リナリア様を推しとした、俺との夢小説!
⚠この作品には「ボーイズラブ」、「体調不良表現」が含まれています。
(全部体調不良ってわけではないんですよ!!!)
★登場人物彡
白椿 律輝-しろつばき りつき
・リナリア様。
・カプで言うと攻め。
・博多弁。
・華のDK。
如月 悠-きさらぎ ゆう
・俺(消兎)。
・カプで言うと受け。
・関西弁。
・華のDK。(小説の設定上では、笑)
題名とりつきくんのお名前はリナリア様に考えていただきました( *´艸`)
本当は「体温37.5℃の恋。」だったんです…けど、こっちの都合で(?)
ちょっと変わりました!許してください(´;ω;`)
でも、題名思いつかない病の俺にとってはめっちゃありがたかった…
ネーミングセンスも神、全てが神がかっているリナリア様と、
ただの一般人俺!
リナリア様ご本人にも、そして皆様にも!楽しんで見ていただけると嬉しいです(/・ω・)/
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目次
「あっためて、くれるんやろ?」
どうも!
早速ですが今回!最近仲良しな方に許可をいただいて、
夢小説を書かせていただくことになりました✨感謝しかない!!
その方どうやら九州に住んでるらしく、俺の大好物の博多弁♡を見事に
使いこなしているんですよね…!!
関西弁(俺)と博多弁なんて完璧すぎるじゃあないですか…!!!
ということで!!
お名前〜♪
如月 悠(きさらぎゆう)
→おれ。
白椿 律輝(しろつばきりつき)
→仲良し様。お名前は本人様のオリキャラのお名前。
「…っくしゅ、」
「風邪でも引いたと?」
…くしゃみをするだけでこの反応。流石りつ。
俺、如月悠と こいつ、白椿律輝は付き合っているのだが、りつは何故か異様に
観察眼が働いている。
俺も気づかなかった怪我を指摘してきたり、今みたいにくしゃみしただけで
めっちゃ心配してきたり…いや、これは観察眼関係ないか。
…でも、案外そうだったりするのかもしれない。
最近気温も低くなってきて、近辺では雪も見られたそう。
学校の体育とか、何故か半袖半ズボンでやらされるからな…そのせいかも。
「ん…いや、だいじょぶ」
「大丈夫じゃなか、そげんしてすぐ無理するけん」
「いや大丈夫やって……っ、わ」
膝に顔を埋めようとした時。
隣にいたりつに引き寄せられて、ハグみたいな形に…
「…はっ、!?」
「ふふ、俺があっためちゃるけん」
声だけでわかる表情に、俺の顔はどんどん熱くなっていく。
でも、少し冷えていた体が暖まってきて、案外心地いいと思ってしまった。
「あっ、そういえば…もう飯作らな」
「ぁ…っ、りつ…!」
離れていこうとしたりつに、俺は思わず声を大きくしてしまう。
「っ、!何…?…っぇ、」
「…あっためて、くれるんやろ?じゃあ…もうちょっと、このままおってや」
短いけど俺可愛いしいいよね!!!!!!
りつくん、ちょっとお口が悪いかもしれない…
いや別に貶してるとかではなく…!!
いつか反対にしてみようかな…
リナリア様を惚れさせよう。
どうも!
今回は!
最近仲良くなった方ってずっと言ってましたよね?
その方に短編カフェを布教したということで!
今回は俺に惚れてもらおうと思います♪
いやぁじつは、俺以外と独占欲っていうもんが働いてるんですよ。
仲良くなった方にも、もちろん他に仲良い人がいるじゃあないですか。
まぁそんな感じで、リナリア様にも独占欲が働きそうで怖い…というか
もうちょっと働きかけてる。ごめんなさい変な目では見ないで泣
なので、あっちから好きになっていただこうと思い立ったんです!!(なんで?)
優しくて神なうえに博多弁だなんて…俺を殺せるカードが揃っております!!!!
ぜひ付き合いましょう!!!!!
