余命一年を宣告された少女、桜。
この一年、最高の一年にすると誓う桜の親友、澪。
桜に密かに恋心を抱く幼なじみの少年、亮。
桜が恋している少年、司。
彼らの恋の行方は……?
これは、一年の間の短い少年少女の恋の物語。
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目次
 
    
        第一話 余命一年の私
        
            登場人物
主人公:安藤桜(あんどう さくら)
十二歳
優しくて穏やか。本音が言えない。
松岡澪(まつおか みお)
十二歳
元気で活発。手が先にでるほう。
        
        
        「……余命一年だと思ってください……」
桜が葉桜に変わる頃、桜は病室で医者に重々しくそう告げられた。
やっぱりか、と思う。
桜ががんだと診断されたのは三ヶ月前。
抗がん剤治療を避けていたせいだろうか?
それとも、神様に見放されたのだろうか?
どうでもいいや。もう、どうでもいい……。
私、決めた。
後、一年。自由に過ごして、死ぬ。
桜は密かに決意と覚悟を抱いた。
一週間後、退院した桜は、通っている私立花園学校の小学部の保健室に来ていた。
保健室の先生「体調は大丈夫?」
桜「はい。」
保健室の先生「……桜さんは強いのね……。」
保健室の先生は悲しそうに目を伏せた。そのとき。
がらっとドアが開いて、慌てた様子で澪が入ってきた。
澪「桜!退院おめでとう!」
桜「ありがとう。」
保健室の先生「私が言いますか?」
桜「ううん。自分で言う。」
澪「?」
桜は少し間を空けてから言った。
桜「ごめんね、澪。私、余命一年なんだ……。」
桜が言うと、澪は俯いて、肩を震わした。
澪「……なんで……。」
桜「澪……?」
澪「なんで謝るのよ!桜のバカ!!」
澪は駆け出すと、荒々しくドアを閉めて出て行ってしまった。
桜「澪……。」
桜はドアを悲しそうに見つめた。
《澪視点》
澪は荒々しくドアを閉めて、がむしゃらに走る。
何でいつも桜は謝るのよ……。
謝りたいのはこっちなのに……。
桜はお人好しだ。
それに甘えていたのは、私なの……。
桜になにもしてあげれない……。
無力で、惨め……。
私は桜の親友なのに……。
約束したのに……。
澪の頭には過去の約束が思い出されていた。
桜「澪ちゃん!」
澪「なぁに?」
桜「私たち、これからも友達だよね?」
澪「うん!」
桜「じゃあ、約束しよう。」
澪「約束……?」
桜「困ったことがあったら助け合おうね!」
桜は満面の笑みを浮かべ、小指を差し出してくる。
桜・澪「指切りげんまん。嘘ついたら針千本飲~ます!指切った!!」
澪「約束……したのに……。」
澪は壁を背にうずくまった。
桜「澪!」
桜の声が聞こえ、顔を上げる。
桜「澪、ごめんね。傷ついたよね。でも、すぐ死ぬ訳じゃないよ!まだ一年あるし……。」
ああ。これだ。これは桜の本質なんだ。
澪は鼻をすすった。
澪「桜……。」
澪は満面の笑みを浮かべた。昔の桜のような。
澪「この一年、最高の一年にしよう!」
桜「……うん!」
桜は瞳を潤ませながら力強く頷いた。
        
            初投稿……!ドキドキしながら書きました!ここまで見てくれたあなた!ありがとー!まあ、大目に見てっちょ!気ままペースで書くけど、これからも見てくれたら嬉しいな!
        
    
     
