マジで怖いやつ100話行けたらいいなー
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目次
ヤマノケ
怖いかもしれないけど頑張って読んでね
一週間前の話。
娘を連れて、ドライブに行った。
なんてことない山道を進んでいって、途中のドライブインで飯食って。
で、娘を脅かそうと思って舗装されてない脇道に入り込んだ。
娘の制止が逆に面白くって、どんどん進んでいったんだ。 そしたら、急にエンジンが停まってしまった。
山奥だからケータイもつながらないし、車の知識もないから
娘と途方に暮れてしまった。飯食ったドライブインも歩いたら何時間かかるか。
で、しょうがないからその日は車中泊して、次の日の朝から歩いてドライブイン行くことにしたんだ。
車内で寒さをしのいでるうち、夜になった。
夜の山って何も音がしないのな。たまに風が吹いて木がザワザワ言うぐらいで。
で、どんどん時間が過ぎてって、娘は助手席で寝てしまった。 俺も寝るか、と思って目を閉じてたら、何か聞こえてきた。
今思い出しても気味悪い、声だか音だかわからん感じで
「テン(ケン?)・・・ソウ・・・メツ・・・」って何度も繰り返してるんだ。
最初は聞き間違いだと思い込もうとして目を閉じたままにしてたんだけど、 音がどんどん近づいてきてる気がして、たまらなくなって目を開けたんだ。
そしたら、白いのっぺりした何かが、めちゃくちゃな動きをしながら車に近づいてくるのが見えた。
形は「ウルトラマン」のジャミラみたいな、頭がないシルエットで足は一本に見えた。
そいつが、例えるなら「ケンケンしながら両手をめちゃくちゃに振り回して身体全体をぶれさせながら」向かってくる。
めちゃくちゃ怖くて、叫びそうになったけど、なぜかそのときは
「隣で寝てる娘がおきないように」って変なとこに気が回って、叫ぶことも逃げることもできないでいた。
そいつはどんどん車に近づいてきたんだけど、どうも車の脇を通り過ぎていくようだった。
通り過ぎる間も、「テン・・・ソウ・・・メツ・・・」って音がずっと聞こえてた。
音が遠ざかっていって、後ろを振り返ってもそいつの姿が見えなかったから、ほっとして
娘の方を向き直ったら、そいつが助手席の窓の外にいた。
近くでみたら、頭がないと思ってたのに胸のあたりに顔がついてる。思い出したくもない恐ろしい顔でニタニタ笑ってる。
俺は怖いを通り越して、娘に近づかれたって怒りが沸いてきて、「この野郎!!」って叫んだんだ。
叫んだとたん、そいつは消えて、娘が跳ね起きた。
俺の怒鳴り声にびっくりして起きたのかと思って娘にあやまろうと思ったら、娘が
「はいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれた」ってぶつぶつ言ってる。
やばいと思って、何とかこの場を離れようとエンジンをダメ元でかけてみた。そしたらかかった。急いで来た道を戻っていった。娘はとなりでまだつぶやいている。
早く人がいるとこに行きたくて、車を飛ばした。ようやく街の明かりが見えてきて、
ちょっと安心したが、娘のつぶやきが「はいれたはいれた」から「テン・・ソウ・・メツ・・」に
いつの間にか変わってて、顔も娘の顔じゃないみたいになってた。
家に帰るにも娘がこんな状態じゃ、って思って、目についた寺に駆け込んだ。
夜中だったが、寺の隣の住職が住んでるとこ?には明かりがついてて、娘を引きずりながらチャイムを押した。
住職らしき人が出てきて娘を見るなり、俺に向かって「何をやった!」って言ってきた。
山に入って、変な奴を見たことを言うと、残念そうな顔をして、気休めにしかならないだろうが、
と言いながらお経をあげて娘の肩と背中をバンバン叩き出した。
住職が泊まってけというので、娘が心配だったこともあって、泊めてもらうことにした。
娘は「ヤマノケ」(住職はそう呼んでた)に憑かれたらしく、49日経ってもこの状態が続くなら一生このまま、正気に戻ることはないらしい。
住職はそうならないように、娘を預かって、何とかヤマノケを追い出す努力はしてみると言ってくれた。
妻にも俺と住職から電話して、なんとか信じてもらった。
住職が言うには、あのまま家に帰っていたら、妻にもヤマノケが憑いてしまっただろうと。
ヤマノケは女に憑くらしく、完全にヤマノケを抜くまでは、妻も娘に会えないらしい。
一週間たったが、娘はまだ住職のとこにいる。毎日様子を見に行ってるが、もう娘じゃないみたいだ。 ニタニタ笑って、なんともいえない目つきで俺を見てくる。 早くもとの娘に戻って欲しい。
遊び半分で山には行くな。
ここで怖い小説は終わりです…他にもいろんなものが見たかったら頑張って作るので是非応援してくださいそれじゃあまた!
