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頑張れ!怪異対策課!
頑張れ!怪異対策課!
今日、僕は怪異対策課に左遷された。
何かやらかしたわけではないのだが、怪異対策課にいるらしい問題児どもを制御するには僕が最適だと上に判断されたかららしい。
しかし、こんなときこそ慌ててはいけない。問題児と言ったって、仕事をしないくらいだろう。
とりあえずドアを開けようとドアノブに手をかけた瞬間、僕の耳の真横のあたりを銃弾がかすめた。
「避けんじゃねえよ!!」
「お前こそメイス受け止めんなよ!!」
何か口論がドアの向こうから聞こえる。
「流れ弾こっちに飛んできてるからやめろ!!」
怒号も聞こえる。
本当にここは怪異対策課なのだろうか、ヤクザ事務所だったら良かったものの、確認した標識にはしっかりと、怪異対策課と書かれていた。
とにかく現状を確認しようとドアに開いた穴から中を覗くと、残像しか見えない、おそらく喧嘩しているであろう二人の人影と、タバコを吸っているゴスロリ姿の女性が見えた。
どうしてあの女性は横で二人が残像がみえるほどの喧嘩をしていると言うのに、平然とした顔でタバコを吸えているんだ?ここでは日常茶飯事なのか?
そもそもよく見たら、あの低い声の怒号を飛ばしているのはあの女性では?
もしかして、あの女性は男性なのだろうか。
ドアに張り付いていると、喧嘩をしていた二人の動きが止まり、片方がこちらに銃口を向けてきた。
思わず固まっていると、喧嘩をしていたもう片方がドアを蹴破った。
「誰だ?また被害費を徴収しに来たのか?」
衝撃に耐えきれずへたり込んだ身体をなるべく早く起こそうとする。
奥の方から低い声が聞こえる。
「自分のは給料から天引きしといてくれ」
今はそんな話ではないのだ。
とりあえず立ち上がると、僕はひとまず事情を伝えることにした。
「え−っと、僕は怪異対策課に異動してきた田中健と申します。」
「指示役としてなるべく頑張っていく所存で...」
話している間に、ゴスロリの男性がマッチで部屋を燃やそうとしていた。
「ちょっと!!!貴方何してるんですか!?」
僕が止めに入ると、彼は悪びれもせずにマッチを燃えさしに入れて、こう言った。
「火はきれいだからいくらあってもいいだろ。」
「あと、名前も知らない相手に指摘するのはちょっとどうかと思うぞ。」
貴方には言われたくないし、そもそも名前も知らないのだ。どうしようもないだろう。
「そろそろ可愛そうだから自己紹介してやったらどうだ?」
ドアに銃弾を打ち込んだ、この中では一番小さい男が話し始める。
「まずは俺から、俺は颯、区役所半壊でこっちに来た。」
次に、メイスをもっている男がこちらを向いて話し始める。
「俺は悠。この中で1番最古参だ。職員に重症者を出したから左遷された。」
最後に、ゴスロリの男が話し始める。
「自分は柵。こう見えて男だ。放火でこっちに来た。」
「お前は何でこっちに来たんだ?」
急に話題を振られた。嘘を付く必要もないので、正直に話していいだろう。
もし嘘を言ったら、バレて殺されるだろうし。
「上層部が怪異対策課を暴走させないようにしてくれと...」
言い終わった瞬間、全員が笑い始めた。目に若干哀れみが混じっている気がしなくもない。
「それでよく上層部の命令聞いたなwwww」
そんなに面白いのだろうか。
そう考えて呆然とただ立っていると、警報音が部屋に鳴り響いた。
『怪異発生!場所、鮭ヶ丘第三高校!発生要因、封印の劣化!』
そう鳴った瞬間、全員が武器を持って、柵と颯は鮭ヶ丘へ走り始めた。
一人取り残された私は、悠にかつがれた。
「えっ、はっ?」
状況を飲み込めず唖然としていると、悠は一言だけ僕に伝えて走り始めた。
「おい新人!振り落とされたら置いてくからな!」
視界が揺れる。
こうして僕は、怪異対策課の初仕事へと向かわされた。