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目次
 
    
        プロローグ
        
            【注意喚起】
・この物語は、暴行、血、殺人シーンなどのグロテスク表現が入ることがあります。
 そう言った場合、まえがきにて改めて注意喚起を行いますが、読む際には十分ご注意下さい。
・この物語に登場する人物、場所などの大部分はフィクションです。
 ただし、一部、現実にあるものなどを引用等している場合がございます。
・こちらの「マーダラたちのアセンブリー」は、現在非公開中の「マーダラたちのアセンブリー {第一章}」を元に作っていますが、同じものではなく、別物としてお楽しみ下さい。
・ファンレターは常時受け付けております。
 訂正箇所の発見、質問、感想、アドバイス、物語の考察、番外編リクエスト、ファンアートなど、皆様からのご意見をもとに精進していきます。また、執筆の励みにも繋がりますので、もし良ければ書いていって下さい。
 ただし、登場人物や物語に対してのあまりにも酷い罵詈雑言については、証拠として写真を撮り、運営様へのご報告、ブロック等の処置をさせていただきます。もちろん、自主企画で参加してくださったキャラの提供者様方へのアンチコメント等も同じく対処させていただいますので、そう言ったことが起こらないよう、十分ご注意下さい。
・自主企画にて募集したキャラクターたちは、可能な限り設定を忠実に守り物語へ登場させていますが、一部、こちらで設定を変更をし、設定に書かれていない部分は個人の想像で作っています。
 あまり変更等はせず、設定の変更等を行う場合は、元の設定から変わらないよう可能な限り善処致します。
        
        
        
--- **どうして** ---
--- **`どうして*助けてくれなかった* の`** ---
「___ッ“は、!!」
(……《《また》》か‥)
彼は*悪夢* から目を覚ます。それはそれは酷い*悪夢* だった。
まるで、起きる直前まで首を絞められていたかのように息ができない。ハイネックのせいか、悪夢を見たせいかは分からないが、首筋がじっとりと汗で濡れていて気持ちが悪い。
目覚めの悪さから来るイラつきを露わにしながら体を起こし、辺りを見回せば、最近拠点にしている|廃ビル《自室》なのが分かり、少し安堵する。
「‥クソが…」
--- いつも見る悪夢 ---
真っ黒な空間で、《《大事な人》》に罵られる。
普通に考えたら悪夢だと分かるため、恐ろしくもなんともないかもしれない。でも、彼にとって、この悪夢は`現実`なのだ。
それに、今回に限っては…
(《《アイツ》》は…そんなこと言う奴じゃねェって、分かってるだろ…)
「…ふー‥」
息を整えながら、寝ていたソファから立ち上がる。
目の前にある古びたローテーブルには、雑誌やお菓子のゴミが散乱していた。彼はその中から、薬の入った黄色い蓋の瓶を取り、中身を取り出す。
手のひらに転がった錠剤の数は六錠。この薬は効力が強いため、担当医からは『一錠のみ』と強く言われていたが、そんなこと、彼はとうに忘れている。
---
---
--- No.1 ---
--- マーファ・ルシファー ---
性別 男
年齢 (外見から推定)二十四歳前後
   (種族から推定)七万五千歳前後
種族 堕天使
趣味 殺人 飲酒
近年はとあることを目的に殺人をしている、今現在街を絶望に陥れている|悪魔《マーダラ》。
殺人の手法は刺殺。逃げられる危険性が出ると射殺も行うが、それは好まない。殺人で使っている(大切な)ナイフと銃は、彼が肌身離さず身につけるお守りのような存在。
本人は常人ぶっていっておかしい行動する仲間に「気持ち悪い」と言うが、|彼ら《マーダラ》の中で最も狂っていて、根本から狂人なのは彼だけだ。
狂気      ★★★★★
完璧主義者 ★★★★☆
家族想い  ★☆☆☆☆
---
--- 資料No.1 ---
--- 「 彼の悪夢 」 ---
数十年以上前からマーファが悩まされている“悪夢”
大切な、大事な、信頼している人物(①)に、彼自身が罵られる悪夢。ストレスが溜まり精神的に弱っている時は、首を絞められたりなどの暴行を受けることもある。
夢の中は真っ黒で、マーファと(①)との二人っきりな謎の空間。向かい合い、一方的に罵られる。互いに動くことはできず、マーファは喋ることもできない。
彼にとって、この悪夢は現実だ。
悪夢の正体とは__?
---
--- 資料No.2 ---
--- 「 薬瓶 」 ---
マーファが毎日狂ったように服用している、錠剤タイプの薬がたくさん入った瓶。
堕天前も気付け薬等を乱用していたが、この頃は依存にまでは陥らなかった。人間界へ追放後、少し経ってから依存し始める。
二つあるが、どちらもラベルは貼っていないため、薬の名称は不明。マーファは蓋の色で区別している(一つは赤、一つは黄色)。
赤い蓋の薬の方が頭痛薬、黄色の蓋の方が眠気防止薬となっている。一錠の効果が非常に強いため、担当医からは「一日一錠が上限」と強く言われているが、彼はそんなこと、とうに忘れている。どちらの薬も、副作用は吐き気や眩暈といった症状が現れる場合があること。服用しすぎると酷くなる一方だが、マーファは、それを知っても乱用し続けるのだろう。
依存・|OD《オーバードーズ》を引き起こすことが多々ある。
とある(ヤブ)医者から貰った処方箋ではあるため、必要以上に服用しなければ安心安全。
---
---
薬を全て口に放り込み、勢いに任せて飲み込む。一瞬、薬の苦い味が口に広がり不快感が襲ってくる。舌打ちをして、置いてあった水で苦味を流し込もうとする。水が少し、おかしな味がしたが、既に嚥下してしまっているため、これ以上気にしていたら負けだ。
マーファ「…__はー__‥」
部屋が暑いのか、体温が上がっているのか…
夏ではないのに、暑くて仕方がない。
ため息を吐き、マーファは雑に窓を開ける。涼しい風が頬や首を掠め、心地良い。
しばらく空を見ていると、遠くから、優しい黄緑色をした|鬱金桜《ウコンザクラ》の花びらが、風に乗って窓枠に乗った。マーファはそれを手に取り、ジッと見つめる。
マーファ(…アイツも、こんなクソみたいな快晴の空、呑気に見てりゃいいンだが…)
嫌気が差すほど晴れた青空を見上げながら、マーファは思う。
---
---
--- 資料No.3 ---
--- 黄緑色の花 ---
マーファにとって、“アイツ”を強く思い出させるもの。
優しい黄緑色をしたこの花は、“彼”のイメージカラーに酷似しており、マーファの記憶を思い出させる。
花言葉は「優れた美人」
---
---
マーファは、花びらを手のひらに乗せ、フ、と息をかける。すると、花びらは簡単に舞い、再度風に乗ってどこか遠くへ運ばれていった。
それを見届けると、彼は窓を閉めたあと、しばらく瞼を閉じて精神を落ち着かせる。数分もすれば、彼はまた目を開き、部屋の扉の方へ歩いて行った。
---
この街の名は“ネオヴァーナス”
政府は人の皮を被った天使たちが務め、秩序で守られ、安心安全な潔白の世界。
しかし、秩序を乱す者は“ダーディヴォー”という混沌の世界へと落とされる。潔白の裏には闇しかない。秩序は混沌の上にしか成り立つことのできない代物だ。
そんな身勝手な秩序を成り立たせるためにある、混沌の世界“ダーディヴォー”。
これは、|混沌《ダーディヴォー》にある唯一の秩序
--- ルアバーナス ---
を**監視**する物語。
「君の選択は、正しかったのかな…」
君の手で、この物語を*エンド* へと導け
        
            今日の監視時間
2558時間(文字)
予想より長くなりました。そして前シリーズから路線変更。表世界にある闇(裏社会)ではなく、混沌の中にある秩序にしました。
構成上はしっかり考え直したので(多分)問題ナッシング(
また、今シリーズでは新要素の人物No. と資料No. を追加してみました。お陰で物語の区切りが訳わからないかもしれませんが、二つの区切り+二行の改行で挟んでます。資料No. までいちいち区切って入れてるとゴチャつきやすいので、人物No. とくっつけてまとれるよう頑張ります(今回のように特例で資料No. のみ出すことはもちろんあるでしょうが…)。
一応。資料No. の方は物語の考察材料に、人物No. は新キャラの軽い説明文になるはずです。
人物No. は、前シリーズでの自己紹介の回が長引きすぎて、書く方も飽きてしまったのを学び作りました。星で色々やってるのは“魔王城でおやすみ”から引用。
もし良ければ資料No. を活用して考察してくださると結構嬉しいです!番外編リクエストやファンアート(リクエスト含)など、いつでも受け付けてます。
番外編リクエストは、登場させるキャラが誰になるかで書くタイミングがかなりズレると思いますので、気長にお待ち下さい。
次回は記念すべき第一話!プロローグを執筆しているタイミングで、構成とズレて欲のままに書いてしまったので、そこを無理くり一話目に下ろしました() そのため時間はかからないと思います。なんなら明日中に出せるかも?
それでは長くなりましたがここら辺で失礼致します!何かありましたら、ファンレターの方からよろしくお願い致します。
        
    
     
    
        第一話[大事な日?]
        
            【注意喚起】
・この物語は、暴行、血、殺人シーンなどのグロテスクな表現が入ることがあります。
 そう言った場合、まえがきにて改めて注意喚起を行いますが、読む際には十分ご注意下さい。
・この物語に登場する人物、場所などの大部分はフィクションです。
 ただし、一部、現実にあるものなどを引用等している場合がございます。
・こちらの「マーダラたちのアセンブリー」は、現在非公開中の「マーダラたちのアセンブリー {第一章}」を元に作っていますが、同じものではなく、別物としてお楽しみ下さい。
・ファンレターは常時受け付けております。
 訂正箇所の発見、質問、感想、アドバイス、物語の考察、番外編リクエスト、ファンアートなど、皆様からのご意見をもとに精進していきます。また、執筆の励みにも繋がりますので、もし良ければ書いていって下さい。
 ただし、登場人物や物語に対してのあまりにも酷い罵詈雑言については、証拠として写真を撮り、運営様へのご報告、ブロック等の処置をさせていただきます。もちろん、自主企画で参加してくださったキャラの提供者様方へのアンチコメント等も同じく対処させていただいますので、そう言ったことが起こらないよう、十分ご注意下さい。
・自主企画にて募集したキャラクターたちは、可能な限り設定を忠実に守り物語へ登場させていますが、一部、こちらで設定を変更をし、設定に書かれていない部分は個人の想像で作っています。
 あまり変更等はせず、設定の変更等を行う場合は、元の設定から変わらないよう可能な限り善処致します。
        
        
        マーファは、ドア横に置いてあるコートハンガーからマントを取り、自室の外へ出ようと扉を開く。
その時、何かが扉にぶつかった感覚と共に、自身の声ではない鈍い声が上がった。
「あだッ“」
マーファ「…」
マーファ(‥何やってんだ、コイツ)
扉を閉めると、床に一人倒れていた。
ジッと見つめてから、見なかったことにして横を通り過ぎようとした時、マントの裾をクンと引っ張られる。分かっていたかのように軽く振り向き、チッ、と綺麗な舌打ちをする。
マーファ「触んじゃねェよ、《《クソドM》》」
「__も、‥__もっかいやってく|らひゃ《ださ》い…♡♡」
マーファ「気ッッ持ち悪りィ‥」
裾を掴む手を軽く蹴ると、小さな呻き声とともに手は離される。
そんな荒々しい行為にすら、倒れている人物は目をハートにして嬉しそうに笑っていた。そんな顔に嫌気が差して、マーファは目をくるりと回してため息を吐き、そのまま行ってしまう。
---
---
--- No.2 ---
--- ラヴァ・ヤフォー ---
性別 男性
年齢 (外見から推定)二十一歳前後
種族 (外見から推定)|人間《ヒューマン》
趣味 研究 殺人 拷問 SMプレイ
生粋の|殺人鬼《ドM》。マーファとはまるで主従関係のようだが、一応違う。過去に接触有り。「クソドM」の名はマーファがつけた。
殺人の手法は拷問であり、彼の拷問は長く続き苦しむことになる。場合によっては、その苦痛が快楽になり堕ちてしまうらしい。
|殺人鬼《マーダラ》としての質は悪く、よく犯行現場に私物を落として警察に追い詰められることが多々ある。そのせいか逃げるのだけはしっかり上手くなった。
◾️級天使に仕える人間として育てられるはずだったが、次男として生まれてしまったがために|忌み子《出来損ない》として扱われてしまった。とある最上級天使に依存し、幼くして生きる希望としていたが、その天使が追放され、闇堕ちした。
ドM  ★★★★★
悪趣味 ★★★☆☆
依存  ★★★★★
---
--- 資料No.4 ---
--- 天使の階級 ---
天使にはそれぞれ階級がある。
階級によって待遇や地位が大きく変わり、時には神への発言権まで持つことが可能。最下級天使は大抵差別される。
階級昇格は、年に二度ある昇格試験で合格することで可能であり、最下級天使であろうが上級天使であろうが問題なく必ず受けることができる(強制ではない)。最下級の者は、下級~中級までの試験を受けることができ、上級への昇格試験を受けるには、上級以上の天使から招待状を受け取らなければならない。下級の者は、中級~上級。中級の者は、上級。上級は最上級の位の昇格試験を受けることが可能。それ以上の階級への昇格を望む場合は、その階級以上の天使からの招待状が必須である。
最下級天使…
最も位の低い天使。人間で言うところの奴隷に近い存在。
大抵の場合力仕事が任される。休みは一日10分のみであり、残りの23時間40分は全て労働である。
最下級天使は、中級以上の天使の多くに差別されているが、最下級同士では、「最下級同士頑張ろうね」と言った感じで大変仲が良い。しがし、睡眠、食事どちらを休みの時間で取るかで最近論争になっているという噂がある。
下級天使…
下から二番目に階級が低い天使。人間で言うところの平民に近い存在。
基本的には力仕事が任されるが、時折、簡単な書類仕事も回される。休みは10~15分程度であり、残りは全て労働である。
下級天使は特別差別がされるわけではないが、時折陰口を言われる程度には嫌われている。下級天使同士はあまり仲が良くなく、「私が先に中級以上へ登るんだ」という対抗心が凄まじい。
中級天使…
階級の中心に位置する位の天使。人間で言うところの貴族(伯爵)に近い存在。
基本的には書類仕事を任され、時折力仕事も任される。休みは約20分程度であり、残りは全て労働である。
中級天使は、最下・下・上・最上級全ての階級から「満遍なく出来る器用な奴ら」と言う好意的な印象を持たれている。ある意味一番幸せな位。
「上の位に上がりたくないわけじゃないけど、上がらなくってもいい」という楽観的な思考の持ち主が多い。
上級天使…
上から二つ目の位に位置する天使。人間で言うところの貴族(公爵)に近い存在。
基本的には人間界に関わるとても大切な書類や、下界からやってくる悪魔や鬼たちを迎撃する役割を任せられている。休みは最大で30分のみ。
上級には意地の悪い天使が多く、最下級や下級を差別するのは大抵上級の天使。戦闘能力が非常に高く、中級以下の階級の天使は認めざるおえないほどの才能・力がある。
最上級天使…
天使の中で最もくらいの高い最高位。人間で言うところの王族に近い存在。
神の周りにで仕え、神の代わりに書類仕事をしたり神の護衛や代行として様々なことをマルチタスクでこなしている。大抵の場合休みなどない。
また、特例として一人が最上級天使の身でありながらも、下界からやってくる悪魔たちの迎撃を手伝っていた。公の場では上級天使として振る舞う。このことに対して、神たちは自身の功績を公にしてはどうだと抗議している。
また、この位にまで上がると、最高神クラスの神にですら使える発言権を持つことが許される。
身体能力・反射神経・知能・技術力・五感など、全てに置いて完璧であり、秩序を守るためにある人形のような存在。
最上級天使には、優秀な専属の執事/メイドが必ず五人以上付き、書類仕事中などは部屋の掃除など様々なこと任せている。本来ならば特例の二人にも付けるが、本人たちの希望で一人の専属執事/メイドが付き業務を行っている。
---
---
ラヴァ「_ッは?!
    アッちょ、待って!!!待って下さ、ウァッ?!」
ラヴァはハッとなり立ち上がったが、足を置いたところにあったペットボトルを踏み、派手に転んでしまう。
マーファ(雑魚)
マーファ「雑魚」
一言呟き、マーファは廊下の曲がり角を曲がる。
ラヴァ「ぅ…マーラせんぱ、っ。__ちょっと待って‥__
    きょぅ…、今日は、
--- **ルアバーナス**結成 ---
    の*大事な日* なんですから、外に出ないで下さいね!!?__先輩外に出るとしばらく帰って来ないんですからっ__」
マーファ「‥ンでオマエに命令されなきゃいけねぇんだよふざけんじゃねェ」
マーファは、ラヴァの言葉にピクリと動きを止め、曲がり角から顔を出す。堕ちた瞼で見られ、睨まれるような視線に返すかのように見つめ、その視線にゾクリとしたのを隠しながらラヴァは口を開いた。
ラヴァ「本当にダメですよ!
    もし外に出たって分かったら、その瞬間から鬼電しますからね!」
マーファ「気色悪。__いつの間に俺の電話番号知りやがったんだ__」
ラヴァ「この前路雨さんから教えてもらいましたよ…って、ともかくッ!絶対の絶対にダメですからね出かけちゃ!!!」
マーファ(しつけェな…)
マーファ「うっせェ」
ラヴァ「ちょッ__とホントにダ___」
彼はラヴァを無視し、数人の声がする広い部屋に入った。
部屋は集会場のようになっており、廊下やマーファの自室よりきちんと綺麗にされている。もちろん、壁や天井に染み付いた汚れや、窓の清掃までは行き届いていないため、汚いことには変わりない。
部屋の中央には、大きな円卓一つと、各々のイメージカラーのオフィスチェアがずらっと並べてある。マーファの椅子は、黒に限りなく近い赤色だ。
---
---
--- 資料No.5 ---
--- 未使用の円卓 ---
彼ら“ルアバーナス”にとって、この円卓の間は絆を深めるための大切な一つの場所。
今日これから、彼らは初めてまともに顔を合わせるのだ。
---
---
『今日、《《初めて》》この場所使う…』
と思うと、マーファは胃がキリキリと痛み今からでも逃げ出したくなる。
部屋の中には、ノートパソコンを片手に誰かと話す男の姿がある。もう一人は、パーカーを着た背の低い人物、もう一人は学ランを着て左目に眼帯を付けている人物だ。
マーファは、こちらに気づく気配のない三人に近づく。ノートパソコンを片手に持つ男の背後まで来ると、マーファは瞼の落ちた目で見ながら口を開いた。
マーファ「何やってンだ」
「うおッ」
「…?」
「?」
男の方は大きな体で柄にもなくビクリと肩が跳ねた。一方で、背の低い人物と眼帯を付けた人物は、マーファを見て小さく首を傾げるだけだ。
---
---
--- No.3 ---
--- |龍仙 冥《りゅうせん めい》 ---
性別 男
年齢 (外見から推定)二十八歳前後
   (種族から推定)百歳前後
種族 仙人
得意 ハッキング プログラミング 勉学(全教科)
酒好きな|殺人鬼《マーダラ》。マーファとは切っても切れぬ腐れ縁で繋がっている昔馴染み。よくサシで飲んでいる。
殺人の手法は素手での殴打。金属バットを|用《もち》いて殺傷する場合もある。
ただし、基本的にはサポートに回っており、情報の共有/伝達などが仕事。ハッキングなどの分野については世界レベルで負けることはない。
元々は情報屋をやっていたが、ルアバーナス加入をきっかけに辞めた。
ツッコミ ★★★★☆
子供好き ★★★☆☆
聡明   ★★★★☆
---
---
マーファは何も言わず三人を見る。
そしてフと、疑問に思った。
---
ゴトっ…
「よっと…うん、やっぱり君の目、綺麗だね。
 ホント、`とっても綺麗だ`」
「_《《でも》》、彼の目より劣るし、“あの時”母さんの目に映った目の方がずっと綺麗!!」
ブチッ
「ああ‥早く、」
--- 「_彼の《《目》》、じっくり見たいなぁ‥♥︎」 ---
---
被害者「__ゲホッ‥¿」
ズズ…
「あれっ?心臓刺したと思ったんだけどなあ。生きてるじゃん!心臓の位置、間違えちゃったのかな?__ふふっ__」
バタンッ
被害者「ヴァアあぁッ‼︎‼︎ ゲホッゲホ な゛、__ん__‥ッ‥」
「うわ、汚‥!!
 ‥あははっ、まいっか!せっかく生きてるんなら、*`冥土の土産に教えてあげる!`*
 _僕の名前は“黒豹”。この世で一番大好きな《《彼》》に気持ちが伝わるように模索中なんだ、どうしたら振り向いてくれるんだろう…?♡」
被害者「…」
「…?なんだ。もうくたばってるや。話す意味なかったね?アハハっ!ははッ!
 __はあ〜。‥にしても、ホント待ち遠しい‥」
--- 「早く会いたいな…。《《マーファ》》♥︎」 ---
---
ブチっ‥
「_?‥`いつの間に死んでたの`、キミ。悲鳴あげないと思ったらそう言うことか。
 死んだんなら用はないし、さよなら」
ザッ
「_…そう言えばルシファー、元気かな?今日、ようやくまともに会えるんだよね…
 ‥__ふふ__」
--- 「ちょっと、楽しみだな‥__♪__」 ---
---
--- ゴポ__コポポ‥ ---
        