洒落怖(しゃれにならないくらいこわい)
怖いシリーズ第二弾!!!!
今回はガチで怖いのを持ってきたので注意して見てください!
最後にこれは私の身に起きた話です。
数年前、ハッピーボーイだった私は
友達と心霊スポットとしても有名な廃教会に肝試しに行きました。
丘の上にある廃教会に向かう途中、立派なマリア様の像が明かりもない中
不気味に白く光っていた覚えがあります。
前述したとおりハッピーボーイだった為、像と一緒にパシャリと記念撮影。
意気揚々と廃教会に向かったのですが、その廃教会にはほぼほぼ崩れた瓦礫と
小部屋だったであろう残骸しか残っておらず、道中のマリア様だけが立派に残っていたのみ。
一通りの散策と記念撮影を終え、帰路に就く途中のことでした。
マリア様の像のあったあたりまで戻ってきたときに異変を感じました。
行き路で白く光っていると感じたマリア様の像が
やけに暗い…いや、暗いというより黒いのです。どす黒いのです。
異様な雰囲気を感じ、帰る足が止まったのですが、帰り道はそこしかなく
マリア様の横を通るしかありません。
意を決し、ゆっくりマリア様のほうに歩を進めると
黒い影がわずかにうごめいている感じが…
いや、確実にうごめいていて、それは像に近づくにつれて確信に変わりました。
目を凝らしながら近づいていくとゾッとしました。
マリア像の裏に蜂のような虫の大群がびっしりとうごめいていたのです。
今でも思い出したらおぞ気が走ります。
ハッピーボーイの私は霊はそんなでも、虫は怖いのですぐに廃教会を後にしました。
その後、特に異変はなく、今日も元気に過ごしております。
…お楽しみいただけましたでしょうか?
これ実際あったので、フィクションを混ぜずにお話しできてうれしく思います。
ちょっと長くなりましたね、今日はこのあたりで終わりにいたします。
次も楽しめる話を用意いたします。おや?誰か来たようです。それでは…
どうでしたかw
楽しめたでしょうか?
他にもいろんな怖いシリーズをどんどん出していくので是非是非見てくださいそれじゃまた…
危険な好奇心
今回も怖いので気おつけてください
小学生の3人組が遭遇する、頭のおかしい中年女性の話。
初めは小学生の裏山での秘密基地での楽しい物語だったのが、だんだんとおかしな雰囲気に。
ある人物の登場から、物語は恐怖の展開に一変します。その際の緊張感や恐怖感は読む人に衝撃を与えます。
正直言って洒落怖を考えていたのは10年も前のことなんですけど、この話だけは忘れることができません。
書き手のうまさ、話の構成、オチに至るまで、クオリティはかなり高いなって思います。
そして心霊的な話も多い中、実態のある恐怖というのもすごくこわい。
実体験の内容にもあるように、心霊的なものより実態のあるもののほうが恐怖をいだくのかもしれません。
投稿者が小学校の頃、学校の裏山の奥地に秘密基地をつくっていた。メンバーは投稿者、慎、淳の3人と、野良犬のハッピーとタッチ。小5の夏休みに3人は親に内緒で、秘密基地で泊まりがけで遊ぶ計画を立てた。
釣り、花火と楽しむもやることがなくなってしまい、さらには夜の山の持つ独特な雰囲気に飲まれ、午後9時ごろ、3人は下山を決意する。懐中電灯の明かりを頼りに、少し速歩きで山を下っていく3人と2匹。5分くらいはハッピーとタッチもついて来ていたが、やがて小屋のほうに戻ってしまった。
