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目次
意味がわかると怖い話②
省略!
第1話 地縛霊
学生ってさ、お金がないもんでしょ?
いくら親に仕送りしてもらってるって言っても、結構、生活がカツカツなんだよね。
まあ、バイトでもすれば、いいんだろうけど、やっぱ、面倒くさいし。
となれば、やることは一つ。
出費を削減することだ。
そこで思いついたのは、家賃が激安のところに引っ越すというもの。
で、偶然、ビックリするくらい安い所を見つけた。
前のところと比べて、2万も安いんだよ。
学生の身分からすると、月2万円浮くのは、かなり嬉しい。
だけどさ、そういうところって、あれなんだよね。
そう、事故物件。
俺が借りた部屋は、かなりヤバいらしくて、何人も亡くなってるらしい。
でもさ、幽霊なんて結局は気持ちの持ちようでしょ?
気にしなければいいんだからさ。
それに近くの人に聞いてみたんだけど、部屋に出るっていう幽霊が、住む人によって違うって言うんだ。
ある人は髪の長い若い女って言ってて、その後は中年の男、その次は子供だってさ。
うーん。これはもう、嘘以外ないでしょ。
そんなにコロコロ変わるわけないじゃん。
ってことで、俺は気にせずに生活してたってわけ。
まあ、そりゃ、時々、変な音がしたり物の場所が変わってたりしたけど、無視してたんだ。
別に物凄い害があるわけじゃないし。
でもさ、それが段々、無視できなくなってきたんだよ。
変な音も、眠れないくらいうるさくなってきたし、物が無くなったり買った覚えのない物が出てきたりさ。
寝てるときに上から物が落ちてきたときは、正直、死ぬかと思ったね。
だから、あるとき、友達の知り合いに霊能力者がいるっていうから、格安で見て貰ったんだよね。
そしたら、やっぱり、地縛霊がいるんだって。
その人が言うには、なんか特殊な地縛霊らしくて、誰かを身代わりにするまで、その場に縛られて成仏ができないらしい。
だから、この部屋に住んでる俺を、あっちに誘おうとしてるって話。
さすがに安い料金じゃ、除霊まではしてくれなかったけど、霊から身を守る方法は教えてもらった。
それをすれば、しばらくは大丈夫だから、その間に新しい部屋を探しなさい、だってさ。
でもさ、それをやれば大丈夫なら、引っ越す必要はないんじゃね?
とにかく、俺はその夜、さっそく、その方法をやってみることにする。
まずは、体を清めるってことで、体に塩を塗り込んでからシャワーで流す。
で、次に……って、あ、バスタオルねーや。
とりあえず、ハンドタオルでささっと拭いて、と。
次は部屋の中央に日本酒と盛り塩を置く。
最後に部屋を真っ暗にして、祈ればいい。
簡単だ。
だけど、テレビが付けっぱなしだった。
だからリモコンを探したんだけど、見当たらない。
ちょっと、イラっとして、テレビのコンセントを引き抜いてやった。
そしたらさ、いきなり、バチンって音がして、部屋の中が真っ暗になったんだよね。
多分、ブレーカーが落ちたんだと思う。
まあ、真っ暗にしなきゃならないからちょうどよかった。
で、幽霊に、手出しするなって祈ったんだ。
そしたらさ、ビックリするくらい止んだわけ。
変な音もしないし、物が無くなったりもしなくなった。
いや、ホント、快適。
もっと早くやればよかった。
……って、思ってたらさ。
再開したわけ。
今度はさ、ハッキリと姿も見せてくんの。
俺くらいの年の男。
はー、面倒くせえ。
また、あの除霊をやらないとなぁ。
終わり。
■解説
主人公の男は除霊をやる際に、濡れた(塩を含んだ)手で、コンセントを触った際に感電死している。
部屋が真っ暗になったのは、意識が飛んだから。
また、一時的に幽霊が出なくなったのは、主人公の男をあの世に引き込んだ為、元々いた幽霊は成仏したから。
再度、出て来た幽霊の正体は、主人公の男の部屋に新たに契約した住人。
近所の人たちが言っていた、幽霊の目撃情報が違うのは、地縛霊が入れ替わっているためである。
どうだった?
