あの日、私は電車に轢かれて死んだ… ――――
はずだった。
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目次
転生したらJKだった話。
―――――――ファァァーン……
警笛と ブレーキ音、周囲の人の悲鳴が聞こえる。
『 あーあ… 』
ドンッッッッ!!!!
――――――――――――私はあの日、線路に突き落とされ、轢かれて死んだ。
はず、だった。
……なのに。
「 いつまで寝てるの!? もう入学式終わっちゃうわよ!!? 」
『 ………ん??? 』
1階から母親の声が聞こえる。
てか私、死んだじゃ…??
いやまず、入学式ってなんだよ…私もう成人してるはずなんですけど…
ドンドンと足音を立てながら、母が階段を上がってくるのが分かる。
ガチャリと扉を開けた母。
だが、私が知る母ではなく、代わりに、超絶美人な母であろう人物が居た。
『 あれ、? 母さんってこんな顔だったっけ…ってか若!!! 』
「 何寝ぼけた事言ってるの。支度しちゃいなさい! 」
母( 美人 )に急かされる。
『 待って、支度って何すれば良いの?……ですか 』
「 決まってるじゃない、もう高校生なんだから分かるでしょう? 」
『 もう高校生!!? 』
てことは私15歳!!?
驚きを隠しきれないまま、改めて周りを見渡してみる。
寝ていたということは、自分の部屋なのだろう。
いや きったねぇな(
まぁ前世でも掃除とかする暇無かったから言えないけどさ…
よくよく考えるに私は、いわゆる転生ってのをしてしまったらしい。
いやアニメかよ。
しかも今日からJKとか、んなのねぇだろ。
入学初日から大遅刻ぶっかましてる猛者になってるし。 (
ほんとに今後生活していけんのかな……
↺ 転生したらJKだった話 START…――――――
こんにちは、夜桜という者です。
この度は【 転生したらJKだった話 】を読んで頂き、ありがとうございます!
私は本作が初の投稿なので、至らぬ箇所が多々ある事と思いますが何卒ご容赦下さい。
これからもこちらを愛読していただけると嬉しいです。
コメント等受け付けておりますので話しかけていただけると嬉しいです!!
PROFILE
後藤 雪穂 ( ごとう ゆきほ )
年齢 23歳→15歳( 転生したため )
身長 168cm→163cm( 転生したため )
血液型 A型
誕生日 7月23日
↺勉強力皆無。でも悪知恵は人一倍働く()
↺電車に轢かれ、気づくと転生していた。
↺A型だが部屋がめっちゃ汚いので血液型占いは信じていない。(
↺高校入学初日から大遅刻をぶっかまし、
急カーブでじゃがいもを咥えたおっさんにぶつかる。 (
↺前世では限界社畜してました。オールとか余裕( )
芋おじと、急カーブにて。(
前回までのあらすじ!( 不定期 )
オレは限界社畜界隈! 後藤 雪穂!
いつもより早く仕事が終わり、ウハウハで定時帰宅しようとしたんだ!
気分が舞い上がっていて、自分が駅のホーム、スレスレに立っていると知らず!
すると、オレは背後から何者かに押され、線路に落ちた。気づくと…
華のJKに転生していた!!(
オレが転生者だとバレれば、周りの人から「 そういうお年頃だよネ… 」
認定されること間違いなし!!!(
高校生活、一巻の終わり!!(
アオハル、台無し!!!(
…まぁそんなこんなで、なんとか生きていくことに決めたオレは、
初日に大遅刻をぶっかます猛者になっていた――!!
見た目JK、中身は社畜、その名も!!! 後藤 雪穂!!!!
――――
どうも皆様、ご無沙汰しております、後藤雪穂です。
只今私は…―――――――
『 あ゙ーもうガチ遅刻確定やん!!! 終わってるって!! 』
全力ダッシュしております。(
全力ダッシュと言ってもスカートがバカ短いのでろくに走れない。
スカートの長さ太もも上あたりとかマ???
えもしかして私ミニスカ系ピチピチギャルだった??
いやね?少女漫画みたいにさ。「いっけなーい! 遅刻 遅刻〜!(ゝω・)vキャピ☆」
とか想像してたんよ。(
でもさァ!!!
現実ってんな事出来るぐらいの余裕とかマジ1ミリもないワケ。分かる!!?
夢見すぎだろ角でイケメンとぶつかるとか。そもそもさ。←
小学生の頃そういう少女漫画大好きだったけどなぁ!!!!!(
『 てかカーブ急すぎだろコレほぼ曲がり角やん 』
全力ダッシュのせいで もし万が一億が一絶対ほぼアリエナーイと思うけど
人が出てきたら私止まれないからな!
私は言ったかんな!!(
止まれの標識が見えた気がしたが、構わず突き進む。
―――――それが大きな間違いだった。
ドンッッッッ!!!