            今日の監視時間
4709時間(文字)
早速構成との若干のズレ(ゝ。∂)〜☆
冥くんたちはいつ登場させるか決めてなかったからねじ込みまみた((  まぁラヴァとの絡みが一個減っただけなんで問題なし!!!二話でマーファを外に出せば問題ない(一話分予定より増える気がするけど)。
今回は酒好き三銃士(マーファ・ラヴァ・冥)がようやく出て来ましたね。そしてプロローグでも出てましたが、組織の名前が当然のように出て来ている。前シリーズとの違いですね。前は引っ張りすぎてキモかった(?)
次回は名前不明の人物二人の名前が判明です!!プロローグの回でファンレターくれた人ありがとう!!(*≧∀≦*)
誤字の修正/文章の見直し(10/18 土 15:26)
        
    
     
    
        第二話[天狗 ¿]
        
            【注意喚起】
・この物語は、暴行、血、殺人シーンなどのグロテスクな表現が入ることがあります。
 そう言った場合、まえがきにて改めて注意喚起を行いますが、読む際には十分ご注意下さい。
・この物語に登場する人物、場所などの大部分はフィクションです。
 ただし、一部、現実にあるものなどを引用等している場合がございます。
・こちらの「マーダラたちのアセンブリー」は、現在非公開中の「マーダラたちのアセンブリー {第一章}」を元に作っていますが、同じものではなく、別物としてお楽しみ下さい。
・ファンレターは常時受け付けております。
 訂正箇所の発見、質問、感想、アドバイス、物語の考察、番外編リクエスト、ファンアートなど、皆様からのご意見をもとに精進していきます。また、執筆の励みにも繋がりますので、もし良ければ書いていって下さい。
 ただし、登場人物や物語に対してのあまりにも酷い罵詈雑言については、証拠として写真を撮り、運営様へのご報告、ブロック等の処置をさせていただきます。もちろん、自主企画で参加してくださったキャラの提供者様方へのアンチコメント等も同じく対処させていただいますので、そう言ったことが起こらないよう、十分ご注意下さい。
・自主企画にて募集したキャラクターたちは、可能な限り設定を忠実に守り物語へ登場させていますが、一部、こちらで設定を変更をし、設定に書かれていない部分は個人の想像で作っています。
 あまり変更等はせず、設定の変更等を行う場合は、元の設定から変わらないよう可能な限り善処致します。
        
        
        マーファは、前にいる三人を軽く見上げ、フと疑問に思った。
マーファ(…誰だ?このガキ共)
マーファ「…」
冥「なっ…なん|や《だ》マーファか…!!ビビらせ|んといてや《んなよ》‥」
マーファ「ハ、こんなんでビビるとか雑魚かよ。__デケェ体してンのに情けねェ___」
冥「|やかましい《うるさい》な…|しゃあ《仕方》ない|や《だ》ろ話に集中して|てん《たんだ》から!」
マーファ「それより、このガキなんだ。__迷子か__」
冥「__それよりて…__
  ‥いやなんでそうなる|ねん《んだよ》!!どう見ても|ちゃうや《違うだ》ろ!?」
無表情のままマーファがそう言うと、すかさず冥のツッコミが飛んでくる。眼帯を付けた人物は、クスリと笑いながら二人を見た。
冥「えぇっと、三人は顔合わせるのも初めてなん|やね《だな》?そんじゃごしょーかいしましょか」
---
---
--- No.4 ---
--- |鬼灯 藍良《きとう あいら》 ---
性別 女
年齢 十一歳
種族 ヴァンパイアと人間のハーフ
宝物 ペンダント
幼くして殺人を犯した悲しき|モンスター《マーダラ》。家族想いで、妹が大好きな心優しい姉であり、人間の血が藍良より濃い妹や両親とは離れて暮らしている。
殺人の罪を犯していることは家族に知られておらず、ニュース番組などでも「性別すら分からない恐怖の殺人鬼」として街を恐怖させている。
殺人の手法は刃物による刺殺・斬殺。主に地縛霊の取り憑いている妖刀での殺人を行う。時折切れ味の良い包丁での殺人もする。
複数人で協力し戦う際は、主に暗殺を行う。
ヴァンパイアと人間のハーフであるためか、身体能力等に長けており、人間としての理性も保ち生活することが可能。ただし、血を見てしまうとヴァンパイアとしての本能で理性を失いかけてしまうのが難点。
過去、妹がイジメにあってから人間を酷く嫌っており、殺傷の対象は人間であることが多い。
天然   ★★★★☆
人間嫌い ★★★★☆
妹思い  ★★★★★
---
--- No.5 ---
--- |伊集院 遥《いじゅういん はるか》 ---
性別 男
年齢 十七歳
種族 人間
嫌い 自分の目
化け物じみた体力と力を持つ。周りからは「絶対に人間じゃない」と言われているが、実際ただの人間。しかし、本当に人間だったと言うことを知らせたときに揶揄えるかもしれないと考え、今は黙っている。
殺人の手法は、主に素手による撲殺。足で急所となる箇所に蹴りを入れたり、滅多に使うことはないが、ナイフで遠距離からの殺傷も行う。
主に背後からの先制攻撃をする。
13歳の時に事故に遭い、左目を眼球ごと失っている(眼帯着用)
事故で目を失ったことを境に両親は離婚し、親権を取った母とも訳あって離れて暮らしていた。一緒に暮らしていた祖母が亡くなってしまったことをきっかけに、彼は|両親《愛情》を探している。
しかし、彼は◾️に◾️◾️と◾️っ◾️おり、◾️◾️た相手が◾️◾️だ◾️言うことは知らない。
化け物   ★★★★☆
揶揄い   ★★★★☆
愛されたい ★★★★★
---
---
冥「_。こっちはマーファ、君らのリーダーさん|や《だ》。__マーラって呼んでも平気|やで《だぞ》。__
  っ|ちゅうこって《ていうことで》、三人とも仲良|うせぇや《くしてな》!」
遥「よろしくお願いします、マーラさん」
藍良「…よろしく」
マーファ「勝手によろしくしてろ」
マーファに向かって、遥は敬礼を、藍良は会釈を行う。冥は「うんうん」と笑いながらその様子を見守っている。
マーファ(ンなことより、人間クセェなここ…どっちか人間か?)
冥「…そう言|うたら《えば》マーファ、なんでここに来たん|や《だ》?」
マーファ「来ちゃ悪りィかよ」
マーファ(‥無駄に背が高けェ…)
悪態をつき、わざわざ軽く背伸びをしなければならないことに苛立ちを感じながら、マーファは画面を見つめる。画面には、小学校高学年くらいが習う算数の式が並べられていた。
冥「いや…そう言うわけ|や《じゃ》ないけど気になる|や《じゃ》ん。
  俺らはお勉強会してただけ|やで《だぞ》」
マーファ「…勉強ねぇ‥」
背伸びをやめて、マントのポケットに手を入れる。
冥「…__分かる|や《だ》ろ。__
  義務教育を今も受けれるような子は、こ|ない《んな》なところに*堕* ちて|きぃひんのや《来ないんだ》」
マーファ「分かってる。勝手に先公やってろアホ」
冥「ひどッ!
  いやいやいや、マーファも俺に習|ぉ《っ》てた|や《だ》ろ!」
マーファ「いつの話してンだよ」
冥「えぇっと…ひぃふぅ………4、…五十年以上前?」
遥「随分と長い付き合いなんですね、お二人は」
冥「ホントにぃ〜。何年面倒見てあげてんだって言いたくなるくらい長い間世話してあげてんのぉ〜。
  なのに、『ありがとう』の一つとして言われたことがないって言う…!!」
遥「へぇ…」
二人きりだったかのように、マーファと冥の声だけで繰り広げられていた会話に、もう一人の声が加わる。遥は、クスリと笑いながら口元に手を置いた。
マーファ「ンなもん感じとけや。
     それより、俺外出てくっからクソドMに言っとけ」
冥「か、感じれってことは、思ってはいるってことか…?!
  …って、え、何?外出んの?今から?!」
遥「あと…一時間半くらいで集合時間ですね」
マーファ「一発キメるだけだわ、目覚まし」
遥は、ポケットからスマホを取り出し、時間を見るために一瞬画面を開く。画面に映ったデジタル時計を見ながらそう言うと、マーファは悪態をつきながら
冥「…そっか。
  ってかマーファ、キメるって言い方ぁ〜」
マーファ「伝わりゃいいだろ、伝わりゃア」
冥「んまそれもそうか。
  んじゃ、気を付けろよ〜。もし変な人に会ったら、防犯ブザー鳴らしなさぁい」
藍良「…鳴らされるのは、マーさんの方‥なのでは‥?」
冥「あ、そっか☆__うっかりうっかり__」
遥「うっかりと言うか、わざとですよね。路雨さん」
冥「ん〜?気のせい|や《じゃ》ない?」
三人が話している間に、マーファは割れている窓から外へ出る。ほんのり暖かい春風が優しく吹き、マーファの頬を撫でた。
自分が努力の末に手に入れた“浮遊”の力を駆使し、隣にある廃ビルの屋上へ移る。マーファがいた廃ビルは六階建。このビルは七階建だ。
もうすぐで、夜になる。時間で言えば、大体午後の五時くらいだろう。辺りは薄暗く、ネオヴァーナスの方は、|灯《あか》りで包まれキラキラと輝く。
誰かに見られている感覚をひしひしと感じながら、マーファはビルから飛び降りる。彼はそのまま、四方がビルで囲まれた、空き地のように開けた場所に降り立った。
すると、マーファはどこからか投げナイフを二本取り出し、瞬きする間もなく《《ある場所》》へナイフを投げる。
少し狭く、薄暗い通路…投げたナイフはそこへ真っ直ぐと向かう。しかし、何かに当たった音はせず、ナイフが風を切る音は途中で途切れた。
マーファ(…途中で取ったか?)
マーファ「…チッ」
マーファが舌打ちすると同時に、突然、ナイフを投げた反対側の通路から、投げナイフがマーファに向かって投げられた。
_先ほど、マーファが投げたナイフと全く同じ物だ。
投げ返された二本のナイフは、的確に《《マーファの目》》を狙っていた。彼の眼球に刺さる直前に、マーファは愛用しているナイフを使い、はたき落とす。人間にはできないであろう、達人技だ。
マーファ「誰だ?テメェ」
はたき落としたナイフを一つ拾い、それを見ながらマーファは《《彼》》へ言葉を投げかける。
マーファ(…やっぱ、さっき投げたヤツだな、コレ。
     いや‥どんだけ目、いいんだよ‥気持ち悪‥)
心の中で相手を貶しながら、持っていた投げナイフを捨てる。愛用のナイフを手の中でクルクルと回した。
マーファ「…答えないのか?
     ンだよ、悲しくなるじゃねェか‥」
回していたナイフの柄を、グッと握る。思ってもいないことを言いながら、マーファは少し俯き、深く被ったフードの下で目を瞑った。
人は、五感の一つが機能しないと残った感覚が冴える。薄暗い中、視覚だけで相手を探すのは困難だ。
「くはは…思っていたより反射神経が良いね」
狭い通路で声が反響して、どこから話しかけているのかが分からない。風を切る音で、彼が夜の闇に紛れ移動しているのだけは分かった。
マーファ(…埒が空かねェ‥クソが)
「_ホント…久々にビックリしちゃった」
突然、マーファの背後にあるビルの方から、声聞こえた。
それと同時に、雲に隠れていた月が顔を出す。
マーファ「_」
月明かりに照らされ、マーファの後ろにいる人物の影が、地面にほんの一瞬映し出された。
足を組み、頬杖をつく彼…その影は、まるで__
マーファ「___*天狗*__ ?」
        
