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目次
美門翼の憂鬱
KZ読んだことありますか?
俺は|美門翼《みかどたすく》。
開成に通う中学生。
そんな俺には、悩みがある。
KZ、というチームに一人だけの女子、立花彩。
俺はその子に、恋をしている。
と言っても彼女は鈍感&天然なので、こちらの気持ちには気づいてくれない。
まだ彼女がいると思ってるし。
ほんと、何なんだよ……
最近上杉ともいい雰囲気だし
若武…は別にそうでもないけど時々ときめいてるよね?
黒木は…落とそうとしてるでしょ。絶対。
七鬼は天然だからないか。
小塚も絶対好きでしょ。
「上杉さぁ……ほんと、大人しく譲ってくれよ……」
声に出したその名前は、風に乗って消えていった。
|あの爆発《・・・・》のときの言葉も言えていない。
俺の憂鬱は、いつまで続くのだろうか…………
効きすぎる鼻を擦りつつ、俺は帰路についた。
頑張れ翼。
推し様よ。
星が煌めく夜に
自主企画用です〜
星が煌めく、夜になったら。
君に会いにいく。
私はその言葉を信じて待っている。
大好きな、あのひとを。
---
私が住んでいた街は、山が沢山あって、星が綺麗に見える場所だった。
私は友達がいなくて根暗だったから、いつも夜は家を抜け出して星を眺めていた。
星を見ていると、なんだか心が洗われる感じがするから。
だから私は、夜の一人時間が大好きだった。
大好きだったのに…………
ある日、いつもどおりに家を抜け出し、山に行ったら。
知らない人がいた。
『透明』を彷彿とさせるひとだった。
男の子だった。
途端に陰キャ感が出てしまい、私は後退りしながら逃げ出そうとした。
その時だった。
「逃げなくてもいいよ。」
綺麗な綺麗な、星が転がるような声だった。
「ぇ……ぁ…」
こっちを向いた人は、目が|藍色《・・》だった。
いや、どちらかというとラピスラズリみたいな色。
すごく綺麗で
美しかった
夜の暗さだと分かりにくいけど、確かに輝きを放っていた。
「わぁ…きれいな目…」
「ありがとう…君も綺麗だよ。」
そう……私も目の色が他とは違う、蒼色だった。
この色のせいでいじめられてきた。
だから、色が目立たない夜が好きだった。
「この目…嫌いなの。変な色。」
「僕も嫌いなんだ。夜は色が目立たないから好き。」
「わ…私も!」
見事に理由まで同じ。
すぐに意気投合して、毎晩会うようになった。
それが、2ヶ月ぐらい続いたころだったろうか。
君が、好きになっていた。
もともと叶わない恋だってわかってる。
だけど、好きでいたかった。
でも。
あれから4ヶ月後。
君は、いなくなった。
いつものように山に来た私を嘲笑うように、山には冷たい風が吹いていた。
置き手紙があった。
『星が煌めく夜になったら、君に会いにいく』
名前も知らない、男の子。
じわっと私の目には涙が浮かんで、ぼたりと地面に落ちた。
「嫌だよ…なんで、なんで……」
---
あれから3年。
まだ君は表れてくれてないね。
でも待ってるから。
だから私に、会いに来てね。
夜というより星になってしまった(汗)
呪術廻戦
思いついたから書いてみた.ᐟ.ᐟ
アニメ第一期ごろを舞台にしました。
こんにちは!役立たず三輪です!
自分で役立たずと言いつつも、『まぁそこまででもないっしょ?』と思っていました。
でも特級呪霊の襲撃でみんなが命懸けで戦っている中、爆睡ちゃんをかましてしまい肩身が狭いです。
あと私の刀折ったの誰ですか?真依のお姉ちゃん?(真希のこと)
---
こんなこともあったなー。
「メカ丸ー!」
「…なんだ?三輪。」
「義理ですが…こういうのが好きと聞きました!」
「…………俺はそういうのではナイ。」
「え⁉だって真依が…ってあ‼‼」
見ると真依と桃が爆笑している。
「ちょっと2人ともーーー‼」
きゃーきゃー言いながら逃げる、追いかける。
楽しい私達の日常だった。
そんな三輪を、メカ丸が眩しそうに見つめているのに気づいた人は、誰も居なかった。
『三輪…』
ぽろり、メカ丸の本音が漏れた。
---
みなさん!
真依を捕まえた私からのお知らせです‼
(桃は飛んでいったから…)
刀、直りました!
---
「ピッチングマシンが代理だったんだよ?笑」
「いつかきっと、会いにいくからね!」
「……?メカ丸?」
「寝ちゃったのかな?これ置いてくるね!」
メカ丸からの返事はない。
それが、私とメカ丸の、最後の会話だった。
もっと話せばよかった。
内通者だって、言ってもらえるぐらい信用されたかった。
いくら泣いたって戻ってこない。
大切な仲間だった。
それ以上かもしれなかった。
大切なひとだった。
それなのに――
泣いても泣いても涙が溢れてゆく。
メカ丸…………
多分もう少しだから。
今度は違う意味で、この言葉を届けるよ。
『いつかきっと、会いにいくからね。』
〜与幸吉side〜
三輪…?