とてつもなく大きな脂ぎった打撃のせいで、
思わずドサリと尻もちをつく。
私は数m軽く跳んだのに対し、相手は微動だにしていない。
は? フィジカル最強かよ ムカつくなぁ(
『 はぁ…?? 』
思わず声を荒げる。…が、それはすぐに驚きへと変わるのだった。
『 ………エッ 』
「 いた…だっ、大丈夫ですか!!? 」
『 は、…なにこれ芋!!?しかも蒸かしたて!!!!() 』
「 あっ、すいませぬ! それは僕がさっきまで咥えていたじゃがいもです! 」
【 悲報:ワイ、急カーブにて、じゃがいもを咥えた不潔なおっさんに衝突する 】
いや、あるかボケ(
そこはパン咥えた美少女か普通に走ってきたイケメンやろがい、ボケ(
『 あの私全然平気なんで救急車呼ぼうとしないでもらっていいですか( 』
何してんねん(
「 えっ、だって時速50kmの僕にぶつかったんだヨ? 無傷ですむワケ…―――― 」
いやおめぇみたいなデブが( 失礼 )んな速さで走れるわけねぇだろ
『 あの! ほんとに大丈夫なんで。私急いでるんで失礼します!!! 』
「 あ、待って君ほんとに大丈夫―――!!? 」
遠くで、芋おじ(笑)が叫んでいるのが聞こえる。
でも今は、そんなの気にしている暇はない。
ごめんよ。お前おもろい奴だったよ(
空っぽの学生カバンを肩に引っ掛け、全速力で走る。
私はただひたすらに、入学式真っ最中であろう高校へと向かうのだった。
今回のあらすじ、なんのオマージュか分かった人いますか?
いたら教えてください!笑
入学式、大遅刻案件。
――
『 っはぁッ、はぁッ 』
待って…
死ぬ。(
私ってこんなに運動できない人でしたっけ!!?
一応、高校生の時にバド シングルス全国優勝したハズなんだけどなぁ!!?
クッソ、何でこの坂こんなに急なんだよ…!!!
しかも長ぇんだよ!!!(
『 はーッ、はーッ……つ、着いたぁ… 』
――桜が咲き乱れ、思わずくすっと笑ってしまいそうな程澄み切った空。
The・春 と言った感じだ。
入学おめでとう と書かれた看板が、体育館前に立てかけられている。
誰も居ない風景は、自分が完ッッッッ全に遅刻したことを非常によく物語っていた。(
乱れ切った荒い呼吸をゆっくりと整え、思いっきり深呼吸する。
うわ、イヤやなぁ…コレ絶対めっちゃ注目されてさ…もうこの時点でヤダ…
そろそろと、体育館の扉を開ける。
そこには―――――――――――――――
誰もいなかった!!!!!!!
否、誰も、ではない。
腹の出た、いかにもなズラを被ってるちょび髭脂ギトギトジジイと( 大失礼 )
聖ニコラウスのひげを短くしたような優しい表情の人、二人が残っている。
『 あ、アレ…?入学式の会場ってここで合ってますか…? 』
すると脂ジジイは、百匹の苦虫を噛み潰したかのように、顔を顰めた。
あ? 何だオメェ、やんのかゴルァ(
幼稚園時代の頃にはもう既にキレ性と謳われ、柔道もボクシングもやってきた私の
闘争心が限界に達しかけたその時、 サンタ先生がゆっくり口を開いた。
「 おや、君は…? 」
『 あ、遅刻して今来ました。 』
何だろう、サンタ先生が話すと、途端に空気が和んだ気がする。
暖かな日向のように、ほわほわする声だ。
絶対入学式で誰か寝ただろ、これ。(
「 嗚呼、後藤…雪穂さんだね。バドで推薦入学した 」
え、マジかよ私推薦入学してたんだけど。
新事実多すぎて頭割れそうだね。知らんけど。(
「 あのね困るんだよ。もう少し時間を考えて行動してもらいたいものですな。 」
ちょび髭が滝のような汗をひっきりなしに拭きながら、ぎろりと此方を見る。
うわ、私コイツ嫌いなんだけど。ぜってぇ面倒くせぇタイプだな。
『 あー、すいません 』
何だこのクソちょび髭。ムカつくなコイツ。
やっぱりどうやったって戦闘態勢に入る私を見て、サンタ先生が言った。
「 ほっほっほ、まぁ良いではないですか、教頭先生。 」
え、待ってサンタ先生めっちゃ好き。
おで、おまえ、すき。(((
てかちょび髭お前教頭なん????
呑気に考え事をしていると、サンタ先生の説明が終わるところだった。
終わった、なんにも聞いてなかった(
「 ――で、後藤さんは2組ね。…後藤さん? 体調でも悪いのかい…? 」
『 あ、いえ! 大丈夫です 』
「 そうか、そうか。では、教室までの道は分かるかな? 」
『 はい! 』
「 それじゃあ、いってらっしゃい。 」
サンタ先生( 校長先生 )とちょび髭( 教頭先生 )に見送られながら、
私は急ぎ足で体育館を出た。
校内迷子
前回までのあらすじ!( 不定期 )
後藤雪穂、不憫な朝↓
寝坊し、通学路を全力ダッシュ中に芋おじに衝突!!
