屋に行く。
気が付くと、うたた寝していたのか夜の7時になっていた。
「宿題終わってない!」
私が一人であたふたしていると、お父さんの声が聞こえた。
「おーい、奈緒、ご飯出来たぞー」
お粥…出来たんだ。
リビングに行くと、家族4人の席の前にお粥が入った器が置かれていた。
見た目は、まあ…全然大丈夫か。
お母さんはもう少し休んでから食べるって言っていた。
「「「いただきます」」」
お粥を口に入れる。
温度はちょうどいいんだけど…味…ちょっと薄い?
味付けが気になってお父さんに聞いた。
「お父さん、これって味付けに何使った?」
「鶏がらスープの素だよ。嫌いだったか?」
「違うの。ちょっと…味薄くないかな?」
「ごめんな、お父さんは料理がそこまで得意でもないからな…」
「あ、奈緒姉がお父さん泣かせてるー」
「そ、そんなんじゃないよ!」
私は今、大学生で一人暮らしをしているから
誰かが料理を作ってくれるわけでもない。
…結果的にはお父さんを泣かせたみたいになってしまったけれど。
お父さんのお粥のあの味は忘れられない。
風邪を引いた時は、あの味を思い出すんだ。
少し前に風邪ひいたからそれっぽいの作ってみた。
遥か先でまた。
主人公(女):宮野鈴香(みやの すずか)
幼馴染(男):相田永遠(あいだ とわ)
病室での出来事。
「これはもう…回復は難しいかもしれませんね。今日が命日かもしれません。」
「嘘…!」
私の幼馴染の永遠くんは1年前に病気にかかって、今日が命日だという。
お医者さんが病室を去ってから、数十分経って。
私と永遠くんの両親も病室から出て、親だけで話をすることになった。
二人きりの病室。
「鈴香ちゃん。僕さ、死んじゃうんだってね。」
「そんなの、嫌だよ。生きてよ。」
「僕も寿命を感じてるんだ。さっきから息が少し苦しい気がするしね。」
「それは病気の症状じゃないの?」
「あはは、そうかもね。でもいつもより苦しい気がするんだ。
死ぬって分かって自分でも怖くなってるのかな。」
やっぱり…永遠くんも怖いんだ。
「じゃあ私が永遠くんに少しでも嬉しい気持ちになってもらうために、言うね。」
「何を?」
ガチャ
「鈴香、病室にいるの?夕方にまたお見舞い行こうか。」
「は、はーい!」
「何を言おうとしたのかすっごく気になるなぁw」
「気にしないで!また夕方来るからその時に!じゃあね!」
私は永遠くんのことが好きだった。
でも、言い出せる勇気は…
夕方。
「はぁ、はぁ…」
病室に入ると、苦しそうな息が聞こえた。
「永遠!大丈夫なの⁉生きて、生きてよ…」
永遠くんのお母さんの|日葵《ひまり》さんが必死に手を握って泣いていた。
「もしかして、永遠くんは本当に死んじゃうんですか…?」
日葵さんが黙って頷いた。
「お医者さんから電話がかかってきて、病室に来たと思えば…
苦しそうな永遠が…」
「日葵さん…辛いとは思うけど一回外に出てもらってもいいですか?
永遠くんに伝えたいことがあるから。」
「大事な事なら…いいわ」
「ありがとうございます。」
そうして日葵さんが部屋を出て、また私たち2人になった。
「話って、昼前の続き、だよ、ね…」
「うん。そうだよ。苦しいなら黙って聞いてるだけでもいいからさ。」
永遠くんが黙って頷いた。
「私、実は小さい時からずっと、永遠くんのことが、好きだったんだ。
永遠くんが死んじゃっても私はずっと永遠くんのことを忘れはしないし、
他の男の子と笑顔になったりもしないから。それくらい、永遠くんが好きだよ。」
そういった瞬間、永遠くんが泣きだした。
「本当に、言ってるの…?