俺は攻めになる。嘘。
ごめんリナリアさん(´;ω;)風邪ひかせてごめん(´;ω;)
「ひぁーっ…さむかね、」
「そぉやな…」
12月。もう肌寒いでは済まない寒さになってきた。
昨日の夜から降り続けた大雪。翌朝には積もりに積もって、辺りは真っ白。
ということで、二人で近所の公園に遊びに行くことになったのだ。
「見て!!めっちゃ白いでぇ!?」
「そりゃ雪やけんね、白かに決まっ…っつめた!!」
「へへーっ!!服ん中に入れたったわ!!」
りつのもこもこの上着の中に、丸めた雪玉を入れてやった。
案の定りつは雪を外に出そうとしていて、その光景がめっちゃ面白かった。
「うはっ、りつ…!!頑張って出せ〜!w…うわぁぁっっ」
笑っていると、いつのまにか目の前は真っ白。
どうやら、顔面に雪玉を当てられたらしい。
「…ふっ、仕返し」
「っ、このやろー…許さん…!!」
そうして、俺とりつの本気の雪合戦が始まった。
…そうして2日後。
「ん"ぅ、しょくよくなかぁ…」
「あかんって、二口くらいは食べな薬飲めんから…」
りつの首を伝う汗が、熱の高さを物語っている。
そう、多分雪合戦が原因で、りつが風邪を引いてしまった。
まさか風邪引くなんてどっちも思ってなくて、対策とかも全くしてなかった。
はぁ…完全に失敗した。対策くらいしときゃよかった…
…でも、今更後悔しても遅い。今はりつの看病に専念せな。
「ほら、りーつ。あーん」
「……!?」
口元にスプーンを持っていくと、りつの顔がみるみる赤くなる。
もしかして、熱上がった…?
「り、りつ?」
「っ、じぶんで…たべる」
どうやら、流石にあーんはきつかったらしい。
反省や…と思いながら見守っていると、ある異変に気がついた。
「りつ?手ぇ震えとるで…?」
「…ん、なんで…スプーン持てん…」
「熱高すぎるんやって、もっかい測る?」
目の前で震える手に、流石に俺の本能がまずいと訴えている。
体温計を手渡…そうとしたけど、この手じゃ体温計も挟めんか。
顔が赤いりつを無視して、体温計を挟んだ。
しばらくして、機械音と共に表示された数字。
俺は思わず息を呑んでしまった。
「は、よんじゅう…?」
これは、「季節性の風邪」では済まないだろう。
多分、疲れとかストレスも相当かかってたんだと思う。
気づかんかった…彼氏失敗やん、
しょぼくれている俺を見て、りつは不思議そうな顔をしている。
「…? ゆう、どげんしたと…?」
「…いや、なんでもない 大丈夫やから、」
「む…うそつくな、どうせ『りつが疲れてること気づかんかった…』とか思いよーんやろ」
さっきまでふわふわしていた喋り方が、いきなりいつも通りになった。
しかも、俺の心見透かしてる…流石の観察眼。
「は…? 何言っとん、んなわけないやろ」
「んなわけある。悠はいっつも俺ばっか…頭ん中俺だけ。俺んこと好きすぎ」
口に当てられた人差し指に、俺の顔はどんどん熱くなる。
まずい、俺まで風邪引いたかな??
「ほら、これだけで顔真っ赤。やっぱ好きすぎやなか?笑」
「んー…や、やめろっ」
「はは、っ…」
ベッドに倒れ込んだりつ。どうやら、無理をしていたらしい。
そらそうなるって…
でも、この短時間で…また改めて気付かされた。
俺は、りつが大好きだって。
りつも、そう思ってくれとるかなぁ…
口元が緩むのを抑えられないまま、りつの額に新しい冷えピタを貼った。
なんで冷えピタ貼って終わったの?
わかりません。
リナリアさんんんんんんんんん!!!!!!!!
惚れました?惚れてください!!!!(変態)
いや、逆に引いた可能性も…
リナリアさんと俺って5歳差なんですよね。
いい。好き。
「俺って受け?」「お前は受け。」
もしかして、これで3作め??