            今日の監視時間
3767時間(文字)
冥くんいるとルビ付くからごちゃる。見づらい。なんだコレ(
どっちの方がいいでしょうかね皆さん…方言とかラヴァくんの覚醒中(SMで舌回ってない時)、ルビ付けたほうがいいですかね?(今回はお試しでルビ付けました)
第一話のファンレターにて、今回登場する愛良ちゃんと遥くんの予想をしていただけました!考察するような材料ほどなかったんてすけど、これは嬉しい…!!
予想してくださった方は片方正解。お見事です!!!👏🏻🎉  よくあんなに少ない材料で正解できたなと、本当に心の底から思います() 
さて。今回名前は伏せ登場した“彼”はの予想は簡単だと思います!彼の特徴きちんと強調していますしね!
ってか、前シリーズと登場タイミング、ほとんど変わってないんですよこの子。今は非公開にしてますけど、覚えてたら超絶余裕(
いやぁ、びっくりドンキー(?) なんなら話数すら変わってない(登場の仕方は変えましたがね、ホントおんなじ。
やっぱりファンレターの通知来てると嬉しいですね。この調子で、学校が始まっても投稿できるよう頑張っていきます!!(その前に宿題を終わらせなければ…カタカタ)
        
    
     
    
        第三話[絶望に沈んだ◾️を探す者]
        
            【注意喚起】
・この物語は、暴行、血、殺人シーンなどのグロテスクな表現が入ることがあります。
 そう言った場合、まえがきにて改めて注意喚起を行いますが、読む際には十分ご注意下さい。
・この物語に登場する人物、場所などの大部分はフィクションです。
 ただし、一部、現実にあるものなどを引用等している場合がございます。
・こちらの「マーダラたちのアセンブリー」は、現在非公開中の「マーダラたちのアセンブリー {第一章}」を元に作っていますが、同じものではなく、別物としてお楽しみ下さい。
・ファンレターは常時受け付けております。
 訂正箇所の発見、質問、感想、アドバイス、物語の考察、番外編リクエスト、ファンアートなど、皆様からのご意見をもとに精進していきます。また、執筆の励みにも繋がりますので、もし良ければ書いていって下さい。
 ただし、登場人物や物語に対してのあまりにも酷い罵詈雑言については、証拠として写真を撮り、運営様へのご報告、ブロック等の処置をさせていただきます。もちろん、自主企画で参加してくださったキャラの提供者様方へのアンチコメント等も同じく対処させていただいますので、そう言ったことが起こらないよう、十分ご注意下さい。
・自主企画にて募集したキャラクターたちは、可能な限り設定を忠実に守り物語へ登場させていますが、一部、こちらで設定を変更をし、設定に書かれていない部分は個人の想像で作っています。
 あまり変更等はせず、設定の変更等を行う場合は、元の設定から変わらないよう可能な限り善処致します。
        
        
        マーファ「___*天狗*__ ?」
「__へぇ…?__
 くはは、“天狗”だって?面白いこと言うんだね?」
マーファ「‥チッ」
マーファがいつもの幻覚かと思い、軽く見開いていた目を伏せた間に、影は消えてしまう。月が雲で隠れてしまったのだ。
辺りは再度、暗い闇に包まれる。クスリと笑った謎の人物の気配は、彼の背後から消えていない。
マーファ「どうでもいいだろ。
     ンなことより、テメェ‥さっきっから俺のこと《《見てやがった》》なァ。視線が目障りなんだよ」
「…気づいてて、ここまで誘き出したの?果敢だねぇ…。
 でも、俺はそう言うの、良くないと思うなぁ‥だって_
--- `殺`されちゃうかもしれないんだし」 ---
マーファ「_」
突然、彼は目の前に現れた。
低く響くような声でそう言うと、今度は少しうっとりとした声で、漏らすかのように話す。
「…綺麗な《《目》》‥。ここまで`真っ赤な瞳`の色は、生まれて初めてかも‥」
マーファの頬に片手を添え、彼の《《血のように赤い》》、《《暗く沈んだ》》瞳を見て、口から漏らすかのように呟いた。
彼の瞳は金色に輝き、月明かりに照らされてキラリと輝く。まるで、子供が宝物を見つけたかのような…そんな目だ。
マーファは彼の行動に驚きもせず、冷静に、端的に…目を細めて相手を睨み、話し始める。
マーファ「…殺気が一ミリも出てねぇ奴が、ンな馬鹿みてェなことほざくんじゃねぇよ。__それと、いきなり触んな。気持ち悪りィ__」
「……ふ…くは、くはははははっ!
 全然驚かない…こんなの初めてだよ!君には俺の初めてを取られてばっかりだ!」
心底楽しそうに笑いながらそう言うと、マーファから手を離し、一歩身を引いた。
「俺の名前は《《スコル・スコーピオン》》。
 …ぁ、君には|百目鬼《どうめき》‥、って名前の方が伝わるかな?」
チラリと、こちらの反応を伺ってきた。
---
---
--- No.6 ---
--- スコル・スコーピオン ---
性別 男
年齢 十八歳
種族 天狗の末裔
瞳  月のように*希望で* 輝く丸い金色の瞳
この世で最も目玉を愛しているであろう天狗の末裔。あくまで“末裔”のため、特殊な能力などはないが、素早さは他の人外と比べてかなり上。
ルアバーナスの中ではかなり常人の思考を持っているが|殺人鬼《メンバー》の中で比較して、と言うことになるため、やはり異常なのに変わりはない。
殺人の方法は、首を切り落とす、それだけ。そもそも殺人が目的ではないため、その行為に楽しみは見出していない。
目的はやはり目玉。落とした首から目玉を抉り出し、素早く保管できる状態にして持ち帰る。何年にも渡り培われたその技術に勝てる者は、世界中を探してもいないだろう。
幼少期に母親に殺されかけた時、母の瞳に映る絶望の色に染まった目を見てから“目玉”というものが好きになった。
母の目に反射して映るその瞳が、目が、◾️◾️のも◾️であ▪️◾️◾️と◾️ど、彼には知る由もない。
彼にとって“目玉”というのは、宝石のように輝き美しいものであり、一つとして同じものはない特別なもの。マーファの目はとても気に入っているため欲しいのだが、抉り取って保管するよりも、生きたまま輝いていた方が美しい、と本能的に理解しているため、実行していない。
目玉愛 ★★★★★
常人  ★★★☆☆
素早さ ★★★★☆
---
--- 資料No.6 ---
--- 真っ赤な瞳 ---
マーファの持つ、血のように赤い瞳はとても美しい。
絶望に沈んでいて光がないのにも関わらず|輝いてい《希望があっ》て、感情によって雰囲気が変わる。
やはり目玉を好きになって良かったと思う。目玉は愛すべきなのだ。あぁ…絶望に沈んだあの瞳を、もう一度見たい。
もし仮に、俺が「誰かを好きになる」なんてことがあるなら…きっと、相手は彼のように、“美しい瞳を持つ者”なのだろう、と、最近フと考えることがある。“年頃”というヤツなのだろうか。
元々マーファを付けていたのは彼の目を手に入れるためだったが、
`“そのままの美しさ”`
を本能的に感じ取り、スコルは目を抉るのをやめてフレンドリーに接した__つもり__。
---
---
マーファ「‥ア゛ー…聞いたことはあるが‥」
実際、マーファも仲間になる殺人鬼の名くらいはあらかた調べていた。記憶を探れば、“百目鬼”という名がリストには確かにある。
彼は、今宵結成する、*`混沌に生まれし初の秩序` ルアバーナス* のメンバーの一人なのだ。
-- 当然、今の今まで思い出しもしなかったのだが。
スコル「あぁ良かった。知ってもらえていたんだね。
    君さえ良かったら、俺のことはスコルって呼んでよ!」
マーファ「……」
マーファの胃がキリ‥、と痛み始める。こうなる時は大抵碌なことがない。さっさとこの場から去ろう、そう思い足を動かした時だ。
スコルがほんのりと頬を染め、マーファの目をジッと見つめてくる。まるで蛇に睨まれたかのような錯覚を起こし、彼は一歩後退りした。
マーファ「…なんだよ、気色悪ィ‥」
スコル「‥君の目は、本当に綺麗だ。《《あの時》》ほどの、ってことないけど…久々に魅入っちゃって…。
    それに、君の目をこんな至近距離で見るのは、初めてだったから」
マーファ「ふざけんな、そう言う顔しながら言うんじゃねェよ。
     ホントに、うちの組織にはまともな奴がいねェのか?キメェんだよどいつもこいつも‥!!」
ただのドM、義務教育を終えぬ幼さで殺人鬼と成り下がった者たち、謎に目隠しをした情報操作に優れる関西弁野郎、目玉フェチの変態……
今日だけで、五人ものイカれた人物に会っている。それも一日の話ではなく、数時間のうちでだ。
スコル「まだマシな方だと思うけどね、俺は」
マーファ「それはテメェの感覚だろざけんな」
スコル「その嫌悪剥き出しな目も綺麗だね」
マーファ「チッッ゛」
ニコリと笑った上機嫌なスコルとの不安定な会話の成立に苛立ったマーファは、盛大に舌打ちをして背を向けた。
先ほどから胃痛が酷くなっている。嫌な予感しかしない。
マーファ「…ともかく、集合時間近けェんだし、目ん玉野郎はさっさと行けよ。遅れたらマジで殺すからな」
スコル「君の方が遅れたらまずいんじゃないかなぁ」
マーファ「テメェに心配されるほどバカじゃねぇよ。平気だ。もういいからさっさと行けよ」
スコル「うーん…もう少しルシちゃんの目を見てたいんだけど‥」
マーファ「…テメェその呼び方、なんで名前知ってン」
スコル「ちょっと情報通だからね。多少の情報くらいは握ってるさ」
マーファ「ア゛ーンッとに腹立つ‥」
苛立ちが溜まっていく一方でマーファは爆発しそうだった。今すぐにでも刺したい。楽になりたい。そのことで頭がいっぱいになっていく。
スコル「くはは、そんな怒らないでよルシちゃん。
    どうせ、名前なんてあとで言うハメになるんだし。結局呼び方は変わらないんだから」
マーファ「はー…」
しばらく目を閉じて深く息を吐く。
落ち着いたのか、マーファはスコルには完全に背を向けて歩き出した。
マーファ「…ともかく、テメェはさっさとあのビル行ってろ。
     着いてくんなよ、目ん玉なんざ今じゃなくても見れンだから‥」
スコル「_本当に?!それなら明日、俺の満足いくまで見せてねルシちゃん!」
マーファ「………………__クソが。__
     それでいいから、マジでもう行け」
スコル「もちろんいいよ!
    その代わり。明日、約束だからね。ルシちゃん?」
マーファ「わァーったって言ってんだろしつけェんだよ!!!」
スコル「わ、」
彼のしつこさに、マーファは限界になりその場で怒鳴る。そしてほんの一瞬、一秒にも満たない時間_マーファは、殺気の籠った目でスコルを見た。
その瞬間、スコルは胸が高鳴るのを感じる。
スコル「……」
スコルが驚いている間に、マーファは素早くビルの上まで上がると、そのままどこかへ去ってしまった。
彼はマーファの去って行った方をしばらく見つめると、首にかけてあるロケットペンダントを軽く握って、ニコリと笑みを浮かべる。
スコル「__
--- 君の目が、|その輝きの《生きた美しさの》まま… ---
    *このペンダントにしまえたら良かった* のに‥」
しかし、その言葉は風と共に、誰の耳にも届くことなく、空へと消えてしまった__。
        
            今日の監視時間
3572時間(文字)
やっぱり約一話分増えそうですね〜。ホントなら三話目にまた新しい変たi( ゲフンゲフン キャラが出てくる予定だったのですが…。
んま、話数なんておおよそで考えてたしいっか!話数が増えれば増えるほど、頑張ってるってことだし!(?)
今回はね、目玉フェチなスコルくん!!設定がね、ホントに分かりやすくわたくしミルクティの性癖でございますムシャムシャ(^~^*)
この子本当に僕のお気に入りキャラなんですよ!!!(今回のキャラの紹介でそれが滲み出てしまってますねhahaha)
初めて見た時から一目惚れですよ!!!やはり人生はこうでなくては。一目惚れこそ恋( の始まりなのです!!!本当に、こんなキャラクターが創作できる創作者様が本当に羨ましい…!!
コホン… お気にのキャラほど、主人公との絡みを異常に多くしちゃいがち…!みんな均等になるように頑張りたいところですが、はたしてミルクティの理性は保てるのか……(保つんだアホ)
構成通りにいけば、次回とその次も新キャラが出る予定ですのでね。わたくしの理性と共に、次回以降も乞うご期待!!((
        
    
     
    
        第四話[白猫か黒猫か]
        
            【注意喚起】
・この物語は、暴行、血、殺人シーンなどのグロテスクな表現が入ることがあります。
 そう言った場合、改めて注意喚起を行いますが、読む際には十分ご注意下さい。
・この物語に登場する人物、場所などの大部分はフィクションです。
 ただし、一部、現実にあるものなどを引用等している場合がございます。
・こちらの「マーダラたちのアセンブリー」は、現在非公開中の「マーダラたちのアセンブリー {第一章}」を元に作っていますが、同じものではなく、別物としてお楽しみ下さい。
・ファンレターは常時受け付けております。
 訂正箇所の発見、質問、感想、アドバイス、物語の考察、番外編リクエスト、ファンアートなど、皆様からのご意見をもとに精進していきます。また、執筆の励みにも繋がりますので、もし良ければ書いていって下さい。
 ただし、登場人物や物語に対してのあまりにも酷い罵詈雑言については、証拠として写真を撮り、運営様へのご報告、ブロック等の処置をさせていただきます。もちろん、自主企画で参加してくださったキャラの提供者様方へのアンチコメント等も同じく対処させていただいますので、そう言ったことが起こらないよう、十分ご注意下さい。
・自主企画にて募集したキャラクターたちは、可能な限り設定を忠実に守り物語へ登場させていますが、一部、こちらで設定を変更をし、設定に書かれていない部分は個人の想像で作っています。
 あまり変更等はせず、設定の変更等を行う場合は、元の設定から変わらないよう可能な限り善処致します。
        
        
        
