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エスの過去その3
私達は、一体何をされるのだろうか。
先程沢山の子達がタヒんだ。
タヒんでいなかったとしても、何らかの障害があった子は沢山いた。
私はたまたま何も無かったけど……
でも、もしかしたらこの後とても痛いことをされるのかもしれない。
エム「皆さん、お待たせ致しました!ささ、行きますよ。…反抗はしないでくださいね?」
誰も反攻せずついて行った。
皆、とても逃げたそうにしていたが……逃げたらどうなるかは誰も見てない。でも、どうなるかは予想がついていたからだ。
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次の部屋は、先程と似た感じだが……容器が頑丈そうに見え、更には何やら機械がごちゃごちゃとついている。
エム「それにしても……まさかこんなにも沢山の子供たちが生き残るとは想像してなかったので、設備してる培養器がこのように数個しかないんですよ。なので、3回に分けて行いますね」
まずは、みんな小太り気味の人間の子、半身獣の子、エルフの子。
みんなが恐る恐る入れられる。そして、培養器?とやらはがっちりと閉められる。
エム「まずは……酸素を…」
エムがボタンを押すと、空気が入る。
(ただの酸素でもとても恐ろしく見える……)
エム「……成功することを祈りますよ。」
そして、もうひとつのボタンを押すと、黒い霧のようなものが少しだけ入る。
おかしい事に、その霧は生きてるかのように口の中へとはいる。
__「な、何っ?!」__
__「ナニカが入ってきたよ……?!」__
__「おれ……しぬのかよ……?」__
皆、慌てていた。私も、みてるだけだったけど……心臓の音がうるさい。
……でも、何も変化はなかった。数分たってもなかった。
エム「……んー、残念です。失敗ですね。」
そう呟くと培養器が開く。
皆、慌ててでる。
(失敗…なの?私みたいに何も変化なかったから成功じゃないのかな…)
次の子達も、同じようにされたが何も無かった。
そして、最後……私の他の子、2人は私と同じ人間だ。
私たちは個別の培養器に入れられて、酸素を入れられる。そして、黒い霧を入れられる。……
自ら口に入ってきた。
(怖い…けど、私も何も無いよね…)
心臓がバクバクしすぎて、なんならそっちのほうがやばい感覚……
「……?」
何だか、おかしくなってきた。
なんだろ……痛くない。まじで全く。でも、何かがおかしい……あれ、
なんか……足の感覚が無くなってきた……?
私は、足に力が入らなくなって、その場に座り込んだ。
「え……あれ…なんで……?」
立とうとしても、立てない。まるで神経が、骨が何もかも繋がってないみたいに……
エムが、こちらを興味深そうに見ている。
「何これ……」
足からどんどんと、感覚が薄れていく。このまま行ったら、顔もこうなってしまって……動かなくなった体をうまく利用されるのでは無いかと思ってしまう。
でも、予想は超えた。
「……えっ、?」
足の先にから、はらはらとなにか黒っぽい粒?のようなものが出てくる。
それは時間経過とともに増えていく。
「これって……?!」
先程、自ら口に入ってきた黒い霧に似ている。
突然、エムがかちらをガン見して少しずつ近づき……培養器を叩いた。
エム「あぁ……あああああぁぁぁぁぁ!これだよ……!私がこの何十年間も創りたかったッッッ……!最高の生命体ッッッッッッ!!!」
エムはとても興奮した様子で、足からどんどんと黒い霧になっていく私を見ている。
「え……え??」
しかし、よく見てみると霧は霧状になったり、1部だけ足になったりと繰り返してる。
段々と足の感覚も戻っていく。その調子で、腕、腹、顔までも足と同じ状態になった。
私だけが、異質だった。2人の人間の子も何も無かった。
そして、培養器が開く。その時、私の体は上手く動かせなかった。
動かそうとすると霧になって動けなかったりした。
足を踏み出して、足を地面につければ霧となって転ぶ。その瞬間、ほぼ全身が霧となる。
「……うぅ、」
エム「最高です……あなたは最高です……!!」
エムは、私にか眼中が無かった。
エム「失敗作は…では、あなた達は地下室へ。」
エムが2回軽くてを叩くと、白い服装の人達が現れ子供たちを連れていく。
m「な、なにをするのよっ、!?」
m「はなせ!」
しかしみんな連れてかれてしまった。
……私はエムと2人きりになった。
エム「体はやや不安定だが……心配は無いですね。体に慣らせばいいだけの事。」
(これ、ほぼ全身を霧にするととても苦しい……1部だけなら大丈夫だけど、ほぼ全身となると胸が締め付けられるような……)
私の体はようやく、元に戻ってきた。
そして、何とか立ち上がる。
エム「では、ゆっくりでいいので私について来てください!」
エムは嬉々として私をどこかの部屋へと案内する。
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in ???
