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一日目の朝(ネタバレ)
【現在の生存者一覧】
デュース&監督生(妖狐)
エース(人狼)
ジャック(狩人)
エペル(占い師)
オルト(狂人)
セベク(村人)
トレイ(共有者)
ケイト(人狼)
レオナ(村人)
ヴィル(村人)
ルーク(霊媒師)
イデア(共有者)
マレウス(村人)
リリア(人狼)
──残り十四人
---
──一日目の朝。
──話し合いを始めてください。
---
レオナ(村人)
「話し合いなんざいらねえ。最初はトカゲ野郎を処刑だろ」
マレウス(村人)
「最近の猫は話し合いすらできないのか」
ヴィル(村人)
「アンタたち。ケンカならよそでやってちょうだい。時間の無駄よ」
ケイト(人狼)
「とりあえず最初は情報が欲しいな。というわけで、占い師ちゃん! 霊媒師ちゃん! 共有者ちゃん! 名乗っちゃって!」
オルト(狂人)
「じゃあ僕から名乗るね! 僕は占い師です!」
エース(人狼)
「おっ。ウソつき発見! オレが占い師だよ」
エペル(占い師)
「ううん。僕が占い師だよ」
トレイ(共有者)
「三人出たか。誰が本物やら」
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デュース(妖狐)
『監督生、聞こえるか?』
監督生(妖狐)
『うん。聞こえる』
デュース(妖狐)
『すごいな、この魔法。この会話、僕たちにしか聞こえてないんだろ』
監督生(妖狐)
『うん。しかもその間だけは時間が止まるというオマケつき。都合よすぎだけど、このほうが説明しやすくて助かるよ』
デュース(妖狐)
『さっそく聞きたいことがあるんだが、名乗ってもいいのは占い師と霊媒師と共有者だけなんだよな?』
監督生(妖狐)
『そうだよ』
デュース(妖狐)
『じゃあなぜ三人も占い師が出てるんだ? 占い師は一人だけのはず……』
監督生(妖狐)
『これはね、人狼陣営が『ウソをついた』んだよ。自分たちが人狼だと占い師に当てられたら、処刑されちゃうでしょ? でも占い師が他にいたら、何も知らない人たちは誰が本物かわからなくなる。本物の占い師が、実は偽物なんじゃないかと周りに思わせられたら、人狼陣営には有利になるじゃん』
デュース(妖狐)
『ああー。だからオルトもエースもエペルも、誰が本物なのかわからなくなるのか。確かに人狼陣営は有利になる』
監督生(妖狐)
『その代わり、この三人のうち、二人は偽物だとバレるけどね。そのリスクを背負ってでも、本物の占い師に好き放題されたくないってわけ』
デュース(妖狐)
『……僕たち妖狐もウソがつけるのなら、ついたほうがいいか?』
監督生(妖狐)
『いや。今回デュースは初めてだし、ウソの名乗りはしないで、隠れておこう。村人のふりをするんだ』
デュース(妖狐)
『わかった』
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ヴィル(村人)
「じゃ、次。霊媒師、名乗ってちょうだい」
ルーク(霊媒師)
「ウィ。私が霊媒師だね。愛の狩人を狙っていたのだけれど、朽ちゆく者に手向けの言葉をささげるのもいいね!」
トレイ(共有者)
「……他に名乗り出ないのなら、ルークは霊媒師で確定だな。それで共有者だが、俺が共有者だ。相方は──」
イデア(共有者)
「はい。拙者です」
トレイ(共有者)
「……お前だけリモートなのか」
ケイト(人狼)
「イデアくんの顔だけ見えないなんて、こっちが不利だよ」
イデア(共有者)
「ほほう? 共有者の拙者に対して『不利になる』とは、ケイト氏、怪しいですぞ?」
ケイト(人狼)
「えー? そんなんじゃないって」
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監督生(妖狐)
『共有者のウソの名乗りはできないルールだから、共有者が確定するのは当然として』
デュース(妖狐)
『ああ』
