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episode2. 街で出会った仲間
やがて英玲奈は、ドラゴンタウンにたどり着いた。
英玲奈「まだ入れそうなパーティはあるかしら・・・」
ギルドに立ち寄った英玲奈は、受付に『まだ人数が埋まっていないギルドはありますか』と尋ねた。
受付は言葉に詰まり、一つのパーティを紹介してくれた。
人数は5人、最大人数は6人なので、まだ入ることができる。
英玲奈「このパーティに参加したいです」
受付「・・・わかりました。でも、くれぐれも気をつけてくださいね」
英玲奈「気をつける・・・?何にでしょうか?」
受付「実は、このパーティ・・・“女嫌い”で知られているんです」
それを聞いても、英玲奈の心は揺らがなかった。
翌日、英玲奈はパーティの仲間と会うことになった。
女性は信用できないと思っているのか、ニックネームを教えられた。
5人の視線は冷たい。それでも英玲奈は引かなかった。
ドズル「・・・はじめまして」
戦士、ドズル。パーティのリーダーで、怪力自慢のムキムキ男性。貼り付けたような笑みを浮かべている。心から笑っていないのは見ればわかった。
ぼんじゅうる「なんで女な訳?嫌だって言ってんのに・・・」
魔法使い、ぼんじゅうる。ドズルの右腕?のような立場らしい。さっきから受付嬢に文句を垂れまくっている。
おんりー「・・・どうも」
盗賊、おんりー。小型ナイフを構えたまま、弓使いの少年を守るように立っている。人一倍警戒心が強そうだ。
おらふくん「・・・」
弓使い、おらふくん。大きな弓を背中に背負い、震えながらおんりーの後ろにいる。相当怖がりなのだろう。
おおはらMEN「めんどくせぇっすね・・・」
技術者、おおはらMEN。唯一人外の見た目で、巨大なツルハシを背負っている。英玲奈が気に入らないようだ。
エレン「エレンです。よろしくお願いします」
英玲奈も本名は隠し、エレンと名乗ることにした。幸い剣士はいなかったため、バランスは良さそう。
こうして、女嫌いのパーティ5人組と、素性を隠した一国の王女の旅は始まった。
パーティに入ったはいいものの、英玲奈はかなり避けられていた。誰も近寄って来ず、いつも1人だった。
それでも英玲奈・・・エレンは辞めなかった。1人黙々と、怪物を狩り続けた。
ドズルはそのエレンの様子を、度々眺めていた。初対面の時とは違い、冷たさを感じない・・・心配の目だった。
ドズルの心は動きかけていたが、なおもエレンを避け続けていたのだった。