「えッ……」
その部屋を見た瞬間、立ち尽くしてしまった。
それは、とても大きな部屋で……ロケット何個が入るくらい、東京ドームよりも少し大きいくらい?
とにかく、とてもでかいそんな部屋の中にはナニカがいた。
それは、黒いドラゴンだった。……霧のドラゴンだった。
見ただけでわかる。私が私たちが吸ったのはそのドラゴンの1部だということを。
「わ、私……将来ああなるの……ッ?」
考えただけで震えが止まらない。なんなに恐ろしい怪物になるのか……?
エム「それは私にも分からない。でも、ああはなって欲しくないね……だって、アイツらは理性がないから。見たもの全てを吸収しようとするんだ。」
エム「私の目的はね。」
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黒い霧のドラゴン……名は|沌々黒霧龍《オメガブラックエアドラゴン》。鱗、目、臓器、全てが黒い霧出できているドラゴン。霧は自由に操ることが出来て、ギュッとひとつの固形として爪を作り引っ掛けたり、霧と霧との等間隔を大きくして攻撃を受けても攻撃が当たらないようにしたりできる。沌々黒霧龍ははっきり言って最強に近い生物?である。
しかし、欠点がひとつある。それは、理性がないこと。見たもの全てを吸収しようとする為、手慣らしたり出来ない。
そこでひとつ作があった。確定では無いが、この龍の霧を他の生物と融合させたらどのようになるのだろう?と。
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「ッ……」
エム「でも、それを作るのが大変でね……」
まず、言うことをきかせるために人語を話す、人語が理解できる生き物。
寿命等がまだどのようになるのか分からないため寿命が長い子供であること。又、子供であることで使う霧の量も制御できるため。
ここが大事で、やや太り気味、肥満気味がいい。普通の体型だと栄養等が足りず、体力を大量に消費する。その体力は永遠に戻ってこない。
だからって太り過ぎは上手く霧が浸透せず意味が無くなってしまう。
2度目の霧の投入は一回目よりも入りやすく、更にもっと栄養を使うため出来ない。
この条件を満たして実験を行う。
1.いきなり霧が入ると拒絶反応を起こし100%で死に至るため沌々黒霧龍の生息地の空気に触れさせたり体内に入れて慣らす。だいたいここでみんな耐えきれずにタヒぬ。
2.成功したら、外に出だして暫く安静にさせて全体に浸透するまで待つ。
3.黒い霧を入れる。ここでなんの反応もなかったら、失敗。
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エム「ここから先はまだした事ないんだ。……君が初めてだったからね。」
「何を……するの?」
恐る恐る聞く。
エム「……今から、この部屋に入ってもらう。それだけだよ。」
沌々黒霧龍が沢山ある部屋へと入れ……?
エム「大丈夫。君と沌々黒霧龍とはもう同じもんだから!」
そうして、私は入れられた。
「ひっ……」
龍達は、私をじっくりと見る。……全身黒で目がどこにあるか分からないけど大体わかる。
近づいたがそれだけであとは何も無かった。
(これは……私が沌々黒霧龍になった……完全にって事よね……)
人間ではなくなってしまった。あっさりと。
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あのあと、私は知らない部屋に閉じ込められた。でも、牢屋みたいな部屋ではなかった。広々とした部屋、大きめのソファ、ベッド、机……他にもいろいろあった。
でも、いい気分ではなかった。この後どんな事をされるのか想像つかなかったから。
ソファの端っこで小さく座っていたが……ずっと不安と緊張、いつ酷い目にあうのか分からない状態だったから、少し気を抜いて眠くなってしまった。
(これ……このまま寝たら、絶対まず__い……の、に…………)__
そのまま眠ってしまった。