実は僕も鈴香ちゃんのことが、好きだったんだ。
遥か先の話だとしても…いつかまた、出会って、付き合うなんて…ダメかな?」
まさか両想いだったなんて。
「絶対だよ!私と絶対付き合ってね!」
やだ、私も涙が出ちゃった。
「日葵さん!もう入ってきて…大丈夫ですよ!」
「え、2人ともどうしたの⁉なんで泣いているのかしら⁉」
日葵さんは凄く戸惑っていたけれど、仕方ないよね。
そしてその日の夜。
永遠くんは、この世を去った。
ここは病院の一室。
今日は私の子供が生まれる予定の日で、男の子なんだって。
結婚していた男とは気が合わなくて喧嘩ばかりしてたことで離婚した。
元々私は子供を産むための結婚だと思い、離婚する予定だったけれどね。
私の幼馴染が亡くなってから、今日で20年。
「永遠くん…君の病気が治っていたら私たち、付き合ってたのかな。」
その時、急にお腹に激しい痛みが走った。
子供が生まれた。その子供の顔を見た瞬間。
「っ!」
思わず泣いてしまった。
「大丈夫ですか⁉痛みが残ってますか⁉」
看護師さんに心配された。
「いいえ、違うんです…大丈夫です…」
なんで私が泣いてしまったのか、それは。
生まれた男の子の顔に、永遠くんの面影を感じたから。
前に結婚してた男のDNAが少しでも入っていることは気持ち悪い。
でも、そんなことは今はどうでもよかった。
「決めた。君の名前は、|遥《はるか》だよ!」
遥か先で出来るこの子の大切な人と出会えますように。
遥か先で生まれ変わった永遠くんに出会えますように。
そんな思いを込めて。
鈴香と永遠みたいに離れ離れになってしまった人たちが、
遥か先の未来で出会えますように。
ランプの魔人と1つの願い
PIANOの手の霜焼けがひどくなってきました
気が付くと俺は、知らない砂浜にいた。
「あれ、俺何してたんだっけな…」
確か…船から身を投げて自殺しようとしたんだったっけ。
服や肌にはたくさんの砂がついていた。
その砂を手で払う。
辺りを見回すと森が広がっていた。
木に留まる小鳥の鳴き声…
あ、風に吹かれてさわさわと音を立てる葉の擦れる音もする。
でも、俺にはそんなに島の発展を目指すゲームのような余裕なんてない。
「とにかく、イカダか何かを作ってこのよく分からない無人島?から逃げないと。
俺はイカダ作りのための木や布を探すことにした。
---
森に入って物探しをしていると、銅色をした奇妙なランプを見つけた。
まるでランプの魔人が出てくるあの話の…あれ、誰だったっけな。
藁にも縋るような気持ちで、何か起きろと思いながら見つけた布でランプを擦る。
すると…
『お呼びでしょうか』
「う、うわっ…⁉」
ランプの中からピンクの肌をしたスライムのような魔人が出てきた!
まさか、本物の魔人が出てくるなんて!
『私はランプの魔人です。
あなたの願いを何でも1つ叶えて差し上げましょう』
「な、何でもだな?」
『はい。何でもです。さぁ、願いをどうぞ。』
必死に考える。
えっと、ここから出るには船かイカダがいる。
でも食料もいる。
あ、まてよ、船には燃料はついていないかもしれない。
とにかく、脱出するもの。脱出するもの…
「この島から出られるならなんでもいいので、脱出するためのものを出して!」
『あなたの願いはそれでいいのですね?』
脱出しようとすればロケットでも浮き輪でもなんでもいい…
「はい!」
『脱出するためのもの、脱出するためのもの、脱出するためのもの…
…これでどうでしょうか、私なりの考え方です。では!」
魔人は消えてしまった。
そこに残っていたのは船、ロケットなんかじゃなくて…
”|毒薬《ポイズン》”と書かれた水入りの瓶。
「なんで、なんで…⁉」
ん…?
意味が分かった。
俺がなんでもいいから脱出できればいいって言ったから…?
死んで幽霊になってこの島から出ろってことか…?
意味を知って絶望した。
そういえば、俺が船から海に飛び込んだのは自殺するためだった。
自業自得。
なんならここで自殺を果たせるとするなら…!
「この世界なんて、さよならだ!」
俺は一気に瓶の中の水を飲みほした。
意識が、遠のい、て、いく…
---
自殺する人間を見下ろしながら、ランプの魔人は言った。
『あぁ…今の人も頭が固かったんですね。
願いを増やせ、と言ってしまえば…願いは増えたというのに。』
|1つ《無限》の願いという言葉の真実が分からない人間たち。
『どうしてこう…人の頭って言うのは間抜けなんでしょうか。』
ランプの魔人にはまだ、人間の思考は分からない。
1221文字でした!