監督生(妖狐)
『霊媒師も確定したね』
デュース(妖狐)
『それっていいことなのか?』
監督生(妖狐)
『うーん……。確定したってことは、情報をまとめやすくなるから、こんがらなくなるメリットがある。いまはいいことだと思っとこう』
デュース(妖狐)
『そう……か。うん。そうだな!』
監督生(妖狐)
『霊媒師はルーク先輩。共有者はトレイ先輩とイデア先輩で確定……と。よし把握』
デュース(妖狐)
『しかしなぜ霊媒師の偽物は出なかったんだろう』
監督生(妖狐)
『あんまりウソをつきすぎると、そのぶん人狼陣営が危険になっちゃうからね。占い師ですでに二人も出ちゃったから、残り二人は隠れておきたいんだと思うよ』
デュース(妖狐)
『ウソをつきすぎてもダメなのか……』
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トレイ(共有者)
「共有者の俺とイデアは村人陣営で確定だから、進行は任せてもらっていいか?」
レオナ(村人)
「ああ。いいぜ」
ヴィル(村人)
「異論は無いわ」
マレウス(村人)
「任せたぞ、クローバー、シュラウド」
イデア(共有者)
「あ……す」
ルーク(霊媒師)
「でも、あまり私たちで話し合うと、一年の子たちが萎縮してしまうね。水と光を与えねば、つぼみは開かないよ」
リリア(人狼)
「そうじゃな! セベク、ジャック、デュース、監督生! お主らもなんか言うといいぞ!」
セベク(村人)
「はい、リリア様!! ここは占い師を処刑していきましょう!!」
エペル(占い師)
「うわ……大きく出たね」
セベク(村人)
「三人中、二人は偽物なのだろう!? ならば早く消すべきだ!!」
デュース(妖狐)
「確かにそうだな」
監督生(妖狐)
「ううん。それはしないほうがいい」
デュース(妖狐)
「え? なんでだ?」
監督生(妖狐)
「本物の占い師には妖狐を占って、消してもらわないと。占い師が全員いなくなったら、あとは処刑でしか妖狐を消せなくなっちゃうでしょ」
ジャック(狩人)
「そういや妖狐は人狼に襲われないんだったな」
監督生(妖狐)
「そう。だから占い師はなるべく残ってほしいな」
セベク(村人)
「む……たまにはいいことを言うではないか、人間! 褒めてやろう!」
監督生(妖狐)
「はいはい」
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監督生(妖狐)
『デュース……言いたいことはわかるよ。『なんで妖狐陣営の僕たちが不利になるようなことを言ったんだ』って』
デュース(妖狐)
『待ってくれ。確かに言いそうになったが……あえて監督生がそう言うことで、僕たちに疑いがかからないようにしたかったんだろ。さすがにわかるぞ』
監督生(妖狐)
『わかってくれてたようで何より』
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トレイ(共有者)
「まだ一日目だし、あせることはない。占い師は残しておこう」
エース(人狼)
「で、オレたちはどこを占えばいいわけ?」
イデア(共有者)
「妖狐が占い師だと騙っていたら、消すために占い師同士で占う、という手もありますが……占い師は三人出ておりますな。おそらく内訳は『本物の占い師』『狂人』『人狼』と拙者はにらんでるでござる」
ヴィル(村人)
「やけに具体的じゃない」
イデア(共有者)
「狂人は必ずウソをつかないといけない。霊媒師が本物しか出てないのなら、ウソをつけるタイミングは占い師に名乗り出るときしかないでしょう常識的に考えて」
ヴィル(村人)
「腹立つわね」
イデア(共有者)
「これで占い師の三人のうち二人は『本物の占い師』『狂人』で確定。残り一人が妖狐じゃなくて人狼だと思ったのは……『三人もいるんだから、一人は出てもらってもいいでしょ』精神でござろうな。妖狐は隠れてるよ。消極的な妖狐ですなあ」
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監督生(妖狐)
