あちらとこちらの世界線〜時空を越えた恐怖遊戯〜
編集者:奏者ボカロファン&花雨
私、奏者ボカロファンと、私を尊敬して下さっている(自主企画にも参加してくれた)花雨様のコラボ作品です。
〜私の世界線のキャラ、「魔狼の宴」のメンバーが、いきなり開いた異空間の口に呑み込まれ、辿り着いたのは花雨様のキャラがいる世界線!?さらに時空は歪み、今度は2人の世界線のキャラが有名な都市伝説「カラダ探し」に巻き込まれて···???果たして2人の世界線のキャラ達は無事にカラダを探し集め、それぞれの世界線に帰れるのか···。
時空を越えた物語が今、幕を開ける。〜
※ホラーでグロ注意です。
※ホラー、グロ要素にキャラ崩壊をブチ込む事が稀にあります。
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目次
キャラ紹介〜奏者のキャラ(魔狼の宴)〜
ネタバレ含みます。
それでも良い方は。
名前:クレン
性別:女
年齢:16
能力:魔狼の遠吠え
能力説明:詳細がわからない位とんでもない。「めっちゃ強い」という事しかわかってない。
(ゲーム内での)生死:死。5話にて、赤い人に腹部と頸部を切り裂かれて死亡。
名前:奏者ボカロファン
性別:女
年齢:16
能力:|音色《サウンド》
能力説明:音を操れる賑やかな魔術。使うと必ず音色が響く。本人曰く、「たまーにお祭りみたいになる」らしい。
(ゲーム内での)生死:死。今回の物語に貢献したが、8話にて、赤い人との死闘で致命傷を負い死亡。
名前:ライ
性別:男
年齢:16
能力:|賭け事《ギャンブル》
能力説明:相手と賭けをする。攻撃魔術として使う事も出来る。
(ゲーム内での)生死:死。からくるの魔術の効果が途切れた後、奏龍によって磔にされ、からくるによって燃やされ、ナイフで斬り裂かれ死亡。
名前:狐
性別:女
年齢:20
能力:|編集《エディター》
能力説明:物や人物の出現、消去、様々な物の特性変更、ステータスの可視化などができる。ただ、ステータス可視化以外は自分より低ランク限定。
(ゲーム内での)生死:死。4話にて、放送室内部を確かめようとした所阻止され、赤い人に身体を裂かれて死亡。
名前:ダイス
性別:男
年齢:18
能力:六変化
能力説明:六種類の姿に変身できる。しかし、ダイスが能力を身に付けたのは最近。あまり使い方がわからず、慣れていない為、サイコロを振って、出た目の姿になっている。
(ゲーム内での)生死:死。6話にて、たまたま奏龍と出会ってしまい、そのまま捕食され死亡。
名前:ナル
性別:女
年齢:14
能力:暗転皆無
能力説明:能力発動中に物を触ると、それを「無」と化す事ができる。ただし、危険なので、本人もあまり使いたがらない。
(ゲーム内での)生死:死。6話にて、奏龍の姿を見てしまい、屋上から頭から落とされ死亡。
名前:ルシファー
性別:男
年齢:18
能力:月夜の悪魔
能力説明:魔法陣を描き、様々な|階級《ランク》の悪魔を呼び出す。よく晴れた日の満月には魔力が最大になる。
(ゲーム内での)生死:死。からくるに狂わされたライによってプールに落とされ溺死。
名前:ガルーダ
性別:男
年齢:10
能力:|火炎終幕《ファイヤーフィナーレ》
能力説明:自分が使える火炎系魔術を限界突破させて使う、ほぼ命がけの能力。威力は凄まじいらしい。
(ゲーム内での)生死:生。奏龍に出会って肋骨を折られ、翼を千切られたものの助かった。
キャラ紹介〜花雨のキャラ(八色星団)〜
謎の項目がありますが無視してくれ()
ネタバレ含みます。
それでも良い方は。
名前:|花咲零桜《はなさきれお》
性別:男
年齢:15
能力:花を操る
奏者の呟き:狼という点でクレンがビックリしそう。ショタ可愛い(は?)。
(ゲーム内での)生死:死。奏龍に追われる黎夜を庇い、左の頬を裂かれ、右腕と尻尾を千切られ、その後首の骨を折られて死亡。
名前:|一青黎夜《ひととれいや》
性別:男
年齢:15
能力:超能力(テレキネシスや瞬間移動など)
奏者の呟き:いいですか皆様。零桜君と黎夜君はBLではありません。__それでもおもしr((((殴__
(ゲーム内での)生死:死。奏龍の追跡から逃れられず、神経を直接触られ内臓を捕食され、首筋に噛み付かれて死亡。
名前:|美澄黄詠璃《みすみきより》
性別:女
年齢:15
能力:雷を操る
奏者の呟き:グロもビックリもいけるって、私みたいですね。あ、私「チビ」って言われたら怒るか()
(ゲーム内での)生死:死。7話でからくるに狂わされ、8話で自分の首を切り裂き死亡。
名前:|如月蒼羅《きさらぎそら》
性別:男
年齢:15
能力:治癒(怪我だけ。病気は無理)
奏者の呟き:バレンタインにチョコ大量に貰えるとか羨ましい(私はトッモと交換しただけ)。···チョコ食べたくなってきた(???)。
(ゲーム内での)生死:死。6話にて、奏龍の姿を目撃していまい、内臓や目を捕食され死亡。
名前:|草薙翡翠《くさなぎひすい》
性別:女
年齢:13
能力:動植物と話せる
奏者の呟き:虫も掴めるのね···。クレンや奏者が蜘蛛にビビったら助けてもらおうかな()
(ゲーム内での)生死:死。3話〜4話にて、赤い人に胴を両断&四肢を八つ裂きにされ死亡。物語最初の犠牲者となった。
名前:|炎御赤斗《ほのみせきと》
性別:男
年齢:13
能力:炎を操る
奏者の呟き:ガルーダと仲良くなれそう。2人揃ってファイヤーバーン(???)
(ゲーム内での)生死:死。5話にて、赤い人に四肢切断&頸部を裂かれて死亡。
名前:|幻中胡橙音《まもなかことね》
性別:女
年齢:14
能力:岩を操る
奏者の呟き:武術出来ると不審者投げ飛ばしそうですね。__赤い人まで投げ飛ばしそう()__
(ゲーム内での)生死:生。途中で奏龍にフルボッコにされたものの助かった。
名前:|月居藍生《つきよりあいき》
性別:男
年齢:14
能力:見たものを完璧に覚える
奏者の呟き:円周率覚えられるのすごい。なんで中学校入るとπなんだろ(関係無し)。
(ゲーム内での)生死:死。カラダを運んでいる途中奏龍に出会す。身体を削がれながらもちゃんと納め、その後奏龍に身体と脳を食べられて死亡。
ルール
その1
真夜中の学校で行うこと
その2
カラダを全て見つけるまで校内から出してはいけない
その3
選ばれた者は、頭、両腕、両足、体の6つを探さなければならない
その4
「`赤い人`」から逃げながら探す事
その5
`赤い人`に捕まるとゲームオーバーとなる。復活は出来ない
その6
`赤い人`に捕まった場合、その者は__される
その7
`赤い人`は倒す事が出来ない
その8
全ての参加者が`赤い人`に捕まり__された場合は、元の世界線に`二度と帰れない`
その9
1人でもゲームをクリアした場合、捕まった者も復活し、元の世界線に帰る事が出来る
プロローグ
世界線は混合する
―?視点―
???「かぁ···ご···め···かぁ···ご···め···♪」
何処かから歌声が聞こえてくる。
私はこの声を―知っている。
私はこの声に、長い事翻弄されてきた。
???「···。《《からくる》》。」
名前を呼ぶと、声の主―からくるは振り向いた。
からくる「なぁに?ボクに、何カ様?」
身体中に包帯を巻いたからくるは、小首を傾げながら聞いてきた。
???「からくる。《《今度は何が目的だ?》》何をしたいんだ?」
からくる「ボクはね、《《アノ人達》》ノ事、ビックリさせテ、怖がラせたィ!!」
無邪気そうに笑って、《《彼ら》》を指差した。
私も前から見ていた、興味深い世界線の民達。
···私の世界線の民と合わせ、一緒に遊ばせてやろうか。
からくる「まァタ"タノシイコト"考えてルんでしョ?」
やれやれ。
私の心の中も、全てお見通しってわけか。
からくる「ボクねボクね、___やりタイ!!ねェネェ、いいでショ?」
そうか。からくるは―。
まぁいいだろう。
私もその様な事は大好きだし、いつか誰かにやらせようと思っていた。
···さて、どの様な物語にしようか。
???「···それなら作者も手伝いますよ。」
???「お前は···。」
異世界歴6293年
とある3人の「時空超越者」により
新たな世界線が作られた。
世界線の混合が起こった。
2つの世界線の民よ。
生き残れ。
2話〜"赤い人"と"カラダ探し"〜
奇数話はこちらから↓
https://tanpen.net/novel/series/e426feba-c910-4d19-bef3-c57a578b9fc0/
―黎夜視点―
夜。
俺達は、突如として異世界から現れた「魔狼の宴」のメンバーと会話を楽しんでいた。
胡橙音「皆さんの住んでいる異世界ってどんな所なの?」
賭博師「俺達の?ん〜···そうだな。"フウライタウン"っていう世界なんだけど、複数の地区に分かれてるよ。」
零桜「例えば?」
奏者「私みたいな音楽好きがいっぱいいる"楽奏町"、魔狼の宴の基地がある闇社会の"黒闇区"、海辺の町"サブマリンシティ"とか。色々あるよ!」
異世界···って、なんか面白そう!
様々な世界に、様々な人が住んでるんだなぁ···。
魔狼「私達がこっちに飛んできたって事は、まーたなんか色々やらされそう。」
《《また》》?