どうも!毎度おなじみりつ×ゆうです~
いつの日か取り上げたすおかじの遊園地ネタをもっかい使います。
なんかごめんなさい。でもあの観覧車のネタ自分で言うのもなんだけど大好きなんです。
ゆうはー、攻めになろうとしても結局受けになってほしいです~♪
りつはー、攻めになろうとして頑張ってるゆうをにこにこしながら眺めた挙句
攻めてほしいです!!
はいッ!!それではぁ~頑張りますっ!!
リナリア様にも見ていただけたら嬉しいですっ!!!
あと…初めてのりつくん視点です、博多弁慣れてなくて難しい…
変換機能も頑張って使いこなします…
「りつ。」
「なん?」
悠が、なんだかムスッとした顔で話しかけてくる。
なんや…いつもみたいなかまってちゃんか?
「俺って受けなん?」
「うん。」
当たり前の即答。
だって、今まで俺が攻めやったし…今更変えるとかありえん。
「えぇ~…俺やって攻めやりたい…!!」
「無理、お前は受け。」
「やだっ!!」
「無理。」
そんな話のキャッチボールみたいなのが続いたのち、悠が少し声のボリュームを
上げた。
「もうええわ!今日一日俺が攻めなる!!夜もやからな?俺が上!!」
「はぁ?無理やって…__聞いとらんなこいつ。__」
自分が攻められてるのを想像してみる。
でも、一切想像がつかなすぎて逆に驚いた。
まぁ、今日はとりあえず乗っちゃるか…
「おいりつっ!あれやっ…!!」
「そうやね~」
観覧車を前にはしゃぐ悠。そんあ悠を眺めつつ、俺はニコニコしながら呟く。
顔はめパネルで遊んでる悠を撮ったり、ジェットコースターに乗ってる悠を
撮ったり…それはもうカメラロールが悠まみれになった。
…いや、もともと悠まみれだけど。
…さぁ、ついに来た。
遊びまくった悠は疲れ果てていて、放っておいたら寝てしまいそう。
でも、観覧車は遊園地に来る前から乗ると決めていたらしく、さっきから
動いたり動いたり動いたり落ち着かない。
「りつ、もう順番やってよぉ…」
「あーはいはい、悠くん起きてます〜?」
「お、起きとるっ…!」
少しからかってみると、頬がぷくーってなって、正直…ばりあいらしか…
バレない程度に狼狽えつつ、俺たちは観覧車へ乗り込んだ。
「りつ…!たかっ!あっち見て、夜景めっちゃきれー!!」
「そやね〜」
なんだかデジャヴだけど、外の景色にはしゃぐ悠。そして俺はそんな悠を眺める。
そういえば、今日は悠が攻めなんやっけ…忘れてたけど、やっぱり受けになるわけ
にはいかない。
「おっ、もう一番上!?見てみてりつっ!すご…っえ、」
―——ちゅっ
狭い箱に、小さなリップ音が響く。
目の前でみるみるうちに赤くなっていく顔。
「なっ…は、!?/////」
「ふっ…攻めなるんやなかったと? 俺には受けにしか見えんっちゃけど」
「~~~~っ…////」
声にならない声をあげながら、悠は自分のジャージの袖で顔を隠してしまった。
俺は、そんな悠の腕をどける。
「悠?そげん愛らしかとに…隠したらつまらんやろ?」
口角をあげながら、俺はもう一度…悠の唇に触れた。
俺ただ博多弁のお兄さんに愛されたいやつで草
え、本場の人ってほんとに「つまらん」って言うん!?
すげぇ、方言の違いやなこれが
「だめ」を「つまらん」って言うらしいわ
へぇ~…(感心)
”普通”じゃない俺と、”普通”の君、夕闇に包まれて。 #0 プロローグ
今回は、
そういえば俺って女だったな…ということを思い出したので!