自分の体力のなさを実感しながら高校のある丘の上へ!
ようやく着いたは良いものの、入学式は少し前に終わっていた…!!
体育館に居合わせた校長の話を聞き( ほぼ聞いてない )、教室へと向かった…!!
――
後藤雪穂、23…否、15歳。高校一年生。( 前世社会人 )
只今私は――――――
『 っひっっっっっっっろ… 』
絶賛迷子になっています。(
あれれれ、高校見学行ったんじゃないの〜???
こういう転生モノって記憶もちゃんと引き継がれるタイプなんじゃないの???(
それともただ単に私の転生ガチャ失敗しただけってこと????
『 え、マジここどこなん。私どこまで来たん?? 』
もう自分がどこをどう歩いてきたかも忘れてしまった。
サンタ先生( 「入学式、大遅刻案件」参照 )に教室分かるって言ったけど。
分かってなかったわ。話聞いてなかった。
終わった。何なんマジ。
『 うぁぁぁどうしよう 』
そろそろいい加減私も疲れてきた時、ふと後ろに気配がした。
「 あの、大丈夫…? 」
『 …大丈夫、じゃないです… 』
声をかけてくれたのは、ふわりとした雰囲気の可愛らしい子だった。
しかも、その子も制服の胸元に 入学おめでとう の花飾りをしている。
ほう…??? これは…
「 、もしかして…後藤、ゆきほ…さん? 」
ハイ キタ ビンゴ〜!!!! はい勝ち確〜!!!
『 あ、はい。後藤雪穂です。 』
心に反して随分と小さな声だったが、彼女はパッと表情を明るくした。
「 嗚呼、良かった〜! 後藤さん、私のお隣の席なんだ。 」
それじゃあ行こっか! 彼女はそう言って、先へと進み始める。
待って私教室の場所知らない(
『 …、あの、 』
声を掛けると、くるりとこちらを振り向く。
『 教室って、どこですか… 』
「 …、もしかして分かってない? 一緒に行こっか。 」
彼女が一瞬吹き出しそうになっていたのを私は見逃さない(
「 あ、そういえば私の名前、まだ言って無かったよね。 」
『 …確かに。 』
でもなんか絶対可愛い名前してそう。もう美人だし。何なん(
「 私は 神楽 碧 って言うの。宜しくね。 」
『 かぐら、あおい… 』
彼女の名を、口の中で転がしてみる。
とってもぴったりな名前だ。
『 良い名前なんだね。 』
そう言うと、神楽さんは 嬉しそうに目を細め、ありがとうと笑った。
「 雪穂っていうお名前もとっても素敵だと思うよ。私は好きだなぁ〜 」
唐突に名前好きって告白された。うれし(
――――――――――――――――――――――――――――――
その後、無事に教室まで一緒に来てもらった。
『 ありがとう、神楽さん。 』
「 ううん、全然いいの。 」
『 …それと、私の事だけど。無理に さん 付けとかしなくてもいいし、なんなら
名前で呼んで欲しい…なんて。 』
駄目だったら良いんだけどね、と付け足す。すると、神楽さんはにっこり笑った。
「 分かった。じゃあこれから…雪穂ちゃんて呼ぶね。 」
おっふ…(
美女に名前呼ばれるとか私凄くね(
それと、 と神楽さんも付け足すように言った。
「 私は雪穂ちゃんって呼ぶ。だから、私の事も名前で呼んで欲しいな。 」
おっふ…!!!!(((((
これは呼んでも良いやつなのか!!? 良いのかこれ!!?
『 じゃ、じゃあ…急で申し訳ないけど…碧? 』
「 うん。なぁに? 」
おっふぉん(
『 えっ…と、これからも話したい、から、その… 』
こんなに饒舌な胸の内とは違い、しどろもどろになる。
これが私の国語力ってやつか。否、コミュ力か。皆無すぎて最早笑えない
そんな私を見ても、真剣に話を聞いてくれている。
なんて良い子なの。お姉さん泣いちゃう(
『 仲良く、して下さい…? 』
終わった、何で最後疑問形になっちゃたんだろ。これじゃただのダリィ奴で草
でも、そんな心配をする暇もなく、彼女は大きな花が咲いたように笑顔になった。
「 うん、私からも、仲良くさせて! 」
私、入学式に遅刻するも絶世の美女と友人になる(
PROFILE -2-
神楽 碧 ( かぐら あおい )
年齢 15歳
身長 158cm
血液型 AB型
誕生日 6月23日
↺入学初日に校内迷子していた雪穂を救った救世主。
↺学校で一番モテている説が浮上している。
↺あまり他者と話さないタイプだが、数人には心を開いている模様。
↺頭の良さは学年でもトップクラス。勉強で推薦入学している。
↺ほんわかしているが、偶にえげつない事を言う時がある。