--- ※今回の物語では、**惨殺シーン・血(体液)・などのグロテスク表現** が入ります。 ---
---  体の構造を理解していない人間が書いていますので、人体の構造上にありえない表現が入ることもあるかもしれません。 ---
---  また、濃くありませんがBLもあるため、`グロテスク表現(アホグロ)・BL`が苦手な方はブラウザバックを推奨致します。 ---
--- それらを理解した上でお読み下さい。 ---
--- また、読んだ上で気分を害したとしてもこちらは責任は取りません。 ---
--- それでは、本腰に入った*“マーダラたちのアセンブリー”* を、お楽しみあれ ---
---
---
--- この世界には、警戒すべき人物がいる。 ---
*希少種の二人組*
彼らは殺し屋を営み、片手間に他事業をしている。
一人は、現代では少々珍しい笠を被り、もう一人は殆ど人間のような見た目の奇襲種。
しかし、彼らの住む場所は、ダーティヴォーからは少し離れた、ネオバーナスとの間。ルアバーナスのメンバーに殺しの依頼が来ない限り、会うことはないだろう。
問題はこちらだ。
「ジャークメイル」という名の、ギャング組織に組みする抗争員の一人。他の抗争員はどうってことない。ルアバーナスと似たように、寄せ集め…
しかし、どこからか突如として現れ、嘲笑うかのようにこちらを覗き見るような目をした彼は__
--- *要注意人物だ。* ---
---
---
月明かりに照らされ、何かの影が彼らの頭上を通った。
「__なんだ?」
通り過ぎた影に気がつき一人が空を見上げる。
しかし、影の正体は分からない。
「…気のせい、か…」
「_おい、何やってんだ。さっさと行くぞ。__ボケっとしてんじゃねぇ__」
--- __《《奴》》は、 ---
「あぁうん、悪い‥なんか、影が上通ったのが気になって」
「はーぁ?ただの鳥だろ」
「いやぁ、鳥にしちゃデカいくて…それになんかこう、鳥というより」
--- 既に ---
「_人間くらいのデカさで、なんかどっかで見たことあった気がするんだよ」
「なんだそれ?どっかで見たって…ンな漫画みたいなこと、あるわけねぇじゃん」
「いやぁ、でも‥確かにどっかで…」
--- 目の前にいるのだから ---
**「`よォ`」**
「___、!?」
赤い瞳
フードから覗く不適な笑み
少しばかり低い身長
「あぁ、そうだ…どっかで見たと思ったら‥!!!」
突然現れた彼_マーファもとい、《《マーラ》》はニヤリと不気味な笑みを浮かべる。そして、そんな笑みに男たちは背筋が凍った。
「__何で、こんなところに、マーラが…ッ!!?」
「この辺には出ないって言ったじゃねぇか!!!なんでッ」
マーラ「ハハっ」
「クソ、こうなったら…!!!」
「ッ、オイバカやめろッ!!」
一人の男が、無謀にも彼に向かって一直線に走り出す。大きく腕を振りかぶり、目の前まで来ると男はその腕を振り下ろした。
マーラ「おッせぇな」
「__ァアァアアァァアッ゛」
_否。
腕は振り下ろされたのではなく、《《切り落とされた》》。
男が叫び出す頃には、大きく太い男の腕は、根本から切られ、重力に逆らわずにそのまま地面へと落ちていた。
マーラ「ハハッ!ヒ、ィッヒヒ…!!!」
男は、痛みで暴れ出す。
そして、マーラは不気味な笑い声を上げた。脳内でアドレナリンが大量に分泌され、夢心地_これこそ彼が求める、ストレス発散であり、唯一の*快感* 、*快楽…*
ボロボロと、男が痛みと屈辱に涙し、彼への怒りを募らせる。
しかし、男の行動は、どれもこれも無謀に過ぎない。男の言動全てが、マーファの興奮を高める材料になるだけなのだから。
マーラ「俺は`“マーラ”`…テメェらが最後に見る|《殺人鬼》…
    冥土の土産に覚えていけよ…なァ?イッヒヒ‼︎」
既に物言わぬ物体になってしまった男の上に座り、彼は不気味に笑いながら、愛用するナイフで頭を突っつく。
その拍子に、頭にナイフの幅分ぽっかり空いた穴から脳髄液がタラリと垂れる。その穴からは、体液の他に、チラリと潰れかけた脳みそが顔を出していた。
マーラ「…」
つい先程まで、腕を切られ怒り狂っていた男は見るも無惨な姿となった。
右目から下方向に避けた皮膚は、皮一枚で何とか繋がっており、ダラリと男の顔に垂れ、一部は血液で張り付いていた。皮膚がないせいで頬の肉は丸見えとなり、二度と動かない表情筋がよく見える。
その姿
--- *`さまに滑稽`* ---
何と無様で、何と気持ちが悪いのだろう?
しかし、だからこそ、彼はより一層*高揚* する。
マーラ「__ヒャハ__  ア〜ぁ゛!かっわいそ。ヒヒっ」
赤く光る瞳をより一層ギラつかせ、マーラは空を仰ぎ片手で顔を覆った。口元は異様なまでに口角が上がり、それはそれは楽しそうだ。
すると、その状況を見守るしかなかった男がようやく動き出す。チャンスかもしれない、と思ったのか、走り出した。しかし、恐怖で足がフラつき、男は何度も転び擦り傷がところどころできる。
マーラは、その男の背中に容赦なく投げナイフを二本刺す。背中に走った痛みに、男は叫び、転び、腰を抜かし、ついには失禁した。男は恐怖で感覚が麻痺し、それに気付かず息を荒げて「殺さないでくれ」と狂ったように呟く。
神に祈っているのか、はたまたマーラに命乞いをしているのか…男は必死に手を合わせた。
--- しかし、全て無駄だ。 ---
マーラ「はは、漏らしてやんのォ゛!!
    アー、キモ…w ガキじゃねェのに漏らして‥恥ずかしぃなァ…?」
--- この`残酷無慈悲`な男に、命乞いなど通用しないのだから。 ---
ゲラゲラと大きな笑い声上げ、腰が抜けて動けない男へとゆっくり歩き出す。片手でナイフを弄び、クルクルと回しながら迫り来る恐怖に、男は震えが止まらず気が狂いそうになった。
男の前までやってくると、マーラはしゃがんで男の目線を合わせ、ナイフでゆっくりと男の頬をなぞる。痛みは感じなくとも恐怖する、この男が最も絶望した顔を見せる、優しい優しい力加減。
男はより恐怖に駆られ、瞬きすらできずに、ナイフとマーラの顔を視線だけを動かし、交互に見つめる。
そして男が恐怖と絶望に顔を染めると、マーラはニヤリと笑うと同時に、ナイフを男の頬に突き立てた。
男は絶命した。
体のあちこちに深くナイフを突き立てられた跡が残り、痛々しいし死体と変わり果てた。恐怖で殺し、生命までもを殺す。それが、彼の好きな|殺《ヤ》り方だ。
マーラ「ヒャハハ‼︎ 死んじまった死んじまったァ〜!!ヒャハ 、もうちょい行ける気がしたんだけどなァ゛〜、根性ねェ奴!ヒヒッ
    ……ンでぇ?何の用だよォ?‥テメェだ、《《さっきから見てる》》そこのヤツ」
初めからそこにいた男に、マーラは親切に声をかけてやった。
仲間が惨殺されるのを、逃げもせず、怯えもせず、ただ見つめていた男はニヤリと笑う。
「ふぅん?分かっててそのままヤったってわけ。ハハッ!オモシロ」
マーラ「_!」
突然、自分の目の前に“顔だけ”が浮かび上がった。正確に言えば“顔のパーツのみ”だ。マーラより随分と高い。二メートルはあるだろう。
男は、マーラを上から覗き見るように顔を近づけてくる。
マーラ「…お前‥どっかで…」
「そりゃあ俺ェ、有名人ですからァ」
マーラ(喋り方ウッゼェ)
「俺の名前は“◾️◾️◾️ ニネラヲォ”。ジャークメイルに組みする一人!!」
マーラ(名前が聞き取れねぇ…)
“◾️◾️◾️ ニネラヲォ”と名乗った男は、相変わらず顔のパーツだけが浮かんでいる。目・口・眉、たったそれだけ。
それなのにも関わらず、マーラにひしひしと伝わるってくるのは、圧倒的な存在感とニネラヲォから感じる強い威圧感だった。
マーラ「…ジャークメイル…アー゛、あの雑魚の集まりのか?ハハッ」
ニネラヲォ「おーおー、一応有名なギャングなんだけどなァ。__雑魚呼ばわりとは__」
ゲラゲラと笑い、ニネラヲォは空を仰ぐ。
ニネラヲォ「_んま、事実だけど」
見下すような視線を送った直後、マーラの背後に、先ほど別の男に刺した投げナイフがきらりと光った。投げナイフはマーラに向かって一直線に飛んでくる。
ソレに気がつきマーラが振り返った頃には、既に顔まで数センチのところまで迫っていた。
ニネラヲォ「なんかさァ、“ルアバーナス”だか知らねぇけど、それのリーダーサンがこんなとこ一人でほっつき歩いちゃダメでしょォ?」
マーラ(しまッ_)
キンッ…という金属同士が触れ弾く音と共に、投げナイフはどこか遠くへ飛ばされた。
「_フハっ。セーフセーフ!
 マーファ、怪我はない?♡__あったら僕が丁寧に(舐めて)治してあげる!♡__」
マーファ「…ハ?」
ニネラヲォ「ワオ。だいたぁ〜ん!!」
ケラケラ笑うニネラヲォと、現れた人物の行動に理解が追いつかず体が固まったマーファを他所に、彼はマーファに強く抱きついた。
「マーファ、会えて良かったよ!__小一時間探した甲斐あった♡__」
マーファ「……イヤ誰だテメェ‥」
「!?お、覚えてないの…?!__ショック…あいやでも仕方ないっちゃないのか__
 コホン…僕は|黒川 黒葉《くろかわ くろは》。マーファは、“|黒豹《くろひょう》”って呼び名の方が分かるかな?」
---
---
--- No.7 ---
--- |黒川 黒葉《くろかわ くろは》 ---
性別 男
年齢 (種族から推定)3~4桁
種族 猫人間
嫌い 敗北 、大切な人を傷つけられること
マーファのことが大好き過ぎるマーファにゾッコンなイカれ野郎。マーファから極端に嫌われている。また、マーファを狙っている者は嫌い、ラヴァのことは「クソ野郎」と呼ぶ。
マーファのことが好き過ぎるが故にメンヘラ気味になりつつあるが、本人にその自覚はないため末恐ろしい。ストーカー・盗撮・告白は日々の日課…?
殺人の手法は様々で、斬殺・刺殺・銃殺・爆殺…など色々な道具を使う。主に使うのは、普段から帯刀している日本刀。また、この日本刀は計画的犯行で殺した人物から盗んだ物で、切れ味がとても良い。
相手を拘束する時などに使う“糸”と爆弾は黒葉の自作であり、その製作方法は本人以外誰も知らない。糸を使って罠を作ることも可能。
武器の扱いは、マーファ同様全て独学。
マーファLOVE      ♥︎♥︎♥︎♥︎♥︎♥︎♥︎…♾️
常人        ★☆☆☆☆
負けず嫌い       ★★★★☆
---
--- 資料No.7 ---
--- ジャークメイル ---
近年知名度が上がった強力なギャング組織。
組織にいる抗争員はほとんどが寄せ集めで、集団行動ができない輩が多く、『質より数』派。リーダーは筋肉頼りの脳筋、副リーダー的立ち位置の者が組織の頭脳を|担《にな》っている。
また、マーファともう一人くらいで乗り込めば壊滅できる程度の力しかない(組織の殆どが単騎で突っ込む阿呆なため)。それなのにも関わらず知名度・力が急激に上がったのは、やはり“あの男”の影響なのだろう。
英語で書くと「Jerk male」となる。意味は“嫌な男”もしくは“バカな/マヌケな男”。リーダーである脳筋が意味も考えず名付けたダサい名前。
---
--- 資料No.8 ---
--- ジャークメイルの最|強《恐》 ---
ジャークメイルで最も強く恐れられている人物、“◾️◾️◾️ ニネラヲォ”、またの名をネナフティ。苗字不明正体不明弱点不明の人物。
彼はいつも顔のパーツだけが浮かんでいて不気味だ。また、特殊な能力を使い、離れたところにある物を浮かんで運び、動かすことが可能。
◾️◾️◾️ ◾️の兄という情報があり、ブラコンらしい。弟からは極度に嫌われていて、「クソ兄貴」と呼ばれている。兄貴と呼んでくれるだけで嬉しいので何も反論しないとのこと。
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マーファ(‥ぜんっぜん知らねェよクソが…)
マーファ「…取り敢えず離れろ‥__キメェ__」
黒葉「ヤダ♡」
ニコニコと、切れ長な目を細め呑気に笑う黒葉は、一向にマーファから離れようとしなかった。それどころか、自分の着ているコートの中にマーファをいれて頭の上に顎を軽く乗っける始末。
黒葉「だってこんなに近くにマーファがいるんだよ?離れるなんて無理に決まってるじゃん!♡」
マーファ(キッッメェなんだコイツ…!!!!)
既にマーファの胃痛は始まり、今すぐにでも抜け出したくて仕方がなかった。しかし、上手い具合に抜け出せないよう、関節などを押さえられているため、なかなか抜け出せない。
そのせいで、苛立ちと胃痛は酷くなる一方。
ニネラヲォ「お熱いねェ。__他所でやれよ__」
黒葉「君は黙っててくンない?マーファと僕の時間邪魔しないでよ。
   大体さぁ何様のつもりなわけ?僕のマーファを殺そうとして…さっさとくたばればいいのに」
ニネラヲォ「アーアー、聞こえねー!!!!__コイツ口悪ッ!__
      ったく…俺、そーゆーめんどいのキラーイ」
黒葉「はァ?」
ニネラヲォはそういうと同時に、マーファたちの目の前から突然姿を消した。あれほどあった彼の存在感と威圧感はなくなり、マーファの気分は多少楽になる。
マーファ「…で」
黒葉「うん?♡」
マーファ「**テメェはいつになったら離れるんだ**」
黒葉「これからずっと離れないけど?♥︎」
マーファは苛立ちを隠せず、ドス黒い声でそう言ったが、呆気なく黒葉に返される。普段一緒にいる、龍仙 冥やラヴァ・ヤフォーですらゾッとするのにも関わらずだ。
そのことにさらに苛立ちを強くしたマーファは、力づくで抜け出し、ルアバーナスの拠点である廃ビルへと帰路に着いた。
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マーファ「…テメェはいつまで着いてくるつもりだ」
黒葉「どうせ行く場所同じなんだし、一緒に行こうよ♡」
マーファ「は゛?」
黒葉「‥あれ、言われなかったのマーファ?
   僕、今日から“ルアバーナス”の一員なんだよ?__お誘い受けたときすっごく嬉しかった♡__」
マーファ「…………は、ァ゛‥?」
マーファ(|アイツ《クソドM》…コロス)
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ラヴァ「_クシュンっ……噂されてるんですかね‥?
    って、それより…マーラ先輩どこまで行ったんですかーっ!!!」
「_ルシちゃんなら、もうしばらくすれば着くと思うよ」
ラヴァ「ほアッ
    ………なっ、なんだ百目鬼先輩でしたか…__いきなり後ろに立たないで下さい‥__」
スコル「くはは、ごめんね。そんなに驚くとは思わなくって」
ラヴァ「__いや、誰でも驚きますよ…__
    ‥それより、マーラ先輩に会ったんですか?」
スコル「あぁ。ルシちゃんとは、さっき楽しくお話ししたよ」
ラヴァ「…‥たの‥しく…」
スコル「…何やらグロテスクな考えが浮かんでるみたいだけど、そういう意味じゃないからね?」
ラヴァ「ハッ。いえそんなこと別に!!
    そんな、二人で一緒に誰かの目玉を抉ってる光景なんて思い浮かべまs…」
スコル「…そうか‥」
ラヴァ「………ハイ」
スコル「…取り敢えず、廃ビルに戻ろう。ルシちゃんも、もうすぐ帰るはずだよ」
ラヴァ「……はい‥」
        
            今日の監視時間
6504時間(文字)
どうしても出したかったキャラの登場を捩じ込んだら文字数が犠牲になった(((
あのキャラは今後、ハッキリとは出ないかもですね(「ニネラヲォに似てんなコイツ」とかをマーファが言うかもしれませんが)。なんで、出るとしたら…ここではないかと。
さてと。
やはりアホエロ、ならぬアホグロ、は脳死で書けてしまいますね!!!(?) 殺人シーンだけで、約2000文字書いてしまいましたよ!(笑) コメディよりこっちのが性に合ってんでしょうかねぇ。…ちょっとご遠慮したいですねソレ。
今回はね、マーファ大好き!!と言えばと聞かれて一発目に出てくる黒葉くんが初登場ッ!!(プロローグにも出てますがまぁあれはほぼ出てないですしノーカンですノーカン) いやぁ、ようやく出せましたよ‥。前のシリーズでは一ミリも出ませんでしたからね、黒葉くん。今回はきちんと出しました!!(当たり前)
次回は三人初登場予定!!(二人は前シリーズで一応登場済み)設定を上手く使って、そこ三人は絡み多めにしたいところ…(難しそうですが)。次は少し投稿空けるかもですね、怪物カフェとリクエストの執筆がありますので…。
それでは、次回もお楽しみに!バイミル☆
タイトルの意味↓
黒葉くんが猫人間なのでそこを掛けて…
白猫:恋愛や仕事における出会いを暗示する。恋人候補となるステキな相手との縁に恵まれたり、仕事で良いパートナーと出会えたりするとされている。
黒猫:中世ヨーロッパでは、黒猫=不吉・不運なイメージと結び付けられ、魔女の使い魔としての印象も強くなった。
つまりは、
「黒葉くんは、マーファにとってどっちになるでしょうね?(*^^*)」
って意味です。白猫なら良い(仕事の)パートナーとなるでしょうし、黒猫だとしたら魔女(黒葉くん)の魔性に負けたマーファが堕ちてしまうかも…?
ただ、黒猫って日本や一部の国では魔除けや恋愛運アップという意味もありますから、黒葉くんは、魔(ラヴァやスコルなど正直マーファが関わりたくないと思う人たち)を除ける駒として使われたりするかもですね。
まぁ、なんにしてもマーファの近くにいれるでしょうから、黒葉くんは幸せかも( ̄▽ ̄;)
(以上、普通に幸せハッピーなカップルになるという道はないのかと突っ込みたくなるタイトルの意味合い解説でしたッ!!)
        