どういう事何だろう。
作者「確かに···。でも、何であの人私達を八色星団の世界線に?」
赤斗「それってどういう?」
赤斗が魔宴のみんなに質問した。
詐欺師「あー···。僕達、たまーに"ある人"に色々振り回されるんだよ。」
ダイスさんが質問に答えるが、何だか誤魔化す様な、そんな言い方だ。
···確か彼は詐欺師···何だよね···__嘘吐くの下手じゃ···。__
その時、時計が夜の11時を告げた。
それとほぼ同時に、何も無かった虚空にノイズが奔った。
欠番「···あれ、あのノイズ何?」
ナルさんが呟き、触れようとする。
次の瞬間、ノイズはいきなり巨大化し、大きな漆黒の異空間に形を変えた。
そしてそれは···。
物凄い吸引力で俺達八色星団と魔狼の宴のメンバーを呑み込んだ。
奏者「ちょっと待ってどういう事!?」
火炎竜「これヤバi」
ALL「うわぁぁぁぁ~!?」
---
―奏者視点―
奏者「あだっ!?」
いきなり変な異空間に(また)呑み込まれたと思ったら、ペッと固い地面に吐き出された。
···この世界線に来た時も思ったけど、もう少し優しくしてくれてもいいと思うんだけど。
服に付いた砂を払い落としながら、立ち上がり辺りを見回す。
―私達は、見慣れない学校の正門前にいた。
大きさからして見ると、多分高校···なのかな?
何となく···本当に何となくだけど、嫌な予感がする。
零桜「いったぁ···。あ、あれ···ここは···?」
堕天使「学校か···?」
他の人も、次々と起き始める。
最後の1人が起きた所で、私はみんなに言った。
奏者「みんな。これ、もしかしてだから、一応無線付けといて。ハイ。」
私がみんなに能力で作った無線を渡す。
これが私の能力"|音色《サウンド》"の便利な所。
私は音を操るだけじゃなく、音を"共有"する事も出来る。
だから今回みたいなもしかする場面でも、意外と役に立つんだよね。
···能力の自慢話してる場合じゃ無いけど···()
魔狼「もしかする···とは···???」
クレンが困惑しながら聞いてくる。
彼女だけじゃ無く、他のみんなも理解出来ていない様だ。
奏者「これ、何となく分かる。···真夜中の学校にいきなり集められるって事は···アレしかないよ。」
一同「アレ···?」
まだ理解していないみたい。
私は少しじらして、わざと低い声で言った。
奏者「···みんな、"`カラダ探し`"って知ってる?人間界の都市伝説。」
宴のみんなはまだ理解していないが、八色星団のみんなは、ハッとした顔で私を見つめた。
···流石現役の人間界の民。
蒼羅「それってアレ···。確か、バラバラにされた少女の身体を集めて棺桶に収めるやつですか?」
黄詠璃「そうそう!で、"`赤い人`"っていうのが追いかけてくるんですよね。」
蒼羅君と黄詠璃ちゃんが私の変わりに説明してくれた。
奏者「2人共大正解。`赤い人`に捕まると、それはそれは恐ろしい方法で惨殺されるそうな···。」
2人の説明に付け加えると、周りの空気が一気に凍り付いた···気がした。
魔狼「···最悪。」
クレンが呟く。
だけど、この運命は変えられない。
私達は校舎の中に入った。
その途端。
`ピーンポーンパーンポーン♪`
アナウンスのチャイムが鳴る。
『`赤い人`が、職員室に、現れました。気を付けて下さい。』
···職員室か···。
まぁ距離はあるから今の内に探そう。
奏者「こっから本番だよ!!みんな分かれてカラダ探しして!!」
一同「わ、分かった!!」
私達はそれぞれ走り出す。
地獄のゲームが今、幕を開けた。
走っている途中、私の左目が《《ある映像》》を捉える。
奏者「···ッ!!!」
それは、とても残酷な未来だった。
変える事の出来ない、悪夢だった。
このゲームで、殆どのメンバーが`赤い人`に殺される。
私も―。
でも、ここで諦めたら意味が無い。
今はまだ、この未来の事を内緒にしておこう。
無駄な足掻きだって、分かってる。
私が見た未来は、どうしたって現実になる。
これは絶対に改変出来ない。
それでも、私はやってみせる。
―全ての"呪い"に打ち勝つ為に。
ピーンポーンパーンポーン♪
次回ノ犠牲者ハ✗✗デス。
変エル事ノ出来ナイ未来ニ向カッテ
無駄ナ足掻キデモシテイテ下サイ♪
4話〜最初の犠牲者と禁断の部屋〜
ピーンポーンパーンポーン♪
赤い人が···ザザッ···
ザーッ···
ブツッ···
気をつけ···ガザッ···
ザザッ···が···死···ザーッ···
ブツッ···
―???視点―
???「からくる···これ、ヤバいな···。」
私は、隣で見ていたからくるに向かって言った。
当の本人は、全く気にせず鑑賞しているが。
···流石に鬼畜モードにし過ぎたかな。
でも、あの人達強いし、私もこういうの大好きだからいっか。
···おや。
そろそろ《《時間》》かな。
---
―魔狼視点―
奏者『翡翠ちゃん!?···まさか···!!』
翡翠の絶叫が響いた直後、ボカロファンの焦った声が聞こえた。
`ピーンポーンパーンポーン♪`
校内アナウンスがなる。
『`赤い人`が、図書室に、現れました。気を付けて下さい。』
図書室!?
ここ、向かい側にある2年生の教室···だよね。
マズいから一旦離れ···
『ガタガタッ···バタンッ···』
離れようとした瞬間、無線から雑音が聞こえてきた。
胡橙音『ひ···翡翠!?大丈夫!?』
胡橙音が翡翠の名前を呼ぶが、応答は無い。
代わりに、うめき声や、何かが折れた様な、嫌な音が鳴っている。
隠れて目の前にある図書室の方を見ていると、本棚の間を誰かが通った気がした。
あれってもしかして···。
魔狼「__今ね、図書室の前の教室にいるんだけど、どうすりゃいい。__」
堕天使『それ···ヤバくないか?』
ルシファーが驚き心配するが、返事したら見つかりそうで怖い。
でも、ここにいても見つかりそう。
···逃げるしかないかぁ···。
めちゃくちゃに怖いけど、こっそり、でも急いで逃げ出した。
図書室の方をチラリと見る。
魔狼「うわぁ血飛沫。」
欠番『は?』
藍生『ゑ。』
私の呟きを聞いた2人の変な声が聞こえた。
···ナル普通に話せる様になったらなんかオモロイな。
···てか、あんな毒舌だったっけ。
`ピーンポーンパーンポーン♪`
黎夜『次のアナウンス早···。』
再び放送がかかる。
『`赤い人`が、第2体育館に、現れました。気を付けて下さい。』
第2体育館···。
ここからまだ距離はあるな···。
奏者『私図書室行きます!』
ボカロファンが宣言する。
火炎竜『気を付けてね!!』
ガルーダが心配した途端···。
奏者『どわぎゃあぁぁぁ!?』
無線と···近くの中央階段から、叫び声が響いた。
それと同時にガタガタと、激しい音が鳴る。
···え···?死···
奏者「痛いぃぃ···。ってクレン!助ける気持ちは無いの!?」
ボカロファンはうめきながら、這う様にしてこっちに上がってきた。
···え?何してんの···?
奏者「もう!`赤い人`の血のせいで足滑らせて階段から落ちた!!足首捻った!!もう!!傷害罪で訴えるよ!?」
なんだ、その程度か。
死んでなくてよかった。
賭博師『···この馬鹿···。』
詐欺師『うん、ライちょっとそれ言い過ぎ。』
堕天使『···ていうか、`赤い人`を傷害罪で訴えられるのか···?』
欠番『まず法律通用しないでしょ。』
···八色星団のみんなは一生懸命カラダ探ししてるっていうのに、私達魔宴は茶番劇ばかり···。
ホント余裕なメンバーだな。
魔狼「さっき図書室の前通ったけど、血の匂いがした。···気を付けて。」
奏者「分かってるよ。じゃ、任せたよ。」
ボカロファンと別れ、私は1階へと向かった。
---
―奏者視点―
クレンと別れ、図書室に向かう。
中に入ると、クレンが言った通り、血の匂いが濃くなった。
ここで···翡翠ちゃんが···。
うぇぇ···こんなんじゃいくらグロ耐性ついてても精神参っちゃうよ。
奏者「なんでこんな事しなきゃ···。」
ビシャッ···
え?今何か踏んで···。
足元を見ると、そこには血溜まりが広がっていた。
まさか。
角を曲がると、翡翠ちゃんが倒れていた。
奏者「嘘···。」
彼女は、胴を両断された挙げ句、腕や足を、螺旋状に引き千切られていた。
そしてその横に
―"カラダ"があった―。
---
―蒼羅視点―
(危険な)1階でカラダを探していると、奏者さんから無線がきた。
奏者『図書室でカラダを見つけた。それと、···。』
一呼吸置いて続ける。
奏者『翡翠の死体も···あった···。』
黄詠璃『そんな···ッ!!』
`赤い人`の···最初の犠牲者が···。
奏者『こんな事を言うのもアレだけど···。今は残酷な位、冷静に行動した方がいいんだと思う。』
奏者さんの言いたい事が分かった気がした。
奏者『···今言っておく。このゲームで、殆どのメンバーが`赤い人`に殺される。そして、私も最後まで生き残れない。···これは、変えられない未来なんだ。』
彼女が次に告げた事は、酷く衝撃的だった。
殆どが生き残れない?
奏者さんも殺される?
