閲覧設定
名前変換設定
この小説には名前変換が設定されています。以下の単語を変換することができます。空白の場合は変換されません。入力した単語はブラウザに保存され次回から選択できるようになります
1 /
目次
君だけは絶対に諦めない
「骨が完璧に折れています。」
「...え?」
静かな病室に響いたのは私、山崎 綾乃の絶望の声
「いつ⁉いつ⁉いつ治るんですか⁉」
「え、えっと綾乃さん次第ではありますが完全に癒合するのは早くても2、3ヶ月以降となってます。」
「そんな!困ります!再来週には大事な大会もあって!」
「安静に、ですね」
「...」
私は今通っている学校でバスケ部に入っている自分で言うのもなんだが1年生にして部内のエースだ
1年生にしてスタメンになれた時はこれまでの成果が出たと思って嬉しかった
でも、試合の前に骨折しちゃったら意味がない
この時私がどんな顔をしていたのかはわからないが付き添いで来てくれていたお母さんが私の顔を見て表情をゆがめた
「綾乃...」
「...」
お母さんにこんな顔をさせちゃだめだ!私は...私は笑顔にさせなきゃなのに!
「...お母さん!私、大丈夫!まだ1年生だし、来年も再来年もあるから!」
「...そうね...綾乃...」
「うん!」
君だけは絶対に諦めない
「行ってきまーす!」
「もう行くの⁉ちょっと待ってー!送ってくから!」
「えー!いいのに!でも、ありがと!」
『お母さんを笑顔に』これが私が生きていく一番の理由
だから、
・なるべく迷惑をかけない
これを徹底している
...つもりだ
「じゃ!ここからはお母さん行けないから、帰るわね」
「うん!ありがと!」
「気を付けてね」
「うん!」
《ブーン》という音を立ててお母さんは去っていった
「...はぁ...行くか...」
朝練かぁ先輩たちめんどくさそう...
「おはようございまーす」
「おはよう!綾乃ちゃん...ってその足どうしたの⁉」
「あはは...ちょっと転びまして...」
「ふぅ...」
あの後キャプテンに『今日はもういいから教室行きな!』と言われ教室に来た
と言ってもまだ時間が早いため生徒は誰一人としていない
「はぁ、暇...」
「じゃあ外で遊ぼ!」
「え⁉」
言葉に返事が来て驚き、振り向くと
「翼⁉」
幼馴染の天羽 翼がいた
「ん...ってお前!その足どうした!」
「あぁまぁ...いろいろあって...」
「聞かれたくないのか...っでも!お前!再来週の大会は⁉」
「...出れない...」
「治んのにどんなけかかんの?」
「...完全に癒合するのは早くても2、3ヶ月以降だって...」
「...」
「っでも!私はまだ1年だし来年も再来年もあるから!大丈夫!」
同情するような無言に耐え切れなくて思わずそんな言葉が出た
「...そうか...綾乃は強いな」
違う弱いホントは咄嗟に嘘が出るような嘘で塗り固められたような人間
「...うん...」
それでもやっぱり私の口から出るのは『嘘』
「じゃ!俺外行って来る!」
「うん...」
幼馴染にまで嘘つくなんて...
「やっぱり私は『ダメナコ』なんだ...」
すみません...
なんか即興で書いてたら恋愛にするつもりだったのに
ミステリアスな雰囲気になってきました...
君だけは絶対に諦めない
「...ごめん、ありがと...」
しばらく泣いて涙が止まった後そう言うと翼は軽く笑って
「うん」
と言った。
「今、何時だろ...?」
そう言いながらスマホを見るとちょうどいつも部活が終わる時間だった
「あ、もう帰ろっか」
「え、あ、もうこんな時間かうん、帰ろ!」
「もう、お母さん来てるかなー?」
たわいもない会話をしながら外に向かう
「そういえば、隣のクラスの千夏知ってる?」
「えっ!」
いきなり女の子の名前が出てきて動揺してしまった
あれ?なんで動揺したんだろう?
「知らない...」
返事をしなきゃと思い返事を返す
「そっか、で、その千夏ってやつ!すっげー可愛いんだよ!」
え、可愛い?その人のこと好きなの?
「男のくせに」
ということはいろいろ考えていて聞こえなかった
君だけは絶対に諦めない
翼side
突然だが俺は幼馴染の綾乃のことが好きだ
しかし、綾乃が俺に気持ちがないことは知っている
いつも、いつも、いつも、綾乃は部活が1番だったから
『付き合わなくても大丈夫、近くにいるだけでいい』
そう思ってたのにここ最近は、触れたい、そう思ってしまう
「翼?聞いてる?」
「ん?...あ、わり、聞いてなかった」
「そういえば、隣のクラスの千夏知ってる?」
「えっ!」
何か話をしなきゃ、そう思い何気なく話を振った
すると、なぜか綾乃が傷ついた顔をしていた
「知らない...」
「そっか、で、その千夏ってやつ!すっげー可愛いんだよ!」
「男のくせに」
最後に言葉を発した時には綾乃は上の空だった
初の翼の思考編(?)です!