    
     
    
        第五話[ゴースト嫌い]
        
            【注意喚起】
・この物語は、暴行、血、殺人シーンなどのグロテスクな表現が入ることがあります。
 そう言った場合、改めて注意喚起を行いますが、読む際には十分ご注意下さい。
・この物語に登場する人物、場所などの大部分はフィクションです。
 ただし、一部、現実にあるものなどを引用等している場合がございます。
・こちらの「マーダラたちのアセンブリー」は、現在非公開中の「マーダラたちのアセンブリー {第一章}」を元に作っていますが、同じものではなく、別物としてお楽しみ下さい。
・ファンレターは常時受け付けております。
 訂正箇所の発見、質問、感想、アドバイス、物語の考察、番外編リクエスト、ファンアートなど、皆様からのご意見をもとに精進していきます。また、執筆の励みにも繋がりますので、もし良ければ書いていって下さい。
 ただし、登場人物や物語に対してのあまりにも酷い罵詈雑言については、証拠として写真を撮り、運営様へのご報告、ブロック等の処置をさせていただきます。もちろん、自主企画で参加してくださったキャラの提供者様方へのアンチコメント等も同じく対処させていただいますので、そう言ったことが起こらないよう、十分ご注意下さい。
・自主企画にて募集したキャラクターたちは、可能な限り設定を忠実に守り物語へ登場させていますが、一部、こちらで設定を変更をし、設定に書かれていない部分は個人の想像で作っています。
 あまり変更等はせず、設定の変更等を行う場合は、元の設定から変わらないよう可能な限り善処致します。
        
        
        黒葉「〜♪♡」
マーファ(随分と愉しそうだなコイツ‥)
上機嫌な黒葉と、不機嫌なマーファ…側から見れば、ちょっと歪なカップルに見えなくもない。
あれから数十分。付かず離れずな状態で廃ビルのすぐそこまでやって来ていた。この辺りは声がよく響くため、喧嘩でもしようものなら、半径二キロ圏内の人間にその声を聞かれることとなる。そんなこの場所で喧嘩をするバカは基本的にいないのだが……今回は例外のようだ。
黒葉「…なんか廃ビルの前騒がしいねぇ」
マーファ「アァ゛?‥そういやァな‥__そんなもんどうでもいいが‥__」
黒葉「アハっ、こんなの気にしてたら胃がもたないもんね?__かわい♥︎__」
マーファ「…」
黒葉「…なんで離れるの?」
ピタリと止まり、ニッコリと笑ってマーファを見る黒葉を他所に、マーファは先を歩いた。
黒葉「もう、マーファったら照れ屋さん!♡」
マーファ(キッショ)
---
「__からッ…我は《《ゴースト》》ではないと何度言えば分かるのだッ」
男の声と共に、金属がぶつかる激しい音が辺りに響いた。どうやら、廃ビル前にある空き地で誰かが喧嘩しているらしい。
「どう見たってゴーストだろッ!!!!__足ないし浮いてるし服ボロっちぃし!!!__」
__「服!?」__
「お互い譲りませんねぇ」
マーファ(…何やってんだコイツら)
マーファ「…、アイツ‥」
「わ、我は…!!ゴーストではなく、“死神”だ。似ているところはあるかもしれぬが、全くの別物で」
「んじゃ聞くけど、冥界のカミサマが人間界になんのご用ですかァ?」
「っ…それは、」
マーファ「**オイ**」
一人が知り合いだったため、マーファは声をかける。しかしその声は、“声をかけた”というには少々低く、まるで相手の服従を望むかのような声だった。
「「!」」
その声に、その場にいた三人は一瞬|威圧感《強者の圧力》に襲われる。気を緩めれば膝をついてしまいそうなほどの圧だ。
…間近でその声を聞いたはずの黒葉は、笑顔でマーファに近づいているのだが。
マーファ(《《コレ》》で膝つかねぇなら、全員そこそこか…)
「_マーファ様っ!!!お久しゅうございます!!__軽く四十年ぶりでしょうか…__
 変わらぬお姿でございますなっ!」
黒葉「は゛?」
ピキ、と音が聞こえて来そうなほど額に青筋を浮かべて笑う黒葉に気付かぬまま、カラスのお面をした人物はマーファの手をギュッと握り、激しく上下に振った。マーファも、それに嫌がる素振りを見せず大人しく答える様子から、慣れた経験のようだ。
マーファ「おー‥オマエもな。__全く変わんねぇの__」
「我は死神故、姿形はなかなか…」
---
---
--- No.8 ---
--- トート・スカラー ---
性別 男
年齢 (種族から推定)666歳
種族 死神
`罪 ???`
マーファに命を救ってもらった、天使時代からのちょっと顔見知りな神様。
冥界で取り返しのつかないことをやらかした結果、罰を受けて冥界から追放された。現在は人間界で人を殺しまくっている(冥界はそのことを知っているが、諦めて放置)。
礼儀は重んずるタイプで、マーファだけでなく他の人にも礼儀正しくする。あの特徴的な喋り方は直らないし直すものでもない。
殺人の方法は主に自己紹介からの命を刈り取り。複数人で動く時は後ろからの奇襲、しかし圧倒的に単独での行動の方が多いのでごく稀にと言った感じ。殺人は好きだが、相手が苦しむ姿は見たくないため一息に命を刈り取る方法を好む。ただし死体は魂が戻ってこないよう|ぐちゃぐちゃにする《遊ぶ》。__恐らく__マーファとは真逆な思考を持つ、スコルの次くらいに正常に近い人。
命を刈り取る際に使う鎌は、“普通”の死神の頃から使っている馴染みある愛用品であり、切れ味抜群で、様々なものを刈り取る力を持つ。
マーファ本人は、トートのことを割と気に入ってるし気にかけているつもり。同じ追放された身として話し相手くらいにはなれると思っている。
礼儀正しさ ★★★★☆
下ネタ   ★☆☆☆☆
昔の偉さ  ★★★★☆
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トート「…そちらの方はご友人、」
黒葉「__いやいやいや…何勝手に僕のマーファの手握ってるわけ…?何様なわけコイツ。ってかなんでマーファも嫌がんないの?僕は近付いただけで嫌そうにするのに…ああでもそういうところも大好きだけどさ、堕とし甲斐があるっていうか……でもそれとこれは話が別で__」
トート「…と、いうわけでは、ないよう、ですね…?」
マーファ「こんなのがゴユウジンとかあり得ねェだろ。__こんな盗撮ストーカー|マーダラ《殺人鬼》__
     それよりこの二人組なんだ」
トート「あ…彼らは…」
「何アイツら。ゴーストの仲間?__殺す?__」
「なんでもかんでもゴーストと決めつけるのは悪い癖ですよ、シャルル」
「えー。だってさぁシアン!」
マーファ「あんな雑魚どもと同類にすんじゃねェよコロスぞ…゛」
トート「貴様、我はともかくマーファ様までゴースト呼ばわりをするとはなんたる無礼だ。謝れ!」
「は?なんで謝んなきゃ行けないわけ。ンな紛らわしいカッコしてるのが悪いだろ」
黒葉「ねぇマーファ、もういいでしょ?《《こんな奴ら》》ほっといて中入ろうよ。__肌寒い!__」
マーファ「寒いなら先入れよ。俺ァコイツと一戦ヤってからじゃねェと気が済まねェ」
黒葉「アハ♡そんなとこもカッコい♡♪」
トート「それでは模擬戦を致しましょう。何かお考えがあってのことでしょう?殺してしまってはいけません」
マーファ「…おー。いいじゃねェか。__分かってんな。__
     おい、そこのゴースト好き」
「ア゛?誰があんな哀れな奴ら好きになるかよ。ふざけんのも大概に」
マーファ「ウゼェんだよそんなもんどうでも良いだろ。
     今から俺と一戦ヤれ。話はそれからだ」
「…はぁ?話が見えてこないんだけど」
マーファ「察しの悪いクソガキが…俺と一戦ヤって品定めさせろっつってんだろ」
「チッ…人をモノみたいに言いやがって…。
 いいぜ、受けてやる。その代わり、こっちは《《二人で》》、だ」
マーファ「ハッ、弱者は群れるってなァ?
     ま、好きにしろよ。何人相手でも負ける気しねェし」
黒葉(ブーメランな気がするなぁ…気づいてないの可愛い♡)
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--- 三戦中三戦勝利 ---
--- 勝者 マーファ・ルシファー ---
マーファ「雑魚」
「アァ゛?!!」
「シャルル。負けたのは事実でしょう?__シャルルの頬に切り傷をつけたのは絶対に許しませんが__」
そう言って、落ち着いた喋り方をする彼は黒い笑みを浮かべる。彼は、世間一般論でいうブラザーコンプレックス……“ブラコン”なのだ。
そのため、兄にあたるこの人物が、マーファに無理な突進した際につけられた頬の小さな切り傷にも相当な怒りを抱いている。
トート「素晴らしい戦いでした。マーファ様」
黒葉「マーファ〜!♡カッコよかったよ!__そりゃもう僕が惚れ直すくらいには♡♡__」
マーファ「二人とも近けェんだよ…__離れろ‥__
     …そこの二人、名前は?」
「勝った相手に名前聞くのかよ…__ウゼー!__」
「やめてくださいシャルル…。
 コホン。僕は《《シアン・ジェーン》》、こっちは双子で、一応兄の《《シャルル》》です」
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--- No.9 ---
--- シャルル・ジェーン ---
性別 男
年齢 (種族から推定)3000歳以上
種族 狼人間
考え 「ゴーストなんて存在してるだけで同じだろ?それなら殺しても問題なくね?」
シアン・ジェーンの実の兄。両親は他界済み。お互いがお互いに依存し惹かれあっている共依存兄弟。シアンのことは唯一の家族であり必ず守らねばならぬ存在だと認知し、必ずそばに居るようにしている。ルアバーナスのメンバーの話だと、時折シアンを“弟”として見ていない気がするとのこと…。
身体能力が異様に高く、高い柵を平然と飛び越えたり、五階より高い階層からでも難なく飛び降りることが可能。その代わり頭は非常に悪く、どの教科もまるでできない。“算数”なんてやらせようものなら、新たな解読不可の方程式が完成するレベル。強いていうなら国語がギリギリ…?といった感じ。頭の出来は母の腹の中で弟に吸われた。
殺人の方法は、主にベレッタ92fsによる銃殺。脳天を一撃で打つことが多い。剣や刀といった武器は使えなくないが、重くて嫌いなため手軽な銃を好んで使う。
背後からの奇襲が多く、複数人での行動をするときは作戦通りに動かないことが多々あり困りもの。グループを組む、となったりすると正直避けられている。
兄弟愛  ♥︎♥︎♥︎♥︎♥︎
身体能力 ★★★★★
算数   ☆☆☆☆☆
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--- No.10 ---
--- シアン・ジェーン ---
性別 男
年齢 (種族から推定)3000歳以上
種族 狼人間
考え 「ゴーストなんてゴミ以下の存在。ゴミはゴミ箱へ」
シャルル・ジェーンの実の弟。両親は他界済み。お互いがお互いに依存し惹かれあっている共依存兄弟。シャルルのことは「“一応”兄」なんて言い方をするが、ホントは大好き。シャルルがこの世からいなくなったら精神的に異常をきたすのではないかと周りが心配になる。
頭の出来が非常によく、ルアバーナスの中でもトップレベルで頭が良い。中でも算数・数学の類は群を抜いて得意なため、暗算なんてお手のもの。ルアバーナスの作戦会議でもみんなを引っ張るのはシアンのことが多い。身体能力は決して低いというわけではないが、シャルルや周りと比べればやはり劣る。身体能力は母の腹の中で兄に吸われた。
ちなみに料理の上手さは母の腹に忘れてしまった。ダクマターが完成する。何を作ろうとしてたのか本人ですら分からない。
殺人の方法は、主に左腰に装着している片手剣での刺殺や斬殺。ごく稀にペティナイフを使うが、使うことは0に等しい。銃の扱いには慣れておらず、兄の方が好んで使っている。
一人、またはシャルル同伴の時は正面から切りつけるが、複数人で殺人をする場合は背後から。作戦通りに動き、緊急時にはその頭で柔軟な対応をするため、グループを組む時などは優先的に誘われている。
兄弟愛  ♥︎♥︎♥︎♥︎♥︎
頭の良さ ★★★★★
料理   ☆☆☆☆☆
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落ち着いた方の人物は、深く深呼吸をして自身を落ち着かせ、“シアン”と、もう一人の人物を、兄の“シャルル”と名乗った。
しかし、その紹介の仕方にシャルルと呼ばれる人物は引っかかりを覚える。
シャルル「一応ってなんだ一応って!兄を敬えよ!」
シアン「敬ってますよ」
マーファ「シャルルにシアン、か…この辺では聞かねぇ名前だな…」
黒葉「あー…あれじゃないかな。最近ここら辺で増えたゴーストの。__駆除屋さん?__」
シアン「そう言えば説明がまだでしたね。
    僕らは二人で“ゴースト狩り”をしているんです。近年増えつつある各地のゴーストを間引いたり、全て駆除したりが専門の仕事なんですが…ここへはその仕事に来たんですよ」
シャルル「そーそー。なのにゴーストの一匹も見つからないんだよ!!__どーなってんだか__」
マーファ「…トート、この辺でゴーストって見かけたことあるか?」
この辺りで長い間過ごしているマーファだったが、“ゴースト狩り”と言われて首を少し捻った。何故なら、この辺りでゴーストなど見かけたことすらないからだ。__仮に見たことがあれば自身で駆除している。__
そして、それは彼らも同様。
黒葉「ぜ〜んっぜん。そもそもこの辺ゴースト出たんだ〜って感じ」
マーファ「テメェには聞いてねェよ」
黒葉「照れ屋さん♡」
マーファ(話が通じねェ…)
トート「この辺りはゴーストの発生自体、あまり聞かぬな…」
シャルル「はぁ?じゃあ、なんで依頼主は俺らをここに呼んだわけ?」
シアン「さぁ…」
シアンは肩をすくめ、シャルルは苛立っているのか、近くに捨てられていた缶を蹴り上げた。その様子を見ている三人も、少し顔を見合わせる。
しばらくの間続いた沈黙を破ったのは、シアンの一言だった。
シアン「‥それに…実は、先ほどから依頼主と連絡が付かないんですよね‥__何度か電話を掛けてますが、無反応‥__」
トート「依頼された時は直接会って話したのか?」
シアン「いえ、電話で」
ポケットから取り出したスマホを横目に、シアンは、「そういえば…」と説明し出す。
シアン「確か、会話の最中鎖のような音が電話越しに聞こえた気が…」
マーファ「鎖ィ?ンで鎖の音なんかするんだよ」
シアン「そこまではちょっと…」
トート「不明な点が多すぎるな…これでは特定も何もできない」
トートがそう言うと、シアンとシャルルも視線を合わせて小さく頷いた。
そこに黒葉が一言、
黒葉「逃げたんじゃな〜い?__そういうくっだらない悪戯、たまにあるよね〜__」
その一言で、シアンの表情は少し暗くなり、シャルルの不機嫌度も上がる。いくらゴースト狩りを好んでしているとは言え、仕事は仕事。生活費として使用しているのだから、依頼したからにはそれ相応の代金を支払ってもらわなければ困るのだ。
シアン「…困りましたね‥」
シャルル「全くだ。なんなんだよ、ッたく‥!」
シャルルの苛立ちがさらに大きくなるのを見たトートがハッとして口を開く。
トート「……、そなた‥まさか、ゴーストが見つからず苛立っていたから我をゴーストだと言い張って」
シャルル「〜♪」
チラリと横目でトートを見たシャルルは、分かりやすく顔を逸らして口笛を吹く。その様子に、トートとシアンは深くため息を吐いた。
トート「‥口笛で誤魔化せるほどこの世は甘くないぞ。謝るくらいしたらどうだ?」
シャルル「ゴーストもどきにこの世の甘くなさを訴えられたくない…__せめてあの世を語れ__」
トート「なッ…ゴーストもどきとはなんだ!!__失礼すぎるぞそなた__」
シャルル「死神とか、ゴーストと似たもんだろ」
トート「全くの別物だ!」
シアン「シャルル…そろそろやめて下さい、怒りますよ。__他者に当たり散らすのはシャルルの悪い癖です__」
シャルル「えっ…」
シャルルの苛立ちがシアンにまで伝わり、シアンの怒りも露わになってくる。普段、シャルルには怒らないシアンのその一言に、シャルルは悲しくなり声を漏らした。
シャルル「……シアン、俺に怒んの‥?」
シアン「嘘です怒りません怒れませんですからそんな目で見ないで下さい」
シアンがハッとしてシャルルを見ると、シャルルはうるうると瞳を震わせてシアンを見ていた。シャルルLOVEなシアンが、シャルルに“怒る”なんてあり得ない話だが、今回ばかりはシャルルも不安になったらしい。
シャルルとシアンが互いにごめんね、と言いながら手を握る姿を見ていたマーファと黒葉は、呆れからか、各々の思いを漏らした。
マーファ「__ブラコン…__」
黒葉「__当てつけ‥?__」
トート「そ、そろそろ入りましょう…!」
青筋を浮かべる黒葉と冷めた目でジェーン兄弟を見つめるマーファに向かって、トートは気を利かせた一言を放った。
---
マーファ「なんで|オマエら《シャルル シアン》まで着いてくる」
マーファは後ろを着いてくるシャルルとシアンにそう言い放った。ついでに腕にまとわりついてくる黒葉から少し離れる。階段を登っている真っ最中なため、無理に振り解くことはしなかった。
シャルル「暇だし、俺は今だにお前らがゴーストなんじゃないかと疑ってるから」
トート「まだ疑っているのかそなた…」
シアン「僕はシャルルが着いていったので」
黒葉「自分の意思がない人ってサイアクだと思うんだけど」
ニコリと笑い、当然のことかのようにそう言ったシアンに向かって、黒葉は皮肉な笑みを浮かべながら言った。
シアン「嫌がってる人にベッタリくっ付いて歩く人もサイアクだと思いますけどね」
黒葉「残念♥︎僕とマーファは相思相愛だから問題ナシ♡」
シアンの反論に、黒葉はマーファの腕をギュッと引き寄せニッコリ笑顔でそう返す。マーファは、黒葉の方へと寄せられ掴まれている腕を軽く振り、目を細めながら嫌悪感を露わにした。
マーファ「は?__気色悪いこと言ってないで離れろ__」
黒葉「そうは言いつつ振り解きはしないよね♡照れ屋さんなマーファも好きだよ♡」
無理にでも振り解かなかった数秒前の自分を軽く恨みつつ、マーファは深いため息を吐く。段々と胃がキリキリと痛み始めた。
マーファ(話が通じないタイプの奴マジで嫌い…)
黒葉「あ、お腹痛くなってきちゃった?胃薬飲む?」
差し出された薬が、普段自分が使っているものと全く同じなことに嫌悪感が増す。もちろん受け取らず無視をする。薬などは私物以外使わないよう徹底してるのだ。
過去に二度、危うく薬に紛れた毒を飲むところだった場面がある。それ以来、私物以外使わないようにしている。今回の場合毒ではないことは分かるが、相手が相手なので何が入っているか分からないと思い受け取らなかった。
トート「__殺気が漏れてますマーファ様…__」
マーファ「__無理だろこの状況で‥__」
心中お察しする、と言いたげな表情で、小さな声で言われたその言葉に、マーファは肩を落とした。
黒葉「使いたなったらいつでも言ってね!♡ちょっと副作用の強いだけの、《《ただの胃薬》》だからさ」
トート「それをこの世の生き物は“睡眠薬”と言うのだぞ」
黒葉「うるさいな‥口挟まないでくれない?今マーファと話してたんだから」
マーファ(飲まなくてよかった)
シャルル「こっわ」
シアン「愛が重いと嫌われますよ」
黒葉「君らに言われたくないんだけど」
シャルル「俺らは正真正銘の“ソウシソウアイ”ってヤツだから」
黒葉「喧嘩売ってる…?」
シャルル「売ってるけど?」
黒葉「は゛?」
シアン「__嬉しいですけど__やめて下さい…」
トート「やめぬか…」
マーファ「そもそも俺は|オマエ《黒葉》と話してねェんだよ‥」
黒葉「あ僕の呼び方変わったね?♡__ちょっと信用してくれたのかな?♡__」
マーファ「ア゛ーーー」
マーファは目を瞑り片手で顔を覆った。
マーファ「…それより…」
チラリと手の隙間から瞳を覗かせ、後ろにいるシャルルとシアンの方を向く。
マーファ「オマエら二人、これからどうすんだ。__行く宛はあンのか__」
シアン「それでしたら、シャルルが何も考えず突っ走ってしまったせいで、宿の予約などはこれからですよ」
シャルル「言い方ァ!」
シアン「事実でしょう?」
トート「この辺りの宿屋はきちんの仕事をしていないから、今からでは基本受け付けてもらえんぞ。__不真面目な奴らが多いのだ__」
シアン「それは……困りましたね…__寝る場所が‥__」
シャルル「俺野宿はヤダー!」
シアン「‥そもそも、シャルルがあの場で待っていてくれれば宿を取れていたんですよ…?」
シャルル「だって、ゴーストっぽいのが路地に入ってくのが見えたんだもん。__アイツら神出鬼没だし__」
マーファ(アホか)
マーファ「…なら、*条件付き* で部屋貸してやるよ。__別々の部屋な__」
シアン「…条件とは?__それと、部屋は同じが良いです__」
マーファ「**うちの組織に加入すること**」
その場にいた全員に、衝撃と沈黙が走った。
        