魔狼『···未来眼か。』
クレンさんが呟いた。
奏者『···そう。私、たまに、勝手に未来見えるんだ。変えられない未来が。』
奏者さんが寂しそうに言う。
未来が見えるのは便利かも知れないけど、ここまで残酷な未来も勝手に見えてしまうのは不便だな、た思った。
作者『···あのさ、少し気になったけど···。』
重々しい空気の中、狐さんが口を開いた。
作者『この放送ってさ、誰が放送してんの?』
確かに···。
`赤い人`を知らせる放送がかかってるから、放送室の中に誰かいるかも知れない。
赤斗『でも誰が行く···?』
作者『私が行く。』
奏者『はぁ!?あ···危ないよ!?』
奏者さんが驚き、大きな声を出した。
作者『私まだそんな役に立ってないし。気を付けるから。』
奏者『分かった···本当、注意してね。···《《咲夜》》。』
奏者さんは、狐さんの《《人間の頃の名前》》を呼んだ。
---
―作者視点―
私が放送室に行くと言ったのはいいものの、何処に何があるのかまだ理解していない。
大抵は2階辺りにあると思うけど。
そう思って2階に続く階段を上ると。
その先に"放送中"のランプが光る部屋があった。
···意外とすぐに見つかった···。
一応無線で連絡しておこう。
作者「あ、もしもし!放送室あったよ!」
賭博師『早ッ。』
ライが驚く。
そりゃそうだよね、あの会話してから1分も経ってないし()
放送室は2階の1番端に位置していて、見るからに不気味だった。
···`赤い人`が今来たら逃げれなさそう。
恐る恐るドアノブに手をかけて、開けた。
その瞬間。
`ピーンポーンパーンポーン♪`
『`赤い人`が―`花杜咲夜さんの背後に現れました。振り返って、確認して下さい。`』
一同「「―!?」」
嘘、なんで···なんで私の人間の時の名前知って···
バタンッ
放送室のドアが音を立てて閉まる。
一瞬だけ、本当に一瞬だけ中が見えた。
どういう事?
中に···翡翠さんみたいな人、いなかった?
何これ···?
ヒタ···ヒタ···
背後から足音が聞こえた。
作者「···ッ!!」
まさか···。
???「ねぇ。狐のおねーちゃん。」
呼ばれて、反射的に振り返った。
そこには、真っ赤に染まった長袖のワンピースを着て、人形を持った少女がいた。
`赤い人`「`みーつけた♪`」
これが···`赤い人`···。
に···逃げなきゃ···ッ!
考えるより先に、私は走り出していた。
後ろから`赤い人`が追ってくるのが分かる。
奏者『狐さん!!早く!!』
ボカロファンの叫びが響く。
作者「痛っ···!!」
`赤い人`に足を掴まれ、その場に倒れる。
嫌だ。まだ死にたくない。
その時、私の目の前に誰かが現れた。
顔を上げて見ると、そこにいたのは、ボロボロの服を身に纏い、全身包帯だらけの、子供だった。
マルーン色のボサボサの髪で、黒い口とダークターコイズの左目が、不気味なくらい光っている。
???「ねェ、狐ノおネーちャん。」
作者「な···何···。」
???「そんナにほーそーしつニ入りタいんだったラ、ボクを呼びナよ♪」
何この子···。
何を言っているのか、さっぱり分からなかった。
作者「かはっ···!?」
`赤い人`が、私の身体に爪を食い込ませ、そのまま引き裂いた。
傷口から大量の血が流れる。
私が`赤い人`に襲われている間、その子は笑っていた。
???「アハ···ハハハッ♪やっパり、面白ィや!」
`赤い人`が私の喉を掻き切って、意識が無くなる直前に見たのは、
後に____と名乗る、狂気の支配者の無邪気な笑顔だった―。
---
―???視点―
???「からくる···はぁ。マジでやるとは思わんぜ···。」
薄暗い部屋で、私は呟いた。
今ので2人目。
これから嫌と言う程沢山の者が消えるだろう。
???「そろそろ次なので、行きますね。」
私達に協力しているソイツは一言だけ言い、部屋から出た。
???「あ···あの···このゲームは一体···。」
さっきまで黙っていた緑色の少女が口を開く。
???「そうだねぇ···。どこまで話したっけ。あぁそうだ。あそこまで話したんだった。さてさて。物語の続きを語ろうか。―《《翡翠ちゃん》》♪」
私がニヤリと笑うと、
彼女―《《翡翠》》は、一瞬不安そうな顔をして、「よろしくお願いします。」とだけ言った。
`ピーンポーンパーンポーン♪`
それとほぼ同時に《《アイツ》》が放送を流す。
中々、面白い物語だった。
???「`赤い人`が、___に、現れました。気を付けて下さい。」
さぁ、魔狼の宴に八色星団。
ここからが本番だ。
―誰が生き残るのかな♪
6話〜次々と〜
長いね
グロいね
気をつけてね
ねるねるねるね
(??????????)
―???視点―
???「やれやれ···。ニンゲンという生き物は、実に面白いね。」
私が呟くと、狼の―いや、《《クレン》》と《《狐》》が呆れた顔をした。
赤斗「···なんで···なんでそんな事言えるんですか···。」
隣に座っていた赤斗が私を見つめて言う。
???「嗚呼···君達にまだ話してなかったね。だが···。」
私は一呼吸置いて続ける。
???「少々"用事"があるのでね。それらを終わらせてからにしようか。」
赤斗「用事って···。」
赤斗が問いかけるが、私はそれに答えず、無言で立ち上がった。
その時丁度"ソイツ"がやって来た。
???「···回収···ですか。」
···成る程、全てお見通し、ってワケか。
???「もし···バレたらどうするんですか。」
???「その時はその時。口封じでもすればいいだろう?」
私が笑うと、"ソイツ"は呆れた様な顔をした。
???「嗚呼···そうだ。1つ言っておこう。」
???「···何でしょうか。」
"ソイツ"は訝しげに見つめてくる。
???「···あまり私を深掘りするなよ?知らない事も―時には必要なのだから。」
"ソイツ"が息を呑んだのが背中から伝わってきたが、私は振り返らずに部屋を出た。
―さて。
誰から始めようか。
---
―賭博師視点―
賭博師「クレン!!クレン!!おいッ!!!···嘘だろ···?なぁ···。嘘だって···嘘だって言ってくれよ!···なぁ···。」
何度も、何度も呼び掛けるが、クレンからの反応は全く無い。
―今は残酷な位、冷静に行動した方がいいんだと思う。
ボカロファンが言っていた言葉を思い出す。
分かってる。分かってるけど···っ!!
堕天使『これは···マズいな。』
ルシファーが呟く。
次の瞬間、再び放送が鳴った。
`ピーンポーンパーンポーン`
『`赤い人`が、美術室に、現れました。気を付けてください。』
美術室···。
俺は3階にいるからまだ大丈夫か。
奏者『私1―H!カラダ持ってる!賭ける!1体にもってく!』
ボカロファンが単語で話し出した。
欠番『···幼児退行した?』
······。
辛辣。
突っ込むのも疲れてきた。
---
―奏者視点―
ナルに幼児退行って言われた···(´・ω・`)
それより、気のせいか、みんなの口数が減っている気がする。
それも無理無いか。
とりあえず1体に行こう。
1体に着くと、案の定そこには棺桶があった。
そこにカラダを置く。
すると、驚く程ピッタリはまる。
奏者「みんな!1つ入れたよ!」
私が知らせると、『よくやった』とか、『でかした』とか、称賛の声が次々に聞こえてきた。
よかった···死ぬ前に貢献出来て。
しかしこの喜びは
直ぐに壊れる事になる。
---
―欠番視点―
無線越しから、嬉しそうな声が聞こえる。
残るカラダは5つ。
まだまだ数はあるけれど、ボカロファンが1つおさめてくれたのは、大きな進歩だ。
もうこれ以上犠牲者を増やしたく無いし、私も頑張って探そう。
そう考えながら歩いていると、図書室で何かが動いた。
欠番「···ねぇ、図書室に誰か···いる?」
訪ねてみるが、全員「図書室にはいない」と答えた。
胡橙音『それ···`赤い人`じゃないですか?』
胡橙音ちゃんが聞いてくるが、赤い人にしては背が大きい気がする。
欠番「赤い人より大きい。私···見てみる。」
すると、ノータイムでボカロファンから注意の声が飛ぶ。
奏者『ゑ!?気を付けて!?』
···やっぱり幼児退行してるなぁ···。
図書室に入ると、一気に空気が重くなった。
立っているのがやっと、という様な状況だ。
少しでも気を緩めたら圧で死んでしまいそうな感じだった。
異様な空気は、奥の···丁度、翡翠ちゃんが赤い人に殺された辺りから漂ってくる。
恐怖より好奇心が勝り、空気の正体を探るべく、少しずつ近づいていった。
本棚の陰から、こっそりと覗いてみた。
欠番「···え···?」
―そこにいたのは、翡翠ちゃんの死体の前でしゃがみ込み、何かをしている···
水縹色の長髪を1本に結わえた、黒尽くめの女性だった。
気配は···《《あの人》》に似てる···でも、あの人はこんなニンゲンっぽい見た目じゃ無い···。
変身してる?それとも、気配が似た別の人?
???「ナル···。」
欠番「···っ!!」
困惑していると、私の気配に気付いた女性が、聞き覚えのあるハスキーボイスで名前を呼んだ。
逃げなきゃ···!
???「`見たね¿`」
次の瞬間、私は足を掴まれて持ち上げられていた。
その女性は、屋上のフェンスの上に立ち、怯える私を笑顔で見つめていた。
月明かりに照らされ、顔の1部が見える。
女性は、血を垂らした様な、悍ましい深紅の瞳をしていて、不気味に、鈍く輝いていた。
欠番「嫌···っ···やめて···っ離して···!」
どんなに声を上げても、言う事を聞いてくれない。
???「`ねぇ···ナル。今ここで、僕が君の足を離したらどうなるか···分かる?`」
···!!