いつものりつゆうの世界からは離れて、悠の過去編に行こうと思います。
なので、このシリーズを書き終わってから続くりつゆうは、
この物語とは繋がっていないことになります。
そこんとこご了承ください。
ここだけの話…このシリーズ、瑞希ちゃん見て思いついた。
あっ、今回は登場人物紹介と、あらすじを書こうと思います!
「包まれて」っていう単語が好きな主
✡登場人物✡
名前||白椿《しろつばき》 |律輝《りつき》
性別|男性→✔ 女性→ その他→
色々|悠くんの彼氏。
観察眼がやばいくらいに働いてる。
博多弁。以上!
その他諸々は見てればわかります。
名前||如月《きさらぎ》 |悠《ゆう》
性別|男性→ 女性→ その他→✔
色々|律輝くんの恋人。
どう足掻いても受け。
関西弁。以上!
りつくん同様、その他諸々は見てればわかります。
✡あらすじ✡
ある日、悠の母校の近くにあるショッピングモールへ買い物に行った
律輝と悠。
その途中で出会った2人組は、どうやら悠の同級生らしく…?
同級生達から放たれた言葉に、悠は逃げるように走り出してしまう。
そんな言葉を聞いていた律輝は…?
リナリアさんごめんなさい
絶対「こいつに夢小説とか書かせなきゃよかった…」とは思わせないんで
許してください。
”普通”じゃない俺と、”普通”の君、夕闇に包まれて。 #1 「息抜きにさ」
✡今回のあらすじ✡
悠くんが律輝くんをお買い物に誘います
そして高校の同級生に会います
俺の予想では全三話くらいになりそうです
そういえば、何歳なんでしょうか…大学生くらいかな。
…あれ、DK?まぁいいや。
全裸で待機してる人(リナリアさん)がいるので早く書きます
服着てくださいお願いします
「なーりつ」
「んー…なんや、俺今勉強で忙しかと」
最近りつは、『資格を取る』とか言って勉強を始めた。
そのせいで俺には見向きもしてくれなくて、正直寂しい。
「あのさ…最近りつ、ずっと勉強しとるやん」
「…?そうやね、」
「やから…たまには、息抜きにさ!
買い物行かへんっ…?」
「ぇ…」
そう、実は…俺の通っていた高校の近くに、大きなショッピングモールができたのだ。
息抜きにもちょうどよさそう。大体、ずっと勉強だけじゃ肝心の試験の時に
体調悪なると思う。
ということで、俺はりつを半ば強制的に連れ出したのであった。
---
ファンマ紹介
✞👑🧡✞【向日葵ことは様 ありがとうございます!】
これ正直めっちゃ気に入ってる
---
「え、でっか…」
「やろ?めっちゃ楽しそうやろぉ!?」
そう答えながら、俺も改めて建物を見上げる。
ホームページで見たけど、実際に目の前にするとやっぱデカいもんだな…
「よし、もう見上げたしいいやろ!中入ろ?」
「あ、うん…」
やっぱ、ちょっと強制的すぎたかな…??
なんだか俺が振り回してるみたいで、(間違いない)少し申し訳なくなってくる。
…でもでも、俺は悪くないし!!…っえ、俺悪くないよね!?気ぃ使ってるよね!?
✡
今日は強引に、悠にショッピングモールへ連れ出された。
マジで面倒くさい。こっちは命がけで資格取ろうとしとーとって…
でも、いざ目の前にしてみると…結構わくわくしてた俺がいた。
我ながら恥ずかしか…
でも、ずっと勉強漬けだったら…この景色もしばらく見れなかっただろう。
なら、ちょっとくらい感謝してあげても…いい、かも?
「なぁりつ!どこの店行く?」
手を引かれて、ぼーっとしていた意識が覚める。
「__はっ…__ あぁ、えーっと…あっじゃあ、あそこ…」
俺が指を指した先には、おしゃれな服屋さんがあった。
「お、いーじゃん!行こ行こ~♪」
そう言いながら手を引いて歩き出した悠。
でも…そんな足は、突然ぴたっと止まった。
「あれ、もしかして如月~?」
「やっぱそうじゃん!