いま確かに、声がした。
『いつかきっと、会いにいくからね。』
ふっと笑ってしまう。
駄目だ、三輪。
『まだこっちに来ちゃ駄目だ。弟もいるだろ?』
〜与幸吉side終了〜
え…
メカ丸?
『まだこっちに来ちゃ駄目だ。弟もいるだろ?』
駄目だよ……涙を抑えられない。
私の堤防を越えて涙が溢れる。
メカ丸…ありがとう。
皆のために、私は戦います。
ありがとう、メカ丸。
下手…
いつもアニメを見ると、『いつかきっと、会いにいくからね!』で泣きます……
秋の独り言。
自主企画用です。
お題に沿ってなかったらすみません…
秋が、好きだった。
全てを流してくれるような、爽やかな風が好きだった。
認めて、くれたから。
---
3年前。
私には好きな人が居た。
本当に好きで、もうその人しか居ないと思ってた。
でも違った。
幾らこっちが好意を寄せても、相手は違う。
告白して、散った。
『ごめん。』
そう言われた瞬間に、目の前が真っ暗になった。
この世の色が、全て全て褪せた。
全てに興味が無くなった。
それから感情が抜け落ちた。
ただの人形と、さして変わらないようなものだったと思う。
そんなんだから。
友達も居なくなった。
私は独りになった。
---
孤独。
嫉妬。
絶望。
孤独。
どす黒い感情が、私を支配した。
そんな、最悪な時だった。
私を救い出してくれた季節が来たのは。
自分でも、単純だなとは思う。
いとも簡単に、心が動いた。
---
教室に、居た。
放課後の教室。
夕焼けの、空を見ていた。
綺麗だな、と感じた。
正直、驚いてしまった。
まだ、感じられるんだ。
思えるんだ、と。
屋上に移動した。
別に深い意味とかはないけど。
屋上の扉を開けたら。
涼しい爽やかな、秋の風が吹いていた。
寒くもなくて暑くもない。
絶妙な温度。
私のどす黒い全ての感情を流しだし、新しい明るい感情を送ってくれた。
初めて認められた。
『私』がここに居ていいって、言われた気がした。
たまらず私は泣き出してしまった。
ぐちゃぐちゃな顔で泣き叫んで、すっきりしたのを覚えてる。
実はそんな私を見ている人が居て。
後日、嬉しい知らせもあったんだ。
私の全てを変えてくれた秋が好き。
「ありがとう。」
これは、私だけの、
--- 秋の独り言。 ---
また1つ、駄作を生み出してしまった……
聖夜の奇跡。
読み切り小説です。
楽しんでくださいね。
聖夜の日。
どうか、奇跡を―――
---
|夜櫻柊《よざくらしゅう》。
私の大嫌いで、大好きな人。
君を思い続けて、何年経ったかな。
君は気付かない。
私の気持ちに。
だから大嫌い。
運動している時に、こっちを見て笑うところとか。
勉強中、暇そうにしている顔とか。
大好き。
特別だと思ってた。
一番話すのは、私だと思ってた。
君は『クールイケメン』と表現されることが多いもんね。
女子には興味がないのかもしれない。
今日はサッカーをしに校庭に行った。
珍しく積極的だったよね
そんなことを考えながら、君がいる窓の外を見る。
ここは1階だから、至近距離で見えるんだ。
少し不貞腐れ気味に窓の外を睨んだ私を、君は一瞬で落とす。
目線を合わせて、綺麗な顔で笑うんだ。
「!……くっそ、柊…」
もうどうしようもないくらいに好き。
なんだか悔しくて、大好きな君に吐く言葉。
--- 大好き ---
なんで気づいてくれないの
いっそ好きじゃなくなればいいのかな
無理だってことは分かってる。
素直になれない私。
勇気が欲しい。
今日は12月18日。
そうだ、クリスマス。
誘ってみようかな……
「あの、柊、えと、あの、」
緊張して上手く舌が回らない。
ぽん。
私の頭に、優しく手が置かれた。
駄目
好きになるのを止められない
「ゆっくりでいいから。ちゃんと聞くから。」
「…私、クリスマス柊と一緒に過ごしたい。」
「駄目、かな……」
恥ずかしくて目を逸らしてしまう。
「っ……」
「うん。いいよ。」
「いいの⁉ほんとに⁉」
「ほんとだよ。ほんとにほんと。」
「だってほら、痛いでしょ?」
そう言って私の頰を優しく抓る。
「っ、//」
恥ずかしくて、全然痛くない。
そこも、多分真っ赤に染まっているだろう。
「夢じゃ、ないんだ……、ありがとう!」
ばいばい、とその場で別れる。
夢じゃ、ないんだ…
さっきのことを思い出す。
駄目だよ
私以外にあんなことしたら、駄目だから
だから―――
---
聖夜の日。
どうか、奇跡を―――
---
待ち合わせの、巨大ツリーの下。
ひらひら舞い落ちる、雪。
今日は、ホワイトクリスマスだ。
勇気を下さい。
少し悴む、手。
「ごめんね、待った?」
「全然待ってないよ。大丈夫。」
凛とした綺麗な声も。
私だけのものにしたい。
欲張りかな……?