今離したら···。
頭から、地面に落ち···
???「`じゃ、バイバイ♪`」
---
―火炎竜視点―
無線から聞こえてきた、何者かの悍ましい声、ナルが怯える声···。
その場に居合わせているわけでは無いのに、恐怖で押し潰されそうだ。
足離す···って
パァ····ン
いきなり、何かが破裂した様な、嫌な音がすぐ横で鳴り、窓が紅く染まった。
火炎竜「嘘···」
嫌な予感がして、窓を開け下を覗く。
目に入ってきたのは、頭部が砕け、脳と目が飛び出している···
火炎竜「うわァァァァァッッ!!!!ナルッ!?ナルッ!!!」
側に駆け寄るが、もう既に彼女は息絶えていて、頭から噴き出した血液が地面を汚していた。
あのハスキーボイス···見知らぬ声···。
これは、絶対赤い人じゃ無い。
赤い人だったら、その場で八つ裂きにしているはず···。
奏者『···まさか···。』
ボカロファンは、何かに気付いた様だった。
しかしその直後だった。
ダイスの絶叫が響いたのは。
---
―???視点―
危ない危ない♪
ナルに`僕`の事がバレるとこだったや。
ま、`バレたら直ぐに殺せば問題無し!`
やっぱり`僕`って天才だ!頭いい!
さってと···次の回収場所は···。
詐欺師「おっ···お前っ···!」
震えたダイスの声が後ろから聞こえる。
振り向くと、ダイスがガクガクと震えて立っていた。
そりゃしょうがない。
`僕`の威圧感に充てられた人は、誰でも動けなくなるし。
`1人殺してるし。`
ダイスは急いで逃げようとするが、そうはさせない。
直ぐ様捕まえ、逃げられない様に、壁に手を打ち付けておいた。
詐欺師「ぐぁぁ···っ···。」
苦痛に顔を歪めている。
何だか、`凄く面白かった。`
あは···。
どうしちゃったんだろ、`僕`♪
それより···。
???「あのさぁ~`僕`今お腹空いてるんだよね〜♪」
独り言を呟くと、彼の表情が強張った。
???「`僕の食料になってくれる¿`」
それを言うや否や、`僕`は彼に喰らいついて―。
---
―蒼羅視点―
ヤバい。
ヤバいヤバいヤバい。
何なんだ、あれは···!
スピードが速すぎる。
ダイスさんが何者かに殺される所を、モロに見てしまった。
あの女性···見た目は人間だけど、動き、行い···明らかに人間じゃ無い。
しかも、ダイスさんの事食べ···
???「`僕を見たのだぁ~れだ♪`」
愉快で堪らない、といった声で、僕の事を探し出した。
今ここで逃げないと、絶対に殺される。
赤い人の様な殺され方では無い気がする。
段々と足音が近付いてきた。
息を殺し、やり過ごす。
···。
どうやら、見つからなかった様だ。
足音は消え去り、辺りには誰一人としていなかった。
静かに、足音と反対の方向に向かって進む。
この先に、ダイスさんの···。
そう思って身構えたが、
―あったのは血痕だけで。
???「`ダイスはもう"処理"したからいないよ?`」
ただならぬ威圧感と、さっきから"`絶望`"を与えてくるハスキーボイス。
恐る恐る振り返ると、血で染まった手を舐めながら、笑顔でこちらを見つめるあの人がいた。
???「ん〜···。久々に人外食べたけど〜。やっぱり物足りない気もするんだよね〜♪」
そう呟きながら、ゆっくりと向かってくる。
???「まァ···察してくれた?えっと···蒼羅くん、だっけ。ねっ♪」
―`君みたいなニンゲンが食べたいんだっ♪`
逃げようとしたけど、そう、思った頃には既に押し倒されていて
そのままお腹を掻っ捌かれていた。
蒼羅「ぁ···うぁぁぁぁぁッッ!!!!」
裂かれた部分が、燃える様に熱くなる。
???「そんなに騒がなくてもいいのに〜♪」
この人···本当に正気じゃ無い。
心が狂気一色に染まってるっ···!
その人は、相変わらず笑顔でこちらを見つめていたが、視線をゆっくり下に落とした。
そして、裂いた部分に手を突っ込み、内臓をぐちゃぐちゃに掻き回し始めた。
蒼羅「嫌···だ···っ!!やめて···っ!!」
???「アハ···やっぱりこうでないとな〜♪最高だよ、ありがとう♪」
あまりの痛さに意識が飛びそうになる。
その人は、何かを引き摺り出して、そのまま啜りだした。
???「ニンゲンの方が美味しい···。」
笑顔でこちらを見つめる女性。
僕の顔の方に血塗れの手を伸ばし、目を抉って口の中に放り込む。
黎夜「うわァァァァァっ!?」
たまたま通りかかった黎夜が悲鳴を上げて走り去っていった。
それを見た女性は、ニヤリと笑い、恐ろしさも感じる声で呟く。
???「`逃さないよ♪`」
その状態で僕の方を向き、丁度心臓がある辺りに手を伸ばす。
段々視界がボヤケて···
---
―???視点―
次の放送をしようと椅子に座る。
その途端、背後からただならぬ威圧感を感じた。
弱い人だと、死んでしまう様な威圧感を。
ゆっくり振り返ると、返り血を大量に浴び、真っ赤に染まった手を舐めながら立っている"その人"がいた。
???「お風呂···入った方がいいかも知れないです。」
提案してみるが、「まだいい」と言われてしまう。
???「それより、蒼羅くん···だっけ。さっきのコは。やっぱり、能力持ちのニンゲンは最高だね♪」
さっきまで、大人しかったのに。
今までの面影は微塵も無く、完全に「狂」一色で染まっている。
これが、__の力···。
少し、甘く見ていたかも知れない。
下手をすれば、彼女の牙が此方にも向きそうだった。
???「嗚呼···そうだ。先程`僕`を見た黎夜くん···?は、もう少し泳がせとくよ。」
???「何故···。」
姿をバラされてしまえば、不利になるのに···
???「そんなの、`"逃げ切れた"って希望をチラつかせて、一気に絶望に叩き堕とす···そんな表情が大好物だからに決まってんじゃん♪`」
その言葉に、どれだけの狂気があったのだろう。
身体が強張り、動けなくなった。
彼女は、そんな事に目もくれず、「そろそろ行ってくるね〜♪」とだけ言って部屋から出ていった。
部屋から出ていった後も、彼女の狂気と威圧感に充てられて、暫く動く事が出来なかった。
---
???「少々やり過ぎな気もしますね···。仲が良いとはいえ、最悪の場合`おしおき`が必要です。」
からくる「ぼクが手伝っテあゲようカ?」
???「能力皆無、瞬間回復をどうやって狂わせるのですか?」
からくる「ぼクの特異体質忘レタ?それガあレバ、狂ワせルのモ簡単!」
???「···!!そうですか···。でも、何故···。」
からくる「ぼクは、`奏龍ノ"狂気"かラ作られタ存在だカラ`。」
「狂」から生まれた存在、堕天霊からくる―。
その狂気は全てを狂わせ、奏龍でさえも一目置く程。
《《異界ランクα》》の奏龍でさえも。
たかが異界ランクβαの者が。
からくるの機嫌を取らないと、奏龍の手には負えない程の「狂」が生まれる。
堕天霊からくる
特異体質―|狂《クル》
―触れた相手の全てを狂わせる体質。
奏龍の特異体質―無を跳ね返す。
からくるに触られれば、あの奏龍でさえも《《ただのニンゲンと同じ体質》》に変化してしまう。
···ねェ、奏龍♪《《殺ス側》》ジゃナく、《《殺サれル側》》にナる気持チ···
`味わッてみなイ¿`
嗚呼、でモ···
奏龍ハ、永遠ニ死なナいんだっタネ。
ジャあ···
`永遠の苦しミを味わっテ貰ウね♪`
どんだけ視点あんねん
どんだけグロいねん
どんだけ人死ぬねん
そつぎょうきねん(??????????)
__てか、魔の手が奏龍(私)にも伸びて···気のせいか。__
8話〜空狂〜
―奏龍視点―
奏龍「はぁ~···最高だよ···。」
久々のニンゲンは、最高だった。
そんな優越感に浸りながら、放送室に戻る。
何やら騒がしい声がするが···。
中に入った瞬間、騒がしい声が止み、視線が一斉に私の方に向く。
蒼羅「うわァァァァァ!!!!」
直ぐ側に立っていた蒼羅くんが悲鳴をあげて翡翠ちゃんの後ろに隠れた。
黎夜君も警戒しているし、零桜君にも威嚇された。
作者「いや、蒼羅さん怖がってる!!」
ダイス「まずその返り血なんとかしてよ···。」
そして宴のメンバーからも散々言われるが···。そんな事はどうでもいい。
奏龍「···それより、何で騒がしかったのかな。」
私が聞くと、クレンが何も言わずに画面を指差した。
―そこに映っていたのは、からくるに狂わされたライと黄詠璃ちゃんだった。
―`やりやがったな?`
`《《もう救いが無い様に》》プログラムしておかなければ。`
---
―奏者視点―
藍生『······え······?ち、ちょっと!?ライ!?黄詠璃!?』
藍生君が困惑し、2人に声をかける。
しかし、反応が無い。
一体音楽室で何が···。
火炎竜『何が何だかもう分からないよぉ···。』
ガルーダが泣きそうな声で呟いた。
こっちだって泣きたいよ、音楽室の近くにいるんだもん(泣)。
胡橙音「あれ······?奏者···さん······?」
奏者「あっ!?胡橙音ちゃん!?」
偶然にも、胡橙音ちゃんと会う。
しかし、なんでだか知らんが、誰かに会って生きて帰ってきた人は1人もいない。
胡橙音ちゃんには少々申し訳無い気がするが、ちょっとだけ不安になった。
······なんで誰かに出会った途端そうなるのかな、これは。
堕天使『再会の所悪いが···バラバラになった方がいいからな···。』
ルシィが言う。
そりゃそうだ。
ここで2人またお陀仏だなんて嫌過ぎる。
でも······。
胡橙音「音楽室のカラダ······何とかして取れないのかな······。」
音信不通になったライと黄詠璃ちゃんが(多分)いるであろう音楽室にはカラダがあるのだ。
ここで放置してまた別の場所に隠されたら困る。
タイミングを見計らって取っていこうと考えていると。
カラカラカラ·························
後ろから、金属製の何かを引き摺る様な音が聞こえてきた。
私達は咄嗟に振り返る。
―そこには、鉄パイプを持ち、俯き具合で立っている黄詠璃ちゃんがいた。
何だか、すっごく嫌な予感がするんだけど···。
胡橙音「······黄詠璃······?」
胡橙音ちゃんが声をかけると、顔を上げて私達の方を見た。
奏者「ね···ねぇ、胡橙音ちゃん······。黄詠璃ちゃんって、目、ダークターコイズ色してたっけ······?」
次の瞬間、黄詠璃ちゃんは、鉄パイプを振り翳し、私達に飛びかかってきた。
胡橙音「キャァァァァッ!!」
奏者「危ないッ!!」
私は素早くマントの内側に隠していたナイフを2本取り出し、鉄パイプを受け流す。
ガキィッ!!