    
        第二話 桜は強いよ
        
            新キャラ
二ノ宮亮(にのみや りょう)
十二歳
桜の幼なじみ。運動神経がいい。頭の回転が鈍い。
        
        
        母「桜、起きてる?体調大丈夫?」
桜「お母さん。私、風邪引いたかも……。」
母「本当に大丈夫?お母さん仕事休もうか?」
桜「だから、大丈夫だってば。お母さんは仕事行ってきて!」
桜が微笑むと、お母さんは不安げな表情を浮かべながらも家を出て行った。
お母さんが家を出て行くと、桜は二階にある自分の部屋へ戻り、ベッドに横になった。
自分の額に手を乗せる。
少し熱っぽいな……。
体がだるい……。
きっと、久しぶりの学校ではしゃぎすぎたせいだ。
がんが進行しているんじゃないと良いな……。
桜はそう思いながら、ゆっくりと瞼を閉じた。
ピンポーン
桜「ふへっ!?」
インターホンがなり、桜は慌てて飛び起きる。
時刻は四時。
やばっ……六時間も寝ちゃった……。
外に出ると、幼なじみの二ノ宮亮が立っていた。
亮「さ~くら!久しぶり!」
桜「亮だ。どうしたの?」
亮「感動の再会なのに……。まぁいいや。学校から宿題届けに来たぞ!」
桜「げっ……!」
桜は不満げな顔をして、渋々受け取る。
亮「それと……。」
桜「?」
亮は後ろに隠してた物を取り出す。
それは、花束だった。白菊の。
亮「退院おめでとう!桜!」
桜「……嬉しいんだけどね、白菊はちょっと……。」
亮「なんで?」
桜「まぁいいや。」
あながち間違いでもないのだから。
亮は歯を見せて、二カッと笑う。
亮「桜が元気そうで良かった。」
その言葉がちくりと桜の胸に刺さった。
桜「……。」
亮「桜……?」
桜「私ね……。」
亮「……?」
桜「後、一年しか生きられないんだ。」
亮「……。」
二人は沈黙する。
桜「ごめ……。」
亮「桜は!」
桜の謝罪は亮の大きな声にかき消された。
亮「桜は強いよ。」
桜「……。」
亮「がんになって、後、一年しか生きられなくても、諦めず生きようとしてる!俺にそのことを伝えてくれた!だから、桜は強いよ!」
桜「……。」
違うの、亮……。
私、自由に生きたら、死んでもいいって、思ってるの。
もう、諦めちゃってるんだ。
ごめんね。亮みたいに強くなくて……。ごめんね……。
《亮視点》 
桜の家の前に来て、亮はドキドキしていた。
震える指先でインターホンを押す。
ピンポーン
亮「さ~くら!久しぶり!」
桜「亮だ。どうしたの?」
亮「感動の再会なのに……。まぁいいや。学校から宿題届けに来たぞ!」
桜「げっ……!」
不満げな顔で宿題を受け取る桜。
いつも通りで、亮は安心していた。
亮「それと……。」
桜「?」
亮は後ろから花束を取り出した。
亮「退院おめでとう!桜!」
桜「……嬉しいんだけどね、白菊はちょっと……。」
亮「なんで?」
桜「まぁいいや。」
桜が受け取ってくれて良かった。でも……。
亮は言葉を飲み込む。
亮「桜が元気そうで良かった。」
桜「……。」
亮「桜……?」
桜「私ね……。」
亮「……?」
桜「後、一年しか生きられないんだ。」
亮「……。」
知っていた。
桜があの花束を受け取った時から。
桜はもう、
死んでもいいって、思ってるんだ。
桜「ごめ……。」
亮「桜は!」
亮はひときわ大きな声を出す。
亮「桜は強いよ。」
桜「……。」
亮「がんになって、後、一年しか生きられなくても、諦めず生きようとしてる!俺にそのことを伝えてくれた!だから、桜は強いよ!」
桜「……。」
桜は沈黙する。
違う。違うんだ。
これはただの俺の願望なんだ。
桜がどう生きたって桜の勝手だ。
だから、これは俺の願望なんだ。
桜には、大好きな人には、もっと、ずっと、生きていて欲しい。死なないで欲しい。
亮「弱いな、俺は……。」
閉められたら扉の前で、亮はぽつりと呟いた。
その頬に、涙が一筋、零れ落ちた。
しばらく、家の前を行ったり来たりしていると、桜が窓から顔を出した。
不安げな表情だ。
亮は飛びっきりの笑顔で大声で叫ぶ。
亮「桜!明日は、学校来いよ!!」
桜「うん!!」
桜が笑顔になり、亮はほっとする。
弱いな。俺は昔から弱い。桜は強い。俺よりもずっと……。それでも。
俺は後一年、精一杯、桜を笑顔にする。桜を悲しませなんかしない。
亮「これも、俺の願望なのかもな……。」
        
            お待たせ……いや、誰も待っていないだろうけど!初ファンレターというものをいただき、作った二話目です。分かりやすいな自分よ……。まぁ、直に三話も書くかもです。
        
    
     
    
        第三話 デートイベント発生!!
        
            新キャラ
門街司(かどまち つかさ)
十二歳
友達。元気で明るい。頭は悪い。
        
        
        桜「ふわぁ~。おはよ~。」
澪・亮「桜!大丈夫!?」
登校中、たまたま澪と亮を見つけた桜は挨拶をした。
桜「どうしたの?そんな心配して。」
澪・亮「そりゃ、あんなこと伝えたら誰だって心配するわ!」
澪と亮が顔を見合わせる。
澪・亮「こいつにも話したの!?」
桜「二人とも息ぴったり。」
桜は悪びれもなく拍手をする。
澪「桜に裏切られた気がする……。」
亮「俺も……。」
桜「なんか、ごめん……。」
桜はしょげて謝る。
なんか二人もしょげてる……。
司「よう!亮!桜!澪!」
背中が思いっきり押されたと思うと、元気のいい声が聞こえてきた。
友達の門街司だ。
亮「司じゃん。久しぶり。」
司「おう!風邪で休んでた!」
澪「バカが風邪引くなんて、明日は台風!?」
司「シバくぞ。で、桜は何のフォローもなし、と。」
桜「いや、まぁ、その通りかなぁ~、と。」
司「ひどっ……。」
司は大げさにため息をつく。
桜はクスリと笑った。
桜は司のことが好き、なのだ。
澪「コソッ。後一年なんだから、告白しなよ…!」
桜「無理無理!」
桜は顔を真っ赤にして、首を横に振る。
司は学年でも人気が高い。
私が告白したところで……ね。
下校中
澪「司には余命一年って伝えないの?」
桜「好きな人に伝えられる訳ないじゃん……。」
桜はがっくりと肩を落とす。
澪「ファイト一発!!」
桜「無理無理無理無理!!」
澪「男は気合いだ!」
桜「私、女です!!」
澪「……男女平等!!」
桜「ひえぇぇ!!」
澪の突っつき攻撃を回避しながら、桜は家に帰った。
桜「お母さん、告白ってどうするの?」
母「な、なに!?相手は誰!!」
桜「秘密!!」
母「ふぅ~ん。まぁ、とにかく当たって砕けろ!!」
桜「当てにならん……。」
余命一年って言うよりも告白って勇気がいるなぁ……。
次の日
澪「桜!今どこのお祭り行かない?」
桜「えっ?なになに?面白そう!」
司「ふむふむ。俺も行く!」
桜「うわぁっ!?」
亮「俺も行くよ。」
澪「じゃあ、四人で行こう!」
桜「う、うん。」
キャー!人生初、デートみたいなイベント発生!!
熱がでそう……。
▽
お祭り攻撃 効果は抜群だ!
▽
桜は倒れた
澪「さ、桜ー!!」
        
            どうでもいい情報
自分の推しキャラ整理したら、全員武器が刀だった。びっくり!!
        