行こうと言っていた、イルミネーション。
雪が重なって、とても幻想的。
「わぁ…綺麗、、」
「ほんと、綺麗だね、」
少し見とれていると、手が寒くなってきた。
家に手袋を忘れてきちゃって。
そんな私の手に、温かい柊の手が触れた。
「この手袋、使う?」
「っ…………」
もう無理
抑えらんない
『好き』という、この感情を。
「柊、私、私…」
『ずっと好きでした』
「っ…」
「僕も、だった。」
「!本当に、、、、?」
「本当だよ」
そう言って、柊は。
私に優しい優しい、キスをした。
---
聖夜の日は。
何かが起こる。
ホワイトクリスマスの、奇跡。
メリークリスマス。
X’masネタは少し早いかもしれませんが、期待が高まるように、この小説を送ります。
先生、好きです。
リア友からのリクエスト!
私は杏奈。高校3年生。
教師の|零《れい》さんに、恋をしてしまった。
教師と生徒。
越えられない壁。
絶対に無理だって分かってるけど、この気持ちだけどんどん成長してしまう。
---
春、始業式。
「今日からこのクラスの担任になる、田辺零です――」
爽やかな挨拶、綺麗な笑顔。
私は心を奪われてしまった。
私は18歳、零さんは24歳。
年の差はそんなにない…と思う。
けどまぁ、無理だよね。
---
夏、夏休み。
お祭りに行ったら零さんが居て、Tシャツというとてもとても珍しい姿を崇めることができた。
(もちろん写真撮ったよ)
---
秋。
私は卒業までに、思いを伝えると決めていた。
決行日はもうすぐ。
---
冬、クリスマス。
友達とクリスマスツリーがある、ここ一帯で有名なところに行く。
零さんが居た。
「あ、先生〜……」
零さんは、女の人と一緒に居た。
誰だろう、あの人。
お姉さん?違う
妹さん?違う
彼女さん?
違う違う違う違う
でも手は恋人つなぎ
あ…あはは、彼女さんだ……
彼女さんは可愛らしい、お人形さんのような人。
零さんにとてもお似合いだった。
私なんかとは全然違う人だった。
私の恋は、告白する前に壊れてしまいました。
リア友へ
短くてごめんね
ハッピーエンドも今度出すね
先生、好きです。
Happy Endバージョンです。
楽しんでくださいね〜!
先生、私、好きなんです。
---
私は杏奈。高校3年生。
教師の|零《れい》さんに、恋をしてしまった。
教師と生徒。
越えられない壁。
絶対に無理だって分かってるけど、この気持ちだけどんどん成長してしまう。
---
春、始業式。
「今日からこのクラスの担任になる、田辺零です――」
爽やかな挨拶、綺麗な笑顔。
私は心を奪われてしまった。
私は18歳、先生は24歳。
年の差はそんなにない…と思う。
けどまぁ、無理だよね。
---
夏、夏休み。
お祭りに行ったら先生が居て、Tシャツというとてもとても珍しい姿を崇めることができた。
(もちろん写真撮ったよ)
そのときは、生徒の見回りに来ていたんだって。
私は話しかけられなかったけどね……
---
秋。修学旅行。
楽しい思い出、ときめく気持ち。
綺麗な紅葉を見て、気分も高揚、なんちゃって。
でも気持ちは本当だよ。
私は卒業までに、思いを伝えると決めていた。
決行日はもうすぐ。
---
冬。
冬休みを楽しく過ごし、ついに卒業間近。
ついに卒業の日が来た。
卒業式が無事に終わり、先生の元へ急ぐ。
どこですか、先生――っ
---
「い、居た‼」
「⁉⁉え?ん?杏奈さん⁉」
「どうしたんですか⁉」
先生は、教室に残っていた。
「先生、あの…」
「ゆっくりでいいですよ、ちゃんと聞きますから。」
っ……
「好き、なんです。」
「先生のこと、好きなんです。」
「ありがとうございます。杏奈さん。」
「こんな僕で良ければ……一緒に居たいです。//」
自分で行ったくせに照れちゃうなんて。
どこまで可愛くてかっこいい人なのかな。
でも嬉しいよ、《《零さん》》。
「よろしく、お願いします!」
勢いあまって抱きついてしまったけど、いいよね?
零さんの照れ顔が見れたし、ね?
---
こうして私達は、彼氏彼女の関係になれたのだった。
今でも夢みたいだけど、本当だって教えてくれる人が居るから。
これからもよろしくね、零さん。
リア友へ
バッドエンドとどっちが好き?
煌めき
あの子は何でも持っている。
全部、全部。
悔しいという言葉が浮かばないほどに。
いいなぁ。
真面目に授業を受けても、学年一位は絶対あの子。
努力してもモテるのもあの子。
私は私の持っているものを生かせばいい。
分かっているけど‥でも。
可愛いあの子が、気にいらないんだ。
実は曲パロ。
この曲いいですよね
𝓦𝓱𝓲𝓽𝓮 𝓒𝓱𝓻𝓲𝓼𝓽𝓶𝓪𝓼
X'mas読み切りです。
12月25日。
奇跡が起こる、ある夜のこと。
---
私はクリス。
今日は25日、クリスマス!
折角だからあなたに、この街のことを教えるね。
この街は不思議な街なの。
だってね、魔女が居るんだよ?
限られた人間だけだけど、魔女になれる子がいるの。
私もそのうちの一人。
仕事はないけど、目標はある。
私の目標は、『みんなを笑顔にすること』!