君だけは絶対に諦めない
ファンレターを送ってくださった方、ありがとうございます!
ファンレターをいただいたのが初なので、すごく嬉しいです!
これからもよろしくお願いします!
翼side
突然だが俺は幼馴染の綾乃のことが好きだ
しかし、綾乃が俺に気持ちがないことは知っている
いつも、いつも、いつも、綾乃は部活が1番だったから
『付き合わなくても大丈夫、近くにいるだけでいい』
そう思ってたのにここ最近は、触れたい、そう思ってしまう
「翼?聞いてる?」
「ん?...あ、わり、聞いてなかった」
「そういえば、隣のクラスの千夏知ってる?」
「えっ!」
何か話をしなきゃ、そう思い何気なく話を振った
すると、なぜか綾乃が傷ついた顔をしていた
「知らない...」
「そっか、で、その千夏ってやつ!すっげー可愛いんだよ!」
「男のくせに」
最後に言葉を発した時には綾乃は上の空だった
初の翼の思考(?)です!
君だけは絶対に諦めない
side綾乃
「はぁ...」
骨折してある意味良かったかもと最近思い始めている。といっても理由がある。
今まで誰にも言ったことはなかったが私はバスケ部の同級生(主に美優)のいじめを受けている
なぜなら『翼と仲良くしているし、1年生なのにスタメンだから』理由を聞いた時そう言われた
翼は昔からモテていた。顔はいいほうだし性格も明るくて話しやすい
そんな翼と私なんかが仲良くしている。だから私はいじめられている
翼と縁を切ろうと悩んでいたことは何度もある
でも翼の隣にいて、翼の笑顔を見ているとそんなことはどうでもよくなってしまう
「綾乃ー!ご飯よー!」
自分の部屋でそんなことを考えているといつの間にご飯の時間になっていた
返事をしてリビングに行くとお母さんとお父さん、そして―
「綾乃、ただいま!」
1人暮らしをしている大学生のお姉ちゃん(綾華)がいた
「お姉ちゃん!お帰り!」
「綾乃!話したことがあるから、食べ終わったら綾乃の部屋行っていい?」
「もちろん!」
ご飯を食べ終わり、部屋でゴロゴロしているとドアから『コンコン』という音が聞こえた
お姉ちゃんが言っていたことを思い出しドアを開けるとやはりそこにはお姉ちゃんがいた
「入って!」
「うん、ありがと!」
お姉ちゃんはやっぱり私と違って美人だ
床に座りお姉ちゃんの顔を見てとそう思うと同時に美優に何度も言われたこと思い出す
『ブッサイクな顔wよく晒せるよね』
「綾乃?大丈夫?」
思い出し、またつらくなっているとお姉ちゃんが声をかけてくれた
「あ、うん...」
「なんかあった?話してみて?」
お姉ちゃんにならいいかと思い今までにあったことをすべて話す
「...私がいない間に、そんなことが...それ、お母さんたちは知ってるの?」
「ううん...知らない...」
「翼くんは?」
「言ってない...」
「翼君には言ったら?私だったら、大事な幼馴染が自分のことで悩んでるのは嫌だよ」
「うん、そうだね...言ってみようかな...」
早速、翼に電話をかけるとすぐに出た
『もしもし?』
「あー、今暇だったりする?」
『暇!』
「じゃあ、ちょっと今から家来れる?」
そう言うと携帯から『ガタッ』という音が聞こえると同時に
『ウェ⁉』
と聞こえた
「来ない?」
『い、行く!』
「ん、待ってる」
そう返事をして電話を切った
君だけは絶対に諦めない
綾華side
「はぁ...はぁっ...はぁ...お待、たせ...!って」
「おっ!早かったね!」
「綺華ちゃん⁉」
「ふふっごめんねー」
「な!何が⁉」
この2人まだ付き合ってないのか
この2人を見るとそう思い顔がニヤける
「で、話ってなに?」
と翼君が言った瞬間綾乃の顔が曇るのがわかる
本人が自覚しているかはわからないがあからさまだ。
さっき話を聞いた時も苦しそうだった
というか今更だが、綾乃の足のケガって...
後で聞くか...
「綾乃、私から話そうか?」
綾乃のフォローをしなくては、と思いそう聞くと
「...私から言う」
と首を振ってこたえた
「えっと、実は―」
「そう、か...なんで今まで言ってくれなかったんだよ!」
「...ごめん、こんなこと言われても、困ると思って...」
「!なわけないだろ⁉っていうか、その足って...」
「...うん...」
やっぱり、そいつらにやられたのか...
ケガまでさせるとか...頭沸いてんなぁ
「明日、学校行っていい?」
「へっ...?」
思わず自分でも驚くような低い声が出ていた
「いい、けど...ヤンキー出さないでね?」
「それは...わかんないかな...相手の~態度次第?っていうか~」
「はぁ、まあほどほどにね」
「頑張る―」
「はぁ...」
お姉ちゃんは伝説の元ヤンです!