『さすがイデア先輩。僕たちの考えなんてお見通しってことか』
デュース(妖狐)
『どうするんだ、監督生!』
監督生(妖狐)
『どうもできない。様子見しかないね』
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トレイ(共有者)
「なら占い師は、占い師以外を適当に占ってもらおう。お前たちもそれでいいな?」
オルト(狂人)
「うん」
エース(人狼)
「オッケー」
エペル(占い師)
「任せてください」
イデア(共有者)
「狩人は霊媒師を守ってクレメンス。貴重な確定役職はまだ失いたくないので」
トレイ(共有者)
「さて、問題はどこに投票すればいいのか、だが……」
ヴィル(村人)
「提案。レオナかマレウスのどちらかに投票しましょう」
レオナ(村人)
「な!?」
マレウス(村人)
「なぜだ! 僕はもっと遊びたい」
ヴィル(村人)
「アンタたちまとめて残しておくと、うるさいのよ。ノイズはいらないわ」
レオナ(村人)
「……ちっ。だったら俺に投票しろ。付き合ってられねえ」
マレウス(村人)
「敵前逃亡か? らしくないな」
レオナ(村人)
「ああ!?」
ヴィル(村人)
「ほら! こうなるじゃない!」
トレイ(共有者)
「はは……こいつらはいっしょにさせないほうがよさそうだ」
ケイト(人狼)
「レオナくんとマレウスくん、どっちに入れるかは自由でいい感じ?」
トレイ(共有者)
「そうしようか。よし! 一日目はこんなもんでいいだろ」
イデア(共有者)
「じゃ、レオナ氏とマレウス氏。どっちかは生き残るけど、遺言どぞ」
レオナ(村人)
「ねえよ。ま、適当に頑張れや」
マレウス(村人)
「村人陣営の勝利のためならば、僕の屍を越えることを許そう」
イデア(共有者)
「終わり? じゃ、投票ね」
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──話し合い終了。投票に入ります。
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デュース(妖狐)
『キングスカラー先輩かドラコニア先輩のどちらかに投票する流れになってしまった』
監督生(妖狐)
『誰か消したい人でもいた?』
デュース(妖狐)
『エース。あいつは何をしでかすかわからん』
監督生(妖狐)
『ああ……気持ちはわかるよ』
デュース(妖狐)
『だけど決まったものはしょうがないな。さて……どっちに投票するか……』
監督生(妖狐)
『本当にどっちでもいいもんね。デュースが決めていいよ』
デュース(妖狐)
『う〜〜〜〜ん……キングスカラー先輩にもドラコニア先輩にも世話になったのに……どちらかは処刑しないといけないなんて……!』
監督生(妖狐)
『ゲームなんだから、そんなに難しく考えなくても……』
デュース(妖狐)
『もういっそ、目くらましで、まったく別の人に投票するのはどうだ?』
監督生(妖狐)
『それは……やめとこう。投票先はみんなにバレるから、話し合いとはまったく違う人に投票したら、僕たちが怪しまれるよ』
デュース(妖狐)
『うぐ……』
監督生(妖狐)
『……僕が決めようか?』
デュース(妖狐)
『頼む!!』
監督生(妖狐)
『じゃ、ツノ太郎に投票しよう。言っておくけど、なんとなく、だからね』
デュース(妖狐)
『わかってるさ!』
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──投票終了。投票結果発表。
デュース&監督生→マレウス
エース→レオナ
ジャック→マレウス
エペル→マレウス
オルト→レオナ
セベク→レオナ
トレイ→マレウス
ケイト→レオナ
レオナ→マレウス
ヴィル→マレウス
ルーク→レオナ
イデア→レオナ
マレウス→レオナ
リリア→レオナ
レオナ 八票
マレウス 六票
──レオナ・キングスカラーを処刑します。
──一日目の朝が終了しました。