ね、素敵でしょ?
そのために私は今日も、ほうきで色々なところを飛び回ってる。
少しでも多くの人に、クリスマスの幸せを届けたいから。
---
そうやって少し回っていると、ある女の子が居た。
泣いていたから、気になってしまって。
「どうしたの?」
「…グスッ, ままと、はぐれちゃったの…っ」
「そっかぁ………じゃあ、一緒に探そうよ!」
「《《空の上》》から!」
「え…?お空…?」
「ええ。さぁ、乗って!」
そうして私は、マリーという少女と一緒に、ほうきで空を飛ぶ。
「わぁぁ、すごいすごい!まちがちいさくみえるね!」
「でしょ?」
この時間の街はイルミネーションが光っていて、まるで宝石箱のよう。
「さぁマリー、ママを探して!」
「うん!」
そうして、5分ほど飛んでいると―――
「あ!まま!」
「居たの⁉ よーし待ってて、今向かうわ!」
ギューンと急降下して、マリーのママらしき人の前へ。
「ままぁーー!」
「マリー⁉探したのよ‥っ」
「このおねえちゃんがたすけてくれたの!」
「まぁ…ありがとうございました。本当に…」
「いえいえ!いいんですよ!楽しいクリスマスを、過ごしてくださいね!」
深々と頭を下げる、マリーのママに手を降って私は見回りに戻った。
---
こんな風に私は、少しでも笑顔を届けられるように頑張っている。
それが誰だったとしても手を差し伸べるのは、魔女の大切な仕事。
そんなことを考えながら私は、家に戻った。
---
「ただいま〜」
「おかえり、クリス。」
家に帰るとおばあちゃんが居た。
そこで私は、たくさんお話をする。
何があったか、何ができたか。
おばあちゃんも同じ魔女だから、楽しそうに、うんうんと聞いてくれる。
私はこの時間が大好きだった。
---
一通り話が終わったあと。
「さてクリス。そろそろ時間だよ。」
「そうだねおばあちゃん。行こうか。」
私の、クリスマスで一番重要な仕事。
それは、
「見てママ!雪だよ!」
「ほんとね!」
"雪を降らせる"こと!
皆の笑顔が咲く。
それを上から眺めるのが、私にとって何よりの幸せなんだ。
大好きな街のみんなが笑う、その光景が大好き。
本当に、輝く宝石箱のよう。
幸せだ―――
幸せを噛み締め、私はしばらくその場に浮いていた。
---
「あぁ~~~~~~、楽しかった〜!」
にこにこと笑うおばあちゃん。
私は今、とっても"幸せ"!
---
聖夜の夜は、何かが起こる。
どこかにある、魔女が住む不思議な街。
それは、あなたの街かもね。
クリスマスの夜……
ほら、雪が降る。
メリークリスマス。
貴方に幸せを。
この主人公の名前は、『クリスマス』から取ったのではなく『クリストキント』から取らせていただきました。
気づいた方はいらっしゃるでしょうか…
ちなみに1460文字ぴったりでした🙌🏻
聖夜の日、貴方に幸せが訪れますように―――
おつ星☆彡
謎解
簡単な謎解きです。
僕には彼女が居る。
今日、その彼女からのメールが届いた。
メールの内容は、
---
星
アイス
ネパール
死
象
ケーキ
うどん
ご飯
象
ネパール
アスパラガス
アイス
?
---
意味がわかった僕は、屋上から身を投げた。
分かった方はファンレターで教えてください。
スノードロップが咲く時
あれは確か、4月のこと。
桜が咲き乱れる季節に、君は。
言ってほしくなかった言葉を、言っている。
---
3月1日。
今日も、スノードロップが綺麗に咲いている。
横目で自分の家の庭を見ながら、急ぎ足で学校へ向かう。
私の中学校は規則に五月蝿いから、余計足に焦りが伝わる。
その中で、私の瞳に写ったのは。
忘れもしない、君の姿。
幻覚だろうか。
だってあの日、君は確かに《《死んだはず》》。
その事実に、泣いて泣いて自分が壊れそうになった。
だからこれ以上は、もう
君がこっちを見て笑っている。
なんでそんな顔ができるの?
私は我慢できなくなって、その場を走り去った。
---
2月6日、君の誕生日。
私は君に、スノードロップの花を渡した。
自分の庭に咲いていたから。
君はとても喜んでいたよね。
きっとあのときから、歯車は狂っていたんだ。
私は君の誕生日会が終わってから、すぐに帰った。
宿題がまだ終わっていなかったという、単純な理由で。
でも君は、君は
その後海で、流された。
警察が恐らく自殺だろう、と言っていたがどうにも信じられなかった。
あんな笑顔で、数時間前一緒に居たのに。
それなのに君は。
---
3月29日。
ああ、なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで
君は、なんで私の前に姿を現すの?
