ルーレットで2人出して、その2人で百合をさせます。
・むらさきざくら
・きみどりよつば
・みずいろもみじ
・あかいろのばら
・あおいろことり
・黄色田菜
・緑川三葉
・緑川七葉
・水色楓
・桃木椿
・夢小説(自分で一人称とか決められるやつ)
がルーレットの対象です。
続きを読む
閲覧設定
名前変換設定
この小説には名前変換が設定されています。以下の単語を変換することができます。空白の場合は変換されません。入力した単語はブラウザに保存され次回から選択できるようになります
1 /
目次
図書館
「「あ」」
知っている子がいた。
ピンクのボブヘアに、1本だけアホ毛がくるんとなっている子。
丸い、細い黒ぶちメガネをかけている子。
白いシャツに、茶色のニットに赤いリボンを着けてる子。
ピンクの膝丈のスカートに、白い靴下、黒い靴を履いている子。
名前だって知っている。
わたしの知り合いとの関係性だって知っている。
あかいろのばらの、妹。
桃木椿。
「椿…ちゃん…」
「……__紫桜さん__…」
微かに聞こえた、その声は、確実にわたしの名を告げていた。
返却と借りる作業を終え、図書館を去ろうとした時、椿は図書館に入ってきた。うつむき気味で、何やらぶ厚めの本を数冊抱えて。
彼女の事情は知っている。
野薔薇は、元施設の子だ。月花さん、という人にもらわれ、今は一緒に暮らしている。最近、月花さんは椿さんも家族にした。
野薔薇の、姉。
血の繋がっていない、姉。
「…その本、」
「……!」
そう言いかけたとき、椿は何やら驚いて、その後パタパタとどこかへ行ってしまった。
「椿ちゃんっ」
野薔薇の知り合いとして、椿を危険な目に晒すわけにはいかない。
「紫桜さん…わたし…」
追いついたところは、休憩所だった。
「うぅ…」
椿は泣いていた。
元施設の子って、バカにされたくない。
野薔薇は優しいけど、なんだか馴染めない。
わたしはそばにいて、慰めた。お姉ちゃんには言えない、家族の悩みを聞いた。
---
数分過ぎた後、悲しみは収まったらしく、
「ありがとうございました」
とペコリとお辞儀をしてくれた。
そして、持っているぶ厚い本を2冊ほど貸してくれた。お勧めだ、と言って。どっちも紫桜文庫の本だ。
『スクープ』と、『境界の図書館』。
頭文字をつなげると、『すき』という言葉になるのに気づくのに、そう時間はかからなかった。
「椿ちゃんっ」
わたしも。
恋愛対象なのか、友達対象なのかは知らない。
でも、微かな望みに賭けてみてはどうだろうか。
返事をしに、わたしはまた椿ちゃんを追いかけた。
好評だったら第2弾やる!