相変わらずその格好なんだなww」
悠の表情が、誰にもわからない程度に強張ったのが、俺にはわかる。
「小鳥遊…と、湊川、」
「そうそう!w覚えてんだねーww」
「まぁ、こいつにとっては忘れらんない出来事だっただろwwww」
「それもそうか!!w」
さっきからへらへらと…悠に何したんや、こいつら。
俺の中で何かが切れる音がした。
それと同時に、目の前のやつらがまた口を開く。
「え、そいつって誰~?まさか…恋人!?」
「えー、まぁ端から見たら男同士だけどな。でも結局は…」
「っ…!」
その時だった。
俺の手から悠が離れて、そのまま走って行く。
一瞬だけ見えた顔は…泣きよった、?
「……」
「なぁそこの人ぉ!wあいつ、実は~…」
「せからしか!!!」
思わず声が大きくなってしまった。
でも、今は早く…悠を追いかけな、
「は、?てめぇ、どの分際で…」
「お前こそどん分際で言いよーと?
こっちは悠ん彼氏たい。」
そんな決め台詞みたいなのを残して、俺は悠が走って行った方向に向かった。
---
大切様紹介
リナリア様
このお話での律輝くん。
まじでかっこいい。博多弁優しいDKとか神三点セットだろ。
あ、もしかして…名前出すのNG?あっ…是非とも殺してください!
---
今回はいったんここまで。
次からは悠くんの過去編と…悠くんの隠された秘密について書かせていただきます。
見てくれてる方の期待に応えられるよう、全力で頑張ります。
あとリナリアさんは服着てください。
”普通”じゃない俺と、”普通”の君、夕闇に包まれて。 #2 「女らしく」
✡今回のあらすじ✡
悠くんの過去編です。
これは完っっっっっっっっ全に俺ですね。夢小説にも程があります(?)
あ、あと…これ投稿すると後々俺に対する慰めがいっぱい来ると思うので
そんなに心配しなくてもいいですよってことだけ
批判はどうぞお好きに
あらすじどうなってんねん。ただのつぶやきやんけ。
ってな感じで遅れましたね
どうもぉ!俺です!!
いやぁお友達にいいお名前の案をいただきましてね!
「とうが」くんと「かいが」くん!!
とうがくんはさ…かっこいいじゃんそれはもう。
え、「刀」かな「透」かな「燈」かな!?
刀かなぁやっぱり
よくよく考えてみれば、この展開めっちゃ怖い。むりかも、
※これは俺がされた訳じゃないし、いじめられてた経験もないです。
これからいじめられるのかは知りません。
あ、実際の俺と想像の俺が合体したみたいな感じの話です。
俺は昔から、自分の性別に違和感を感じていた。
『女の子らしくしなさい』
『普通にしなさい』
『それは男性用でしょう』
女の子らしくって何?
普通って何?
そもそも、女に生んだのはそっちじゃん。
俺はおかしくない。
俺は悪くない。
俺は…
『俺って言うな、気持ち悪い』
『女なんだから』
あぁ、死にたいな
ずっと思ってた。
死ねば、俺が笑われることも無くなる。
何度か、自ら死のうとしたことはあった。
でも、その度に周りの奴らが止めてきて。
あの時、無理矢理にでも飛べていれば。
何度も思った。
高校で起きた出来事。
今はここ、東京の高校に通っている。
大学生になったら、一人暮らしが許されていた。
ここら辺に住もうと思ってるけど…家賃とか大丈夫かな。
でも、俺はそんなことまだ気にしていない。
早く卒業して、早く…「俺」になりたかった。
周りに決められた「私」じゃなくて、俺が決めた…俺に。
そんな時に起こったのが、|これ《いじめ》だった。
…慣れてる、このくらい。
「……(落書き、)」
見事に落書きスペースになったな、俺の机。
なんか小学生みたいやな…やること。
まぁ気にせず席に座る。
すると、後ろから伸びてきた手が、俺のシャツのボタンをありえないスピードで
外していく。
気づいたときには、服を脱がされていた。
「…っは、」
「ほら見ろみんなぁ!胸あるぞ!笑」
高々と叫ばれる小鳥遊の声は、少し遠のいている。
あれ…俺って、あれ?