Restart
ミステリー要素強め
タイトルの意味は最後に分かります
水族館デートの日。
今日、俺は片思いしている|依《より》ちゃんに告白する。
緊張するかな…成功するかな…
ドキドキしながら水族館に行くと、依ちゃんは先に着いていた。
うわ、待たせちゃったかな。
「依ちゃんごめん!待たせちゃったかな…?」
「大丈夫だよ!私が早く来ちゃっただけだし…」
「じゃあ、行こうか。」
「うん!」
俺は依ちゃんを全力でエスコートした。
イルカショーでは彼女の座りたい席を優先させてあげたし、
見たい生き物がいた時に、率先して地図を見て案内してあげた。
これは絶対に成功する…!
少しずつ自信が出てきた。
少し空が赤く染まって来た頃。
ついに告白の時が来た。
「あのさ、依ちゃん。
俺…君のことが好きだ。」
突然の告白で、依ちゃんは顔を真っ赤にして驚いている。
「えっ…」
「付き合ってください。」
数秒沈黙を置いた後。
「ごめんなさい。あなたと付き合うことは出来ません。」
「え、なんで…⁉」
「私は今日のデートで、
あなたがあまりにも自分の意思を言わなくてイライラした。
無理やりなエスコートとか要らないの。
私が弱い女と思われている気がして…
だから、私はあなたと付き合う気にはなれない。
さよなら。」
依ちゃんは俺の反応も見ずに帰ってしまった。
自分の意見を言わなかったことが今回の反省。
次はちゃんと自分の意見も言いつつ告白のタイミングを狙わなきゃだな…
そう思って俺は、ゲームをセーブしたところから|Restart《やり直し》した。
「どんだけ難しいんだよこの恋愛ゲーム…
もう次で4回目じゃねぇか!」
主人公がしていたのは現実の恋愛ではなく…
ゲームの恋愛だったようです!
恋愛に攻略法なんてものはないのにもかかわらず、
攻略法を探そうとして主人公は何回もRestartをするでしょう。
謎に「数」はありません。
謎賀トケル(PIANOが勝手に作ったキャラクター)の解説付き!
謎が解けなかった人も安心して読んでくださいね!
超短編ですw
1. 定年退職おめでとうございます
真夏、最後に着るスーツはとても暑い。
私は今日、今まで30年ほど勤めていた会社を定年退職する。
「|松島愛蔵《まつしま あいぞう》先輩。今まで、ありがとうございました。」
後輩が花束を渡して来た。
「あぁ、ありがとう。こんなにたくさんの人に祝われるなんて思っていなかった。」
花束はオトギリソウの生花と、スノードロップの造花で作られていた。
感動して周りを見回してみると、その場の全員が笑顔だった。
{謎賀トケルの解説}
定年退職をする男性のお話だね。
このお話には花束が出てくるけれど…みんなは花言葉って知っているかな?
オトギリソウの花言葉は「恨み」「敵意」
スノードロップの花言葉は「あなたの死を望みます」なんだって。
どっちも綺麗な花なのに、こんな花言葉をつけられて可哀想でしかない。
考えてみれば季節外れの花をわざわざ造花にしてまで花束にするって珍しいよね。
さて、この花束をもらった男性はどれだけ他の社員に恨まれていたことか…
2. 超能力者
私の周り全方向を、銃を持った敵の軍隊に囲まれた。
「くそ…ここまでか…」
だが実は私は超能力者で、”重力操作”で自分の周りの重力を操ることが出来る。
敵の軍隊が私に銃弾を撃つ瞬間。
「重力操作!」
私に向かって放たれた銃弾は重力操作によって真下に落ちていくだけ。
「なんだと…銃が効かない…⁉貴様、どんな手を使っているんだ!」
軍隊が、大きな声で驚きの声を上げた。
そして、大きな影が落ちてきた。
{謎賀トケルの解説}
超能力を持つ主人公は自分の周りの重力を強くして銃弾の攻撃を防いだね。
銃が効かない軍隊はとても驚いただろう。
でも…最後の文を見てみよう。
”大きな影”って何だろうか?
