「王子様」でも「美少女」でもない、ただの僕でいたい。
中性的な容姿ゆえに勝手な理想を押し付けられてきた水谷晴(みずたに はる)は、高校入学を機に「徹底して普通に生きる」と決める。
しかし、賑やかなクラスメイトに振り回されるうち、隠し続けてきた「性別」に向き合わざるを得ない事件が起きる。
これは、きらきらしたお伽話(ファンタジー)じゃない。
性別の境界線で揺れる晴が、ままならない「現実」を自分らしく歩き出すまでの等身大の物語。
晴の見た目
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目次
1.美少女王子様
「ねぇ、あの子イケメンじゃない?」「可愛い〜、目つきがいいね!」「身長たかぁ~い」
何か女子生徒がざわついている。今日は|星野空高等学校《ステラスカイこうとうがっこう》の入学式。
僕、水谷晴は、今日ここに入学する。クラスは事前に伝えられてきた、1-Cか。
響きとしては悪くないとおもう。ってかクラスに響きとかいらなっ。
「ねぇ、あの子かっこよくない?」「わかる、身長も悪くないしね」「え、イケてる!好み」
僕の席は、ここか。こういうこと、別に言われても気にならない。慣れてるとかじゃない、慣れてるって言ったら嫌われるし。誰とも仲良くはなれないよ。っていうか、友達に欲しい分類とかあるんじゃないのかな。普通は、僕だってそういうタイプだし!え、ないことないだろ!?
「ねぇ、君!」
「何?」
「あたしと仲良くしてよ!」「は?」
「だから、あたしと仲良くして!!あたし、結愛!ファーストネームで呼んでね!」
ファーストネームしか言われてないからファーストネームでしか呼べない……。
「あっ!結愛っちずるい!私とも仲良くして」「あ、あたしとも!」「うんうん!みんな仲良くしよ」
え……。気まずいよ、普通に普通に接する!どうやってだよ、普通ってなんだ?
今年の目標は**普通に生きること。**
もう、考えないどこ。男子友達とか、女子友達も作るが普通なのか?じゃあそうしよう、、かな。
「いいけど、仲良く?する、から」「やったぁ!」「あたしが相棒だからね?」
相棒?普通は相棒っているの?
「えー結愛っちずるぅい!」「相棒なら私……」「オレだよ!晴!分かる?」
「ちょっ!玄野くん!割り込まないでよ!」
そいつは、玄野レンだった。小学生時代の仲良し。同じクラスになるとはねぇ。
レンならいいんだけど。「レン?あ、いいよ?」「え!仲良くしよーぜ!」「ってか、みんな座って。僕、結愛と仲良くしてレンを相棒にするって決めたから」
キッパリ決められた!これこそ普通ではないのか!?
「はぁい!晴くん仲良くしよ!」「気安く呼ぶなよ、水谷でいいよ」「よろしく!」
「決まったなら席戻れぇ!」「お前、いつの間にそんなボーイッシュになったんだ?」「えぇ、そのうちだよ。顔つきだってみんな大人びてるだろ?そのような変化だと思う」「え〜、前の方が可愛くて好きだったな〜」「ハァ!?何を!ってか今のまんまだし」「その中性的な容姿が大好きだったのに〜」
からかう、とかレンと話してたらこうなるのが当たり前。ま!まぁ、いいんだけど楽しいから。
「ってかさ、女子もてよくね?お前」「え、モテてんの?」「マジでモテてるぞ?他のクラスの女子なんかお前見にくるためだけにここまで来てるし、ほれ」
、、本当だ。ってか、モテるとか想定してない!普通だ!普通ってどうやって!?
「とりあいず、入学式終了後にさ、オレとカフェ行かね?」「え〜、趣味が女子すぎるってば」「いいじゃねーか。お前の好きな激辛カフェを選んでやる」「甘党につらいだろ」「ははっまぁな」
激辛カフェってああ、出てくる食べ物が辛いやつか。
「って、晴くんあたしとも仲良くしてよ!ねぇ〜」「うぇ、、じゃあ質問とか?」
「なんでも聞いて☆」「じゃあ、もし明日から『一生、誰からも褒められないけど大金持ち』か、『世界中から絶賛されるけど超貧乏』のどっちかにならなきゃいけないとしたら、どっちの地獄を選びます?」
「心理テスト!?おいお前それいちばんメンタルボコられるやつだろ!」「いや、面白い質問中に載ってたから、、」「え〜、あたしは、みんなから人気の方がいいな☆んでも、びんぼうか、、覚悟しよう」「それが現実と決まったわけじゃないし。席、戻ってよ。」「君の前だからね?ここあたしの席よ?」
あ、はい。こんなにゴリ押しタイプか、なんで断れなかった!?あと、イケメンって違うし!
勝手に容姿で決めないで!