なんだか、思うように息が吸えない。
男みたいに短くした髪も、
男みたいに着ている制服も、
全ての感覚がなくて。
まぁそもそも、服は脱がされてるからそりゃ感覚ないんだけど。
そうして俺は…気がつくと自分の部屋にいた。
後から聞いた話だと、俺はそのまま意識を飛ばして、唯一仲が良かった友達
三人に保健室へ運ばれたらしい。
しばらくしても意識が戻らなかったから、次は病院へ運ばれたらしい。
ちなみに出来事は三人が全部話してくれて、保健室の先生が校長先生に
報告してくれたそう。
そして、病院で検査を受けた結果、この出来事のせいでパニック障害を
患ったらしい。
その他には異常は見られなかったから、そのまま親が迎えに来たらしい。
まぁ、全部聞いた話だから、「らしい」とまでしか言えないけど。
でも、これをきっかけに俺は不登校になった。
部屋にいるだけで発作が起きて、その度に死にそうになって。
何をしても思い出しちゃって、息をするだけで精一杯。
そんな訳のわからない生活が、気づいたら幕を閉じていた。
やっと始まった一人暮らし。
でも、なんだか思っていたものとは違ったというのが本音。
というのも、そもそもあんな出来事想像してなかったし、パニック障害なんて
それこそ想像してなかった。
だから、「やった、一人暮らしだ!」というより「あぁ…一人暮らしか、うーん」
って感じだった。
でも、そんなにネガティブでも意味が無い。
まずは友達を作ろう。家呼んでわちゃわちゃできるくらいの。
そう思い立った。
最初に来たのは、東京ならではのスクランブル交差点あたり。
建物の名前なんて知らないからわかんないけど、とりあえずぶらぶらしてみた。
そうして、疲れたしなんか食べるか。と思った結果入ったカフェ。
別にお腹が空いているわけでは無かったし、ちょっとアイス食べるくらいで
いいか…そう思っていた。
…これにしよう、チョコといちごのパフェ。
ちょうど近くにいた店員さんに声をかけて、注文を承ってもらった。
「えっと、このチョコといちごのパフェで…お願いします、」
「かしこまりました~」
ふぅ…何して待とっかな。
スマホでも見とくか…そう思い、右側に掛けていたカバンに目を向けた時。
隣に、誰かが座っていることに気がついた。
「ぇ、」
「あっ…隣ダメでした?」
隣に座っていたのは、「イケメン」と言わざるを得ないくらいのイケメンだった。
年齢は…俺と同じくらい。
「いや…いいんですけど、なんで隣…」
「いや、俺さっきまであっちに座ってたんですけど、店員さんと喋ってるときの
あなたがとても優しそうな顔で…いわゆる一目惚れってやつ?」
「は…っえ、」
”一目惚れ”。
そんな一言に、顔が熱くなる。
だって…そんなこと言われたの、初めてだ。
今まで会ってきた奴らは、全員「俺の秘密」を知ってたから。
だから、告白なんてされなかった。
一目惚れなんて、言われなかった。
告白も、全部拒否ってきた。
なのに。
目の前で笑っているこいつに、何故か心臓が高鳴っていた。
おかしい…俺は、おれは…っ
「はは、顔赤いですね!もしかしてこう言うの慣れてない?」
「っ……すいません、一目惚れしてくれたところで悪いんですけど、
俺そういう関係興味ないんですよ 恋人探すなら他当たってください」
突き放せたつもり。
大体、こんな拒否られたらみんな諦めるでしょ…
でも、こいつは違った。
「え~っ、酷いですね!俺別にそんな関係じゃなくてもいいですよぉ!