幅30センチくらいの狭い獣道を歩いてると、慎が「誰かいるぞ!」と小声で言ってきた。見つからないように明かりを消し、その場に伏せながら、じっと待つ。耳を済ますと足音が聞こえてくる。すると、山を登ってくる1人の人間が目に入った。
はじめは恐怖していたが、その人間は1人であったことから恐怖心が薄れ、幼い好奇心から尾行してみることにした。見つからないように慎重に後をつける3人。その人物の性別はまだ分からない。
やがてその人物が立ち止まったその場所から、「コン!」という音が聞こえてきた。「コン!コン!コン!」と何度も音がする。何かを木に打ち付けているのだ。この山は「藁人形」に纏わる噂があったことから、3人は呪いの儀式だとすぐに気付いた。
投稿者が逃げようと言った矢先、慎は「あれ、やっとるのは女や」と小声で言う。淳は「どんな顔か見たいやろ」と2人の悪ノリが加速していった。
淳の「顔を見に行こう」という提案に、しぶしぶついて行く投稿者。近寄ると、女はお経のようなものを呟きながら、写真のようなものに釘を打ち込んでいた。ただならぬ雰囲気の中、静かに様子を伺う3人。そのとき、ハッピーとタッチが「ワン!」と吠えた…。
慎が恐怖から「わぁー!」と声を出してしまったため、女に見つかってしまう。女は3人の存在に気付き、金槌を持ったまま鬼の形相で追いかけてくる…。
3人は必死に逃げたが、投稿者は女につかまってしまう。転んだ投稿者の胸を足で踏みつける女。恐怖で痛みは感じなかった。女は興奮のせいか小刻みに震えている。
顔を下から見る態勢であったため、女は40代くらいであることが分かった。その瞬間、タッチとハッピーが女の背に乗りかかったのだ。2匹はジャレついているつもりだったのだろう。女は焦り、踏みつけていた足を離した。その隙を見て投稿者は逃げ出す。後ろで「ドスッ」と鈍い音がしたが、振り返る余裕はなかった。
無事に下山したのが0時ごろ。女が追いかけてくる気配はなかった。3人は慎の家にたどり着き、ようやく安堵する。
投稿者が「もう二度とあの秘密基地に行かれへんな」と話すと、淳は「アホ!朝になって明るくなったら行かなアカンやろ!」と言い出す。あの女に見つかるかもしれないのに、なぜ…?
投稿者が不思議そうな顔をしている様子を見た慎は、衝撃的なことを口にする。走り出した投稿者を追いかけて後ろから殴ろうとした40代の中年女にハッピーとタッチが突進し、ハッピーが代わりに金槌で頭を殴られたというのだ…。
なおも追いかけようとすると、タッチが女の足元にジャレつき、タッチも頭を殴られたという。女は一度だけ3人を見たが、追いかけようとせず、2匹を殴り続けていたのだ…。
淳は泣きながらタッチの名前を何度も口にした。3人は朝になったらハッピーとタッチの様子を探りに行くことにしたが、そこでさらなる恐怖を体験することになる…。
翌日、中年女がいた木までたどり着くと、そこには小さな女の子の写真に無数の釘が打ち付けられていた。さらに、木の根元には、体中が血まみれになり、眉間に1本釘を刺されたハッピーの変わり果てた姿が…。
ハッピーの死にショックを受けるも、まだタッチの死体が見つかっていないことから、逃げ延びた可能性を信じようとする3人。タッチの無事を確かめようと秘密基地に出向くと、そこには衝撃の光景が…。基地の屋根に、淳が昨夜忘れて帰った巾着袋が無数の釘で打ち付けられていたのだ。この秘密基地があの女にバレている…!?
