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風の通り道【第3話】
まえこやくん
【第3話】岩﨑恵太、失踪事件!!
1か月後…
岩﨑恵太は、ここ数ヶ月とある計画を立てていた。
それは、「岩﨑恵太失踪事件」だ。
まず、行方不明という大事にならないようにあえて「家出」という扱いになれば、そんな全国ニュースにならないだろう。
そのためには、着々と準備をこなす必要がある。
恵太は思った。「行方不明になるなら、朝方だろう」
恵太は同時に、SNSで「行方不明になる予定の少年です。誰か一緒に逃げませんか?」と投稿した。すると、すぐにダイレクトメッセージが来た。相手アカウントの名前は「まえこやくん」
まえこや:「突然、DMしてごめんね。僕も行方不明になろうと思ってるんだ。そうだ!キミと会いたいから、計画を立てようよ」
恵太:「実はもう、計画を立ててるんだ」
まえこや:「え、なになに?」
そう、岩﨑恵太は「夏祭り」を巧妙に使う作戦を決行しようとしている。立科町の代表的なお祭りは二つある。
① 立科町民まつり えんでこ
② 津金寺 夜観音(8月1日)
カレンダーを確認すると…今年はえんでこ、夜観音共に土曜日だ。その旨をまえこやくんに伝えたところ…
まえこや:「夜観音…これは、いいかもしれないな。夏休み期間かつ土曜日ということもあって、どちらの祭りでも大混雑しそうだな。恵太、待ち合わせ場所と時間はどうする?」
その後も、打ち合わせを進め、いよいよ8月1日。
まえこやくんという人物と会う日だ…!
人目に付かない裏道で待ち合わせだ。
そこに、1台の軽自動車が…恵太の目の前で止まった。
「おう、兄ちゃん。ここでなにしとるんだ?」
「え?」
恵太は、唖然とした。そこにいたのは、いかつい20代ぐらいの男性2人。入れ墨は入れていなかったが、助手席の男性が言う。
「もう暗いし、あぶねえぞ。この道よぉ、けっこう街灯ねえし、不審者情報も最近あったんよ」
スマホを見すと時刻は19時前。お祭りは本番に差し掛かり、津金寺は人でごった返している。
警察も出動していて、普段より活気に満ちていた。
恵太は、お兄さんにこう返した。
「いや…?待ち合わせ場所なんです」
「おい、それは誰とだ?知らねえ奴か?」
運転席にいたお兄さんが怪しむ。
「いや、友達ですけど」
「危ないし…いいから、乗ってけよ。後部座席が開いているからよ」
後部座席に乗りこんだところで、まえこやくんから連絡が…。
まえこや:「ごめん。もう少し遅れる」
恵太:「分かった。ローソンで待ってる」
それだけやり取りをして、お兄さんにローソンまで送ってもらった。
「花火、きれいだな」
やがて時間は過ぎ、21時半を過ぎた。その時だ!
「こんにちは!まえこやくんだけど」
そこに現れたのは、同い年の少女。
「私も自殺したくて、ここに来たの」
「そうなんだ」と恵太。
「じゃあ、一緒に逃げようか」
このあと、2人はとんでもないことになることを知らない。
全国ニュースには当然なってしまう…かも?
(第4話に持ち越し)