日替わりお題!書けそうなやつあったら適当に投下してく!
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目次
神隠し
由美「ねね、"神隠し"って知ってる?」
学校の中休憩、私の親友の由美が楽しげに話しかけてきた。
「神隠し?なんとなく..名前は聞いたことあるよ」
由美「うそぉっ、神隠し知らないの!?人生損してるわぁ..」
「んなわけ..」
由美はオカルトに人生をうっちゃってるからなぁ..と、いつものように聞き流す。
由美「神隠しってね、"天狗隠し"とか"鬼隠し"とかでも言われるらしいよ」
「えぇ?天狗隠しはまだ分かるけど..山の神とか言われてるし。鬼隠しって..神と鬼って真逆でしょ」
由美「なんかねー、神の仕業にしか思えない。みたいなのが神隠しで、その上で人が食べられたり〜、みたいな流れで鬼隠しって呼ばれることもあるらしい」
流石オカルト研究部部長、こう言うことには詳しい。
由美「と、言うことで!」
「え?ちょ、ま..」
やばいやばい、なんか嫌な予感、、!
由美「今日は神隠しに会いましょう!!」
「何でそうなるの!?前はえすしぃぴぃ?かなんかの調査に付き合わされたし..!!」
由美の肩に手を置き抗議をする。
「大体私は行く気なんてないからね!!」
---
由美「よぉし!それじゃあ行こっか!」
結局行くことになりました。
やっぱりなんかやってるって..なんで毎回行くことになるの..!
「大体こんなちっぽけな山にカミサマなんているわけないでしょ..」
由美「なぁに言ってんの!アンタもオカ部の副部長でしょ!」
「美訶に無理やり入らされての望まぬ立場だけどね..!!」
ぶつぶつと小言を言いながら山を登っていく。
由美「う〜わ暗いねぇ取り敢えず神社まで行ってみるか!」
「はいはい..」
---
由美「着いたけど..何ともないなぁ」
「ほんとに神隠しなんてあるの?」
息を切らしてそう尋ねる。
由美「絶対あるって!」
由美が一瞬ハッとした表情になった。
由美「神隠しってさ、この世とあの世の境目。いわゆる神域ってところに連れてかれるんだけどさ」
「へぇ、知らなかったわ」
由美「本来そこは入れないのよ」
「うん、そりゃそんなところに出入りできたら大問題だよね」
何かに取り憑かれたように、ぽつぽつと由美は話し続ける。
由美「それは人が入らないように結界としてしめ縄っていうのがあるからなのよね」
「..ちょっと待って由美アンタ」
もし私の考えていることが当たっていたらそれはすごく、罰当たりなことだ。
由美「じゃあしめ縄がなければ、、?」
「由美、夜更かししすぎておかしくなってんじゃない?もう帰ろうよ?」
少し強く由美の腕を引っ張るとハッとして私の方を見た。
由美「そう、だね。そもそも神隠しに会えるかなんてわかんないし!危ない危ない」
正気に戻ったようでほっと胸を撫で下ろす。
「全く..オカルト信じすぎね?」
由美「めんごめんごwそれじゃあ山降りよ!」
コツ..コツと参道を降りる音が静かな山道に響く。
由美「ひぃぃぃっ、やっぱ冬は寒いねぇ..凍えそうなんだけど。カイロとか持ってない?」
その言葉に返事はない。
由美「あれ?ねぇ、聞いてるの?」
きっと、由美は振り向いたんだろう。でも、由美の後ろには誰もいない。
ただ、冷たい北風が吹いていた。
宇宙
不意に目が覚めた。
「うるさ..」
まだ朝の3時だと言うのになんだか外が騒がしい。
人の声、というよりかは工事の音の様だ。
「なにがこんなうるさいん、、?」
重い体を起こし、目をこすりながらカーテンを開ける。
外では目を疑う光景が広がっていた。
「..ッは?」
俺の住む街の上空に、SF映画でしか見ないような宇宙戦艦が飛んでいた。
「え?..いや、いやいやいやいや」
目を擦り、何度も外を見る。ずっと、宇宙戦艦がいる。
親は寝ているのか、怖いほどに静かな家の階段を駆け降りる。
リモコンを手に取り、テレビをつけようとすると
ピーンポーン
インターホンがなった。
なぜかわからないけれど、心臓の鼓動が速くなる。
応答ボタンを押す手が震える。
(なんもない、ただの見間違いだって..w)
応答ボタンを押し、インターホンを押したであろうモノに話しかける。
「..どちらさま、ですか?」
......