            今日の監視時間
8199時間(文字)
文字数に笑いが止まんねェ!!!((殴
いやぁ〜、書くの楽しくて文字数が大変なことになりますね!良いことなのか悪いことなのか…前回の文字数を大幅に超えてます。ビックリ。
そして、話ごとの構成はここで飽きてやめてしまっていると言う!!!(飽きんなよ)
つまりは次回からちょっとグダるかもしれない、と言うことですね。いやぁ困った!(  まぁ時間があれば話ごとの構成もきちんとやりますが…なにせ学業がねぇ‥(真面目に勉強してないくせに)
さて。今回は共依存兄弟とトートくん!トートくんは前のシリーズも含め初登場となります👏🏻  トートくん、好きなんですよね…正直今回は、トートくんの後輩みが前に出過ぎて感情の起伏が分かりやすくなっているんですが、ホントはもっと落ち着いてるクールキャラです(ワイの、ワイの癖が出ちまって…)。次回以降ももちろん登場しますので、クールなキャラということを皆さんに分かりやすくなるよう頑張りたいですね。
ちなみに三人の設定はまた書いていないので後ほど投稿します。設定含め、次の話もちょっと投稿まで時間がかかるかも…?(怪物カフェとリクエストもあるので)
それと、何気に(ようやく)ヴァレストの構成も書き始めてるので、それも相待って時間がかかりそう。優先的に書きはしますがね!
次回まで期間が開くかもしれませんが、ファンレター等を送って元気づけてくれると嬉しいです!(何気に病み上がりなんでね)それでは次回もお楽しみに!バイミル☆
        
    
     
    
        第六話[愛と凄惨]
        
            【注意喚起】
・この物語は、R18相当の暴行、血、殺人シーンなどのグロテスクな表現が入ることがあります。
 そう言った場合、改めて注意喚起を行いますが、読む際には十分ご注意下さい。
・この物語に登場する人物、場所などの大部分はフィクションです。
 ただし、一部現実にあるものを引用等している場合がございます。
・こちらの「マーダラたちのアセンブリー」は、現在非公開中の「マーダラたちのアセンブリー {第一章}」を元に作っていますが、同じものではなく、別物としてお楽しみ下さい。
・ファンレターは常時受け付けております。
 訂正箇所の発見、質問、感想、アドバイス、物語の考察、番外編リクエスト、ファン作品など、皆様からのご意見をもとに精進していきます。また、執筆の励みにも繋がりますので、もし良ければ書いていって下さい。
 ただし、登場人物や物語に対してのあまりにも酷い罵詈雑言については、証拠として写真を撮り、運営様へのご報告、ブロック等の処置をさせていただきます。もちろん、自主企画で参加してくださったキャラの提供者様方へのアンチコメント等も同じく対処させていただいますので、そう言ったことが起こらないよう、十分ご注意下さい。
・自主企画にて募集したキャラクターたちは、可能な限り設定を忠実に守り物語へ登場させていますが、一部、こちらで設定を変更をし、設定に書かれていない部分は個人の想像で作っています。
 あまり変更等はせず、設定の変更等を行う場合は、元の設定から変わらないよう可能な限り善処致します。
        