金属同士がぶつかり合う音が響き、ナイフと鉄パイプの間に火花が散った。
黄詠璃ちゃんは、直ぐに体勢を直すと、再び私に飛びかかる。
私は直ぐにそれを躱し、黄詠璃ちゃんを押さえつけ、鉄パイプを弾き飛ばす。
すると今度は、私の首を掴んできた。
このくらいだったら直ぐに振り解け
バチバチバチッ!!!
奏者「がっ······あ“あ“あ“あ“あ“······っ!?」
そうだ······。
黄詠璃ちゃんの能力······電気を操る能力だった······!!
マズい、このままじゃ······死······???
奏者「胡··············橙音······ッ······そこ·········の········カラダ········持って·······行っ·······て!!私······大丈······夫·········だか········ら·······!!」
胡橙音ちゃんは、涙目で頷くと、側に落ちていたカラダ(頭)を抱え、背を向けて走り出した。
よかった···これで後は邪魔が入らなければいいけど。
私も黄詠璃ちゃんのこの手を振り解きたいけど、力が強く、中々離せない。
奏者「そろそろ············離し······て······!!」
無駄だとは思うが、声をかけてみる。
勿論離してはくれない。
······あれ、力強くなって···
バチバチバチバチバチバチッッッ!!
奏者「あ“············や·····ァ··········ッ······!?」
更に電圧が強くなり、目の前に青白い火花が飛び散る。
全身がガクガクと痙攣して、思う様に動けない。
その上ナイフも落としてしまった。
これは······本当にヤバい。
黄詠璃「あハ·······あッははハはハ!!!」
黄詠璃ちゃんは狂った様に笑いながら、首を掴む手に、更に力を入れる。
奏者「がはっ··········ァ·········や··············め··········」
気付けば床に押し倒されていた。
黄詠璃ちゃんは、私の上に乗っかって、電流を流し続けている。
クッ···········こうなったら、もう無理矢理にでも振り解くしか無い。
ちょっと痛いかも知れないけど······っ!!
首を絞める腕に手をかけ、力尽くで引き剥がした。
奏者「かはぁっ······あ······あぁ······はぁ······ッ············!!」
引き剥がした時に、若干引っ掛かって首から血が少し流れたが、どうって事は無い。
首絞められた挙句高電圧を流されていたさっきまでよりは全然マシだ。
呼吸を整えながら、黄詠璃ちゃんの方を見る。
彼女は、側に落ちていた私のナイフを拾って立ち上がる所だった。
マズい。
体勢整えないと、今度こそ本当に死ぬ···!!
しかし、彼女は、ナイフの刃先を私には向けず、《《自分の方に向けた》》。
··········え。
黄詠璃「あは······アははハはッ!!」
奏者「黄詠璃ッ!!駄目―ッ!!」
未だに痺れる身体を無理矢理動かして手をのばすが、間に合わなかった。
ザシュッ!!
ナイフを突き立て、思いっ切り引っ掻いた。
首から鮮血が吹き上がり、黄詠璃ちゃんの身体がグラリと傾く。
奏者「黄詠璃ちゃんッッッ!!」
駆け寄って抱き留めるが、彼女はもう既に息絶えていた。
依然として首から血が流れ続け、床や私の服を赤黒く染めていく。
···急に狂い出す仲間、ダークターコイズ色になった黄詠璃ちゃんの目···。
まさか。
いや、でも、そんな事だったら最悪過ぎる···。
だとしたら、赤い人は···。
奏者「······。」
---
―胡橙音視点―
胡橙音「ハァッ······ハァ······ァ······ッ······!!」
涙で視界がぼやけ、思う様に走れない。
さっき見た光景がフラッシュバックした。
―狂った様に笑う黄詠璃···。
―必死に私の事を庇ってくれた奏者さん···。
―黄詠璃の能力の電流にやられて、身体を痙攣させて···泡を吹いて······
駄目だ、もうこれ以上思い出したくない。
奏者さんが、逃がしてくれた···だから、絶対に、このカラダを棺桶に入れなきゃいけない···!!
暫く走っていると、体育館が見えてきた。
奇跡的に、赤い人も、奏龍さんも、誰もいない。
胡橙音「ハァ······ッ······やっ······た·····。みんな···っ。カラダ、納めたよ···っ。」
息も途切れ途切れの状態で報告する。
すると、他の生き残っているメンバーから、次々に称賛の声が贈られてきた。
奏者『······胡橙音ちゃん······ありがとう······。』
胡橙音「そ、奏者さん!?」
よかった···生きてて···。
一呼吸おいて、奏者さんは続ける。
奏者『ライと黄詠璃ちゃんを狂わせた犯人、そして赤い人の正体が分かった。』
うんうん、成る程······ってえ?
ALL『『ええええええええ!?!?!?』』
色んなピーポー「どういう「それ詳「分かりや「誰なの「たい!!」」」」」
奏者『1人ずつ喋れや。』
色んなピーポー『『『············。』』』
奏者『全員で譲り合うなや。』
---
―火炎竜視点―
ボカロファンの話を纏めるとこうだった。
まず、2人を狂わせたのは「からくる」と呼ばれる狂気の支配者である事。
そして、赤い人の正体は、からくるの友達である「しえる」という人物かも知れないという事。
赤い人は勝手な予想だけど、黄詠璃ちゃんのダークターコイズの目はからくる君で間違い無いと思う。そして、声からして狐さんの目の前に現れた人物はからくる君なのでは?どっちにしろ、私達の世界線と、八色星団の世界線双方の主軍が首謀者である事に変わりは無いね、奏龍はやり過ぎだけど。と言って締め括った。
奏者『あの奏龍とかいうアバズレいなけりゃ少しは楽だったのに。』
堕天使『言い過ぎ、言い過ぎ。』
奏者『ドスメロの方がよかった?』
堕天使『········。』
溜息を吐きながら暴言を吐くボカロファンを宥めるルシファー。
でも、確かに奏龍はやり過ぎてる。
何の為にみんなを殺して廻るのか···。
奏者『あ、そうだ。』
ボカロファンは、思い付いた様に言った。
奏者『結構始めの時から思ってたけど、|残響《リフレイン》使えばカラダの位置分かるかな?』
火炎竜「いや、なんでそれ早く使わなかったの!?」
奏者『使えなかったら|魔力《マナ》減って無駄なるし···(´・ω・`)』
ボカロファンが言う能力「|残響《リフレイン》」。
これは、使うと、探している人や物の場所が分かる、探査能力。
これさえあれば、一気にカラダの位置が分かってスムーズにできるのだが···。
奏者『······ん···?あ、あれ···能力規制かかってるのかな···カラダしか見えない···。』
どうやら、人の居場所が分からなくなっているみたい。
でも、仮にカラダの部位も分からなくても、場所さえ分かればこっちのものだ。
奏者『カラダ······えっと、プール···美術室······あとは···3-H!!私近いから3-H行くね。』
美術室か···ちょっといけばすぐだし、赤い人がいなければ取りに行こう。
火炎竜「美術室行く!」
堕天使『プール近いな···プールは私が行こう。』
藍生『1人ずつじゃ心配だから、俺らは近い所行くわ。』
みんなそれぞれ探す場所を分担する。
これで効率的に見つかればいいけど···。
奏者『もしかしたらライが狂って襲い掛かるかも知れないから、気を付けてね。』
そうだった。
赤い人、奏龍に加えて、からくるに狂わされたライもいるんだった。
···敵多過ぎるよ···(泣)。
---
―奏者視点―
奏者「えっと···どこに隠れてるかな···っていだあっ!?」
ガゴン!!