もしかしたら、飛行機やロケット…もしかしたら隕石が真上にあったのかもね。
主人公が影に気づかなくてそのまま物体が落ちてきたら…
ここからは君たちの想像にお任せしよう。
3. あいさつ
「おはようございます」
門に入って来た児童たちが教師に向かって挨拶をする。
「ふぁ…この時間って眠くなるなぁ…」
青い空は輝いて綺麗だった。
そのまま上を見ていると、何人かの生徒が窓から飛び降りて遊んでいた。
「おぉい、窓からジャンプして遊ぶなぁ!危ないぞー!」
「…ごめんなさい!」
全く…何をしても無傷だからといって危ないことをするよな。
{謎賀トケルの解説}
これは朝、学校に登校する日常のシーンじゃないんだ。
青い空が”輝いていた”のは青空と太陽…では星空と月があったから。
窓から飛び降りて無傷なのは、本当に存在している生き物じゃないから。
夜に学校に行くのは幽霊だろう。
幽霊の生徒たちは夜、先生と一緒に楽しく勉強をしているんだろうね。
解説を見ずに何話の意味が分かりましたか?
最初は123の順で難しくしようと思ったんですけど、
3が一番簡単になってしまいましたw
1175文字でした!
完璧な優等生と春へ進む桜
卒業シーズンということで
リクエストにも多数あった「卒業」をテーマにした小説を書きました!
まさかのラストに、読者の皆さんはきっと感動するはず(?)
自信なさげですいません(?)
2月の終わり。
卒業式の練習がそろそろ始まる季節だ。
3学期にもなると一緒に行動するグループが完全に決まるようなものだ。
でも、私が誰かと一緒にいることはなかった。
いわゆる、一人ぼっちというやつだ。
他のクラスには友達が1人だけいるけど、その子は最近他の子たちといるのを見る。
なんとなく暇だな、と思って窓の外を見ると、桜の木を見つけた。
桜の花も卒業式までの期間と同じで|蕾《つぼみ》をつけて時間が経つのを待つ。
そして、校庭には遊ぶ生徒の中でもひときわ目立つ男子がいた。
彼の名は|早波 優《はやなみ ゆう》。
勉強も運動も出来て、さらにはある委員会の委員長もやっている。
そんな優等生の早波さんは人柄も良くて、先生からも生徒からも信頼を得ている。
友達もいないし、成績も普通より悪くないけど早波さんには勝てない
私…|梓野 桜《あずさの さくら》とは大違い。
私も、もちろん早波さんのことは信頼してるし、尊敬している。
でも、そんな完璧に近いような早波さんにだって神様ではないんだし、
何かを抱えているのかもしれない。
私はそんな早波さんの力になれたらいいな、と思った。
友達のいない私にそんなことが現実で言えるわけがないんだけどさ…
卒業式の練習期間がスタートした。
セリフの声は大きく出せないし、歌い方も下手だったと思う。
みんなよりずば抜けた長所が何も無い私。
劣等感があるのかもしれない。
3月が始まってすぐの日の放課後。
私は宿題に使うノートを持って帰り忘れていることに気づいて、
教室へと急いで戻った。
教室には先生が居なかった。
きっと職員室にでもいるのだろう。
そして…早波さんが窓の外を眺めていた。
声をかけてみようと一度思ったが、あることに気が付いてその声は出ずに消えた。
早波さんが、静かに泣いていた。
普段泣かなくて弱みを誰にも見せない早波さんが、泣いているなんて。
何があったのか、聞きたい。でも、どう声をかければいいのか、分からない。
「あ、えっとその…早波、さん?」
どうするのが正解だったのか分からなくてとりあえず小さく声をかけた。
早波さんは今声をかけるまで私の存在に気づいてなかったみたいで、
目を見開いて驚いたような顔をした。
うわ、私って友達いない上に影も薄かったんだ…
「梓野さん…僕の事なんて、放っておいて。早く帰って。
そして今のことは見なかったことにして…」
こんな時でも口調がきつくならないってどれだけ早波さんは優しいんだろうか。
早波さんが言うことだからって、放ったままにするなんてこと、できない。
「何で、泣いているの?」
早波さんはため息を吐いた後こう言った。
「誰にも言わないって絶対に約束できる?」
「うん。」