「ねー、あの子可愛くね?」「女子に囲まれてるぞ?モテ男子だろやめとけよ」「えー、そう?俺にはかわいい女子に見えるけど」「マジかよ」
「ねー、君!可愛いね」「なっ!なんでだよ!?」「可愛いね?美人だね?」「…」
今度は美人!?「えっよく見ると髪ツヤツヤじゃん可愛い」「可愛くない!やめて、瑛咲くん」「あははっ俺とも仲良くして!」
次から次へとキリないし!ってか可愛くもイケメンでもない!僕の好みじゃない。
僕の理想は**普通**がいい。誰にも言い出せないけど
2. ミッション・イン・ノーマル
第二話目!そこそこ自信作!やる気あるうちに完結させよう
「ふぅ」
僕は一息ついた。今、入学式が終わって帰るところ。「ってか、そのままいこーぜ」「いいよ、許可とったから今メールで」「返信はやっ」
レンは人を急かすのが上手だから急かす前にメールで聞いといたからな。
「はぁ〜、授業始まるのとかだっるー」「それが学校だろ」「オレ科学以外死んでるんだよ、お前はいいよな小学生の頃めっちゃてんよかったじゃん。特別テストみてーなやつで全部90点越えずりぃ」
「いや、中3の期末まとめテストでは合計360点だったよ?」「なんでだ、お前もって高いだろ」「パパの英才教育がうざくってサボった」
「サボれば誰だってそうなるだろ、オレなんか290点よ?理科は100だけどな、それ以外死んだ」
笑えるな、そういう友達、いるのが普通だな。普通普通言ってたらうざいって思われそう、だからよし!今日明日はミッション・イン・ノーマルだ!
「お、ついたぞ」「わぁ、思ってたのと違う」「すげぇだろ?ここ今年開いたばっかなんだぜ、辛党のお前が知らないなんて意外」「いや、知ってた。混んでたからやめたんだけどありがとうレン」
「ほんと!玄野くんありがとう!」「え?」「はぃ?」
そこにいたのは、結愛だった。なんで?
「ふっふっふ〜!あたしも混ぜてよ!」「こんなすぐ人の輪に入れるとか意外なやつ」
「席予約してくれたらしいよ」「マジ!?玄野やるじゃ〜ん!あたしたちのためにセンキュゥ〜✨」
「4人席予約してあるからな、問題ねぇよ」「チェっそこできてどうすんだよぉ」
そういえばなんでカフェなの!?何か企みが!?
まぁ、いいけど。
「予約した玄野でーす」「はぁい!玄野様ですね!こちらの予約席へどうぞ」
え、なんかロマンティックな雰囲気なんだけど!?あれ、ソファ綺麗だし!
「それでさ、ハルちゃん!新1年生学力調査テストに向けて勉強教えてくれ!頼むよ!」「えーいいな、あたしだって!」
「ていうか、家が英才教育なだけだよ、英才教育ってだるいんだよ、じゃあ僕が苦手な理科教えて?」「え、いーけど、オレこれ以外できねーし」「あたしも!!」
っていうかなんで毎回|結愛《コイツ》がいるんだろ、まぁいいんだけどさ。
うるさいだけだし。
「あたし!期末テスト合計240だったの!!頭バカ悪いから、教えて!得意科目は図工!」「図工、、?勉強、教えてもいいんだけど、理科は無理だから!」「ありがと〜!!」
勉強教えるって普通だよな?ん、、じゃあ教えるとするか。
「ねぇ、今教えて〜!」「教科書だって配れらたばっかだし、わかんないし、ざっと目を通せばまぁ、わかる」
んでも、科学、生物は苦手かなぁ。
「っていうか、新一年生テストは総復習、応用もあるかも」「げっオレにも教えて!」「やーよ、あたしが」「総復習……………。よし、頑張るか!」
僕はそうして普通に勉強を教えることにした!普通って感じ?
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が玄野レンです、ちなみに玄野はくろのって読むぜ
3.学校1のイケメン
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が結愛の見た目〜
「あっ!あの子じゃない?」「超かっこいい!」「仕草とか可愛くない?」「え、目つきがいいよ!こっち向いて!!」
なんでこうなるの!っていうかなんで校内中に広まってんの!?
「ねぇ、水谷くん、私は生徒会長の雲母日なつめ。よろしくね」「くんじゃなくて、さんの方が嬉しいです、あと普通にいる時に声をかけないでください!」
っていうか生徒会長が普通そうやって声かけてくれるのかな……。そもそも僕普通とかわかんないしぃ。
「おっお前もう有名人だな〜、通れば通るほどみぃんなお前の名前呼んでるぞ?」「有名人って普通、なのか?」「普通?そりゃ普通の適度なんか人それぞれだろ、自分で普通って思えりゃいいんじゃね?」
「レンってさ、小6の時もっと口悪かったよな、どうやったらそこまでいいこと言えるようになるんだ?」「ひっど!オレがそこまで口が悪いだと!?ま、まああんとき反抗期だったし……」
レンは、小学生で同じクラスだったし、結構本音を言える友達。僕のこと、色々理解してくれているから本当にいい人だよ。僕の悩みだって聞いてくれるし。
「ってか、雲母日先輩ってさ、ファッションモデルやってるみたいだぜ」「生徒会長が?すごいな」
「あ〜あ、お前そろそろ告白されちゃうかもよ?」「人は見かけだけじゃないしっ!っていうか僕に告白とかありえないしぃ」「ロッカーにラブレター入ってるかもよ?」
ロッカー?普通、下駄箱だろ?こういう変に常識はずれなからかいをしてくるのがレン。自分にとっての普通、か。いいな。それを見つけ出せたら苦労しないんだよぉ!