③意味がわかると怖い話
めんどくさいから、書かない
安全なマンション
今の世の中、個人情報というのはとても重要視される。
俺も以前、個人データが洩れて、ストーカー被害に遭ってかなり大変な思いをした。
顔も知らない人間に付きまとわれるというのは、本当に怖かった。
だから、セキュリティー面がしっかりとしたマンションを選んだんだ。
そのマンションはかなり徹底されていて、住人同士でさえも、個人的なことがわからないようにしてある。
住人同士が集まるなんてこともしないし、顔を合わせても雑談どころか挨拶もしない人が多い。
郵便物に関しても、しっかりとボックスには鍵がかかっているし、何が届いたかも、外からは絶対に見えないようにしてある。
それに、エレベーターでさえも、外からはどこに停まったかもわからないようにしてある。
つまり、その住人がどこの階に住んでいるかも、極力わからないように工夫しているというわけだ。
それに、このマンションには入っている人が少ないのか、エレベーターで一緒になることもほとんどない。
他の人からは、逆に怖いだの、仲がギクシャクしそうと嫌な顔をする人も多い。
けど、このマンションに来るってことは、俺と同じように、他の住人と関わりたくない人ということなのだから、これはこれでいいと思う。
実際、俺も、快適に暮らせている。
このマンションに来てから数ヶ月が経った頃のことだ。
俺は毎朝8時に、出勤のために8階からエレベーターに乗り、1階まで降りるのだが、5階から乗る女の人と一緒になるということが多くなった。
最初は挨拶もしなかったが、何回か顔を合わせることで、挨拶くらいはするようになっていた。
まあ、相手が若くて美人っていうのもあったんだけどね。
それからは、毎朝、彼女と顔を合わせることが少しだけ楽しみになっていた。
…挨拶以外は特に会話もしないのだけど。
あわよくば、帰りのときも一緒にならないかな、と期待したけれど、俺は帰宅の時間がかなりバラバラだったから、一緒になることはなかった。
そんなある日の水曜日。
俺の会社には未だに、ノー残業デーというのが残っていて、水曜日だけは早く帰れる。
いつもすぐに家に帰っていたが、その日は何となく、外食をしてから帰った。
マンションについて、郵便物を取ろうとボックスを開けるとそこには異常な光景が広がっていた。 ボックス内の物が黒焦げになっていたのだ。
すぐに警察と消防を呼んで、検証をしてもらったところ、俺宛に送られた郵便物に、時限式の小型の爆発物が入っていたらしい。
もし、外食せずにそのまま帰っていたら、確実に爆発に巻き込まれていただろう。
その爆発で死ぬことはなかっただろうが、下手をすれば火事になる可能性があったそうだ。
誰かに恨まれているのだろうかと悩みながら寝て、次の日のこと。
朝、エレベーターであの女の人に会った。
いつも通り、挨拶をした後、彼女はこう言った。
「昨日は大丈夫でした? 8階でボヤ騒ぎがあったんですよね?」
俺はすぐに引っ越す決意を固めた。
終わり。
■解説
女はいつも、「5階から乗る」ことと、「帰りは一度も一緒になったことはない」ことから、主人公がどこの階に住んでいるかがわからないはず。
(朝は1階のボタンしか押されていないから、主人公がどの階から乗ったかはわからない)
また「ボヤ騒ぎがあった」と言っているのに、「8階で」と言っていることから、警察や消防が来た時には、そこにはいなかったことがわかる。
それなのに、ボヤになるようなことがあったと知っているということは、彼女が郵便物を送ったことになる。
さらに、時限式というところから、水曜だけはノー残業デーで早く帰ることも知っていたということになる。
つまりは、その女は男が引っ越すきっかけとなったストーカーである可能性もある。
(女とエレベーターで会うようになったのは、男が引っ越してから数ヶ月後ということからも、女が『後から』マンションに来たということも考えられる)
以上