30世紀、日本。
古来から人々を苦しめ続けた妖。それらは魔物へと進化し、人々を滅亡へと追い込んだ。
そして32世紀。
魔物を葬る方法を得た人間は、新たな国、『日ノ本』をつくり、地獄を終わらせるその時を待ち望んでいた。
これはそんな時代を創る、狩人の・・・脇役の、物語。
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目次
プロローグ
--- ピチャ、 ---
闇が深い夜。霧が濃い針葉樹の森の中、黒い影が水溜まりを踏んだ。
紅い、月。
--- パシャ、 ---
血。ではない。そのように見えるだけで。だが・・・
「・・・止まれ」
「・・・・・・」
「貴様。何者だ?」
「・・・」
「答えないか。物を言えない理由があると?」
「・・・」
「っ、」
一枚の、紙。ひらりと舞うそれが、ぬかるんだ地面に刺さる。
「これは、」
紅い月が照らしたそれは。
黒い地獄に、金の彼岸花が咲いていた。