勢いですぐに答える。
「本当に?」
「うん。」
「…それなら、梓野さんのことを信じて話すよ。」
「でも、ここにいたら先生が教室に戻ってきたときにどうなるか分からないよ?」
「あ、そっか…なら、学校の近くの公園でもいい?」
「もちろん。」
公園のブランコに座ると、早波さんが話し始めた。
「僕、本当はこんな自分になりたくなかったんだ。」
「え…?どういうこと…?」
「急に言われると驚かれるでしょ?」
「うん…」
「でも、本当なんだ。
勉強も運動も人並みにバランスよくできるからってみんな僕を優等生扱いする。
人に嫌われないように笑顔で話すから、優しくて人当たりのいい人扱いされる。
正直、尊敬とか立場の違いとか無くていいんだ。」
「それは、恵まれた後だからそう思ってしまうんじゃないかな。あっ…ごめん…」
いうつもりは無かったのに。口が滑った…
「その通りだよ。僕はもとから運動神経は悪くはなかった。
で、勉強を頑張れば成績が良くなる…ただ単にそう思って勉強も頑張った。
そしたらこの状態。バカみたいだよね。」
「じゃあ、人柄は?」
「…小さい頃、僕の態度のせいで絶縁してしまった友達がいたんだ。
だから、もうそんなことが起こらないように人との関わり方や態度には
気をつけてるつもりだよ。」
その話をされて、ふと私は気が付いた。
「あ、そうだ!ねえ、早波さんって下の名前が優しいと書いて”優”だったよね。
名前の由来って何?言える範囲でいいよ」
「確か…優しさを大切にする子になって欲しい…みたいな感じだったっけな?」
「そうかぁ…」
「どうかした?何かおかしかった?」
「おかしくはないよ。ただ、私その名前の由来の2つ目が分かった気がして。
これは勝手に私が考えたんだけど、優しいって|イ《にんべん》と|憂《うれ》いって
いう言葉に分けられるでしょ?
つまり早波さんは人の憂いが分かる人間になって欲しかったんじゃない…?」
「憂いってどういうこと?」
「そうだなぁ…辛い、とか苦しい、とか?」
「じゃあ人の辛さや苦しみが分かる人間になって欲しいってこと?
そんなことしたら、一気に嫌われちゃうんじゃ…」
「早波さんが悩んでいたのは優等生扱いされることについてでしょ?
性格で嫌われるなんて、嫌う人はよっぽどその人を羨んでるって事じゃないかな。」
「でも、尊敬されるのはちょっとな…」
「羨ましいと尊敬は違うよ。
羨むことっていうのは自分にはないものや自分よりも優れている人を見て、
自分もそうでありたいと思うことだよ。」
「そっか。…泣いている理由を話しただけなのに
相談に乗ってもらっちゃってごめん。
ここからはどうするべきか自分で考えてみるよ。ありがとう。」
「困ったら、言ってね。」
「もちろんまた相談させてもらうね。
梓野さん、今まで関わることは少なかったけどこんなに優しかったんだね。」
「優しいだなんて、そんな…
私はいつも何か抱えてそうだと思っていた早波さんの力になれて嬉しかったの。」
「とにかく、ありがとう。
じゃあ、僕はもうそろそろ帰らなきゃ。さよなら、梓野さん。」
「早波さん、さようなら。」
まさかこんなところで早波さんの力になれるだなんて。
心が温まって、なぜか泣いてしまいそうになってしまった。
帰ってから。
スマホでメッセージアプリを開いてみると、
話しかけられて断れずにチャットを繋いだクラスの中でも明るい子から
こんなメッセージが届いていた。
『梓野さん、これ…悲しい気持ちになっちゃうかもなんだけどさ。』
『梓野さんって確か浦野ちゃんと仲良かったよね?』
浦野ちゃんとは、他のクラスにいる私の中でのたった一人の友達だ。
フルネームは|浦野留依《うらの るい》。
『この前に浦野ちゃんと喋ってたら、梓野さんのことが嫌いって話を聞いて…』
『2人の仲にヒビを入れようとして言ってるわけじゃないの。
でも、なんか言わないわけにもいかないし…』
『ごめんね!こんな気まずい話をしちゃって!』
『くれぐれも、本人には私が話したってこと内緒でよろしく!』
そこでメッセージは終わった。
「えっ…?」
まさかあんなに仲がいいと思っていた留依まで私のことが嫌いだったの?