もうこれ以上は。
私が壊れてしまう。
---
私は4月になっても咲き続ける、君に送ったスノードロップを眺めている。
その奥には、笑顔の君がいる。
まさか、まさか
そんなはずがない
だって君は、あの日
君は笑顔で、口を開く。
「また会えたね」
さて、この物語に隠された真実とは⁉
違和感を探してみてください
また明日
私は桜。中学3年生。
そんな私には大事な人がいて。
名前は蓮。
そんな蓮と私は幼馴染で、私は蓮のことが好きだった。
言葉にできないまま時が経ち、今ではもう7年間もの片思いを続けている。
いつか、いつかこの気持ちを伝えたい。
明日こそは、と今日も呟く私は、後の悲劇をまだ知らなくて――
---
翌朝。
悲劇が、起こった日。
蓮から、ある一言が発せられた。
「実は俺さ、寿命が後3ヶ月なんだ。」
え‥‥‥?
嘘だよね、冗談だよね?
「本当なの…?」
「ああ。」
「嫌だよ…」
私の口から溢れるのは、そんなありきたりな言葉ばかりで。
悲しそうに目を伏せる蓮に、かけられる言葉は何もなかった。
そんな私に、何も言葉はいらないと思ったのだろう。
「また明日。」
と言って、蓮は去っていった。
家に帰って、ぐちゃぐちゃになった気持ちが溢れ出す。
もっと一緒に居たかった。
好きですって、気持ちを伝えたかった。
遊んだりしたかった。
打つのが遅くてもどかしいメッセージのやり取りも好きで。
いろんな瞬間を、一緒に経験したかった。
手だって繋いでみたかった。
その冷たそうな手から溢れ出すのは、どんな感情なんだろう。
涙で滲む視界に、映るのは。
今も昔も、君ひとり。
---
次の日、土曜日。
私は失望感に苛まれながらも、蓮に会いに行った。
だって、会わないと、会わないと。
蓮がどこかに行ってしまうような気がして…
「おはよう、桜。」
この一言で、私の涙腺が緩んでしまう。
駄目だなぁ、私。
それでも、なんとか言葉を絞り出す。
「お、おはよう蓮。
体調とか、大丈夫なの?」
「うん。なんか色々分からないことが多い病気らしくて。」
寿命は分かるくせにね、と蓮は物悲しげに微笑んだ。
儚い姿はまるで―――そう、冬に舞う、仄かな淡雪のようだった。
やめて。
そんな顔しないでよ。
ぐしゃり、と顔を崩して。
蓮の手を、強く握る。
絶対に、離さないよって、示すように。
「え、桜…?」
戸惑ったような蓮の声。
もう駄目、
--- 好きです。 ---
貴方が、どうしようもなく。
ただ一緒に居たいのが、貴方なの。
だから、だから。
「私、蓮のことが好き…」
ぽろっと、私の7年間の思いが告げられる。
涙の炭酸が弾ける時、私は何を思ったのか。
あの時は、蓮の返事しか覚えていない。
蓮が、真っ赤に染まった顔を近づけながら私に言ったのは。
囁くような『俺も』という言葉だった。
---
その夜の月はとても綺麗だった。
月を眺めながら私は “ 夜が過ぎていく “ ことへの恐怖へ慄いていた。
ああ、私はあと、何回蓮と話ができるのかな。
もしも、神様が居るのなら。
どうかどうか、
--- 蓮を私から、離さないでください ---
煌々とした輝きを放つ月に、私は密かに願ったのだった。
---
それからの私達は、時間という時間が憎らしくなるほど遊んだ。
カフェにも行ってみたし、カラオケで思いっきり歌ってみたりした。
プラネタリウムで寝てしまった私を、君が起こしてくれたのも思い出。
クリスマスも一緒に過ごした。
彼氏彼女という関係の、最初で最後のクリスマス。
別れ際、神様は何を思ったのか、、雪が降り始めた。
「珍しいな、雪じゃん。」
「そうだね!ホワイトクリスマス!」
「……俺は、後何回見れるのかな。」
寂しげな君の横顔。
「‥‥‥‥‥‥来年。来年も一緒に見よう。絶対、絶対!」
ぽろっと、取ってつけたような約束が溢れる。
それは私自身が満足するためだったのかもしれないけど。
「桜は優しいな。
わかった、来年な。」
じゃあ、また明日。と言って、君はその場を立ち去った。
そうしてる間にも、君の “ 残り時間 “ を、時計は残酷に奪っていく。
一緒に過ごすたび、離れたくないという気持ちが強まる。
ねぇ、あとどのくらい、君は私の名前を呼んでくれるのかな。
---
そうやって過ごすうちに、気づけば蓮の寿命はあと一週間……
いよいよ病状が悪化したらしく、蓮は入院生活を送っている。
もっと一緒に居たいのに。
3ヶ月なんて全然足りない。
もう自分が暴走しそうで、蓮に迷惑をかける気がして。
私はどうすればいいのかな。
そう思いながらも、私は病室へと向かう。
「蓮、おはよう。」
「おはよう、桜。元気?」
低めの、耳に優しい声。
「昨日会ったじゃん、私は元気だよ。
それより、蓮が……」
震えている、私の声。
あと2日で、蓮の声が聞けなくなってしまう。
儚く脆い、一瞬の美しさを保つ桜のように。
私の恋も散るのかな。
(未来は、考えたくない)
ゆるゆると首を横に振り、あふれる涙を堪える。
「桜…?」
泣いている私を不思議に思ったのか、蓮が私の名前を呼ぶ。
「蓮、蓮っ…!!」
どこにも行かないでって、蓮を抱きしめる。
抑えきれなくなった感情を。
貴方とはんぶんこしたいんです。
そんな私達を、桜のつぼみが優しく見守っている。
いっそ、残酷なほどに。
---
「あと、1日かぁ…なんか実感湧かないな。」
くしゃっと犬みたいに笑う蓮。
でも、私は知っているよ。
右眉が少し下がる時は、強がってるときの笑顔。
私のこと、笑わせようとしてくれてるんでしょ?
