不良のような見た目の金剛寺忍は、死んでしまい透明になった佐藤悠花と出会い、今夏を過ごす。
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目次
第一話 透明になったクラスメイト
初投稿です。
文章がおかしいところがあるかもしれませんが、温かい目で見守って欲しいです。
アドバイス、感想など送ってくださると幸いです。
--- プロローグ ---
一世一代の告白をした。
彼は私のことを覚えてなかったけれど。
それでも、告白をしてよかったと思っている。
この身体はもう終わりが近い。
これで、後悔なく逝ける。
---
クラスメイトの佐藤悠花が死んだ。
死因は持病だそうだ。
彼女は明るく気さくでいい人だった。不良のように目つきが悪く、クラスメイト全員から怖がられる金剛寺忍に話しかけるくらいには。
(いい人を亡くしてしまったな)
と忍は彼女の遺影を見つめながら思う。
やはり、彼女はクラスから愛されているようで所々、嗚咽や鼻を啜る音が聞こえてくる。
特に仲の良かった白井満月は棺の前で涙をながしなから項垂れている。
これから火葬なのか、次第に嗚咽や鼻を啜る音が強くなっていく。
棺が運ばれた瞬間、
(彼女はもうここにはいないんだな)
と忍は唐突に喪失感に襲われる。
彼女はただ1人、忍と話していた人だった。容貌に囚われず、笑顔で話しかけてくれた。たった、数回だったけど、忍の中ではとても大きな思い出と存在となっていた。
今まで流れなかった涙が忍の頬を伝う。
(もっと話していれば良かった)
と後悔が湧いてくる。もう彼女は佐藤悠花はいないのに。
時間が経ち、葬式は終わりを告げた。
帰り道、忍は思い出に耽っていた。
最初に話しかけてくれたのはいつだろうか。
趣味の話をした時の彼女の笑顔。
彼女の友達の話。
次々と走馬灯のように浮かんでくる。
「金剛寺くん... 金剛寺くん...」
どこからともなく声が聞こえてくる。
ふと後ろを向くと、
透明になった佐藤悠花がそこにいた。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます!
少しずつ書いていきたいと思いますので、長らくお付き合いしていただけると嬉しいです。
第二話 約束
そこには透明になった佐藤悠花がいた_
「金剛寺くん!私のことを見えてる?見えてるよね!」
忍は驚きを隠せなかった。死んだはずの彼女がここにいたからだ。
「佐藤さん?本物?」
「そうだよ!何か死んじゃったんだよねぇ。ここじゃあ目立っちゃうし移動しよっか。」
忍は周りの人から怪訝な目を向けられていた。
---
「うわぁ、ここが金剛寺くんの部屋かぁ!男の人の部屋に入ったことないからなんだが新鮮だなぁ。」
クラスの人気の女子が自分の部屋にいる__そのことに忍は驚きと恥ずかしさが入り混じる。
「あのね、お願いがあるの。」
そう切り出された。
「私ね、成仏できなかったんだ。持病で死んじゃったでしょ?だからかさー、未練があるっぽいんだよね。そこでお願い。私の未練を晴らして欲しいの。迷惑だってわかってる。だけど、協力して欲しい。」
彼女の本気で成仏したいと思っているんだ、と忍は感じた。
彼女の本気な目を見ては断れなかった。
「わかったよ。協力するよ。」
「ほんと!ありがとう。」
そうして、この奇妙な日々が始まっていくのでした。