恐る恐る基地の扉を開けると、そこには変わり果てたタッチの姿があった…。ハッピーと同じく、眉間に釘を打ち付けられている。とんでもない人間と関わってしまったと後悔を覚えていたところ、さらなる恐怖が待ち受けていた。
基地を見渡すと、壁や床板に「淳呪殺淳呪殺淳呪殺淳呪殺淳呪殺淳呪殺…」と無数の釘で彫ってあったのだ…。その異様な光景も去ることながら、なぜ名前が分かったのかと恐怖する3人。
答えは単純で、淳が持っていた巾着袋に学年と組、名前が書いてあったからである。名前だけでなく、学年と組まで女にバレてしまった。もう逃げられない、そう考えると頭が真っ白になった。
警察に言おうという話も出たが、投稿者は、嘘をついて秘密基地に来たことが親にバレて怒られてしまうと本末転倒なことを言い出す。親に怒られるより、あの女に捕まるほうがよほど恐ろしいというのに。
結局、警察には言わず、この山にはもう来ないことにした。この事件以降、夏休みに3人が集まることはなかった。
そして新学期が始まった。しかし、淳の姿がない。心配して淳の家を投稿者と慎が訪れると、体中に蕁麻疹ができていて、淳はそれを「中年女の呪い」だと言う。淳は、右の脇腹の蕁麻疹があの女の顔に見えると主張したが、さすがに無理があるように思える…。しかし、自分の名前を無数の釘で打ち付けられ、呪いを向けられた淳の恐怖心も分かる。淳の不登校はそれ以降も続いた。
それからしばらくすると、学校で「通学路にトレンチコートにサンダル履きのおばさんがいて、顔を凝視してくる」という奇妙な噂が流れ始める。投稿者と慎は件の中年女ではと危惧するも、幸い出会うことはなかった。
数日が過ぎ、トレンチコートの女の存在が投稿者と慎の間で風化されつつあったころ、友人らと遊びに行くためにいつもと違うルートで歩いていた投稿者と慎は、トレンチコートの女と遭遇してしまう。それはまさしくあの中年女であった…。事情を知らない他の友人は、暑い中でトレンチコートを着ている女を笑ったが、投稿者と慎は平常心を保つのに必死で笑えなかった。
その場では目が合った程度で特別な被害はなかったものの、念には念を入れて、投稿者と慎は遠回りして帰宅した。そして遂に警察に行くことを決意した2人。しかし証拠がいる。2人は考えた末、打ち付けられた写真や、ハッピーとタッチの死体を証拠とするため、山に写真を撮りに行くことになった。
翌日、投稿者と慎が、中年女と出会ってしまった場所にたどり着くと、そこには土の一部になりつつあるハッピーの死体があった。投稿者がハッピーを見殺しにした自分を責めていると、慎が「ちょっと来てーや!」と声をかけてきた。
慎がいる木のほうに行くと、新たな写真が増え、釘が打ち込まれていることに気づく。この前見た、4~5歳ぐらいの女の子の写真もあり、新しい写真も同じ年齢くらいの女の子に見えるが…。
慎がその光景を写真に収め、秘密基地のほうに向かうことにしたが、投稿者は違和感を感じて慎を呼び止めた。いつもなら秘密基地の屋根が見える位置にいるが、屋根が見えない。2人の脳裏にあの中年女がよぎる。
2人は万が一あの中年女に遭遇する可能性を考え、裏道から秘密基地の様子を見に行くことにした。この道であれば、中年女に見つかる可能性は低い。そして秘密基地のそばまで行くと、予想通り破壊されていた。それも原型を留めないほどバラバラに。
中年女の気配がなかったので、秘密基地の跡地に立ち、慎が写真を撮り始める。バラバラにされていたが、「淳呪殺」と釘で打ち付けられた板も見つかった。そして、秘密基地の残骸の隙間から、タッチの遺体が見えた…。
山を降り、急いで証拠写真を現像し、交番に持っていき、警官にあの夜の出来事を話す。しかし、警官には、両親に言ったのか?家の電話番号を教えてくれるか?と言われる。ハッピーの遺体や板に刻まれた「淳呪殺」の文字、少女の写真などの証拠写真を見せるも、警官は親や学校の担任のことばかり言ってくる。
冷静に考えれば当然の対応だが、追い込まれている彼らは、その警官に不信感を抱き始めていた。結局、2人は親にバレるのを恐れ、逃げ出してしまう。
2人は、「淳呪殺」のような呪物が自分たちに対してはなかったこと、怨んでいるならすでにアクションを起こしているであろうことなどを理由に、中年女は自分たちのことなど忘れているのだと考え始めた。現実逃避に近い心理だったが、投稿者は自己暗示のように「中年女はもう俺達の事なんて忘れてる」と自分に言い聞かせる。
慎と別れたその帰り道。投稿者は何者かに尾行されていることに気付く。夜の町に「タッタッタッタッ…」という足音が響いている。自分の足音ではない。後ろを振り向いても誰もいない。しかし、目を凝らして闇夜の中を見つめると、原付きバイクの影に誰かがしゃがんでいるのが見えた。容姿は確認できなかったが、コートを着ていることはわかった。あの中年女だ!