視界が滲む。
それでも、砂時計は止まらない。
刻一刻と、蓮の時間は短くなっていく。
『最後』という言葉が、嫌でも私の脳を駆ける。
「ねぇ、蓮。」
「ん?どうした?」
「蓮はさ、彼女が私で‥‥‥‥一緒に過ごすのが私で、よかった?」
泣き笑いのような顔をしながらでごめんね。
こうでもしないと、私が壊れそうだから。
「っ‥‥‥‥‥‥‥ 他に誰が居るんだよ」
いつだって君は、私が一番欲しい言葉をくれるよね
「ありがとう、蓮。大好き。」
「俺も、桜のこと好きだよ。大好きだ。」
それを最後に、蓮は。
私の腕の中で――動かなくなっていた。
綺麗で儚い、花のように。
美しい笑顔で。
最期まで君は、私を恋に落とすんだね。
---
後日、担当していた看護師さんから、手紙を渡された。
「おそらく桜さん宛だと思うのですが…」
話を聞くと、病院の引き出しから見つかったそうだ。
「ありがとうございます、開けてみますね。」
蓮が、私に手紙?
どうしたんだろう…?
そう思って私は、手紙の封を切った。
---
桜へ。
手紙なんて初めてだな、笑
何書けばいいのかわかんないな…
だから、思い出と俺の気持ちを書きます。
初めて会った時、桜めちゃくちゃびびってたよね。
あの時から、実は桜のことが好きだった。
多分これ見て、「嘘!?」とか言ってるんじゃないかな…想像できる…
でも多分、俺が本格的に恋に落ちたのは一緒に花見に行った時。
あのときの桜の表情が本当に綺麗で、可愛くて。
思い出をくれて、ありがとう桜。
桜が告白してくれた時は、本当にびっくりしたし嬉しかった。
俺からするつもりだったんだけどな〜、先、越されたみたいだな。
今更そんなこと言っても、桜を悲しませるだけだろうからやめとくよ。
そんな桜は、自分をしっかり持っていて、周りを見ることが出来て、優しくて明るくて、いつも笑顔で居てくれた。
俺には勿体ないくらいの人だよ。
だから、俺のことは気にしないで、新しく好きな人を見つけて幸せになってな。
桜だったら、すぐ恋人ができるよ。
本当は、俺がもっと『また明日。』って言ってあげたかったけど、それも無理そうだから。
咲いている桜は綺麗だけど、散った花弁はそうじゃない。
俺はもう散ったから、だから。
どうか幸せに暮らしてな、桜。
蓮より。
---
その手紙に、涙の雫が落ちる。
最期の最期まで、私のことを。
優しい蓮らしい手紙だった。
「蓮以上に好きになれる人なんて、いないよ‥‥」
私の呟きは、風に流されるように小さくなって。
でもね蓮、一つだけ約束、守れないみたい。
私が生涯恋をするのは、君だけだから。
笑顔の蓮が、頭に浮かんだ。
---
それから毎年、蕾が実る時期。
私は桃色の花たちを見るたび、そこに蓮の面影を探す。
今度は私が、「また明日。」の約束をする番。
桜の花弁に向かって、私は。
「じゃあね、また明日。」
と囁くの。
--- 風に乗って、蓮の声と姿が浮かんでくるようだった。 ---
3493文字…
まっしろな私は
紙晴さんの自主企画参加用です。
私は昔から、"まっしろ"だった。
肌の色とかじゃなくて。
私の肌の色は綺麗じゃないし。
まっしろっていうのは、中身と外見と特徴のことで。
私は平凡な人間だった。
平凡すぎた。
運動神経は中の下。
頭も良くない。
顔面偏差値も下の下。
なにも取り柄がなくて、特出した才能なんて何もない。
そんな私のことを、母はとても嫌っていた。
父は早くに事故で他界している。
兄弟は居なくて、家は完全に母の支配下だった。
ガシャン、とガラスの割れる音がする。
酔っ払った母が、リビングに居る。
衣服に染み付いたタバコの臭い。
私がとても嫌いな臭い。
「皿洗っとけって言ったでしょ!?何考えてるの!?」
「私が食べられないじゃない!!」
自己中。
ふざけるな。
なんで私が。
母に対する、様々な感情。
そんな感情を、吐き出せるはずもなく。
「…はい……すみませんでした…」
「何も取り柄がないんだから、これぐらい当然よね。」
そう言って、母は自室に入っていた。
ぼーっと皿洗いをしながら考える。
なんで、こうなってしまったのだろう。
なんで、私は平凡なんだろう。
だんだん、だんだんあたまがまっしろになっていく。
なんで、わたしは。
なんで、
なんで
なんで
なんで
こんなにもまっしろなんだろう。
なにかあれば、さいのうがあればあいされたのかな
みんなにたいせつにされたのかな
いまさらこうかいしてもおそいけれど
願わずには居られない。
私に、なにか色があったらいいのに。
その願いは、私のまっしろな心に染み付いて。
じわじわと汚染するようだった。
ひとりぼっちなんて、
こんな世界、なくなってしまえばいいのに。
なんて、無理に決まってるけど……
どうしても、願わずには居られない。
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「あ、おはよう〜」
「おはよう」
「はよー」
「はよー」
「ねぇねぇ、昨日のテレビさ―」
「あ、新刊買った?」
こうやって、世界は楽しそうに回るんだ。
私一人を、除いて。
みんなそれぞれ、『友達』がいる。
私は、いない。
自分から話しかけない私も私だ。
でも――
見せしめのように、こうやってぽつんと立っている私。
みんな、見て見ぬふりをして離れていく。
「なんで、こうなっちゃったのかなぁ、」
はは、と乾いた笑いが口から飛び出た。
初めから、分かっていたつもりだった。
転校してきた人間が、地味だったら。
ダサかったら。
つまらなかったら。
暗かったら。
どうなるかなんて、最初から決まっている。
嗚呼、こんな私なんて
消えてしまえばいいのにね
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だってそうでしょう?