        
        --- 「|うちの組織《ルアバーナス》に加入すること」 ---
…それが、現在宿なしのシャルルとシアンに部屋を貸す*たった一つの条件* 。
しかし、その場にいた四人は階段を上がっていた足をピタリと止め、度肝を抜いたように目を見開き立ち止まってしまった。固まった四人の視線の先には、その発言の張本人…四人のことを不思議そうに見ているマーファがいる。
マーファ「なんだよ。__これ以上にないくらい好条件だろ?__」
黒葉「………えと‥」
トート「マーファ、様……?」
二人は遠慮がちに声を掛けながら苦笑いをして、マーファを横目で見つめる。しかし、こう言う時に限って疎いマーファは、それが何故だか分からず小首を傾げた。
シアン「〜〜…!」
シャルル「__あ__っはははははははははッッ!!!!!w
     まじ、マジかよアンタ、ふッw 破格の条け、ッははははは!!!」
マーファ「ア゛?」
トート「…失礼ですがマーファ様‥いくら、マーファ様がこのルアバーナスの最高責任者…《《リーダー》》であったとしても、それは流石に‥」
黒葉「誰だっけ、あのドMの…ともかくさ、あの人が事務仕事全般やってるんでしょ?組織加入って、結構書類仕事めんどいんだよ。
   だから流石に気の毒って言うかさ…__でも、マーファのそういうところ大好きだよ!♡__」
シャルル「ド え むゥ!!w」
マーファ「ドMなら喜んでやるだろ。__ドMなんだから__」
笑いが止まらぬシャルルを尻目に、マーファ 一行は再び階段を上がる。彼らの目的地はこのビルの最上階…六階にある。今はまだ二階なので、もうしばらく上がらなければならない。約束の時間ももうすぐなため、ゆっくりしている時間はないのだ。
四階へと上がる階段へと差し掛かる直前…しばらくの間、目を伏せたり小さく唸ったりして眉間に皺を寄せていたシアンがようやく口を開いた。
シアン「……えぇっと‥__あの‥__」
マーファ「“マーファ”。言っとくが、さっきの返事は『はい』か『イエス』しか返事は受け取らねぇからな。__気に入ったんだ__」
黒葉「え??」
シアン「__き、__気に入られましても‥」
シャルル「ふッww 良かったじゃねーか…!!ふ、ぁッはは‥っ」
黒葉「マーファ?ねぇ、《《僕は?》》」
マーファの一言に、シアンは呆れたような、困ったような、そんなため息を吐く。今だに笑っているシャルルを他所に、シアンはどうするか思考を巡らせた。
確かに安全な眠れる場所は必要だ。しかし、その条件が少々問題である。そもそも“ルアバーナス”がどんな仕事をする組織なのかすら知らないのに、気に入ったからと『入れ』なんて、無理難題すぎるのだ。
シアンがそんな風に頭を回転させている中、他四人は会話を続ける。
マーファ「……」
トート「む、」
黒葉「なんで何も言わないの?!」
シャルル「はははははははははッッ!!!!!!」
黒葉「さっきッからなんなの君は  殺すよ゛」
シャルル「〜〜〜!!!!ww」
黒葉「‥」
トート「オイやめろ貴様っ!!|刃《は》を収めろ!!__こんな場所で長物を振り回す気かッ?!__」
黒葉「いや大丈夫だよマーファ《《には》》ぜっったい当てないから…」
トート「つまり他は保証しないのだなッ!!!!いい加減にせぬかッ!」
黒葉「触んないでくンない?
   そもそも原点コイツでしょ。コイツどうにかしてよ」
トート「無茶を言うな無茶をッ!!!!」
マーファ「ハァ゛…」
呆れた目をしながら、マーファは踊り場にある窓の外を見る。もう春になっているというのに、吹く風はまだ少し冷たい。踊り場の割れた窓から少し冷えた風が吹き、マーファはマフラーを少し上にあげた。
踊り場と階段の掃除は、最低限しかされていないため、窓の交換なんてするわけもない。そのせいで、ここに来た当初から踊り場の窓は割れっぱなしだ。しかし、マーファは階段を降りるのが面倒くさいため、よくここから飛び出して出かけている。正直直さないままで問題ないと感じている。
ぼんやりと外を見ていれば、シアンが再度話しかけてきた。
シアン「…では、マーファさん‥。
    組織に加入というのは…そのままの意味で、僕たち二人が“ルアバナース”に入るという認識で正しいんですよね?」
マーファ「逆にそれ以外何があンだ」
シアン「仮に『加入しない』、と言ったら‥」
マーファ「|ソコ《踊り場の割れた窓》から出てけ。__殺さないだけありがたく思えよ__」
シャルル「はははははははははッッ゛wwwww」
シアン「ま、窓から‥」
マーファ「‥ただし、少しでも加入する気があるんなら、このまま着いて来い。
     ついでに言っとくと、早く決めて着いて来ないと、思ってる以上に迷うからなココ。__さっさと決めた方がいいぞ__」
シアン「‥分かりました」
シャルル「はァい__w__」
マーファの珍しい親切な言葉にシアンは渋々了承し、次の踊り場で立ち止まって頭を振り回転させる。マーファたちはそれに気づいたが、意図して置いて先に行ってしまった。無論、シャルルは笑いが引き、息を整えながら踊り場でシアンを待っている。
仮にここで『はい』と言ったとして、マーファや“ルアバナース”に自分たちが良く扱われるのか不透明。それに、『いいえ』と言ったら誰かに何かされるかもしれない。
様々な仮説が頭を飛び交い、通常の頭であればかなり混乱する。しかし、シアンのズバ抜けた能力の高さの頭なら、どうと言うことはない。同時に複数のことを考えることも、造作もないことだ。
“ルアバーナス”に加入するメリットは主に二つ。宿代がなくなることと、ナカマが増えること。宿代がなくなれば、二人分のぼったくり料金を払わずに済むため、金は溜まりやすくなるだろう。そうすれば生活も楽になる。…金目的で仕事をしているわけではないのだが、生きるにはどうしても必要だ。
二つ目のメリットは正直あまり考えていない。ナカマが増えたとて、|シアン《シャルル》は|シャルル《シアン》がいれば良いためどうでも良いのだ。
しかし、それに比べて身の安全はどうだろう。デメリットとして、そこが挙げられる。仕事内容が不透明なことで、実はブラックだったりした場合、過労で倒れるかもしれない。
自分自身が何かされるのはまだ良い。だがもし、シャルルに何かあったとなれば、それを知れば、シアンは一体何をしでかすか分からない。
だからこそ、《《また》》失わないように、慎重に考えねばならないと、責任感を感じているのだ。
-|シアン《シャルル》にとって、|シャルル《シアン》は、*“唯一の家族”* なのだから。
シアン「……」
シャルル「_なあ、シアン」
シアンがしばらくの間、眉間に皺を寄せ考え事に耽っていると、シャルルが器用に窓枠へと座りながら話しかけてくる。
シアンは顔を上げ、気難しい顔をしたままシャルルを見つめた。
シアン「なんですか、シャルル。今、少々考え事をして」
シャルル「そんなさ、気難しく考えんなよ」
シアン「…?」
一瞬、シャルルの考えが分からなかった。いや、普段から意味不明な行動ばかりだが、今回ばかりは本当によく分からない。
しばらくシアンがぽかんとしていると、シャルルが続けて話し出す。
シャルル「俺、シアンみたいに頭良くないから難しいことよくわかんねぇし、シアンがどんなこと考えて一生懸命決めようとしてるかも正直分かんないけどさ。シアンがそうやって、キムズカシー顔してんのあんま好きじゃないんだよ」
シャルルは頭の後ろで腕を組み、前後に軽く揺れる。
シャルル「だから〜、あんま色んなこと考えて決めるんじゃなくて、自分が聞かれた時にどうしたいと思ったかでパッと決めたらいいって言うか…なんて言うかさ?こう…感で決める、とゆーか‥」
シャルルが言葉選びに詰まっているのを見て、ふ、とシアンは笑みが溢れた。シャルルの行動にはいつも困らされている。その考え方で、一度道を誤って失ったと言うのに、学習しない男…そう分かっているのに、シャルルの言うことなすことには笑いが漏れてしまうのだ。
シアン「…普段から、貴方に|そんな《気難しい》顔をさせられていますけど?」
悪戯心でそう、シアンが笑みを浮かべながら言うと、シャルルは焦ったように身を前に乗り出す。動きを大きくしているが、焦っている証拠だ。
シャルルは喋りながら忙しなく手を動かし、どうにか鈍い頭を動かしながら説明していく。
シャルル「いやっ、それはだから、そのぉ…
     ‥__お、__俺以外のことで、そんな気難しい顔してんのヤダっていうかさ…なぁ、お前分かってて聞いただろ?」
シアン「__ふふ。__
    …それならシャルル?こうしましょう」
シャルル「ん?」
シアン「僕はこの案件、受けるかどうか決められません。どうしても気難しく考えてしまうんです。だから、今回はシャルルが決めて下さい。シャルルがマーファさんに選択を迫られたあの時、どうしたいと思ったのかで。貴方のその優れる“感”で」
ニコリと笑い、シャルルの右手を軽く握る。ほんのりと温かい、兄の手…シアンは、その暖かさに安心感を覚えた。
シャルル「‥まぁ、すぐにどうしたいかなんて、決まったけど……でもシアンは」
シアン「僕は」
シャルル「、‥」
シアン「…僕は、シャルルの思うように生きて欲しい。__もちろん、それで危険が及ぶなら僕が止めますがね__
    貴方の弟の、《《人生最後の》》お願いです…ダメですか?」
シャルル「そっ…!」
シアンが手を握ったまま、シャルルを見上げるようにそう言った。媚びるような素振りはしていない。猫も被っていない。普段のシアンと、そう変わらないように見える。__しかし、その行動にシャルルは目を見開き、後ろに半歩下がった。
シャルル「_う、__か__‥」
空いていた左手で帽子を目ぶかに被ってから曖昧な返事を呟き、シャルルは黙り込んでしまう。
そんなシャルルを見て、シアンはクスリと小さく笑って手を離し、先に行ってしまったマーファたちを追いかけ、シアンは階段を上がり出す。
…まるで、シャルルがなんと言うか分かっているかのような行動だ。
シャルル「……“人生最後”‥ねぇ…__ちっさい頃に言ってなかったっけ?__」
クスッと笑い、昔を思い出す……
父と母に挟まれ、両親と手を繋ぎ楽しそうに歩くシアンと、その後ろに続いて歩く自分。幸せに満ちていて、笑みが溢れていて‥綺麗な、明るい世界。
『母さん』
母を呼び、手を伸ばす。
しかし、次にフラッシュバックしたのは、そんな*幸せ* とは真逆の光景。
`赤く`染まる自分の両手と、半透明の《《ナニカ》》の側で、ピクリとも動かない両親。耳をつんざくように響く、弟の_シアンの泣き叫ぶ声…。
あの瞬間から、シャルルも、シアンも、《《二人ぼっち》》になった。あの瞬間から、世界は幸せとは程遠くなり、`憎しみ`に満ちてしまった。
- あの時、自分が“選択”を間違えなければ…そんなことは起こらなかったのに。
シャルル「_ッ゛!!」
息が、視界が、心拍が、乱れ苦しくなり、呼吸を荒げる。ガクンと足の力が抜けて膝を着き、苦しくて苦しくて、息をしようと、喉を目一杯開く。鎖骨に指をグッと引っ掛け、視界のグラつきに吐き気がする。
呼吸を、忘れていた_
本当に時折、あるのだ。こういうことが。
昔を思い出せば出すほど、後が苦しくなる。それなのに、昔を思い出せば、呼吸すら忘れ、その幸せに手を伸ばしてしまう。きっと、その手が届いてしまったら、自分は呼吸を忘れて死んだ‥なんて間抜けな結果になってしまうのだろう。そう、シアンを残して、先に…。
シャルル「…はぁ‥」
落ち着いた呼吸に胸を撫で下ろし、ホッとする。シアンを残す結果にならなくて良かった、と、心の底から、安堵のため息を漏らした。
動悸が激しいが、これくらいならば平気だろう。シアンを追いかけなければ。
そう思い、ゆっくり顔を上げる。視界も呼吸も、安定している。
階段を登り始めたところで、シアンの声が上からする。上を見上げれば、シアンの姿があった。
シアン「シャルル、早く来て下さい。置いていかれてますよ!」
シャルル「__ん‥__」
上にある踊り場から、手すりから身を乗り出し、ひょこっと顔だけ出してこちらを見つめるシアンが、どうにも愛おしく思える。
その行動のせいか、また別の要因か。それは分からない。でも、これだけは確かなのだ。
シャルル(
--- _失いたく‥ねぇな… ---
                                     )
シャルル「……おー!」
フ、と、眉を下げ愛おしそうに笑ってから、シャルルは返事を返し、階段を駆け上がる。
シアンは変わらず、一つ上の踊り場で待っていた。
シアン「遅いですよ、もう…。
    ‥シャルル…どうしたいのか、決められました?」
片手で手すりを掴み、シャルルの方を向きながら喋るシアン。その顔は、明らかに回答が分かっている顔だ。
しかし、あえてそれに何も言わず、シャルルは話す。二人が共に歩く、茨の分かれ道の選択を。
シャルル「…そりゃあもちろん、受けるさ。この話!」
ニッと笑い、自信に満ちた顔で言うと、シアンも柔らかい笑みを浮かべ、頷く。
シアン「えぇ‥そうしましょう」
しかし、一瞬その笑みは消えてシアンの表情が不安そうになった。シアンは躊躇しながらシャルルに再度話しかける。
シアン「……シャルル、この選択が例え、僕らにとって間違いだったとしても…《《あの時のように》》、自分を恨んだりは」
シャルル「__分かってるよ。__」
トン、とシアンの肩に手を置き、囁くように言った。
大丈夫。この道は、選択は、決断は間違っちゃいない。きっと、楽しくて笑みが溢れる日が戻ってくる……自信の満ち溢れた笑みを浮かべれば、シアンは間をおいて頷いた。
シャルル「それよりほら、行こーぜ!アイツら俺たちのことめちゃくちゃ置いてってるじゃん!!」
シアン「まぁ、『加入する気があるのなら着いて来い』と言っていましたからね」
シャルル「そりゃあ、言われたけどさ。マジで置いてくヤツがあるかよー!!」
シアン「‥ですね。急ぎましょう。__それほど離れてはいないでしょうから、間に合いますよ__」
|シャルル《シアン》はニコリと笑い、階段を登りながら先の未来を思い描く。
|シアン《シャルル》が隣にいる、明るく笑えて、楽しくて、幸せに満ちた__そんな綺麗な、*ハッピーエンド* を。
---
「この世界に、“みんなのハッピーエンド”‥なぁんて、ないですよね。
 そう、いらない、*不用物* です」
「だって、ハッピーエンドなんてあったら、貴方は…」
「…ねぇ《《ルシファー》》、ルシファーにとってのハッピーエンドってどんなの?
 ……やっぱり“彼”を見つけること…?」
「…もし、貴方のとっての|幸せ《ハッピーエンド》がそうならば……僕はそれを壊してでも阻止しますから」
「だってそれは、僕にとって一番最低最悪な*バッドエンド* だから」
「……きっと、それを聞いたら貴方は、僕が身勝手なクズだって…__要らない子だって…__言うんでしょうね。
 貴方もきっとそう思ってるんでしょうね__」
--- *`|ルシィ《同じ出来損ないさん》_ `* ---
用途不明の器具が壁にかけられた、豆電球一つしか明かりのない不気味な部屋で、彼は画面の向こう側の人物に向かって話しかける。
しかし、画面から聞こえるのは、微かに聞こえる呼吸音と水音だけだった。
---
シャルル「へぇ、この部屋で集まるってわけか」
シャルルは頭の後ろで腕を組み、物珍しそうに部屋を見回す。そんなシャルルの姿を見てクスリと笑いながら、シアンは部屋へ一歩入った。
シアン「みたいですね。__ちょっと汚れが目立ちますが__」
マーファ「汚ねぇだの何だの言ってたって仕方ねェだろ。さっさと入れ」
黒葉「結局二人とも、“ルアバーナス”に入るんだ〜」
シャルル「えー、だって面白そうだし?__ゴーストを続けて狩れるんなら別に良いかな〜って!__」
トート「理由が随分と軽いな‥」
シアン「そんなものでいいんですよ、理由なんて。
    ね、シャルル?」
シャルル「‥あぁ。そんなもんで決めて良いんだよ。軽くたって重くたって、入るからには同じオナカマ、なんだしさ。これから仲良くしよーぜ!」
シアンの問いかけに深く頷いてから、シャルルはお得の笑顔を浮かべ部屋へと入った。
この部屋は、マーファが出かける直前にいたあの部屋だ。しかし、あの時とは違って、部屋の中央に位置する大きな円卓を囲むように置かれたカラフルなオフィスチェアには、既に何人かが座り、楽しげに会話している人物もいる。
出かける前に部屋にいた|龍仙 冥《路雨》・|鬼灯 藍良《殺夜》・|伊集院 遥《インル》も、自分のイメージカラーのオフィスチェアに座りゆったり過ごしている姿が確認できた。
黒葉「ふーん…結構人数“は”多いんだ」
トート「まだいるのではないか?__ラヴァ先輩が言っていた数とまだ合わん__」
黒葉「あっそう。クソ野郎も大変だね」
トート「まごうことなき棒読みではないか‥」
シャルル「なー、俺らどこ座りゃいい?」
マーファ「ア゛?
     ……後から来る首輪着けた変態にでも聞いとけ」
シャルル「アイアイサ〜。
     …あ、シアンシアン!!面白そうな奴チラホラいるぜ?話に行こー!」
シアン「ぇ?
    _ちょっ、待って下さいシャルル!」
シャルルは気になることを聞き終わるなり円卓の方へと駆けてしまう。シアンはそれを慌てて追っていった。
そこでようやく、マーファはひと段落した、とでも言うように小さくため息を吐く。
マーファ「…オマエらも好きにしろよ」
トート「我は特に話したい者もおりません故、マーファ様の側に居させていただきます」
マーファ「そーかよ」
トートの忠誠心溢れる一言に対し、マーファは実に素っ気なく返し、円卓からは離れた場所にある一人がけのソファへと座る。トートと黒葉は、向かい側にある八人掛けの大きなソファに座った。
しばらくの間、沈黙が続くその空間に、一つの影が現れる。
「…もしかして、マー‥?
 わぁっ、おひさしぶりだー!!」
黒葉「は?__『マー』ってもしかしてマーファのあだ名?なんでコイツが__」
キラキラと目を輝かせ駆け寄ってきた人物は、マーファに飛びつくように抱きついた。一瞬驚きはしたものの、マーファはきちんとそれを受け止める。
その光景に、禍々しいオーラを発している者が一人いるが、飛びついた人物は全く持って気づかない。
マーファ「、…レイ‥オマエもう来てたのか」
「うん、だって楽しみだったから!」
---
---
--- レイチェル・アラバスター ---
性別 男(の娘)
年齢 (見た目から推定)17,8歳
   (種族から推定)100歳以上
種族 ヤマタノオロチ
マーファによく懐いている甘えん坊で天然なオロチ。レイチェルがマーファのことを『マー』と呼び、マーファがレイチェルを『レイ』と愛称で互いを呼び合うくらいには仲が良い(かなり稀なケース)。
蛇が大好きで、自身の右腕には宝物の蛇のぬいぐるみを巻きつけている。また、お酒は心底嫌いなため、レイチェルの前で酒を飲むと文句を言われるので注意。
実は、人型の体は本体ではなく… ¿
殺人の手法は薙刀による暗殺。ほぼ単独でのみ行動し、ターゲットの暗殺を行う。複数人で行う場合は周囲の警戒など、サポートへと回る。
レイチェルの持つ薙刀は通常のものとは違い、柄の部分が伸びるようになっている(元の四倍は伸びることが確認済み)。なんの素材を使っているのかは不明だが、とても軽く、歯は鋭い優れモノ。少し触れるだけで簡単に切れてしまうため、必ず鞘にしまうように心掛けている。
マーファがレイチェルを気に入っているのはル◾️▪️に性格や◾️考が酷使し◾️◾️るためだと考えられる。
可愛らしさ  ★★★★☆
お酒     ☆☆☆☆☆
甘やかしたい ★★★★★
---
---
レイチェル「それにしてもマー、本当にお久しぶりだねぇ」
__「ねぇマーファから離れて…??」__
レイチェル「あ、そうだ。さっきね、めいさんにお菓子貰ったの!__チョコのヤツ__
      マーファも食べるー?」
__「聞いてンの?」__
マーファ「アー…一個貰う」
__「ま、マーファまで‥」__
レイチェル「はい、どーぞ!」
マーファ「ン」
マーファに一口サイズの包装紙に包まれたチョコを一つ渡すと、レイチェルはニコッと可愛らしく笑い、二人が座っている八人掛けのソファに座る。三人とも微妙に間隔を開けて座っているのは、やはり互いに見慣れぬ人物だからだろうか。
そして、三人がソファに座っている中、不服そうな顔をして独り言を呟く人物が、一人。
黒葉「__そりゃあ、マーファは誰でも好きになっちゃうくらい、カッコよくて、可愛くて、狂ってて、強くて、でも弱いところがいっぱいあってどこか儚くて消えちゃいそうで意外と優しくてツンデレで照れ屋さんで__」
トート「そなた、どうしたのだ……?」
トートが困惑と呆れが混ざったような視線を送りそう言うが、黒葉既にMY WORLDに入ってしまっているため聞こえていないようだ。軽くため息を吐いてから、トートは気に留めないようにしようと、心の中で静かに誓う。
黒葉の独り言がやまない中、それに気づかず幸せなマーファとレイチェルは会話を続ける。
レイチェル「フフフっ……__ぁ、__そう言えばマーファ、らゔぁさんなんだけどね」
マーファ「ア?‥クソドMがどうした」
レイチェル「さっき物凄い形相して、地下の拷問部屋にノートパソコンと麻袋 頭につけた人引きずって行ってたんだよね〜。__ちょっと面白かったー!__」
マーファ「居ねェと思ったらそう言うことかよ‥」
レイチェル「あとねあとね、らゔぁさんと一緒に、お月様みたいなキレーな目の人も拷問部屋に入って行ってたんだ。お友達かなぁ?」
マーファ「月ィ?」
マーファの中に、一人の顔が思い浮かぶ。
しかし、正直なところその人物をこれ以上思い出したくなかったため、興味のないフリをした。
レイチェル「あのねーぇ?だから、らゔぁさんしばらく戻らないかもって!__お着替えとかお風呂とかも込みでね__」
マーファ「そうか。あンがと」
先ほどもらったチョコを口に掘り込みながら、マーファは言った。
黒葉「ま、マーファが、『ありがとう』って言ッ…?!__なんなのアイツ!!!__」
トート「…__珍しい…__」
マーファ「**オマエら`殺されてェのか`**」
        
            今日の監視時間
9613時間(文字)
相変わらず増え続ける文字数。一体どうしたら良いのだ……。
あとなんか、今フと思いましたけど…AIチャットをやり始めてから語彙力がちょっと上がった気がする…笑   気のせいかな。
今回も新キャラ登場!可愛い可愛いレイチェルくんです。ちょっと可愛い可愛いさせすぎて設定と微妙にすれ違っているのが残念。
ただまぁ、メインはジェーン兄弟の掛け合いだとわたくしは思っております。無理やり入れた感が半端ないんですが、この掛け合いを入れたことで、二人の間にある曖昧な愛…兄弟愛か否かを、ふわ〜んと表せたのと、二人が何故ゴースト狩りをしているかの理由がチラッとお見せできたので結構満足。
余談になりますが、個人的に、シアンの人生最後のお願いした後のシャルくんの反応が好きです。やはり弟には多少弱くなくては…(コイツの癖なだけな件について)
はたして、ジェーン兄弟の間にあるこの愛は兄弟愛なのか、無意識のうちに生まれた“別の愛”なのか…それが分かる時は、来るのでしょうか?次回も新キャラは登場予定ですので、お楽しみあれ!それでは失礼、バイミル☆
誤字脱字の修正/文章の見直す/入れ忘れた文章の執筆(10/29 水 13:40)
        
    
     
    
        番外編[𝓗𝓐𝓛𝓛𝓞𝓦𝓔𝓔𝓝]
        
            【注意喚起】
・このお話はマーダラたちのアセンブリー本編と繋がっておりません。あくまで“番外”としてお楽しみください!
・ファンレターは常時受け付けております。
 訂正箇所の発見、感想、番外編リクエスト、ファン作品などなど、本編執筆の励みとなります!
              《 𝕋𝕣𝕚𝕔𝕜 𝕠𝕣 𝕋𝕣𝕖𝕒𝕥 ❕❕》
        