まさか、あんなに仲が良いかのように見せてたのは演技だったの?
今まで嫌な思いをしながら私と一緒にいたってこと?
教えてくれてありがとう、とだけ返信をしてメッセージアプリを閉じた。
スマホを持つ私の手は、震えていた。
次の日。
学校に登校しても生活はいつもとほとんど同じだった。
でも、ひとつだけ変わったことがある。
早波さんが私に話しかけてくれるようになったことだ。
話し相手がいなくても別に困ることはなかったけれど、会話してくれる人がいるって
なんだか嬉しい気持ちになる。
放課後になってみんなが帰っていった後、私と早波さんだけが教室に残っていた。
「あれ、梓野さん帰らないの?」
「うん。委員会の仕事、明日で締め切りだから今日終わらせちゃおうって思って。」
「前日に終わらせるなんて偉いね。」
「ありがとう。」
少し沈黙があって、その後に私が話題を出した。
昨日のメッセージアプリの件だ。
「…質問なんだけど、早波さんなら今まで信用してきた誰かが自分のいない時に
悪口を言われていたっていう話が耳にはいったらどう思う?」
「急にどうしたの?何か相談…的な?」
「気にしないで。で、どう思う?」
「僕だったらまず落ち込むかな。
その後、その話が本当なのか本人に聞きに行ってみる。
で、本当だと言われたら、その人とは言ったん距離を置いてみるかな…?」
「そっか…」
「わざわざそういう話をするってことは、梓野さんにそういうことがあったの?」
「そうなんだ。まだどうすればいいかまだ行動には移していないけど
正直ショックだったな。」
「誰でもそれは悲しくなるよ。”どんな絆でも壊れるときは一瞬”って
まさに今の梓野さんみたい。あ、ごめん。フォローになってなかった。」
「”どんな絆でも壊れるときは一瞬”、か…」
「どうしよう。なんかその話が本当だったら私、
もう人間を信じられなくなるかもしれない…」
「人間不信、か…僕も一回そうなりかけたことがあるよ。
ほら、昨日話したでしょ?僕が人当たりを良くしようとする理由。
ちなみに、梓野さんから見てその子をどう思っているの?」
あれ、私って留依の事、どう思ってたんだっけ…?
「かわいくて、私の中で唯一相談できる相手で…
あ、今は早波さんも相談できる相手になってるのか!
ファッションセンスの良さは憧れるし、
いろんな人と話せるコミュニケーション力があることはすごいって思ってるかな。」
答えるまでに時間がかかってしまった。
「じゃあ梓野さんとその子がもし絶縁しようってなったら梓野さんはどうなるの?」
「急に想像したくもないこと聞かないでよ、縁起でもないんだからさ。」
「ごめんごめん。でもこれは”もしも”の話だよ。」
「もしも、ねぇ…立ち直れないわけではないけど、さっきも言った通り
人間不信になっちゃいそう。」
「梓野さんは本当にその子のこと、絶対に必要だと思ってる?」
「えっ…?」
「…その反応は、絶対必要とは言い切れないってことでしょ?
知らない間に梓野さんは”浦野留依”という人間に依存していたんじゃない?」
「私、知らない間に依存してた…そういうことだったんだね…」
その時、私は何か違和感を感じた。
「え、早波さんなんで”その子”が留依だって分かったの⁉」
「だって、梓野さんが浦野さんと仲良くしてるってことは前から知ってたし…
それ以外に梓野さんが他の人と仲良くしてるところは見たことなかったから。」
他の人と仲良くしてるところは見たことがなかったって
半分悲しい現実を突きつけてきてるんだよなぁ…
「…私また明日、留依と話してみるよ。
話が本当だったのか、自分で確かめてみるから!」
「うん。じゃあ僕はそれを応援するよ。」
「…また今度は早波さんの話の続きも聞かせてね。」
「分かったよ。」
そこからいきなり数秒の沈黙が流れた。
早波さんがまた話し始めた。
「あ、そうだ…僕に普通の休み時間も話しかけてきて、いいよ?」
「私が早波さんと休み時間に急に話すようになったら
みんなに不審に思われちゃう。
それに早波さんには私以外にも話せる人がいっぱいいるでしょ?」
「あんなの、実際友達だと思ってない人も多いよ。
これは僕が勝手に思ってるだけかもだけど、
梓野さんは僕にとって友達だと思ってるんだ。」
友達…そう言って貰えて嬉しい。
「友達、か。
なんだか留依と一緒にいたのって本当に友達だと言えるのか分からなくなってきた。
私も早波さんの事、友達だと思ってるよ。」
そう言うと、早波さんは笑顔になった。
「ありがとう。じゃあ僕はそろそろ帰るよ。じゃあね。」
「ばいばい。」
あぁ、何だか心がすっきりした。
次の日。
昨日は早波さんに”ちゃんと留依と話してくる”って言っちゃったけれど。
急に緊張してきた…!