貴方が私を虐めたんでしょ?
ねぇ、答えてよ。
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初めこそ、仲良くできてた。
笑顔でいられた。
でも、その子が私を陰で笑ってるって知った。
分かってた。
分かってた、けど
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それでも、私は学校に行く。
大人は誰も、私が虐められているとは知らない。
だから陰湿な虐めは、今日も続く。
こんな世界なんて、なくなってしまえばいいのに
勘
唐突に思いつきました。
私はアイドルだ。
2人組で、ユニットを組んでいる。
ドッキリ企画などしょっちゅうで、最近気づくようになってしまった。誤魔化すのが大変。
そんな中、また企画が持ち出された。
まぁドッキリ企画だから、私には知らされていないのだけど。
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そんな中、帰り道。
後ろで足音がする。
きっと相方の足音だろう。
今回の企画はなんだろうか……
そんなことを、呑気に考えながら家まで歩く。
途中、相方から電話がかかってきた。
後ろにいるのに、なんでだろう。
まぁ、企画か……
そう思い電話に出る。
「もしもし?」
「もしもし」
「急用で悪いんだけど、明日休んでもいい?体調を崩しちゃって」
え?
「ちょっと待って、休むのは全然いいのだけど……」
「今、家にいるの?」
「え、うん」
体から、さあっと血の気が引いていくのを感じた。
相方じゃないなら。
今つけてきているのは、だれ?
保健室の、センセイ。
なんとなんと5月から貯めてた話です。
早く出せって話ですよね……
「また、やっちゃった……」
私は坂野心。高校3年生。
バレー部という部活のせいなのか、最近凄く怪我が多い。
「すみませ………って、え?」
驚きすぎて、思わず間抜けな声が出てしまう。
立ち止まって動かない私を見て、その人は言う。
「えーっと?どうしたんです…?」
これが、私とセンセイの出会いだった。
---
なんで、先生変わってるの!?
前までは優しい女の先生だったのに……
今は、その席にちゃっかりとイケメンセンセイが座っている。
いやいやいや。
確かに私、離任式休んだけど。
「あ、あのー……」
「センセイって、いつからここに?」
恐る恐る、尋ねる。
「あぁ、今日からですよ。」
さらっと答えてくれた。
それにしても、今日から、かぁ……
こりゃ、女子が黙ってないだろうな…
そう思えるほど、このセンセイはイケメンだった。
すっと通った鼻筋に、サラサラの黒髪。
眼鏡に隠れない、綺麗な黒目。
どこからどう見ても、アイドル並みのイケメンだ。
「それで、どうしたんです?坂野さん?」
「あ、絆創膏を………って、なんで私の名前…!?」
「え?いや、だって名札…」
「あ……//
すみません…!」
「いや、全然、そんな。それより絆創膏ですね、今持ってきます。」
そう言って、保健室の奥に消えたセンセイ。
残された私は、その場ではぁっと溜息をつく。
なぜだかは分からないが、自分の頬が朱に染まっていた。
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その日から、明らかに保健室に向かう生徒が増えた。
近づくと、女子生徒の黄色い声が上がる。
何日か経つと、センセイが放課後に逃げているのが日常になった。
「あ、センセイ……またですか……」
大変ですね、と声を掛ける。
「そうなんですよねぇ…」
そんなに困るなら、言えばいいのに。
それができないほど、センセイは優しいってことなのかな。
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「すみませーん」
「はい…ってあぁ、坂野さん。今日はどうしたんです?」
「えっと、今日は腕を怪我しちゃって……」
「腕ですね。少しそこに座って、待っていて下さい。」
「はい、」
えーっと、と言いながら保健室の奥に消えていくセンセイ。
私の腕は、バレーで変なところに当ててしまったせいか、赤く腫れてしまっていた。
やがてセンセイが戻ってくると、私に手当てをしてくれた。
とても丁寧で、柔らかくて。
至近距離で触られ、見つめられて……
ありがとうございました、とか細い声で言ってその場を去る。
走りながら、ドキドキする心臓を抑える。
あぁ、きっと私……
センセイに、恋してしまったんだ。
絶対に、叶うことの無い恋を。
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それからというもの、私は。
センセイに会って話したり、顔を見たりするだけで、心臓が変な音をたてるようになった。
単純な性格だな、私って。
自分でも、もう笑うしかない。
それでも、私はセンセイが大好き、だ。
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叶わない恋だと、わかってる。
だから見つめるだけでいい。
これが、私の「恋の形」だ。
肉塊
久しぶりの執筆すぎて支離滅裂です多分……
グロいので気をつけてください。
もし。
もし、この世で1番大切な人が。
何かの罪を犯したら?
