人間 、 犬 、 猫 、 魚 …
さまざまな生き物がいるこの世界には 、
【 ミュータント 】と呼ばれる謎の生き物も存在している 。
そんなミュータントを救うため 、
人生を音楽に捧げた少女がいた 。
続きを読む
閲覧設定
名前変換設定
この小説には名前変換が設定されています。以下の単語を変換することができます。空白の場合は変換されません。入力した単語はブラウザに保存され次回から選択できるようになります
1 /
目次
【 2 】
『 …… ここら辺のはず … 』
最近 、 人型のミュータントが多く出没しているらしい 。
突然変異体はどうやって生まれているのかわからない 。
いつから存在しているのかもわからないし ……
そんなミュータントのせいで 、 私の家族は殺された 。
私はミュータントを絶対に許さない 。
だから今日もこうして 、 森の中を歩いている 。
ミュータントは森や洞窟などの静かな場所に多い 。
『 目撃情報も多いし 、 ちょっと怖いな … 』
ガサガサ…
『 …!ど 、 どこ … ? 』
「 ……… 誰 ? 」
『 あなた … 人間 ? 』
「 … ミュータント 」
『 やっぱり …… 』
「 何しにきたの 、 討伐でもするつもり ? 」
『 もちろん 、 覚悟してね 』
「 あっ 、 マフユ ! 急にいなくならないで … よ … 」
2人 … !?いや 、奥にもう1人いる …
群れてる奴らは厄介だ 、 一対三なんて勝てるわけが …
………… いや … ひとつだけ方法が ……
『 … あんまりこれは使いたくなかったけど … 仕方ないな … 』
「 に 、 人間 … ?なんでバレたの !? 」
『 少し 、 静かにして 』
「 … ? 」
〜〜〜 ♪
〜〜〜〜 ♪
「 ! … お 、 音楽 … ? 」
私の曲には 、 治癒効果があるらしい 。
昔 、 1回だけ 、 小さなミュータントに使ったことがある 。
これは討伐じゃない 、 治療だ 。
ミュータントが憎い 。 本当はこの世のミュータント全てを討伐したい 。
でも今の私には無理だ 、 攻撃力もゼロに近い …
『 …………… 』
「 … っう … 」
「 ちょ 、 ミ 、 ミズキ … ! これ何 !? なんとかできないの !? 」
「 知らない知らない ! なにこれ初めてなんだけど ! 」
効いてるっぽい … ?
人間のミュータントに使うのは初めてだから 、 成功とか失敗とかわからない …
「 あ … ? なに 、 これ 」
「 か 、 顔が … ! 」
顔の一部がだんだん崩れていく 。
これは何 … ? どういう状況なの … ?
「 っ … ? 」
気づけば 、 耳や鋭い牙 、 しっぽなどが全て消えていた 。
これが 【 治療 】 …
元の生物に戻った … ってことか …
『 え 、 えっと … 』
「 … すごい 」
『 へ … ? 』
「 あなたの曲 … すごかった 」
「 び 、 びっくりだよ … 治療できるってことは知ってたけど … 」
「 その … あ 、 ありがと 、 治してくれて ……… あなた名前は ?」
『 カ … ケ 、 K … 』
「 そう … 私はアサヒナマフユ 」
「 シノノメエナ … よろしく … ?」
「 アキヤマミズキ ! よろしく 、 K !」
「 珍しい名前だね 。 外国の人 ?」
『 それは … 教えてもなんにもならないでしょう 、 』
『 というか治療したらどうするんだろ … 野放しにするわけには … 』
「 ボクたちは別に 、 このまま洞窟暮らしでもいいんだけど … 」
『 でも … 』
さすがにこんな森の中で … 人間が洞窟で暮らすなんて危ない 。
『 あなたたちはもうミュータントじゃないの 。 ここにいると危険だよ 』
『 とりあえず 、 近くの研究所に行くから 、 着いてきて 』
「 わかった … ほ 、 ほんとに大丈夫なんでしょうね ? タイミングを見計らって 、 私たちを殺したりとか … 」
『 しないよそんなこと 、 殺人になっちゃう 』
まだ心を開いてない … 当然だよね 。
今までミュータントだったんだから 、 人間が怖いに決まってる 。
どうしようかな …
『 えっと … お 、 音楽でも聴く … ?』
「 … さっきのやつ ?」
『 ううん 、 さっきのとは違うよ 。 少しでも安心できたらいいんだけど … 』
「 聴きたい ! Kの曲 、 なんか心が軽くなるんだよね 〜 」
「 ちょっとミズキ … 」
『 エナも 、 一緒にどう ? 』
「 ………… す 、 少しだけ …… 」
私たちは 、 私の作った曲を聴きながら 、 暗い森を歩いた 。
研究所に行くのは初めて 。 私は民間の討伐者だし 。
組織や部隊には入っていないから 、 ミュータントの知識はあまり無い 。
自分なりに勉強したけど 、 世間に公表されている情報はかなり少ない 、 まだまだ分からないことだらけだ 。
こういうの 、 普通はニュースになったり 、 避難したりするもんじゃないの … ?