奏者「〜〜〜ッッッ!!」
校内が薄暗いせいもあり、中々足元が見えない。
思いっ切り足をぶつけてしまった。
慎重に行動しないとな···。
奏者「あ···あった!!」
ロッカーを開けると、そこには左足があった。
···すんごいリアルだなぁ···。
あと持ち運ぶの大変···。
奏者「···えっと···|弱小音叉―改《pianissimo》っと。」
私が魔術をかけると、カラダはポケットサイズに小さくなった。
|弱小音叉―改《pianissimo》。
それは、ステータスや物体の縮小化が出来る能力。
本来であれば|弱小音叉《piano》くらいでいいんだけど、能力規制がかかってるから今は|弱小音叉―改《pianissimo》にしないといけない。
···面倒。
まぁでも、カラダの場所分かってるし後はこっちのモンだ。
早くカラダ入れてこんな薄気味悪い所から脱出しよう。
そう思って教室のドアを開けた時だった。
奏者「······え。」
目の前に、赤い人が···しえるちゃんが、立っていた。
しえる「`···見つけた。`」
彼女は、ゆっくりと近づいて来る。
奏者「3-Hに···赤い人。私が時間稼ぐから···その間にカラダ探して。」
無線でそう呼び掛け、私はしえるちゃんと向き合う。
しえる「ねぇ、___さん。」
しえるちゃんは、私に呼び掛ける。
しかも、本名で。
次の瞬間、飛び掛かってきて···
---
---
---
奏者「っはぁ······ァ··········ッ···!!」
あれからどれだけ時間が経っただろう。
赤い人の攻撃を必死に受け止め、なんとか逃げる事が出来た。
カラダも···納めれた。
だけど···。
奏者「······ッ!!」
赤い人との戦いで致命傷を負ってしまった。
多分、もう······。
奏者「ぅあ······っ······。」
必死に壁に手をついて、倒れそうな身体を支える。
裂かれたお腹から、ズルズルと内臓が零れ落ちるのが分かった。
それでも、もう一歩、踏み出そうとする。
奏者「······ッ······!!」
でも、視界がグラリと傾いて、ビチャッ···という音と共に、血溜まりの中に倒れ込んだ。
奏者「ゔっ······!?···············ゲホッ···カハァッ···········ァ··············ゴポッ·························。」
口から大量の血が吹き出る。
もう、立つ気力も無いし、痛みも感じない。
自分の命がここまでだと、分かっていた。
その時。
視界に、見た事のない人物が映った。
奏者「だ···········れ······」
その人は、奏龍じゃない。
奏龍みたいな圧を感じなかった。
消え入りそうな声で問いかける。
その人は、こう、言った。
???「···あんま無理しない方がよかったのに。こーんなボロボロなっちゃって。ってか、奏龍も奏龍でやり過ぎ。散々な目ェ遭ったでしょ、ごめんね。」
奏者「そ············りゅ················知っ··········てる·······の······?」
???「そりゃあね。奏龍は《《最高傑作》》だから。奏ちゃんあんま喋んない方いいんじゃない?めっちゃ吐血してるし···喋れば喋る程、血吹き出るから。」
その人は、私の頭を優しく撫でる。
なんだか、不思議な感覚がした。
???「後で花ちゃんに伝えて奏龍の事制裁加えとくからさ。安心して。ホント、君頑張ったよ。偉い偉い。だから···今はゆっくりおやすみ。」
私の頭を撫でながら、優しく語り掛ける。
その声は、赤子をあやす子守唄の様に、優しく、安心出来る声だった。
段々視界がぼやけていく。
―みんな、後は任せたよ。
---
―???視点―
もう、こんなにも人減っちゃった。
流石にちょっとやり過ぎたかな?とも思うが、それは奏龍が乱入して来たせいだからな···。
何とも言えない。
でも流石に奏龍はやり過ぎ。
花ちゃんに連絡して、制裁加えて貰おうかな。
あと···今花ちゃんと話してるけど、「まだ物足りない」というので、第2フェーズ(?)の件も考えてる。
勿論許可取ったから、私はやりたい放題出来るし。
その時はからくる君にも協力して···
「っ···おいっ······!は、早くこの縄を解いてくれ!!」
あちゃ、次の物語の想像に夢中でこっちを放ったらかしにしていた。
???「ん〜、解けって言われてもね。そもそもこうなったのは君が悪いんじゃん。」
そう言いながら持っているものをチラつかせると、ソイツはビクッと肩を震わせた。
無理もない。
今私が手にしているのは···`溶かした銀が入った、先端から熱気を放つ鉛のスプリンクラーなのだから。`
???「フェーズ移る前に、練習しとかないとね〜♪使い方間違って自分が痛い目見たら困るし。」
そう言いながら、軽くそれを振る。
先端から溶けた銀が飛び散り、ソイツの身体にかかった。
皮膚についた瞬間、ジュッと音を立てる。
「あっ·····ぎゃぁぁぁぁぁッッッ!?」
悲鳴を上げて身を捩らせ、逃げようとするが、逃げれるわけがない。
私はソイツの髪を掴んで持ち上げ、耳元で囁いた。
???「···この程度で終わったと思うなよ?まだ篠揉みと氷点下での野うさぎ責め待ってんだからな?」
まだ···終わらせねぇよ···。
恐怖はまだ始まったばかりなんだ···。
今に"本当の恐怖"がやってくるさ······。
続く···。
最後にフルボッコにされてたヤツはmob(出来損なった&違反ばかり犯してたオリキャラの成れの果て)ですのでご安心を。
さて、そろそろ···いやこれを言うのはまだ早いかな。
10話〜エピローグ?〜
最終話だからと調子乗ってやり過ぎました☆
―???視点―
???「へぇ···凌遅刑か。」
奏龍も散々にやってくれるじゃあないか。
しかし···
???「ねぇ、藍生君って本当にニンゲン?マジでニンゲン離れしててビビるんだけど···。」
???「人間ですよ。」
ふざけ半分で聞いたら即答された。
もうちょっとボケてくれてもいいんだけどなぁ···。
???「人間に決まってるでしょ〜?🪓(^-^ )」
うーん、後ろからの殺意!!
首筋に斧!!
オーノー!!なんて☆
って、なんでこの人もいるんだよ···???
全員集合スタイルしてんじゃん。
放送室じゃ無い方の観戦ルームエグ···。
???「あ、あぁ〜分かった分かった!!頼むから斧降ろして、ね???」
どうにかして彼を宥める。
怒らせたら最悪殺されそうだからね〜···。
???「···それより、"フェーズ2"···楽しみだねぇ♪」
???「えぇそうですね。」
相変わらず礼儀正しくて淡々としてる人だな。
???「ルーレットで決めたけど、いいよね?」
私が問うと、何も言わずに頷いた。
それを横目で見る。
···仲は結構いいから、こうしてくだけた口調で会話してるけど。
彼···或いは彼女からは、不思議なオーラを感じる。
一言で言ったら···多分···「最強」。
そう。
最強のオーラ。
幻影さんみたいな黒影の|世界核者《ワールドコア》とはまた違う···。
フフ、いいね。
そういうの大好きだよ。
未知なるものを秘めた生物···この私と同じ力を持つ者···。
私はずっと探していたんだよ。
やっぱり、この人と手を組んでよかった。
???「···?どうかしましたか?」
???「いや···それより、奏龍の事は後で"お仕置き"しといて欲しい。」
それだけ言って、私は部屋を出た。
???「ハァ〜······楽しみで仕方ないね。」
1人呟くと、《《ソイツ》》は《《私の身体の中から現れ》》、笑った。
―フフフ···貴方様も、中々やる様ですね。
ったく、余計な所で出てくるよ、この黒スライム。
???「うるせぇよ。アンタもそう言うなら、1人や2人くれぇに取り憑いてみろってんだ。」
―随分と口が悪いですね···って、ぐっ!?
そろそろ腹立ってきた。
なんなんだよ、所詮私に造られた存在だと言うのに。
???「テメェ···誰に向かって言ってんだよ···?」
ソイツの身体を鷲掴みにして圧をかけると、ようやく黙ってくれた。
???「あーもう、テメェのせいで考えてた事ぐっちゃぐちゃなったわ···。」
1人、悪態をつく。
どうせそんな事やっても無駄なんだけど。
あー、余計ストレス発散したくなってきたわ。
???「サァて······貴様らは、次なる恐怖に耐えられるかな···。は···ハハハ···アハハハハハハハハハハハ!!!!!」
私の高らかな笑い声は、誰もいない空間に吸い込まれていった。
---
―火炎竜視点―
火炎竜「嘘···藍生!?藍生ッ!!」
いくら叫んでも彼からの反応は無い。
多分、もう······。
胡橙音『早く······早く終わってよぉ······!』
胡橙音の消え入りそうな声が聞こえてくる。
もう、精神的にも身体的にも限界だ。
早くしないと、全滅してしまう······。
火炎竜「美術室のカラダ······見つけないと。」
その時、背後に人の気配がした。
火炎竜「······!?」
これが赤い人―しえるやからくる、奏龍だったらマズい。
今使えるだけの魔術を放って逃げ出すか。
意を決して振り向いた。
そこにいたのは。
???「··································。」
フードを目深に被った人物だった。
奏龍がまた変身したのか?
いや···でも、奏龍みたいな圧は感じない。
戸惑っていると、その人は無言で僕の後ろを指差した。
火炎竜「えっ?」
振り向くとそこには
さっきまで無かったハズのカラダが置かれていた。
火炎竜「か、カラダ!?あの、貴方は···ってあれ?」
その人にお礼を言おうと向き直ったが、もう、誰もいなかった。
その直後だった。
胡橙音の悲鳴が響いたのは。
---
―奏龍視点―
胡橙音「嫌······っ!!やだ、やめて···こっち来ないでッ!!」
胡橙音ちゃんは、怯え、叫びながら私と距離を置く。
でもそっちは行き止まり。
残念だったね♪
彼女を壁際まで追い詰め、そして、髪の毛を掴んで、私の目の高さまで持ち上げた。
胡橙音「い"······ッ!?」
涙目で此方を見る胡橙音ちゃんに向かって私は笑う。
奏龍「ハハハ!!君は···どうやって殺してあげようか。もう終わりに近いし、少々凝った殺し方にでもしよっかな〜♪」
私は彼女の頬をやさしく撫で、そして、爪を立てた。
奥から手前へ、なるべくゆっくりと引いていく。
斬り裂かれた頬からは血が流れ、彼女の服を染めていった。
胡橙音「嫌ッ···い、痛い······!!やめてッ!!」
瞳から大粒の涙を零しながら、私に訴えかける。
ま、やめろと言われてもやめるわけ無いんだけどさ。
私は次に胡橙音ちゃんを抱き締めた。
胡橙音「······?」
何をしようとしているのか理解出来ていないみたい。
それでもいいんだけど。
私は、さっき頬を引き裂いた時と同じ様に背中に爪を立て、引っ掻いた。
胡橙音「あぁぁぁぁぁぁッ!!」
ガリガリと音を立てて背中が裂かれていく。
皮膚が裂け、肉が抉れ、骨が見える程の力で、裂いてゆく。
頬を引っ掻いた時よりも大量の血が吹き出し、胡橙音ちゃんの服だけでなく、周りの壁まで染め上げた。
彼女は私の腕を振り解こうと必死に藻掻いているが、逃げ出さない様に強く抱き締めているので、中々振り解く事は出来ない。
なんだかおもしろくなってきて、彼女の首を掴んで持ち上げる。
胡橙音「かは······っ············く·······くる····し······」
ギリギリと、首を絞める力を徐々に強くしていく。
そして、窒息する寸前の所で床に放り投げた。
胡橙音「うっ······!?」
散々嬲られた後だからだろう。
彼女は床にうずくまったまま、中々立ち上がろうとしない。
私は少しずつ、少しずつ、胡橙音ちゃんとの距離を縮めていった。
依然として彼女の背中からドクドクと流れ出る血が、床の血溜まりを広げていく。
胡橙音ちゃんは荒い息をしながら、私を睨み付けていた。
なんでそんな顔するのかなぁ。
もうちょっとだけ嬲ってやろうか。
胡橙音ちゃんの目の前まで行き、見下ろす。
奏龍「ホラホラ〜♪逃げないと〜♪」
彼女は殺されまいと、立ち上がろうと手を付く。
私はそのタイミングを見計らって、腹を蹴り上げた。
胡橙音「がっ······!?」
人外に蹴られたニンゲンはいとも簡単に吹き飛び、壁に叩きつけられる。
多分、今の一撃からして内臓破裂したかな。
もう、胡橙音ちゃんに立ち上がる力は残っていないらしい。
地面にうずくまって、藻掻き苦しんでいる。
ん〜······もうちょっとだけ遊びたいな〜···。
私は彼女に声をかけた。
奏龍「ねぇ、胡橙音ちゃんの能力ってさ〜···確か、岩とか操る能力だったよね〜。私も使ってみたいな〜、なんて!」
胡橙音ちゃんから返事が返ってくる前に、私は地面から岩を生成し、彼女を固定する。
次に、鍾乳石の様な鋭い岩を出し、彼女目掛けて数本放った。
それは全て見事に命中する。
胡橙音「うぐ······っ······」
私は彼女の頭を掴み、持ち上げた。
もう、彼女に私の手を振り解こうとする気力も体力も残っていない。
虚ろな目で此方を見つめていた。
奏龍「どうしよっかな〜♪流石にもうお腹いっぱいだし。野晒しにして鳥達に食べさせる?」
嗚呼、想像しただけで心が躍る。
さぁ、私に君の絶望を見せてくれよ······!!