    
     
    
        第四話 お祭り
        
        
        桜「とうとう、来てしまった……。」
六月四日、六時三分。桜はお祭りが開催される公園の入り口にいた。
澪「さくら~!」
桜「澪!と、司!」
司「なんか俺、お荷物みたいな言われよう……。」
司は不満げに唇をとがらせる。
亮「お待たせ~!じゃあ、回ろうか。」
桜「広い……。」
亮「迷いそう……。」
澪「桜たちは大丈夫。バカじゃないから。」
司「明らかに喧嘩売ってるよね?」
澪「なわけないじゃん。ほら!行こう!」
司「話が逸らされた……。」
司はぶつぶつと文句を言っている。
五分後
桜「わおっ……。迷子になった。」
桜は人混みの中に一人、立ちすくんでいた。
取り敢えずあたりを見渡すと司が……。
▽
見なかったことにする
▽
気づかれた!!
司「おっ、桜!おまえも迷子?」
桜「う、うん!」
動揺を隠す。
司が鈍くてよかった。
司「これは合流できないかもな。仕方ない!二人で回ろう!」
桜「えぇぇぇぇぇぇ!?」
司「いやか?」
桜「う、ううん。」
司「そう?今度は離れないように!」
司が桜の手を強く握る。
桜の顔が茹でだこのように真っ赤になった。
ま、まずい……。ドキドキしすぎて心臓破裂しそう!
余命一年もないかも……。
司「イカ焼き食おう!あっ、でもヨーヨー釣りもいいな!」
桜「私がイカ焼き買ってくるよ。司はヨーヨー釣りやってていいよ。」
司「おっ!サンキュー!」
そうじゃないと私の心臓が破裂しちゃう!
一時間後
司「あぁ~。食べた食べた!」
桜「問題です!今スッカラカンになったものはなに?」
司「何だろう……?」
桜「正解はお小遣い!」
司「それは禁句だ!!」
桜「ふふっ……!あっ、見て!花火!」
司「おっ、本当だな!」
桜は空に散った花火と自分を重ねる。
私も一年経ったらあぁやって散るのかな……?
いや、きっと、もっと無様に散るんだろうな。
私もあんな風に美しく散りたいな……。
桜は来年は見れない花火をしっかりと目に焼き付けた。
        
            最近、ネッ友ができて嬉しいです!でも、自分は騒がしいので嫌われてそう……。もっと波風立てず穏やかにできたらいいなと……。話が変わりますが、今これを読んでる人がいるなら奇跡ですよね。何百もある小説からこの小説を見つけるって……。それと、桜たちに行ってほしいイベントとかやってほしいことがあればファンレターで書いてほしいです!お気軽にどうぞ!
        
    
     
    
        第五話 クラブ
        
        
        桜「う~ん。梅雨だね~。」
桜は窓越しに、降りしきる雨を見ていた。
澪「桜、なんかおばさんっぽくない……?」
桜「そ、そう!?」
澪「うん。」
司「今日はクラブ活動?だぞ!桜はなにクラブだ?」
桜「私は……何だろう?」
澪「桜、休んでたもんね。」
亮「俺と司は茶道クラブ入った。」
澪「えっ!?司が!?嘘だぁ~。」
司「本当だわ!」
澪と司が言い合いをしている内に、亮が何をするか教えてくれた。
桜「面白そう!私も茶道クラブ入ろう!」
澪「えっ!私も茶道クラブ入れば良かったな……。」
桜「茶道クラブ面白そうだから。」
澪「コソッそれに、司に告白するチャンスも増えるしね。」
桜「違うよ!!」
顔を真っ赤にして、桜は首を横に振り、全力で否定する。
司「なにが違うんだ?」
桜「な、何でもない……!」
クラブ活動
クラブの先生「はい!今日からお休みしていた桜さんが入ります!」
桜「さ、桜です!よろしくお願いしま……って!司と亮しかいない!?」
司「人気ないから。」
亮「俺たちしかいないんだ。」
桜「そ、そうなんだ……。」
クラブの先生「今日は、お茶を煎れてみようと思います。」
桜「楽しそう!」
司「楽勝だぜ!って、あっちぃ!」
司は指に熱湯が飛んで、指にフーフーと息を吹きかけている。
亮「水で冷やせよ!」
司「めんどい。」
桜「ふふっ……。」
もうすぐ、七月。
後九ヶ月、こんな幸せな時間が続けばいいな。
        
            お知らせ!
安楽 様の「怪異神社」と「余命一年の私」がコラボしました!リレー小説で検索すればでてきます!よければ、てください!原作の「怪異神社」も絶った……ぜ、ぜひ、読んでみてください!
        
    
     
    
        第六話 校外学習
        
        
        澪「ねえ、桜。」
桜「なに?」
澪「今日って算数のテストだよね……?」
桜「うん。」
澪「終わった……!」
澪はがっくりと肩を落とす。
澪「定規忘れた……。」
桜「私、二個持ってるから貸そうか?」
澪「マジ!?ありがとう!」
桜は澪に定規を渡した。
下校中
司「明日の校外学習、楽しみだな!」
桜「あれ?明日って校外学習あったっけ?」
亮「そうだよ。今日は早く寝ないとね。」
澪「そうだね。特に司!早く寝なさい!」
司「お前は俺の母ちゃんか!」
桜「ふふっ!」
司と澪って仲がいいね。
司って、もしかして、澪のことが、好き、なのかな……。
好きな人の恋だし、応援したい!
けど、何だろうこのもやもやは……。
私、わがままになちゃったかな……。
校外学習
桜「コソッ ねぇ、校外学習の場所が水族館って、どうなの……?」
澪「確かに。」
担任の先生「はい!先生が勝手にペアを決めるので、ペアで回ってください!」
桜「まさか、亮とペアになるとは思わなかった……。」
亮「うん。良し!回ろう!」
桜「うん!」
桜は水槽にいる生き物を見て、目を見開いた。
桜「か、かわいい!」
亮「何が……って、えっ?」
そう、桜が見ていたのはドチザメがいる水槽だった。
亮「あのぉ、どこらへんがかわいいの……?」
桜「目とか…!」
亮「えっ……?」
亮はまたもや驚いた。
桜「楽しかったね!」
桜と亮は集合場所である公園のベンチに座って、口々に水族館の感想を言い合っていた。
まだ、誰もいない。二人きりだ。その時。
「ちょっとさぁ、君たち。お金貸してくんない?」
柄の悪いおじさんが現れた。
周りには誰もいない。
これは……やばいかも……。
        
            あとがきに書くことがない!!
        
