人が兵器になるお話です。数話で終わるかもです。日替わりお題、ありがとう。
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目次
生物兵器
--生物兵器の製造工程と歴史 前編・製造工程--
著:元外交官・シェーリ
"生物兵器"と聞いて何を思い浮かべるだろう
か。
生物兵器とは、主にウイルスや細菌などの病原体を用いた兵器のことを言われる。
しかし、我が国の生物兵器は先程述べた生物兵器とは異なるものだ。
生物兵器。その名前の通り、生物である生きたヒトが使用される。生物兵器として運用されるにあたり、訓練などが行われる。
偉大なる科学者、シェティーガ・グースコフィの発言により、今までの軍事体制が一変した。「無機質な機械よりも、1番物事を覚える7から、1番力が強い18の間の人を使う方がより効率的なのではないか?」
7〜18の人。時に子供は奇想天外な発想で盤面をひっくり返すことがある。
政府はその点に着目し、生物兵器制度を導入した。
シェティーガが述べたように、生物兵器の対象となり得るのは男女問わず7〜18のヒトと決められた。
その基準を満たしていても全員が生物兵器になれる訳ではない。7歳になると、生物兵器判別用の工場に送られ、それぞれに番号が割り振られる。大怪我をしていようとも、生きるか死ぬかの瀬戸際でも関係ない。
生物兵器になれるかどうかの判別は、数年間訓練所で指導をしていた訓練官が行う。判断基準としては、命令を沙汰なくこなすか。この一点のみだ。
そうして生物兵器となることを認められた者のみ、その者の家族に多額の金を渡し、訓練所に送られる。その際、選ばれた者は与えられた番号をそのまま引き継ぎ、除外されたと者は名前を返され、元いた場所へと返却される。
訓練所では次の3点が、体と頭に叩き込まれる
・殺人術
・体力作り
・様々な武器の扱い
途中で訓練を放棄した者、脱走を試みた者は例外なく国家反逆罪として処刑される。
そうして厳しい訓練に耐えた者のみ、戦場へと送り出される。
生物兵器の歴史については後編でまとめることとする。
一応これは設定資料のような..国の政治的仕組みを語る雑誌みたいな感じのやつです。だから改行少なめです。勿論フィクションですからね?本来あまりあとがきは書きたくないですが一応分かりやすくするために。
現実にこんなんあったらたまったもんじゃないですよ。
生物兵器2
--生物兵器の製造方法と歴史 後編・歴史--
著:元外交官・シェーリ
生物兵器は前編で説明したように、シェティーガ・グースコフィ(以下:シェティーガと表記する)の発言によって生み出された。今回はシェティーガと生物兵器の歴史について書き記す。
シェティーガは優秀な社会科学者だった。シェティーガは万全と思われた軍事体制の脆弱性を突き、この世を激震させた。3021年6月の記者会見にて、「生物兵器の運用については、なぜ思いつくことができたのですか?」という質問がシェティーガに投げつけられた。
それに対しシェティーガは、「考えれば分かることだ。使える資源があるのに、なぜ使わない?」と返答し、生物兵器に賛同する者は更に増えた。
その様にして民衆からの賛同を受け、生物兵器制度は確固たるものとなってしまった。生物兵器として認められたヒトを持つ者は周りから尊敬の目で見られ、生物兵器制度への賛同は増える一方であった。
しかし、シェティーガは生物兵器制度が万全になったと同時に、表舞台から姿を消した。
これに対し、民衆は「我が国を更に次の段階は進めた英雄だ!」とさらにシェティーガのことを持ち上げた。
様々な憶測が飛び交っているが、真相はまだ謎のままだ。
生物兵器3
俺「英雄、かぁ..そんな大それたものじゃないだろう...」
俺は読み進めていた経済史を放り投げ、ソファにドサっと座り込んだ。
??「どうかされましたか、ゲンスイ様」
俺「あぁいや、なんでもない。ありがとう、アルム」
アルム「アルム、とはわたくしの事でしょうか?」
俺「ん?あぁ、"5420863番"は長い。呼びやすい方がいいかと思って下3桁をもじった。だいぶ無理のあるもじりだがな。」
アルム「..感謝いたします」
アルムと呼ばれる少女は、数ヶ月前生物兵器訓練所から逃げ出してきた所を、ゲンスイ様と呼ばれる男により保護された。
---
アルム「.........」
15、16才辺りの少女だろうか。整えられた服を着て、髪を乱した状態で路地裏に座り惚けている。
俺「..大丈夫か?」
男は路地裏に居る少女に気がつき、近くにより、声をかける。
アルム「....!?」
手を差し伸べると、少し驚いた表情をしてすぐに警戒されてしまった。
男「あ〜〜...生物兵器の子か....」
生物兵器。我が国だけの、戦闘システム。ニュースなので耳にすることはあっても、街中で言うような単語ではないだろう。
もし言うことがあったとしても、こんなに残念そうには言わないだろう。
生物兵器に選ばれると言うことは、国のために戦える。当人の意思は関係なく、それは名誉のあることだ。
アルム「....貴方は」
少女が喋る。
アルム「生物兵器制度の道徳的観念による欠点を、理解しているのですか?」
ロボットのような喋り方。おそらく、訓練所で身につけた言葉遣いだろう。
男「...あぁ。あんな制度..今すぐにでも無くなるべきだ。みんな、頭がおかしくなっちまってんだよ」
男は、こう続けた。
男「政府は子供達の奇想天外な発想、想像力に目をつけた。しかし蓋を開けてみたらどうだ。想像力もクソもあったもんじゃない」
男「ただ、力と恐怖で支配しているだけだ。これでは、無機質な機械となんら変わりはないじゃないか...!」
悔しそうに歯を食いしばる男は、それと同時に苛立ちを露わにしていた。
アルム「......」
アルムは豹変した男の姿に驚き、「ぽかーん」と放心している。
アルム「貴方の名前は?」
俺「え!?え、えぇ...特に、ない。好きなように呼んでくれ」
急に名前について聞かれ、「特にない」という1番無い選択肢をしてしまった。
アルム「分かりました、では"ゲンスイ様"と呼ばせていただきます。私は5420863番と呼ばれています」
淡々と、自分の名前ですら無い番号を並べ立てる。側から見たら異常以外の言葉でしかつかないだろう。
しかし、この国ではこれが普通。
俺「クソッ...」
男は、やるせなさと後悔が入り混じった一言を発した。