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【第五話】~侵入者、一名~
1時間前とある部屋にて…
『ガチャ』
「失礼っしま〜す。や〜。すみません遅れちゃって。」
そう言って入ってきたのは、金髪でみるからにチャラそうな男。
動くたびにアクセサリー同士が当たる音がする。
「遅いぞ。《レオン》」
そこにいたのは目付きが鋭く、ガタイの良い外見の男だった。
「しゃーないじゃないっすか《ラグ》さん。レイヴァルのこと行ってたんすよ。」
資料もらってきましたよ、とラグの机にそれを置く。
「あいつらは大丈夫なのか。」
ラグが資料に目を通す。
「大丈夫と思うっすよ。今回も観測者あの人みたいだし、まあレイヴァルの部隊は問題児多いっすけど。あそこは一人一人がやばいっすから。ほんとラグさんもすごい人拾いましたよね〜」
レオンは資料棚を整理しながらそう言った。
ラグは表情を変えないが、その手にはわずかに力がこもっていた。
「…今日の会議、結構楽しかったっすよ。」
このときのレオンの声色は穏やかなものだった。
「あ、ちょっと忘れ物したんでまた会議室行ってきますね〜」
そう言ってレオンは資料を近くの椅子に置き、部屋を出た。
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会議室近くの廊下にて…
「あれ⁉︎ レイヴァルとヴェルナちゃんじゃ〜ん。さっきぶり〜。」
レオンは腕を大きく振って2人の元に向かう
「…先輩?」
「よっ!」
走った勢いでイルの肩に腕を回した。
「レオンさんイルとすっごい仲いいですよね〜。兄弟みたい」
イルとレオンは同じ体勢のまま目を合わせる。
「そう「か」?」
2人の声が無意識に合う。
「あっ…」
イルが声を上げる。
「ははっ。今思いっきりハモったな。」
そう言ってレオンは笑みを浮かべた。
「ですね。」
一瞬だったがそのときのイルは顔をほころばせていた。
「え〜。もしかしてイル笑ってる〜?笑ってるよね〜。」
ヴェルナがイルの顔を覗き込む。
「ヴェルナ鬱陶しい。」
いつものような冷たい声でそう言う。
「は〜い。」
「先輩そろそろ行かないといけないので失礼します。」
「うん。また。」
イルは別れる間際に頭をほんの少し下げた。
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『カツカツカツ…』
『ジャラジャラジャラ…』
足音、アクセサリーの音、服が擦れる音、レオン周りから色々な音が聞こえてくる。
会議室のドアが開く。
首を左右に振り忘れた物を探す。
「あった。あった。」
それはレオンが座っていた椅子の近くに落ちていた。
しゃがみ、それを取る。
静寂がレオンを襲う。
再び廊下に出ると天井には星があった。
「なんすか、《観測者さん》」
レオンが歩くのをやめ、上を向きそう言った。
『至急お越し頂きたい案件が。』
聞こえてきたのは透き通った女の声。
「そう言うのは、レイヴァルのところの方がいいんじゃないっすか。」
レオンはまた歩き始めた。
「いえ、今回はあなたが適任です。詳細は既に掲載しました。ご確認を。」
それを見るとレオンは走り出した。
「相変わらず仕事早いっすね。でもこれ結構急がないとやばいじゃないっすか。早く言ってくださいよ。間に合うんすか。」
静脈路を通りながら目的に向かう。
「はて、私は至急と言いましたよ。」
そう言って、彼女はしらばっくれた。
「はい。はい。そうっすか。」
ちなみに静脈路、通称ヴェインとは施設内を移動するための長い廊下。
そこに埋め込まれている磁石と職員の靴の底に入ってある磁石によって移動を補助してくれる優れ物である。磁力を操作してコントロールすることも出来るとか。(リニアモーターカーの原理と同じです)あ
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数分後…
レオンはある部屋に飛び込むように入る。
「すんません。今どう言う状況っすか。」
レオンはすぐに指揮官に声をかけるが返事が返ってこなかった。
そこはオペレータールームだった。
扉の前には机と椅子がその正面には大きなモニター下にはオペレーター達がいた。
「……この人寝てますよ。」
後ろから聞き慣れた声が聞こえた。
「ノア⁉︎なんでここに…それよりこの人はまた…」
そう言って目の前の椅子に座る。
「……助かります。」
「いいのいいあの。でもやっと俺が呼ばれた理由が分かったよ〜。」
新しい情報が来たら教えてけ〜とノアに言い資料を確かめる。
「……最後に上司から伝言が。『導座の副責任者としてがんばれ〜』だそうです。それでは私は失礼します。」
そう言ってノアはオペレータールームを出た。
「相変わらずこの人は自由人だな…よし、それじゃあ…お仕事始めるか〜」
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『ガチャ』
「あっ…お兄さんただいま…」
ツクヨミが控え気味にそう言う。
「お兄さんことゲームすっげえ楽しいよ!それにしてもお兄さん電話長かったな〜」
カイは自分の家のようにゲームを楽しんでいた。
「……俺はこれでも忙しいんだ。」
しばらくしてドアの扉が開いた。
そこにいたのは──