    
     
    
        第七話 守れない
        
        
        《亮視点》
やばいっ!
不良もどきのチンピラおじさんが来たっ!
しかも、めっちゃタバコ臭い!
亮「け、警察に通報しますよっ!」
おじさん「金貸せって言ってんだよ!」
おじさんは眉をつり上げ、怒鳴る。
そ、そうだ。
桜もいるんだ。
小説の主人公だったら、好きな人のために戦うんだよな。
でも、俺はできないから、俺が今、やるべきことは!
亮「桜!逃げるぞ!」
俺は桜の手を掴み、走り出す。
おじさん「待て!」
俺は必死でおじさんから逃げた。
しかし、不良もどきなくせに中々頭のいい奴で、亮は路地に追いつめられてしまった。
俺は、なにも守れないのか……?
好きな人も、自分でさえも……。
その時。
桜「お、お金を貸せばいいんですよね!?」
桜がか弱くもはっきりとした声でおじさんに向かってそう叫んだ。
おじさん「そうだよ!早く貸せ!」
桜「は、はい!」
桜はそう言って、おじさんに近づくと、急所を蹴った。
おじさん「のおっ!」
桜「亮!逃げるよ!」
桜はそう言って、俺の手を掴んで、走り出した。
やっぱり、桜のほうが、ずっと、強いんだ。
怖がりもせず、あんな人に立ち向かえて。
やっぱり、俺は守れない……。
先生「どうしたの!?」
桜「はぁ、はぁ、えっと……。」
亮「知らないおじさんに絡まれて……。」
先生「大丈夫!?」
下校中
亮「はぁ~……桜、あり……。」
桜「ありがとね、亮。」
亮「えっ……?」
桜「私、怖かった。亮がいなきゃ、私は動けなかったと思う。ありがとね。」
桜は笑顔を亮へ向けた。
そっか。
全部、俺の思いこみだったんだ。
桜も、
怖かったんだ。
亮「桜が無事で良かった。ありがとう、桜!」
桜「えっ、なに?照れる!」
亮と桜は笑い合って下校した。
        
            皆さんはあんなおじさんに絡まれたらどうします?自分は交番まで全力疾走!
        
    
     
    
        第八話 告白
        
        
        桜「はぁ~……。」
澪「どうした?」
桜「明日から夏休みだなぁ~って……。みんなに会えなくなっちゃうから……。」
澪「ふぅ~ん。じゃあさ!明日の夏祭り、一緒に行かない?」
桜「行く!」
桜は目を輝かせる。
でも、おこづかい足りるかな……?
澪「お待た~!おこづかい足りた?」
桜「う、うん!お母さんが五万円持たせて……
澪「ご、五万円!?」
あはは……。
余命一年ってお得だね……。
司「おっ!桜じゃん!」
桜「つ、司!?」
澪「ア!イッケナイヨウジオモイダシタ!」
澪が思いっきり棒読みで言った。
澪「コソッ桜!告白ガンバ!」
桜「澪~!裏切りものぉぉぉぉぉ!」
澪「許せ!」
澪がそそくさと帰る。
二人っきり……。
司「なんか最近、二人っきりになること多いな。」
桜「ソウダネ……(棒読み)」
司「リンゴ飴じゃん!久しぶりに食おうぜ!」
桜「うん!」
ドキドキするけど、普通でいられる。
今日は、なんか特別な日だな。
司「スーパーボールすくい!どっちが多いか勝負だ!」
桜「負けないよ!」
桜 24
司 12
司「負けたー!」
桜「アイス奢りね!」
司「俺にたかるな!」
桜たちは川の近くまで移動し、岩の上でアイスを食べる。
司「来年も行こうな!桜!」
桜「……。」
返事ができなかった。
来年なんて無いから。
そう。来年は、ない。
桜「……司。」
司「うん?」
桜「私、司のことが……
           好き……なんだ。」
        
            毎回、思うんです。自分って語彙力やばいって……。
        
    
     
    
        第九話 心の傷
        
        
        《司視点》
へぇっ!?
こ、告白……。
すっごいドキドキする……。
でも、
司「俺は、桜のことが……!」
桜「司!危ない!」
司「え……
ドボン
《桜視点》
桜「司!危ない!」
司「え……
桜がそう忠告するのと、司が川に落ちるのは、ほぼ同時だった。
ドボン
と音がして、司の姿はあっという間に見えなくなった。
桜「だ……誰か……。つ、司が……。」
助けを呼ぶ声もかすれていて、誰の耳にも届かない。その時。
亮「桜!?」
浴衣姿の亮が通りかかった。
亮「どうした?なにがあった?」
桜「司が……川に……落ち……た……。」
亮「マジで!?桜、携帯持ってるか!」
桜「う、うん……。」
亮「119だ。救急車呼べ!あぁ~!それと、警察も呼んどけ!」
桜「う、うん!」
亮「誰かー!子供が川に落ちた!」
大人「なに!?」
亮の活躍により、司は救助された。
けど、意識はなく、真っ青だ。
私の、せいだ。
私が、私が……。
こうして、私の夏休みは始まった。
その日から、私は家に閉じこもった。
《亮視点》
あの日から、桜は外にでなくなった。
日に日に憔悴していく、桜。
亮「桜……。大丈夫か?」
桜「……うん。」
亮「司、意識戻ったって。」
桜「……うん。」
亮「……また来るよ。」
桜「……。」
桜は少し困った表情を浮かべた。
桜を、また笑顔にするにはどうすればいいのか………。
《桜視点》
司、私を恨んでるかな……?
そんな訳ないと思っても、そうかもしれないと思ってしまう。
司に聞こうと思っても、怖くて聞けない。
聞けば、壊れてしまいそうな気がする。
今まで築いた関係が。
桜「……聞けないよ……。」
        