---
―???視点―
ヤバい。
流石にこれはヤバすぎる。
私は直ぐに現場へと直行し、奏龍に向かって叫んだ。
???「待てよ!!」
奏龍「······ア?なんだよ······?」
奏龍は不機嫌そうにこっちを向く。
奏龍「《《花雨か》》?邪魔すんなよ。」
???「花ちゃんじゃあないよ。」
私が即答すると、奏龍は「そうかよ」とだけ言って、そして、胡橙音ちゃんを私目掛けて放り投げた。
彼女は私の直ぐ足元に転がる。
???「······!?」
そこでようやくまじまじと彼女の身体を見た私は絶句した。
何故なら、彼女の身体は全身が深い傷だらけで、かなり失血していたから。
奏龍「どうせ直ぐ死ぬだろ、後はアンタが好きにしろ。」
奏龍はそれだけ言って立ち去ったが、私は後を追わなかった。
正確には、後を追えなかった。
---
―火炎竜視点―
辺りを見渡し、誰もいない事を確認する。
正直、胡橙音が生きてるのかどうかも知りたい。
でも、カラダを持ったまま行って2人共殺されて···ってなったら、それはそれで嫌過ぎる。
急いでカラダを納めて、早く胡橙音の所に行かないと。
火炎竜「これで···最後···!」
カラダを棺桶に入れようとした瞬間、背後から凄まじい圧を感じた。
···振り返らなくても分かる。
この圧は···奏龍のもの。
火炎竜「············最悪。」
奏龍「そんな〜♪最悪って言わなくても!あと···カラダ、納めちゃうの?」
なんで、なんで彼女は動かない?
こんな至近距離にいたら、普通はカラダを納める前に殺すハズ······。
火炎竜「······。」
だったら、カラダを納めて、その瞬間に魔術放って逃げ出してやるか。
火炎竜「くっ······|緋竜の息吹《ドラグーンブレス》!!」
カラダを入れた直後に、奏龍に向かって今使える魔術を放つ。
これならちょっとでも時間稼ぎ出来···
奏龍「ははっ······!!面白いねぇっ!!!!!」
火炎竜「がはっ······!?」
逃げようとしたが、次の瞬間、僕は壁に叩きつけられていた。
目の前がチカチカして、息が思う様に吸えない。
多分·······今の一撃で、肋骨···折れたんじゃ···。
奏龍は笑いながら歩いて来ると、僕の翼を掴んで······。
---
―???視点―
???「胡橙音ちゃん!しっかりして、今助けるから!!」
彼女に声をかけても、返事が無い。
心音も弱くなってきている。
これは······早くしないと······。
でも、ここいらのエリアに魔力規制がかかってきるせいで、思う様に回復魔術を使えない。
せめて、止血くらいの応急処置だけでも······!!
???「······って···内臓破裂してる!?どこから手をつけりゃいいのさぁ···(泣)」
こりゃ簡単な止血だけだと駄目だわな。
え何、今ここで1人で緊急オペをやれと!?
輸血もねぇぞ!?
俺ァ手塚○虫のブラック・○ャックじゃ無いんだぞ!?!?!?
いやいやいや、でも待てよ、将来医療職就きたいのなら経験値つめ···まずそういう話すら学んでねぇわ。
あーヤバい!!
どうすんのさ!?
······待て。
ここは所詮、私と花ちゃんによって造られた物語···そして、今これを書いてるのは3次元の私······。
なら、小説の中なら何でも出来るじゃない。
???「さてと······ちゃんと胡橙音ちゃんを生かしてくださいよ···もう1人の私!!」
《あ た り ま え だ よ 》
---
―胡橙音視点―
凄く寒い。
あれ······私、何してたんだっけ······。
確か、奏龍さんに見つかって、それから······。
???「あと·········ちょっとだぁ······💦」
近くで女性···?っぽい声が聞こえた。
胡橙音「__ぅ············ぁ······?__」
目を凝らしてよく見ると、私の直ぐ側に誰かがいる。
まさか、奏龍さんが、私を······。
しかしそれは違った様で、その人は優しく、私に話しかけてきた。
???「あっ···目···覚めた?えっと······今、怪我した所の緊急オペやってるから。······ここの縫合終わるまで待ってて。あと、あんまり喋らない方が良い。」
その人の声は非常に優しく、温かかった。
程なくして、その人は「ふぅ······」と溜息を吐く。
どうやら全部終わったらしい。
胡橙音「あ······貴方············は·····?」
???「···?あぁ···私は···この空間では、"|彁妛《カケビ》"ってでも呼んで。」
彁妛と名乗るその女性は、どうやら奏龍さんを追ってきたらしい。
そこで奏龍さんに襲われて死にかけている私を見つけ、助けてくれた、との事。
彁妛さんは「あとちょっと遅ければ死んでた」と話した。
彁妛「いやぁ···にしても奏龍はやり過ぎてる。迷惑だよね···ごめんね。」
彁妛さんは私に謝る。
確かに奏龍さんはやり過ぎてる。
でも、彁妛さんが謝る様な事じゃない気が···。
その時。
火炎竜『うわ···ぁぁぁぁぁぁッ!!』
無線からガルーダさんの絶叫が聞こえた。
胡橙音「何············。」
彁妛さんは、はっとして立ち上がる。
彁妛「ごめん、こうしてる場合じゃ無い。ガルーダ助けて戻って来るから、待ってて。」
胡橙音「え············だっ·······て·········」
奏龍さんがまた来たら、今度こそ私の命は無いのでは。
すると、私の心中を察したのか、彁妛さんが口を開いた。
彁妛「心配しなくていいよ。」
そして、近くの教室から電子黒板······?みたいなのを引っ張ってきた。
それの電源を入れ、動く事を確認すると、彁妛さんは電子黒板のモニターに触れる。
彁妛「`|✞PAWSLが閲覧上限値を超過しています✞《天の声》`、出ておいで。」
`|✞PAWSLが閲覧上限値を超過しています✞《天の声》`?
一体どういう事?
私が困惑していると、電子黒板に砂嵐が奔り、そして······
モニターに、ノイズだらけの人型の様な生物が映った。
---
―彁妛視点―
「はぃ ㇾ、た!!入れ······タ!!で、もココ···でンぱ···悪ぃ、ね。でモ、お、前。__な__んで、おれ、よ、んだ?」
天の声を転移する事に成功したが、ちょっt···いや、結構電波悪い。
普通ならちゃんと人型で話出来るのに、今なんかノイズだらけ、バグり過ぎてすんごい事なってる。
···え?ンヌ○ムの方がちゃんと話せてそうなんですけど······😨
そこに困惑してても仕方が無いので、とりあえず天の声に説明をする。
一通り説明を聞いたソイツは、相変わらずバグった身体で頷き、胡橙音ちゃんの方を向いた。
胡橙音「そ·········の、人は······。」
目の前で起こっている出来事が理解出来ない様で、胡橙音ちゃんは消え入りそうな声で尋ねた。
彁妛「えっとね······電子機器の中でしか意思を持てない特殊で強力な助っ人!!」
多分理解してない。
でも、詳しく説明してる暇は無い。
私は彼女に「直ぐ戻るから」と告げて、ガルーダのもとへと急いだ。
---
―火炎竜視点―
火炎竜「いっ············!!」
奏龍の攻撃をギリギリで躱すが、その衝撃波までは躱せなかった。
衝撃波が僕の腕を掠めていき、そこから血が吹き上がる。
激痛の奔る腕を押さえながら奏龍に向き直ると、彼女は依然として、狂った笑みを浮かべ、余裕そうに立っていた。
今直ぐここから逃げ出したいが、もう|魔力《マナ》は殆ど残っていないし、翼も引き千切られ、飛ぶ事も出来ない。
奏龍「ここまでよく頑張ったけど······そろそろ終わりにしよっか。」
奏龍がゆっくりと近づいて来る。
恐らく、次の一撃を喰らったら僕の命は無い。
なのに、床に縫い付けられた様に足が動かない。
どうしよう。
折角、カラダ······集めたのにな。
彁妛「奏龍!!アンタの好きにはさせないよ!!」
突然声が響き、体育館に1人の人物が現れた。
その人は、僕に最後のカラダの在処を教えてくれた、あの人だった。
---
―奏龍視点―
またコイツかよ。
いつもいつも、なんで私の邪魔をするのか。
奏龍「何回もしつこいな···邪魔···」
するな、と言い切る前に、吹き飛ばされていた。
あまりにも突然の出来事で、一瞬思考が停止する。
その瞬間に、背後に空間を繋ぐ穴が現れ、私を呑み込んだ。
奏龍「······って、どこだここ。」
ペッと吐き出された先は見知らぬ廃病院。
おまけに、からくるとしえるまでいる。
しえる「あれ、奏龍。あのね······私達、出番終わったみたいなの。」
······悔しいが、彼女の言う通りだった。
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―火炎竜視点―
火炎竜「胡橙音ッ!!あとちょっとだから!!」
背中に大怪我を負った彼女を支えながら、玄関を目指す。
自分の傷も痛いが、胡橙音に比べたらまだ軽い方だ、痛いだなんだ言ってられない。
それにしても、あの人は一体なんだったのか。
カラダの場所を教えてくれたり、奏龍に襲われて致命傷レベルの大怪我を負った胡橙音を手当てしてくれたり。
その上奏龍という脅威をも倒した。
きっと、魔宴か八色、どちらかの主が関係しているのかも。
胡橙音「あ···出口だ······!!」
目の前には玄関。
そして、危険も何処にもない。
玄関の扉に手をかけ、開けて外に出た。
···ようやく、死と隣り合わせのデスゲームから生還出来た······。
藍生「······胡橙音!?ガルーダ!?」
藍生の驚いた様な、嬉しそうな声が響く。
顔をあげると、途中で脱落してしまったハズの仲間達と、フードを目深に被った人物、そして、人間みたいな見た目の人物がいた。
······あの2人マジで誰??????