あ、あれ?教室に入ったら……!結愛、何を!?
僕の引き出しあさってる、、?
「結愛……何してんだ」「これを排除してるのよ!これはダメ!晴は私のもの!こいつらのラブレターなんて排除してやるわ」「見る目ないな〜あいつら。晴はかっこよさより可愛い要素の方が強いんだぜ?」
「どっちの要素も僕にない」
「いやっかっこいい方が多いわよ!だって昨日勉強教えてくれてっ、嬉しかったもん」
余計な情報を、ってか無理やり教えてって頼んだのそっちだし!僕から教えたみたいに言わないでぇ!
「んで、それ処分すんの…?お前」「当たり前じゃん!あたしが独り占めなのよ!」「結愛っち、」「白川さん……ずるい」
白川?白川結愛って言うんだ。白川さん呼びの方がいいかな。
「白川、それ、捨てたら好感度落ちるぞ?」「何よ!結愛呼びでいいじゃん!」「だって、正直初対面の女子にした名前で親しく呼べないし」「うわぁーん!」
正直めんどくさいタイプ……え、それでいいんだよね!?
「ねえ、あんた男でしょ?もっと手の内見せてヨォ!」「頼らないで!」
いや、僕ってこう見えて男って言われる時と女って言われる時があるから……その、どっちでもいい。
「もう、いいよ。君ってさ少しは、遠慮、して欲しい。それが嫌なら近づかなくていいよ…」
「うぁ、、!?むぅ!もっといっぱいいろんな人と関わらせろ?いいわよ!別にっ」
少し怒ってる?何で怒るのかはわからないけど…結愛あれでいいのかな。
今日から授業かぁ。だるい。親の教育がストレスで5月分の予習までされてる。授業内容は大体わかるんだけどな。えっと教科担任制だっけ。それぞれ特色出てるからあんまり好きじゃない先生とかもいる。
一限目は数学だった。別に面白くもないしつまんなくもない。これから続けられそうだなとは思う。
その後の国語、英語、科学なんかも地味な感じだった。
「ね、晴!お昼一緒に食べよ!愛妻弁当食べる?作ってきた」「愛妻……?僕は僕であるけど。」「え!?見せて見せて!」「白川、お前後悔すっぞ」
「玄野くんは黙ってなさい!あたしが最初に見る………ぅ、え?あ、え?」
驚くほどのものかなぁ。
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〜お弁当の中身〜
辛子入りご飯
小梅
麻辣チキン
ラム肉と激辛唐辛子のきんぴら
ヤンニョム風 激辛たまご焼き
|青唐辛子の醤油漬け《コチュジャンアッチ》
デザート・辛子蓮根
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中学の頃毎日これだったし。あと追加でハバネロソースだってあるし。
移動しよ。ここじゃ人目につけられるし、普通屋上で食べる人が多いと思うなぁ。
「レン、屋上行こ?」「いいぜ」「あ、結愛……白川も来る?」「もぉッ、結愛呼びでいいのにぃ!行きたい!ありがとっ晴!」
結愛だってあっちから話しかけてくれたまぁ、そ、そのぉいっ一応友達なんだよッ!
「なぁ、白川誘っていいの?」「だって、と、友達に、ささ、さッ、誘われたし……それなりの恩は返さないとって……っ何だよ!?」「お前っていい奴だなあー、友達誘うの当たり前だもんな、ごめんなぁッ☆」
いじらないでよ、、もう。
「辛党なんだぁ、晴。あたしにもちょーだい、友達☆」「べ、別に友達じゃないんだからな!?」
はぁ、屋上って空気吸えていいな、あ、会長だ。
会長って忙しくないのかな、朝だって普通に話しかけてきたし、会長と仲を深めるのもいいものなのか、?
「こ、こんにちは、会長」
「あっ、あの、水谷くん、私の甘い卵焼き食べる?」
甘い?いや辛い卵焼きあるし、中にプルダックマヨネーズ入ってるやつだし、それあるし。
甘い物はべっとりしてて、好きじゃない、あんまり美味しくないっていうか、なんだろ、なんか自分にとって好きじゃないんだ。
「卵焼き、いいです。自分の弁当にもあるので。」「そう?お弁当、辛いものばっかりで心配だったから」
心配、?そういうのされる人柄目指してないし。
「じゃあ、水谷くん、勉強でわからないことがあったら言ってね」
勉強………僕が1番嫌いな奴。
運動だってさ、嫌いだよ?
これは僕の最大の秘密。レンだけに言ってある。これ以上の秘密だから。
《続く》