            作者「わー!告白の後のビックイベントだー!」
全員「ギロッ」
作者「あ、あはは……。」
        
    
     
    
        第十話 本当の気持ち
        
        
        朝起きる。
朝食を食べる。
ゴロゴロする。
昼食を食べる。
ゴロゴロする。
お風呂に入る。
夕飯を食べる。
歯を磨く。
寝る。
それが、今の桜の当たり前の日常だ。
前は、澪たちと遊んでいた。
司が川に落ちてから、こうなった。
私の思いこみだと信じたかった。
けど、信じれば信じるほど自分が信じられなくなった。
司への気持ちも。
亮への感謝も。
澪といる楽しさも。
全部偽りに思えた。
どれが、本当の気持ちなんだ……?
自分は本当に、司のことが好きなの……?
どれが本当?
考えれば考えるほど分からなくなっていった。
怖い。怖いよ……。
ピンポーン
また、亮だと思った。
亮は優しいからこんな私に会いに来てくれるのだ。
……いっそ会いに来ないでくれた方が良かったかもね。
そうだ。
私はみんなの気持ちも分からない。
亮が会いに来てくれるのは、優しさ?それとも、哀れみ……?
出てみると、亮ではなく
           司だった。
司「桜……。」
桜「司……?」
《司視点》
あの日。
俺は伝えられなかった。
桜に、本当の気持ちを。
司「桜!俺、桜のことが
           好きだ!」
        
            作者「祝!十話~!」
司「作中ではまだ九月にもなってないけどな!」
作者「ギクッ!」
澪「作者投稿休みまくってたよね?」
作者「ギクッ!」
亮「おまけに違うシリーズ全然、投稿してないじゃん。」
作者「ギクッ!」
桜「これを進めてるのは次のを早く書きたいからでしょ?」
作者「ギクッ!えぇ~。自分もネッ友さんに習って何かしようと思います!まぁ、できることって番外編くらいかな……。」
司「作者はネットで絵が描けないのでね。」
作者「というわけで、案を送ってほしいです!何でもいいですよ!ドラゴンが町に現れ……
澪「作者を焼いたとかでもいいよ!」
        
    
     
    
        第十一話 力
        
        
        司「桜!俺、桜のことが好きだ!」
意味が分かたなかった。
恨まれていると思ったから。
でも、やっぱり、私も
桜「私も……司のこと、好き……です……。」
司「うへっ!?マジで!?」
桜「えぇ!?あの時の告白、覚えてないの!?」
司「あ、あはは……。」
桜「やっぱり、司は司だね……。」
幼稚で、明るくて、元気で、優しくて、強くて。
そんな司に私はほれたんだ。
司「あぁ~。つまり、つ、付き合っていいってこと!?」
桜「う、うん……?」
司「何で、疑問系なの?」
桜「な、な、なんとなく。」
桜と司は顔を真っ赤にする。
桜は俯き、司は空を見上げた。
桜「……。」
司「……気まずいな……。」
桜「……司、夏休みの宿題終わった?」
司「それは禁句だぁぁぁぁぁぁぁ!!」
桜はクスリと笑う。
良かった。
司がいなきゃ、一生あのままだったかも。
桜「ありがとう!司!」
司「おう!桜も元気になってよかったぜ!」
桜「?」
司「だって、桜、最近、ありがとうじゃなくて、ごめんねばっか言ってたじゃん。」
桜「そう?」
司「とにかく、元気になってよかった!」
司は笑う。
私もつられて笑う。
司には、人を元気づける力があると私は思った。
いよいよ、九月。
修学旅行!楽しみだな!
        
            これが完結したら、次の書きます!最近、これしか進めてなくてすんません。
(見てないだろうけど)
        
    
     
    
        第十二話 修学旅行 ~前編~
        
        
        桜「うわぁ~い!修学旅行!」
澪「いやっほぉー!」
旅行先は……
司「登山~!」
亮「山登ってホテル行くって鬼畜すぎだろ……。これ、旅行じゃなくて修行だろ!」
桜「確かに……。」
澪「天気予報によると霧だって。心配だね~!」
桜「流石に大丈夫!」
十分後
桜「じゃなかった……。」
亮「だな。」
隣を見ると亮。
桜「うわぁぁ!?」
亮「!?」
桜「いつの間に!?」
亮「こっちのセリフ!取り敢えず、山登ろうぜ!」
亮は桜の手を取る。
亮の顔はほんのり赤い。
亮「桜……。」
桜「?」
亮「俺、桜のことが!」
司「桜~!無事?」
桜「司!」
《亮視点》
桜は司の方に走っていく。
そんな桜の手を亮は強くつかんだ。
桜「亮!離し
亮「司!俺も、桜のことが好きだ。この意味が、分かるよな?」
司「……あぁ。分かってる。でも、俺は、桜をそんな簡単にとられはしない。」
そう言って、司は桜を引き寄せた。
分かってる。
これは、いわば果たし状だ。
司は桜が好きで、桜も司が好き何だろ?
でも、俺だって、桜のことが、好きなんだ!
        
