……貴方はまだ知らない。
匿名で言葉を発信することの『 怖さ 』を。
その一言。
そう 貴方のその『 言葉 』が 誰かの人生を大きく 変えてしまうかもしれない。
「見て見ぬふりでいいでしょ / 自分は何も関わっていない / 自分には関係ないこと」
あの時 ああしていれば、こうしていれば。
あの時 『 大丈夫 』の一言をかけてあげたら。
その人の人生は 軌道修正できたのに。
続きを読む
閲覧設定
名前変換設定
この小説には名前変換が設定されています。以下の単語を変換することができます。空白の場合は変換されません。入力した単語はブラウザに保存され次回から選択できるようになります
1 /
目次
#00
『 |匿名《とくめい》 』
匿名の怖さ、貴方は|解《わか》っているだろうか?
インターネットが進んでいる、この時代。
SNS等、匿名で情報を発信する機会も増えただろう。
『 言葉 』
人を楽しませ
人を明るくし
時には、人の命を救い
時には、人を苦しませ
時には、人を死に追い遣る
救命器具であり、死への一歩ともなる『 言葉 』。
……匿名の怖さ、貴方は本当に解ってる?
#01
【 今日もめちゃくちゃ可愛かったよ~!!! 】
【 今日の髪型過去一好きかも! 】
【 ギャップ萌えの神様かな(?) 作詞作曲もできるってマ? 】
思わず、笑みが|零《こぼ》れた。
僕のことをこんなにも偉大に言ってくれるのは、ファンの皆だけだ。
メンバーも同じようなことは言ってくれるが、ファンとはまた違うものだから。
【 こいつ、歌下手じゃね?ww 】
【 男子に対して可愛いはキモすぎww 】
「……ッ、」
身を削って、人生を削って。
自分のやりたいことをやってるだけで、否定的な事を言われる。
こんなにも理不尽な|世の中《インターネット》、他に無い。
「はぁ……、」
【 ↺ 柚貴さん、別に下手ではないと思いますよ? 余り知らない私からですが。 】
【 ↺ ゆーくんが本当に可愛いから可愛い、って言ってるの!
そんくらい分かってよね!!! 】
【 ↺ 今の時代男女関係ないし、逆に時代に置いてかれてんのか? お前らって 】
否定的な投稿に、必死に僕を庇うファンの投稿。
【 ↺ お前らには関係ねぇだろ? んなのも分かんねぇのかww 】
【 ↺ 黙れ! いい加減にしろって言ってんの!!! 】
庇ってくれるのは嬉しいし、頼りになる。
でも、逆にそれでファンの皆が傷付くなら、僕は止める。
【 @Yuki_Dear : アンチもファンも、止まろーよ 】
【 ↺ そうですね…、ゆーくんの言う通り! 】
この場が収まる気はないけど、何もしないよりは良い。
prrrr prrr
「ぁ……瑠斗…、」
ガチャリ
「はーい、」
『お前、大丈夫か? ……、』
僕の幼馴染兼Dear.youメンバー、|海巴瑠斗《かいば ると》。
影に隠れて静かで、陰キャだった僕とは違って。
キラキラしてて明るく元気に、輝いてた。
でも、僕にはすっごく優しいし、気をかけてくれる。
「? 、大丈夫だけど」
『……そう、…、』
あれ、これ僕が何かしちゃったやつ?
「僕は元気だから! ほら瑠斗も! 元気出して、!」
『……ま、そうだな! ……あ、次の曲ってできたりした?』
「うん、できたー!」
『え、何々⁉』
他愛の無い会話……とも言えないが。
これでもちゃんと、仕事の話なんだからね⁉
『どーゆー題名?』
「ん……、”Dear”。」
僕等のグループ名、Dear.youからだ。
今年、僕等はデビュー五周年。
大事な節目の年だし、五周年の集大成になるような、そんな曲を創った。
『え、それどういう系?』
「うーん……バラード、とも言えないし、明るい系、ってわけでもない……」
『え、むず……てかマネにはもう出した?』
「ぁ、ゆうちゃん? とっくに出したよ(笑)」
ゆうちゃん……と言うのも。
僕等の親友兼マネージャー、|如月夕香《きさらぎ ゆうか》のこと。
こんな名前だけど、一応男だからね、⁉
……髪伸ばしてたり、たまにスカート履いてたりもするけど。
……おっと、電話中だったじゃん。
『ぁ、用事できたから切るわー!』
「りょーかい、……Dear、ダンス振り付けも今度考えるからね?」
『ん、おっけ、りょーかい! んじゃね』
「はーい、」
そんなこんなで長電話を終え。
「……あれダンスいるかなぁ?」
僕は、作業するべく椅子に座った。
prrrrr prrrrr
「……? また電話、?」
カチャリ
嗚呼、そうか。
この時、この時間。
この電話に出たことにより。
僕の運命は、狂いだして往く。
コメントくれると、励みになります、!
考察とか、じゃんじゃんして欲しい……!