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―魔狼視点―
胡橙音「うわぁぁぁぁぁ怖かったよぉぉぉ······!!」
泣きながら藍生君に抱き着く胡橙音ちゃんをみんなが慰める。
そりゃ無理もない。
一番グロに耐性の無い人がここまでやってるんだから······。
花雨「やれやれ······一時期はどうなるかと······。」
奏者「って、赤い人移動させてたの貴方じゃないですかぁ!!」
溜息をつく花雨さんに、子供の様に駄々をこねるボカロファン。
どうやら話によると、放送をしていたのは八色星団の世界線の主である花雨さんらしい。
そして、最後に救いの手を差し伸べてくれた、彁妛と名乗った神様(?)は奏者の本体だという(自分で自信満々に言ってた)。
てっきり奏龍が主かと思ってたけど。
······マトリョーシカみたいになってんな〜···。
奏者(本体)「〜〜〜!!にしても奏龍はやり過ぎ!!もう!!私達だってここまでハードモードにするつもりなかったんだから!!」
本体も子供みたいに言う。
······主と分身体って似てんだな······(メタい)。
奏者(本体)「あぁ〜······愛しの零桜君を傷付けた罪は重いぞ、奏龍〜···!!」
零桜「?????」
って、ちゃっかり零桜君の事ワシャワシャしてるし。
そして零桜君は理解してないし。
あと後ろ。
本体が「リラックスエリア〜!!」とか言ってめっちゃリビングみたいなまったり空間に転送したの良いことに暴れ過ぎてないか。
奏者(本体)「ねーねー花ちゃん〜♪もっとリラックスしとこ〜!!みんな大変だったし···。」
本体が駄々をこねる様に言うと、花雨さんは「そうですね」と肯定した。
火炎竜「眠い······(。-ω-)zzz. . . 」
ガルーダちゃっかり寝てるし。
奏者「エレキー!!!」
ジャァァァァァン!!!!!
ボカロファンは愛用のエレキギター掻き鳴らしてもうライブ会場(魔力込めて無いから大丈夫だけどうるさいものはうるさい)。
奏者(本体)「あぁぁぁぁぁぁ零桜君かぁぁぁぁわぁぁぁいいいいいい(^q^)耳食べるーーーーーーーーー!!!!!!!!!」
ハムッ
って、本体は零桜君の耳齧るなぁ〜!?!?
零桜「わぁ〜〜〜!!」
ヒュンッ
奏者(本体)「えなnぐべあ_:(´ཀ`」 ∠):」
するといきなり鉈が飛んできて、本体の肩に突き刺さった。
本体は思いっ切りブッ倒れる。
???「何やってるのかな〜(ΦΦ)」
詐欺師「で、出たァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!」
斧を持った人が殺意全開で現れた。
ダイスはビビり散らしてライの後ろに隠れる。
そんな弟は、哀れむ様な目で兄を見つめている(笑)。
黎夜「か、花天!?」
"花天"と呼ばれたその男性は、本体に歩み寄る。
······勿論、斧を持ったまま、殺意は隠さぬまま。
花天「調子乗ってるよね〜???零桜に何してんのかな〜🪓(Φ-Φ )」
そしてそのまま本体の後ろに回り込み、首筋に斧の刃を当てた。
奏者(本体)「あ、あま、ちょ、あの、ほら、あ、あれ、あれ!!斧!!斧!!降ろして!?降ろして、ね!?」
花天「頭狙って投げたのに〜。」
奏者(本体)「い、いや、死んじゃう死んじゃう!!」
······何これ。
花雨さん頭抱えてるけど。
他の人ガン無視してるけど。
え、これ日常茶飯事なの???
奏者(本体)「ほ、ほら!!甘咬み!!甘咬みだから!!思いっ切り齧ってはないから!!」
花天「············スッ」
本体の言い訳(?)を聞いた花天さんは斧を降ろした。
殺意がまだ残ってる様な······。
欠番「······調子乗るから···。」
ナルは呆れて見ていた。
堕天使「そ、それより、何故奏者···の本体と花雨は仲がいいんだ?」
若干戸惑いながらも、ルシファーが2人に尋ねる。
確かに、ネットの世界?にしては仲良し過ぎる気がする。
奏者(本体)「え?そりゃ······花ちゃんと私リア友だから。」
一同「············え?」
花雨「えっと···私と奏者さんは、ネットの世界での友人ではなく···リアル、つまり、現実世界での友人なんです。」
現実世界での······友人······。
一同「「「ええええええええええええええええええ!?!?!?」」」
き、聞いてない。
何も聞いてないぞ???
めちゃくちゃ仲いいネッ友がいる、という話しか聞いてない。
蒼羅「え、それって、2人はいつリア友だと気づいたんですか······?」
奏者(本体)「ん?花ちゃんが短編始めた時からだけど?お互い認知してたし。」
嘘でしょ。
だとしたら1年近く「奏者ボカロファン」と「花雨」はリア友ではないと隠し続けて来た···って事になるよ???
え、え???
藍生「え、じゃあ、短編カフェを教えてくれたその友達って······。」
奏者(本体)「あぁ、あれ私。」
(;^ω^)!?!?!?!?
ここにきて衝撃のCOし過ぎてるって。
てか、よく今日この時まで隠せてたな。
奏者(本体)「いやぁ、大分まったりしてもうたね。そろそろ皆さん帰りません?」
肩に鉈が刺さったまま、本体が言う。
いや鉈抜けよ((
奏者(本体)「よっしじゃあ行きますか!」
本体が指をパチン、と鳴らすと、私達の足元に黒い穴が現れた。
一同「「「いやちょっとまってェェェェェェェェ!?!?!?」」」
急展開過ぎるし、せめてお別れの言葉くらい言わせてよ···(´・ω・`)
---
―本体奏者視点―
奏者(本体)「時は満ちたね。花ちゃん···そろそろ始めようか?」
彼女に語りかけると、無言で頷く。
そして、こう、付け加えた。
花雨「調子に乗って範囲超えたら、奏龍さんと同じ目に遭わせますからね?」
···怖(;^ω^)
奏者(本体)「分かってるよ···でも、聖水かけられた時は私だって歯止めきかないから、そん時は大目に見てよ?」
---
―翡翠視点―
翡翠「痛っ!?」
いつもの様に、固い地面に吐き出される。
なんでいっつも雑にやるのかな···__もうちょっと優しく戻してくれても__。
······あれ?ここ、シェアハウスの所じゃない···?
奏者「ちょ······重い·····ドイテ···_:(´ཀ`」 ∠):」
聞き慣れた声が聞こえ横を見ると、そこには魔宴のみんながいた(奏者さんは一番下敷きにされて死にかけてた)。
欠番「あれ?八色星団のみんな?······って、この廃病院······何············?」
目の前には見知らぬ廃病院。
え?なんで?ゲーム···終わったんじゃないの?
???「「「__どわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!__」」」
また数人の叫び声g
???「「「ぎゃぁ!?」」」
魔宴のみんなが降ってきた時と同じ様に、虚空に黒い穴が空いて、そこから人?が降ってくる。
角や翼が生えている辺り、普通の人間では無いのだろう。
???「うわぁ!?人間!?ってかここどこ······。」
1人が困惑した様子で聞いてきた。
私達は直ぐ後に、本当のゲームはここからなのだと、知る事になる。
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---
---
「更に過酷に、更に過激に。物語はまだまだ始まったばかりさ······。」
1人の女性はそう呟くと、所々が赤黒く染まった白衣をバサリと翻し、夜闇へと消えていった。
本当の地獄はここからが始まりだった。
✞あちらとこちらの世界線〜時空を越えた|恐怖遊戯《アフレイドゲーム》〜1章、終幕✞
2章、近日開幕。
はい、これであちこち1章は完結となります。
最後まで見てくださった皆様、ありがとうございました!
いやぁ···実は続きがある&私と花雨はリア友でした。
重大発表過ぎるww
私も後ほど日記出しますが、多分花ちゃんの方でもなんか言ってくれると思うので!(謎)
それでは!
引き続きお楽しみに☆