『 んーーーー …… 』
「 K …… どうしたの 、 迷った ?」
『 えっ 、 あいや 、 考え事してただけだよ 。 大丈夫 』
「 そう … これもすごく素敵な曲だった 。 ありがとう 」
『 い 、 いえいえ … どういたしまして … 』
『 っと … 着いたね 、 ここが研究所 … だよ 』
「 うわ … でっかい建物 … なんか不気味だし … 」
「 エナってば ー 、びびってるの 〜 ?」
「 は !? 別にびびってないし ! 」
『 あはは …… 』
普段はひとりで過ごしてる私だから 、 なんだか 、 すごく新鮮だ 。
人と話すのなんて 、 何年ぶりだろう 。
少し 、 胸がキュッと苦しくなった 。
【 3 】
「 お待ちしていました 。 Kさんですか ? 」
『 はい … えっと 、 この子達が治療したミュータントで … 』
「 なるほど 、 ありがとうございます 。 あとはこちらで預かりますね 」
『 よろしくお願いします 』
「 えっ 、 Kは来ないの ? 」
『 私は研究所の職員じゃないし … 民間の討伐者だから … 』
「 ……… そう … 」
… マフユ 、 寂しそう … ?
エナもミズキも 、 なんとも言えない顔をしている …
「 じゃあ 、 3人ともこちらへ __ 」
『 あっ 、 あのっ !! 』
「 ど 、 どうしました ? 」
『 その …… 今日だけ預かってもらっても … いい 、 ですか … ? 』
「 今日だけ … とは … ? 」
『 えと … この子たちは … 私が面倒を見ます 』
『 治療したのは私ですし 、 だから … 』
「 すみません 、 元ミュータントの者は 、 研究所で預からなければいけないんです 。 規則なので … 」
『 … っ 、 そう 、 ですか … すみません … 』
「 いえ 、 よくあることなので 、 それでは 」
「 K …… 」
『 エナ …… ごめんね 』
さすがに無理だったか …
たとえ人間に戻ったとしても 、 もう一度ミュータントになってしまう可能性がある 。
人間とミュータント … 元ミュータントを一緒に置いておくわけにはいかないのだろう 。
『 … またひとり … か 』
私はそのまま 、 自宅へと帰った 。
---
「 だから ー 、 絶対いい子にするし ! 迷惑かけないから ー ! 」
「 そう言われましても … 」
さっきからずっと 、 ミズキと職員が言い合ってる 。
どうやら 、 洞窟に … というより 、 Kの元へ帰りたいのだそう 。
職員も困った様子で 、 ミズキの相手をしている 。
「 ミズキったら … そんなことしても意味ないのに … 」
「 … エナはどうなの 」
「 は ? 」
「 Kに会いたいって 、 思ってるの ? 」
「 それは …… 」
「 この職員は押しに弱そう 。 だから3人で意見をぶつければ 、 きっと勝てる 」
「 ええ ……… そんなことしていいの … ?? 怒られたり … 」
「 その時はその時 。 行くよ 」
「 あ 、 ちょっと … っ ! 」
---
「 はあ … わかりましたよ 、 でも 、 上に許可を取らないとですから … 」
「 やった ー ! ありがとう研究員さん ! 」
「 ほら 、 言ったでしょ 」
「 完全にいじめだったけど …… まあいいか … 」
でも …… また … Kに会える ……
そう思うと 、 自然と笑みがこぼれる 。
もう一度 、 Kの曲が聴きたいな …
「 あれれ ー ? エナ 、 なんかにやにやしてない ー ? 」
「 し 、 してないしっ ! 気のせいでしょ … ! 」
---
偉い人に詳細を話したところ 、 条件付きでなら認める 、 とのことだったらしい 。
その条件というのが 、
「 討伐者として 、 貢献すること … 」
「 そんなことでいいの ? 」
「 討伐者は大変危険な職業です 。 自分から好んで勤める人はなかなかいません 。」
「 ふ ー ん … 」
「 … ボクはやるよ 。 それでKに恩返しができるのなら … 」
「 ミズキ …… 」
「 私も …… Kを手伝いたい 」
「 …………… 」
「 シノノメさんはどうしますか ? 無理しなくても …… 」
「 わた 、 私も … ! 」
「 … わかりました 。 では手続きのほうを … 」
うへ ー 、 めんどくさ …
---
「 次に 、 偽名を決めていただきます 」
「 偽名 ? なんで ? 」
「 わかりません 」
「 なんで !? 」
「 まあ 、 家族が狙われたり 、 本名がバレたらいろいろめんどくさいからですかね 、 多分 」
「 な 、 なるほど … 」
「 … なんでもいいの ? 」
「 はい 、 そこまで重要でもないですし 、 適当でいいですよ 」
「 … じゃあ 、 雪 」
「 はや … ! まって 、 どうしよ … 」
「 ん ー 、 じゃあボクはAmiaで ! 」
「 えっ 、 え ー っと 、 ん ー … 」
「 え 、 えななん ! でお願いします ! 」
「 わかりました 、 これで手続きは終わりです 。 お疲れ様でした 」
「 ふう … って 、 これからどうするの ? 」
「 とりあえずは 、 一晩ここに泊まっていただいて … 」
「 わかった 。 明日には帰れる ? 」
「 どんだけ帰りたいんですか … Kさんに連絡するので 、 迎えに来てくれると思いますよ 」
「 え 、 Kが …… ? 」
「 保護者がいたほうがいいでしょう 」
「 えやった ー ! うれし ー ! 」
な 、 なんかスピーディーに話が進んでるけど …
とりあえず 、 なんとかなったのかな
…… ここに泊まるのやだな 、 めっちゃ不気味だし
【 4 】
「 というわけで … 」
『 な 、 なるほど … 』
今朝 、 研究所から連絡があった 。
昨日治療したミュータントを討伐者として雇う 。 保護者として預かってくれないか 、 と ……
『 私は別に大丈夫です 。 でも私 、 どこの部隊にも所属してないですけど … いいんですか ? こういうの 』
「 多分大丈夫です 。 多分 。 」
不安でしかない … !