君だけは絶対に諦めない
私の話でうやむやになっていたがお姉ちゃんの話を忘れていたことに気づき、
話を振ろうとするとお姉ちゃんが思い出したのか、声を上げた
「あっ!話すの忘れてた!」
「そういえば!確かに!」
「あー...俺、帰ろうか?」
そう、翼が言うとニヤニヤした様子でお姉ちゃんが答えた
「泊って!」
家が隣なのに?と思うと
「え?いや、家となりだし...」
翼も同じことを思ったのかそう言った
「泊って!」
「いや帰―」
「ん?」
「いやそんな帰―」
「んー?」
「...泊ります」
譲る気のないお姉ちゃんに翼も諦めたのかそう言った
「よかった!じゃあ、家客用の布団ないし、綾乃と寝てね!」
「「え⁉」」
しばらく投稿止まるかもです...
君だけは絶対に諦めない
だいぶたちましたが...
あけましておめでとうございます!
今年もよろしくお願いします!
翼side
「ねー翼!綾乃ちゃんの連絡先、教えて!」
「無理」
こう言っているのは俺の友達、千夏
ショートの髪に可愛い顔立ち、言われなくてはわからないが一応男だ
そんな千夏は、俺の幼馴染みの綾乃のことを好いているらしくことあるごとに連絡先を教えろと言ってくる
しかし、千夏には言ったことないが俺も綾乃のことを好いているため、教えない
「なんでー!教えて!」
「無理」
「もういいもん!直接聞くから!」
「ダメ!」
そう返したが、俺は内心焦っていた
「えー!」
『キーンコーンカーンコーンキーンコーンカーンコーン』
チャイムが鳴り、渋々といった様子で自分の教室に帰っていった
前に少しだけ出ていた千夏くんのお話です!
君だけは絶対に諦めない
後編です!
side千夏
「おーどうだった?」
「ダメだった~!」
「ん、乙~」
このうざいのは同じクラスの友達、駿
「そこまで好き?」
「...うん」
正直もう諦めかけている
俺は翼が綾乃ちゃんのことを好きなのを知っている
翼に勝てる気がしないと言うのが本音だ
「ふーん...直接聞けば?」
「うーん...そうするべき~?」
「まあそうでもしなきゃ一生接点ねぇよな」
「う~ん、...次の放課後行ってくる!」
「いてらー」
「着いてきて~!」
「むーりー」
「ねぇ!お願い!」
「...今日、放課後俺ん家な」
「え?」
駿の口から出た言葉に空いた口が塞がらない
なぜならいつも注文されるものとはあまりにも違うからだ
「そんなのでいいの?」
「ああ、そんなのならいいよな?」
「まぁ、いいけど」
「緊張してきた...」
「ん、早く済ませろ」
「冷たいな~」
「千夏!どーかした?」
綾乃ちゃんと翼のクラスの前でそんな会話をしていると翼に声をかけられた
「あー、いやその!」
「?」
「翼!いこ!」
翼と話していると
綾乃ちゃんが教室から出てきた
「あ、ごめん!話してた?」
「いえ!大丈夫です!」
「そーですか?」
「はい!」
「じゃ!帰ろ!」
「...あの!連絡先を交換してもらえませんか...?」
「ん?」
「あ、その、連絡先を交換してもらえませんか、」
「いいよ!」
「まだ?」
いいよ!と即答してもらえて舞い上がっていると駿がそう言って入ってきた
「...あれ?駿くん?」
「ん、そーだけど話したことあった?」
「あ、いや、ないけど...有名人だし、ね」
「ゆーめーじん?俺一般人だけど」
「あ、そういうことじゃなくてモテてるからさ、」
悔しい、思わずそう思ってしまう
「へー」
「あの、」
「あ!忘れてた、ごめん!はい!これ!」
綾乃ちゃんに声をかけるとそう返され少しショックを受ける
しかし、交換できたからよしとする
「あれ?千夏...?」
そう言って俺の方をバッと見た綾乃ちゃんに驚いていると翼が綾乃ちゃんに声をかけて帰っていった
終わりまーす!
君だけは絶対に諦めない
今回は本編です!
翼side
「よかった!じゃあ、家客用の布団ないし、綾乃と寝てね!」
「「え!?」」
綾華ちゃんの口から出た言葉に空いた口が塞がらなかった
綾華ちゃんの言動からして、俺が綾乃のことを好きなことがバレているはずだ
協力してもらえるのはうれしいがここまで分かりやすくやられると綾乃にバレないかが怖い
でも、こうなった以上綾乃と寝ることになるのは確かだ
仕方がない一緒に寝るか...と思い、綾乃の方を向くと、綾乃の顔が真っ赤に染まっていた
「え...」
その様子に思わず声が出た