            三角関係!!前からしようと思ってたんです!マジでサイk((
        
    
     
    
        第十三話 修学旅行 ~後編~
        
        
        桜「はぁぁぁぁぁ~。」
澪「桜!大丈夫だった!?迷子になったみたいだけど。」
桜「うん……。実はね……。」
説明中
澪「三・角・関・係!!最高かよっ!」
澪は興奮。桜はため息。
しかも、司と亮、同じ部屋じゃない……?
修学旅行楽しめないかも……。
そんなことはなかった!
澪「ねぇねぇ、夜!ずーっと起きてない……?」
桜「寝ないってこと……?」
司「なぁ!寝ないなら俺たちと肝試しいかね?」
亮「丁度、事故現場の廃病院が近くにあるらしいよ!」
えっ……?めっちゃ、仲良いじゃん!
さっきのは冗談……?
廃病院到着
桜「ね、ねぇ、抜け出してきちゃったけど大丈夫……?」
司「大丈夫!」
司・亮「みんなで怒られれば怖くない!」
全然大丈夫じゃなかった……。
あとさ。澪おいてきちゃったけどいいの……?
桜は不安そうに廃病院に足を踏み入れた。
五分後
桜「亮~!」
司「大丈夫だよ。亮のことだし。」
亮がいなくなったのに、司はのんきだ。
桜「……ねぇ、亮が言ってたことの意味って……?」
司「あぁ、あれか。あれはな。う~ん。宣戦布告……かな。」
桜「なにそれ?」
司「まぁ、そんなことよりさ。お化けいるぞ?」
前を見ると、白い物体が……。
桜「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
桜は全速力で廃病院を抜け出した。
桜「おはよう……。」
昨日は最悪の一日だった。
澪「機嫌悪くない……?」
桜を見て、澪は苦笑い。
あっ、山をくだらないと……。
修学旅行より、校外学習のほうが楽しかったわ……。
亮「桜。司のどこが好きなの……?」
桜「へっ!?」
亮は真剣な顔だ。
えぇっと、えぇっと……。
桜「自分の気持ちが……はっきり言えること……かな?」
亮「……俺が司にかなわねぇわけだ。」
亮は苦笑い。
山を下り、バスに乗り込む。
こうして、私たちの修学旅行は終わった。
ちなみに、先生にはきっちり怒られた……。
        
            次の小説早く書きたいから、雑になるかも知れん。
        
    
     
    
        第十四話 十月
        
        
        桜「……。」
桜は暗い顔をしていた。
もう十月。
後、二ヶ月で年が明ける。
私に残された猶予は五ヶ月ほど。
後、五ヶ月……。
澪「桜!」
桜「なぁに?」
澪「十月といったら文化祭だぁぁぁぁぁぁぁ!!」
桜「……そうだったわ。」
今、ちょっと自分の死について考えてたもんでとは言えないし……。
司「一緒に回らね?四人で。」
亮「ごめん。その日は塾。」
澪「あっ……。私は予防接種……。」
亮・澪「はぁぁ~。桜との楽しみが……。」
桜「た、楽しんでくるね……!」
桜は二人に優しく微笑んだ。
文化祭当日
桜は司と歩きながら、学校へ向かった。
その時。
ガツン
誰かに背後から殴られた。
え……?
司「桜!逃げろ!」
薄れゆく意識の中、司が必死でそう叫ぶ声が聞こえた。
        
            すまん。自分の趣味で完全ご都合展開に……!
        
    
     
    
        第十五話 誘拐事件
        
        
        桜「うぅん……。」
桜はゆっくりと目を開ける。
薄暗くて、知らない場所。
あたりを見渡すと、隣に司はいた。
桜「司。起きて!」
司「うぅん……。あれ?桜……?桜!?」
司は一気にガバッと起きて、桜の肩をつかむ。
司「無事!?怪我してない!?」
桜「うん。司、何があったの?ここどこ?」
司「アァーうん。こんな事ほんとは言いたくないんだけど、俺たち、誘拐されたみたいなんだ……。」
桜「!?」
ゆ、誘拐!?
桜「これってどうしたらいいの……?」
司「アクション映画みたいに脱出?」
桜「えぇー!?」
司「あいつら子供だからってなめてんだよ。脱出しなきゃ警察も呼べねぇだろ?」
桜「それも、そう、だね……。」
司「よし!」
司は立ち上がると、桜に向かって手を差し伸べる。
桜はその手を掴むとゆっくりと立ち上がった。
ドアを少し開けて、外の様子を見る。
どうやらここは廃病院みたいだ。
人がいないのを確認すると、二人は素早く、右へ走った。
右まで来ると階段があった。
司「下りるぞ。」
桜「待って……。話し声が聞こえる。」
こっそり覗くと、踊場に三人の男が居座っていた。
司「は、は、はくしょん!」
司が大きなくしゃみをした。
男1「!?」
男2「逃げられてるぞ!」
桜「司!こっち!走るよ!」
桜は司の手を取ると、反対側へ走り出した。
反対側に着くと、一気に階段を駆け下りる。
しかし、玄関にあたる部分にもう二人誰かがいた。
司「あれは……。」
澪・亮「桜!司!こっち!」
澪と亮だ。
《澪視点》
澪「警察は呼んであるから!」
桜「どうしてここだって分かったの?」
亮「俺の勘だ!合ってて良かった。」
司「助かった!」
私は後ろをちらりと振り返る。
男はまだしぶとく追って来ている。
警察「そこの男!止まりなさい!」
前方から警察が現れ、男を捕まえた。
---
桜「司が無事で良かったぁ!」
桜がホッとしたように言う。
その言葉を聞いて、私はいつものように、桜にこっそりと聞いた。
澪「告白できたの……?」
いつもと、様子が違うのが分かった。
桜「う、うん。返事は……。」
そこまで、桜が言って、私は喜ぶ……はずだった……。
こみ上げてきたのは全く別の感情。
嫉妬。
何で、いつも桜だけが特別で。
私は惨めで、桜の隣には立てなくて。
私だって司のことが好きだった。
桜はライバルだと思ってた。
でも、実際は桜の足元にも及ばなくて……。
何で、桜だけが……。
羨ましい。
恨めしい。
ウザい。
嫌い……嫌い……!
澪「ハッ……!」
気がついたら泣いていた。
違う。
桜は嫌いな人。
桜は親友。
違う違う。
嫌い嫌い。
亮「澪!?どうした!?」
隣にいた亮が心配してくれる。
私は拭いても拭いても溢れる涙を必死に隠しながら言った。
澪「どうしよう……。私、
           桜のことが嫌いになっちゃったかも……。」
        
            アハッ☆投稿サボってた作者だよ☆
祝・十五話!!
        