ガサガサとしたノイズ音が流れるだけで、人の声は聞こえない。
覗き穴を覗く。真っ暗だ。
「..もう寝よう」
寝たら何もかもが元通りになってるはず。
そう思い自室への向かう。
向かうはずだった。
玄関の前から離れられない。いや、正しくは玄関の向こうの何かから。離れられない。
足が玄関の向こうへと行こうとする。
脳がずっと危険信号を出しているのに、体が言うことを聞かない。
声も出せずに、ガチャリとドアを開けてしまった。
目の前には、中学生くらいの背丈をした人が立っていた。
そこで意識はなくなった。
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ガバっと飛び起きる。
「ッはっ、、」
脂汗が滲み、気持ちが悪かった。
そこでようやく周りを見渡した。
そこは、自室でも、家でもなく。
見知らぬ土地。異界だった。
わすれもの
美穂「はぁ、吉村先輩今日もかっこいい〜..!」
私は一年学年上の吉村先輩に片思いをしている。そして今日は
琴葉「今日が卒業式だよ?告るなら今日しかないんじゃない?告ってきなよw」
そう。親友である琴葉の言う通り、3年生の吉村先輩の卒業式だ。
琴葉「私はちょっと理解できないけど美穂がいいんだったら私は応援するよ!」
琴葉は私の背中をドン!と叩いてきた。
美穂「いっったぁ...てかそれが親友の好きな人に言う言葉?」
琴葉「いやいや、なんかあの先輩若干女たらしっぽいじゃん、私は信用ならないわぁ」
美穂「もぉ..てかそもそも告るとまでは..」
琴葉「なぁにウジウジしてんの!なんか今朝誰かに呼び出されてたっぽいよ?吉村先輩」
美穂「ウソぉ、、マジでぇ?」
琴葉「そんな気負わなくても、美穂ならいけるって!いつも吉村先輩といい感じよ?」
そんな琴葉の言葉も聞こえないくらい、ライバルがいると言う不安で若干胸が苦しくなった。
琴葉「美穂!吉村センパイいるよ!」
美穂「ウソッ!?」
ガバッと体をあげて琴葉の指差す方を見ると、袴を着た吉村先輩がいた。
袴をきっちりと着こなし、髪もセットした吉村先輩を見て、顔に熱が集まるのが分かる。
琴葉「照れてる場合か!さっさと言ってこい!!」
琴葉に押されて、あっという間に吉村先輩の目の前に居た。
琴葉「吉村センパイ!なんかウチの美穂が話あるらしくて!それじゃ!!」
早口でそう捲し立て、琴葉はどこかへ行ってしまった。
美穂「ちょっ、琴葉ぁ!置いてかないでぇ..!」
吉村「..?」
吉村先輩は私の方を不思議そうに見つめる。その眼差しにまた顔が熱くなるのを感じた。
美穂「ぇ、えっと!西村先輩に話したいことが、あって!」
心臓の鼓動が激しくなる。
美穂「卒業式が終わって、帰る前にっ..3階の、空き教室に来てくださいっ!」
3階の空き教室は、私が琴葉のサボりに付き合わされた時に知った景色のいい隠れスポットだ。
吉村「いいよ!」
たどたどしてくても、ちゃんと優しく答えてくれる。そんな吉村先輩に、私は惚れたのかもしれない。
吉村「ただちょっと後藤さんからも2-2に来てって言われてて..遅くなるかもしれない!ごめんね」
後藤さんは頭も良ければ運動神経もバツグン。顔も良くておまけにスタイルもいい、まさに完璧だ。
美穂「わ、かりました!ありがとうございます..」
(同じクラスとはいえ、私と後藤さんには大きすぎる差があるんだよなぁ..)
若干もやもやが残ったまま、卒業式が終わった。
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琴葉「じゃあ私校門で待ってるわ!頑張ってね〜!」
美穂「分かった!頑張ってくる!」
そう琴葉と言葉を交わし、カバンを持ったまま空き教室で待つ。
待ち始めて数分しか経っていないはずが、今までの人生の中で1番長く感じる。ここに来ないのではと思うほどに長かった。
美穂「見に行ってみよ..」
あまりにも遅いように感じて不安になり、吉村先輩の教室。3-1まで行くことにした。
廊下を歩いている最中、ふと窓に目を向けると、満開の桜が見えた。
桜は風に吹かれてはらはらと綺麗に舞う。
そうこうしている間に吉村先輩の教室の前に来ていた。
教室の扉は少し開いていて、隙間から中が見えた。
頬を赤らめる後藤さんと、目を見開いた吉村先輩が立っていた。
吉村先輩が微笑んだ後、後藤さんは泣いていた。
(振られた..?)
