『神隠しの終着点 〜天宇受売命(あめのうずめ)の恋煩い〜』

編集者:レオン
「さあさあ、オールしまっか! 疲れも悩みも、うちの舞で吹き飛ばしたるえ!」 八百万の神々が集う湯屋『油屋』。 そこには、かつて天岩戸の前で八百万を熱狂させた芸能の女神――天宇受売命(あめのうずめのみこと)がいた。 名を奪われ、看板娘「ミコト」として、朱色の髪をなびかせ華やかに舞い踊る日々。 親友のリンや後輩の千尋に囲まれ、賑やかに過ごす彼女の前に、ある夜、圧倒的な神気を纏った巨大な影が現れる。 それは、神々を導く先駆の男神――猿田彦(さるたひこ)。 無口で無骨、けれどあまりにも優しい眼差しを向ける彼に、ミコトは人生最大(神生最大)の「一目惚れ」をしてしまう。 「……あかん、心臓止まるわ! なんだよあの男前、反則やろ!」 お座敷でのカリスマっぷりはどこへやら、彼の前では初心な乙女に逆戻り。 耳元で囁かれる真の名、サバの味噌煮を巡る献立バトル、そして――神界の自宅で開いてしまった「夜の扉」。 これは、賑やかすぎる女神と、独占欲の強い男神が、 「神隠し」の終わりに見つけた、永遠の愛の物語。 「……圧かけても知らへんからね! 彦さん、ちゃんと言葉で言うてよ!」 「……一日一回だと言っただろう。……全く、賑やかな妻だ」 八割のタメ口と、二割の敬愛。 今日も神界には、ミコトの照れ隠しの怒鳴り声と、旦那様の満足げな溜息が響き渡る。
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目次

    【瑞穂の国・神事帳(しんじちょう)】

    【第1話:神隠しの記憶】

    第2話:衝撃の出会い

    第3話:ボイラー室の尋問

    第4話:一対多の舞

    第5話:また会える約束

    第6話:看板娘の恋煩い

    第7話:耳元の残響

    第8話:二度目の導き

    第9話:黄金色の吐息

    第10話:導き手の猛追

    第11話:サバの味噌煮の逆襲

    第12話:赤い橋の上の導き

    第13話:湯婆婆の執着、導き手の威圧

    第14話:神界の門、新生活の始まり

    第15話:不器用な夜の導き

    第16話:腰痛と愛の言葉

    第17話:女神会の洗礼とノロケ

    第18話:子犬と旦那とお仕置きと

    第19話:男神たちの茶飲み話

    第20話:筒抜けの惚気と赤面

    第21話:看板娘の里帰り決意

    第22話:油屋凱旋と女子会再結成

    第23話:旦那様の嫉妬と独占欲

    第24話:サバの味噌煮の誓い

    第25話:寝顔のツンツン攻防戦

    第26話:仕返しは甘い吐息で

    第27話:神界の踊り子、再始動

    第28話:天宇受売命の真骨頂

    第29話:嫉妬の炎とサバの味噌煮

    第30話(最終話):永遠の舞と、変わらぬ飯