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箱入り姫と6人の騎士(ナイト)〜恋を知らない国宝級美女〜 ①
赤都 乃愛羽
第1話:運命のシェアハウス
「ちぐ、無理しちゃダメだよ? 具合が悪くなったらすぐ言うこと」
玄関先で、すとぷりのリーダー・ななもり。が心配そうに私を覗き込む。
私の名前は「ちぐ」。生まれつき少し心臓が弱くて、ずっと大切に育てられてきた。
鏡を見るたびに周りが「国宝級の美少女」なんて騒ぐけれど、私にはその意味がよくわからない。ましてや「恋愛」なんて、本の中だけのファンタジーだと思っていた。
今日から私は、縁あってすとぷりのメンバーが暮らすシェアハウスで、彼らの活動をサポートしながら一緒に暮らすことになった。
「大丈夫だよ、なーくん。…それにしても、ここ、すごく賑やかだね」
リビングに入ると、鮮やかな赤色の髪をした莉犬が真っ先に駆け寄ってきた。
「わあ、君がちぐちゃん!? 噂には聞いてたけど、マジで可愛い…! 守ってあげたくなっちゃうな」
「莉犬、距離近いって。ちぐがびっくりしてるだろ」
クールにたしなめるのは、青色担当のころん。でも、その耳が少し赤くなっているのを私は見逃さなかった。
「…ちぐ。あんまり無理すんなよ。お前のこと、俺らが全力で甘やかしてやるから」
オレンジ色の髪を揺らして、ジェルが優しく微笑む。
黄色担当のるぅとは、私の顔をじっと見つめて不思議そうに呟いた。
「ちぐちゃんって、本当に恋とか興味ないんですか? こんなに綺麗なのに…なんだか、僕が教えたくなっちゃいますね」
「おいおい、抜け駆け禁止だぞ」
桃色の髪のさとみが、私の頭をポンポンと撫でる。その大きな手のひらの温かさに、胸の奥が少しだけ、トクンと跳ねた。
「あの…心臓、大丈夫?」
みんなが口々に心配してくれる。
でも、この胸の鼓動は病気のせいじゃない気がする。
恋愛音痴な私と、個性的すぎる6人の王子様たち。
私の平穏だった日常が、ゆっくりと、でも確実に色づき始めた。