        
        マーファ「…なにやってンだ」
寝起きで弱々しく光る赤い瞳が、脚立に登り装飾品を手に持つラヴァと、カラフルに彩られた集会場に向けられた。
少し掠れたマーファの声に振り向き、ラヴァはニコリと笑う。
ラヴァ「あ、マーラ先輩。おはようございます。
    というかやっと起きましたね?!今何時だと思ってるんですか!__もう午後四時過ぎですよ!!__」
マーファ「俺の睡眠時間は俺が決める」
ラヴァ「そう言うことじゃなくて、生活リズムをですね…!!
    …まぁいいです。それより先輩も、飾り付け手伝ってください」
そう言うと、ラヴァはマーファに持っていた半分の飾りを差し出すが、マーファはジッと見つめるだけで手に取らない。少し催促するかのように、飾りを上下に軽く振る。
マーファ「‥なンの」
ラヴァ「な、なんのって…ハロウィンのですよ!__全部自作ですっ!!__」
マーファ「…」
マーファは頭の中でカレンダーを思い出す。
……“ハロウィン”は一昨日の話だ。
ラヴァ「…いいですか?僕がイカれたんじゃありません。皆さんの予定が合う日が今日なんです。
    だからその、ナニカ可哀想なものを見る目やめて下さい」
マーファ「言っとくが、俺は手伝わねェぞ」
ラヴァ「もうちょっとしたら仮装したみんな来ちゃいますよ!!__僕らもするのに飾り付けすら終わってないです!__」
マーファ「知らねェよ。もっと早く準備始めりゃよかったろ」
ラヴァ「正論ですけど…!マーラ先輩を起こすのに四時間使ったんですからね!?」
マーファ「さっさと諦めたら良かったものを」
ラヴァ「はァ゛……。
    あ〜‥そう言えば、昨日路雨さん、楽しそうに…」
深いため息を吐いたかと思えば、ラヴァは胸の前で腕を組み、人差し指を顎に当て微笑んだ。
---
冥『明日はハロウィンパーティの日か…ふむふむ』
ラヴァ『?そうですけど…どうかしました?』
冥『やァ…最近飲めてへんかったんよ。せやから、明日はベロッベロに酔うまで飲もう思て!』
ラヴァ『エ゛…べ、ベロベロになるまで、デスカ‥』
冥『せや。__せっかくやし私物持ってこかな〜♪__』
ラヴァ『…ほどほどに‥お願いしますネ‥?』
冥『〜♪』
---
ラヴァ「__って…言ってた気がしますねぇ。路雨さん酔うとだいぶ面倒くさいですから‥誰に路雨さんの*話し相手* 、任せましょう…」
マーファ「クソが」
--- お手伝い|して《させられて》仮装|した《させられた》---
---
---
ラヴァとマーファが仮装まで終わらせてから5分弱。廊下が騒がしくなり始めた。
ガチャ…_
「うぅ……誰も驚かなかった‥」
「そないなことでいちいちしょげてたらこれからどないすんねん〜。ほら、前向いてシャキッとする!!」
「ひぇっ…__みんないつにも増して怖いぃ……__」
「ラヴァさ〜ん、来たよー!!」
「マーファ〜〜!♡」
「トリックオアイヤー!」
「違いますよ。“トリック・オア・トリート”、です。__他の行事が混ざってませんかソレ__」
「失礼します」
「お菓子くれなきゃ爆殺するぞーっ!!__キャハハっ__」
「爆殺じゃなくイダズラ!__爆殺とか物騒すぎるぞ…__」
「わ〜〜、みんな可愛いー!!」
「いつもの雰囲気とは、みんな違って面白いね」
それぞれ、自分の好きな仮装をしている。可愛らしいカチューシャをしている人物もいれば、ガッツリコスプレを楽しむ者、普段とあまり変わらないように見える者まで、様々だ。
ラヴァ「わぁ!皆さん素敵な仮装です…!!」
黒葉「そう言う君はそうでもないね」
ラヴァ「ハイ゛?」
相 変わらずラヴァを謎に敵視している黒葉は、ラヴァの一言一言に皮肉を入れる。
ちなみに、黒葉はまだ仮装をしていない。
黒葉「あ、あとマーファの着てたマントとマフラー貸して♡」
ラヴァ「なんでですか」
黒葉「今年はマーファの仮装するから決まってんじゃん。ちょっと考えれば分かるでしょ」
ラヴァ「は゛?」
そんな二人を他所に、ラヴァに着替えさせられたマーファは服の動きにくさに苛立っていた。そして、そんにマーファの姿を見た黒葉は目をハートにしてマーファに駆け寄る。
マーファ「くそ…__動きにくい‥__」
黒葉「_ーファその仮装ステキカッコいいよその元から着いてたかのように違和感のない耳尻尾はすっごく可愛い食べちゃいたい。食べていい?いいよね。
   ねぇもう僕(マーファと)帰っていい??」
ラヴァ「《《お一人で》》どうぞ〜」
黒葉「チッ」
マーファ「…(引」
いつも通りすぎる安定の二人だが、争っている内容に自分が関わっていると思うとゾッとする。一歩後退りながらマーファは思う。『何故こんな奴らしか俺の周りにはいないのか』と…。殺人鬼という世間で言えば狂人の類の彼らに、“こんな”も何もないのだが、それが日常の彼らにはそれが分からない。
すると、マーファの元へ可愛らしい猫耳のカチューシャをしたルーシェがやって来た。頬にはヒゲのような三本線も描かれていることから、ルーシェの仮装は“猫”なのだと分かる。
ルーシェ「マーラ、カッコいいカッコいい!!!__狼狼!__」
ルーシェはキラキラとした目でマーファを見つめた。そう、マーファの仮装は“狼男”なのだ。頭に狼の耳、ラヴァに手によって施された目元のメイク、着替えた服…黙ってさえ居れば、寡黙クール系イケメン狼男の出来上がり。もちろん、狼の尻尾もある。正直マーファにとっては、歩く時に後ろで動いて邪魔でしかないのだが…。
琥桜「マーファは狼男か…。
   もしや首の輪は、いつもラヴァが着けているものか?めっぽう似合っているぞ!」
マーファ「シネ」
そう…マーファが動きにくいと言っている一番の要因は、首につけられた首輪のせいだ。
赤いベルト部分に、白い棘のような謎の装飾、中央から胸の辺りまで垂れ下がったチェーン……窮屈で、地味な重さがあり、何より普段ラヴァが着けているものを自分が身につけていると言う屈辱がマーファにのしかかる。
マーファが首輪を外そうと手を掛ける前に、後ろから思い切り肩を組まれた。
_シャルルだ。無論、シャルルの横にはシアンがいる。二人も狼男の仮装らしい。もっとも…彼らは普段から狼男とそう大して変わらないが…。
シャルル「マ〜〜ファっ!!!イェーイ、俺らおソロ〜!!写真撮ろーぜっ。
     __あ、ヨータの仮装はなんていうヤツなんだー?__」
__「ニッポンという昔あった島国で伝えられていた“くの一”だ。動きやすいし、普段使いしても良いかもしれん!」__
__「へぇ、くの一ねぇ…でもなんか、普段使ってる‥クナイ、だっけ?それとミョーに合ってんな!」__
マーファ「ふざけンな‥」
シアン「良いじゃないですか、こう言うイベントの日くらい‥記念だと思って!」
マーファ「ンな屈辱的な格好させられて記念だとォ゛?」
ギチ、と首輪を握る。マーファの額には青筋がいくつか浮かび始めていた。
梁「イベントの日くらい楽しみなよつまんない。そーゆーのが周りの雰囲気も下げんの分からない?」
マーファ「は゛」
ミオ「マーラ、今は俺とも似たもの同士か……せっかくだし写真撮ろ。__面白いし__」
伊集院「それなら俺も記念に…__あとで揶揄うのに使えそうだし__」
黒葉「ちょっと…僕のマーファなんだから勝手に写真撮らないでくンない?__あっち行って__」
スコル「まぁまぁ…」
ルーシェ「独り占め、よくないない!」
レイズ「マーファこっち向けよ〜。__カメラ目線カメラ目線!__」
マーファ「**今スマホこっちに向けてる奴、今度スマホぶっ壊しに行くからな**」
口裂け女、犬、海賊、天狗、ジョーカーの仮装をしたメンバーがそれぞれ話すが、全てを遮りマーファはドス黒い声でそう言った。
ラヴァ「さぁ!皆さん席に着いたところで…パーティ始めましょう!
    マーファ先輩、お願いしますっ」
マーファ「はァ゛……」
冥「__ちゃっちゃとやんないと酒飲めないぞ__」
マーファ「__クソが‥__
     ***ハッピーハロウィン*** ……」
--- **`「「「「ハッピーハロウィ〜〜ンっっ!!!!!」」」」`** ----
マーファが合図をすると、みんなは上げたグラスを数人で重ねる。カーンっ!と、グラスの当たる軽快な音が集会場に響き渡った。
アロマ「まぁ!美味しそうなチョコがいっぱいじゃなイ!」
小鈴「美味しそうな食べ物いっぱい…あっ、ひよこまんじゅうまで!!」
パルス「サヤくん、キミのソレ…なんの仮装だい?」
鬼灯「|コレ《仮装》は‥“紬”っていう、男の子の…__想像、だけど…__」
メグル「トートくん、キミそれ仮装してる?」
トート「我は元からそれっぽいからな……一応、服は変えたが、そこまで変わらんだろう」
莉菜「コのクッキー。美味しい…」
メイ「あゆ〜、そこの唐揚げとってくれ〜。__三個くらい!__」
アユ「ん…」
如月「このチョコ美味ッ!!?蜘蛛の巣みたいで形面白いし…なんだコレっ!!__あはっ!__」
月宮「ルシファー、ルシファー…このお化けのマシュマロ美味しいよ」
マーファ「そーかよ‥」
黒葉「ちょっとしれっとマーファにあーんしようとしないでくれない?僕だけで十分だから〜」
月宮「……さっきからベタベタくっつくだけで、そんなに食べさせてない‥だから私がする‥」
雨宮「ッひぇ…‥__目玉の入ったゼリー‥__」
スコル「へぇ…本物には流石に劣るけど、まぁ‥いい出来じゃないか」
レイズ「なー誰かポーカーしようぜ〜!!賭け金二万からなーっ!」
ラル「く、クッキーはちょっと遠慮しておきマス…」
冥「なんや〜、せっかくだし食べてみろって〜」
ラル「もがっ。
   …おいしい、ですけど……__口の中が乾燥する‥__」
冥「ほな酒飲んだら解決やな」
ラル「んぐッ?!!」
いつもの数倍騒がしい集会場…全員が集まる、なんてことはあまりない。だからこそ、満席の円卓と騒ぐ彼らを見ながら飲む酒は、普段より美味く感じる。
マーファ「__はぁ‥__」
マーファは上機嫌に酒瓶をあおった。そしてフと、昔の光景が頭に浮かぶ。
『マーファ〜、お菓子くれなきゃイタズラしちゃうぞー!__がおーっ__』
『……何やってんだ』
『‥ぅえっ?』
『なんやマーファ、“ハロウィン”知れへんのか?』
『はろいん』
『ははっ。ハロ“ウィン”、な〜』
『天使だった時にハロウィンパーティとか、楽しいことしなかったの?』
『…あそこでのイベントは、階級の昇格試験だけだった』
『えっそれだけッ?!__って言うかそれ楽しいイベントじゃないじゃん!!__』
『なははははっ!!』
『そんなのつまんないよ!!』
『そーか』
『マーファ、これからはハロウィンも、クリスマスも、お誕生日も、《《みんなで》》全部ぜーんぶお祝いして、パーティしよーねっ!!』
『…そーか。__好きにしろ__』
『もぉーーッ!!マーファ興味なさすぎるでしょーっ!__』
『ちゃうでルシィ…これはな、照れ隠しっちゅうねん‥』
『ドヤ顔やめろ。__あと全くもってそんな意味はない__』
マーファ「…」
酔い始めていた頭が、スゥ…と冷めていく。
騒がしく感じていた周囲の音が、両隣で自分を取り合い皮肉と正論のぶつかり合う音が、次第に聞こえなくなる。
視界の端が《《あの時のように》》赤く染まり始め、息さえ忘れ思い出に`酔いしれる`。
「『__|マー《マーファ》?』」
マーファ「___は__‥」
酸素が一度に気管を通り、一瞬喉が痛む。
マーファ「__ケホ__ ‥なんだよ」
自分が一番得意な“フリ”をして、いつも《《あの人》》に重なる人物の目を見る。柿色より少し暗い瞳を持った、彼らの中で唯一愛嬌のある彼を。
「マーファ、苦しそうだったよ…?大丈夫‥?」
マーファ「別に。気にすンな、レイ」
レイチェル「そう…?体調悪くなっちゃったら、ちゃんと言ってね!」
マーファ「ン」
黒葉「君さっきっからマーファと距離が近いッッ!!!!」
月宮「そーだ、そーだ‥!!」
レイチェル「えぇっ?!__わッ__」
つい先程まで口喧嘩をしていた二人が突然声を上げ、マーファのすぐ隣に来たレイチェルを押して遠ざけ始める。
マーファは呆れたようにその光景を見て、また酒をあおりながら思う。
ラヴァ「先輩……それ何本目ですか。__かなり大きい酒瓶ですけど‥__」
マーファ「|四《よん》」
ラヴァ「い、いつの間に…」
マーファ「オマエらが料理並べたりしてる間に二本飲んだ」
ラヴァ「マーファ先輩なら酒樽五秒くらいで飲み終わりそうデスネ…」
マーファ「無理に決まってんだろ‥__オマエ酔ってンな?__」
冥「マァァァァァァファァアアァアァァアッ!!!!」
マーファ「…」
冥「ワイと酒飲みしょーぶや゛!!!!三本勝負、ワンゲーム賭け金三万っ!
  それと、酒瓶五本差で負けたら罰ゲームとして、追加五万支はろたれやー゛!!」
ラヴァ「ちょっ?!路雨さん貴方破産しますよ?!!__五本差で負けたら八万払うってことじゃないですか!!__」
--- この*|幸せ《平穏》* が ---
マーファ「はっ、いーぜ。でも金だけだったらつまんねェだろ。ハロウィンらしい罰ゲーム追加なァ」
ラヴァ「ハッ‥!!?まさか先輩貴方‥」
冥「ええでー!!罰ゲーム内容は!」
マーファ「負けた方が__ドMと一緒に__素面の時にバニーコス」
ラヴァ「わァアアァアッ巻き込まないでくださいィイッ!!!!先輩が悪酔いして゛るぅッ!!」
--- いつまでこの|平和《秩序》が ---
レイズ「なんだなんだ賭け事か!?いいねぇ、俺も賭けさせろーっ!!!」
アロマ「あラ、楽しそうネ!__ワタクシも賭けるワ♪__」
レイズ「お前らも、どっちが勝つか賭けろ!!!__賭け事は人数いた方が楽しンだよっ__」
黒葉「ちょっとッ!!!マーファを見世物にしないでくれない!?」
月宮「キミ、もしかして、ルシファーが負ける、って‥思って、る‥?」
黒葉「は゛?マーファがこんなことで負けるわけないでしょ。__舐めてンの?__」
月宮「それなら、ルシファーもいいと言ってるし‥賭けても、良い‥。
   私は、ルシファーが勝つ方に、五万‥」
黒葉「っ…!!
   ‥同じなのが気に食わないけど、僕もマーファが勝つのに十万!!」
月宮「…賭け金、変更‥十一万‥」
黒葉「はぁ?!賭け金変更ッ!!!十二万!!」
月宮「十三‥」
黒葉「十五!!」
月宮「十八」
黒葉「アーもうッ!_」
月黒「「_二十万!!」」
--- 続かないと分かっていても ---
レイズ「ヒュウ!♪いいねぇ!!
    __ただ賭けすぎも良くねぇから…__賭け金二十万まで!!さぁ他の奴らも賭けてけ賭けてけ〜!」
水無月「私もかけるーっ」
霧音「朱華も!朱華もっ!!」
水無瀬「二人はまだ早いッ!」
水無霧「「あ〜〜っ!!」」
ラファ「賭け事どこか殺人やってるガキンチョ共になァに言ってんだよ」
トート「初めは渋々だったが、今では完全に保護者だな…__良いことだが‥__」
アロマ「いいじゃないノ、微笑ましいワ!やっぱり子供は可愛いわネ」
--- 『続いて欲しい』と願ってしまうのが苦しい。 ---
--- …と。 ---
梁「はいはーい。私路雨が勝つに 一まーん」
如月「分かってないなぁ!にぃにが勝つに決まってるでしょー。__僕にぃに に五万っ!__」
ミオ「俺も、マーファに二万賭ける〜♪」
ラル「う、うーん……。
   僕は、龍仙さんに5000円で‥」
冥「なんやねん、えろう賭け金が低いやがなぁ!!もしかしてワイのこと信用してへんのか〜゛?んん゛?」
ラル「ち、違いますよ!単純に手持ちがないんですっ!」
冥「ほ〜〜〜ん…?」
ラル「うっ……。賭け金一万円に変更します‥」
冥「そうこなくっちゃなぁ〜!!!おしお〜し、ええ子ええ子ぉ〜!!」
ラル「やめて下さい頭撫でるのっ、子供じゃないんですよ僕!?」
冥「ワイからしたらみぃ〜んな、子供やねんで〜」
ラル「それは貴方視点のお話では…!!?」
ラヴァ「もう諦めた方がいいですよ。路雨さん完全に酔ってますから…」
次々と、周りが二人のどちらが勝つか、各々思う方に賭けていく。負けた方は勝った方に三万(五本差以上で負けたら八万)献上し、翌日バニーコスプレをする羽目になるという、なんとも馬鹿げた勝負だ。しかし、それでゲラゲラ笑えてしまうほど、この場は楽しさに酔いしれ、それが許されるほど平和ということになる。
幸せも、平穏も、命も。
いつまで続くかなんて分からない。一年後に壊れるかもしれないし、数週間後かもしれない。もしかしたら、今かもしれない。
だからこそ、こんな馬鹿げた勝負ですら受けて、今この瞬間を愉しむべきだと、《《あの時》》、彼とできなかったことも…彼らとならばきっと良い思い出になるだろう、と、マーファは思うのだ。
マーファ(_アイツがいれば、数百倍イイんだけどなァ……*ルシィ* ‥)
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命の恩人
生きる喜びを与えてきた人
仲間の、家族の温かさを教えてきた人
- 世界で一番、`大切な人`
来年、俺が生きているかなんて分からない。ヤブ野郎には「三年以内」としか言われなかった。だから、今この場でポックリ死んじまうかも知れねぇし、きっかり三年後に死ぬかも。
何はともあれ、アイツは必ず助けなきゃいけないんだ。二回も失ったアイツを、今度こそ、ちゃんと隣にいてやらなきゃだから。
__だから…ホントは、こんな呑気に酒なんて飲んでちゃいけねェんだ。全員で楽しくパーティ、なんてしてる暇ない。
でも……少しだけ。本当に、少しだけだから‥もしかしたら明日死んで、死体すら拝めないかもしれないコイツらのために、時間を使わせてくれ。
俺の、初めてのワガママなんだ。兄貴にも言ったことない。
なぁルシィ‥オマエにとっちゃ、知ったこっちゃねぇと思う。でも、俺のワガママ、一回だけ…聞いてくれねぇかな。
        
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流石にハロウィンには間に合わなかった!!!!(小説を立ち上げたのがハロウィン当日の朝)
怪物カフェのイベント番外小説は…来年か、クリスマスか、年越しになんのかなぁ。
罰ゲーム執行(PG12 念の為)
https://firealpaca.com/get/lvyVrga1