僕は―
---
「|絢斗《あやと》ー、ご飯できたよ〜」
「はーい、今行く!」
2階の自分の部屋で過ごしていると、姉さんの声が聞こえてきた。
優しい、ふわふわした声。
僕はその声が大好きだ。
急いで1階に下がり、手伝いをする。
「今日は唐揚げだよ〜」
「まじで!?やった!!」
姉さんの作るものはなんでも美味しい。
準備が終わり、席に着く。
「「いただきます」」
他愛ない話をしながら橋を進める。
この時間も大好きだ。
「それでさ〜w」
「え〜?w」
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食べ終わり、片付けも終わらせる。
2階に上がって宿題を終わらせた頃に、姉さんの声が聞こえた。
「絢斗、お風呂湧いたから先入ってきてー」
「はーい」
そのまま僕はお風呂に入った。
何も疑わずに。
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お風呂に入る前、ふと気づく。
シャンプー切れてる……
幸い、服は脱いでいなかったので、そのままシャンプーの場所を姉さんに聞きに行く。
「姉さん、シャンプー切れてた……」
「………………え、?」
なんで。
信じたくない光景が、目の前に広がっている。
「ねえ、さん………?」
血溜まり。
知らない男。
傷。
穴。
包丁。
包丁を持っているのは
「あ………あ……っ」
姉さんがその場に崩れ落ちる。
目から水が溢れ出す。
「違うの……これは……っ」
「なんで……」
泣き崩れる姉さん。
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〜咲良side〜
私が刺し殺した男は、私の元彼だった。
しつこくて粘着質。
付き合った当初はそんなこと知らなかった。
告白されて、顔と性格が良かったから付き合った。それだけ。
次第に私も忙しくなって、別れを告げた。
それだけだった。
アルバイトも安定してきて、就職も考えなければいけない時期。
私はあろう事か、ストーカー被害にあった。
無言電話、尾行、どこからか感じる視線。
怖かった。
弟に相談できず、ストレスばかりが溜まっていた。
今日、綾人がお風呂に入る前。
インターホンが鳴った
ドアを少しだけ開けたのに、ぐいぐいと強引にドアを開いてきた。
間違いなく、元彼だった。
彼はにたにたと笑っていた。
手にはスタンガンがあった。
「元気そうだね、僕が居なくても」
「なんで僕を捨てたの?僕は君のことまだ好きなのに」
「っ、」
「何の用で来たの?」
指先が震えた。
「いやぁ、また君と過ごそうと思って」
「弟君に用があってきたんだけどな」
とてつもなく、嫌な予感がした。
漠然とした、ただの予感に過ぎないけれど
綾人は
綾人は、守らなくちゃだめ
気がついたら、私は手に料理包丁を持っていて―
そのまま腹に刺した。
呻き声がしたが刺し続けた。
静かになってから、ふいに現実が見えた。
私は今、この手で人を殺したのだ。
元彼は今、床で動かない肉塊となっている。
そして、綾人の絶望したような声が聞こえる。
あぁ、もうだめだ。
なんで私は、うまくやらないのかなぁ
なんで私は、っ
「綾人、こっち来て」
「な……なに、?姉さん」
怖がりながらも、綾人はちゃんと近くに来てくれる。
「ごめんね、こんな姉で」
「だいすきだよ、綾人……」
「僕も姉さん好きだよ?」
「ありがとう……」
涙でぐちゃぐちゃの私の顔。
もう全部、終わらせなきゃいけないの
ごめんね、綾人
こんな姉で……
その時だった。
確かに刺した感触のあったのに、
拳銃で、綾人が撃たれたのだ。
スローモーションの映像を見ているかのようだった。
ゆっくりと、でも確かに綾人は後ろに倒れて
ばたん、と音がした。
その音で私は我に返り、狂ったように男を刺し続けた。
ぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃ
血が垂れる
皮膚がちぎれる
四肢がばらばらになる
顔がなくなる
目が潰れる
---
そこまでして、ようやく我に返った。
「綾人、っ」
明らかに即死だった。
ぴくりとも動かない綾人。
さっきまで元気だったのに
一緒に話してたのに
笑ってくれたのに
こうなったのは、全部全部全部全部私のせい。
「ごめんね―」
今、そっちに逝くから。
私は迷いなく、自分の頭に向けて拳銃を撃った。
---
「なんだ、これは」
近所の人間から、隣に怪しい男が入って、女の子と揉めていると通報を受け、駆け付けた。
現場を見た時、言葉を失った。
頭に穴が空いている男児。
その子を抱きしめるように横たわっている、女性。同じように頭に穴が空いている。
そして、もう何かも判別できない《《肉塊》》。
今まで見た現場の中で、1番の酷さだった。
いったい、どれだけの事があったのか
私には分からない。
やっと書き終わった……
2003文字です。