お友達…なりたいんですけど、ダメですか?」
そう言って、ふわっと笑顔になる。
あぁもう、まただ。
また…心臓がうるせぇ、
だめだ…こいつといると、気ぃ狂いそうになる。
でも、友達を探していた俺にとっては好都合だ。
恋愛関係に持って行かれなければ…
「…別に、友達なら」
パフェ食べてから、案内されるがまま色んなところへ行った。
ちなみにこいつは、この店名物特大ドカ盛りパフェとかいうやつを
食べてた。俺のパフェの三倍くらい量あった…あいつ味覚も腹もバグってる。
最終的に着いたのは、夕焼けが反射して眩しい河川敷だった。
「ここ、俺のお気に入りのとこ」
そういってまた笑う。だめだ、なんか直視できねぇ…
「ね、今日楽しかった?」
「…まぁまぁ」
「…そっか、そりゃよかった」
こいつ、色んな場所回ってる間もずっと喋ってた。
でも、以外と面白い話ばっかだった…かもしれない。
「なぁ、お前って…なんなの、」
「え、どういうこと?」
「だって、普通はただ注文してるやつに一目惚れとかしねぇじゃん。
ほんとは、違う理由あんじゃねぇの」
そうぶっきらぼうに聞くと、吹き出した白椿。
「ふ、っはは!ううん、ほんとに一目惚れ!かっこいいじゃん、如月」
「ぇ…ほんと?」
「ほんとほんと!男の俺でも惚れたよ?笑」
なんだか…「俺」が、認められた気がした。
きっと、いつか…こいつにも秘密がバレて、落胆される。
でも、それまで…いつかくる日までなら。
一緒にいても、いいのかな…
「もう一回告白していい?」
「元々された覚えは無いけど。」
「ぇ、ひっど!じゃあしてあげるよ!!
お前のこと好きっちゃけど、付き合ってくれん?」
「…は、」
これは聞いたことがある…博多弁ってやつ。
普通に告られてるはずなのに、なんか…いつもよりドキドキすんだけど。
博多弁だから?
「無理かな、」
「…いや、別に…無理とか言うてないし、っ」
「え、それって…」
「っだから!!いいって言ってんの!!なんでいちいち言わせるん…」
「え、やったぁ!これからよろしくな、悠!」
「っ…よろしく、りつ…」
「え、りつって初めて呼ばれた!なんか可愛い!!」
「うるせぇ…っ」
…今はもう、あんな可愛いイケメンって感じもなくなったな、りつ。
今俺は、ショッピングモールを出て、あの時の河川敷にいる。
あの時と同じように、今も夕焼けに照らされていた。
やっぱり…
こんな俺が、あいつと付き合っていていいのだろうか。
そろそろ、「バレる時」じゃないのか。
もう、終わりかなぁ…
頬を伝う冷たいのは、多分涙で。
気がつくと俺は、馬鹿みたいに泣きじゃくっていた。
きっと俺は、あの日…認められたのが、嬉しかったんだと思う。
だって…初めてだったから。
友達どころか、家族にまで見放されて。
そんな俺を、好きって言ってくれて。
嬉しかったん、だよなぁ…
「悠!!!」
後ろから響いたのは、間違いなく…りつの声。
振り向くと、俺の予想通り…いや、予想通りじゃない。
顎からは汗が滴っていて、頬からは何故か血が出ている。
「っ、え…りつ、なんで…」
「お前が急に走って行って、どこ行くかもわからんやったけん、今まで一緒に
行ったとこ全部回ってきた。…まぁ、お前のことやけん…ここおるやろうなとは
思いよった。」
「…なんで、来たん」
「は…なんでって、」
「来なくてよかったのに!!!りつが来たら、俺は…全部話さないけんくなるやんっ、
やのに…」
また泣いてる、俺。ダサっ…
でも、そんな自虐は…ふわっ、と包まれた暖かさによって途切れた。
目の前に広がるのは黒。
そこでやっと、抱きしめられていることに気がついた。
高校生の時は、ちょっと標準語だった(らしい)です。知らんけど。
「お友達に」ってさ、まじでリナリアさんと仲良くなったときと一緒なんよw
うわぁ、改めて思い出すと恥ずかし…なんで仲間とか言って話しかけたんだろ。恥ず。