学校に着いて、いつものように自分の席で朝の支度をする。
すると急に手が震えてきた。
なんでだろう、気分が悪い…
すると体が崩れるように地面にへたり込んでしまって…
目が覚めると視界は全て白い天井だった。
「あれ、ここはどこ…?」
私が起き上がってみると、保健室の先生が私のそばに駆けよって来た。
「梓野さん、体調は大丈夫?」
どうやらここは保健室だったみたい。
「はい…で、私なんでここにいるんですか?」
「急に倒れたから分かってなかったのね…
梓野さん、朝の用意をしているときに急に倒れて、
|渡井《わたい》先生がそれを見て私の所まで連れてきてくれたの。
原因は疲れだと思うわ。熱は測ったけれどそれは普通だったわ。」
渡井先生は私のクラスの担任の先生の苗字。
「渡井先生が一人でここに運んできてくれたんですか…⁉」
女の先生だし、小柄だからそんなことが出来るわけない。
「えっと…早波くんも一緒に来てくれたわ。
彼、優しくて勉強も運動も出来て本当にすごいと思うわ。」
早波さんが⁉
「で、話は戻るけれど体調は大丈夫かしら?
大丈夫ならこのまま授業に戻ってもらうし、体調が悪かったら帰るのもあり。」
「大丈夫です。でも、あと少しここで休ませてください。」
「分かったわ。もうすぐで休み時間になるし、
休み時間が終わるころには戻れるんじゃないかしら?」
「そうします。」
休み時間のチャイムが鳴った。
1分も経たないうちに、早波さんと…留依がやってきた。
「桜、大丈夫…⁉」
「留依、わざわざ来てくれたの⁉そして、早波さんも…!」
「急に倒れたからびっくりしたよ。
でも大丈夫だと分かって安心したよ。じゃあ早いけど僕はこれで。
教室に戻ってくるの、待ってるね。」
「うん。」
早波さんが部屋を出ていく時、口パクで”がんばれ”って言ってた。
ここで…あの話、しようかな。
「桜、いつ優くんと仲良くなったの?」
「仲いいかは分かんない。でも人として優しいから心配してくれたんじゃないかな?」
「桜の様子を見て安心した。私もクラスに戻ろうかな…」
まずい、このままだと留依がクラスに帰っちゃう。
「ちょっと待って。私、今留依に聞きたいことがあるの。」
「ん?どうしたの?」
「留依って、私のこと…友達だと思ってなかったの…?」
「それ、どこで聞いた話?」
「クラスメイトの子からメッセージアプリで聞いたんだけど…」
「はぁ…仕方ないな。」
「え、まさか留依、私のことが嫌いだったっていうのは本当なの…?」
「本当だよ。私は桜のこと、大嫌いだ。」
突然すぎて、頭が真っ白になった。
「え、今なんて言ったの…」
「だから、私は桜のことが本当は嫌いだって。」
「なんで…いつから嫌いだったの…?」
「なんでそういう細かいことまで聞いてくるわけ?