一瞬でもそう思った自分がバカみたいだ。
後藤さんは吉村先輩の肩に手を置き、背伸びをした。
吉村先輩は、後藤さんにキスをした。
美穂「ッ..!」
瞬きをすると涙が出てしまいそうな気がして、目を閉じないようにしながら教室の扉を開ける。
美穂「ぉ、おめでとうございます!」
2人はギョッとした顔をしていた。
美穂「あぁ、いえいえ!私のことはお気になさらずッ!忘れ物を取りに来ただけなので!」
机を漁り、消しゴムを取り出し、カバンに突っ込む。
美穂「それじゃあお幸せに!」
にっこりと2人に笑いかけ、廊下を走る。分かっていた。分かっていたはずなのに、目を背けたくなる。
涙をグッと堪え、校門まで走る。
琴葉「お!美穂ぉ!どうだっ..た」
私はカバンを落とし、地面へとへたり込んだ。
琴葉は地面にしゃがみ、優しく私を抱きしめた。
美穂「もうッ、分かってたよッ!..私とっ、せんぱいじゃっ、つりあわないッなんて!」
普段は出ないような声が出て、若干頬がひんやりとしていて。
琴葉は何も言わず、ただ頭を撫でてくれていた。
カバンから飛び出た消しゴムは、カバーと消しゴムが外れ、消しゴムに書いていた先輩の名前が見えた。
忘れ物は、もう返ってこない。
あの人たちの恋をドラマティックに飾りつける、ひらひらと舞う桜の花びらが、心底憎たらしかった。
赤い星
赤い星。夜明けと共に、燦然と煌めく明星。
彼女はまるで星だった。
明るく元気で、見ているだけで生きる活力のようなものを与えられる。
もしかしたら僕は、彼女に依存していたのかもしれない。
本来ならば触れ得ることのできない存在。僕の唯一の拠り所。彼女は僕の全てだ。
彼女を色で表すとしたら、白だろう。清らかな心、穢れのない魂。これが純白でなければなんだというのだ。
僕は、彼女の為ならこの身が朽ち果てようとも、どれだけ苦しい思いをしようとも、なんだってできる。
その筈なのに、あの時庇うことすらできなかった。
真っ黒な雲は星を覆い、僕の目の前から消し去った。
真っ白な星が真っ赤に染まり、やがて届かぬ存在になる。
明け方、少し陽光が差す。
真っ赤な赤が、キラキラと煌めく。
(君は、最後まで美しいんだな)
美しい。僕の、僕だけの星。触れ得ることのできない星。
それでいて尚、彼女は美しい。手が届かないからこその美しさ。
もう誰も、誰1人も彼女に触れることはできない。それを嬉しくすら思えてしまう。
真っ白な星が赤く、グロテスクに乱雑に汚されていく。ぐちゃぐちゃに、ドロドロと。
何度でも僕はこう思う。美しい、と。
僕は、狂っているだろうか?
文芸の才
彼は才能があった。
小説や詩、はたまた映画の脚本まで。その才は留まることを知らなかった。
私の勧めで始めた執筆活動も、始めたては隣に居たはずなのに、いつの間にか遠い雲の向こう側へ行っていた。
彼に筆を握らせれば「1000年先まで忘れられることのない、絶世の作品を作る」、と言われていた。
彼は褒められると、困ったような顔をしていつもこう言う。
「そんなことないですよ、偶然です」と。
私の勧めで彼の小説をコンクールに出した。
彼は満場一致で最優秀賞を受賞した。
しかし、私はどうだ?
彼の名が載っているその場所に、私の名前は無かった。
彼よりも、私の小説の方がよりリアルに、シンプルに書けているはずだ。彼の小説は目新しいだけだ。
彼が褒め称えられる度、私は心臓を握り潰されるような、そんな感覚がしていた。
彼を真似て小説を書いてみるが、鳴かず飛ばずで結局辞めてしまった。
彼を真似て脚本を作ってみるが、制作会社の目の前で門前払いを食らった。
そんな私に同情をして、彼はこういう。
「大丈夫だよ、皆君に気付いてないだけ。もう少し経てば売れてくよ!」
なんとも的外れな慰めだ。
私は売れたい訳ではない。彼よりも優れていると、証明したかっただけなのに。
私よりも優れている彼が、心底憎たらしい。
彼なんて、本来なら私の眼中にすらないはずだ。
今、"俺"は彼の真後ろに立っている。今なら気づかれずにやれるだろう。
キッチンから持ってきたナイフを大きく振り翳し
どんっ!と鈍い音が響く。
ナイフは日記に突き刺さっていた。
「ん?どうかした?」
彼は小説を読む手を止め、振り返る。
彼と俺の目が合う。
「いや、なんでもないさ」
にこりと本心からの笑みを浮かべる。
そして、あの時書き殴った醜い感情を全てまとめて
ゴミ箱へと投げ捨てた。