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目次
 
    
        始まり
        
            展開が早いですが。
        
        
        始まり
「よいしょと……」
「これでいい?」
 わたしは|紅埼リナ《あかさきりな》。今は『ホームセンター  ハサミ』で巨大な椅子を買っている。
(何に使うんだろう、こんな椅子。)
「リナ、この椅子の端、持ってくれない?」
「はいはい、分かりましたー」
---
 スマホを見ながらわたしは言った。
「もう、始まるか。」
 わたしは、今参加している『|イ《・》|ベ《・》|ン《・》|ト《・》』がある。それが、ここで開催される、『ホームセンター デスマッチ』だ。大規模ホームセンターで、戦いながら生き残るゲームだ。言っておくが、命を懸けるようなデスゲームではない。ホームセンター デスマッチは、すべてが『|3DVR《すりーでぃぶいあーる》空間』で行われるからだ。サバイバルゲームのようなものだろう。詳しいことは、私も知らない。
 突然、「ブー!!ブー!!」と、耳を塞ぎたくなるような大きい音のブザーが鳴った。いつの間にか集まっていた他の参加者たちも、突然のことに困惑している様子だ。もちろん、隣の|魅異《みい》も。だが、すぐに冷静な表情に戻った魅異は、小さな声で、「作戦があるんだ。レジにある|椅《・》|子《・》を持ってきて。」と言った。私が「でも…」と戸惑っていると、どこからか声が聞こえる。ボイスチェンジャーを使っているような声だ。「手元にある、VRをかけてください。」その声は、あまりにも、落ち着きすぎていた。
 わたしたちは、躊躇無くゴーグルをかけようとした、その時、「うわーぁん!」誰かの泣き声が聞こえた。「ちょっと、何泣いてんの、ゴーグルつけなかったら、失格だからね!リナ、行くよ。」魅異が言った。わたしは、ゴーグルをつけた。続けて、泣いていた人も、渋々つけた。その瞬間、体が軽くなった。そして、【1日目】【30/30人】【15/15チーム】と表示された。ホームセンターは、現実とほぼ変わらなかった。正直、この感覚は慣れていた。わたしと魅異のチームは、ホームセンター  デスマッチで準優勝したことがあるからだ。あくまでも『|準《・》|優《・》|勝《・》』だ。優勝ではない。だから今回、優勝を目指してホームセンター  デスマッチに参加した。
 いよいよゲームが始まる。それと同時に、ルールの文字が流れる。
 『・最初の25分は、無敵時間として攻撃を禁止する。・7日間生き残ったチームが勝ち。・生き残ったチームが2つ以上あった場合は、生き残ったチームが1つになるまで延長。・ホームセンター内の物は自由に使ってよい。・チームの人数をゲーム中に増やさない。』と書かれていた。前のゲームでルール違反が多発したからか、前回より少し厳しくなっている。
 VRには、【ゲーム  スタート】と表示された。それと同時に参加者全員がそれぞれ動き出した。多くの参加者が、近くの工具売り場や木材コーナーに駆け込み、武器を探し始めた。そんな中、魅異は、「レジに行って!」と言った。わたしは、魅異を信じて、レジへ椅子を取りに行った。