私は桜のことが大嫌いだってしか言わないから。
ねぇ桜、私たち、絶縁しちゃおう?」
絶縁まではしたくない。
嫌いだと分かっても、絶縁はしたくない。
「ごめん、絶縁は出来ないよ。」
「…何で?」
「私には急に今まで仲良しだった子との思い出を断ち切ることなんて出来ない。
だって、私には留依しかちゃんと話せる子がいなかったから。
正直、私もこれから先でさらに仲良くなれるかって言われたら分からないよ。」
「でも、私は桜が嫌い…」
「なら、関係を最初からやり直しちゃ、ダメかな?全部絆をやり直しちゃえば、
留依は私が少し嫌いだと思わなくなるんじゃないかな。」
さらに少し間をおいて、私はこう言った。
「私は、もう一回やり直して、留依と仲良くしたいよ。」
私がそう言ったあと、留依は少し考えてからため息を吐いた。
「仕方ないな。そこまで言うなら、関係をやり直すこと、考えてみるよ。」
「…本当に⁉」
正直こうなるとは思っていなかった。しつこいからって拒絶されると思ってた。
「ほんっと必死だなぁ、桜は。
じゃあ、私がここを出て行ったら全部関係はやり直しにするから。
流石に今日話しかけられるのは気まずいから、話すなら明日からね。」
「うん。分かった。じゃあさよなら、留依。」
「さよなら。」
ここで一度私と留依の関係はすっと消えた。
今までの事も私のことが嫌いだって言ったことも忘れない。
けれど、気持ちを新たに変えて私は名前にもある桜の咲く春を、
卒業式を目指して進んでいくしかないんだね。
放課後。
今日は先生がすぐに教室の鍵を閉めてしまったから、
早波さんとは一度帰ってから公園に行って話すことにした。
公園に着くと、早波さんの方が先に来ていた。
「早波さん、着くの早かったね。」
「公園から家までの距離が近いからね。で、結局…浦野さんとは話せた?」
「話せたよ。」
「話は本当だったの?それとも嘘?」
「…私のことが嫌いっていうのは本当だったの。」
「それは残念だったね…」
「そんなことはないよ。
だって、留依とは明日から関係を全部やり直して、
今までのことはなかったことにしようっていうことになったから!」
悲しそうだった早波さんの顔が、自分のことかのような笑顔へと変わった。
「本当に⁉」
「うん。」
「それって梓野さんからその話を提案したの?」
「関係をやり直す話?それは私が提案したよ。」
「そっか…それだけ浦野さんに梓野さんの気持ちが伝わったってことだよ。
全部を諦めて投げ出さなかったところ、すごいと思った。」
「そうかな、ありがとう。
私の話はこれで終わりでいいから!早波さんがどうするのか教えてよ!」
「あーそうだったね。僕の番か…」
「嫌なら言わなくてもいいよ。」
「いいや、言うよ。
僕、今まで通り勉強も運動も頑張るし、梓野さんが言った通り
人に優しく、人の憂いが分かる人間になろうと思うよ。」
「人の憂いが分かる人間って私が言ったことだけれど、
そんなにいろんなことを両立させようと思うと辛くない?」
「辛いかもしれないしウザがられるかもしれない。
でも、僕は頑張ってみたいんだ。」
「そっか。それなら私は早波さんのことを応援するね。」
「そして、本当の友達というものがこれから知りたい。」
「本当の、友達…?」
「梓野さんの話を聞いて、本当に仲が良い人って、
友達って何なんだろうって考えてみたんだ。
そして僕なりに考えてみて、友達っていうのは
信頼、安心して相談をできる人のことを言うんだって思ったんだ。」
それを聞いて一つ気になったことがあった。
「気が合うっていうのは違うの?」
「それも一つの考え方かもしれない。
でもこの世には気が合うだけの人なんて何千人、何万人いたっておかしくない。
だから僕は気が合うだけっていうのは友達とは言えないと思うんだ。」
それを聞いて心の中で納得した自分がいた。
「そしてね、僕は僕の理論なら、梓野さんと本当の友達になれる気がする。」
「私なんかが早波さんにとっての本当の友達でいいの?」
「梓野さんだからだよ。って…変な意味じゃないからね⁉」
「…私も、早波さんと本当の友達になりたかったんだ。」
「良かった、嫌だとか言われたらどうしようかと思ったよ。」
「言うわけがないじゃん!」
それから私と早波さんは卒業までに少しずつ仲良くなっていった。
そして留依とも全てをやり直して、前よりもうまく行っている気がする。
卒業した後の今も私は次の年の春へ、また次の春へと進んでいく。
「優くん!またね!」
「うん、またね。桜。」
私は今でも優くんとは相談し合える優くんにとっての”本当の友達”だ。
きっとそれはこの先の未来でも、続くはずだよ。
珍しく長編気味な小説を書いてみました!
活休前最後の小説、楽しんでいただけましたか?
8029文字でした!