「あのね、おにいさん。」
「ん?」
「わたしをひろってください。」
「は、?」
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目次
ロリ、拾われる。
「お腹空いた…。」
人の行き交うヨコハマの中、|襤褸《ぼろ》を纏った、4尺足らずの少女がいた。
普通の街でなら異質に見えるかもしれないが、この魔都ヨコハマでは全くの日常である。
疑惑など浮かぶ筈も無く、唯の置物も同然に街の一風景となっている。
少女がふと足を止めた。
そこは色々な紙が貼ってある、街の掲示板の様な物だ。
「かんじがいっぱいでよめない…。」
少女は知らなかった。 《《其れ》》が「指名手配」の紙と言う事を…。
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街を彷徨っていると、裏路地の方から何やら物音がする。
気になって覗いて見ると、数人の男が倒れている。
其処には1人、黒衣の男が立っていた。
「!」
少女は気付いた。ちらりと覗いた横顔が、先程見ていた紙に載っていた顔写真の男と同じだったからだ。
「ぁ、あのっ!」
少女は身を乗り出し、男に声を掛けた。
「ん?」
「おにいさん、わたしをひろってください。」
「は、っ?」
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芥川龍之介、ロリを拾った件。