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お互い/🍣💎
久しぶりの公式ペアじゃないやつ〜
それじゃあいってみよ
「うぅ〜、急げ急げ…!欲しいもの無くなっちゃうよ…!」
もうやばい。時間ない。本当に時間ない…!
…え、なんでこんなに急いでるのかって?
コンビニで欲しいものがあるからだよっ!
「ていうかもうちょっとで曲がり角…はっ」
曲がり角ということは。
もしかして少女漫画で良く見るあの体験ができちゃう…!?
「…てか人いるくない?なんかピンクの髪っぽいの見える…」
どうしよう、1回試してみたいなぁ…
…よし、ぶつかるか。
そう思って僕は全速力で走り、勢いよく曲がり角を曲がる。
そして案の定、僕の体に強い衝撃が走り、お互い地面に倒れた。
「えっ…え?」
ピンク髪の人がめっちゃ困惑してる。
…うん、そりゃそうだ。
急にぶつかられたら誰でもそうなるだろう。しかもピンク髪の人は僕に背を向けて歩いていたのに。
「あっ…えっと、すみません…あのぉ…」
僕がただ少女漫画みたいな体験をしたいってだけで、見ず知らずの人にぶつかってしまったことに急に恥ずかしさを覚える。
とりあえず謝らなきゃ。そんな気持ちでいっぱいだった。
「あ、あのっ、ほんとごめんなさい…!わざとじゃなく…いや、えっと…」
「…大丈夫ですよ」
僕が言葉に迷いながら謝ると、少し笑ったような優しい声が聞こえた。
下を向いて言葉を紡いでいた僕は、驚きのあまり思わず顔を上げてしまう。
「あなた急いでたみたいですし…そんなことくらい誰でもありますよ」
優しい笑顔でそう言ったピンク髪の人。
僕が一方的に悪いのにそう許してくれた彼は、神様のように見えた。
「あの、ほんとにごめんなさい…」
「大丈夫だって!もう謝んないで」
「で、でも…」
「ほんとに大丈夫だから!それにこれも何かの縁だし、仲良くしない?」
…ほんとにこの人神様なのかな?
なんかもう後光が差してるように見える。
「俺ないこっていうんだけど…君は?」
「え、あ、僕はほとけっていいます…」
「ほとけくんかぁ!」
「あ、あの、いむくんって呼んでいただけると嬉しいです…」
「いむくん…じゃあいむって呼ぶね!俺のことは好きに呼んで」
…うん優しすぎない?
もしかして僕、人智を超えた存在と関わっちゃったの?
「…そういえばいむ急いでたんだっけ?」
「あっはい…!」
「何か用事あるの?」
「いやちょっとコンビニで買いたいものがあって…まぁお菓子なんですけど…」
「お菓子か〜!何のお菓子?」
「えっと、シュークリーム…」
そう、僕が買いたいものはシュークリーム。
実はめっちゃ人気で、早く行かないと売り切れてしまう。
…まぁきっと他の人からしたら『そんなことか』くらいしか思わないだろうけど…。
「え、コンビニのシュークリームってめっちゃ人気じゃない?」
「え?知ってるんですか?」
「当たり前じゃん!すぐ売り切れちゃうから早く行かなきゃだよね…ごめんね引き止めて!」
焦った表情でそう言ったないこさん。
…ほんとにすごい。もう…うん、神。
「それじゃ、またどこかで会おうね!」
「は、はい…」
「またねいむ〜!」
そう言って走って行ったないこさん。
なんかあの人も急いでるのかな…?
…あーあ、それにしても。
「ないちゃん、やっぱ可愛いしかっこいいなぁ…♡僕がついてってるだけあるよ」
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「…ふふっ、いむと話せちゃった」
「認知してくれたかなぁ…シュークリーム買うために急ぐとか可愛すぎでしょ…」
「やっぱほんと可愛い…♡俺がストーカーしてるだけあるなぁ」
お互いがお互いのストーカーっていいよね
…少なくとも私はそう思うよ