公開中
2.深刻な侵攻状況
いまだ何も言えずにいる。
「…あ、ぇ…琴さん、」
「わー!!!あかりちゃん、かわいい!」
「え、!?!?かわ、え??」
「あぁ、混乱した?ごめんねー!」
「あれ、あかりと…琴?」
「おーっと、だてさん参戦か!」
「え?」
「わ…何の話、を…琴さん…?」
「だてさん、あかりちゃんがきゅんとしそうなこと、言って!!!」
「え…?」
「きゅん…?」
「ほら、早く!早くー!」
「…あかり、好き、だよ?」
「あわわわわー!はるですね!」
「…え???」
「す、き…」
この気持ちに区切りをつけられないから。
最終的に嫌いにたどり着いてしまうから。
「…あかり…ちゃん?」
「…」
「あかり、!」
「…あ、すみません…ぼーっと、ッ…」
「まぁいいや!さくまが死にそうだから行くね!」
「…何だったんだ…?」
「さぁ…?」
___
「あぁ、あかりさん。」
「!雪乃、さん…」
「蓮、見てませんか?」
「目黒さん、ですかッ?…見てないですね、」
「はぁ、ありがとうございます。」
雪乃さんは何処か闇を感じる。
なんか、ぐずぐずと煮えたぎるような…執着心?
「宮舘さんは?」
「あぁ、目黒は楽屋で見たよ。」
「ありがとうございます。それでは。」
「大丈夫?あかりちゃん。」
「ッえ!だ、大丈夫…です、」
「そう?…不安だな、」
「う…ッ」
案外刺さる言葉かも…
「…なんか聞こえない?」
「え…?」
確かに。
『ーーーーッ!ーーーーーーーーーーー!』
『ーー…ーッ…』
「…目黒さん」
「それだ!今すぐ行こう!」
「へッ!?」
「ねぇ''!!!わかんないよね、蓮には…ッ!!!」
「ごめ、ん…ねぇ、ごめんって…ッ!」
「…」
ひどい有様。
叫び、泣いて…怒っている雪乃さん。
その仕打ちに泣いて怯える目黒さん。
唖然として、びびっている向井さん。
「何してんの雪乃ちゃん!」
「うっさい!!喧嘩に入ってこないで!」
「違う!目黒が怯えてる!」
「…は?」
「目黒が悲しんでんだよ…馬鹿!」
次の瞬間、雪乃さんの頬を宮舘さんが叩いた。
「…」
「ッ、ゆき、の…ちゃん」
「状況見て、雪乃ちゃん。」
「…あ…?」
なんだか長い劇を見ているようだった。
圧倒される宮舘さんの圧。
「…ごめん、蓮…見えてなかった。」
ちょっと、違う愛?
こんな風に、言えることができたならよかったのに。