「 あっ 、 K ! 」
『 あ … ミズキ … マフユとエナも … 元気そうでよかった 』
「 ちっちっち 、 ボクたちは討伐者になったからね ! 偽名を使わなきゃなんだよ ! 」
「 つまり 、 もうボクはアキヤマミズキではないのだ ! 」
「それは違うでしょ 、 前までの名前が無くなる訳じゃないんだから … 」
『 … そっか … 私も研究員さんに偽名を使うよう言われたんだっけ … 』
「 なぜ偽名使うのか 、 我々もよく分かってないんですけどね 」
「 この研究員さんダメダメだよ 、 何も分かってない 。 もっと教育してもらわないと … 」
「 そんな言います ? 」
『 あはは … とりあえず 、 うちに行こうか 、 そこからは … うん 』
「 幸先不安すぎるんだけど … 」
「 私はKと一緒なら … 安心 」
そんな安心できる要素あるかな …
むしろ私が足手まといになっちゃいそうで心配 …
「 では … また何かありましたら 、 ご連絡ください 」
『 あぁ 、 はい 、 ありがとうございました 』
---
『 それで … えっと 、 これからはなんて呼べば … ?』
「 雪 …… 改めて 、 よろしく 」
「 えななん 。 よろしく … 」
「 Amiaだよ ! これからよろしくね ! 」
なんか … 一気に家が賑やかになったな …
『 … ふふ 、 うん 、 こちらこそよろしく 』
【 5 】
私の家は 、 一人暮らしだがまあまあ大きい 。
前までは両親と住んでいたから … 部屋も4つくらいある 。
なので 、 1人ずつに1部屋あげた 。 これならプライバシーとかいろいろ気にしなくて済むだろう 。
今まで洞窟暮らしだったんだ 、 ここでは暖かく 、 何も気にせず過ごしてほしいな 。
私も 、 心に空いた穴を埋めることができるかもしれないし …
---
「 ねえK 、 Kの本名ってなんなの ? 」
『 私の本名 … ? なんで ? 』
「 いや … 私たちといる時はもっとこう … 完全にオフで過ごせるように 、 偽名は無しにしようかな ー って … 」
『 う 、 うん … ん …… ? 』
エナなりの気遣い … って捉えていいのかな
たしかに偽名なんて堅苦しい … かも …… ??
『 えっと 、 4人の時は偽名は無しってことでいい ? 』
「 …… うん 」
『 そっか 、 いいよ 。 知られても困ることないしね 』
『 私は 、 ヨイサキカナデ 』
「 カナデ …… い 、 いい名前 … だね … 」
『 ありがとう 、 エナも素敵な名前だよ 』
「 … ! うん …… っ 」
こうやって人と話すの久しぶりな気がする …
話の広げ方がわからない … えっと …
「 K 〜 ! ねえ 、 普段何して過ごしてるの ? 」
「 この家 、 大きい割には物が少ないよね 、 暇になったりとかしない ? 」
『 へ ? え 、 えっと … 暇 、 って思うことは無いかな … 』
『 本を読んだり … 討伐行ったり … 曲作ったり …… 』
「 ふ ー ん … ね 、 ねえカナデ 、 またカナデの曲 、 聴いてもいい ? 」
『 … もちろん 、 嬉しいな 』
「 ボクも ! …… って 、 カナデってKの本名 !? Kが名前じゃないの !? 」
「 あれ 、 どっち ? Kが本名でカナデが …… んん … ?? 」
『 カナデが本名 、 Kは偽名だよ 』
「 偽名 …… あ 、 そっか 、 K … じゃなくて 、 カナデも討伐者だもんね 」
「 ! なら偽名使う理由知ってるんじゃない ? ね 、 カナデ ! 」
『 ……………… 』
『 ……… 知らない … 』
「 なんで ??? 」
「 迷宮入りじゃん … これじゃあ眠れないよ 〜 …… 」
『 あはは …… 』
ほんとに 、 これだけは一生謎な気がする …