    
     
    
        第十六話 本心
        
        
        《亮視点》
澪「どうしよう……。私、桜のことが嫌いになっちゃったかも……。」
目にいっぱいの涙を溜め、鼻水をすすりながら言う澪。
亮「どうして?」
澪「わ、私……司のことが……好きで……でも、桜と、もう、付き合ってて……。それが、羨ましくて……!」
亮「それは、澪の本心なの?」
澪「……えっ……?」
亮は言おうか少し迷った後、覚悟を決めて言った。
亮「だって、澪は、誰よりも桜の恋を応援していて、誰よりも桜のことを考えている、桜の最高の親友じゃないか!」
亮「いつも明るくて、元気で、他人のことを真っ先に考えている澪が、俺は好きだ!」
澪「亮……。」
澪は少し考えた後、亮のおでこを弾いた。
澪「それ、浮気。」
亮「へっ……?」
澪「二股はだめ!どっちかにしなさい!」
亮「えっ、あっ、じゃあ、澪!好きです!付き合ってください!」
澪「うむ!付き合ってやろう!」
澪は腰に手をあてて仁王立ちで背伸びすると、亮を見下ろす。
亮「すっごい上から目線……。何様……?」
澪「澪様!」
亮「やれやれ……。」
亮があきれると、澪は笑う。
無邪気で、あどけない笑顔。
やっぱり、澪は笑顔の方がいいな。
澪「さくら~!つかさ~!私と亮、付き合うことになった!」
桜・司「えっ!?」
口は…軽いけど………。
---
《桜視点》
桜「学祭行けなかった……。」
司「また来年いけばいいだろ?」
落ち込む桜に司は優しく声をかける。
ごめんね、司。
私に、来年は無いの。
澪「でも、十月だから、運動会あるよ!」
桜「そう、だね?」
亮「なんで疑問系?」
司「桜はリレーの選手だろ?」
澪「そう言う司もね。」
亮「二人とも五十メートル走何秒代?」
桜「私は八秒代。」
司「俺は七秒代。」
澪「化け物か!」
そんなに速いのかな?
亮「じゃあ、運動会頑張ろう!」
全員「おー!」
        
            結末に急いでいる作者……。
        
    
     
    
        第十七話 優しい嘘と残酷な真実
        
            キャー!久しぶりに書いたからキャラクター終わってんかも
キャー!雑すぎだろw
        
        
        先生「今日からリレー選手の練習を始めます。走る順番は一年生女子→一年生男子→二年生女子→二年生男子→三年生女子→三年生男子→四年生女子→四年生男子→五年生女子→五年生男子→六年生女子→六年生男子の順番です。なお、リレー選手はそれぞれ百メートル走ってもらいます。」
うん!
えっ!?
ってことは司に私がバトンを渡す……ってこと?
私、桜の顔が真っ赤に染まる。
恐る恐る隣の司を見ると、なんと目が合っちゃった!
恥ずかしい……恥ずか死……。
キャー!司が耳打ちしてきた!
司「なに恥ずかしがってんだ?俺たち一様恋人だろ?」
あっ、はい。
そうでした。
九月から付き合ってんでした。
よし!練習!
---
(いきなりぶっ飛んで運動会当日)
桜「ねぇ……司?」
司「ん?」
桜「私たちの学校ってなんで最初がリレーなの?」
司「知らん!」
まぁ、知ってたらすごいか。
先生2「位置について!よーい!」
--- パン! ---
よし!一年生早い!
って、うっそぉ!?まさかのバトンミス!?
やばいやばい!これは早く走らなければ……。
私はバトンを受け取ると全速力で走り始めた。
もう少しで司に届く。
「あれ¿」
視界が暗転する。
そこで私の意識は途切れた。
---
次に目が覚めたらそこは保健室だった。
そうか……私、気絶して……。
うっ……気持ち悪い……。
これって入院してた時と一緒……。
なんとなく、分かる。
もう、私には後一カ月も残されていない……。
桜「死期が……わかるってやだな……。」
桜は一人でに呟きちょっぴり笑う。
こんな状況で笑える自分が気味が悪くて仕方なかった。
やがてバタバタと走る音がして、司が入ってきた。
司「桜!大丈夫か!?」
桜「………………うん。大丈夫。ちょっと貧血になっちゃったみたい………急に倒れてびっくりしたよね?ごめんね…………………。」
嘘。
でも、司……。
嘘と真実どっちがいい……?
---
《澪視点》
桜は、また入院することになった。
--- 余命が迫ってる ---
知ってた……けど。
必死で涙をこらえる。
保健室に向かう途中、安堵した表情の司がいた。
司は私に気づくと、明るい表情で
司「桜、少し貧血なみたいだ。大事をとって早退するって言ってた。とにかく、病気じゃなくて良かったよ……。」
と言ってきた。
それが無性に腹立たしくて、気がつけば司の頬を叩いていた。
今までこらえていた涙が溢れ、頬をつたい、床に落ちる。
澪「バカ!桜は、後ちょっとしか生きられないのよ!」
ほとんど悲鳴に等しい声で私は言う。
その後はどうしようもない涙を必死で拭い、逃げるようにして走った。
---
《司視点》
--- パチン ---
澪に頬を叩かれる。
鋭く鈍い痛みがはしる。
澪「バカ!桜は、後ちょっとしか生きられないのよ!」
桜は……後ちょっとしか……生きられ……ない?
そんな……。
冗談だろ?
だとしたら、倒れたのは……………。
嘘だよな?
嘘だって言ってくれよ……桜……………。
知ってる。
澪はこんな嘘つかない。
知ってるのに……。
俺はうずくまる。
司「嘘でも…………いいから………嘘だっていってくれよ……桜………………。」
---
《亮視点》
保健室に着いた俺は扉を開ける。
ベッドには悲しそうに笑う桜。
桜が…………こんな顔する時は決まってる。
桜「亮………。私、後一カ月も生きられないかも………。ごめんね…………。」
亮「謝らなくて、いいのに。」
桜「私が死んでもちゃんと勉強するんだよ?」
亮「死ぬなんて縁起でもないこと言うんじゃねぇよ!!」
俺は声を荒げる。
桜はちょっとびっくりしたような顔をすると、穏やかに笑う。
桜「ごめんね。」
違う……。
謝ってほしいんじゃない……。
俺は……桜に……
桜の母「桜!」
桜「お母さん。」
桜は母になにかを告げる。
母はショックを受けたように固まると、涙を流し始めた。
桜は母を連れて帰る。
桜は保健室の扉で小さく手を振る。
桜「バイバイ。亮。」
何度も見てきたその動作。
でも、今日は違って見えた。
この世に、別れを告げるような……。
ごめんな……桜………。
手、振り替えせなくて……。
明るい顔を見せれなくて………。
ごめん……桜………。
ごめん……。
        