腰が抜けそうになりながらも走って逃げ出す。中年女に家がバレてしまうことを危惧し、でたらめな道を走って帰路をたどる。後ろを振り向くと、あの中年女の姿はない。警戒しつつ家にたどり着き、玄関で靴を脱ごうとしたその時、玄関先で物音がした。
自宅の玄関は曇りガラスにアルミサッシがしてある引き戸タイプなので、ガラス越しに誰かが立っている影が見えた。玄関扉を挟んで1メートル程の距離に、あの中年女がいるかもしれない…!
中年女は扉に手をかけて開けようとするも、施錠されているので開かない。すると、今度は玄関の扉に耳を押し付けてくる。そうやら室内の様子を伺っているようだ。しばらくすると、中年女の影は消え、安堵して居間に入る。そして、すぐさま慎に電話をかけた
投稿者は「中年女が来た!バレた!」と小声で慎に話す。慎に「落ち着け!戸締まりを確認しろ!」と言われたので、その言葉に従って、電話を切ってすぐに戸締まりを確認しに行く。一通り戸締まりを確認した後、縁側の和室に入る。すると、窓のレースのカーテン越しに人影が映っていた…。
双眼鏡を覗くように両手を目の周りに付け、室内を覗いている。あの中年女だ…! 恐怖のあまり声を出すことすらできずにいると、次の瞬間、中年女は走り去った。どうやらパトカーが偶然通りかかったらしい。
その夜、投稿者は両親にすべてを打ち明ける。父親が和室の窓ガラスを確認したところ、鋭利なもので傷を付けられていた。投稿者は、直感的に「五寸釘」だと感じたようだ。父親はすぐさま警察を呼び、夜間の見守りを強化することなどの約束を取り付けた。
事件があったのは翌日である。
自室で昼食を食べていると、「ドスッ」という鈍い音が響いた。慎は玄関の呼び鈴を鳴らさずに窓に小石を投げてくることがあったので、外に慎がいると思って窓の外を覗いてみる。しかし、そこに慎の姿はなく、庭先に内臓が飛び出た大きな牛蛙の死体が落ちているが見えた。あの中年女の仕業に違いない…!
警官が来て事情を話し、「早く捕まえてください!」と半泣きで懇願する。警官からは、山に行って調べたところ、犬の死体も板に彫られた友達の名前も、女の子の写真もあったと聞かされる。
その日は1時間ほどで警官は帰り、しばらくして父親が帰宅する。その日は親子3人で同じ部屋で寝ることになった。
寝付けずにいると、突然、玄関先から「オラー!」というドスの効いた男の声とともに、「ア゛ー!ア゛ー!」という聞き覚えのある中年女の奇声が聞こえてきた。玄関先に向かうと、2人の警官に取り押さえられている中年女の姿があった。
なんでも、中年女が投稿者の家の軒先で、ライターで新聞紙に火をつけようとしていたところをパトロール中の警官が発見したのだという。その新聞紙の束の中には、投稿者のフルネームとともに「焼死祈願」と書かれた木の板が入っていた…。
警官に取り押さえられた中年女は、「オマエまで私を苦しめるのかー!」と訳のわからないことを口走っていた。中年女は放火未遂の現行犯で逮捕され、ようやく安寧の日々が訪れた。
中年女の正体
警官の話によると、中年女の正体はこうだった。
隣町に住んでいて、2年前に交通事故で主人と息子を亡くしていること。それ以来、精神分裂気味で情緒不安定であること。山で発見された写真の少女は、その交通事故の発端(飛び出し)であったこと。発端となった少女は無傷で助かったこと。以降、少女の家にも嫌がらせをしていること、などなど…。
投稿者はその話を聞いて、中年女の執念深さを痛感するとともに、情緒不安定、精神分裂気味だとすぐに釈放されるのではないかと絶望感を感じたという。
一連の事件から5年後、投稿者と淳、慎は別々の高校に進学していた。そんな高校1年の冬休み、淳から投稿者に1本の電話が入る。なんでも、事故で入院しているとのこと。その電話で、毎晩面会時間後に、ニヤつきながら覗きに来る中年女性の話を聞く。中年女の顔がよぎったが、まさかと笑い飛ばす。
電話から2日後、投稿者は淳の見舞いに行った際、とある中年の女性と鉢合わせする。女性は作業着を着ていて、ゴミ回収の仕事をしていた。その顔は中年女にそっくりであったが、穏やかな表情であったため投稿者は他人の空似と片付けることにした。