            宣誓!
後、二話くらいで終わらせます!
        
    
     
    
        第十八話 手紙
        
            キャー!
これで泣いた人いたら怖い!
別に泣かせにきてるわけじゃない。
泣いたら嬉しい。
まぁ、我は小説で泣いたこと無いけどw
        
        
        ここは桜坂病院。
私、桜が入院してる病院。
ダジャレみたい?
ふふ……。
私は実は四週間前から入院してるんだ。
驚いた?そんなに?
まぁ、私に残された時間は少ないんだ。
私的には後三日かなぁ~?って思ってる。
えぇ~?呑気?
そうだね。
私も死は怖かったよ?
でも、みんなと過ごして幸せだったからもう良いかな。
ネガティブ?ふふ……。
---
もう、残された時間は無いに等しい。
私的には今日で死ぬ。
でも、最後に……。
桜「お母さん。手紙セット持ってきて……。」
母「いいよ。」
母はうっすらと笑いながら、自宅へ帰った。
---
《亮視点》
桜が死んだ。
そう母から告げられた。
嘘じゃないかと思った。
実は今も生きていて、これはどっきりで。
そう信じたかった。
桜からの手紙。
たった一文。
「心配してくれてありがとう」
夜遅くだったのに澪の家へ向かった。
行く途中に司と会った。
亮「司!」
司「亮!」
亮「司の、手紙には……?」
司「……………恋人らしいこと、できなくてごめんね………だとさ…………最後まで謝りやがって桜のバカ……………。」
司は苦笑する。
きっと、その苦笑の裏では俺と同じ気持ちなのかもしれない。
澪「亮~!司~!」
亮・司「澪!」
澪「二人ももらったでしょ?手紙。」
司「あぁ。澪のには…なんて書いてあった?」
澪「……勉強頑張れ!だってさ……全く、余計なお世話だってのに…………。」
澪は苦笑しながらも目に涙を溜めている。
澪「それから………三人宛への手紙、桜のお母さんから預かってるの。」
そう言って、一枚の封筒を取り出した。
---
みんなへ
お元気ですか?
みんながこの手紙を読んでる頃には私は死んでる。
でも、私、満足だよ?
みんなとたくさん遊んではしゃいで、司とも付き合えたし!
だから、心おきなくこの世を去れるよ……。
じゃあね。
なんて本当は嘘。
もっとみんなと一緒にいたい!
司のそばにみんなのそばに……いたいよ
嫌だ。
死ぬのが怖い。
もっとみんなと生きていたい。
司とデートしたり、澪に勉強教えたり、亮と遊びたかった
嫌だよ……
死にたくない死にたくない
でも、みんなそろそろ、時間なんだ……ごめんね……ありがとう…みんな
みんなに会えて最高に楽しかった
辛く苦しいこともみんなとなら乗り越えられた
ありがとう
じゃあ、またね
        
            次で完結!!
桜ちゃんかわいい~!(は?)
個人的に亮好き!(あ?)
        
    
     
    
        最終話 余命一年の君へ
        
        
        余命一年の君へ
もう死んでる君を余命一年なんて言うのは変かな?
今は桜が満開に咲いてるよ。
君みたい。
ねぇ、去年、来年も一緒にお花見しようって言ったの覚えてる?
叶わなかったね……
もうちょい早く教えてほしかったなぁ余命一年って
澪と亮には言うのになんで俺には言わないんだよ!
この寛大な司様も流石に怒るぞ!
ってまぁ、怒りたくても怒れないんだけどね……
俺は……また桜に会いたい……
---
そこまで書いた俺、司は寝てしまった。
次に目覚めたときは手紙が裏返しにされていて見慣れた文字が並んでいた。
桜の、文字が……
---
司へ
ちょっと!男が引きずるとかダサいよ!
元気出して!
モテないよ!
このままだと絶対モテない!
保証する!
って、幽霊になってまで手紙書かせないでよ!
---
司「なんだよ……それ。」
その時、背後から言われた。
--- ずっと見てる ---
---
二十年後
俺は六歳年下の女性に恋に落ちた。
彼の名前は永遠 桜(とわ さくら)。
彼女は、桜にそっくりだった。
時々、桜は寝言を言うんだ。
「またねって手紙に書いたじゃん」
とか
「バトン渡せなくてごめん!」
とか……。
誕生日は桜と同じ四月一日だし。
だから、思わず言ってみたんだ。
「昔、安藤桜って子がいたんだ。俺の初恋。なぁ、桜、お前ってー
「ただいま、司。」
優しく微笑む桜。
俺も微笑み返す。
「おかえり、桜!」
        
            完結!!
後味悪いのは言うな!