それでも気になった投稿者は、翌日再び淳の病院を訪れる。淳から、その中年女性が常にニヤついた目で見てくることを聞き、投稿者の中で清掃者=中年女という確信に変わる。社会復帰したのだ、と。
淳にはそのことは話さず病室を後にする。その帰り、ゴミを分別している清掃者の姿が目に入った。
その脇を通り抜けようとすると、「大きくなったねえ」と突然、清掃者の中年女性から話しかけられる…。さらに、「淳くん、可哀相に骨折してるけど、お兄ちゃんも気い付けなあかんよ!」と馴れ馴れしく話しかけてくる。
投稿者は状況を飲み込めず、パニックになっていた。あの中年女であることは間違いないが…。
なおも中年女は話つづける。「もう1人いた…あの子、元気か?色黒の子いたやん」と。慎のことだ。
そして続けてこう言う。「あの時はごめんね…許してくれる?」と、謝罪の言葉を述べる中年女。本気で謝罪をしているのか、何か企んでいるのか判断がつかない。
「3人にきちんと謝るつもりやったんやで…ほんまやで…」としゃべりながら、だんだん近づいてくる。緊張感に耐えられず、投稿者は走って逃げるも、追いかけてくる様子はない。謝罪の言葉を聞いたが、やはり信じることはできなかった。
さらに翌日、投稿者は病院に行き、淳に中年女のことを話すと、淳はトラウマを克服するためにも逃げずに話すべきだと諭す。2人でいつもの時間に来る中年女を待った。
しばらくして、中年女が淳の病室にゴミを回収しにやって来る。中年女は無言でゴミを片付けていたが、しびれを切らした淳が「おばさん!どーゆーつもりだよ?」と切り出した。
それを聞いた中年女は作業の手を止め、俯いたまま「ごめんね…」とか細い声で謝ってきた。投稿者が「おばさん…本当に反省してるんだよね?」と聞くと、こちらを向き、こんなことを言い出す。
「本当にごめんなさい…私があんな事したから淳君、こんな事故に遭っちゃって…私があんな事したから…ほんとゴメンね」と。何か話がズレている…。投稿者がハッピーとタッチのことや、家に来たことを話すが、中年女は事故のことを謝るばかり。
淳が「もういいよ!だいたい、俺が事故ったのアンタとは一切関係ねーよ!」と言い放つと、中年女は淳のベットのゴミを回収し、ごめんねと謝りながら病室を出ていった。淳の事故と中年女は無関係のはずなのに…。何か釈然としない気持ちまま、この話は終わりとなった。
その後も中年女は普通にゴミ回収にやってきたが、特に何もなかったそうだ。慎にも連絡し、今回のことを告げるとともに淳が退院したら久々に集まろうという話になる。
後日、淳が退院し集まった3人。話の流れでハッピーとタッチの供養をしに、あの裏山に行くことになった。秘密基地のあった場所は複数人が使っているのか、以前よりもゴミが散乱しているように見える。
ふと1本の木に目をやると、無数のゴミが釘で打ち付けられているのが見えた。木には菓子袋や空き缶、雑誌などのゴミが張り付いている。誰かのイタズラか?と思いながら近づいていくと、淳が震えた声でこう言う。
「あぁぁぁ…これ…俺の、ゴミぃ…ぁぁぁぁあ…」と。
さらに淳は続けてこう言う。
「俺が、病院で捨てた…あぁぁ…」と。
すっかり怯えきっている淳を見て、慎は「しっかりしろ!んなわけねーだろ!」と檄を飛ばすが、釘で打ち付けられたゴミのひとつを手に取ると、そこにはマジックで「淳呪殺」と書かれていた…。他のゴミも確認するが、すべてに「淳呪殺」と書かれている。
中年女は更生などしていなかった…。病院でゴミを分別していたのは、淳のゴミを選ぶためだったのだ。「ごめんね」という謝罪の言葉も嘘だった。淳は壊れてしまい、山を降りるときにずっと「俺の…ゴミ…俺のゴミ…」と繰り返しつぶやいていた。
それから8年後、山には行っていないし中年女とも会っていない。まだ自分たちを怨んでいるかどうかもわからない。ただ、淳はいまだに歩くことができないでいる…。
今回の怖い話はどうだったでしょうかw
今回は約7100文字と長い文章でしたが最後まで読むことはできてでしょうか?
他にもいろんなやつをどんどん書いていくので是非是非読んでいってくださいそれじゃまたw